JP4886272B2 - 反応ガス用加湿装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電解質膜の両側に電極を設けた電解質膜・電極構造体と、セパレータとを積層し、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスが供給される固体高分子型燃料電池において、前記固体高分子型燃料電池に供給される少なくとも一方の反応ガスを、加湿流体によって加湿するための水透過性膜を設ける反応ガス用加湿装置に関する。
通常、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持した発電セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の発電セルを積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
上記の燃料電池では、有効な発電機能を発揮させるために、電解質膜を適度な湿潤状態に維持することが必要とされている。このため、燃料ガスや酸化剤ガスを、予め水を介して加湿する加湿装置を用意し、この加湿装置を燃料電池に連結することにより、前記加湿された燃料ガスや酸化剤ガスを燃料電池に供給する構成が知られている。
例えば、特許文献1に開示されている加温・加湿システム装置では、図8に示すように、高分子膜1の両側に、第1セパレータ2と第2セパレータ3とが配置されている。第1セパレータ2には、加温・加湿させたい気体(例えば、水素、酸素又は空気)を導く加温・加湿気体流路溝4が設けられている。第2セパレータ3には、温水となった冷却水を導く冷却水流路溝5が設けられている。
このような構成において、冷却水流路溝5に温水となった冷却水を導くことにより、この温水は、高分子膜1に吸水されている。そして、この吸水された水は、加温・加湿気体流路溝4に導かれた加温・加湿させたい気体(以下、単に気体という)中に蒸発して前記気体を加湿するとともに、前記温水の持つ熱によって前記気体を加温させることができる、としている。
特開平6−124722号公報(図4)
ところで、上記の加温・加湿システム装置では、加温・加湿気体流路溝4や冷却水流路溝5の開口幅が大きいと、高分子膜1が前記加温・加湿気体流路溝4内や前記冷却水流路溝5内に落ち込むおそれがある。これにより、加温・加湿気体流路溝4や冷却水流路溝5に大きな圧損が発生するという問題がある。このため、加温・加湿気体流路溝4や冷却水流路溝5の開口幅を大きく設定することができず、加湿性能を向上させることが困難になるという問題がある。
特に、U字状やサーペンタイン状等の折り返し部を有する流路形状では、前記折り返し部で圧損が相当に大きくなり易く、所望の加湿性能を維持することができないという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、折り返し部を有する流路形状であっても、膜の落ち込みが発生することがなく、しかも所望の加湿性能を確実に維持することが可能な反応ガス用加湿装置を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜の両側に電極を設けた電解質膜・電極構造体と、セパレータとを積層し、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスが供給される固体高分子型燃料電池において、前記固体高分子型燃料電池に供給される少なくとも一方の反応ガスを、加湿流体によって加湿するための水透過性膜を設ける反応ガス用加湿装置である。
この反応ガス用加湿装置は、水透過性膜を挟んで対向する第1及び第2セパレータを備え、前記第1セパレータには、前記水透過性膜の一方の面に沿って一方の反応ガスを流す反応ガス流路が形成されるとともに、前記第2セパレータには、前記水透過性膜の他方の面に沿って加湿流体を流す加湿流体流路が形成されている。
そして、少なくとも反応ガス流路又は加湿流体流路は、直線流路部と折り返し流路部とを有し、前記折り返し流路部の流路幅は、前記直線流路部の流路幅よりも幅広に設定されている。
