JP6129250B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技動作に起因する抽選処理によって大当り状態を発生させる遊技機に関し、特に、斬新で迫力のある演出動作が可能な遊技機に関する。
パチンコ機などの弾球遊技機は、遊技盤に設けた図柄始動口と、複数の表示図柄による一連の図柄変動態様を表示する図柄表示部と、開閉板が開閉される大入賞口などを備えて構成されている。そして、図柄始動口に設けられた検出スイッチが遊技球の通過を検出すると入賞状態となり、遊技球が賞球として払出された後、図柄表示部では表示図柄が所定時間変動される。その後、7・7・7などの所定の態様で図柄が停止すると大当り状態となり、大入賞口が繰返し開放されて、遊技者に有利な遊技状態を発生させている。
このような遊技状態を発生させるか否かは、図柄始動口に遊技球が入賞したことを条件に実行される大当り抽選で決定されており、上記の図柄変動動作は、この抽選結果を踏まえたものとなっている。例えば、抽選結果が当選状態である場合には、リーチアクションなどと称される演出動作を20秒前後実行し、その後、特別図柄を整列させている。一方、ハズレ状態の場合にも、同様のリーチアクションが実行されることがあり、この場合には、遊技者は、大当り状態になることを強く念じつつ演出動作の推移を注視することになる。そして、図柄変動動作の終了時に、停止ラインに所定図柄が揃えば、大当り状態であることが遊技者に保証されたことになる。
上記した演出動作は、液晶表示装置での画像演出が中心となるが、この画像演出に連動して、各種のランプを点滅させるランプ演出や、遊技者を盛り上げる音声を出力する音声演出などが実行される。
特開2014−151153号公報
上記した音声演出は、一般に、専用の音声プロセッサに対して、ホストCPUが適切な動作パラメータ(設定値)を設定することで実現されるが、本発明者は、この音声制御動作を円滑化する新規の制御方法を既に提案している(特許文献1)。
しかし、上記の発明では、音声プロセッサへの設定値の生成処理と、生成された設定値の送信処理とが、プログラム上、別構成となっており、2つの処理の整合をとる必要から、複数の音声信号を重複させて多重化された高度な音声演出を実現しようとすると、プログラム構造が複雑化するという問題があった。
そこで、設定値を生成すると、直ちに、これを音声プロセッサに送信することが考えられるが、安易な方法を採ったのでは、音声プロセッサとホストCPUの動作が整合せず、多重化された高度な音声演出を実現できない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、複雑・高度な音声演出を円滑に実現可能な遊技機を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、一群の原音データに基づいて、音声による所定の単位演出を再生する複数の再生チャンネルを並列動作可能に設けた音声合成手段と、一又は複数の単位演出で構成された一連の音声演出の開始や進行に対応して、音声合成手段の所定の制御レジスタに、新規の単位演出とその再生音量を規定する動作パラメータを設定することで、複数の再生チャンネルの並列動作を実現する演出制御手段と、を設けた遊技機であって、前記演出制御手段には、一連の音声演出を実現するための所定の演出情報を記憶したシナリオ記憶手段(Mj,Sk)と、音声合成手段の再生チャンネルが、再生動作状態か空き状態かを書き換え可能に記憶するステイタス記憶手段と、が設けられ、シナリオ記憶手段の演出情報に基づき、新規の単位演出を開始する場合に、必要な動作パラメータを所定の制御レジスタに設定することに対応して、新規の単位演出に関わる再生チャンネルを、前記ステイタス記憶手段において、再生動作状態に設定するよう構成され、前記演出制御手段は、必要なタイミングで、音声合成手段の所定の制御レジスタのデータを読み出し、読み出したデータに基づいて、前記ステイタス記憶手段の空き情報を更新するか、或いは、単位演出が終了したことを示す音声合成手段からの通知に基づいて、前記ステイタス記憶手段の空き情報を更新するよう構成されている
前記シナリオ記憶手段は、演出内容の異なる複数の演出シナリオについて、その内容を特定する複数のシナリオテーブルを記憶して構成され、前記演出シナリオには、所定の抽選処理後に開始される変動演出を特定するシナリオであって、演出内容が異なる複数の変動演出シナリオが含まれているのが好ましい。
ここで、前記演出シナリオには、遊技を行っていないと判定されて開始されるデモ演出を特定するデモ演出シナリオが、更に含まれているのが好適であり、所定の遊技者操作に対応して開始される特別演出を特定する特別演出シナリオが、更に含まれているのも好適である。
また、前記演出シナリオの開始又は進行に対応して、適宜な一又は複数のシナリオテーブルが特定され、前記シナリオテーブルに記載された時間情報に基づいて、所定の演出シナリオが開始又は進行するよう構成されているのが好ましい。この場合、好適には、前記シナリオテーブルの一部には、時間情報で規定される所定タイミングで開始すべき単位演出が、その再生音量と共に記載されている。また、前記シナリオテーブルの別の一部には、実行中の単位演出について、その再生音量を変更するための情報が記載されていることがある。そして、前記シナリオテーブルにおいて、演出実行時間の重複する複数の単位演出が規定されることで、複数の単位演出が、互いの音量を調整しつつ、重複して実行されるよう構成されているのが好ましい。
なお、本発明は、弾球遊技機に限定されず、回胴遊技機やその他の遊技機に適用するのも好適である。
上記の通り、本発明の遊技機によれば、複雑・高度な音声演出を、円滑に実現することができる。
