JP4886573B2 - 非晶質シリカを含有するセメント系建材の製造方法 - Google Patents

非晶質シリカを含有するセメント系建材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリカフュームなど非晶質シリカを含有するセメント系建材の製造方法に関するものである。
セメント系建材は、例えば、ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメントなどのセメントに、粉末シリカ、フライアッシュなどのシリカ質原料、御影石、蛇紋岩などの砕石、珪石粉、シラスバルーン、ガラスバルーン、パーライトなどの骨材を配合し、さらに強度向上のためにシリカフュームなど微粒子の非晶質シリカを混和剤として配合し、乾式混合することによってセメント成形材料を調製し、このセメント成形材料を成形ベルトの上に層状に供給し必要な量の水分を散布して供給しつつ、ロールにより圧縮成形してグリーンシートを作製した後、このグリーンシートをオートクレーブ養生することによって、製造されている(例えば、特許文献1等参照)。
このようにシリカフュームなどの非晶質シリカを含有するセメント系建材において、曲げ強度などの強度は、非晶質シリカの配合量によって変動する。また非晶質シリカは、多くのメーカーから各種の品番で市販されており、非晶質シリカの粒径特性に影響する粒度分散性は、各メーカー毎に異なり、また同じメーカーでも品番毎に異なる。そしてセメント系建材の強度はこの非晶質シリカの粒度分散性にも大きく依存し、同じ配合量でも非晶質シリカの粒度分散性が異なれば、セメント系建材の強度は異なるものになる。
特開2006−062254号公報
上記のようにセメント系建材の強度は含有される非晶質シリカの粒度分散性によって変動するが、この粒度分散性と強度との関係は明確ではない。このため、市販されている多種類の非晶質シリカのうち、入手した非晶質シリカを用いるにあたって、セメント系建材に必要とされる強度を得るために、入手した非晶質シリカごとに試作をして非晶質シリカの配合量を決定する必要がある。例えば、入手した非晶質シリカの配合量を変えて多くの種類のセメント成形材料を調製し、非晶質シリカの配合量を変えた各セメント成形材料を用いて多くのセメント成形品を試作して作製する。そして各セメント成形品の強度を測定することによって、セメント系建材として必要とされる強度を有するセメント成形品を割り出し、このセメント成形品を作製するのに用いたセメント成形材料における非晶質シリカの配合量を、入手した非晶質シリカの配合量として決定するものである。
このように、多種類ある非晶質シリカのうち入手した非晶質シリカごとに、予め試作をして非晶質シリカの配合量を決める必要があり、非晶質シリカの配合量の決定に手間と時間を要するものである。従って、異なる種類の非晶質シリカを入手した際に迅速に対応することができないという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、非晶質シリカの粒度分散性の特性に応じて、非晶質シリカの配合量を直ちに決定することができ、使用する非晶質シリカに迅速に対応してセメント系建材の製造を行なうことができるセメント系建材の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るセメント系建材の製造方法は、セメントと非晶質シリカを含有するセメント成形材料を調製して、このセメント成形材料を成形ベルト上に層状に供給すると共に水分を散布して供給しつつ、圧縮成形すると共にこれを養生・硬化させて、所定の強度を有するセメント系建材を製造するにあたって、上記の非晶質シリカ3gを975℃の電気炉にて2時間焼成した後の減量比率が5質量%未満の非晶質シリカを用いて、上記の非晶質シリカの平均粒径と所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要な非晶質シリカの配合量との関係から、使用する非晶質シリカについての平均粒径に基づいて非晶質シリカの配合量を求め、この配合量で非晶質シリカを配合したセメント成形材料を調製することを特徴とするものである。
た、種類の異なる非晶質シリカについて、種類の異なる非晶質シリカごとに、上記の非晶質シリカの平均粒径とセメント成形品の強度との相関関係を求め、種類の異なる非晶質シリカについてのこの平均粒径と強度との相関関係を比較して、相関性の良好な種類の非晶質シリカをセメント成形材料の調製に使用することが好ましい。
