JP4886830B2 - 透明ガラス容器の焼傷検査方法及び装置 - Google Patents
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Description
オリフィスから切り出されたゴブに傷やしわがあると、これが仕上型で成形されたガラス容器に筋状の溝として残り、焼傷と呼ばれる欠点になる。
一方、ガラスびん等のガラス容器の成形上不可避なものとして合目線がある。合目線は、仕上型が2つ割りの割型であるために、割型の境目に僅かな段差が生じるもので、縦方向にほぼ垂直に発生する。
しかし、焼傷であってもほぼ垂直な直線状のものも多くあるため、焼傷を合目線と間違えて良品と誤判定される場合も多かった。
これは、焼傷によって生じるモアレ縞の不連続部が、合目線によって生じる不連続部よりも大きいので、その大きさの違いを画像処理により検出し、焼傷と合目線を区別するものである。
本発明は、回転する被検査容器を挟んで光源と撮像手段を対向して配置し、撮像手段で撮像した容器画像に暗線があるかどうかで焼傷を検出する焼傷検査方法において、前記容器画像において、容器の軸線よりも左側にある左側画像と容器の軸線よりも右側にある右側画像を設定し、該左側画像と、これに対応する容器表面の領域が前記右側画像にあるときの右側画像を比較し、当該左側画像と右側画像の双方に暗線があるときに前記領域に焼傷有りと判定し、その他の場合に前記領域に焼傷無しと判定することを特徴とする透明ガラス容器の焼傷検査方法である。
また本発明は、回転する被検査容器を挟んで光源と撮像手段を対向して配置し、撮像手段で撮像した容器画像に暗線があるかどうかで焼傷を検出する焼傷検査方法において、
前記容器画像において容器の軸線を含む中央画像と、該中央画像よりも左側にある左側画像及び右側にある右側画像を設定し、前記左側画像と、これに対応する容器表面の領域が中央画像にあるときの中央画像、右側画像にあるときに右側画像を比較し、これら3画像の全てに暗線があるときに前記領域に焼傷有りと判定し、その他の場合に前記領域に焼傷無しと判定することを特徴とする透明ガラス容器の焼傷検査方法である。
また本発明は、前記左側画像と右側画像の容器軸線からの距離が、容器画像における容器の幅をWとしたときに、0.2W〜0.3Wである請求項1又は2に記載の透明ガラス容器の焼傷検査方法である。
また本発明は、光源と、被検査容器を軸周りに回転させながら支持する回転支持手段と、被検査容器を挟んで前記光源と対向して配された撮像手段と、該撮像手段で撮像した容器画像を処理する処理手段を有し、該処理手段が、前記容器画像において、容器の軸線よりも左側にある左側画像と容器の軸線よりも右側にある右側画像を設定し、該左側画像と、これに対応する容器表面の領域が前記右側画像にあるときの右側画像を比較し、当該左側画像と右側画像の双方に暗線があるときに前記領域に焼傷有りと判定し、その他の場合に前記領域に焼傷無しと判定することを特徴とする透明ガラス容器の焼傷検査装置である。
また本発明は、光源と、被検査容器を軸周りに回転させながら支持する回転支持手段と、被検査容器を挟んで前記光源と対向して配された撮像手段と、該撮像手段で撮像した容器画像を処理する処理手段を有し、該処理手段が、前記容器画像において容器の軸線を含む中央画像と、該中央画像よりも左側にある左側画像及び右側にある右側画像を設定し、前記左側画像と、これに対応する容器表面の領域が中央画像にあるときの中央画像、右側画像にあるときに右側画像を比較し、これら3画像の全てに暗線があるときに前記領域に焼傷有りと判定し、その他の場合に前記領域に焼傷無しと判定することを特徴とする透明ガラス容器の焼傷検査装置である。
また本発明は、前記左側画像と右側画像の容器軸線からの距離が、容器画像における容器の幅をWとしたときに、0.2W〜0.3Wである請求項4又は5に記載の透明ガラス容器の焼傷検査装置である。
また本発明は、前記光源が面光源であり、該面光源の発光面の幅が、被検査容器とカメラ軸線との交点における平面視開き角で15°〜25°である請求項4〜6のいずれかに記載の透明ガラス容器の焼傷検査装置である。
以下、図面に基づいて本発明の原理を説明する。
図1は、合目線の拡大断面図である。
図1に示されるように、仕上型の合目によってガラス容器表面に生じる合目線5は段差状であり、一方が急斜面5a、他方が緩斜面5bとなっており、左右非対称で方向性がある。このため、合目線5が容器軸線よりも左側にあるとき、右側にあるとき又は中央にあるときで、光源からの光の反射、屈折の様子が異なる。