本実施例のパチンコ機を示す斜視図である。 本実施例の遊技盤の概略正面図である。 本実施例の全体回路構成を示すブロック図である。 電源基板の回路構成と回路動作を説明する図面である。 演出制御部の回路構成を示すブロック図である。 音声プロセッサの内部構成と出力信号を説明する図面である。 音声プロセッサの内部構成を詳細に示す図面である。 演出制御部の動作内容を説明するフローチャートである。 演出制御部のメイン処理を構成するシナリオ更新処理を説明するフローチャートである。 シナリオ更新処理を構成するサブシナリオ更新処理を説明するフローチャートである。 サブシナリオ更新処理とメイン処理の一部を説明するフローチャートである。 サブシナリオ更新処理による動作内容を説明するための図面である。 フェード動作を説明するための図面である。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本実施例のパチンコ機GMを示す斜視図である。このパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。この前枠3には、遊技盤5が、裏側からではなく、表側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
ガラス扉6の外周には、LEDランプなどによる電飾ランプが、略C字状に配置されている。一方、ガラス扉6の上部の左右位置と、中部の左右位置と、遊技者の腹部に近い下側には、全5個のスピーカ(TL,TR,ML,MR,BTM)が配置されている(図2参照)。
上部位置に配置された2つのスピーカ(TL,TR)と、中部位置に配置された2つのスピーカ(ML,MR)は、各々、遊技者が認識する左右音を出力するが、必要時には、適宜なパンポット演出を実行している。ここで、パン(PAN)とは、左右のスピーカから聴こえる音の位置(定位)を意味し、パン動作は、具体的には、左右のスピーカの音量バランスを非対称に設定することで実現される。
パンポット演出は、例えば、適宜な予告動作として実行され、(1)左から右に、或いは、右から左に向けて予告音が移動するP1演出、(2)上から下に、或いは、下から上に向けて予告音が移動するP2演出、(3)傾斜方向下方に、或いは、傾斜方向上方に向けて予告音が移動するP3演出、(4)時計方向又は反時計方向に予告音が回転するP4演出などが、パン変位時間やパン変位態様などを変えて種々実行される。
また、ガラス扉6の下方には、遊技者による演出音の音量調整が可能な音量スイッチVSWが配置されている。この音量スイッチVSWは、左右に+接点と−接点を有する方向キーであって、例えば、10段階の音量調整を可能にしている。この音量調整のための操作は、音声演出が実行されていない演出待機中に限り許可されるが、音量スイッチVSWの操作に対応して、確認演出音が出力されると共に、その設定レベルが表示画面に表示されるようになっている。
本実施例において、各スピーカ(TL,TR,ML,MR,BTM)から出力される音量は、一次ボリュームV1と、二次ボリュームVs(=V2,V3,V4)と、トータルボリュームTVの総合値(V1*Vs*TV)で規定されるが、係員や遊技者が人為的に規定する音量スイッチVSWの設定値は、最終段階のトータルボリューム値TVに反映される。
一方、二次ボリューム値Vs(=V2,V3,V4)は、パンポット演出や、その他の予告演出において、適切な音声演出を実現するべくソフトウェア設定され、一次ボリューム値V1は、通常時は、固定的な規定レベルに設定されている。したがって、各スピーカ(TL,TR,ML,MR,BTM)の音声演出時の音量は、専ら、二次ボリューム値Vsの設定値を反映して、V1*Vs*TVの音量で出力されることになる。
なお、遊技者が、設定した音量設定値(トータルボリューム値TV)は、遊技者が遊技機を離れたと思われるタイミングでは、設定スイッチSET(図3参照)による係員設定値に戻される。また、例え、遊技中であっても重大な異常事態が検出された場合には、音量スイッチVSWの操作量に拘わらず、トータルボリューム値TVと一次ボリューム値V1とが最大レベルとなることで、異常報知音が大音量で出力される。したがって、無音状態で違法行為を継続することはできない。
前面板7には、発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠3の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータと連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8の外周面には、チャンスボタン11が設けられている。このチャンスボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくチャンスボタン11を操作できる。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する度数表示部と、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5の表面には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その略中央には、中央開口HOが設けられている。中央開口HOの4頂点に対応して、ガラス扉6の内側には、4個のスピーカ(TL,TR,ML,MR)が配置され、中央開口HOの右下方には、低音用スピーカBTMが配置されている。なお、これらのスピーカは、図2において仮想的に示されている。
