JP4886752B2 - 力測定素子 - Google Patents

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Description

本発明は、独立請求項の上位概念に記載の形式の力測定素子から出発する。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3702271号明細書から、曲げ力吸収装置が公知である。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3702271号明細書
本発明の課題は、力測定素子を改良することである。
力を測定するために、距離センサが設けられており、距離センサが、傾動運動の中心点に配置されている。
本発明による、力測定素子の利点によれば、曲げエレメントがダブル曲げビームを備えており、ダブル曲げビームはビームごとにばね成形部を形成しており、この場合ダブル曲げビームは片側で緊締されており、力導入はダブル曲げビームの長手方向に対して垂直に行われる。これによって力測定方向で負荷の生じる際のひずみ分布は、最適化されている。また構造形態が最小化される。別の空間方向で、力測定素子は、選択された形態によって、力測定方向に作用しない荷重による破壊に対して不感である。この場合ばね成形部は、ひずみ分布および力測定方向が最適であるように形成されている。つまり材料を機械的に破壊することなく、大きな変位を達成することができる。破壊基準として、たとえば弾性的なひずみ限界または持続荷重強さが用いられる。
特に有利には、ダブル曲げビームは、長方形または正方形または円形または部分円形の素材から製作することができる。ばね成形部は、貫通孔と、ばね中央に向かって先細に延びる楔形部分とによって形成することができる。ばね成形部自体は、最適化されており、モーメントおよび横方向力は、測定方向の荷重作用下で、表面に沿って実質的に均等な応力分布を及ぼす。このためにばね成形部は、中央に向かって先細に延びるダブル楔形状に形成されており、このような成形部は、ひずみ最大値の均等な分布を及ぼす。接続半径は、形状で適合され、ひずみ分布で最適化されたカーブ経過を成しており、カーブ経過は、負荷の大きな領域から僅かにひずむ素材への特に均等な移行部を実現する。ダブル楔形状のばね成形部は、ばね領域に作用する最大ひずみの極めて均等な分布を及ぼす。これによって特に力測定に際して変位もしくは距離を測定する場合、所定の力に関して最大距離が得られ、材料における許容ひずみを超えることはない。ひずみのこのような最適な分布を達成するために、力測定素子の幾何学的なパラメータは互いに調和される。この場合たとえば有限要素法が用いられる。矩形または部分円形の横断面を有する素材から成るばねでは、外側の楔形部は省略することができる。ここで重要な点は、ばねは中央領域で同形に先細に形成することである。真っ直ぐな形状からの僅かな偏差は、僅かな場合でも応力分布の更なる改善を及ぼす。移行部も適当に適合することができる。ここで重要な点は、その形状は、傾斜の急激な変化がほとんどないかまたは全くなくばねもしくは素材の突出部に移行するほぼ楕円形状に相当する。
測定系として、有利には、距離センサが使用される。距離センサは、有利には傾動運動の中心点に配置することができる。これによってx方向のモーメントで曲げビームが負荷される場合、センサは、専らx軸を中心に回動され、z方向の変位が行われず、ひいてはx軸を中心とするトルクで曲げビームが負荷される際に不都合な測定信号が形成されることはない。ダブル曲げビーム自体は、横方向力Fx,FyおよびモーメントMz,Myの抑制を実現する。なぜならばダブル曲げビームはこのような負荷下で極めて丈夫であるからである。
距離センサとして、たとえばホール素子を使用することによって誘導測定を用いることができ、この場合磁界を形成する基準と、磁界に敏感な素子としてのホール素子とを用いることができる。選択的に、光学式または容量式に測定することもできる。力導入は、有利にはスリーブを介して行うことができる。さらに有利には、力は曲げビームの端部に導入される。距離センサは、棒状の延長部によって、バー端部から最適な測定位置に案内することができる。さらにまた距離センサを、スリーブにおける固定部と、緊締されたビーム始端部におけるバーとを介して、最適な測定位置に案内することもできる。
曲げビームの構成は、測定原理を鑑みると、別のばね成形部であってもよく、必ずしもダブルばねでなくてもよいので、本発明による測定原理によれば、1つまたは3つもしくは4つ以上の平行なばねも実現可能である。Mxに対する記載のモーメント不感度は、この場合でも測定系に関して最適な位置の選択によって形成される。
