以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の概略制御ブロック図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合を考える。
本実施形態の回胴式遊技機の正面には、図1に示すように、リール11a,11b,11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、ベットボタン15a,15b,15cと、入賞ライン16a,16b,16c,16d,16eと、有効ライン表示部17と、スタートレバー18と、停止ボタン19a,19b,19cと、払出数表示部21と、メダル放出口22と、メダル受皿23と、画像表示部24と、電飾表示部25と、音声発生手段であるスピーカ26とが配設されている。
また、かかる回胴式遊技機は、上記の各構成要素に加えて、図2に示すように、投入メダル検出センサ51と、ベットボタン操作検出センサ52a,52b,52cと、スタートレバー操作検出センサ53と、停止ボタン操作検出センサ54a,54b,54cと、リール駆動手段61a,61b,61cと、音声処理LSI(音声処理制御手段)71と、サウンドROM(サウンド要素記憶手段)72と、アンプユニット73と、主制御基板(遊技制御手段)80と、周辺基板90とを備える。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、三つのリール11a,11b,11cが配設されている。各リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有する回胴であり、回転可能に構成されている。三つのリール11a,11b,11cはそれぞれ、リール駆動手段61a,61b,61cにより駆動される。ここで、リール駆動手段61a,61b,61cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これらリール駆動手段61a,61b,61cの制御は、主制御基板80により行われる。
各リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄、青色の数字「7」図柄、リプレイ図柄、METEOR図柄、なすび図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個配されている。また、リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12はリール11a,11b,11cに対応する位置に設けられた透明な窓部である。遊技者は、リール11a,11b,11cの停止時において表示窓12からそれぞれのリール11a,11b,11cに付された三つの図柄を目視することができる。
メダル投入口13は、遊技者がメダルを投入するための投入口である。投入メダル検出センサ51はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ51からの検出信号は主制御基板80に送られる。
クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数を所定の範囲内で表示するものである。例えば、最大50枚までクレジット数を表示することができる。メダル投入口13からメダルを投入すると、主制御基板80は、投入メダル検出センサ51からの信号に基づいて、現在のクレジット数からその投入したメダルの数だけ増加させた数をクレジット数表示部14に表示させる。また、主制御基板80は、ゲーム(遊技)において所定の役が成立すると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
ベットボタン15a,15b,15cは、表示窓12の左下側に設けられている。ベットボタン15aは、メダルを一枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンであり、ベットボタン15bは、メダルを二枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンであり、ベットボタン15cは、メダルを三枚賭けてゲームを行うことを選択するボタンである。ベットボタン操作検出センサ52a,52b,52cはそれぞれ、ベットボタン15a,15b,15cが押されたことを検出するものである。各ベットボタン操作検出センサ52a,52b,52cからの検出信号は、主制御基板80に送られる。これにより、主制御基板80は、メダルを何枚賭けてゲームを行うのかを認識することができる。
表示窓12には、五つの入賞ライン16a,16b,16c,16d,16eが描かれている。このうち、三つの入賞ライン16a,16b,16cは、互いに平行であって横方向に延びている。また、入賞ライン16dは左上から右下に向かって延び、入賞ライン16eは左下から右上に向かって延びている。そして、入賞ライン16d,16eは表示窓12の中央で交差している。三つのリール11a,11b,11cが停止した場合、これらの入賞ライン16a,16b,16c,16d,16eのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄が揃い、所定の役が成立すると、当該ゲームが入賞となり、所定数のメダルが払い出される。
表示窓12の左側には、有効ライン表示部17が設けられている。かかる有効ライン表示部17は、当該ゲームにおいて入賞ライン上に所定の図柄が揃ったときに入賞となる有効な入賞ラインの数を遊技者に知らせるためのものである。具体的には、ベットボタン15aが押されると、主制御基板80は、有効ライン表示部17の「1MEDAL」を点灯させる。この場合には、表示窓12の中央において横方向に延びている入賞ライン16aだけが有効な入賞ラインとなる。ベットボタン15bが押されると、主制御基板80は、有効ライン表示部17の「2MEDALS」を点灯させる。この場合には、三つの入賞ライン16a,16b,16cが有効な入賞ラインとなる。そして、ベットボタン15cが押されると、主制御基板80は、有効ライン表示部17の「3MEDALS」を点灯させる。この場合には、五つの入賞ライン16a,16b,16c,16d,16eがすべて有効な入賞ラインとなる。
スタートレバー18は、ゲームを開始するための操作スイッチである。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより三つのリール11a,11b,11cがすべて停止し、外れの場合には、そこで終了し、入賞となった場合には、その入賞に対応する所定数のメダルの払い出しが終わった時点で終了する。スタートレバー操作検出センサ53は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ53からの検出信号は主制御基板80に送られる。主制御基板80は、ベットボタン操作検出センサ52a,52b,52cのいずれかからの信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ53からの信号を受けると、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板80は、役の抽選処理を行うと共に、三つのリール11a,11b,11cの回転動作を開始する。