本発明によれば、入手した非晶質シリカを用いて所定の強度を有するセメント系建材を製造するにあたって、セメント成形品の強度と相関性が良好な非晶質シリカの粒度分散性の所定の特性において予め作成しておいた、非晶質シリカの粒径特性と所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要な非晶質シリカの配合量との関係から、入手した非晶質シリカの粒度分散性の粒径特性に応じて、非晶質シリカの配合量を直ちに決定することができるものであり、使用する非晶質シリカに迅速に対応してセメント系建材を製造することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明においてセメント系建材は、例えば、ポルトランドセメントなどのセメントに、必要に応じて粉末シリカなどのシリカ質原料や、珪石粉などの骨材を配合すると共に、さらに強度向上のためにシリカフュームなど微粒子の非晶質シリカを混和剤として配合し、これを乾式混合することによってセメント成形材料を調製し、そしてこのセメント成形材料を成形ベルトの上に層状に供給すると共に必要な量の水分を散布して供給しつつ、ロールにより圧縮成形してグリーンシートに成形した後、オートクレーブ養生することによって、製造されるものである。
そして非晶質シリカの配合量は、使用する非晶質シリカの粒度分布を測定することで、予め作成した非晶質シリカの粒径特性と所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要な非晶質シリカの配合量との関係から求めることができるものである。
即ち、粒度分布の異なる複数の非晶質シリカについて、粒度分布を測定して、粒度分散性についての複数の特性のデータをとり、各非晶質シリカを所定の一定量配合したセメント成形材料を調製すると共にこのセメント成形材料から作製したセメント成形品の強度を測定することによって、上記の粒度分散性の特性ごとに非晶質シリカの粒径の特性とセメント成形品の強度との関係のデータをとると共に、このデータから非晶質シリカの粒径特性とセメント成形品の強度との相関関係を求め、各粒度分散性の特性において求められるこの非晶質シリカの粒径特性とセメント成形品の強度との相関関係を比較して、相関性が良好な粒度分散性の特性での非晶質シリカの粒径特性とセメント成形品の強度との相関関係のデータを選択し、この相関関係のデータをプロットしたグラフのデータ点から求められる回帰直線に近い非晶質シリカを選択して、粒径特性の異なる非晶質シリカごとに、非晶質シリカの配合量を調整して調製したセメント成形材料から所定の強度を有するセメント成形品を作製することによって、所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要な非晶質シリカの配合量を求め、非晶質シリカの粒径特性と所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要な非晶質シリカの配合量との関係のグラフを作成し、セメントと非晶質シリカを含有するセメント成形材料を調製して、このセメント成形材料を成形すると共にこれを養生・硬化させて、上記の所定の強度を有するセメント系建材を製造するにあたって、上記の非晶質シリカの粒径特性と所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要な非晶質シリカの配合量との関係から、使用する非晶質シリカについての粒径特性に基づいて非晶質シリカの配合量を求め、この配合量で非晶質シリカを配合したセメント成形材料を調製するものである。
以下、詳細に説明する。
上記のような非晶質シリカを含有するセメント系建材を製造するにあたって、本発明は、まず、入手可能な非晶質シリカについて、粒度分布を測定する。以下、非晶質シリカとしてシリカフュームを用いる場合について具体的に説明する。
シリカフュームは、フェロシリコン、メタルシリコン製造時に電気炉から発生する燃焼灰であり、高純度な非晶質シリカ微粉末である。そしてシリカフュームは、原料の産地や、製造メーカーや、品番などに応じて多種のものが市販されており、入手可能なシリカフュームについて、粒度分布を測定する。本実施の形態では、本出願人において入手可能な64種のシリカフュームについて粒度分布を測定した。粒度分布の測定は、島津製作所製レーザー回折式粒度分布計「SALD−2200」を用いて行なった。すなわち、100mLのビーカーに50ccの水と試料0.5gを入れ、超音波洗浄機(アズワン製「VS−50R」(出力30W、周波数45kHz))で超音波を5分間照射して分散させ、分散終了後、2ccのスポイトにて空気を数回吹き込んで懸濁状態にしてから、このスポイトで測定試料を採取し、上記粒度分布計に適正濃度になるまで投入した。そして屈折率1.70−0.20i、内蔵超音波10秒、分散時間5秒の条件で粒度分布を測定した。
