JP4885068B2 - 渦電流探傷装置および渦電流探傷方法 - Google Patents

渦電流探傷装置および渦電流探傷方法 Download PDF

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Description

本発明は、渦電流探傷装置および渦電流探傷方法に関するものである。
金属の非破壊検査方法として、渦電流探傷法(ECT; Eddy Current Testing)が知られている。これは、励磁電流を供給したECTコイルが発生する磁束により,被測定部材に渦電流を発生させ、さらにこの渦電流により発生する磁束を表す検出信号をECTコイルの出力信号として得て、この時の検出信号が被検体の欠陥(傷)の位置、形状、深さ等を反映したものとなることから、該検出信号に基づき被検体の探傷を行うものである。
このように、渦電流探傷法は、被検体中の欠陥によって生ずる渦電流の強度および流れの形の変化を検出して探傷を行うものである。しかしながら、このような渦電流の強度及び流れの形は、上記欠陥だけではなく、被検体の電気抵抗率および透磁率の変動や、コイル姿勢の変化などによって生ずるECTコイルのインピーダンスの変化等によっても変化する。従って、このようなECTコイルのインピーダンスの変化はノイズとなり、欠陥の検出精度を低下させることとなる。
特に、被検体が磁性体である場合、或いは被検体近傍に磁性体が存在する場合には、図14(a)に示すように、透磁率変化が検出信号にノイズとして現れ、SN比が低下することが知られている。このようなノイズを低減する方法として、図14(c)に示すように、ECTコイル101周辺に永久磁石または電磁石102を配置して、透磁率変化の影響を低減することによりECTコイル101からの検出信号のSN比を向上させる磁気飽和式の渦電流探傷法が提案されている。
図14(b)に、磁性体に印加される磁界強度と透磁率の関係を示す。磁性体の透磁率は、磁界が印加されないときに非磁性体の透磁率よりも大きな透磁率を有しており、印加磁界が大きくなるにつれて透磁率も大きくなってピーク点に達する。さらに印加磁界が大きくなると磁性体の透磁率は小さくなって非磁性体の透磁率に近づいて行き、磁性体の透磁率と非磁性体の透磁率との間に殆ど差が無くなるが、この現象が磁気飽和と呼ばれる。つまり、磁気飽和の状態では、被検体100の透磁率の差が小さくなり、透磁率の差による渦電流の変化が小さくなるから、磁気飽和の状態で渦電流探傷を行えば、ノイズも小さく、欠陥の検出精度が向上することとなる。
このような磁気飽和を利用した渦電流探傷法の一例として、磁性体金属管の探傷に適用する場合の装置例が特開平6−94682号公報「電磁誘導探傷プローブ」に開示されている。
特開平6−94682号公報
しかしながら、上述した磁気飽和式の渦電流探傷法においては、透磁率変化によるノイズを消失するために必要な強力な磁石を用いると、炭素鋼等の強磁性体近傍では、可動機構を備えたECTセンサが強力な磁力によって移動困難になり、被検体を走査し得る現実的な装置を構成できないという事情があった。
また、アロイ溶接による異材継手部分の探傷検査などに適用する場合、異材境界部に透磁率変化によるノイズが生じるが、最も磁力の強い磁石を用いてもノイズを完全に消去できない場合があるという事情があった。また、被検体を走査し得る現実的な装置構成とするべく、磁石の磁力をやや弱めた磁気飽和式の渦電流探傷装置においては、透磁率変化によるノイズは完全には消去されず、検出信号波形が被検体の傷に起因するものか、或いは、透磁率変化によるノイズに起因するものかを判別する必要があった。
また、透磁率変化によるノイズの他に、例えば、被検体表面形状によるECTセンサのリフトオフ変化やECTセンサの傾き変化による形状ノイズがあり、この形状ノイズは表面欠陥と似た信号波形を示すことが多いことから、検出信号波形が被検体の表面欠陥に起因するものか、或いは、形状ノイズに起因するものかを判別することが難しいという事情もあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、検査精度の向上を図ることの可能な渦電流探傷装置および渦電流探傷方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、渦電流探傷プローブと、磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型渦電流探傷プローブと、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、ノイズに起因するものかを判別する分析手段とを備え、前記分析手段は、前記渦電流探傷プローブによる信号波形が内在欠陥の特徴を示し、且つ、前記渦電流探傷プローブによる信号振幅が前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、透磁率変化によるノイズを要因とするものであると判定する渦電流探傷装置を提供する。
本発明によれば、透磁率変化によるノイズが完全に消去されない場合でも、検出信号波形が被検体の欠陥(傷)に起因するものか、或いは、透磁率変化によるノイズに起因するものかを判別することができ、検査精度の向上を図ることが可能となる。
本発明は、渦電流探傷プローブと、磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型渦電流探傷プローブと、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、ノイズに起因するものかを判別する分析手段とを備え、前記分析手段は、前記渦電流探傷プローブによる信号波形が開口欠陥の特徴を示し、且つ、前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号振幅が前記渦電流探傷プローブによる信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブのリフトオフ変化または傾き変化による形状ノイズを要因とするものであると判定する渦電流探傷装置を提供する。
本発明によれば、検出信号の波形特徴が類似している開口欠陥および形状ノイズについて、検出信号波形が被検体の開口欠陥(傷)に起因するものか、或いは、形状ノイズに起因するものかを判別することができ、検査精度の向上を図ることが可能となる。
上記渦電流探傷装置において、前記磁気飽和型渦電流探傷プローブの磁石は、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブを備える可動体が走査可能な範囲の磁力を持つか、或いは、走査可能な範囲のリフトオフで設置されることが好ましい。