停止ボタン19a,19b,19cはそれぞれ、リール11a,11b,11cの回転動作を停止させるためのものである。停止ボタン操作検出センサ54a,54b,54cはそれぞれ、停止ボタン19a,19b,19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ54a,54b,54cからの検出信号は、主制御基板80に送られる。これにより、主制御基板80は、遊技者によってどの停止ボタンが押されたのかを認識することができる。そして、主制御基板80は、停止ボタン操作検出センサ54a,54b,54cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応するリールの回転動作を停止する。
このように、遊技者がスタートレバー18を操作し、三つのリール11a,11b,11cが回転動作を開始した後、遊技者が停止ボタン19a,19b,19cを押すことにより、リール11a,11b,11cが停止する。このとき、それらのリール11a,11b,11cに付されている図柄が有効な入賞ライン上において特定の組合せとなると、役が成立することになる。
役の種類には、大きく分けて、大役(ボーナス)と小役とがある。大役には、例えば、赤色及び青色の数字「7」の図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるビッグボーナス(BB)と、METEOR図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役であるレギュラーボーナス(RB)とがある。大役が作動すると、回胴式遊技機は、遊技者に有利な遊技状態に移行する。例えば、BBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームに突入する。また、RBが成立した場合には、メダルが15枚払い出されるとともに、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRBゲームに突入する。一方、小役は、例えば、なすび図柄やベル図柄が有効な入賞ライン上に揃った場合の役である。この小役が成立したときには、所定枚数のメダルが払出される。
払出数表示部21は、成立した役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部21の制御は主制御基板80により行われる。メダル放出口22からは、クレジット数が50枚を超えた場合におけるその超過分のメダルが放出され、図示しない清算ボタンを操作した場合にあってはそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿23は、メダル放出口22から放出されるメダルを蓄積するための皿である。
画像表示部24は、表示窓12の右側に設けられている。画像表示部24としては、例えば液晶表示装置が用いられる。画像表示部24は、複数の数字や図形等の画像を変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の演出を行う。この画像表示部24の制御は、主制御基板80からのコマンドに基づき周辺基板90により行われる。
電飾表示部25は、回胴式遊技機の上部に設けられている。この電飾表示部25は、多数のランプやLED等からなり、各種の遊技状態を報知したり、遊技の演出を行ったりする。この電飾表示部25の制御は、主制御基板80からのコマンドに基づいて周辺基板90により行われる。
サウンドROM72には、音声要素を構成するサウンド要素データが複数格納されている。サウンド要素データは、遊技の演出に用いられるバックミュージック、効果音、言葉等の音声を所定の方式でコード化したデータである。音声処理LSI71は、サウンド要素データを送出するための複数のチャンネルを有するものであって、サウンドROM72に記憶されているサウンド要素データを所定のチャンネルを通じてスピーカ26へ送出して音声を再生出力させるものである。音声処理LSI71から送出された音信号はアンプユニット73で増幅された後、スピーカ26へ出力される。かかるスピーカ26は、各種のサウンドを出力することにより遊技の演出を行う。
主制御基板80と周辺基板90は、回胴式遊技機の内部に取り付けられている。周辺基板90は、主制御基板80と通信ケーブル線を介して接続されている。主制御基板80及び周辺基板90にはそれぞれ、ROM、RAM、CPU等が組み込まれている。
主制御基板80は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。また、主制御基板80は、役の抽選処理を行う。具体的に、この役の抽選処理は次のようにして行われる。主制御基板80のROMには役と乱数値との対応関係を示した抽選テーブルが格納されている。主制御基板80は、スタートレバー操作検出センサ53からの信号を受けると、乱数抽選を行い、乱数値を取得する。そして、その取得した乱数値が、抽選テーブルにおいていずれの役に該当するかを調べることにより、役の不当選、各種の役の当選のいずれであるかを決定する。主制御基板80は、抽選結果に応じて所定のコマンドを周辺基板90に送る。
また、主制御基板80は、遊技状態の管理を行っている。本実施形態の回胴式遊技機では、例えば、遊技機の遊技状態として、「BB未作動時の一般遊技状態」、「BB作動時の一般遊技状態」、「RB作動中状態」等の各種の遊技状態が設定されている。BB未作動時の一般遊技状態とは、通常の遊技状態のことである。BB作動時の一般遊技状態は、遊技者が最も多量のメダルを獲得可能なBBゲームを実行する遊技状態であり、RB作動中状態は、BBゲームに次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能なRBゲームを実行する遊技状態である。主制御基板80は、役の抽選処理の結果に基づいて遊技状態の移行を制御する。
更に、主制御基板80は、リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。この主制御基板80のリール制御には、リールの駆動開始制御、リールの駆動停止制御の他、例えば、役に当選した場合に行われるリール引込み制御、役に当選しなかった場合に行われる外れ制御等がある。
リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたタイミングから所定のコマ数(例えば、4コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を有効な入賞ライン上に引き込むようにリールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役は成立しないことになる。
外れ制御とは、有効な入賞ラインにはいずれの役も成立しないように、リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が特定の役を狙って停止ボタンを押したとしても、どのような役も成立せず、ゲームの結果は外れとなる。
また、主制御基板80は、周辺基板90へコマンドを送信する処理を行っている。主制御基板80から周辺基板90に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、役の抽選処理の結果に基づいて作成される遊技の演出に関するコマンド(演出コマンド)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成されるコマンド(操作コマンド)等がある。また、主制御基板80は、遊技状態がBB作動時の一般遊技状態又はRB作動中状態等の特別の状態から別の遊技状態に移行した場合には、当該特別の遊技状態が終了した旨のコマンドを作成して、周辺基板90に送信する。