また、反応ガス流路は、第1の直線流路部と第1の折り返し流路部とを有する一方、前記加湿流体流路は、第2の直線流路部と第2の折り返し流路部とを有し、前記第1の直線流路部と前記第2の折り返し流路部、及び前記第2の直線流路部と前記第1の折り返し流路部とは、前記水透過性膜を挟んで互いに積層方向に重なり合う位置に設定されることが好ましい。
本発明では、折り返し流路部の流路幅が、直線流路部の流路幅よりも幅広に設定されるため、この折り返し流路部の加湿面積が増加し、所望の加湿性能を確実に維持することができる。しかも、折り返し流路部は、直線流路部に比べて流路長が相当に短尺である。従って、折り返し流路部の流路幅を広げても、前記折り返し流路部に水透過性膜が落ち込むことがなく、圧損が増大することを有効に阻止することが可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る反応ガス用加湿装置を組み込む燃料電池システム10の概略構成説明図であり、図2は、前記燃料電池システム10の概略斜視図である。
燃料電池システム10は、例えば、自動車等の車両に搭載されており、固体高分子型燃料電池12と、平膜型加湿装置14とを積層方向(矢印A方向)にスタックして構成される。燃料電池12は、複数の発電セル16を矢印A方向に積層するとともに、積層方向両端にターミナルプレート17a、17b及び絶縁プレート19a、19bを介装して第1及び第2エンドプレート18a、18bが配置される。
第2エンドプレート18bには、加湿装置14が直接積層される。加湿装置14を構成する第3エンドプレート18cは、第1エンドプレート18aに対し、第2エンドプレート18bを介装して複数の締め付けボルト21により積層方向に締め付けられる(図2参照)。
図1に示すように、発電セル16は、固体高分子電解質膜20aの両側にアノード側電極20bとカソード側電極20cとを配置した電解質膜・電極構造体20と、前記電解質膜・電極構造体20を挟持する一対の金属製又はカーボン製セパレータ22、24とを備える。
燃料電池12内には、それぞれ矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガス(以下、空気ともいう)を供給するための酸化剤ガス供給連通孔26a、前記酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔26b、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔28a、前記冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔28b、燃料ガス、例えば、水素含有ガス(以下、水素ともいう)を供給するための燃料ガス供給連通孔30a、及び前記燃料ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔30bが設けられる。
セパレータ22の電解質膜・電極構造体20に向かう面には、燃料ガス供給連通孔30aと燃料ガス排出連通孔30bとを連通する燃料ガス流路32が形成される。セパレータ22の反対側の面には、冷却媒体供給連通孔28aと冷却媒体排出連通孔28bとを連通する冷却媒体流路34が形成される。
セパレータ24の電解質膜・電極構造体20に向かう面には、酸化剤ガス供給連通孔26aと酸化剤ガス排出連通孔26bとに連通する酸化剤ガス流路36が設けられる。セパレータ24の反対側の面には、セパレータ22と重なり合って冷却媒体流路34が一体的に形成される。
図3及び図4に示すように、加湿装置14は、水透過性膜40の一方の面40aに配設される第1セパレータ42と、前記水透過性膜40の他方の面40bに配設される第2セパレータ44とを備える。第1及び第2セパレータ42、44は、水透過性膜40を介装して交互に矢印A方向に積層されて積層体46を構成する。第1及び第2セパレータ42、44は、金属製プレートを波形状に成形して構成される。なお、この第1及び第2セパレータ42、44は、例えば、カーボンプレートに削り加工等を施して構成してもよい。
図3に示すように、積層体46の矢印B方向の一端縁部には、互いに矢印A方向に貫通して、反応前の空気(一方の反応ガス)を導入する空気入口連通孔48aと、加湿された反応前の空気を燃料電池12に供給する空気出口連通孔48bとが矢印C方向に配列して形成される。
