JP6346519B2 - 高強度コンクリートおよびコンクリート部材の製造方法 - Google Patents

高強度コンクリートおよびコンクリート部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、略300N/mm高強度コンクリートおよびコンクリート部材の製造方法に関する。mm
高強度コンクリートは、結合材に対する水の重量比(水結合材比)を低くして、硬化後のコンクリート組織を緻密にすることで圧縮強度を高めたものである。
硬化前の高強度コンクリートには、型枠に密実に充填するために高い流動性が求められるが、流動性を過剰に高くすると、骨材とセメントペーストとの分離が生じてしまう。
そのため、従来、減水剤(JIS A 6204における高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤等)を適正に使用することにより良質な高強度コンクリートを生成することを図っている。
特許文献1には、設計基準強度が200N/mmを超える超高強度コンクリートとして、1m当たり260〜310Lの範囲内で添加された低熱セメントと、120〜170Lの範囲内で添加されたフライアッシュまたは珪石粉と、70〜100Lの範囲内で添加されたシリカフュームと、150〜250Lの範囲内で添加された細骨材と、100〜120Lの範囲内で添加された粗骨材と、低熱セメントとフライアッシュまたは珪石粉とシリカフュームとを含む結合材に対する重量比が11〜13%となるように添加された水と、を混合してなるコンクリート混合体と、コンクリート混合体に対して外割りの容積比で0.5〜2%となるように添加された鋼繊維および0.1%〜0.6%添加されたポリプロピレン繊維と、が含まれているものが、開示されている。
特開2012-1427号公報
このような超高強度コンクリートは、コンクリート構造物に採用することで、コンクリート構造物の高層化や、空間の自由度を向上させるための部材の小断面化を可能としている。そのため、近年は、さらなるコンクリート構造物の空間の自由度の向上等を目的として、さらに強度の高いコンクリートが求められつつある。さらに、流動性と材料分離抵抗性の他に、練り混ぜ性能も高いコンクリートが求められている。
そのため、本発明は、施工性を低下させることなく、圧縮強度が略300N/mmのコンクリート部材を構築することを可能とした高強度コンクリートおよびコンクリート部材の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の高強度コンクリートは、1m当たり240〜290Lの範囲内で添加された低熱ポルトランドセメントと、25〜80Lの範囲内で添加されたコンクリート用フライアッシュII種と、40〜90Lの範囲内で添加された累積50%粒子の粒径10μm以下の珪石粉と、70〜100Lの範囲内で添加されたコンクリート用シリカフュームと、180〜290Lの範囲内で添加された細骨材と、90〜120Lの範囲内で添加された粗骨材と、低熱ポルトランドセメントとコンクリート用フライアッシュII種と珪石粉と粉末状のコンクリート用シリカフュームとを含む結合材に対する重量比が11〜13%となるように添加された水と、を混合してなるコンクリート混合体と、コンクリート混合体に対して外割りの容積比で0.5〜2%となるように添加された鋼繊維とが含まれ、前記低熱ポルトランドセメントに対する前記コンクリート用フライアッシュII種、前記珪石粉および前記コンクリート用シリカフュームの重量比が、それぞれ9〜18%の範囲内、27〜18%の範囲内および21%であることを特徴としている。
かかる高強度コンクリートによれば、打設時の流動性を確保するとともに材料分離を抑制しつつ、圧縮強度が略300N/mmのコンクリート部材を提供することが可能となる。
また、本発明のコンクリート部材の製造方法は、前記高強度コンクリートを打設する打設工程と、前記高強度コンクリートを常温よりも高い温度で養生する第一養生工程と、第一養生工程後に第一次養生工程よりも高い温度で加熱養生を行う第二養生工程と、を含むことを特徴としている。
ここで、第一養生工程には、高温養生やオートクレーブによる高温高圧養生およびセメントの水和熱を利用した断熱養生を含むものとする。