また、中央開口HOには、大型の液晶カラーディスプレイ(LCD)で構成された表示装置DSが配置されている。表示装置DSは、大当り状態に係わる特定図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。この表示装置DSは、中央部に特別図柄表示部Da〜Dcと右上部に普通図柄表示部19とを有している。そして、特別図柄表示部Da〜Dcでは、大当り状態の招来を期待させるリーチ演出が実行されることがあり、特別図柄表示部Da〜Dc及びその周りでは、適宜な予告演出などが実行される。
遊技球が落下移動する遊技領域には、図柄始動口15、大入賞口16、普通入賞口17、及び、ゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。そして、遊技球が図柄始動口15を通過すると、遊技球が入賞したとして、特別図柄表示部Da〜Dcで特別図柄の変動動作を伴う一連の画像演出が開始される。また、この画像演出に対応して、背景音楽や演出音を伴う音声演出や、ランプが点滅するランプ演出が実行される。
図柄始動口15は、左右一対の開閉爪15aを備えた電動式チューリップで開閉されるように構成され、普通図柄表示部19の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、所定時間だけ、若しくは、所定個数の遊技球を検出するまで、開閉爪15aが開放されるようになっている。
なお、普通図柄表示部19は、普通図柄を表示するものであり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート18の通過時点において抽出された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止する。
大入賞口16は、前後方向に進退する開閉板16aを有して構成されている。大入賞口16の動作は、特に限定されないが、典型的な大当り状態では、大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このような動作は、最大で例えば15回まで継続され、遊技者に有利な状態に制御される。なお、特別図柄表示部Da〜Dcの変動後の停止図柄が特別図柄のうちの特定図柄であった場合には、特別遊技の終了後のゲームが高確率状態(確変状態)となるという特典が付与される。
図3は、上記した各動作を実現するパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図である。図示の通り、このパチンコ機GMは、AC24Vを受けて各種の直流電圧と電源異常信号ABN1,ABN2を出力する電源基板20と、遊技制御動作を中心統括的に担う主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出を実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DSを駆動する画像制御基板23と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMD”に基づいて払出モータMを制御して遊技球を払い出す払出制御基板24と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板25と、を中心に構成されている。
主制御基板21が出力する制御コマンドCMDは、中継基板を経由することなく演出制御基板22に伝送されるが、演出制御基板22が出力する制御コマンドCMD’は、画像インタフェイス基板28を経由して、画像制御基板23に伝送される。また、主制御基板21が出力する制御コマンドCMD”は、主基板中継基板32を経由して、払出制御基板24に伝送される。制御コマンドCMD,CMD’,CMD”は、何れも16ビット長であるが、主制御基板21や払出制御基板24が関係する制御コマンドは、8ビット長毎に2回に分けてパラレル送信されている。一方、演出制御基板22から画像制御基板23に伝送される制御コマンドCMD’は、16ビット長をまとめてパラレル伝送されている。そのため、可動予告演出を含む予告演出を、多様化して多数の制御コマンドを連続的に送受信するような場合でも、迅速にその処理を終えることができ、他の制御動作に支障を与えない。
なお、本実施例では、画像インタフェイス基板28と画像制御基板23とは、配線ケーブルを経由することなく、雄型コネクタと雌型コネクタとを直結されて二枚の回路基板が積層されている。そのため、各電子回路の回路構成を複雑高度化しても基板全体の収納空間を最小化できると共に、接続ラインを最短化することで耐ノイズ性を高めることができる。
これら主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23、及び払出制御基板24には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、これらの制御基板21〜24とインタフェイス基板28に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、本明細書では、主制御部21、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24と言うことがある。すなわち、この実施例では、画像制御基板23と画像インタフェイス基板28とで画像制御部23を構成している。なお、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24の全部又は一部がサブ制御部である。
また、このパチンコ機GMは、図3の破線で囲む枠側部材GM1と、遊技盤5の背面に固定された盤側部材GM2とに大別されている。枠側部材GM1には、ガラス扉6や前面板7が枢着された前枠3と、その外側の木製外枠1とが含まれており、機種の変更に拘わらず、長期間にわたって遊技ホールに固定的に設置される。一方、盤側部材GM2は、機種変更に対応して交換され、新たな盤側部材GM2が、元の盤側部材の代わりに枠側部材GM1に取り付けられる。なお、枠側部材GM1を除く全てが、盤側部材GM2である。