上記渦電流探傷装置において、前記分析手段は、傷の深さが既知の標準試料を前記渦電流探傷プローブ及び前記磁気飽和型渦電流探傷プローブにより実測して得る見本探傷信号を入力し、波形特徴を数値化した特徴量を生成する特徴量生成手段と、前記標準試料の傷の深さを表す量として既知の正解データを供給する正解データ供給手段と、前記特徴量および正解データを入力し、前記特徴量を利用して前記正解データとの誤差が十分小さい値を出力するためのパラメータである評価パラメータを、学習により生成する学習手段と、測定対象の被検体を前記渦電流探傷プローブ及び前記磁気飽和型渦電流探傷プローブにより探傷して得る実測探傷信号により、見本探傷信号と同様の特徴量を生成する特徴量生成手段と、前記実測探傷信号に基づく特徴量と該特徴量に対応する前記評価パラメータとに基づき、傷の深さ推定値を生成する評価結果生成手段とを具備することとしてもよい。
このようにすることで、透磁率変化の影響や、材質の違いの影響を考慮することができるので、前記渦電流探傷プローブの信号のみに基づいて判断する場合に比べて、格段に評価精度を向上させることが可能となる。
被検体が2種類以上の材質の領域を含む渦電流探傷において、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブに加えて、被検体において異なる材質の境界である異材境界位置を検出するための位置検出センサを更に備え、前記分析手段は、前記位置検出センサの位置情報に基づき、前記渦電流探傷プローブまたは前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号波形に基づく欠陥抽出およびサイジングを行うこととしてもよい。
このようにすることで、判別した異材境界位置を基準として検出信号がどの材質の位置にあるかを正確に分類でき、より正確な判定・評価を行うことができる。
上記渦電流探傷装置において、前記分析手段は、被検体の前記磁気飽和型渦電流探傷プローブの信号値分布に基づき、測定対象の被検体において異なる材質の境界である異材境界の位置を判別し、該異材境界位置に基づき、前記渦電流探傷プローブまたは前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号波形に基づく欠陥抽出およびサイジングを行うこととしてもよい。
このようにすることで、新たに位置センサを付加することなく、判別した異材境界位置を基準として検出信号がどの材質の位置にあるかを正確に分類でき、より正確な判定・評価を行うことができる。
上記渦電流探傷装置において、前記磁気飽和型渦電流探傷プローブは、1対の磁石と、前記1対の磁石で挟まれ、且つ、該1対の磁石で挟まれた領域の中央の磁力に対する減衰率が所定許容範囲の位置に並設された複数のセンサとを具備することとしてもよい。
このようにすることで、内捜型または貫通型以外のマルチセンサ型プローブについても、磁気飽和型渦電流探傷プローブを実現できる。
本発明は、渦電流探傷プローブと、磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型渦電流探傷プローブとを具備した渦電流探傷装置の渦電流探傷方法であって、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、ノイズに起因するものかを判別する分析工程を含み、前記分析工程は、前記渦電流探傷プローブによる信号波形が内在欠陥の特徴を示し、且つ、前記渦電流探傷プローブによる信号振幅が前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、透磁率変化によるノイズを要因とするものであると判定する渦電流探傷方法を提供する。
本発明は、渦電流探傷プローブと、磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型渦電流探傷プローブとを具備した渦電流探傷装置の渦電流探傷方法であって、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、ノイズに起因するものかを判別する分析工程を含み、前記分析工程は、前記渦電流探傷プローブによる信号波形が開口欠陥の特徴を示し、且つ、前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号振幅が前記渦電流探傷プローブによる信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブのリフトオフ変化または傾き変化による形状ノイズを要因とするものであると判定する渦電流探傷方法を提供する。
本発明によれば、検査精度の向上を図ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の渦電流探傷装置および渦電流探傷方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係る渦電流探傷装置の構成図である。同図において、本実施形態の渦電流探傷装置は、通常型プローブ11、磁気飽和型プローブ13、駆動装置15、探傷器17、記憶装置19および分析装置21を備えて構成されている。
通常型プローブ11は、特許請求の範囲にいう渦電流探傷プローブであり、渦電流探傷法による配管等の保守検査で一般的に使用されているもので、例えば自己比較方式のものを用いる。また、磁気飽和型プローブ13は、特許請求の範囲にいう磁気飽和型渦電流探傷プローブであり、ECTコイル周辺に永久磁石または電磁石を配置して、透磁率変化の影響を低減するようにしたものである。
また、駆動装置15は、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13を備えた可動体25を移動させるものであり、エンコーダ等の位置検出器を備えて、位置信号を探傷器17に出力する。また、探傷器17は、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13のECTコイルを励磁して、該ECTコイルの出力信号を検出信号として受け取り、これら位置信号および検出信号をA/D変換した後記録装置19に出力する。
記録装置19は、探傷器17からの位置信号および検出信号を逐次記録していく。分析装置21は、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13で得られた信号波形に基づき欠陥抽出およびサイジングを行って評価するものであるが、本実施形態では、特に、分析装置21において、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13による同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が透磁率変化によるノイズを要因とするものであるか否かを判定する点に特徴がある。
本実施形態の渦電流探傷装置は、種々の被破壊検査に適用可能であるが、本実施形態の渦電流探傷装置による効果をより明確にするために、ここでは、図2(a)に示すような原子力発電プラントにおける容器40と配管50のつなぎ目を含む配管の保守検査に適用する場合を例に説明する。
図2(a)におけるA部の配管50と容器40の接合部の断面を拡大して示したものが図2(b)である。容器40は、強磁性である炭素鋼41が用いられ、内面がSUSオーバレイ42で覆われている。SUSとしては非磁性のオーステナイト系のものが用いられるが、加工・溶接等により弱い磁性を帯びる場合もある。また、配管50にはSUS母材51が使用されている。これら容器40と配管50のつなぎ目は、アロイバタリング52で覆った後に、アロイ溶接で接合されている。アロイは非磁性である。図中、53はアロイ溶金である。