積層体46の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、空気オフガスが供給される空気オフガス入口連通孔50aと、反応前の空気を加湿した後の空気オフガスを排出する空気オフガス出口連通孔50bとが矢印C方向に配列して設けられる。
第1セパレータ42は、水透過性膜40の一方の面40aに向かう面42a側に、空気入口連通孔48aと空気出口連通孔48bとを連通し、略U字状に屈曲乃至湾曲する第1反応ガス流路52を設ける。
図5に示すように、第1反応ガス流路52は、長辺方向(矢印B方向)に延在する複数の直線流路部(第1の直線流路部)52aと、矢印C方向に並列される前記直線流路部52a同士を連結して矢印C方向に延在する複数の折り返し流路部(第1の折り返し流路部)52bとを有する。複数の直線流路部52a及び折り返し流路部52bは、複数の凸部53同士の間に形成されている。各凸部53間の距離が設定されることによって、折り返し流路部52bの流路幅h1は、直線流路部52aの流路幅h2よりも幅広に設定される。
第1セパレータ42の面42aとは反対の面42b側には、空気入口連通孔48aと空気出口連通孔48bとを連通し、略U字状の第2反応ガス流路54が設けられる。図3に示すように、第2反応ガス流路54は、矢印B方向に延在する複数の直線流路部(第1の直線流路部)54aと、矢印C方向に並列される前記直線流路部54a同士を連結するとともに、矢印C方向に延在する複数の折り返し流路部(第1の折り返し流路部)54bとを有する。
直線流路部54a及び折り返し流路部54bは、複数の凸部55同士の間に形成されており、この凸部55の間隔が設定されてそれぞれの流路幅の調整が行われる。この第2反応ガス流路54は、第1反応ガス流路52と交互に形成され、全体として波形状を有している(図4参照)。
図3に示すように、第2セパレータ44は、水透過性膜40の他方の面40bに向かう面44a側に、空気オフガス入口連通孔50aと空気オフガス出口連通孔50bとを連通する略U字状の第1加湿流体流路56を設ける。
第1加湿流体流路56は、矢印B方向(長辺方向)に延在する複数の直線流路部(第2の直線流路部)56aと、上下に延在する前記直線流路部56a同士を連結して矢印C方向に延在する複数の折り返し流路部(第2の折り返し流路部)56bとを有する。折り返し流路部56bの流路幅は、直線流路部56aの流路幅よりも幅広に設定される。
第2セパレータ44は、面44aとは反対の面44b側に、空気オフガス入口連通孔50aと空気オフガス出口連通孔50bとを連通する略U字状の第2加湿流体流路58を設ける。第2加湿流体流路58は、矢印B方向に延在する複数の直線流路部(第2の直線流路部)58aと、上下に配置される前記直線流路部58a同士を連結して矢印C方向に延在する複数の折り返し流路部(第2の折り返し流路部)58bとを有する。折り返し流路部58bの流路幅は、直線流路部58aの流路幅よりも幅広に設定される。第2加湿流体流路58は、第1加湿流体流路56と交互に配設される。
図1に示すように、燃料電池システム10は、加湿装置14側に設けられる酸化剤ガス供給系70と、燃料電池12側に設けられる燃料ガス供給系72及び冷却媒体供給系74とを備える。
酸化剤ガス供給系70は、第3エンドプレート18cに接続されて加湿装置14の空気入口連通孔48aに空気を供給する空気供給流路76と、前記加湿装置14の空気オフガス出口連通孔50bから排出される空気オフガスを、外部に排気するための空気排出流路78とを備える。空気供給流路76には、空気を圧縮して供給するためにスーパーチャージャ(又はポンプ)80が設けられる。
燃料ガス供給系72は、第1エンドプレート18aに接続されて燃料電池12の燃料ガス供給連通孔30aに水素ガスを供給するための水素供給流路82と、前記燃料電池12の燃料ガス排出連通孔30bから排出される未使用の水素ガスを含む排ガスを、前記水素供給流路82の途上に戻して該燃料電池12に供給するための水素循環流路84とを備える。
水素供給流路82には、高圧水素を貯留する水素タンク86と、前記水素タンク86から供給される水素ガスの圧力を減圧するレギュレータ88と、減圧された前記水素ガスを燃料電池12に供給するとともに、水素循環流路84から排ガスを吸引して前記燃料電池12に戻すためのエゼクタ90とが配設される。