かかるコンクリート部材の製造方法によれば、圧縮強度が略300N/mmのコンクリート部材を製造することができる。
本発明の高強度コンクリートおよびコンクリート部材の製造方法によれば、比較的短時間で練り混ぜることができ、施工性を低下させることなく、圧縮強度が略300N/mmのコンクリート部材を構築することが可能となる。
本実施形態に係る高強度コンクリートの容積比が練混ぜ時間及び圧縮強度に及ぼす影響を示す図である。 本実施形態に係る高強度コンクリートの容積比がコンクリートのフレッシュ性状に及ぼす影響を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
本実施形態に係る高強度コンクリートは、少なくとも結合材と、水と、細骨材と、粗骨材と、を含んだ混合体により構成されている。
結合材は、低熱セメントとフライアッシュと珪石粉とシリカフュームとを含んでいる。結合材は、予め所定の配合で混合されたプレミックス品を使用してもよいし、コンクリート製造時に混合してもよい。各粉体にはCa(カルシウム)やSi(ケイ素)が含まれており、化学組成から考えた最適な各粉体の混合バランスは、養生温度によって異なる場合があるが、本実施形態の配合によれば、図1に示すように、略300N/mmの圧縮強度を確保することができる。
低熱セメントは、いわゆる低熱ポルトランドセメントである。低熱ポルトランドセメントは、中庸熱ポルトランドセメントと比較して、水和発熱量が小さく、長期強度が大きいという特性を有している。
本実施形態では、低熱セメントを、細骨材および粗骨材を含んだコンクリート混合体1m当たり240〜290L(リットル)の範囲内で添加する。
ここで、低熱セメントの添加量が240〜290L/mの範囲を外れると、各粉体(低熱セメント、フライアッシュまたは珪石粉、シリカフューム)の化学組成のバランスや粒度分布のバランスが崩れ、高強度と高流動性、練混ぜ易さを達成できなくなるおそれがある。
フライアッシュとしては、JIS規格II種のいわゆるコンクリート用フライアッシュを使用する。本実施形態では、フライアッシュを、コンクリート混合体1m当たり25〜80Lの範囲内で添加する。
ここで、フライアッシュの添加量が25〜80L/mの範囲を外れると、各粉体(低熱セメント、フライアッシュまたは珪石粉、シリカフューム)の化学組成のバランスや粒度分布のバランスが崩れ、高強度と高流動性、練混ぜ易さを達成できなくなるおそれがある。
珪石微粉(累積50%粒子の粒径10μm程度以下)は、コンクリート混合体1m当たり40〜90Lの範囲内で添加する。
前記フライアッシュおよび前記珪石粉の総量に対する前記珪石粉の容積比が0.35〜0.75の範囲で添加する。この範囲を外れると、化学組成のバランスや粒度分布のバランスが崩れ、高強度と高流動性、練混ぜ易さを達成できなくなるおそれがある。
シリカフュームとしては、粉末状のいわゆるコンクリート用シリカフュームを使用するものとする。
本実施形態では、コンクリート混合体1m当たり70〜100Lの範囲内でシリカフュームを添加する。
ここで、シリカフュームの添加量が70〜100L/mの範囲を外れると、各粉体(低熱セメント、フライアッシュまたは珪石粉、シリカフューム)の化学組成のバランスや粒度分布のバランスが崩れ、高強度と高流動性、練混ぜ易さを達成できなくなるおそれがある。
水は、低熱セメントとフライアッシュと珪石粉とシリカフュームとを含む結合材に対して、重量比が11〜13%となるように添加する。
ここで、水の結合材に対する重量比が11%未満だと、練混ぜることができなくなるおそれがある。一方、水の結合材に対する重量比が13%よりも大きいと、流動性、練り混ぜ易さ高まるものの、高強度を達成できなくなるおそれがある。
細骨材として、本実施形態では珪砂6号を使用するが、細骨材を構成する材料は、粒径が0.85〜0.60mm以下のものであれば限定されるものではなく、例えば、川砂、山砂等の天然骨材や砕砂、高炉スラグ細骨材等も採用可能である。
本実施形態では、コンクリート混合体1m当たり180〜290Lの範囲内で細骨材を添加する。
ここで、細骨材の添加量が180L/m未満だと、調合的に細骨材から置換される粗骨材が多くなりすぎ、鋼繊維などと干渉して良好な流動性を得られなくなるおそれがある。一方、細骨材の添加量が290L/mより大きくても、結合材ペーストに対する細骨材が多くなりすぎて、良好な流動性や練混ぜ易さを得られなくなるおそれがある。
