JP2013101189A - 朱色トナー、およびそれを用いた画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印鑑画像の細線のかすれやガサツキ感を抑えることのできる朱色トナー、及びそれを用いた画像形成方法および画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100が使用する朱色トナーは、朱色の着色剤として、C.I.ピグメントレッド48−1およびC.I.ピグメントレッド48−3と、C.I.ピグメントイエロー74あるいはC.I.ピグメントイエロー185の何れか一方とを含み、かつ、記録材に定着された状態の朱色トナー画像における朱色トナーの付着量であって、マゼンタ基準の画像濃度ID0.8の朱色トナー付着量が、0.4mg/cm以上となるように、朱色の着色剤の含有量が設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、印鑑画像の再現に適した朱色トナー、およびそれを用いた画像形成方法、画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、たとえば帯電、露光、現像、転写および定着の各工程を経ることにより、転写紙上にトナー画像が形成される。帯電工程では、回転駆動される感光体の表面を帯電装置によって均一に帯電する。露光工程では、帯電された感光体表面に露光装置によってレーザ光を照射して、感光体表面に静電潜像を形成する。現像工程では、感光体表面の静電潜像を現像装置によってトナーを用いて現像し、感光体表面にトナー画像を形成する。転写工程では、感光体表面のトナー画像を転写装置によって転写紙に転写する。その後、定着工程では、定着装置によってトナー画像を転写紙に定着させる。
近年では、白黒画像形成装置の他、電子写真方式のフルカラー画像形成装置が市場に提供されている。一般に、フルカラー画像形成装置における色の再現には、減法混色の3原色である、イエロー、マゼンタ、シアンの3色、または、この3色に黒色を加えた4色のトナーが用いられる。
ところで、フルカラー画像形成装置においては、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナーを用い、各々の比率を変えることで、全色(フルカラー)を再現する。朱肉を用いて作製された印鑑画像の朱色の再現には、イエローとマゼンタの2色が用いられる。
ところが、イエローとマゼンタの2色を用いて、オリジナルの印鑑画像の朱色に忠実な色を再現することは難しく工夫が必要である。これは、朱肉の色が、高い明度を有する明るい朱色を呈するためである。一般に用いられているマゼンタトナーとイエロートナーとの混色で、高い明度を有する明るい朱色を再現することは難しい。
従来、このような朱色を再現する手法の一つとして、例えば特許文献1〜4には、ローダミン系化合物を含む着色材を使用したマゼンタトナーを用いることが提案されている。ローダミン系化合物は蛍光顔料であり、520nm近辺の光を吸収して波長560〜600nmの領域に蛍光ピーク波長をもつ蛍光を発する。着色剤に蛍光顔料を含むことで、明度・彩度が上がり、高い明度を有する明るい朱色を出すことが可能となる。
しかしながら、蛍光顔料は、容易に明度・彩度を上げることができる反面、耐光性に劣るため、再現した印願画像が比較的速い時間で退色するといった問題がある。
そこで、本願出願人は、蛍光顔料を用いることなく、高い明度を有する明るい朱色を出すべく鋭意検討を行った結果、イエロートナーと混色されるマゼンタトナーにおいて、着色剤として、ある特定の組み合わせの着色剤をある特定の割合で混合して用いることで、蛍光顔料を用いることなく、高い明度を有する明るい朱色を再現できることを見出した。なお、見出した技術については、本出願よりも先に特許出願しており、特許文献5に詳細が記載されている。
特開2008−287239号公報 特開2009−047814号公報 特開2009−058745号公報 特開2009−169407号公報 特開2011−107676号公報
しかしながら、たとえ特許文献5に記載したマゼンタトナーを用いたとしても、オリジナルの印鑑画像が薄く、かつ、表面の平滑性が低い大きな凹凸を有する転写紙にプリントすると、印鑑画像の細線がかすれたり、ガサツキ感が生じたりして、オリジナルの印鑑画像を忠実に再現することができないことがあることが判明した。これは、紙面が部分的に露出することに起因する。細線のかすれやガサツキ感は、コピーtoコピーやスキャンtoプリントで顕著に発生しやすくなる。
本発明の目的は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、印鑑画像の細線のかすれやガサツキ感を抑えることのできる印鑑画像形成方法、画像形成装置、およびそれに用いられる朱色トナーを提供することである。