冷却媒体供給系74は、第1エンドプレート18aに接続されて燃料電池12の冷却媒体供給連通孔28aに冷却媒体を供給するための冷却媒体供給流路92と、前記燃料電池12の冷却媒体排出連通孔28bから排出される冷却媒体を冷却媒体タンク94に戻す冷却媒体循環流路96と、前記冷却媒体タンク94内の前記冷却媒体を循環させるポンプ98とを備える。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、水素タンク86から水素供給流路82に供給される水素ガスは、レギュレータ88を介して所定の圧力に減圧された後、エゼクタ90を通って燃料電池12の燃料ガス供給連通孔30aに供給される。
水素ガスは、各発電セル16を構成する燃料ガス流路32に沿って移動し、アノード側電極20bに供給された後、未使用の水素を含む燃料オフガスが、燃料ガス排出連通孔30bに排出される。この燃料オフガスは、水素循環流路84に排出されてエゼクタ90の吸引作用下に水素供給流路82に途上に戻された後、再度、燃料電池12に燃料ガスとして供給される。
一方、スーパーチャージャ80を介して、空気供給流路76に空気が供給される。この空気は、第3エンドプレート18cから加湿装置14を構成する積層体46の空気入口連通孔48aに供給される。
図3に示すように、加湿装置14では、第1セパレータ42の第1及び第2反応ガス流路52、54が空気入口連通孔48aに連通している。このため、空気入口連通孔48aに導入された空気は、略U字状の第1及び第2反応ガス流路52、54に沿って移動する。第1反応ガス流路52を流れる空気は、水透過性膜40の一方の面40aに接触するとともに、第2反応ガス流路54に沿って移動する空気は、他の水透過性膜40の一方の面40aに接触する(図4参照)。
加湿装置14では、燃料電池12の発電に使用された反応済みの空気である空気オフガスが、空気オフガス入口連通孔50aに供給される。この空気オフガスは、第2セパレータ44の空気オフガス入口連通孔50aに連通する第1及び第2加湿流体流路56、58に導入される。第1加湿流体流路56を移動する空気オフガスは、水透過性膜40の他方の面40bに接触するとともに、第2加湿流体流路58に沿って移動する空気オフガスは、他の水透過性膜40の他方の面40bに接触する。
従って、第2セパレータ44の第1加湿流体流路56に沿って移動する空気オフガス中の水分は、水透過性膜40を透過し第1反応ガス流路52に沿って移動する反応前の空気に供給され、この空気が加湿される。さらに、第2反応ガス流路54に沿って移動する反応前の空気は、第2加湿流体流路58に沿って移動する空気オフガス中の水分により加湿される。そして、加湿された空気は、第1及び第2反応ガス流路52、54に連通する空気出口連通孔48bから燃料電池12の酸化剤ガス供給連通孔26aに供給される。
図1に示すように、加湿された空気は、第2エンドプレート18bから各発電セル16に供給される。この加湿された空気は、セパレータ24に形成される酸化剤ガス流路36を流れることによって、カソード側電極20cに供給される。未使用の空気を含む空気オフガスは、酸化剤ガス排出連通孔26bに排出された後、上記のように、加湿装置14内で加湿処理に用いられて空気オフガス出口連通孔50bから空気排出流路78に排出される。
これにより、各発電セル16では、アノード側電極20bに供給される水素と、カソード側電極20cに供給される空気中の酸素とが反応して発電が行われる。
また、冷却媒体供給系74では、ポンプ98の作用下に冷却媒体タンク94内の冷却媒体が、冷却媒体供給流路92から燃料電池12の冷却媒体供給連通孔28aに供給される。この冷却媒体は、セパレータ22、24間に形成される冷却媒体流路34を通ることによって各発電セル16を冷却した後、冷却媒体排出連通孔28bから冷却媒体循環流路96に排出され、冷却媒体タンク94に戻される。
この場合、第1の実施形態では、例えば、第1反応ガス流路52が、図5に示すように、長辺方向である矢印B方向に延在する複数の直線流路部52aと、上下に延在する前記直線流路部52a同士を連結して矢印C方向に延在する複数の折り返し流路部52bとを有するとともに、前記折り返し流路部52bの流路幅h1は、前記直線流路部52aの流路幅h2よりも幅広に設定されている。