容器40と配管50のつなぎ目(特に、図中B部)では、背景技術で述べたように、透磁率変化が検出信号にノイズとして現れ、SN比が低下する。これに対処するため、本実施形態でも磁気飽和型プローブ13を用いるが、透磁率変化によるノイズを完全に消失するために強力な磁石を用いると、炭素鋼等の強磁性体近傍では可動体25が移動困難になり、被検体を走査し得る現実的な装置を構成できなくなってしまう。そこで、本実施形態では、磁気飽和型プローブ13の磁石を、可動体25が走査可能な範囲のやや弱い磁力を持つものとするか、或いは、走査可能な範囲のリフトオフ(より大きなリフトオフ)で設置することとして、走査可能な範囲に磁気を弱くしている。なお、容器40と配管50のつなぎ目を含む配管の保守検査では、通常型プローブ11と磁気飽和型プローブ13を併置した可動体25を、軸方向および周方向に走査して検査を行う。
このように、被検体を走査し得る現実的な装置構成とするべく、磁気飽和型プローブ13の磁石の磁力をやや弱めた場合には、透磁率変化によるノイズは完全には消去されず、検査精度の向上を図るためには、検出信号波形が被検体の欠陥に起因するものか、或いは、透磁率変化によるノイズに起因するものかを判別する必要が生じる。
そこで、本実施形態の渦電流探傷装置では、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13による同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が透磁率変化によるノイズを要因とするものであるか否かを判定するようにしている。
次に、図3のフローチャートを参照して、分析装置21により行われるこの判定方法について詳細に説明する。なお、渦電流探傷法では、一般に、信号波形に基づく欠陥(傷)の特徴分類を容易にする目的で、複数の励磁周波数について計測する手法が採られており、本実施形態においても複数の周波数(例えば、100[kHz],200[kHz],400[kHz],…等)について計測する。
ここでは、標準信号として開口欠陥信号を使用する場合、すなわち、所定の開口欠陥信号の振幅および位相角が全ての探傷周波数波形について一定値になるように校正した場合の例を説明する。
まず、通常型プローブ11により通常センサ信号(…Sj…Sk…)を取得する(ステップS111)。ここで、Sjは励磁周波数Fjのときの検出信号で、Skは励磁周波数Fkのときの検出信号であり、Fj<Fkである。また、同様に、磁気飽和型プローブ13により磁気飽和型センサ信号(…S’j…S’k…)を取得する(ステップS112)。ここで、S’jは励磁周波数Fjのときの検出信号で、S’kは励磁周波数Fkのときの検出信号である。
次に、通常型プローブ11による通常センサ信号について、内在欠陥特徴を示すかどうか、具体的には、探傷周波数のうちの低周波で探傷したときの信号Sjの振幅が探傷周波数のうちの高周波で探傷したときの信号Skの振幅よりも大きいか否かを判断する(ステップS113)。欠陥(傷)の特徴分類として大まかに走査面に開口していない内在欠陥と走査面に開口している開口欠陥とがあるが、透磁率変化によるノイズに起因する信号波形の特徴は、内在欠陥に起因する信号波形の特徴と類似している。また、内在欠陥に起因する信号波形の特徴は、開口欠陥に起因する信号波形の特徴と比較して、「低周波の信号振幅>高周波の信号振幅」という特性があり、ステップS113の判断により、内在欠陥または透磁率変化によるノイズに起因する可能性の高い信号が抽出されることになる。
なお、ステップS113の判断は、磁気飽和型プローブ13による磁気飽和型センサ信号について行っても良いが、透磁率変化によるノイズに起因している場合には、磁気飽和型センサ信号は磁気飽和により低減されてしまうことから、通常型プローブ11による通常センサ信号について行うのが望ましい。
ステップS113で「低周波の信号振幅>高周波の信号振幅」であるときは、次に、同一の周波数で探傷したときの通常型プローブ11による通常センサ信号SAの振幅が磁気飽和型プローブ13による磁気飽和型センサ信号S’Aの振幅の所定数倍を超える大きさであるか否かを判断する(ステップS114)。ここで、「所定数倍」は、磁気飽和型プローブ13の磁石の磁力またはリフトオフの大きさの設定により変わってくるが、概ね3〜5倍程度である。
つまり、透磁率変化によるノイズに起因している場合には、磁気飽和型センサ信号は磁気飽和により低減されるので、この判断により透磁率変化によるノイズに起因する信号波形であるか否かを判定できる。すなわち、「通常センサ信号振幅>>磁気飽和型センサ信号振幅」であるときは、透磁率変化によるノイズに起因する信号と判断され(ステップS117)、「通常センサ信号振幅>>磁気飽和型センサ信号振幅」でないときは、内在欠陥に起因する信号の可能性があると判断される(ステップS116)。
また、ステップS113で「低周波の信号振幅>高周波の信号振幅」でないときは、内在欠陥または透磁率変化によるノイズ以外の要因による信号と判断される(ステップS115)。
次に、分析装置21において行われる、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13で得られた信号波形に基づく欠陥抽出およびサイジングによる評価について、簡単に説明する。
一般に、渦電流探傷法による検査では、検出信号(電圧)を図4に示すような実軸(横軸)および虚軸(縦軸)による複素平面上のリサージュ図形で描いて評価する。このリサージュ図形は、大きさ(振幅)と実軸に対する傾き(位相角θ)で特徴づけられる。
また、図5には、内在欠陥(軸方向欠陥、周方向欠陥)および透磁率変化によるノイズに起因する通常センサ信号および磁気飽和型センサ信号のリサージュ図形を例示する。図5は、標準信号として開口欠陥信号を使用する場合、すなわち、所定の開口欠陥信号の振幅が同一値になり、および位相角が一定になるように校正した場合のECT波形例である。また、通常プローブと磁気飽和型プローブは、同じ励磁周波数により探傷を行い、校正条件も同じ標準欠陥を探傷した信号を同じ条件で校正する。
同図に示すように、通常センサ信号および磁気飽和型センサ信号のそれぞれについて、内在欠陥(軸方向欠陥、周方向欠陥)および透磁率変化によるノイズの何れに起因する場合も、「低周波の信号振幅>高周波の信号振幅」という特性がある。また、低周波および高周波のそれぞれについて、内在欠陥(軸方向欠陥、周方向欠陥)に起因する場合には「通常センサ信号振幅≒磁気飽和型センサ信号振幅」であり、透磁率変化によるノイズの何れに起因する場合には「通常センサ信号振幅>>磁気飽和型センサ信号振幅」である。したがって、図5からも「低周波の信号振幅>高周波の信号振幅」であるか否か、並びに、「通常センサ信号振幅>>磁気飽和型センサ信号振幅」であるか否かの2段階の判断により、信号波形が透磁率変化によるノイズを要因とするものであるか否かを判定可能であると、容易に理解できる。