図2は64種のシリカフュームについて測定した粒度分布のうち、一種のシリカフュームの粒度分布を示すグラフである。図2のグラフにおいて、横軸にシリカフュームの粒子径を示す。また縦軸は相対粒子量であり、シリカフューム全体中の体積比率を示すものである。そしてグラフ中に記載する縦棒は、横軸の各粒子径のものがシリカフューム中に占める体積比率を示すものであり、右の縦軸の目盛りの体積比率に従う。またグラフ中に記載する曲線は、粒子径の小さいものから順に体積を累積し、この累積した体積がシリカフューム中に占める体積比率を示すものであり、左の縦軸の目盛りの体積比率に従う。
そして、このように測定した64種のシリカフュームの粒度分布から、各シリカフュームの粒度の分散性についての特性のデータをとる。粒径特性に影響する粒度分散性の特性とは、粒度がどのように分散しているかを示す特性であり、この特性として、例えば、平均粒径、D10径、D50径、0.5μm径アンダー比率、1μm径アンダー比率、2μm径アンダー比率、5μm径アンダー比率などを用いることができる。
ここで、D10径は、粒子径の小さいものから体積を累積したときに、体積比率が全体の10%になる粒子径をいう(図2のイ参照)。D50径は、粒子径の小さいものから体積を累積したときに、体積比率が全体の50%になる粒子径をいう(図2のロ参照)。従って、D10径やD50径が小さいものほど、小さい粒子径のシリカフュームを多く含むという特性の粒度分散性を示す。
また0.5μm径アンダー比率は、0.5μmより小さい粒子径のものを累積した体積が全体の体積に占める比率(%)をいう(図2のハ参照)。1μm径アンダー比率は、1μmより小さい粒子径のものを累積した体積が全体の体積に占める比率(%)をいう(図2のニ参照)。2μm径アンダー比率は、2μmより小さい粒子径のものを累積した体積が全体の体積に占める比率(%)をいう(図2のホ参照)。5μm径アンダー比率は、5μmより小さい粒子径のものを累積した体積が全体の体積に占める比率(%)をいう(図2のヘ参照)。従って、0.5μm径アンダー比率、1μm径アンダー比率、2μm径アンダー比率、5μm径アンダー比率が大きいものほど、小さい粒子径のシリカフュームを多く含むという特性の粒度分散性を示す。
次に、上記の64種類のシリカフュームを用い、各シリカフュームを配合したセメント成形材料を調製する。このセメント成形材料の配合組成は、上記のようにセメント系建材を製造する際に用いるセメント成形材料の配合組成と、シリカフュームの配合量以外は同じに設定されるものであり、シリカフュームの配合量は例えば10質量%など、同じ配合量に設定して、64種類のセメント成形材料を調製するものである。次に、このセメント成形材料を用い、上記のようにセメント系建材を製造する際の条件と同じ条件で、成形、養生を行ない、強度測定用のセメント成形品を作製する。そして64種類のセメント成形材料から作製した64種類のセメント成形品について、強度、例えば曲げ強度を測定する。
そして、粒度分散性の特性ごとに、使用した64種のシリカフュームの粒径の特性とセメント成形品の強度との関係のデータをとる。
この粒度分散性の特性におけるシリカフュームの粒径の特性としては、粒度分散性の特性が平均粒径の場合は、シリカフュームの平均粒径そのものが相当するものであり、例えば図3(a)に示すように、横軸をシリカフュームの平均粒径、縦軸をセメント成形品の曲げ強度としたグラフに、64種類のセメント成形品について、その測定した曲げ強度と、使用したシリカフュームの平均粒径の交点をプロットすることによって、64種類のシリカフュームにおける、平均粒径とセメント成形品の曲げ強度との関係のデータをとることができる。
また粒度分散性の特性がD10径やD50径の場合は、D10径やD50径の粒子径そのものが粒径の特性となるものであり、例えば粒度分散性の特性がD10径の場合は図3(b)に示すように、横軸をシリカフュームのD10径の粒子径、縦軸をセメント成形品の曲げ強度としたグラフに、64種類のセメント成形品について、その測定した曲げ強度と、使用したシリカフュームのD10径の粒子径の交点をプロットすることによって、64種類のシリカフュームにおける、D10径とセメント成形品の曲げ強度との関係のデータをとることができる。
また粒度分散性の特性が0.5μm径アンダー比率、1μm径アンダー比率、2μm径アンダー比率、5μm径アンダー比率の場合は、0.5μmより小さい粒子径、あるいは1μmより小さい粒子径、2μmより小さい粒子径、あるいは5μmより小さい粒子径の累積体積が全体に占める比率が粒径の特性となるものであり、横軸をシリカフュームにおいて0.5μm、1μm、2μm、5μmより小さい粒子径の累積体積が全体に占める比率(%)、縦軸をセメント成形品の曲げ強度としたグラフに、64種類のセメント成形品について、その測定した曲げ強度と、使用したシリカフュームの0.5μm、1μm、2μm、5μmより小さい粒子径の累積体積が全体に占める比率の交点をプロットすることによって、64種類のシリカフュームにおける、0.5μm径アンダー比率、1μm径アンダー比率、2μm径アンダー比率、5μm径アンダー比率とセメント成形品の曲げ強度との関係のデータをとることができる(これらについては図示を省略)。