次に本発明の実施例を図示し、詳しく説明する。
曲げエレメントの曲げを利用する公知の力センサでは、曲げエレメントのひずみを測定するためのひずみゲージまたはピエゾ抵抗構造体が用いられるか、もしくは曲げエレメントの変位が距離測定系によって検出される。公知の曲げエレメントの成形部は、s字形または棒形のエレメントである。このようなエレメントは、もちろん一定の横断面を有している。このような成形部の欠点によれば、測定方向で負荷が生じる場合に不均等なひずみ分布が生じ、ひいてはこれに伴って大きな構造形態が生じる。
本発明によれば、力測定方向で負荷が生じる際に最適なひずみ分布を実現するばね成形部が提案される。これによって構造形態が最小化され、これに対して別の方向では、力測定素子は、選択された形状によって、荷重による破壊に対して不感である。
力測定素子は、特に自動車に使用するのが所望される。この場合有利には質量測定センサとして車両の座席に使用することが考えられる。
図1には、本発明による力測定素子14を側面図で示した。力測定素子14は、貫通孔16を備えており、貫通孔16は、長手方向でみて2つのばね12,13によって取り囲まれており、ばね12,13はここでは曲げビームである。力は、曲げビームの端部の位置15においてz方向で導入される。図1には、座標系で、z方向が曲げビーム14に対して横向きであることを示しており、これに対して長手方向はy軸で示した。ダブル曲げビーム14は、壁17に片側でたとえば接合技術またはねじ結合によって緊締されている。貫通孔には、それぞれ反対側に位置する半ビームが配置されており、半ビームに測定系10が取り付けられている。ここでは一例として距離センサが用いられ、この場合たとえば測定素子としてホールセンサが、また基準として磁石が用いられる。選択的または追加的に別のセンサを使用することもできる。このためにたとえばひずみゲージが挙げられる。
波線によって、z方向の力導入に際して何が起こるのかを示唆した。ダブル曲げビームの緊締されていない側は、下方に押し付けられるので、半ビームに設けられた測定系10は、距離変化を検出する。ここでは距離変化は小文字のsで示した。
図2には、本発明によるダブル曲げビームの1実施例を概略的に示した。ダブル曲げビーム21は箇所20で緊締されていて、それも前述のようにねじ山によって、または材料接合によって、または曲げビームが製作されることになる丸材料の継続案内によって緊締されている。貫通孔を取り囲むばね成形部23,24は、ここでは楔形であり、かつ中央に向かって先細になっている。ダブル曲げビームは、ここでは円形の横断面22を有している。距離センサ配置構造は、ここでも、また以下においても図面を判りやすくするために省略する。
図3には、本発明によるダブル曲げビームの別の1実施例を概略的に示した。ダブル曲げビーム30は、ここでも箇所31で緊締されていて、かつ長方形または正方形の横断面32を有している。ここでも貫通孔33の周りにばね成形部34,35が配置されており、ばね成形部34,35は楔形状で中央に向かって先細になっている。
図4には、ダブル曲げビームのための様々な横断面をまとめて示した。図4のaには、長方形の横断面を示しており、ここでは正方形の横断面は長方形の横断面の特殊形状である。図4のbには、円形の横断面を示しており、図4のcには楕円の横断面を示した。図4のdには、部分円形状の横断面を示しており、これの意味するところによれば、横断面は円弧を有しているが、真っ直ぐな境界線も有している。
図5のaには、本発明による別の曲げビームの別の1実施例を側面図で示した。また別の1実施例は図5のbにも示した。ここでは側面図で対称軸50を示した。ここでは特にばね成形部ならびにばね成形部を特定するパラメータについて説明する。ここでは外側のテーパ部IおよびIIならびに内側のテーパ部IIIおよびIVを図示した。これらのテーパ部は、それぞればねの中央に向かって延びている。上位のばねには、外側の中央点R1および内側の中央点R2を記載した。ここでは貫通孔53の角隅部にかかる移行部54,55は最適化されており、応力が均等に分配されるようになっている。ここでは移行部はS1,S2,S3,S4で示しており、これに関しては図6で詳しく説明する。
図5のbには、ダブル曲げビームを新たに側面図で示しており、ここではダブル曲げビーム、特にばね成形部を特定するための別のパラメータを示した。d1は、最も薄い箇所、つまり中央におけるばねの直径を表しており、最も薄い箇所でばねは最も先細になっている。d2は、ばねの外側領域における直径を表しており、そこではばねはできるだけ厚くなっている。α1は、α2と同様に、テーパ角を表している。パラメータh1は、対称軸に対する、最も薄い箇所における貫通孔の内面の最大距離を表している。最適化は、特に有限要素法を用いてコンピュータで最適化を行うことによって行われる。