以上説明したように、本実施形態の渦電流探傷装置および渦電流探傷方法では、通常型プローブ(渦電流探傷プローブ)11と、磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型プローブ(磁気飽和型渦電流探傷プローブ)13とを具備し、分析装置(分析手段)21により、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13による同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、ノイズに起因するものかを判別する。
また、本実施形態の渦電流探傷装置および渦電流探傷方法では、分析装置(分析手段)21により、複数の周波数条件による探傷で得られた信号の内、通常型プローブ11または磁気飽和型プローブ13による相対的に低周波で探傷したときの信号振幅が相対的に高周波で探傷したときの信号振幅よりも大きく、且つ、任意の周波数で探傷したときの通常型プローブ11による信号振幅が磁気飽和型プローブ13による信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、透磁率変化によるノイズを要因とするものであると判定する。
これにより、透磁率変化によるノイズが完全に消去されない場合でも、検出信号波形が被検体の欠陥(傷)に起因するものか、或いは、透磁率変化によるノイズに起因するものかを判別することができ、検査精度の向上を図ることができる。
また、本実施形態の渦電流探傷装置では、磁気飽和型プローブ13の磁石を、可動体25が走査可能な範囲のやや弱い磁力を持つものとするか、或いは、走査可能な範囲のリフトオフ(より大きなリフトオフ)で設置する。つまり、検出信号波形が透磁率変化によるノイズに起因するものか否かを判別できるので、磁気飽和型プローブ13において磁気飽和するための磁石の強さをノイズを完全に除去するまで強くする必要が無くなり、強磁性体近辺でも可動体25が走査可能な範囲の相対的に弱い磁力で装置を構成することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る渦電流探傷装置および渦電流探傷方法について説明する。本実施形態の渦電流探傷装置の構成は第1の実施形態(図1)と同等であり、各構成要素の詳しい説明を省略する。
ただし、分析装置21については、第1の実施形態と同様に、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13で得られた信号波形に基づき欠陥抽出およびサイジングを行って評価するが、特に、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13による同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13のリフトオフ変化または傾き変化による形状ノイズを要因とするものであるか否かを判定する点が異なる。
第1の実施形態で述べた透磁率変化によるノイズの他にも、被検体表面形状によるECTセンサのリフトオフ変化やECTセンサの傾き変化による形状ノイズがある。この形状ノイズを低減するために、例えば、クロスコイル方式、自己比較方式、相互誘導方式等のノイズ低減効果のある方式が提案されているが、急峻なリフトオフ変化または傾き変化による形状ノイズを完全に消去することはできず、この形状ノイズは開口欠陥と似た信号波形を示すことが多いことから、検査精度の向上を図るためには、検出信号波形が被検体の開口欠陥に起因するものか、或いは、形状ノイズに起因するものかを判別する必要が生じる。
そこで、本実施形態の渦電流探傷装置では、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13による同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が形状ノイズを要因とするものであるか否かを判定するようにしている。
次に、図6のフローチャートを参照して、分析装置21により行われるこの判定方法について詳細に説明する。
まず、通常型プローブ11により通常センサ信号(…Sj…Sk…)を取得する(ステップS121)。ここで、Sjは励磁周波数Fjのときの検出信号で、Skは励磁周波数Fkのときの検出信号である。また、同様に、磁気飽和型プローブ13により磁気飽和型センサ信号(…S’j…S’k…)を取得する(ステップS122)。ここで、S’jは励磁周波数Fjのときの検出信号で、S’kは励磁周波数Fkのときの検出信号である。
次に、通常型プローブ11による通常センサ信号について、開口欠陥の信号波形の特徴を示すか否かを判断する(ステップS123)。ここで「開口欠陥の信号波形の特徴を示す」とは、例えば、第1の実施形態と同じ条件で校正したとき、Sj≒Skで、各周波数の波形の位相角もほぼ等しいことにより判断できる。形状ノイズに起因する信号波形の特徴は、開口欠陥に起因する信号波形の特徴と類似している。ステップS123の判断により、開口欠陥または形状ノイズに起因する可能性の高い信号が抽出されることになる。なお、ステップS123の判断は、磁気飽和型プローブ13による磁気飽和型センサ信号について行っても良い。
ステップS123で開口欠陥の信号波形の特徴を示すときは、次に、同一の周波数で探傷したときの磁気飽和型プローブ13による磁気飽和型センサ信号S’Aの振幅が通常型プローブ11による通常センサ信号SAの振幅の所定数倍を超える大きさであるか否かを判断する(ステップS124)。ここで、「所定数倍」は、概ね2倍程度である。
標準欠陥信号波形が規定振幅となるように検出信号の校正を行ったとき、開口欠陥に起因する場合には、通常型プローブ11による通常センサ信号波形と磁気飽和型プローブ13による磁気飽和型センサ信号波形との間に有意な差はないが、形状ノイズに起因する場合には、通常型プローブ11による通常センサ信号に比べて磁気飽和型プローブ13による磁気飽和型センサ信号の振幅が大きくなるという特徴がある。これは、ノイズ低減効果のある方式では、形状ノイズを打ち消すようなコイル配置に設計されているが、磁石を持つ磁気飽和型プローブ13では磁石無しの通常型プローブ11に比べて渦電流分布が変形することから、形状ノイズを打ち消す効果が低減するためであると考えられる。
したがって、ステップS124で「磁気飽和型センサ信号振幅>>通常センサ信号振幅」であるときは、形状ノイズに起因する信号と判断され(ステップS127)、「磁気飽和型センサ信号振幅>>通常センサ信号振幅」でないときは、開口欠陥に起因する信号の可能性があると判断される(ステップS126)。
また、ステップS123で開口欠陥の信号波形の特徴を示していないときは、開口欠陥または形状ノイズ以外の要因による信号と判断される(ステップS125)。
図7には、開口欠陥(軸方向欠陥、周方向欠陥)および形状ノイズに起因する通常センサ信号および磁気飽和型センサ信号のリサージュ図形を例示する。