次に、上記のように粒度分散性の特性ごとにとった、シリカフュームの粒径の特性とセメント成形品の強度との関係のデータ点から、シリカフュームの粒径の特性とセメント成形品の強度との相関関係を求める。この相関関係は、シリカフュームの粒径の特性とセメント成形品の強度との関係のデータ点から、寄与率Rと、これらのデータ点を回帰式にあてはめて得られる回帰直線を求めることによって行なうことができる。
例えば、粒度分散性の特性が平均粒径である図3(a)の場合、シリカフュームの平均粒径とセメント成形品の曲げ強度の64点のデータ点から、寄与率Rを求め、またこの64点のデータ点から得られる回帰直線をグラフ上に求めることができる。同様にして、粒度分散性の特性がD10径である図3(b)の場合、シリカフュームのD10径とセメント成形品の曲げ強度の64点のデータ点から、寄与率Rを求め、またこの64点のデータ点から得られる回帰直線をグラフ上に求めることができる。また同様にして、粒度分散性の特性がD50径、0.5μm径アンダー比率、1μm径アンダー比率、2μm径アンダー比率、5μm径アンダー比率の場合にも、寄与率Rを求め、回帰直線をグラフ上に求めることができる(これらについては図示を省略)。
ここで、粒度分散性の特性が平均粒径、D10径の場合、図3(a)(b)にみられるように、回帰直線は右下がりになり、シリカフュームは粒径の小さいものが多い粒度分散性を有するもののほうが、セメント成形品の曲げ強度が高くなる傾向が確認される。
そして、寄与率Rは0〜1の値をとり、寄与率Rが1に近いほど相関関係が高くなることを意味するものであり、シリカフュームの粒径の特性とセメント成形品の強度との相関関係のうち、最も寄与率Rが大きいものを選択する。本実施の形態では、粒度分散性の特性が平均粒径の場合はR=0.26、D50径の場合はR=0.13、D10径の場合はR=0.47、0.5μm径アンダー比率の場合はR=0.30、1μm径アンダー比率の場合はR=0.41、2μm径アンダー比率の場合はR=0.38、5μm径アンダー比率の場合はR=0.43であった。従って、粒度分散性の特性がD10径の場合にR=0.47と寄与率Rの数値が高く、相関関係が良好であるので、図3(b)の、粒度分散性の特性がD10径の場合のシリカフュームの粒径の特性とセメント成形品の強度との関係のデータを採用する。
次に、この相関関係が良好な粒度分散性の特性がD10径の場合の、シリカフュームの粒径の特性であるD10径とセメント成形品の強度との関係の図3(b)のグラフにおいて、相関関係を示す回帰直線に近いシリカフュームを用いてセメント成形材料を調製する。この場合も、セメント成形材料の配合組成は、上記のようにセメント系建材を製造する際に用いるセメント成形材料の配合組成と、シリカフュームの配合量以外は同じに設定されるものである。そしてシリカフュームの配合量を変えてセメント成形材料を調製し、セメント系建材において要求される曲げ強度などの強度を得るために必要なシリカフュームの配合量を求める。すなわち、シリカフュームの配合量を変えて調製した複数種のセメント成形材料を用いて、セメント系建材を製造する際の条件と同じ条件で、成形、養生を行なって、強度測定用の複数種のセメント成形品を作製する。次に、各セメント成形品の曲げ強度などの強度を測定することによって、セメント系建材において要求される強度を有するセメント成形品を割り出し、このセメント成形品を成形するのに用いたセメント成形材料におけるシリカフュームの配合量を、セメント系建材において要求される強度を得るために必要なシリカフュームの配合量として求めることができるものである。
そして、このセメント系建材に要求される強度を得るために必要なシリカフュームの配合量を、シリカフュームの粒径の特性であるD10径の複数段階においてそれぞれ求める。例えば、セメント系建材が23MPaの曲げ強度を要求されるものである場合、この曲げ強度を得るために必要なシリカフュームの配合量を、例えば、D10径が0.5μmのシリカフューム、D10径が1.0μmのシリカフューム、D10径が1.5μmのシリカフューム、D10径が2.0μmのシリカフューム、D10径が2.5μmのシリカフューム、D10径が3.0μmのシリカフューム、D10径が3.2μmのシリカフュームについてそれぞれ求めるものである。