このため、折り返し流路部52bの加湿面積が増加し、第1反応ガス流路52に沿って移動する空気は、特に折り返し流路部52bでの加湿量が有効に増加される。これにより、簡単な構成で、所望の加湿性能を確実に維持することができるという効果が得られる。
しかも、折り返し流路部52bは、直線流路部52aに比べて流路長が相当に短尺である。従って、折り返し流路部52bの流路幅h1を広げても、前記折り返し流路部52bに水透過性膜40が落ち込むことがなく、圧損が増大することを有効に阻止することが可能になる。
さらにまた、第2反応ガス流路54は、第1反応ガス流路52と同様に、直線流路部54aと幅広な折り返し流路部54bとを有している。このため、折り返し流路部54bでの加湿面積を良好に増大させることができ、所望の加湿性能を維持することが可能になる。
一方、第2セパレータ44では、第1及び第2加湿流体流路56、58が、それぞれ直線流路部56a、58aと、幅広な折り返し流路部56b、58bとを有している。これにより、折り返し流路部56b、58bでの加湿面積を増大させることができ、所望の加湿性能を維持することが可能になる等、第1及び第2反応ガス流路52、54と同様の効果が得られる。
さらに、第1の実施形態では、図6に示すように、水透過性膜40を挟んで第1反応ガス流路52と、第1加湿流体流路56とが積層方向に重ね合わされる際、直線流路部(第1の直線流路部)52aと折り返し流路部(第2の折り返し流路部)56b、及び直線流路部(第2の直線流路部)56aと折り返し流路部(第1の折り返し流路部)52bとは、互いに積層方向に重なり合う位置に設定されている。このため、各折り返し流路部52b、56bが相当に幅広に構成されていても、直線流路部56a、52aに直交して配置されるため、水透過性膜40の落ち込みを一層確実に阻止することができる。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る反応ガス用加湿装置である平膜型加湿装置100を構成する第1セパレータ102の説明図である。なお、第1の実施形態に係る加湿装置14を構成する第1セパレータ42と同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細な説明は省略する。
第1セパレータ102は、一方の面102aに空気入口連通孔48aと空気出口連通孔48bとを連通し、略U字状に屈曲乃至湾曲する第1反応ガス流路104を設ける。第1セパレータ102の他方の面102bには、同様に空気入口連通孔48aと空気出口連通孔48bとを連通し、略U字状の第2反応ガス流路106が設けられる。
第1反応ガス流路104は、長辺方向(矢印B方向)に延在する複数の直線流路部104aと、鉛直方向(矢印C方向)に延在する複数の折り返し流路部104bとを有する。直線流路部104a及び折り返し流路部104bは、各凸部108間に連続して形成される。各凸部108は、鉛直方向(矢印C方向)に延在する部分の幅t1が、水平方向(矢印B方向)に延在する部分の幅t2よりも小さく設定される。これにより、折り返し流路部104bの流路幅h1は、直線流路部104aの流路幅h2よりも幅広に設定される。
第2反応ガス流路106は、上記の第1反応ガス流路104と同様に、長尺方向に延在する複数の直線流路部106aと、矢印C方向に延在する複数の折り返し流路部106bとを有し、これらが、各凸部110間に連続して形成される。
各凸部110は、矢印C方向に延在する部位の幅t1が、矢印B方向に延在する部位の幅t2よりも小さく設定される。これによって、折り返し流路部106bの流路幅h1は、直線流路部104aの流路幅h2よりも幅広に設定される。