一般に使用される印鑑画像は、表面の粗い紙や捺印自身の表面劣化により、低濃度から高濃度まで実にさまざまである。マゼンタ基準の画像濃度の低い印鑑画像(ID=0.8前後)の場合、高濃度の印鑑画像に比べて朱色トナーのトナー付着量が少なくなり(0.4mg/cm未満)になるので、定着後において、紙面が部分的に露出しやすくなる。
本発明の朱色トナーは、上記課題を解決するために、朱色の着色剤として、C.I.ピグメントレッド48−1およびC.I.ピグメントレッド48−3と、C.I.ピグメントイエロー74あるいはC.I.ピグメントイエロー185の何れか一方とを含み、かつ、記録材に定着された状態の朱色トナー画像における朱色トナーの付着量であって、マゼンタ基準の画像濃度ID0.8の朱色トナー付着量が、0.4mg/cm以上となるように、朱色の着色剤の含有量が設定されていることを特徴としている。
上記構成によれば、朱色の着色剤として、C.I.ピグメントレッド48−1およびC.I.ピグメントレッド48−3と、C.I.ピグメントイエロー74あるいはC.I.ピグメントイエロー185の何れか一方とを含んでいる。これにより、マゼンタ顔料において紫色成分(可視光領域における低波長側透過率が低く)が少なく、イエロー顔料と混ぜても濁りの抑えられた明るい朱色を再現することができる。
さらに、上記構成によれば、マゼンタ基準の画像濃度ID0.8の朱色トナー付着量が0.4mg/cm以上となるように、朱色の着色剤の含有量が設定されている。これにより、プリント元となる印鑑画像が薄く、かつ、これをプリントする記録材の表面が、例えば表面粗さRa3.0μm〜4.0μmの粗さを有していたとしても、プリントされた印鑑画像に、細線のかすれやガサツキ感が生じることを低減させることができる。
本発明の朱色トナーは、さらに、朱色の着色剤の含有量が、5.0重量部以下に設定されている構成とすることもできる。朱色の着色剤の含有量を5.0重量部以下とすることで、マゼンタ基準の画像濃度ID0.8の朱色トナー付着量を0.4mg/cm以上とできる。
本発明の朱色トナーは、さらに、記録材に定着された状態の朱色トナー画像における朱色トナーの付着量であって、マゼンタ基準の画像濃度ID1.3の朱色トナー付着量が、1.0mg/cm以下となるように、朱色の着色剤の含有量が設定されている構成とすることが好ましい。
マゼンタ基準の画像濃度ID1.3の朱色トナー付着量が1.0mg/cm以下となるように、朱色の着色剤の含有量が設定されていることで、プリントされた印鑑画像に、細線が太くなって文字つぶれが生じることを低減させることができる。
本発明の朱色トナーは、さらに、朱色の着色剤の含有量が、3.0重量部以上に設定されている構成とすることもできる。朱色の着色剤の含有量を3.0重量部以上とすることで、マゼンタ基準の画像濃度ID1.3の朱色トナー付着量を、1.0mg/cm以下とできる。
本発明の画像形成方法は、上記課題を解決するために、帯電した感光体表面を露光して静電荷像を形成し、該静電荷像を現像剤を用いて現像して記録材に画像を形成する画像形成方法であって、請求項1〜4の何れか1項に記載された朱色トナーを含む現像剤を用いて静電荷像を現像して画像を形成することを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、前記感光体を帯電させる帯電部と、帯電された感光体を露光して前記感光体に静電荷像を形成する露光部と、前記静電荷像の形成された感光体に現像剤を供給して前記静電荷像を現像する現像部と、現像された像を記録材に転写する転写部とを有する電子写真方式の画像形成装置において、前記現像剤には本発明の朱色トナーが含まれていることを特徴としている。
本発明によれば、プリント元となる印鑑画像が薄く、かつ、これをプリントする記録材の表面に比較的大きな凹凸が有ったとしても、プリントされた印鑑画像に、紙面が部分的に露出することによる細線のかすれやガサツキ感が生じることを低減させることができる。
本発明の朱色トナーが使用される電子写真方式の画像形成装置の全体構成を示す図である。 紙面が部分的に露出することにより細線のかすれやガサツキ感がある、従来の手法で形成された印鑑画像部分の断面を示す模式図である。 本発明の朱色トナーを使用して形成された印鑑画像部分の断面を示す模式図である。 細線の200倍画像サンプルを示す図面であり、(a)は良好な線の図、(b)はかすれている線の図、(c)線太りの図である。
一般に使用される印鑑画像は、表面の粗い紙や捺印自身の表面劣化により、低濃度から高濃度まで実にさまざまである。マゼンタ基準の画像濃度の低い印鑑画像(ID=0.8前後)の場合、高濃度の印鑑画像に比べて朱色トナーのトナー付着量が少なくなり(0.4mg/cm未満)になるので、定着後において、紙面が部分的に露出しやすくなるが、本発明にあっては、一般に使用されるマゼンタ基準の画像濃度の低い印鑑画像(ID=0.8前後)であっても、十分な厚みの朱色トナー層が形成されるので、定着後の朱色画像中において、紙面が部分的に露出することによって生じる印鑑画像の細線のかすれやガサツキ感を抑えることができる。また、高濃度の印鑑画像(マゼンタ基準ID=1.3前後)においても、トナー付着量が制御されるため、文字つぶれを防止できる。