周辺基板90は、主に遊技の演出に関わる機能を実現する。すなわち、周辺基板90は、画像表示部24、電飾表示部25、音声処理LSI71を制御する。周辺基板90は、主制御基板80からのコマンドを受けて、所定の処理を実行する。
具体的には、周辺基板90は、主制御基板80から演出コマンドを受けたとき、そのコマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定し、画像表示部24、電飾表示部25及び音声処理LSI71にそれぞれ、画像演出用パターンデータ、電飾演出用パターンデータ、サウンド再生制御データを送る。これにより、画像表示部24は、その画像演出用パターンデータに基づいて画像を表示し、電飾表示部25は、その電飾演出用パターンデータに基づいてランプやLEDの点灯を行う。そして、音声処理LSI71は、サウンド再生制御データに基づいて所定のサウンド要素データの再生処理を行う。
次に、音声処理LSI71について詳しく説明する。本実施形態では、この音声処理LSI71として、例えばヤマハ株式会社製の「YMZ770B」を使用する場合を例にして説明する。この音声処理LSI71は、AMM(amusement music compression)データデコーダによるシーケンサー内蔵の自動演奏LSIである。また、音声処理LSI71は、第0チャンネルから第7チャンネルまでの合計8つのチャンネルを備えており、最大8つのフレーズを同時に再生することができる。ここで、この音声処理LSI71の構造上、偶数番目のチャンネルはモノラルとステレオのサウンドを再生するために用いられ、奇数番目のチャンネルはモノラルのサウンドを再生するために用いられる。そして、ステレオのサウンドを再生する場合には、偶数番目のチャンネルとその偶数よりも1だけ大きい奇数番目のチャンネルとを使用する。したがって、例えば、第0チャンネルを使用してステレオのサウンドを再生しているときには、他のサウンドの再生のために第1チャンネルを使用することはできない。また、第2、第4及び第6の各チャンネルを使用してそれぞれステレオのサウンドを再生しているときには、他のサウンドの再生のために、第3、第5及び第7の各チャンネルを使用することはできない。
この音声処理LSI71の制御モードには、シンプルアクセスモードと、ノーマルモードとがある。本実施形態では、周辺基板90は、音声処理LSI71をノーマルモードで制御することにしている。ノーマルモードは、周辺基板90から送られたサウンド再生制御データが音声処理LSI71の所定のチャンネル制御レジスタに書き込まれたときに、音声処理LSI71が、そのサウンド再生制御データに基づいて所定のサウンド要素データをサウンドROM72から読み出すモードである。音声処理LSI71をノーマルモードで制御する場合、サウンドROM72には、複数のAMM形式のサウンド要素データをフレーズ番号に関連付けて格納しておけばよく、サウンド再生制御データを格納する必要はない。ここで、フレーズ番号とは、各サウンド要素データを識別するために、各サウンド要素データに付与された管理番号のことである。
尚、シンプルアクセスモードは、音声処理LSI71が、周辺基板90から送られたフレーズ番号に基づいて自動的にサウンド要素データ及びそれに対するサウンド再生制御データをサウンドROMから自動的に読み出すモードである。この場合には、サウンドROMに、サウンド要素データとサウンド再生制御データとを格納しておく必要がある。
図3は音声処理LSI71のインターフェイス構成を説明するための概略図である。図3に示すように、音声処理LSI71の周辺基板用インターフェイスとしては、SEL端子、AD端子、CS端子、WR端子、CD0−CD7端子がある。SEL端子は、シンプルアクセスモード、ノーマルモードを選択するためのモード選択端子である。本実施形態では、SEL端子には、ノーマルモードを選択する信号が入力する。AD端子は、レジスタにアドレスを書き込む状態であるか、データを書き込む状態であるかを設定するためのアドレス・データ選択端子である。CS端子はチップセレクト信号の入力端子である。WR端子は、ライトイネーブル信号の入力端子である。そして、CD0−CD7の各端子は、データの入力端子である。周辺基板90が、音声処理LSI71のこれらの端子に所定の信号を送ることにより、音声処理LSI71の所定のチャンネル制御レジスタにサウンド再生制御データが書き込まれる。また、音声処理LSI71のサウンドROM用インターフェイスとしては、アドレスを出力するためのA00−A23端子と、データを読み込むためのD00−D15端子がある。更に、アンプユニット用インターフェイスとしては、PCM(pulse code modulation)データにデコードされた音信号を出力するOUT1,OUT2端子がある。
周辺基板90が音声処理LSI71の所定のチャンネル制御レジスタにサウンド再生制御データを書き込むと、音声処理LSI71は、サウンド要素データの再生を開始又は停止する。具体的には、音声処理LSI71は、まず、そのサウンド再生制御データに含まれるフレーズ番号に基づいてサウンドROM72から所定のサウンド要素データを読み出す。そして、そのAMM形式のサウンド要素データをPCM形式のデータにデコードし、ボリューム回路、パンポット(定位)回路及びバスブースト回路を経て、音信号として出力する。音声処理LSI71から出力された音信号は、アンプユニット73を介してスピーカ26に送られる。
尚、音声処理LSI71としては、アンプ内蔵のLSI(例えば、ヤマハ株式会社製の「YMZ770C」)を用いてもよい。この場合には、音声処理LSI71からの音信号を直接、スピーカ26に出力することになる。
次に、本実施形態の回胴式遊技機における周辺基板90の構成について詳しく説明する。図4は周辺基板90の概略制御ブロック図である。ここで、図4では、周辺基板90が行う制御系のうち、遊技の演出に関するものだけを示している。
周辺基板90は、図4に示すように、演出制御手段91と、チャンネル管理手段92と、ROM93と、RAM94とを有する。ROM93には、遊技の演出に関する各種のプログラムが格納されている。RAM94は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。演出制御手段91は、ROM93に格納されたプログラムを実行することにより、遊技の演出を制御する。
ROM93には、プログラムの他に、各種のデータが格納されている。ROM93のデータ格納領域としては、図4に示すように、画像演出用パターンデータ格納領域93a、電飾演出用パターンデータ格納領域93b、音声演出用パターンデータ格納領域93c、サウンド特性データ格納領域(サウンド再生条件記憶手段)93d等がある。画像演出用パターンデータ格納領域93aには、画像演出の内容を示す複数の画像演出用パターンデータが格納されており、電飾演出用パターンデータ格納領域93bには、ランプやLEDの点灯制御の内容を示す複数の電飾演出用パターンデータが格納されている。