図3の破線枠に示す通り、枠側部材GM1には、電源基板20と、払出制御基板24と、発射制御基板25と、枠中継基板35と、ランプ駆動基板36とが含まれており、これらの回路基板が、前枠3の適所に各々固定されている。
ランプ駆動基板36には、複数のLEDが接続されており、これらのLED群を駆動する駆動データSDATAは、シリアル信号として、演出制御基板22→枠中継基板34→枠中継基板35を経由して、ランプ駆動基板36に搭載された複数のLEDドライバに伝送されている。
遊技盤5の背面には、主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23及び画像インタフェイス基板28が、表示装置DSやその他の回路基板と共に固定されている。そして、枠側部材GM1と盤側部材GM2とは、一箇所に集中配置された接続コネクタC1〜C4によって電気的に接続されている。
電源基板20は、接続コネクタC2を通して、主基板中継基板32に接続され、接続コネクタC3を通して、電源中継基板33に接続されている。電源基板20の内部構成は、図4(a)に示す通りであり、外部から受けるAC24Vを全波整流するブリッジ型の整流回路61と、整流回路61の出力を受ける力率改善回路62と、整流回路の過渡電流を抑制する突入電流防止回路63と、4個のDC−DCコンバータRG1〜RG4及びその付属回路と、交流電源の遮断と直流出力電圧の異常を監視する交流監視回路64と、を有して構成されている。
力率改善回路62は、チョークコイルL1と、スイッチングトランジスタQ1,Q2と、2つのトランジスタをON/OFF制御してチョッパ動作を実現する昇圧タイプの力率制御回路PFCと、平滑コンデンサC1とを有して構成され、入力電圧のピーク値33.9V(=24*SQR2)を昇圧して、設計値DC35Vの直流電圧を出力している。そして、この直流電圧DC35Vは、主制御基板21と、払出制御基板24と、演出制御基板22に各々配電されている。
力率制御回路PFCは、トランジスタQ1,Q2を相補的にON/OFF制御することで、AC24Vの電源ラインに、低振幅ノコギリ波状の充放電流を流している(図4(d)参照)。すなわち、トランジスタQ1のON時(Q2がOFF)に、チョークコイルL1に蓄積されたエネルギーが、トランジスタQ2のON時(Q1がOFF)に、平滑コンデンサC1に充電されることで、AC24Vの電源ラインの入力電流を略正弦波状に改善している。
突入電流防止回路63は、NチャンネルMOS型のスイッチングトランジスタQ3と、トランジスタQ3のドレイン端子−ソース端子間に配置されたサーミスタTHと、トランジスタQ3のゲート電圧を規定するバイアス素子(ZD1,R1,R2,C2)とで構成されている。図示の通り、バイアス素子にはツェナーダイオードZD1が含まれているので、ツェナーダイオードZD1が降伏してON動作するまでの過渡状態では、ゲート端子にバイアス電圧が加わらず、トランジスタQ3がOFF状態となる。
そのため、電源投入直後は、AC24Vの電源ラインの入力電流が、整流回路61→力率改善回路62→サーミスタTH→整流回路61の経路を通ることになり、電源投入時の過渡電流(突入電流)がサーミスタTHによって最適に制限される。
交流監視回路64は、ダイオードD5,D6及び負荷抵抗R3で構成された全波整流回路と、電流制限抵抗R4と、コンバータRG4とで構成されている。負荷抵抗R3の両端電圧は、ピーク値34V程度の脈流波形となり(図4(b)参照)、この脈流電圧が電流制限抵抗R4を経由して、コンバータRG4の監視端子Sin1に供給されている。そして、コンバータRG4は、監視端子Sin1に供給される電圧に基づいて、交流電源AC24Vの遮断を判定している。
4個のコンバータRG1〜RG4は、同一レベルの直流電圧(DC35V)をDC入力端子Vin受けて動作して、不図示の受動素子(R,L,C)と共に機能することで、降下レベルの直流電圧(12V又は5V)を出力している。すなわち、コンバータRG1とコンバータRG2は、各々、12Vを生成して出力端子Voutに出力しており、コンバータRG1の出力電圧DC12Vは、演出制御基板22に配電され、コンバータRG2の出力電圧DC12Vは、主制御基板21と払出制御基板24に配電されている。
コンバータRG3は、演出制御基板22に配電されるDC5Vを生成してコンバータRG3の出力端子Voutから出力し、コンバータRG4は、主制御基板21と払出制御基板24に配電されるDC5Vを生成して、コンバータRG4の出力端子Voutから出力する。このように、本実施例の電源基板20では、3種類の直流電圧(35V,12V,5V)だけを生成し、これらの直流電圧の配電を受けた各制御基板20,21,22では、必要に応じて、降下レベルの一又は複数の電源電圧を生成する構成を採っており、遊技機全体として電源回路の構成に無駄がない。
なお、コンバータRG4の出力に基づいてDC5Vのバックアップ電源BAKが生成され、主制御基板21と払出制御基板24に配電されている。ここで、バックアップ電源BAKとは、営業終了や停電により交流電源24Vが遮断された後も、主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンの内蔵RAMのデータを保持するDC5Vの直流電源である。