粗骨材には、砂利または砕石を使用する。本実施形態では、砕石(硬質砂岩)を使用するものとし、コンクリート混合体1m当たり90〜120Lの範囲内で添加する。
ここで、粗骨材の添加量が90L/m未満だと、コンクリートとしての収縮が大きくなるおそれがある。一方、粗骨材の添加量が120L/mよりも大きいと、鋼繊維などと干渉して良好な流動性を得られなくなるおそれがある。
鋼繊維は、コンクリート混合体に対して、外割りの容積比で0.5〜2%程度となるように混入されている。
本実施形態では、長さが13±2mm、直径が0.16mm、断面積が0.020m2のものを使用する。なお、鋼繊維の形状寸法は限定されるものではなく、例えば、長さが6±2mmのものを使用してもよい。
ここで、鋼繊維の容積比が0.5%未満だと、繊維の補強効果が減少し、良好な強度が得られなくなるおそれがある。一方、鋼繊維の容積比が2%よりも大きいと、コンクリートの流動性が大きく低下するおそれがある。
なお、鋼繊維は耐火性の向上、強度増加の目的で添加されている
また、本実施形態では、鋼繊維として、引張強度が2000N/mm以上の高張力鋼繊維、アモルファス鋼繊維、ステンレス繊維などの公知の鋼繊維から適宜選定して使用する。
鋼繊維の形状は、限定されるものではなく、円形断面、矩形断面や多角形断面等の異形断面の他、変形する断面径状を有したものを使用することが可能である。
次に、本実施形態のコンクリート部材の製造方法について、説明する。
本実施形態では、混練工程、打設工程、型枠養生工程、第一養生工程および第二養生工程により、コンクリート部材を製造する。
混練工程は、セメントと、フライアッシュと、珪石粉と、シリカフュームと、細骨材と、粗骨材と、水と、により生成されたコンクリート混合体に、鋼繊維を練り混ぜる工程である。
本実施形態の混練工程は、コンクリート混合体の粉体部分と細骨材を練り混ぜる乾燥混練と、乾燥混練により練り混ぜられた細骨材を含む粉体部分に液体部分を投入して練り混ぜる湿潤混練と、湿潤混練により練り混ぜられたコンクリート混合体に粗骨材と鋼繊維を投入して練り混ぜる繊維混練と、を含んでいる。
ここで、乾燥混練では、セメントと、フライアッシュと、珪石粉と、シリカフュームと、細骨材と、をドライ状態で練り混ぜる。乾燥混練における、各材料の練り混ぜ方法や手段は限定されるものではなく、適宜行えばよい。
湿潤混練では、細骨材を含む粉体部分の乾燥混練が完了した後、水を投入して練り混ぜ、さらに粗骨材を投入することでコンクリート混合体に所定の流動性を発現させる。なお、湿潤混練における練り混ぜ方法や手段は限定されるものではなく、適宜行えばよい。
繊維混練では、湿潤混練により、所定の流動性が得られたコンクリート混合体に、粗骨材と鋼繊維を混入してさらに練り混ぜる。なお、繊維混練における練り混ぜ方法や手段は限定されるものではなく、適宜行えばよい。
打設工程は、混練工程により、練り混ぜられた繊維を含むコンクリート混合体(高強度コンクリート)を、公知の手段により、打設する工程である。
高強度コンクリートは、コンクリート構造体の形状に応じた形状に形成された型枠に打設する。
型枠養生工程は、打設工程により打設された高強度コンクリートを養生する工程である。
本実施形態では、型枠に打設された高強度コンクリートを、所定の強度が発現するまで(1〜2日程度)、常温(雰囲気温度)にて行う。
第一養生工程は、型枠養生工程により所定の強度が発現した高強度コンクリートを脱型し、常温または蒸気養生などを用いた高温養生のいずれかもしくはその組み合わせで養生する工程である。
第一養生工程では、常温または常温よりも高い温度でコンクリートを養生し、基本組織を構築する工程である。養生の方法は、常温にて12日程度以上を保持するか、蒸気養生槽などを用いた90℃程度の高温養生を24時間程度保持することにより行う。なお、型枠養生工程の段階で、断熱養生によりセメントの水和熱を利用した養生を行う場合には、これが第一養生工程に相当する。
なお、第一養生工程における養生の温度、気圧、保持時間は、前記の条件に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。また、型枠養生工程で基本組織が十分に構築できると判断される場合には、第一養生工程を省略してもよい。また、型枠養生工程において断熱養生を行い、さらに、高温養生や高温高圧養生による第一養生工程を行ってもよい。