このように構成される第2の実施形態では、折り返し流路部104b、106bの流路幅h1が、直線流路部104a、106aの流路幅h2よりも幅広に設定されている。このため、加湿面積が有効に拡大して所望の加湿性能を確実に維持することができる等、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第1及び第2の実施形態では、反応前の空気を空気オフガスで加湿する構成を採用しているが、これに限定されるものではない。例えば、反応前の空気を燃料オフガス(反応後の燃料ガス)で加湿する構成、反応前の燃料ガスを空気オフガスで加湿する構成、反応前の燃料ガスを燃料オフガスで加湿する構成、又は反応前の空気あるいは燃料ガスを純水である燃料電池冷却用冷却水で加湿する構成等を採用してもよい。さらに、流路形状は、略U字状に限定されず、例えば、サーペンタイン等種々の形状が採用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る反応ガス用加湿装置を組み込む燃料電池システムの概略構成説明図である。 前記燃料電池システムの概略斜視説明図である。 前記加湿装置の一部分解斜視説明図である。 前記加湿装置の一部断面説明図である。 前記加湿装置を構成する第1セパレータの説明図である。 前記加湿装置に設けられる第1反応ガス流路と第1加湿流体流路との説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る反応ガス用加湿装置を構成する第1セパレータの説明図である。 特許文献1の加温・加湿システム装置の概略説明図である。
符号の説明
10…燃料電池システム 12…燃料電池
14、100…加湿装置 16…発電セル
18a〜18c…エンドプレート 20a…固体高分子電解質膜
20b…アノード側電極 20c…カソード側電極
22、24、42、44、102…セパレータ
26a…酸化剤ガス供給連通孔 26b…酸化剤ガス排出連通孔
28a…冷却媒体供給連通孔 28b…冷却媒体排出連通孔
30a…燃料ガス供給連通孔 30b…燃料ガス排出連通孔
32…燃料ガス流路 34…冷却媒体流路
36…酸化剤ガス流路 40…水透過性膜
46…積層体 48a…空気入口連通孔
48b…空気出口連通孔 50a…空気オフガス入口連通孔
50b…空気オフガス出口連通孔
52、54、104、106…反応ガス流路
52a、54a、56a、58a、104a、106a…直線流路部
52b、54b、56b、58b、104b、106b…折り返し流路部
56、58…加湿流体流路 70…酸化剤ガス供給系
72…燃料ガス供給系 74…冷却媒体供給系

Claims (1)

  1. 電解質膜の両側に電極を設けた電解質膜・電極構造体と、セパレータとを積層し、反応ガスである燃料ガス及び酸化剤ガスが供給される固体高分子型燃料電池において、前記固体高分子型燃料電池に供給される少なくとも一方の反応ガスを、加湿流体によって加湿するための水透過性膜を設ける反応ガス用加湿装置であって、
    水透過性膜のみを挟んで対向する第1及び第2セパレータを備え、
    前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、いずれも波板状の金属セパレータであり、
    前記第1セパレータには、前記水透過性膜の一方の面に沿って前記一方の反応ガスを流す反応ガス流路が形成されるとともに、
    前記第2セパレータには、前記水透過性膜の他方の面に沿って前記加湿流体を流す加湿流体流路が形成され、
    少なくとも前記反応ガス流路又は前記加湿流体流路は、流路幅が延在方向に沿って一定の直線流路部と、該直線流路部の端部に連結し前記直線流路部に対して直交する方向に延在する折り返し流路部とを有し、前記折り返し流路部の流路幅は、前記直線流路部の流路幅よりも幅広に設定され
    前記反応ガス流路は、並列された複数の第1の直線流路部と並列された複数の第1の折り返し流路部とを有する一方、前記加湿流体流路は、並列された複数の第2の直線流路部と並列された複数の第2の折り返し流路部とを有し、
    前記第1の直線流路部と前記第2の折り返し流路部、及び前記第2の直線流路部と前記第1の折り返し流路部とは、前記水透過性膜を挟んで互いに積層方向に重なり合う位置に設定され、
    前記水透過性膜を挟んで前記第1の直線流路部と前記第2の直線流路部とが前記積層方向に重なるとともに、前記第1の直線流路部間に形成された凸部と、前記第2の直線流路部間に形成された凸部とが前記水透過性膜を挟んで対向することを特徴とする反応ガス用加湿装置。
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