また、音声演出用パターンデータ格納領域93cには、音声による演出内容を示す複数の音声演出用パターンデータが格納されている。かかる複数の音声演出用パターンデータは、実際には、音声演出用パターンデータテーブルとしてテーブル形式で構成されている。図5は音声演出用パターンデータテーブルを説明するための図である。音声演出用パターンデータテーブルには、図5に示すように、インデックス番号毎に音声演出用パターンデータが記述されている。インデックス番号は、各音声演出用パターンデータに付与された管理番号である。各音声演出用パターンデータには、当該音声演出で用いられるサウンド要素データを特定するための一又は複数のサウンド情報が含まれる。このサウンド情報は、遅延時間、フレーズ番号、再生開始/停止等についての情報を有する。フレーズ番号により、演出対象となるサウンド要素データが特定される。遅延時間についての情報は、当該サウンド要素データに対して再生の開始又は停止処理をいつ行うかを特定するものである。例えば、遅延時間がゼロである場合には、当該サウンド要素データに対して直ちに再生の開始又は停止処理が行われる。一方、遅延時間がゼロでない場合には、当該遅延時間が経過したときに、当該サウンド要素データに対して再生の開始又は停止処理が行われる。また、再生開始/停止についての情報は、当該サウンド要素データについて再生を開始するのか、停止するのかを示すものである。したがって、演出制御手段91は、インデックス番号に基づいて、そのインデックス番号に対応する音声演出用パターンデータをROM93から読み出すことにより、当該音声演出の内容、すなわち、何時、どのような音を鳴らすのか、あるいは消すのかを認識することができる。
図5の例では、インデックス番号「001」に対応する音声演出用パターンデータには、複数のサウンド情報が含まれる。そのうち、一つのサウンド情報は、フレーズ番号「201」のサウンド要素データを直ちに再生するという内容のものであり、他の一つのサウンド情報は、フレーズ番号「50」のサウンド要素データを2000ms経過後に再生するという内容のものである。また、インデックス番号「002」に対応する音声演出用パターンデータには、一つのサウンド情報が含まれる。そのサウンド情報は、フレーズ番号「202」に対応するサウンド要素データを直ちに再生するという内容のデータである。
また、ROM93のサウンド特性データ格納領域93dには、複数のサウンド特性データが格納されている。かかる複数のサウンド特性データは、実際には、サウンド特性データテーブルとしてテーブル形式で構成されている。図6はサウンド特性データテーブルを説明するための図である。サウンド特性データテーブルには、図6に示すように、複数のサウンド特性データが記述されている。サウンド特性データは、サウンド要素データの特性を示すものであり、サウンド再生条件データと、チャンネル管理用データとからなる。ここで、一つのサウンド要素データに対しては、一つのサウンド特性データが作られている。すなわち、サウンド要素データとサウンド特性データとは一対一に対応している。
サウンド再生条件データは、当該サウンド要素データの再生条件を示すものであり、フレーズ番号、ボリューム、パンポット、再生開始/停止、再生方法等についての情報を含んでいる。フレーズ番号についての情報は、当該サウンド特性データに対するサウンド要素データを特定するものである。ボリュームについての情報は、当該サウンド要素データを再生する際の音量を指定するものであり、パンポットについての情報は、当該サウンド要素データを再生する際のパンポットを指定するものである。再生開始/停止についての情報は、当該サウンド要素データについて再生を開始するのか、停止するのかを示すものである。再生方法についての情報は、当該サウンド要素データを一回だけ再生するのか、繰り返し再生するのか等を示すものである。例えば、遊技状態がBB作動時の一般遊技状態やRB作動中状態等の特別の状態にある場合は、その間、あるサウンド要素データを繰り返し再生することにより、音声による遊技の演出が行われる。また、また、複数のゲームにわたってあるサウンド要素データを繰り返し再生することにより、音声による遊技の演出が行われることもある。このような繰り返し再生するサウンド要素データに対応するサウンド再生条件データにおいては、再生方法についての情報として、繰り返し再生が指定される。尚、サウンド再生条件データには、当該サウンド要素データの再生に使用する音声処理LSI71のチャンネルを定めた再生チャンネル情報は含まれていない。実際、サウンド再生条件データに再生チャンネル情報を加えたものがサウンド再生制御データである。
また、チャンネル管理用データには、モノラル/ステレオ、再生時間等についての情報が含まれる。モノラル/ステレオについての情報は、当該サウンド要素データがモノラルであるかステレオであるかを示すものである。再生時間についての情報は、当該サウンド要素データを再生するのに要する時間を示すものである。このチャンネル管理用データは、後述するように、主として、チャンネル管理手段92が音声処理LSI71の各チャンネルについての使用状況を管理するために使用される。
図6の例では、フレーズ番号「0」に対応するサウンド要素データについてのサウンド特性データは、再生時の音量とパンポットにそれぞれデフォルト設定を使用し、当該サウンド要素データを即時に一回だけ再生するという内容と、当該サウンド要素データがモノラルであり、その再生時間が2msであるという内容とを含んでいる。ここで、再生方法の欄には「単発音」と記されているが、これは一回だけ再生と同じ意味である。また、フレーズ番号「1」に対応するサウンド要素データについてのサウンド特性データは、再生時の音量とパンポットにそれぞれデフォルト設定を使用し、当該サウンド要素データを即時に繰り返して再生するという内容と、当該サウンド要素データがステレオであり、その再生時間が3000msであるという内容とを含んでいる。
本実施形態では、図4に示すように、RAM94の一部の領域を、サウンドコマンドバッファメモリ94a及びチャンネル情報バッファメモリ(チャンネル情報記憶手段)94bとして使用している。演出制御手段91は、主制御基板80から演出コマンドが送られたときに、そのコマンドに基づいて遊技の演出内容を決定する。このとき、特に、音声の演出内容としては、インデックス番号を決定する。サウンドコマンドバッファメモリ94aは、この決定したインデックス番号をサウンドコマンドとして記憶するためのものである。ここで、サウンドコマンドバッファメモリ94aは、複数の記憶エリアに分けられており、それぞれの記憶エリアに一つのインデックス番号が記憶される。演出制御手段91は、処理対象となる記憶エリアをポインタで指し示しており、そのポインタで指し示された記憶エリアに記憶されているインデックス番号に基づいて音声の演出処理であるサウンド処理を行う。
また、チャンネル情報バッファメモリ94bには、音声処理LSI71の各チャンネルについてその使用状況を示すチャンネル情報が記憶される。このチャンネル情報には、フレーズ番号、モノラル/ステレオ、再生時間、サウンド特性データの番地、再生チャンネルについての情報が含まれる。フレーズ番号についての情報は、再生対象のサウンド要素データを示すものである。モノラル/ステレオ情報は、当該サウンド要素データがモノラルであるかステレオであるかを示すものであり、再生時間情報は、当該サウンド要素データの再生時間を示すものである。サウンド特性データの番地情報は、当該サウンド要素データに対応するサウンド特性データの番地を示すものである。そして、再生チャンネル情報は、当該サウンド要素データの再生に使用される音声処理LSI71のチャンネルを示すものである。