次に、シリカフュームの粒径特性と所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係のグラフを作成する。図1は、粒度分散性の特性がD10径である場合の、シリカフュームの粒径の特性であるD10径と23MPaの曲げ強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係を示すグラフであり、横軸にD10径(単位μm)を、縦軸にシリカフュームの必要配合量(単位質量%)をとるようにしてある。そしてD10径とシリカフュームの配合量の交点をプロットし、このプロットを滑らかな近似曲線で結ぶことによって、図1に示すような、シリカフュームのD10径とシリカフュームの配合量の関係を示す検量線を得ることができる。
そして本発明は、図1のように作成した、シリカフュームの粒径特性と所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係のグラフを用いて、セメント系建材の製造を行なうものである。以下、23MPaの曲げ強度を有するセメント成形品を作製した際の、シリカフュームのD10径とシリカフュームの配合量との関係の図1のグラフを用いる場合について説明する。まず、使用するシリカフュームのD10径が2.0μmであるとすると、図1の検量線から、シリカフュームの必要配合量が8.4質量%であると求めることができる。そして、このように求めた配合量でシリカフュームを配合して、セメント成形材料を調製する。後は、上記と同様に、このセメント成形材料を成形ベルトの上に層状に供給し必要な量の水分を散布して供給しつつ、ロールにより圧縮成形してグリーンシートに成形した後、オートクレーブ養生することによって、セメント系建材を製造することができるものである。このセメント系建材には、23MPaの曲げ強度を有するセメント成形品を作製するのに必要な量でシリカフュームが含有されているので、23MPaの曲げ強度を有するセメント系建材を得ることができるものである。
従って、入手可能な64種類のシリカフュームのいずれを用いる場合も、そのD10径は既述の図3(b)のグラフを作成する際に予め求められているので、このD10径をもとに図1の検量線からシリカフュームの必要配合量を直ちに求めることができ、23MPaの曲げ強度を有するセメント系建材を製造するためのセメント成形材を直ちに調製することができるものである。図1は23MPaの曲げ強度を有するセメント系建材を製造する場合のシリカフュームのD10径とシリカフュームの配合量との関係を示すグラフであるが、例えば22MPaの曲げ強度や、24MPaの曲げ強度を有するセメント系建材を製造する必要があるときには、セメント系建材に必要とされる強度ごとに、上記と同様にしてこれらの曲げ強度を有するセメント系建材を製造する場合のシリカフュームのD10径とシリカフュームの配合量との関係を示すグラフを別途作成しておき、これらのグラフに基づいてシリカフュームの必要配合量を求めることができるものである。
一方、シリカフュームなど非晶質シリカには、種類の異なるものがある。例えばシリカフュームには製造原料の違いなどによって不純物の少ないものと多いものとの2種類があり、LOI(試料3gをるつぼに入れ、975℃の電気炉にて2時間焼成した後の減量比率:LOI(強熱減量(質量%))=((W1−W2)/W1)×100 W1:強熱前の試料量(g)、W2:強熱後の試料量(g))が5質量%未満のものと、5質量%以上のものとがある。
図4(a)及び(b)は、上記の図3(a)及び(b)と同様に64種類のシリカフュームについてシリカフュームの粒径の特性とセメント成形品の強度との関係をプロットしたものであり、図4(a)は粒度分散性の特性が平均粒径、図4(b)は粒度分散性の特性がD10径の場合である。そして図3(粒度分散性の特性が平均粒径の場合とD10径の場合のみを図示)の場合には、LOIに関係なく、64種類の総てのシリカフュームについて寄与率Rと回帰直線を求めるようにしたが、図4(粒度分散性の特性が平均粒径の場合とD10径の場合のみを図示)では、LOIが5質量%未満の42種類のシリカフュームの群と、LOIが5質量%以上の22種類のシリカフュームの群に分け、別々に寄与率Rと回帰直線を求めるようにしてある。図4(a)及び(b)において、LOIが5質量%未満の群の回帰直線を実線で、LOIが5質量%以上の群の回帰直線を破線で示す。