図6には、ばね成形部の移行部の形状を示した。この場合移行部S1,S2,S3,S4は最適化され、箇所60で傾度の急な変化なしに素材部(原形部)への移行が行われる。さらに移行部は最適化され、箇所61で同様に傾度の急な変化なしにばね、つまりビームへの移行が行われる。これによって直径a,bを有する貫通孔の全体として楕円の形状が形成される。楕円が形成されると、直径aは直径bよりも小さくなるよう要求される。形状は、数学的に、それぞれ異なる大きさの2つの半径部分を用いて、また場合によっては直線部分を介在して、スプライン、多項式、放物線として近似することができ、または直接的に楕円関数として近似される。傾度の急な変化のない構成は、省スペースの構造形態によって実現される。それというのも過度に大きなひずみによる応力集中が生じないからである。
図7には、ダブル曲げビーム70の力導入時の応力分布を斜視図で示した。力71は、曲げビームの自由端部に導入される。位置74で曲げビームは片側で緊締されている。箇所73は、ひずみ変動のない、高ひずみ領域から比較的小さなひずみ領域への移行部を例示した。残りの移行部75のひずみ経過は、選択した図面からは看取できないが、同様にひずみ変動なく延びている。箇所72で、ばねにおける応力の均等な分布がみられる。ダブル楔形状のばね成形部は、ばね領域に作用する最大ひずみの極めて均等な分布を及ぼす。逆方向の力が導入されると、最大ひずみは領域76で均等に分布する。これによって特に変位もしくは距離を測定する力測定原理では、材料に許容されるひずみを超えることなく、所定の力に関して最大距離が得られる。ここで重要な点は、ばねが中央領域で均等に先細になっていることである。
図8には、図平面に対して垂直に延びるx軸を中心とするモーメント導入の際のダブル曲げビーム80の非依存性を示した。なぜならば曲げビームは、このトルク下で、測定位置85に変位が生じることなく、位置81に移動するからである。このことは測定位置85を適当に位置決めすることによって達成される。測定位置85は、ビーム端部に取り付けられたバー83によって位置決めされており、それもモーメントによるビーム端部の変位が、測定位置における変位を生じさせないように位置決めされている。これによって距離センサは、貫通孔において信号を形成することはない。したがってモーメントMxに対する分離が提供される。バー成形部に代わって、測定位置の適当な位置決めを保証する、別の構造的な成形部を選択することもできる。位置決め箇所は、提案された先細のばねでは、FEMシミュレーションによって見出すことができる。簡単なばね成形部に関して、このことは分析計算によって行うことができる。
図9には、別の実施例を側面図で示した。ここではスリーブが用いられる。ダブル曲げビーム90は、力導入のための追加的なスリーブ92を備えている。この場合力Fzはスリーブ領域93に及ぼされる。力FzErsatzおよびモーメントMxErsatz=Fz・lは、単にこのような負荷状態を考慮するためのものであり、まとめてではなく、単独で、分離効果を説明するための代替力として、また代替モーメントとして作用する。これの意味するところによれば、単独で負荷Fzの場合の曲げエレメントの変形と、モーメントMxErsatzを有する代替負荷FzErsatzの場合の曲げエレメントの変形とは、理論的にみて同じである(実際にはたとえば製作精度によって僅かな偏差が生じ得る)。波線は、単独で負荷Fzの場合の、もしくはモーメントMxErsatzを有する代替負荷FzErsatzの場合のダブル曲げエレメントの変化を示した。新たに測定装置91、つまり距離センサによって検出される変位が生じる。スリーブを介して力導入によって及ぼされるモーメントは、提案された配置構造を介して抑制される。このことは力学的に公知の重ね合わせの原理に当てはまり、重ね合わせの原理によれば、個々の荷重は互いに組み合わせることができ、変位は一次的に加算することができる。このことは小さな変位にしか当てはまらないが、ここでは重ね合わせの原理から出発している。つまりMxErsatzを有する負荷FzErsatzの変位は、まとめて、単独で作用する負荷FzErsatzと単独で作用するモーメントMxErsatzとの合計として見なすことができる。図8に関する記述の説明に基づいて、MxErsatzは測定位置85において変位を及ぼさず、FzErsatzは測定位置において、Z方向で、Fzによる変位に相当する変位を及ぼす。要するに力信号の導入は、力がスリーブ軸に対して垂直に作用する限り、力Fzの位置とは無関係である。もちろんこのことは、測定位置が、適当にFEMまたは分析計算によって、モーメントMxErsatzに対して不感である位置に設けられている場合に当てはまる。