同図に示すように、通常センサ信号および磁気飽和型センサ信号のそれぞれについて、内在欠陥(軸方向欠陥、周方向欠陥)および形状ノイズの何れに起因する場合も、類似した信号波形の特徴を示している。また、低周波および高周波のそれぞれについて、開口欠陥(軸方向欠陥、周方向欠陥)に起因する場合には「磁気飽和型センサ信号振幅≒通常センサ信号振幅」であり、形状ノイズの何れに起因する場合には「磁気飽和型センサ信号振幅>>通常センサ信号振幅」である。したがって、図7からも開口欠陥の信号波形の特徴を示すか否か、並びに、「磁気飽和型センサ信号振幅>>通常センサ信号振幅」であるか否かの2段階の判断により、信号波形が形状ノイズを要因とするものであるか否かを判定可能であると、容易に理解できる。
以上説明したように、本実施形態の渦電流探傷装置および渦電流探傷方法では、通常型プローブ(渦電流探傷プローブ)11と、磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型プローブ(磁気飽和型渦電流探傷プローブ)13とを具備し、分析装置(分析手段)21により、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13による同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、該信号波形が通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13のリフトオフ変化または傾き変化による形状ノイズに起因するものかを判別する。
また、本実施形態の渦電流探傷装置および渦電流探傷方法では、分析装置(分析手段)21により、通常型プローブ11または磁気飽和型プローブ13による信号波形が開口欠陥の特徴を示し、且つ、磁気飽和型プローブ13による信号振幅が通常型プローブ11による信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13のリフトオフ変化または傾き変化による形状ノイズを要因とするものであると判定する。
これにより、検出信号の波形特徴が類似している開口欠陥および形状ノイズについて、検出信号波形が被検体の開口欠陥(傷)に起因するものか、或いは、形状ノイズに起因するものかを判別することができ、検査精度の向上を図ることができる。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る渦電流探傷装置について説明する。本実施形態の渦電流探傷装置の構成は第1の実施形態(図1)と同等であり、各構成要素の詳しい説明を省略する。
ただし、分析装置21については、傷の深さが既知の標準試料を通常型プローブ及び磁気飽和型プローブにより実測して得る見本探傷信号を入力し、波形特徴を数値化した特徴量を生成する特徴量生成手段と、標準試料の傷の深さを表す量として既知の正解データを供給する正解データ供給手段と、前記特徴量および正解データを入力し、特徴量を利用して正解データとの誤差が十分小さい値を出力するためのパラメータである評価パラメータを、学習により生成する学習手段と、測定対象の被検体を前記通常型プローブ及び前記磁気飽和型プローブにより探傷して得る実測探傷信号により、見本探傷信号と同様の特徴量を生成する特徴量生成手段と、実測探傷信号に基づく特徴量と該特徴量に対応する前記評価パラメータとに基づき、傷の深さ推定値を生成する評価結果生成手段とを具備する構成である点が異なる。
第1の実施形態の分析装置21では、位相角θを計測し、この位相角θを、予め用意しておいた探傷信号の位相と傷の深さとの関係を示す特性曲線にマッピングすることにより傷の深さを推定したが、両者の関係は必ずしも正確に対応していないこともあり、当該探傷の精度が実用上十分でない場合がある。傷の深さが同じでも傷の形(例えば、長さ、幅等)や、傷とコイルの相対的な位置関係等の各種要因により位相角θが異なるからである。特に、探傷信号の位相の変化の割合に対して傷の深さの変化の割合が小さい内面傷(伝熱管の内周面側の傷)の場合の検査精度が問題となる場合が多い。
そこで、本実施形態の渦電流探傷装置では、本発明者等がすでに提案した特開2002−22708号公報の「渦電流探傷信号の評価方法およびその装置」を本発明に適用して、渦電流探傷により検出する傷の深さの評価精度を向上させる。
図8および図9は、本実施形態の渦電流探傷装置の分析装置21における渦電流探傷信号の分析評価方法を説明するフローチャートである。
まず、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13のそれぞれについて、図9のステップS1からステップS3までの処理により生成したそれぞれの特徴量を結合し、結合した特徴量を用いてステップS4までの処理により評価用パラメータを予め生成しておく。
すなわち、傷の深さが既知の被測定部材である標準試料を実測して得る見本探傷信号を入力し(ステップS1)、所定のフィルタリング処理(ステップS2)をした後、波形特徴を数値化した特徴量を生成する(ステップS3)。通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13のそれぞれにより探傷した信号から得られた特徴量を結合して学習用の特徴量を生成する。ここで、特徴量は数値列であるから、特徴量を結合するとは数値列をつなげることをいう。その後、標準試料の傷の深さを表す量として既知の正解データ(ステップS1)を参照して、該正解データとの誤差が十分小さい値を出力するためのパラメータである評価パラメータを、結合した特徴量を利用して学習により生成する(ステップS4)。この結果、評価パラメータAを生成する。また、ステップS1からステップS4までの処理を繰り返して他の波形特徴を用いた評価パラメータBも生成する。なお、評価パラメータA、Bは傷の種類毎に生成する。
次に、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13のそれぞれについて、評価パラメータA、Bに基づく実測探傷信号の特徴量の生成を図9のステップS5からステップS8により行い、それぞれの特徴量を結合して評価用特徴量を生成し、ステップ9からステップS11までの処理により評価を行う。
すなわち、実測探傷信号を入力し(ステップS5)、所定のフィルタリング処理(ステップS6)をした後、傷の種類を分類する(ステップS7)と共に、この分類毎に見本探傷信号と同様の特徴量を生成する(ステップS8)。さらに実測探傷信号に基づく特徴量とこの特徴量にそれぞれ対応する評価パラメータAとに基づき、傷の深さを表すデータを生成する(ステップS9、S10)。上述の如き処理を評価パラメータBについても行う。上述の処理により得る傷の深さを表す各データを比較して検証し(ステップS11)、各データが表す傷の深さが所定の範囲に納まっているとき、この傷の深さを推定値として採用する(ステップS12)。
この評価パラメータに基づく実測探傷信号の分析評価を、図8を参照して説明すれば、次のようになる。まず、通常型プローブ11により通常センサ信号(…Sj…Sk…)を取得し(ステップS131)、また同様に、磁気飽和型プローブ13により磁気飽和型センサ信号(…S’j…S’k…)を取得する(ステップS132)。