図面を参照しつつ、本発明の実施の一形態について説明する。
[画像形成装置]
まず、図1を用いて、本実施の形態の画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、画像形成装置100は、黒用の画像形成ステーション40aと朱色用の画像形成ステーション40bとを備え、外部から送信される画像データに応じて、シート状の転写紙(記録用紙)に黒と朱色の2色画像を形成可能な2色のカラープリンタである。
なお、本実施形態では、画像形成装置としてプリンタの場合を例示しているが、画像形成装置としては、外部から送信される画像データだけでなく、スキャナーによって原稿から読み取った画像データに応じても転写紙に多色または単色の画像を形成することができるコピー機、ファクシミリ装置またはこれらの機能を備えた複合機であってもよい。
黒用の画像形成ステーション40aは、感光体ドラム3aを備え、その周囲に、感光体ドラム3aの表面を帯電させる帯電器(帯電部)5a、黒トナーを収容して感光体ドラム3aの表面の静電潜像を現像して黒トナー画像を形成する現像装置2a、画像転写後の感光体ドラム3の表面に残存する残留トナーを除去するクリーナユニット4aが配設されている。現像装置2aには、画像形成ステーション40aの上方に備えられた補給装置22aより、黒トナーが補給されるようになっている。
同様に、朱色用の画像形成ステーション40bは、感光体ドラム3bを備え、その周囲には、帯電器5b、朱色トナーを収容した現像装置2b、クリーナユニット4bが配設され、現像装置2bには、画像形成ステーション40bの上方に備えられた朱色トナー補給装置22bより、朱色トナーが補給されるようになっている。
各画像形成ステーション40a,40bの下方には、各感光体ドラム3a,3bの表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光部)1が配設されている。
また、各画像形成ステーション40a,40bの上方には、各感光体ドラム3a,3bの表面のトナー画像を転写紙に転写する中間転写ベルトユニット(転写部)8が配設されている。
中間転写ベルトユニット8は、各画像形成ステーション40a,40bにて形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト7と、中間転写ベルト7の内側に配設され、各感光体ドラム3a,3b表面のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させる各一次転写ローラ6a,6bと、中間転写ベルト7上に転写されたトナー画像を転写紙に転写させる二次転写ローラ11等を備えている。
また、画像形成装置100には、下部に、転写紙を収容する給紙トレイ10が配置されると共に、一側壁面には手差しトレイ20が設けられている。また、画像形成装置100には、上部に、転写紙に転写されたトナー画像を転写紙に定着させる定着装置12が配置され、画像形成装置100の上面は排紙トレイ15となっている。給紙トレイ10または手差しトレイ20から給紙された転写紙を、中間転写ベルトユニット8、定着装置12へと搬送するためのシート搬送路S等も設けられている。定着装置12の下方には、定着装置12の熱が各画像形成ステーション40a,40bの配置空間に伝わらないように断熱するための隔壁30が設けられている。
各画像形成ステーション40a,40bにおいては、各帯電器5a,5bにて帯電された各感光体ドラム3a,3bの表面が、露光ユニット1によって露光され、各感光体ドラム3a,3bの表面に静電潜像(静電荷像)が形成される。露光ユニット1は、黒用の感光体ドラム3aを黒色成分の画像データに応じて露光し、朱色用の感光体ドラム3bを朱色成分の画像データに応じて露光する。
このようにして形成された静電潜像を、各現像装置2a,2bが黒トナー,朱色トナーを供給することによって、黒トナー画像、朱色トナー画像とする。各感光体ドラム3a,3bの表面に形成された黒トナー画像および朱色トナー画像は、中間転写ベルトユニット8における各一次転写ローラ6a,6bにて中間転写ベルト7上に重ね合せて転写される。中間転写ベルト7上に転写されたトナー画像は、二次転写ローラ(転写部)11によって、シート搬送路Sを搬送される転写紙に転写される。トナー画像が転写された転写紙は、定着装置7を通過することで、トナー画像が転写紙上に定着され、その後、排紙トレイ15上に排出される。これにより、転写紙上には、黒トナー画像に基づく黒色画像と、朱色トナー画像に基づく朱色の印鑑画像とが形成される。
[トナー]
次に、上記画像形成装置100に使用できる朱色トナーおよび黒トナーについて説明する。上記画像形成装置100に使用できる朱色トナーおよび黒トナーとしては、たとえば、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤を含む体積平均粒子径が6μm以上10μm以下のトナー粒子が用いられる。