また、コンバータRG1〜RG4には、各回路素子のDC−DC変換動作の許否を制御する制御端子CTLが設けられており、制御端子CTLがHレベルであることを条件に内部回路が機能してDC−DC変換動作が実行される。例えば、コンバータRG2とRG4の内部構成は、図4(c)に示す通りであり、制御端子CTLがHレベルであることを条件に内部回路(DC変換回路CNV)が機能してDC−DC変換動作が実行される。
更に説明すると、図4(a)に示す通り、コンバータRG2の出力端子Sout2は、自らの制御端子CTLと共に、コンバータRG1の制御端子CTLに接続されている。同様に、コンバータRG4の出力端子Sout2は、自らの制御端子CTLと共に、コンバータRG3の制御端子CTLに接続されている。そのため、直流電圧DC35Vが降下して、コンバータRG2やコンバータRG4の出力端子Sout2の出力電圧がLレベルに遷移すると、その後は、4つのコンバータRG1〜RG4が、一斉にDC−DC変換機能を停止することになる。このように、本実施例では、DC−DC変換すべき入力電圧(DC35V)が、異常レベルまで降下すると、DC−DC変換動作が自動的に停止されるので、その後の異常動作の発生のおそれがない。
ところで、本実施例の電源基板20では、交流電源の投入を示す電源リセット信号を生成しておらず、電源リセット信号が主制御基板21、払出制御基板24、演出制御基板22などに伝送されることはなく、各制御基板21,24,22は、配電された直流電圧(5V,12V)に基づいて電源リセット信号を生成している。そのため、電源リセット信号を電源基板から各制御基板に伝送する信号線にノイズが重畳することで、CPUが異常リセットされるおそれがない。
以上、電源基板20について説明したので、図3に戻って、遊技機GMの他の構成について説明する。図3に示す通り、主制御基板21は、主基板中継基板32を経由して電源基板20に接続されており、3種類の直流電圧DC35V,DC12V,DC5Vと、バックアップ電源BAKと、電源異常信号ABN1とを受けている。一方、払出制御基板24は、中継基板を介することなく、電源基板20に直結されており、主制御部21が受けると同様の電源異常信号ABN2や、バックアップ電源BAKを、3種類の直流電圧DC35V,DC12V,DC5Vと共に直接的に受けている。
この実施例では、RAMクリア信号CLRは、主制御部21で生成されて主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンに伝送されている。ここで、RAMクリア信号CLRは、各制御部21,24のワンチップマイコンの内蔵RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、係員が操作する初期化スイッチSWのON/OFF状態に対応した値を有している。
図3に示す通り、主制御部21は、主基板中継基板32を経由して、払出制御部24に制御コマンドCMD”を送信する一方、払出制御部24からは、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や、払出動作の異常に係わるステイタス信号CONや、動作開始信号BGNを受信している。ステイタス信号CONには、例えば、補給切れ信号、払出不足エラー信号、下皿満杯信号が含まれる。動作開始信号BGNは、電源投入後、払出制御部24の初期動作が完了したことを主制御部21に通知する信号である。
また、主制御部21は、遊技盤中継基板31を経由して、遊技盤5の各遊技部品に接続されている。そして、遊技盤上の各入賞口16〜18に内蔵された検出スイッチのスイッチ信号を受ける一方、電動式チューリップなどのソレノイド類を駆動している。ソレノイド類や検出スイッチは、主制御部21から配電された電源電圧VB(12V)で動作するよう構成されている。また、図柄始動口15への入賞状態などを示す各スイッチ信号は、電源電圧VB(12V)と電源電圧Vcc(5V)とで動作するインタフェイスICで、TTLレベル又はCMOSレベルのスイッチ信号に変換された上で、主制御部21に伝送される。
図3に示す通り、演出制御部22は、主制御部21から制御コマンドCMDとストローブ信号STBとを受けている。そして、演出制御部22は、ランプ駆動基板29やランプ/モータ駆動基板30に搭載されたLEDドライバに、ランプ駆動データSDATA(シリアル信号)を供給している。特に限定されるものではないが、ランプ駆動基板29やランプ/モータ駆動基板30に搭載されているLEDドライバは、ランプ駆動基板36に搭載されたLEDドライバと同一構成である。
また、本実施例では、同じLEDドライバを使用してステッピングモータを駆動しており、破線に示すように、ランプ/モータ駆動基板30を経由して、演出モータ群M1〜Mnを駆動している。この場合、モータ駆動データは、ランプ駆動データと同様のシリアル信号であり、演出内容を豊富化するべく演出モータ個数を増やしても、配線ケーブルが増加することがなく、機器構成が簡素化される。
演出制御部23は、電源基板20から3種類の直流電圧(12V,5V,32V)を受けており、直流電圧32Vは、そのままランプ/モータ駆動基板30に転送されて、演出モータなどの駆動電源として活用している。一方、直流電圧5Vは、演出制御基板22の各種デジタル回路の電源電圧として活用され、直流電圧12Vは、デジタルアンプ46a,46bの電源電圧とされると共に、駆動基板29,30にも転送されてランプ演出やモータ演出に活用される。
図3及び図5に示す通り、演出制御部22は、画像制御部23に対して、制御コマンドCMD’及びストローブ信号STB’と、2種類の直流電圧(12V,5V)と、システムリセット信号SYSを出力している。ここで、システムリセット信号SYSは、電源基板20から受けた直流電圧(12V,5V)に基づいて、演出制御部22のリセット回路RST&WDTにおいて生成された信号である。