図7はチャンネル情報バッファメモリ94bの構成を説明するための図である。本実施形態では、音声処理LSI71が8つのチャンネルを有しているので、チャンネル情報バッファメモリ94bには、図7に示すように、8つのチャンネルに対応して8つのチャンネル情報記憶領域が設けられている。チャンネル情報は、それに含まれる再生チャンネル情報が示すチャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域に記憶される。各チャンネル情報記憶領域には、フレーズ番号についての情報が記憶されるフレーズ番号保存エリアと、モノラル/ステレオについての情報が記憶されるモノラル/ステレオ情報保存エリアと、再生時間についての情報が記憶される再生時間保存エリアと、当該フレーズ番号に対応するサウンド特性データの番地についての情報が記憶されるサウンド特性データの番地保存エリアとが設けられている。あるチャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域にチャンネル情報が記憶されていることは、音声処理LSI71においてそのチャンネルが現在使用されていることを表している。
チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bに記憶された各チャンネルについてのチャンネル情報を管理することにより、音声処理LSI71における各チャンネルの使用状況を間接的に監視するものである。具体的に、チャンネル管理手段92は、タイマ処理、チャンネル情報の解放処理、再生チャンネルの決定処理、チャンネル情報の書き込み処理を行っている。
タイマ処理は、チャンネル情報記憶領域の再生時間保存エリアをタイマとして利用する処理である。すなわち、チャンネル管理手段92は、一定時間が経過する度に、チャンネル情報が記憶されているチャンネル情報記憶領域において、その再生時間保存エリアに記憶されているデータの値から当該一定時間に対応する値を減じた値を、当該再生時間保存エリアに書き込む。これにより、再生時間保存エリアには、当該サウンド要素データの残り再生時間が記憶されることになる。このタイマ処理は、サウンド再生条件データにおいて再生方法についての情報として一回だけ再生が指定されたサウンド要素データの再生に使用されているチャンネルについてのチャンネル情報に対してのみ行われ、繰り返し再生が指定されたサウンド要素データの再生に使用されているチャンネルについてのチャンネル情報に対しては行われない。したがって、一回だけ再生が指定されたサウンド要素データについてのみ、再生時間保存エリアにその残り再生時間が記憶され、繰り返し再生が指定されたサウンド要素データについては、再生時間保存エリアにはその再生時間が記憶されたままである。実際、サウンド再生条件データにおいて再生方法についての情報として繰り返し再生が指定されている場合、その再生時間についての情報は、制御上、何らの意味をもたない。
チャンネル情報の解放処理には、第一のチャンネル情報の解放処理と、第二のチャンネル情報の解放処理とがある。第一のチャンネル情報の解放処理は、チャンネル情報バッファメモリ94bに記憶されている各チャンネルについてのチャンネル情報に含まれる再生時間情報に基づいて、当該チャンネルを使用したサウンド要素データの再生が終了したか否かを判断し、当該チャンネルを使用したサウンド要素データの再生が終了したと判断したときに、当該チャンネルについてのチャンネル情報をチャンネル情報バッファメモリ94bから削除する処理である。この第一のチャンネル情報の解放処理の対象となるのは、サウンド再生条件データにおいて再生方法についての情報として一回だけ再生が指定されたサウンド要素データの再生に使用されているチャンネルについてのチャンネル情報のみである。ここで、サウンド要素データの再生が終了したか否かの判断に際しては、チャンネル情報記憶領域の再生時間保存エリアを利用することができる。すなわち、チャンネル管理手段92は、一定時間が経過する度に、各チャンネル情報記憶領域における再生時間保存エリアに記憶されている当該サウンド要素データの残り再生時間を読み出す。そして、その読み出した残り再生時間が「0」であるときに、当該サウンド要素データの再生が終了したと判断することができる。
第二のチャンネル情報の解放処理は、出力中の音声に対応するサウンド要素データの再生を中止する旨のコマンド(再生中止コマンド)が演出制御手段91から送られたときに、当該サウンド要素データの再生に使用されているチャンネルについてのチャンネル情報をチャンネル情報バッファメモリ94bから削除する処理である。この第二のチャンネル情報の解放処理の対象となるのは、サウンド再生条件データにおいて再生方法についての情報として一回だけ再生、繰り返し再生のいずれが指定されているかに関係なく、現在、出力中の音声に対応するサウンド要素データの再生に使用されているチャンネルについてのチャンネル情報である。
かかるチャンネル情報の解放処理によりあるチャンネルについてのチャンネル情報が削除され、当該チャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域にチャンネル情報が記憶されていないということは、音声処理LSI71においてそのチャンネルが現在使用されていないことを表している。したがって、チャンネル管理手段92は、各チャンネル情報記憶領域にチャンネル情報が記憶されているか否かを調べることにより、音声処理LSI71においてどのチャンネルが使用されているのか、空いているのかを認識することができる。
再生チャンネルの決定処理は、あるサウンド要素データを送出するためのチャンネルを決定する旨の指示を演出制御手段91から受けたときに、チャンネル情報バッファメモリ94bに記憶されている各チャンネルについてのチャンネル情報に基づいて当該サウンド要素データを送出するためのチャンネルを決定する処理である。すなわち、チャンネル管理手段92は、各チャンネル情報記憶領域にチャンネル情報が記憶されているか否かを調べることにより、音声処理LSI71で使用されていない空きチャンネルを検索する。そして、その検索結果から当該サウンド要素データを送出するためのチャンネルを決定する。
ここで、空きチャンネルを検索する処理は、再生しようとするサウンド要素データがステレオであるかモノラルであるかに応じて若干異なる。このため、チャンネル管理手段92は、空きチャンネルの検索処理を行う際に、当該サウンド要素データに対応するサウンド特性データのうちのモノラル/ステレオ情報を演出制御手段91から受け取る。具体的に、チャンネル管理手段92は、まず、そのモノラル/ステレオ情報に基づいて、当該サウンド要素データがモノラルであるかステレオであるかを認識する。いま、当該サウンド要素データがステレオであったとする。ステレオの再生には二つのチャンネルを使用するので、二つの空いているチャンネルを見つけなければならない。このため、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bに記憶されている各チャンネルについてのチャンネル情報に基づいて、偶数番目のチャンネルが空いているかどうかを、例えばチャンネル番号の小さい順に調べる。そして、空いている偶数番目のチャンネルを見つけると、その偶数よりも1だけ大きい奇数番目のチャンネルが空いているかどうかを調べる。こうして、ある偶数番目のチャンネルとそれよりも1だけ大きい奇数番目のチャンネルが両方とも空いていると、その二つのチャンネルを当該サウンド要素データの再生に使用することを決定する。