結着樹脂としては、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に後述する離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
前記結着樹脂の中でも、ポリエステルは、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるため、朱色トナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステルとしては公知のものを使用でき、たとえば多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。
多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多価アルコールとしても、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下で、多塩基酸と多価アルコールとを接触させて行い、生成するポリエステルの酸価、軟化点などが所定の値になったところで終了する。これによりポリエステルが得られる。
結着樹脂のガラス転移温度Tgは、30℃以上80℃以下が好ましい。結着樹脂のガラス転移温度が30℃未満であると、画像形成装置内部においてトナーが熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移温度が80℃を超えると、転写紙へのトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
朱色トナーの着色剤としては、C.I.ピグメントレッド48−1およびC.I.ピグメントレッド48−3と、C.I.ピグメントイエロー74あるいはC.I.ピグメントイエロー185の何れか一方との3種類を組み合わせて用いる。なお、C.I.ピグメントイエロー74及びC.I.ピグメントイエロー185の両方を用いて、4種類としてもよい。
朱色トナーの着色剤の含有量は、マゼンタ基準の画像濃度ID0.8において朱色トナーの付着量が0.40mg/cm以上となるように、トナー中に添加する必要がある。これにより、プリント元となる印鑑画像が薄く、かつ、これをプリントする転写紙(記録材)の表面が、例えば表面粗さRa3.0μm〜4.0μmの粗さを有していたとしても、プリントされた印鑑画像に、細線のかすれやガサツキ感が生じることを低減させることができる。
また、朱色トナーの着色剤の含有量は、マゼンタ基準の画像濃度ID1.3において、朱色トナーの付着量が1.0mg/cm以下となるように、トナー中に添加する必要がある。これにより、プリントされた印鑑画像に、細線が太くなって文字つぶれが生じることを低減させることができる。
黒トナーの着色剤としては、カーボンブラックが好適である。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ロースブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック等の、従来公知の様々なカーボンブラックの中から、適宜選択すればよい。
黒トナーの着色剤の含有量は、トナー粒子全量に対して2重量%以上20重量%以下であることが好ましい。この範囲であれば、着色力、色再現性、定着性に優れた、画像全体が均一な高濃度画像を得ることができる。
トナー粒子には、結着樹脂および着色剤の他に必要応じて電荷制御剤が含まれてもよい。電荷制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、有機ベントナイト化合物、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。
トナー粒子は、結着樹脂および着色剤の他に離型剤を含んでもよい。離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。
離型剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、結着樹脂100重量部に対して0.2重量部以上20重量部以下が好ましく、0.5重量部以上10重量部以下がより好ましく、1.0重量部以上8.0重量部以下がさらに好ましい。
トナー粒子の作製方法としては、たとえば、混練粉砕法などの乾式法、ならびに懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法および溶融乳化法が挙げられる。以下、混練粉砕法によってトナー粒子を作製する方法について例示する。