そして、画像制御部23は、演出制御部22から受けるシステムリセット信号SYSに基づいて、各種の半導体IC素子を電源リセットし、演出制御部22から受ける制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DSを駆動して各種の画像演出を実行している。なお、表示装置DSは、LEDバックライトによって発光しており、画像インタフェイス基板28から5対のLVDS(低電圧差動伝送Low voltage differential signaling)信号と、バックライト電源電圧(12V)とを受けて駆動されている(図5参照)。
続いて、上記した演出制御部22の構成を、図5に基づいて更に詳細に説明する。図5(a)に示す通り、演出制御部22は、音声演出・ランプ演出・演出可動体による予告演出・データ転送などの処理を実行するワンチップマイコン40(以下、演出制御CPU40と言うことがある)と、演出制御CPU40の制御プログラムや各種の演出データを記憶する制御メモリ(flash memory)41と、内蔵レジスタRG0〜RGnに設定された演出制御CPU40の指示に基づいて音声信号を再生して出力する音声プロセッサ(音声合成回路)42と、再生される音声信号の元データである圧縮音声データなどを記憶する音声メモリ43と、音声プロセッサ42から出力される音声信号を受けるデジタルアンプ46と、を有して構成されている。
また、演出制御部23は、3つのDC−DCコンバータ(CONV1〜CONV3)で構成された電源回路と、リセット回路RST&WDTとを有して構成されている。電源回路(CONV1〜CONV3)は、電源基板20から受ける直流電圧12Vに基づいて三種類の直流電圧(1.0V,1.8V,3.3V)を生成して、ワンチップマイコン40、制御メモリ41、音声プロセッサ42、及び音声メモリ43の電源電圧としている。そのため、ワンチップマイコン40、制御メモリ41、音声プロセッサ42、及び音声メモリ43の電源電圧の一部だけが、電圧降下する可能性が事実上ほぼゼロであって、局所的な機能停止の可能性が事実上生じない。
実施例のリセット回路RST&WDTは、システムリセット信号SYSを生成するだけでなく、ウォッチドッグタイマとしても機能している。そして、演出制御CPU40から受けるべきクリア信号CLRが途絶えた場合には、異常リセット信号RSETを出力して、演出制御CPU40、制御メモリ41、及び、音声プロセッサ42を強制リセットしている。したがって、演出制御CPU40が正常に機能しない異常時には、音声演出を直ちに初期状態に戻すことができる。
次に、本実施例の音声プロセッサ42は、演出制御CPU40から内蔵レジスタ(音声制御レジスタ)RG0〜RGnに受ける動作パラメータ(音声コマンドSNDによる設定値)に基づいて、音声メモリ43をアクセスして、必要な音声信号を再生して出力している。図5に示す通り、音声プロセッサ42と、音声メモリ43とは、26ビット長の音声アドレスバスと、16ビット長の音声データバスで接続されている。そのため、音声メモリ43には、1Gビット(=226*16)のデータが記憶可能となる。
本実施例の場合、音声メモリ43に記憶された圧縮音声データは、13ビット長のフレーズ番号NUM(000H〜1FFFH)で特定されるフレーズ(phrase)圧縮データであり、一連の背景音楽の一曲分(BGM)や、ひと纏まりの演出音(予告音)などが、最高8192種類(=213)、各々、フレーズ番号NUMに対応して記憶されている。そして、このフレーズ番号NUMは、演出制御CPU40から音声プロセッサ42の音声制御レジスタRG0〜RGnに伝送される音声コマンドSNDの設定値(動作パラメータ)によって特定される。
ところで、本明細書では、以下の説明において、一のフレーズ番号NUMで特定されるひと纏まりの演出音を、特に、「単位演出」ということがある。この意味では、一連の背景音楽の一曲分(BGM音)も「単位演出」の一種であり、遊技球の図柄始動口への入賞で開始され、当否抽選結果を報知して終了する一連の変動演出を構成する音声演出は、複数の「単位演出」を適宜に組み合わせて実現されることになる。
音声コマンドSNDは、複数(2又は3)バイト長であって、音声プロセッサ42に内蔵された多数の音声制御レジスタRG0〜RGnの何れかRGiに、所定の設定値を伝送するWrite 用途で使用される。但し、本実施例の音声コマンドSNDは、フレーズ番号NUMなどの設定値を書込むWrite 用途だけでなく、所定の音声制御レジスタRGiからステイタス情報(エラー情報)STSを読み出すRead用途でも使用される。なお、アクセス対象となる所定の音声制御レジスタRGiは、1バイト長のレジスタアドレスで特定される。
音声制御レジスタRGiへの設定値の設定(Write )は、必ずしも、音声制御レジスタ毎に個別的に実行する必要はなく、音声メモリ43に格納されているSACデータを指定して、一群の音声制御レジスタRGi〜RGjに対する一連の設定動作を完了させることもできる。ここで、SACデータとは、音声制御レジスタRGiのレジスタアドレス(1バイト)と、その音声制御レジスタRGiへの設定値(複数バイト)とを対応させた最大512個(最大1024バイト)の集合体を意味する。
本実施例では、このようなSACデータが、必要組だけ、予め音声メモリ43に記憶されており、一組のSACデータは、単一のID情報である13ビット程度のSAC番号で特定されるようになっている。したがって、本実施例の場合、Write 用途の音声コマンドSNDは、SAC番号を指定して一組のSACデータを特定するか、或いは、設定値とレジスタアドレスとを個別的に特定することになる。