第二養生工程は、型枠養生工程後もしくは第一養生工程後の高強度コンクリートに第一次養生工程よりも高い温度で加熱養生を行う工程である。
本実施形態の第二養生工程は、加熱養生を200℃程度の温度環境下で6時間以上行う。
以上、本実施形態の高強度コンクリートおよびコンクリート部材の製造方法によれば、粗骨材が含有されたコンクリートについて、設計基準強度が略300N/mmの超高強度コンクリートを提供することが可能となる。また、水結合材比が重量比で11〜13%確保されているため、従来の高強度コンクリートと比較して流動性が低下することがなく、施工性が低下することもない。
高強度コンクリートは、常温よりも高い温度での養生(第一養生工程)をすることにより、圧縮強度が200N/mm以上のコンクリート部材を提供することができる。
さらに、200℃による加熱養生を行うことで、圧縮強度が略300N/mmのコンクリート部材を製造することができる。
そのため、例えば、高層コンクリート建物の柱として使用すれば、柱としての強度を低下させることなく小断面化が可能となるため、使用空間の自由化が広がる。また、構造物全体の軽量化が可能となるため、全体費用の低減化も可能となる。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、高強度コンクリートの養生を、常温よりも高い温度での養生とこれよりもさらに高い温度での加熱養生により行う場合について説明したが、いずれかの養生のみを行ってもよい。
また、前記実施形態では、コンクリート混合物の混練工程として、細骨材を含む粉体材料を混練してから、液体材料を投入し、さらに混練して所定の流動性が発現してから粗骨材と繊維を混練する方法としたが、混練工程における材料の投入の順序は限定されるものではなく、適宜設定して行えばよい。
以下、本実施形態に係る高強度コンクリートの有効性を確認するために実施した実験の方法と結果を示す。
表1に実験で使用したコンクリートの配合を示す。
Figure 0006346519
なお、表1の配合には空気量調整剤(ポリアルキレングリコール誘導体)を2.8kg/m3添加している。
使用材料の主要物性、成分等を以下に示す。
・低熱セメント(密度3.24g/cm3,比表面積3800cm2/g,けい酸二カルシウム含有量:54質量%,アルミン酸三カルシウム含有量:3質量%)
・フライアッシュ(密度2.28g/cm3,比表面積3920cm2/g,二酸化けい素含有量:60.4質量%)
・珪石粉(密度2.63g/cm3,比表面積8280cm2/g,二酸化けい素含有量:95.9質量%)
・シリカフューム(密度2.25g/cm3,比表面積16.6m2/g,二酸化けい素含有量:94.7質量%)
・細骨材(絶乾密度2.64g/cm3、最大寸法0.43mm)
・粗骨材(絶乾密度2.63g/cm3,最大寸法20mm)
・混和剤(ポリカルボン酸系高性能減水剤)
・空気量調整剤(ポリアルキレングリコール誘導体)を2.8kg/m3添加
混練方法
混練には,縦型ミキサ(容量30L)を用いた。使用材料のうちの粉体部分と細骨材を練り混ぜる乾燥混練を3分間行った後,液体部分を投入して湿潤混練を行った。ここでの混練時間は,電流計により測定したミキサ負荷電流がピークを示した後に減衰し,その後に安定するまでの時間とした。次に,鋼繊維と粗骨材を別々に投入し,それぞれ2分および1分30秒練り混ぜた。
養生方法
20℃の型枠養生工程を行った後,90℃を24時間保持した第一養生工程と190℃を6時間保持した第二養生工程を行った。加熱時の昇温速度は20℃/時以下,降温速度は10℃/時以下とした。
試験方法
練混ぜ性能の指標は,前記の液体部分を投入してから鋼繊維を投入するまでのミキサ負荷電流を測定し,ミキサ負荷電流がピークを示した後に減衰して,その後に安定した時に示した値に最初に到達するまでの時間とした。この時間を練混ぜ時間とした。
コンクリートの流動性は,JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に準拠したミニスランプコーン(上端内径50mm,下端内径100mm,高さ150mm)によるモルタルフローにて測定した。測定は,混練時に粗骨材を投入する前のモルタルについて行った。なお,測定の際にモルタルへの加振は行っていない。モルタルの流動性の指標として,上記のモルタルフロー値が20cmに達する時間と,流動が停止したときのフロー値を測定した。