図4の左側は、容器表面の左側に合目線5があり、容器画像の左側画像に合目線がある領域が写し出されている状態である。図4の中央は、左側から容器がある程度回転した状態で、容器表面の中央に合目線5があり、容器画像の中央画像に合目線がある領域が写し出されている状態である。図4の右側は、中央からさらに容器が回転した状態で、容器表面の右側に合目線5があり、容器画像の右側画像に合目線がある領域が写し出されている状態である。
合目線5が容器の左側又は中央にあるとき、急斜面5aにおける反射光は撮像手段方向に進むことはない。また、透過光は合目線部分で拡散するので、合目線部分から撮像手段に到達する光はきわめて少なくなり、撮像手段で撮像された容器画像で合目線は暗線となる(図4の左側及び中央)。
合目線5が容器の右側にあるとき、急斜面5aにおける反射光の一部は撮像手段方向に進む。透過光は合目線部分で拡散し撮像手段に到達する透過光は少なくなるが、急斜面5aにおける反射光が加わるので、撮像手段で撮像された容器画像で合目線はほとんど暗くならない(図4の右側)。
この場合、図2とは逆に、合目線5が容器の左側にあるとき、急斜面5aにおける反射光の一部は撮像手段方向に進む。透過光は合目線部分で拡散し撮像手段に到達する透過光は少なくなるが、急斜面5aにおける反射光が加わるので、撮像手段で撮像された容器画像で合目線はほとんど暗くならない。
また、合目線5が容器の右側又は中央にあるとき、急斜面5aにおける反射光は撮像手段方向に進まないので、撮像手段で撮像された容器画像で合目線は暗線となる。
図5は焼傷6の拡大断面図、図6は焼傷の位置と容器画像の関係の説明図である。
図6の左側は、容器表面の左側に焼傷6があり、容器画像の左側画像に焼傷がある領域が写し出されている状態である。図6の中央は、左側から容器がある程度回転した状態で、容器表面の中央に焼傷6があり、容器画像の中央画像に焼傷がある領域が写し出されている状態である。図6の右側は、中央からさらに容器が回転した状態で、容器表面の右側に焼傷6があり、容器画像の右側画像に焼傷がある領域が写し出されている状態である。
図6は焼傷が垂直方向の場合であるが、水平方向や傾いた焼傷であっても全く同様であり、焼傷が容器のどの部分(左側、中央部、又は右側)にあっても、撮像手段で撮像された容器画像で焼傷は暗線となる。
上記の通りであるから、容器画像において設定された左側画像と右側画像を比較し、その双方に暗線があるときは、左側画像及び右側画像に対応する容器表面の領域に焼傷があり、その容器は不良品となる。また、左側画像又は右画像の一方のみに暗線があるときは、左側画像及び右画像に対応する領域の容器表面に合目線があることが分かる。
この距離が0.2Wに満たないと、暗線とはならないはずの合目線が暗線となり、焼傷と誤認してしまうおそれがある。0.3Wを超えると右側画像及び左側画像がカバーする領域が小さくなり実用的でない。
開き角が15°に満たないと、撮像手段で撮像した画像にガラス容器の肉厚差などが影となって表れやすくなり、焼傷の正確な検出ができなくなるおそれがある。開き角が25°を超えると、焼傷とその他の部分のコントラストが薄くなり、やはり焼傷の正確な検出ができなくなるおそれがある。
撮像手段はCCDカメラ(特に、取込速度の速い高速エリアカメラ)が適当である。
被検査容器を回転させながら支持する回転支持手段は、ガラスびんの検査で従来から普通に用いられているハンドリング装置を使用できる。
処理手段は、画像処理機能を持ったマイクロコンピュータ等を使用できる。
ガラス容器1(ガラスびん)は、図示しない回転支持手段に支持されて回転しながら焼傷検査を受ける。
ガラス容器1を挟んで光源2(面光源)と撮像手段3(高速エリアカメラ)が対向して配置されている。本実施例の面光源2の発光面2aの幅は、ガラス容器1と撮像手段3の軸線との交点P(ガラス容器外周面の光源から最も遠い点)における平面視開き角θ=20°となる幅である。撮像手段3には処理手段4(マイクロコンピュータ)が接続されている。
処理手段4は、撮像したガラス容器の全体画像(胴部のみを検査する場合は胴部の全体画像)において、左側画像、中央画像及び右側画像を設定する。この設定は、処理手段に予め設定すべき画像の区画(位置・大きさ)を座標で登録しておけばよい。
本実施例の場合、容器軸線から左側画像までの距離L、及び右側画像までの距離Rは、共に約0.25Wである(但し、Wは容器画像における容器の幅=直径)。