上記の動作を実現するため、演出制御CPU40と音声プロセッサ42は、1バイトデータを送受信可能なパラレル信号線(データバス)CD0〜CD7と、動作管理データを送信可能な2ビット長の動作管理データ線(アドレスバス)A0〜A1と、読み書き(read/write)動作を制御可能な2ビット長の制御信号線WR,RDと、音声プロセッサ42を選択するチップセレクト信号線CSとで接続されている。
パラレル信号線CD0〜CD7は、ワンチップマイコン40に内蔵された演出制御CPU40のデータバスで実現され、また、動作管理データ線A0〜A1は、演出制御CPU40のアドレスバスで実現されている。そして、音声プロセッサ42には、上位6ビットが共通し、下位2ビットが00,01,10となる3個のポート番号PORTが付与されており、演出制御CPU40が、これらのポート番号PORTに対するI/OREAD命令や、I/OWRITE命令を実行すると、何れの場合も、チップセレクト信号CSがアクティブレベルになるよう回路構成されている。
そして、I/OREAD命令や、I/OWRITE命令の実行時にアドレスバスの下位2ビットA0〜A1に出力されるデータは、音声プロセッサ42に対する動作管理データA0〜A1となり、この2ビットA0〜A1に基づいて、その時のデータバスCD0〜CD7の1バイトデータが、レジスタアドレスであるか、それとも、書込みデータ又は読み出しデータであるかが特定されるようになっている。
すなわち、アドレスデータA0〜A1が、[00]であれば、そのタイミングのデータバスのデータCD0〜CD7が、レジスタアドレスと評価され、一方、アドレスデータA0〜A1が[01]であれば、そのタイミングのデータバスのデータCD0〜CD7が、書込みデータ又は読み出しデータとなる。なお、I/OREAD命令を実行した場合が読み出しデータ、I/OWRITE命令を実行した場合が書込みデータである。
したがって、所定の設定値を、所定の制御レジスタRGiに書込む音声コマンドSNDの送信動作は、図5(b)のタイムチャートに示す通りとなり、音声プロセッサ42のポート番号PORTの下位2ビットA0,A1を推移させつつ、I/OWRITE命令を連続的に実行することで実現される。具体的には、アドレスデータの下位2ビットA0〜A1を、[00]→[01]と推移させる一方で、データバスの1バイトデータを、[音声制御レジスタRGiのレジスタアドレス]→[音声制御レジスタRGiへの書込みデータ]と推移させることで、所定の音声コマンドSNDの送信動作が実現される。
なお、SAC番号(13ビット)を送信する場合のように、書込みデータが複数バイト長の場合には、[01]の動作管理データA0〜A1を、[00]→[01]→[01]→[01]と繰り返しつつ、複数バイトの書込みデータを送信する。
このようにして送信された音声コマンドは、通信異常がない限り、その後、音声プロセッサ42内部で実効化される。但し、複数バイト長のデータが互いに整合しないなど、通信異常が認められる場合には、その音声コマンドSNDが実効化させることはない。そして、音声制御レジスタRGnのエラーフラグがセットされるが、このエラーフラグ(ステイタス情報STS)は、アドレスバスの動作管理データA0〜A1を、[01]から[10]に推移させたI/OREAD命令の実行によって受信することができる(図5(d)参照)。
このように、この実施例では、動作管理データA0〜A1を、[00]→[01]→・・・[01]→[10]と推移させる最終サイクルにおいて、複数ビット長のエラー情報(異常時はFFH)を取得することができる。そして、正当にパラレル送信できなかった音声コマンドSNDを再送することで、音声演出を適切に進行させることができる。したがって、本実施例の構成によれば、音声演出が突然、途絶えるような不自然さを確実に解消されることができる。
一方、I/OREAD動作によるデータ読み込み動作は、図5(c)のタイムチャートに示す通りであり、音声プロセッサ42のポート番号PORTの下位2ビットA0,A1を推移させつつ、I/OWRITE命令と、I/OREAD命令を連続的に実行することで実現される。なお、読み出しデータが複数バイト長の場合には、必要バイト数だけI/OREAD命令を連続させる。
具体的に確認すると、先ず、I/OWRITE動作として、アドレスデータの下位2ビットA0〜A1が[00]となるポート番号PORTに対して、[動作ステイタスなどを記憶する音声制御レジスタRGiのレジスタアドレス(1バイト長)]を出力する。次に、アドレスデータの下位2ビットA0〜A1が[01]となるポート番号PORTに対して、I/OREAD命令を実行すれば、所定の制御レジスタから動作ステイタスなどの必要データを取得することができる。
以上のような構成を有する音声プロセッサ42が再生した音声は、音声プロセッサ42のデジタル音声信号として、図6(b)に示す5ビット信号(SCLK,LRO,SD0,SD1,SD2)の形式で、デジタルアンプ46a,46bに伝送され、各デジタルアンプでD級増幅され、アナログ音声信号として、各スピーカに供給される。具体的には、デジタルアンプ46aの増幅出力(アナログ音声信号)は、低音用の下方スピーカBTMに供給されており、デジタルアンプ46bの増幅出力(アナログ音声信号)は、遊技者に対して上下左右位置にほぼ整列配置された4個のスピーカTL,TR,ML,MRに供給されている。
次に、演出制御部22の他の回路構成について図5に基づいて説明する。先ず、ワンチップマイコン40には、係員が操作する設定スイッチSETから4ビット長のスイッチ信号が供給されている。また、ワンチップマイコン40には、図5に示す通り、複数のパラレル入出力ポートPIO(Pi+Pi’+Po+Po’)と、複数のシリアル出力ポートSIと、が内蔵されている。シリアル出力ポートSIは、より詳細には、3チャンネルのシリアルポート(S0〜S2)を含んで構成されており、ランプ駆動基板36、29、30に搭載された複数個のLEDドライバに、各々、シリアル駆動データSDATA0〜SDATA2を、クロック信号CK0〜CK2に同期して出力している。