一方、サウンド要素データがモノラルである場合には、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bに記憶されている各チャンネルについてのチャンネル情報に基づいて、チャンネルが空いているかどうかを、例えばチャンネル番号の小さい順に調べる。そして、空いているチャンネルを見つけると、そのチャンネルを当該サウンド要素データの再生に使用することを決定する。
チャンネル管理手段92は、こうしてサウンド要素データを送出するチャンネルを決定すると、その決定したチャンネルについての情報(再生チャンネル情報)を演出制御手段91に送る。ここで、再生しようとするサウンド要素データがステレオである場合、チャンネル管理手段92は、再生チャンネル情報として、空いている二つのチャンネルを示す情報を生成するのではなく、空いている偶数番目のチャンネルだけを示す情報を生成する。このように、本実施形態では、予めサウンド要素データ毎に再生チャンネル情報を生成してROM93に格納しておくのではない。
チャンネル情報の書き込み処理は、あるサウンド要素データについてのサウンド再生条件データ、再生チャンネル情報及びチャンネル管理用データが演出制御手段91から送られたときに、これらのデータに基づいて当該サウンド要素データを送出するチャンネルについてのチャンネル情報を生成して、チャンネル情報バッファメモリ94bにおいて当該再生チャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域に格納する処理である。ここで、ステレオのサウンド要素データについてのチャンネル情報は、そのサウンド要素データを送出する二つのチャンネルのうち偶数番目のチャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域に格納される。この場合、チャンネル管理手段92は、そのチャンネル情報に含まれるモノラル/ステレオ情報に基づいて当該サウンド要素データがステレオであることを知ることができるので、当該チャンネル情報が記憶されているチャンネル情報記憶領域に対応する偶数番目のチャンネルだけでなく、その偶数より1だけ大きい奇数番目のチャンネルも、当該サウンド要素データの再生に使用しているということを認識することができる。
演出制御手段91は、遊技の演出に関する制御を行う。例えば、主制御基板80から演出コマンドを受けたときに、そのコマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定する。また、あるサウンド要素データを用いた音声の演出を行うとき、当該サウンド要素データを送出するためのチャンネルを決定する旨の指示をチャンネル管理手段92に送る。そして、チャンネル管理手段92によって決定された再生チャンネルについての情報を用いて、当該サウンド要素データについてのサウンド再生制御データを生成する。ここで、サウンド再生制御データは、音声処理LSI72における当該サウンド要素データの送出を制御することによりスピーカ26での音声の再生出力を制御するためのデータである。本実施形態では、サウンド再生条件データに再生チャンネル情報を付加することにより、サウンド再生制御データが得られる。
また、演出制御手段91は、あるサウンド要素データに対するサウンド再生制御データを生成したときに、そのサウンド再生制御データを音声処理LSI71に送出して、音声処理LSI71を制御する。具体的には、演出制御手段91は、その生成したサウンド再生制御データを、音声処理LSI71の所定のチャンネル制御レジスタに書き込む。これにより、音声処理LSI71は、その書き込まれたサウンド再生制御データに基づいてサウンド要素データの再生を行う。この場合、そのサウンド再生制御データにおいて再生方法についての情報として一回だけ再生が指定されていれば、音声処理LSI71は、当該サウンド要素データを一回だけ再生する。一方、そのサウンド再生制御データにおいて再生方法についての情報として繰り返し再生が指定されていれば、音声処理LSI71は、当該サウンド要素データを繰り返して再生する。すなわち、当該サウンド要素データの再生は、演出制御手段91からの指示がない限り、いつまでも続くことになる。
また、演出制御手段91は、あるサウンド要素データに対するサウンド再生制御データを音声処理LSI71に送出したときには、そのサウンド再生制御データ及びチャンネル管理用データをチャンネル管理手段92に送出する。
更に、演出制御手段91は、出力中の音声に対応するサウンド要素データの再生を中止する旨の再生中止コマンドを音声処理LSI71及びチャンネル管理手段92に送出することにより、当該音声の出力を強制的に中止することができる。例えば、遊技状態がBB作動時の一般遊技状態又はRB作動中状態にある間にあるサウンド要素データが繰り返し再生されている場合、演出制御手段91は、主制御基板80からBB作動時の一般遊技状態又はRB作動中状態が終了した旨のコマンドを受けたときに、当該サウンド要素データの再生を中止する旨の再生中止コマンドを生成して送出する。また、複数のゲームにわたってあるサウンド要素データが繰り返し再生されている場合、演出制御手段91は、当該複数のゲームが終了したとき又は遊技演出の内容を変更するときに、当該サウンド要素データの再生を中止する旨の再生中止コマンドを生成して送出する。音声処理LSI71は、当該サウンド要素データの再生を中止する旨の再生中止コマンドが演出制御手段91から送られたときに、当該サウンド要素データの再生を中止する。一方、チャンネル管理手段92は、当該サウンド要素データの再生を中止する旨の再生中止コマンドが演出制御手段91から送られたときに、当該サウンド要素データの再生に使用されているチャンネルについてのチャンネル情報をチャンネル情報バッファ94bから削除する。演出制御手段91は、サウンド要素データについての再生方法が一回だけ再生、繰り返し再生のいずれであっても、当該サウンド要素データに対する再生中止コマンドを作成することができる。したがって、演出制御手段91は、音声による遊技の演出をその音声の出力中にいつでも任意に中止することができる。
次に、本実施形態の回胴式遊技機における周辺基板90が行う処理について説明する。周辺基板90が行う処理には、初期化処理、コマンド受信処理、サウンド処理等がある。初期化処理は、回胴式遊技機の電源が投入されたときに行われる。具体的には、周辺基板90は、プログラムを初期化すると共に、RAM94の一部の領域をサウンドコマンドバッファメモリ94a、チャンネル情報バッファメモリ94bとして確保する。
次に、コマンド受信処理について説明する。このコマンド受信処理は、周辺基板90が主制御基板80からコマンドを受信したときに行われる。具体的には、周辺基板90の演出制御手段91は、主制御基板80から演出コマンドが送られたときに、そのコマンドの内容に基づいて、遊技の演出の内容を決定する。その後、演出制御手段91は、その決定した内容に応じた電飾演出用パターンデータ、画像演出用パターンデータをROM93から読み出し、その電飾演出用パターンデータを電飾表示部25に出力すると共に、その画像演出用パターンデータを画像表示部24に出力する。また、演出制御手段91は、上記の決定した遊技の演出内容に応じて、インデックス番号を選択する。そして、その選択したインデックス番号をサウンドコマンドとしてサウンドコマンドバッファメモリ94aに記憶する。