次に、第1の実施形態または第2の実施形態で示した信号波形の要因を特定する処理により欠陥が抽出されたときには(ステップS133)、該欠陥の位置および範囲に対応した評価パラメータに基づき、図9のステップS6からステップS9までの手順で信号波形に基づく特徴量を計算する(ステップS134,S135)。なお、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13のそれぞれのセンサ信号に基づく特徴量を計算した後にこれらを結合した特徴量を算出することになるが、それぞれの特徴量は数値列であるので、数値列を規定の順序でつなげればよい。
さらに、図9のステップS10からステップS11までの手順と同様の手順でサイジング(ステップS136)を行い、分析結果を得る。
以上説明したように、本実施形態の渦電流探傷装置では、通常型プローブ及び磁気飽和型プローブにより探傷した信号を用いて、予め、傷の深さが既知の被測定部材である標準試料を実測して得る見本探傷信号に基づき評価に有効な特徴を数値化した特徴量を統計的に処理した評価用パラメータを生成し、該評価用パラメータに基づく実測探傷信号の分析評価を行うので、通常型プローブのみの探傷信号の大きさおよび位相角のみに基づいて判断する場合に比べて、格段に評価精度を向上させることができる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態に係る渦電流探傷装置について説明する。本実施形態の渦電流探傷装置は、第1の実施形態の構成(図1参照)に位置検出センサを付加した構成であり、位置検出センサ以外の各構成要素の詳しい説明を省略する。
第1の実施形態〜第3の実施形態では、位置情報を駆動装置15のエンコーダによる位置信号で得ていたのに対し、本実施形態では、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13に、異材境界位置検出用の位置検出センサ(例えば、標準比較方式のパンケーキコイル等)を併置して、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13の検出信号における異材境界位置を正確に検出するものである。なお、本実施形態の渦電流探傷装置の適用は、第1の実施形態と同様に、原子力発電プラントにおける容器40と配管50のつなぎ目を含む部位の保守検査(図2参照)を想定しており、異材境界位置はアロイバタリングとSUSオーバレイの境界、および、アロイ溶接部とSUS母材部の境界である。
図10は、本実施形態の渦電流探傷装置の分析装置21における渦電流探傷信号の分析評価方法を説明するフローチャートである。本実施形態においても、原則的に第3の実施形態と同様の分析評価を行う。
すなわち、通常型プローブ11により通常センサ信号(…Sj…Sk…)を取得し(ステップS141)、また同様に、磁気飽和型プローブ13により磁気飽和型センサ信号(…S’j…S’k…)を取得し(ステップS142)、位置検出センサにより溶接境界検出用センサ信号(…S”A…)を取得する(ステップS143)。
次に、評価対象信号の位置および範囲に対応した判定基準に基づき第1の実施形態または第2の実施形態で示した信号波形の要因を特定する処理により欠陥が抽出されたときには(ステップS145)、該欠陥の位置および範囲に対応した評価パラメータに基づき、信号波形に基づく特徴量を計算し、サイジング(ステップS146)を行い、分析結果を得る。
異材境界位置近傍は、例えば図2の例では、炭素鋼41の内側表面にSUSオーバレイ42がある部位、アロイ溶接部(アロイ溶金53およびアロイバタリング52)、SUS母材部51などの領域があり、それぞれの部位に応じて欠陥(傷)の評価基準が異なる。つまり、予めそれぞれの部位に応じた欠陥判定基準およびサイジング用の評価パラメータを生成しておく必要がある。
位置検出センサの溶接境界検出用センサ信号により、評価対象信号がどの部位にあるかを正確に判定し(ステップS144)、判定した結果に基づき各部位に応じた欠陥(傷)の評価基準を用いて、欠陥抽出(ステップS145)およびサイジング(ステップS146)の処理を行う。
以上説明したように、本実施形態の渦電流探傷装置では、評価対象信号がどの部位にあるかを検出する位置検出センサを更に備え、分析装置(分析手段)21は、位置検出センサの位置情報に基づき、通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13による信号波形に基づく欠陥抽出およびサイジングを行う。
これにより、異材境界位置に通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13が位置するか否かを正確に判別でき、判別した異材境界位置を基準として通常型プローブ11または磁気飽和型プローブ13で検出した信号を正確に分類し、より正確な判定・評価を行うことができる。特に、溶接境界が直線でない場合や、スキャニングツールの位置情報(エンコーダの位置信号等)に誤差がある場合でも、検出信号がどの部位のものであるかを正確に把握することができる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態に係る渦電流探傷装置について説明する。本実施形態の渦電流探傷装置の構成は第1の実施形態(図1)と同等であり、各構成要素の詳しい説明を省略する。
ただし、分析装置21については、被検体の磁気飽和型プローブ13の信号値(ゼロ点ずれ)分布に基づき、測定対象の被検体において異なる材質の境界である異材境界の位置を判別し、該異材境界位置に基づき、通常型プローブ11または磁気飽和型プローブ13による信号波形に基づく欠陥抽出およびサイジングを行う点が異なる。つまり、第4の実施形態のように位置検出センサを新たに付加することなく、分析装置21により、磁気飽和型プローブ13の磁気飽和型センサ信号に基づき異材境界位置を判別するようにしたものである。
磁気飽和型プローブ13では、被検体の材質の変動によりゼロ点(例えば、信号値の中央値)がずれるが、このゼロ点ずれの分布を調べることにより、異材境界位置(溶接境界)を正確に判別することが可能である。なお、クロスコイル方式等のセンサ自身にドリフトノイズ低減効果があるセンサ方式の場合には、通常型プローブ11によって異材境界位置(溶接境界)でのゼロ点ずれを判別することは困難である。
図11は、本実施形態の渦電流探傷装置の分析装置21における渦電流探傷信号の分析評価方法を説明するフローチャートである。本実施形態においても、原則的に第3の実施形態と同様の分析評価を行う。
すなわち、通常型プローブ11により通常センサ信号(…Sj…Sk…)を取得し(ステップS151)、また同様に、磁気飽和型プローブ13により磁気飽和型センサ信号(…S’j…S’k…)を取得する(ステップS152)。
次に、評価対象信号の位置および範囲に対応した判定基準に基づき第1の実施形態または第2の実施形態で示した信号波形の要因を特定する処理により欠陥が抽出されたときには(ステップS155)、該欠陥の位置および範囲に対応した評価パラメータに基づき、信号波形に基づく特徴量を計算し、サイジング(ステップS156)を行い、分析結果を得る。
磁気飽和型プローブ13の磁気飽和型センサの探傷信号のうちの1つの周波数の信号S’Bにより、評価対象信号がどの部位にあるかを正確に判定し(ステップS154)、判定した結果に基づき各部位に応じた欠陥(傷)の評価基準を用いて、欠陥抽出(ステップS155)およびサイジング(ステップS156)の処理を行う。