粉砕法によるトナー粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー粒子原料を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練することによって溶融混練物を得る。この溶融混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機で粉砕することによって微粉砕物を得る。その後、必要に応じて分級などの粒度調整を行うことによって、トナー粒子が得られる。
混合機としては公知のものを使用でき、たとえばヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
混練機としては公知のものを使用でき、たとえば二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。
粉砕機としては、たとえば超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、および高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機が挙げられる。
分級としては、遠心力および風力による分級によって過粉砕トナー粒子を除去できる公知の分級機を使用することができ、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などが挙げられる。
このようにして得られたトナー粒子には、外添剤が添加されてもよい。外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタンなどが挙げられ、これらの外添剤は、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。外添剤の使用量は、トナー粒子100重量部に対して0.5重量部以上10重量部以下であることが好ましい。
実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
[測定方法]
本発明において測定した各測定値は、以下の方法により測定した。
(転写紙の表面粗さRa)
本発明において、転写紙の表面粗さRaは、表面粗さ測定機(ミツトヨ社製SJ−400)を用いて、測定機の仕様書に記載された測定方法に従って測定した。算出規格としてJIS‘82を使用し、測定長さは10.0mmにて測定してその平均値を採用した。
(樹脂のガラス転移温度(Tg))
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC20)を用いて、試料1gを昇温速度10℃/minで100℃まで昇温し、降温速度100℃/minで−10℃まで冷却した試料を3分間放置し、その後、昇温速度60℃/minで25℃まで昇温し2分間保持して、昇温速度10℃/minで測定を開始する。ガラス転移温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間の最大傾斜を示す接線との交点の温度を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とした。
(ワックスの融点)
示差走査熱量計(商品名:DSC20、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で100℃まで加熱し、次いで100℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度をワックスの融点とした。
(トナー粒子の体積平均粒子径および変動係数)
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒子径および体積粒度分布における標準偏差を求めた。変動係数(CV値、%)は、下記式に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
(トナー付着量)
一辺が1cmの正方形のベタ画像を、感光体ドラム表面に形成させ、転写して定着前のトナーを、フィルター付きのノズルで転写紙上からトナーのみを吸引し、フィルター上に採取されたトナー量を測定することによりトナー付着量を求めた。
(画像濃度ID)
一辺が3cmの正方形のベタ画像について、反射濃度計(マクベス社製RD−918)を用いて画像濃度IDを測定した。画像濃度IDとは、マクベス濃度計を用いて測定される画像濃度であって、画像への入射光量をPi、画像からの反射光量をPoとすると、
ID=10・log(Pi/Po)
で表せるものである。
[評価方法]
(ガサツキ)
ガサツキについて、ベタ画像(一辺が3cmの正方形)を作成して、PersonalIAS(QEA社)にてISO13660基準にてタイルサイズを250μmの正方形に設定してMottle(モトル)を測定した。
○:Mottleが0.8以下
△:Mottleが0.8より大きくて1.0以下
×:Mottleが1.0より大きい
(細線再現性)
細線再現性について、幅80μmの細線により評価した。この画像をKEYENCE DIGITAL MICROSCOPE VHX―500にて200倍の画像にて観察した。
○:問題なし
△:途切れてはいないが、やや細くなっている