また、演出制御手段91は、BB作動時の一般遊技状態又はRB作動中状態が終了した旨のコマンドが主制御基板80から送られたときに、遊技状態がBB作動時の一般遊技状態又はRB作動中状態にある間に繰り返し再生されるサウンド要素データの再生を中止する旨の再生中止コマンドを作成し、音声処理LSI71及びチャンネル管理手段92に送出する。音声処理LSI71は、当該サウンド要素データの再生を中止する旨の再生中止コマンドが演出制御手段91から送られると、当該サウンド要素データの再生を中止する。一方、チャンネル管理手段92は、当該サウンド要素データの再生を中止する旨の再生中止コマンドが演出制御手段91から送られると、当該サウンド要素データの再生に使用されているチャンネルについてのチャンネル情報をチャンネル情報記憶バッファ94bから削除する。
次に、サウンド処理について説明する。周辺基板90には、割り込み信号が同一周期T0(例えば1ms)で繰り返し入力されるような構成になっている。そして、周辺基板90は、割り込み信号が送られる度に、サウンド処理を実行する。ここで、サウンド処理のプログラムは、時間T0内で実行することができるように作成されている。このため、かかる繰り返しの周期信号の数をタイマとすることができる。
図8は周辺基板90が行うサウンド処理を説明するためのフローチャートである。周辺基板90に割り込み信号が入力すると、図8に示すようなサウンド処理が実行される。まず、周辺基板90のチャンネル管理手段92は、タイマ処理を行う(S11)。すなわち、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bの各チャンネル情報記憶領域に記憶されているチャンネル情報の中から、サウンド再生条件データにおいて再生方法についての情報として一回だけ再生が指定されたサウンド要素データの再生に使用されているチャンネルについてのチャンネル情報を特定する。例えば、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報をチャンネル情報記憶領域に記憶する際に、サウンド要素データを一回だけ再生するのに使用されるチャンネルについてのチャンネル情報に対しては予め所定のフラグを立てておくようにすれば、当該フラグに基づいて、再生方法についての情報として一回だけ再生が指定されたサウンド要素データの再生に使用されているチャンネルについてのチャンネル情報を容易に特定することができる。そして、チャンネル管理手段92は、かかる特定したチャンネル情報が記憶されているチャンネル情報記憶領域において、その再生時間保存エリアに記憶されているデータの値から上記の周期T0だけ減じた値を当該再生時間保存エリアに書き込む。このタイマ処理により、再生時間保存エリアには、当該サウンド要素データの残り再生時間が記憶されることになる。次に、チャンネル管理手段92は、第一のチャンネル情報の解放処理を行う(S12)。すなわち、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bの各チャンネル情報記憶領域において、その再生時間保存エリアに記憶されている残り再生時間が「0」であるか否かを判断する。そして、残り再生時間が「0」である場合には、当該チャンネル情報記憶領域に記憶されているチャンネル情報をチャンネル情報バッファメモリ94bから削除する。
次に、演出制御手段91は、サウンドコマンドバッファ94aにおいてポインタが指し示している記憶エリアをチェックする(S13)。そして、その記憶エリアにインデックス番号が記憶されているかどうかを判断する(S14)。インデックス番号が記憶されていない場合には、サウンド処理は終了となる。一方、インデックス番号が記憶されている場合には、演出制御手段91は、サウンド特性データの取得処理を行う(S15)。具体的には、演出制御手段91は、まず、そのインデックス番号に対応する音声演出用パターンデータをROM93の音声演出用パターンデータ格納領域93cから読み出す。そして、その読み出した音声演出用パターンデータに含まれるフレーズ番号を取得する。その後、演出制御手段91は、その取得したフレーズ番号に対応するサウンド特性データをROM93のサウンド特性データ格納領域93dから取得する。
次に、演出制御手段91は、チャンネル管理手段92に、その取得したサウンド特性データに対するサウンド要素データを送出するためのチャンネルを決定する旨の指示を送る。チャンネル管理手段92は、かかる指示を受けると、そのサウンド特性データのチャンネル管理用データに含まれるモノラル/ステレオ情報に基づいて当該サウンド要素データがモノラルであるかステレオであるかを判断する(S16)。当該サウンド要素データがステレオであると判断した場合には、ステップS17に移行する。一方、当該サウンド要素データがモノラルであると判断した場合には、ステップS21に移行する。ここで、ステップS16〜S19、ステップS21,S22の処理は、チャンネル管理手段92による再生チャンネルの決定処理である。
ステップS17では、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bに記憶されている各チャンネルについてのチャンネル情報に基づいて、空いている偶数番目のチャンネルを検索する。ここで、この検索は、例えば番号の小さい偶数番目のチャンネルから順に行われる。かかる空きチャンネルの検索処理によって、空いている偶数番目のチャンネルが見つからなかった場合(S18)、当該サウンド処理は終了する。一方、空いている偶数番目のチャンネルが見つかった場合には(S18)、チャンネル管理手段92は、その偶数よりも1だけ大きい奇数番目のチャンネルも空いているかどうかを判断する(S19)。サウンドがステレオである場合には、その再生に二つのチャンネルを使用するからである。当該奇数番目のチャンネルが空いていない場合には、ステップS17に移行し、当該奇数番目のチャンネルが空いている場合には、ステップS23に移行する。
一方、ステップS21では、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bに記憶されているチャンネル情報に基づいて、空いているチャンネルを検索する。ここで、この検索は、例えば番号の小さいチャンネルから順に行われる。かかる空きチャンネルの検索によって、空いているチャンネルが見つからなかった場合(S22)、当該サウンド処理は終了する。一方、空いているチャンネルが見つかった場合には(S22)、ステップS23に移行する。
ステップS23では、サウンド再生制御データの登録処理を行う。具体的には、チャンネル管理手段92は、空いているチャンネルについての情報を再生チャンネル情報として演出制御手段91に送る。演出制御手段91は、その再生チャンネル情報をチャンネル管理手段92から受け取ると、その再生チャンネル情報を当該サウンド要素データについてのサウンド再生条件データに付加することにより、当該サウンド要素データについてのサウンド再生制御データを生成する。そして、その生成したサウンド再生制御データを音声処理LSI71に送出し、所定のチャンネル制御レジスタに書き込む。