以上説明したように、本実施形態の渦電流探傷装置では、被検体の材質の変動による磁気飽和型プローブ13のゼロ点ずれ分布に基づき、測定対象の被検体において異なる材質の境界である異材境界の位置を判別し、該異材境界位置に基づき、通常型プローブ11または磁気飽和型プローブ13による信号波形に基づく欠陥抽出およびサイジングを行う。
これにより、新たに位置センサを付加することなく、異材境界位置に通常型プローブ11および磁気飽和型プローブ13が位置するか否かを正確に判別でき、判別した異材境界位置を基準として通常型プローブ11または磁気飽和型プローブ13で検出した信号を正確に分類し、より正確な判定・評価を行うことができる。特に、溶接境界が直線でない場合や、スキャニングツールの位置情報(エンコーダの位置信号等)に誤差がある場合でも、検出信号がどの部位のものであるかを正確に把握することができる。さらに、位置検出センサに比べて、余分なノイズを低減する効果があるので、異材境界位置を精度良く検出することができる。
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態に係る渦電流探傷装置について説明する。本実施形態の渦電流探傷装置の構成は第1の実施形態(図1)と同等であり、各構成要素の詳しい説明を省略する。
ただし、分析装置21については、磁気飽和型プローブ13の磁気飽和型センサ信号に前処理フィルタをかけた信号を用いて、被検体の電気抵抗率または透磁率の変動による磁気飽和型プローブ13のゼロ点ずれ分布に基づき、測定対象の被検体において異なる材質の境界である異材境界の位置を判別し、該異材境界位置に基づき、通常型プローブ11または磁気飽和型プローブ13による信号波形に基づく欠陥抽出およびサイジングを行う点が異なる。
第5の実施形態の渦電流探傷装置においては、ゼロ点変動以外の信号が多数発生する場合に、異材境界位置(溶接境界)を精度良く判定するのが難しくなるが、磁気飽和型プローブ13の磁気飽和型センサ信号に前処理フィルタ(平滑化フィルタ)をかけた信号を用いて処理することにより、ゼロ点変動に基づく異材境界位置の判定を容易にすることができる。
前処理フィルタとして、ローパスフィルタ、平均値フィルタまたはメディアンフィルタ等の平滑化フィルタがあるが、高速処理が必要な場合にはローパスフィルタを使用し、また、波形変化を小さくする場合にはメディアンフィルタを使用するなど、用途に応じて選定すれば良い。
図12は、本実施形態の渦電流探傷装置の分析装置21における渦電流探傷信号の分析評価方法を説明するフローチャートである。本実施形態においても、原則的に第3の実施形態と同様の分析評価を行う。
すなわち、通常型プローブ11により通常センサ信号(…Sj…Sk…)を取得し(ステップS161)、また同様に、磁気飽和型プローブ13により磁気飽和型センサ信号(…S’j…S’k…)を取得する(ステップS162)。
次に、評価対象信号の位置および範囲に対応した判定基準に基づき第1の実施形態または第2の実施形態で示した信号波形の要因を特定する処理により欠陥が抽出されたときには(ステップS165)、該欠陥の位置および範囲に対応した評価パラメータに基づき、信号波形に基づく特徴量を計算し、サイジング(ステップS166)を行い、分析結果を得る。
磁気飽和型プローブ13の磁気飽和型センサ信号に平滑化フィルタによる前処理を施し(ステップS163)、該前処理を施した磁気飽和型センサ信号により、評価対象信号がどの部位にあるかを正確に判定し(ステップS164)、判定した結果に基づき各部位に応じた欠陥(傷)の評価基準を用いて、欠陥抽出(ステップS165)およびサイジング(ステップS166)の処理を行う。
以上説明したように、本実施形態の渦電流探傷装置では、磁気飽和型プローブ13の磁気飽和型センサ信号に前処理フィルタ(平滑化フィルタ)をかけた信号を用いて、ゼロ点ずれ分布に基づく異材境界位置判定を行うので、第5の実施形態の効果に加えて、ゼロ点変動以外の信号が多数発生する場合でも、ゼロ点変動に基づく異材境界位置の判定を容易に行うことができる。また、異材境界位置(溶接境界)の検出に最適な探傷周波数を追加することなく、欠陥検出用の探傷周波数の信号を用いて異材境界位置を正確に把握することができる。
〔第7の実施形態〕
次に、本発明の第7の実施形態に係る渦電流探傷装置について説明する。図13は、本実施形態の渦電流探傷装置における磁気飽和型プローブ13の外観図である。同図において、磁気飽和型プローブ13は、1対の磁石60と、1対の磁石60で挟まれ、且つ、該1対の磁石60で挟まれた領域の中央の磁力に対する減衰率が所定許容範囲の位置に並設された複数のセンサ61〜63とを備えた構成である。
従来、磁気飽和型プローブは、センサ1個に対し1対の磁石の組み合わせで構成されており、これをデッドゾーンが無い程度の至近距離に配置するのは困難であった。つまり、内捜型や貫通型以外のプローブで、マルチセンサの磁気飽和型センサを製作することが困難であった。つまり、平板型や曲面型などマルチコイルの配置に端がある場合、近接するコイルに配置した磁石の影響が端部と中央部では一様でなくなるため、マルチコイルのセンサ特性を一様に保つことが困難であった。
また、マルチセンサ型プローブのセンサ近傍に磁石を配置する場合、個々のセンサの位置に対し、相対的に同じ位置関係になるように磁石を配置しなければ、センサ毎の信号特性が不均一になってしまうが、複数のセンサ全体を十分長い板状(または棒状)の一対の磁石60で挟み込んだ配置とすることにより、マルチセンサ型プローブに対しても磁気飽和型プローブを構成できる。なお、板状磁石60は、端近くで磁力低下があるため、中央の磁力に対する減衰率が許容範囲の位置にマルチコイルを配置する。
以上説明したように、本実施形態の渦電流探傷装置によれば、内捜型や貫通型以外のマルチセンサ型プローブについても、磁気飽和型プローブ13を実現でき、該磁気飽和型プローブ13を第1の実施形態〜第6の実施形態に適用することにより、より高速でより高精度に保守検査を行い得る渦電流探傷装置を実現できる。
本発明の第1の実施形態に係る渦電流探傷装置の構成図である。 本発明の第1の実施形態の渦電流探傷装置が適用される容器と配管のつなぎ目を含む配管の説明図である。 本発明の第1の実施形態の渦電流探傷装置の分析装置における判定方法を説明するフローチャートである。 リサージュ図形を例示する説明図である。 内在欠陥(軸方向欠陥、周方向欠陥)および透磁率変化によるノイズに起因する通常センサ信号および磁気飽和型センサ信号のリサージュ図形を例示する説明図である。 本発明の第2の実施形態の渦電流探傷装置の分析装置における判定方法を説明するフローチャートである。 開口欠陥(軸方向欠陥、周方向欠陥)および形状ノイズに起因する通常センサ信号および磁気飽和型センサ信号のリサージュ図形を例示する説明図である。 本発明の第3の実施形態の渦電流探傷装置の分析装置における渦電流探傷信号の分析評価方法を説明するフローチャートである。 本発明の第3の実施形態の渦電流探傷装置の分析装置における渦電流探傷信号の分析評価方法を説明するフローチャートである。 本発明の第4の実施形態の渦電流探傷装置の分析装置における渦電流探傷信号の分析評価方法を説明するフローチャートである。 本発明の第5の実施形態の渦電流探傷装置の分析装置における渦電流探傷信号の分析評価方法を説明するフローチャートである。 本発明の第6の実施形態の渦電流探傷装置の分析装置における渦電流探傷信号の分析評価方法を説明するフローチャートである。 本発明の第7の実施形態の渦電流探傷装置における磁気飽和型プローブの外観図である。 従来の磁気飽和式の渦電流探傷法を説明する説明図である。