×:途切れている
(文字つぶれ)
文字つぶれについて、幅80μmの細線からの線画像の太さにより評価した。この画像をKEYENCE DIGITAL MICROSCOPE VHX―500にて200倍の画像にて観察測定した。
○:100μm以下
△:100μmより太く160μm以下
×:160μmより太い
図4に細線の200倍画像サンプルを示す。同図(a)は良好な線の図であり、同図(b)はかすれている線の図、同図(c)線太りの図である。
[実施例1]
(1)朱色トナーの作製
下記のトナー原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:三井鉱山社製20B)により3分間前混合した後、二軸押出機(商品名:株式会社池貝製PCM−30)を用いて、溶融混練した。
・ポリエステル樹脂(商品名ER508:三菱レイヨン株式会社製) 1000.0g
・朱色顔料
C.I.ピグメントレッド48−1(大日精化株式会社製)10.5g
C.I.ピグメントレッド48−3(大日精化株式会社製) 24.5g
C.I.ピグメントイエロー185(BASF社製) 15.0g
・ワックス(商品名:カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃)
30.0g
・帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社) 20g
得られた溶融混練物を冷却ベルトにて急冷後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、ジェット式粉砕機(商品名:日本ニューマチック社製IDS−2)により微粉砕し、さらに分級機(商品名、ホソカワミクロン社製TSPセパレータ)で分級し、朱色トナー粒子を作製した。得られた朱色トナー粒子500gと平均粒子径12nmのコロイダルシリカ5gをヘンシェルミキサ(商品名:三井鉱山社製20B)を用いて1分間、前混合することにより外添処理を行い、体積平均粒子径6.5μm、変動係数22%の朱色トナーを作製した。
(2)黒トナーの作製
下記のトナー原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:三井鉱山社製20B)により3分間前混合した後、二軸押出機(商品名:株式会社池貝製PCM−30)を用いて、溶融混練した。
・ポリエステル樹脂A 1000.0g
・カーボンブラック(商品名:三菱化学社製MA−100) 50.0g
・ワックス(商品名:カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃)
30.0g
・帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社) 20g
得られた溶融混練物を冷却ベルトにて急冷後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、ジェット式粉砕機(商品名:日本ニューマチック社製IDS−2)により微粉砕し、さらに分級機(商品名、ホソカワミクロン社製TSPセパレータ)で分級し、黒トナー粒子を作製した。得られた黒トナー粒子500gと平均粒子径12nmのコロイダルシリカ5gをヘンシェルミキサ(商品名:三井鉱山社製20B)を用いて1分間前混合することにより外添処理を行い、体積平均粒子径6.5μm、変動係数22%の黒トナーを作製した。
(3)朱色トナー画像の作製
上記(1)で得られた朱色トナーを用いて、画像濃度ID(マゼンタ基準)0.80、0.95、1.30の3つのベタ画像(一辺が3cmの正方形)と、幅80ミクロンの細線を含む印鑑画像とからなる朱色トナー画像を、カラー画像形成装置を用いて転写紙上に形成した。定着温度は165℃とした。
カラー画像形成装置として、図1に示す画像形成装置(シャープ株式会社製カラー複合機MX−5001FN改造機)を使用した。転写紙としては、表面粗さRaが3.5μmの転写紙(APP社製 商品名:crosmile)を使用した。
ベタ画像と印鑑画像とからなる朱色トナー画像を形成する朱色画像データは、画像濃度ID(マゼンタ基準)0.86、1.01、1.35の3つの朱色ベタ画像(一辺が3cmの正方形)と、幅80μmの細線を含む印鑑画像からなる朱色トナー画像とを含む原稿を、シャープ株式会社製カラー複合機MX−5001FN搭載のスキャナーで読み込むことで得た。
[実施例2]
ポリエステル樹脂に対する、朱色顔料の添加量が異なること以外は、実施例1と同様の方法で、朱色トナーおよび朱色トナー画像の作製を行った。朱色顔料である3種類の顔料の混合比率(割合)は、実施例1と同じである。
[実施例3]
朱色顔料におけるイエローの顔料の種類が異なること以外は、実施例1と同様の方法で、朱色トナーおよび朱色トナー画像の作製を行った。イエローの顔料には、C.I.ピグメントイエロー74(山陽色素株式会社製)を使用した。
[比較例1]