圧縮強度試験には,直径50mm,高さ100mmの円柱供試体を用いた。
実験から得た,フライアッシュおよび珪石粉の総量に対する珪石粉の容積比(以下,単に容積比と称する)が,コンクリートの練混ぜ時間および圧縮強度に及ぼす影響を図-1に,容積比がコンクリートのフレッシュ性状に及ぼす影響を図-2に示す。
練混ぜ時間およびフレッシュ性状については,それぞれケース3(表1では単に3と表記、他も同様)で得た数値(練混ぜ時間22.4分、圧縮強度304N/mm2、モルタルフロー値37.1cm、20cmフロー到達時間3.1秒)を100%とした場合の比で表している。なお,ケース3の容積比は,圧縮強度300N/mm2以上を実現しつつ,これ以上の容積比とすると練混ぜ時間が徐々に増加し始め,フローの低下が現れる容積比であるため,これを100%とした。
容積比と圧縮強度の回帰式は上に凸の放物線状の傾向となった。容積比が0.0から上がるにつれて圧縮強度も増加していき,容積比がおよそ0.35〜0.40付近で圧縮強度は300N/mm2級に到達した。また,圧縮強度は容積比0.70〜0.75付近でピークとなり,その後は容積比1.0に向かうにつれて低下していく(図-1)。
練混ぜ時間は容積比の増加とともに大きくなる傾向となった(図-1)。フレッシュ性状については,容積比の増加とともにモルタルフロー値は小さくなり,20cmモルタルフロー到達時間は遅くなった(図-2)。容積比0.75を超えると,練混ぜ時間比がおよそ110%,20cmフロー到達時間比がおよそ125%を超え,練混ぜ性能および施工性に支障をきたすと考えられる。
以上の結果から,圧縮強度300N/mm2以上を得るには,容積比を少なくとも0.35(より好ましくは0.40)以上とする必要がある。また,容積比が大きくなっていくと練混ぜ性能や施工性が低下していくため,良好な練混ぜ性能や施工性を得るには,容積比を少なくとも0.75(より好ましくは0.70)以下にする必要がある。
なお、表1に示すケース3と4は、この好ましい範囲にあり、その他のケース1、2、5は、この好ましい範囲外にある。
フライアッシュと珪石粉を併用し,これらを最適な混合割合で用いることで,良好な施工性・流動性・練混ぜ性能を確保しつつ,300N/mm2以上の圧縮強度が得られる超高強度コンクリートを製造することができることが確認された。

Claims (2)

  1. 1m当たり240〜290Lの範囲内で添加された低熱ポルトランドセメントと、
    1m当たり25〜80Lの範囲内で添加されたコンクリート用フライアッシュII種と、
    1m当たり40〜90Lの範囲内で添加された累積50%粒子の粒径10μm以下の珪石粉と、
    1m当たり70〜100Lの範囲内で添加された粉末状のコンクリート用シリカフュームと、
    1m当たり180〜290Lの範囲内で添加された細骨材と、
    1m当たり90〜120Lの範囲内で添加された粗骨材と、
    前記低熱ポルトランドセメントと前記コンクリート用フライアッシュII種と前記珪石粉と前記コンクリート用シリカフュームとを含む結合材に対する重量比が11〜13%となるように添加された水と、を混合してなるコンクリート混合体と、
    前記コンクリート混合体に対して外割りの容積比で0.5〜2%となるように添加された鋼繊維とを含み、
    前記低熱ポルトランドセメントに対する前記コンクリート用フライアッシュII種、前記珪石粉および前記コンクリート用シリカフュームの重量比が、それぞれ9〜18%の範囲内、27〜18%の範囲内および21%であることを特徴とする、高強度コンクリート。
  2. 請求項1に記載の高強度コンクリートを打設する打設工程と、
    前記高強度コンクリートを常温または常温よりも高い温度で養生する第一養生工程と、 第一養生工程後に第一養生工程よりも高い温度で加熱養生を行う第二養生工程と、を含むことを特徴とする、コンクリート部材の製造方法。
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