符号の説明
11 通常型プローブ
13 磁気飽和型プローブ
15 駆動装置
17 探傷器
19 記憶装置
21 分析装置
40 容器
41 炭素鋼
42 SUSオーバレイ
50 配管
51 SUS母材
52 アロイバタリング
53 アロイ溶金
60 磁石
61〜63 センサ

Claims (9)

  1. 渦電流探傷プローブと、
    磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型渦電流探傷プローブと、
    前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、ノイズに起因するものかを判別する分析手段と
    を備え、
    前記分析手段は、前記渦電流探傷プローブによる信号波形が内在欠陥の特徴を示し、且つ、前記渦電流探傷プローブによる信号振幅が前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、透磁率変化によるノイズを要因とするものであると判定する渦電流探傷装置。
  2. 渦電流探傷プローブと、
    磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型渦電流探傷プローブと、
    前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、ノイズに起因するものかを判別する分析手段と
    を備え、
    前記分析手段は、前記渦電流探傷プローブによる信号波形が開口欠陥の特徴を示し、且つ、前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号振幅が前記渦電流探傷プローブによる信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブのリフトオフ変化または傾き変化による形状ノイズを要因とするものであると判定する渦電流探傷装置。
  3. 前記磁気飽和型渦電流探傷プローブの磁石は、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブを備える可動体が走査可能な範囲の磁力を持つか、或いは、走査可能な範囲のリフトオフで設置される請求項1または請求項2に記載の渦電流探傷装置。
  4. 前記分析手段は、
    傷の深さが既知の標準試料を前記渦電流探傷プローブ及び前記磁気飽和型渦電流探傷プローブにより実測して得る見本探傷信号を入力し、波形特徴を数値化した特徴量を生成する特徴量生成手段と、
    前記標準試料の傷の深さを表す量として既知の正解データを供給する正解データ供給手段と、
    前記特徴量および正解データを入力し、前記特徴量を利用して前記正解データとの誤差が十分小さい値を出力するためのパラメータである評価パラメータを、学習により生成する学習手段と、
    測定対象の被検体を前記渦電流探傷プローブ及び前記磁気飽和型渦電流探傷プローブにより探傷して得る実測探傷信号により、見本探傷信号と同様の特徴量を生成する特徴量生成手段と、
    前記実測探傷信号に基づく特徴量と該特徴量に対応する前記評価パラメータとに基づき、傷の深さ推定値を生成する評価結果生成手段と
    を具備する請求項1から請求項のいずれかに記載の渦電流探傷装置。
  5. 被検体が2種類以上の材質の領域を含む渦電流探傷において、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブに加えて、被検体において異なる材質の境界である異材境界位置を検出するための位置検出センサを更に備え、
    前記分析手段は、前記位置検出センサの位置情報に基づき、前記渦電流探傷プローブまたは前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号波形に基づく欠陥抽出およびサイジングを行う請求項1から請求項のいずれかに記載の渦電流探傷装置。
  6. 前記分析手段は、被検体の前記磁気飽和型渦電流探傷プローブの信号値分布に基づき、測定対象の被検体において異なる材質の境界である異材境界の位置を判別し、該異材境界位置に基づき、前記渦電流探傷プローブまたは前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号波形に基づく欠陥抽出およびサイジングを行う請求項1から請求項のいずれかに記載の渦電流探傷装置。
  7. 前記磁気飽和型渦電流探傷プローブは、1対の磁石と、前記1対の磁石で挟まれ、且つ、該1対の磁石で挟まれた領域の中央の磁力に対する減衰率が所定許容範囲の位置に並設された複数のセンサとを具備する請求項1から請求項のいずれかに記載の渦電流探傷装置。
  8. 渦電流探傷プローブと、磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型渦電流探傷プローブとを具備した渦電流探傷装置の渦電流探傷方法であって、
    前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、ノイズに起因するものかを判別する分析工程を含み、
    前記分析工程は、前記渦電流探傷プローブによる信号波形が内在欠陥の特徴を示し、且つ、前記渦電流探傷プローブによる信号振幅が前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、透磁率変化によるノイズを要因とするものであると判定する渦電流探傷方法。
  9. 渦電流探傷プローブと、磁石を備えて透磁率変化によるノイズを低減する磁気飽和型渦電流探傷プローブとを具備した渦電流探傷装置の渦電流探傷方法であって、
    前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる同一箇所の走査で得られる信号波形を比較分析して、該信号波形が測定対象の被検体の傷に起因するものか、或いは、ノイズに起因するものかを判別する分析工程を含み、
    前記分析工程は、前記渦電流探傷プローブによる信号波形が開口欠陥の特徴を示し、且つ、前記磁気飽和型渦電流探傷プローブによる信号振幅が前記渦電流探傷プローブによる信号振幅の所定数倍を超える大きさであるときに、前記渦電流探傷プローブおよび前記磁気飽和型渦電流探傷プローブのリフトオフ変化または傾き変化による形状ノイズを要因とするものであると判定する渦電流探傷方法。
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