このように、シリカフュームをLOIが5質量%未満と、LOIが5質量%以上の2種類に分けて寄与率Rを求めると、一方の種類のほうに寄与率Rが大きく高い相関性を得ることができる。例えば、図4(a)の粒度分散性の特性が平均粒径である場合のグラフにおいて、LOIが5質量%未満のシリカフュームの場合はR=0.53、LOIが5質量%以上のシリカフュームの場合はR=0.08であり、LOIが5質量%未満のシリカフュームの場合においてシリカフュームの平均粒径とセメント成形品の強度との関係に高い相関性がみられる。また図4(b)の粒度分散性の特性がD10径である場合のグラフにおいて、LOIが5質量%未満のシリカフュームの場合はR=0.44、LOIが5質量%以上のシリカフュームの場合はR=0.47であり、LOIによる分類効果があまり見られない。
そこで、LOIが5質量%未満と、LOIが5質量%以上の2種類のシリカフュームのうち、相関性の低いLOIが5質量%以上のシリカフュームを除外し、相関性の高いLOIが5質量%未満のシリカフュームのみを用いて、上記と同様にして、粒度分散性が平均粒径である場合の、シリカフュームの粒径の特性である平均粒径と23MPaの曲げ強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係を示すグラフを作成する。
図5はこのようにして作成した、シリカフュームの平均粒径と23MPaの曲げ強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係を示すグラフであり、シリカフュームの平均粒径とセメント成形品の強度との間に高い相関性を有するLOIが5質量%未満のシリカフュームのみを用いて作成したグラフであるので、シリカフュームの平均粒径と23MPaの曲げ強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係の検量線を高い精度で得ることができるものである。
そして図5のように作成した、シリカフュームの粒径特性と所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係のグラフを用いて、セメント系建材の製造を行なうにあたっては、このグラフの作成の元となる種類、つまりLOIが5質量%未満のシリカフュームから選択して用いて、上記と同様にしてセメント成形材料を調製するものである。図5において、シリカフュームの平均粒径と23MPaの曲げ強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係の検量線は高い精度で作成されているので、図5の検量線から求められるシリカフュームの配合量の精度は高いものであり、この配合量でシリカフュームを配合して調製したセメント成形材料から製造されるセメント系建材の強度は正確に再現され、再現性の高い強度でセメント系建材を製造することができるものである。
シリカフュームのD10径と所定強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係を示すグラフである。 シリカフュームについて測定した粒度分布を示すグラフである。 シリカフュームの粒径の特性とセメント成形品の強度との関係を示すグラフであり、64種類のシリカヒュームついての寄与率Rと回帰直線を求めたものである。 シリカフュームの粒径の特性とセメント成形品の強度との関係を示すグラフであり、64種類のシリカフュームを2種類に分けて、それぞれについて寄与率Rと回帰直線を求めたものである。 シリカフュームの平均粒径と所定強度を有するセメント成形品を作製するのに必要なシリカフュームの配合量との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. セメントと非晶質シリカを含有するセメント成形材料を乾式混合によって調製して、このセメント成形材料を成形ベルト上に層状に供給すると共に水分を散布して供給しつつ、圧縮成形すると共にこれを養生・硬化させて、所定の強度を有するセメント系建材を製造するにあたって、上記の非晶質シリカ3gをるつぼに入れ975℃の電気炉にて2時間焼成した後の減量比率が5質量%未満の非晶質シリカを用いて、上記の非晶質シリカの平均粒径と所定の強度を有するセメント成形品を作製するのに必要な非晶質シリカの配合量との関係から、使用する非晶質シリカについての平均粒径に基づいて非晶質シリカの配合量を求め、この配合量で非晶質シリカを配合したセメント成形材料を調製することを特徴とする非晶質シリカを含有するセメント系建材の製造方法。
  2. 種類の異なる非晶質シリカについて、種類の異なる非晶質シリカごとに、上記の非晶質シリカの平均粒径とセメント成形品の強度との相関関係を求め、種類の異なる非晶質シリカについてのこの平均粒径と強度との相関関係を比較して、相関性の良好な種類の非晶質シリカをセメント成形材料の調製に使用することを特徴とする請求項1に記載の非晶質シリカを含有するセメント系建材の製造方法。
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