図10には、距離センサによる測定原理がトリプルばねでも機能することを示した。ここでも曲げビームの自由端部に力Fzが導入される。中央のばねの切欠部もしくは空間部(Freiarbeitung)に、図8について説明した、図11に示したシングルばねの場合と同様にここでも使用可能なバーを備えた距離センサ100が設けられている。z方向の変位を測定するための測定系100は、中央のばねの空間部に設けられている。
図11には、ここでも図8に示したような、空間部にバーを有する測定系111を備えたシングルばね110を示した。図11では、側面図および平面図を示した。
本発明による力測定素子の1実施例を示す概略図である。 本発明による力測定素子の1実施例を示す斜視図である。 力測定素子の別の1実施例を示す斜視図である。 力測定素子の様々な横断面形状を示す図である。 aおよびbは、本発明による力測定素子の別の1実施例を示す側面図である。 ばね成形部の移行部の形状を示す図である。 高ひずみ領域を強調して示した、力測定素子の斜視図である。 距離センサを備えた力測定素子の1実施例を示す側面図である。 スリーブを備えた力測定素子の1実施例を示す側面図である。 トリプル−ばねシステムを示す図である。 シングル−ばねシステムを示す図である。
符号の説明
10 測定系 12,13 ばね、 14 力測定素子、 15 位置、 16 貫通孔、 17 壁、 20 箇所、 21 ダブル曲げビーム、 22 横断面、 23,24 ばね成形部、 30 ダブル曲げビーム、 31 箇所、 33 貫通孔、 34,35 ばね成形部、 50 対称軸、 53 貫通孔、 54,55 移行部、 60 箇所、 61 箇所、 70 ダブル曲げビーム、 71 力、 72 箇所、 73 箇所、 74 位置、 75 移行部、 76 領域、 80 ダブル曲げビーム、 81 位置、 83 バー、 85 測定位置、 90 ダブル曲げビーム、 91 測定装置、 92 スリーブ、 100 距離センサ、 110 ばね、 111 測定系

Claims (7)

  1. 力測定素子であって、
    力測定のための曲げエレメントが設けられており、曲げエレメント(14,21,30)が、ダブル曲げビームを備えており、該ダブル曲げビームが、ビーム(12,13,23,24,34,35)ごとに、ばね成形部を形成しており、ダブル曲げビームが、片側で緊締されており、力導入(Fz)が、実質的にダブル曲げビームの長手方向に対して垂直に行われるようになっており、
    力を測定するために、距離センサ(10)が設けられており、距離センサ(10)が、傾動運動の中心点に配置されている形式のものにおいて、
    ばね中央に向かって先細の楔形部分が形成されるように、ばね成形部が形成されており、先細の楔形部分は、外側のテーパ部(I,II)と内側のテーパ部(III,IV)とを備えており、外側のテーパ部(I,II)および内側のテーパ部(III,IV)は、それぞればねの中央に向かって延びていることを特徴とする、力測定素子。
  2. 距離センサが、磁界を形成する基準と磁界に敏感な測定素子とを備えている、請求項1記載の力測定素子。
  3. 距離センサが、光学式または容量式に形成されている、請求項1記載の力測定素子。
  4. 力測定素子の横断面が、矩形(32)、円形(22)、楕円または部分円形に形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の力測定素子。
  5. ダブル曲げビームに沿って貫通孔(33,53)が形成されるように、ばね成形部が形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の力測定素子
  6. 貫通孔(33,53)が、角隅部を備えており、該角隅部が、角隅部(33,53)で楕円形を成すように、貫通孔(33,53)およびばね成形部が形成されている、請求項記載の力測定素子。
  7. ダブル曲げビームを包囲するスリーブ(92)が設けられており、該スリーブ(92)が、ダブル曲げビームの緊締側とは反対側で該ダブル曲げビームに取り付けられており、該スリーブ(92)を介して、力導入が行われるようになっている、請求項1からまでのいずれか1項記載の力測定素子。
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