ポリエステル樹脂に対する、朱色顔料の添加量が異なること以外は、実施例1と同様の方法で、朱色トナーおよび朱色トナー画像の作製を行った。朱色顔料である3種類の顔料の混合比率(割合)は、実施例1と同じである。
[比較例2]
ポリエステル樹脂に対する、朱色顔料の添加量が異なること以外は、実施例1と同様の方法で、朱色トナーおよび朱色トナー画像の作製を行った。朱色顔料である3種類の顔料の混合比率(割合)は、実施例1と同じである。
表1に、実施例1〜3、及び比較例1,2における、得られた画像のID(マゼンタ基準)と、朱色トナー画像のトナー付着量、およびガサツキ評価結果、細線再現性、文字つぶれの評価結果を表1に示す。
表1の比較例2にあるように、マゼンタ基準ID0.80(出力ID)のときのトナー付着量が、0.30mg/cmの場合、細線がかすれ、ガサツキ感があった。これは、図2の模式図のように、転写紙Pの表面に付着して朱色トナー画像Tを構成するトナー量が少ないために、転写紙P表面の凹凸の凸部分にて紙面が露出しているためである。
しかしながら、実施例1〜3のように、マゼンタ基準ID0.80(出力ID)のときのトナー付着量を、0.30mg/cmよりも大きい、0.45mg/cm、0.56mg/cmであれば、細線のかすれもガサツキ感もない、良好な画質を得ることができた。これは、図3の模式図のように、転写紙Pの表面に付着する朱色トナーTの量が適量となり、転写紙P表面の凹凸の凸部分も、朱色トナー画像にて覆われているためである。
また、表1より、マゼンタ基準ID0.80(出力ID)のときのトナー付着量を、0.45mg/cm以上とするには、朱色の着色剤の含有量を、5.0重量部以下に設定すればよいことがわかる。
一方、表1の比較例2にあるように、マゼンタ基準ID1.30(出力ID)のときのトナー付着量が、1.3mg/cmの場合、細線が太くなることによる文字つぶれが生じた。これは、転写紙の表面に付着して朱色トナー画像を構成するトナー量が多すぎためである。
しかしながら、実施例1〜3のように、マゼンタ基準ID1.3(出力ID)のときのトナー付着量を、1.3mg/cmよりも小さい、0.96mg/cm、0.78mg/cmであれば、細線が太くなることによる文字つぶれのない、良好な画質を得ることができた。これは、転写紙の表面に付着して朱色トナーを構成するトナー量が適量となったためである。
また、表1より、マゼンタ基準ID1.30(出力ID)のときのトナー付着量を、0.96mg/cm以下とするには、朱色の着色剤の含有量を、3.0重量部以上に設定すればといことがわかる。
このように、朱色トナーにおける朱色の着色剤の含有量を、マゼンタ基準ID0.80(出力ID)のときのトナー付着量が0.4mg/cm以上、マゼンタ基準ID1.30(出力ID)のときのトナー付着量が1.0mg/cm以下に設定することで、細線のつぶれとガサツキ感とが低減され、かつ、文字つぶれも低減される。
そして、これは換言すると、朱色トナーにおける朱色の着色剤の含有量を、3.0重量部以上5.0重量部以下とすることで、細線のつぶれとガサツキ感とを低減でき、かつ、文字つぶれも低減可能できるということである。
また、イエローの顔料として、1C.I.ピグメントイエロー74を用いた実施例1と、C.I.ピグメントイエロー185を用いた実施例3とでは、マゼンタ基準の画像濃度ID0.80、0.95、1.30において等しい結果が出た。このことから、C.I.ピグメントイエロー74および185は、上記付着量に対して影響を及ぼさないことがわかる。
[実施例4]
転写紙として、Ra3.0μmの転写紙(JINDONG QINGDAO DONGLI PAPER)を使用して、実施例1の朱色トナーを用いて朱色トナー画像の作製を行った。
[実施例5]
転写紙として、Ra4.0μmの転写紙(櫻之花)を使用して、実施例1の朱色トナーを用いて朱色トナー画像の作製を行った。
転写紙のRaを3.0μm、3.5μm、4.0μmとして、実施例1記載のトナーを使用した結果を表2に記載する。
表2より、転写紙のRaが3.0μm以上4.0μm以下の範囲において、ガサツキ感がなく、細線再現性に優れ、文字つぶれもない良好な結果が得られた。
また、本発明は、換言すると、以下のように表現することもできる。すなわち、本発明の印鑑画像形成方法は、印鑑画像データに対応する光を感光体ドラム表面に照射して、印鑑画像データに対応する静電潜像を形成する露光工程と、感光体ドラム表面に担持された静電潜像に朱色トナーを供給して、印鑑画像に対応する朱色トナー画像を形成する現像工程と、感光体ドラム表面に担持された朱色トナー画像を、表面粗さRaが3.0μm以上4.0μm以下の転写紙上に転写する転写工程と、転写紙上に担持された朱色トナー画像を加熱して、印鑑画像データに対応する朱色トナー画像を転写紙上に定着させる定着工程とを備える印鑑画像形成方法において、前記定着工程後の朱色トナー画像におけるトナー付着量が、マゼンタ基準の画像濃度ID0.8において0.4mg/cm以上0.6mg/cm以下で、かつ、マゼンタ基準の画像濃度ID1.3において0.8mg/cm以上1.0mg/cm以下である。