このとき、仮想的ではあるが、容器表面にA1〜A6、及びB1〜B6の合計12の領域が形成される。
図8において、左側画像にはA3領域、中央画像にはA2領域、右側画像にはA1領域が写し出されている(図9の第1画像)。
撮像された第1〜第12画像は処理手段のメモリに蓄積され、各画像について左側画像、中央画像及び右側画像が抽出・設定される。
第1〜第6画像の左側画像、中央画像及び右側画像には、ガラス容器のA1〜A6領域が写し出され、第7〜第12画像の左側画像、中央画像及び右側画像には、ガラス容器のB1〜B6領域が写し出されている。
例えば、A1領域について検査する場合、第1画像の右側画像、第5画像の左側画像及び第6画像の中央画像を比較し、これら全ての画像に暗線があればA1領域に焼傷有りと判定し、その他の場合はA1領域に焼傷無しと判定する。
また例えばB4領域を検査する場合は、第8画像の左側画像、第9画像の中央画像、第10画像の右側画像を比較する。
なお、各画像に暗線があるかどうかは、予め設定された画素の明るさ閾値に基づいて判定される。
2 光源
2a 発光面
3 撮像手段
4 処理手段
5 合目線
6 焼傷
Claims (7)
- 回転する被検査容器を挟んで光源と撮像手段を対向して配置し、撮像手段で撮像した容器画像に暗線があるかどうかで焼傷を検出する焼傷検査方法において、
前記容器画像において、容器の軸線よりも左側にある左側画像と容器の軸線よりも右側にある右側画像を設定し、該左側画像と、これに対応する容器表面の領域が前記右側画像にあるときの右側画像を比較し、当該左側画像と右側画像の双方に暗線があるときに前記領域に焼傷有りと判定し、その他の場合に前記領域に焼傷無しと判定することを特徴とする透明ガラス容器の焼傷検査方法。 - 回転する被検査容器を挟んで光源と撮像手段を対向して配置し、撮像手段で撮像した容器画像に暗線があるかどうかで焼傷を検出する焼傷検査方法において、
前記容器画像において容器の軸線を含む中央画像と、該中央画像よりも左側にある左側画像及び右側にある右側画像を設定し、
前記左側画像と、これに対応する容器表面の領域が中央画像にあるときの中央画像、右側画像にあるときに右側画像を比較し、これら3画像の全てに暗線があるときに前記領域に焼傷有りと判定し、その他の場合に前記領域に焼傷無しと判定することを特徴とする透明ガラス容器の焼傷検査方法。 - 前記左側画像と右側画像の容器軸線からの距離が、容器画像における容器の幅をWとしたときに、0.2W〜0.3Wである請求項1又は2に記載の透明ガラス容器の焼傷検査方法。
- 光源と、
被検査容器を軸周りに回転させながら支持する回転支持手段と、
被検査容器を挟んで前記光源と対向して配された撮像手段と、
該撮像手段で撮像した容器画像を処理する処理手段を有し、
該処理手段が、前記容器画像において、容器の軸線よりも左側にある左側画像と容器の軸線よりも右側にある右側画像を設定し、該左側画像と、これに対応する容器表面の領域が前記右側画像にあるときの右側画像を比較し、当該左側画像と右側画像の双方に暗線があるときに前記領域に焼傷有りと判定し、その他の場合に前記領域に焼傷無しと判定することを特徴とする透明ガラス容器の焼傷検査装置。 - 光源と、
被検査容器を軸周りに回転させながら支持する回転支持手段と、
被検査容器を挟んで前記光源と対向して配された撮像手段と、
該撮像手段で撮像した容器画像を処理する処理手段を有し、
該処理手段が、前記容器画像において容器の軸線を含む中央画像と、該中央画像よりも左側にある左側画像及び右側にある右側画像を設定し、
前記左側画像と、これに対応する容器表面の領域が中央画像にあるときの中央画像、右側画像にあるときに右側画像を比較し、これら3画像の全てに暗線があるときに前記領域に焼傷有りと判定し、その他の場合に前記領域に焼傷無しと判定することを特徴とする透明ガラス容器の焼傷検査装置。 - 前記左側画像と右側画像の容器軸線からの距離が、容器画像における容器の幅をWとしたときに、0.2W〜0.3Wである請求項4又は5に記載の透明ガラス容器の焼傷検査装置。
- 前記光源が面光源であり、該面光源の発光面の幅が、被検査容器と撮像手段軸線との交点における平面視開き角で15°〜25°である請求項4〜6のいずれかに記載の透明ガラス容器の焼傷検査装置。
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