その後、演出制御手段91は、当該サウンド再生制御データとそれに対応するチャンネル管理用データとをチャンネル管理手段92に送出する。チャンネル管理手段92は、かかるサウンド再生制御データ及びチャンネル管理用データを受け取ると、これらのデータに基づいて当該サウンド要素データを送出するチャンネルについてのチャンネル情報を生成し、再生チャンネル情報で示されたチャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域に当該チャンネル情報を記憶する(S24)。
最後に、演出制御手段91は、サウンドコマンドバッファ94aにおいてポインタが指し示す記憶エリアを次の記憶エリアに進める(S25)。以上で、周辺基板90による当該サウンド処理が終了する。
次に、チャンネル管理手段92が行う再生チャンネルの決定処理、チャンネル情報の解放処理について具体例を用いて説明する。図9は音声処理LSI71における各チャンネルの実際の使用状況の一例を示す図である。
図9の例では、当初、音声処理LSI71においてステレオサウンドS1の再生に第0チャンネルが使われている。T0のタイミングで、ステレオサウンドS1に重ねてステレオサウンドS2を再生する場合、第0チャンネルはステレオサウンドの再生に使用されているので、チャンネル管理手段92は、チャンネル番号の小さい順に空きチャンネルを検索し、ステレオサウンドS2の再生に第2チャンネルを使用することを決定する。そして、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bにおいて第2チャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域にチャンネル情報を書き込む。こうして、ステレオサウンドS2は、第2チャンネルを使用して再生される。
次に、T1のタイミングで、ステレオサウンドS1,S2に重ねてステレオサウンドS3を再生する場合、第0チャンネル及び第2チャンネルはステレオサウンドの再生に使用されているので、チャンネル管理手段92は、チャンネル番号の小さい順に空きチャンネルを検索し、ステレオサウンドS3の再生に第4チャンネルを使用することを決定する。そして、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bにおいて第4チャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域にチャンネル情報を書き込む。こうして、ステレオサウンドS3は、第4チャンネルを使用して再生される。
次に、T2のタイミングで、ステレオサウンドS1,S2,S3に重ねてモノラルサウンドM1,M2を再生する場合、第0チャンネル、第2チャンネル及び第4チャンネルをステレオサウンドの再生に使用されているので、チャンネル管理手段92は、モノラルサウンドM1,M2の再生にそれぞれ、第6チャンネル、第7チャンネルを使用することを決定する。そして、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bにおいて、第6チャンネル、第7チャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域にそれぞれチャンネル情報を書き込む。こうして、モノラルサウンドM1,M2はそれぞれ、第6チャンネル、第7チャンネルを使用して再生される。
その後、T3のタイミングで第0チャンネルを使ったステレオサウンドS1の再生が停止する。このとき、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bにおいて第0チャンネルに対応するチャンネル情報を削除する。また、T4のタイミングで第4チャンネルを使ったステレオサウンドS3の再生が停止する。このとき、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bにおいて第4チャンネルに対応するチャンネル情報を削除する。
次に、T5のタイミングで、ステレオサウンドS2及びモノラルサウンドM1,M2に重ねてステレオサウンドS4,S5を再生する場合、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bに記憶されているチャンネル情報に基づいて、第0チャンネルと第4チャンネルとが空いていることを認識し、ステレオサウンドS4,S5の再生にそれぞれ、第0チャンネル、第4チャンネルを使用することを決定する。そして、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bにおいて、第0チャンネル、第4チャンネルに対応するチャンネル情報記憶領域にそれぞれチャンネル情報を書き込む。こうして、ステレオサウンドS4,S5はそれぞれ、第0チャンネル、第4チャンネルを使用して再生される。
その後、T6のタイミングで第6チャンネルを使ったモノラルサウンドM1の再生が停止する。このとき、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bにおいて第6チャンネルに対応するチャンネル情報を削除する。また、T7のタイミングで第7チャンネルを使ったモノラルサウンドM2の再生が停止する。このとき、チャンネル管理手段92は、チャンネル情報バッファメモリ94bにおいて第7チャンネルに対応するチャンネル情報を削除する。
本実施形態の回胴式遊技機では、チャンネル管理手段が、チャンネル情報バッファメモリに記憶されている各チャンネルについてのチャンネル情報に基づいて、サウンド要素データを送出するための再生チャンネルを決定し、演出制御手段が、チャンネル管理手段で決定された再生チャンネルについての情報を用いてサウンド再生制御データを作成する。このため、サウンド担当者は、開発作業の際、各サウンド要素データについて再生チャンネルを指定する必要はない。したがって、サウンド担当者はサウンド要素データの製作に専念することができるので、音声による遊技の演出内容についての開発を効率よく行うことができる。また、従来のように再生チャンネルの指定ミスにより再生しようとした音が突然消えたり、重なったりするような音声出力の不具合が発生することを防止することができる。更には、従来に比べて、サウンド要素データに対する再生チャンネルの割り当ての自由度が広がり、多彩なサウンド演出が可能となる。
また、本実施形態の回胴式遊技機では、演出制御手段が、出力中の音声に対応するサウンド要素データの再生を中止する旨の再生中止コマンドを作成して、音声処理LSI及びチャンネル管理手段に送出することにより、当該音声の出力を強制的に中止することができる。特に、遊技状態が特別の状態(例えば、BB作動時の一般遊技状態、RB作動中状態)にある間にあるサウンド要素データを繰り返し再生することにより行われる音声演出や、複数の遊技にわたってあるサウンド要素データを繰り返し再生することにより行われる音声演出についても、その演出を任意に停止することができる。このため、音声による遊技の演出に関するプログラムの開発効率を高めることができると共に、より多彩なサウンド演出が可能となる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、チャンネル管理手段が、再生チャンネルの決定処理においてチャンネル番号の小さい順に、チャンネルが空いているかどうかを調べる場合について説明したが、空きチャンネルを調べるチャンネルの順番はどのような順番でもよい。
また、上記の実施形態では、本発明を回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、本発明をパチンコ遊技機に適用してもよい。