一般に使用される印鑑画像は、表面の粗い紙や捺印自身の表面劣化により、低濃度から高濃度まで実にさまざまである。マゼンタ基準の画像濃度の低い印鑑画像(ID=0.8前後)の場合、高濃度の印鑑画像に比べて朱色トナーのトナー付着量が少なくなり(0.4mg/cm未満)になるので、定着後において、紙面が部分的に露出しやすくなるが、この発明にあっては、一般に使用されるマゼンタ基準の画像濃度の低い印鑑画像(ID=0.8前後)であっても、十分な厚みの朱色トナー層が形成されるので、定着後の朱色画像中において、紙面が部分的に露出することによって生じる印鑑画像の細線のかすれやガサツキ感を抑えることができる。また、高濃度の印鑑画像(マゼンタ基準ID=1.3前後)においても、トナー付着量が制御されるため、文字つぶれを防止できる。
また、上記課題を解決するための本発明の朱色トナーは、印鑑画像データに対応する光を感光体ドラム表面に照射して、印鑑画像データに対応する静電潜像を形成する露光工程と、感光体ドラム表面に担持された静電潜像に朱色トナーを供給して、印鑑画像に対応する朱色トナー画像を形成する現像工程と、感光体ドラム表面に担持された朱色トナー画像を、表面粗さRaが3.0μm以上4.0μm以下の転写紙上に転写する転写工程と、転写紙上に担持された朱色トナー画像を加熱して、印鑑画像データに対応する朱色トナー画像を転写紙上に定着させる定着工程とを備え、定着工程後の朱色トナー画像におけるトナー付着量が、マゼンタ基準の画像濃度ID0.8において0.4mg/cm以上0.6mg/cm以下で、かつ、マゼンタ基準の画像濃度ID1.3において0.8mg/cm以上1.0mg/cm以下となる印鑑画像形成方法に使用される朱色トナーにおいて、前記朱色トナーが、朱色着色剤にマゼンタ顔料として、C.I.ピグメントレッド48−1およびC.I.ピグメントレッド48−3と、C.I.ピグメントイエロー74もしくはC.I.ピグメントイエロー185の何れか一方とを含む。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、複写機やプリンタ、或いは複合機等の電子写真方式にて画像形成を行う画像形成装置に使用できる。
100 画像形成装置
40a 画像形成ステーション
40b 画像形成ステーション
2a 現像装置
2b 現像装置

Claims (8)

  1. 朱色の着色剤として、C.I.ピグメントレッド48−1およびC.I.ピグメントレッド48−3と、C.I.ピグメントイエロー74あるいはC.I.ピグメントイエロー185の何れか一方とを含み、
    かつ、記録材に定着された状態の朱色トナー画像における朱色トナーの付着量であって、マゼンタ基準の画像濃度ID0.8の朱色トナーの付着量が、0.4mg/cm以上となるように、朱色の着色剤の含有量が設定されていることを特徴とする朱色トナー。
  2. 朱色の着色剤の含有量が、5.0重量部以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の朱色トナー。
  3. 記録材に定着された状態の朱色トナー画像における朱色トナーの付着量であって、マゼンタ基準の画像濃度ID1.3の朱色トナーの付着量が、1.0mg/cm以下となるように、朱色の着色剤の含有量が設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の朱色トナー。
  4. 朱色の着色剤の含有量が、3.0重量部以上に設定されている請求項1、2又は3に記載の朱色トナー。
  5. 帯電した感光体表面を露光して静電荷像を形成し、該静電荷像を現像剤を用いて現像して記録材に画像を形成する画像形成方法であって、請求項1〜4の何れか1項に記載された朱色トナーを含む現像剤を用いて静電荷像を現像して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  6. 前記記録材として、表面粗さRaが3.0μm以上4.0μm以下の記録材を用いることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  7. 感光体と、前記感光体を帯電させる帯電部と、帯電された感光体を露光して前記感光体に静電荷像を形成する露光部と、前記静電荷像の形成された感光体に現像剤を供給して前記静電荷像を現像する現像部と、現像された像を記録材に転写する転写部とを有する電子写真方式の画像形成装置において、前記現像剤には請求項1〜4の何れか1項に記載された朱色トナーが含まれていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記記録材が、表面粗さRaが3.0μm以上4.0μm以下の記録材であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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