すなわち、シリアルポートS0〜シリアルポートS2は、クロック同期方式に基づいて、対応するランプ駆動基板36、29、30に、シリアル駆動データSDATA0〜SDATA2を伝送している。なお、シリアル駆動データSDATA0〜SDATA2は、その殆どが、各LEDの発光輝度をPWM制御(pulse width modulation)によって輝度調整するため輝度データ(ランプ駆動データ)であるが、演出モータM1〜Mnを駆動するモータ駆動データも含まれている。
また、パラレル出力ポートPo’は、3ビット長の動作許可信号ENABLE0〜ENABLE2を、ランプ駆動基板36、29、30に出力しており、各ランプ駆動基板36、29、30に搭載されたLEDドライバは、動作許可信号ENABLE0〜ENABLE2の何れかに基づいて動作を開始している。また、出力ポートPo’からは、デジタルアンプ46a,46bの出力を無音化するためのMUTE信号が出力されている。このMUTE信号は、例えば、動作が不安定となる可能性のある電源投入時や、音声プロセッサ42の異常動作が検出された場合などに使用される。
このような構成に対応して、演出制御基板22には、ワンチップマイコン40のパラレル出力ポートPo’や、シリアルポートSIや出力される各種の信号を伝送する出力バッファ回路47,48,49が設けられている。ここで、出力バッファ47は、第0チャンネルのLED群に関連しており、ワンチップマイコン40が出力するランプ駆動データSDATA0、クロック信号CK0、及び、動作許可信号ENABLE0を、枠中継基板34に出力している。そして、出力された3ビットの信号は、枠中継基板34、及び、枠中継基板35を経由して、ランプ駆動基板36のLEDドライバに伝送される。
同様に、出力バッファ48は、ワンチップマイコン40が出力するランプ駆動データSDATA1、クロック信号CK1、及び、動作許可信号ENABLE1をランプ駆動基板29のLEDドライバに伝送しており、出力バッファ49は、ランプ駆動データSDATA2、クロック信号CK2、及び、動作許可信号ENABLE2をランプ/モータ駆動基板30のLEDドライバに伝送している。なお、ランプ駆動基板29のLEDドライバは、第1チャンネルのLED群を駆動し、ランプ/モータ駆動基板30のLEDドライバは、第2チャンネルのLED群と、演出モータM1〜Mnとを駆動している。
一方、パラレル入出力ポートPIOの入力ポートPiには、入力バッファ44を経由して、主制御部21からの制御コマンドCMD及びストローブ信号STBが入力され、コマンド出力ポートPoからは、出力バッファ45を経由して、制御コマンドCMD’及びストローブ信号STB’が出力されるよう構成されている。
具体的には、入力ポートPiには、主制御基板21から出力された制御コマンドCMDとストローブ信号(割込み信号)STBとが、入力バッファ44において、ワンチップマイコン40の電源電圧3.3Vに対応する論理レベルに変換されて8ビット単位で、ワンチップマイコン40に供給される。割込み信号STBは、ワンチップマイコン40の割込み端子に供給され、受信割込み処理によって、演出制御部22は、制御コマンドCMDを取得するよう構成されている。
演出制御部22のワンチップマイコン40が取得する制御コマンドCMDには、(1)異常報知その他の報知用制御コマンドなどの他に、(2)図柄始動口への入賞に起因する各種演出動作の概要特定する制御コマンド(変動パターンコマンド)や、図柄種別を指定する制御コマンド(図柄指定コマンド)が含まれている。ここで、変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当たり抽選における当否結果とが含まれている。
また、図柄指定コマンドには、大当たり抽選の結果に応じて、大当たりの場合には、大当たり種別に関する情報(15R確変、2R確変、15R通常、2R通常など)を特定する情報が含まれ、ハズレの場合には、ハズレを特定する情報が含まれている。変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当り抽選における当否結果とが含まれている。なお、これらに加えて、リーチ演出や予告演出の有無などを含めて変動パターンコマンドで特定しても良いが、この場合でも、演出内容の具体的な内容は特定されていない。
そのため、演出制御部22(ワンチップマイコン40)では、変動パターンコマンドを取得すると、これに続いて演出抽選を行い、取得した変動パターンコマンドで特定される変動演出の演出概要を具体化している。例えば、リーチ演出や予告演出について、その具体的な内容を決定して一連の変動演出が特定される。そして、決定された具体的な遊技内容にしたがい、LED群などの点滅によるランプ演出や、スピーカによる音声演出の準備動作を行うと共に、画像制御部23に対して、ランプやスピーカによる演出動作に同期した画像演出に関する制御コマンド(演出コマンド)CMD’を出力する。
本実施例では、一連の変動演出の種類に対応して、複数のメインシナリオテーブルMj(図9(b)参照)が用意されており、演出抽選の結果に基づき、複数のメインシナリオテーブルMjの何れか一以上が特定される。例えば、一連の変動演出を実現するメインシナリオテーブルM0と、適宜なタイミングで機能する一又は複数の予告演出を実現するメインシナリオテーブルMx、My・・・が特定される。なお、変動パターンコマンド受信時に全てのメインシナリオテーブルMjを特定する必要はなく、例えば、図柄指定コマンドの受信時に、そのコマンドで指定された図柄に対応して、一又は複数のメインシナリオテーブルMjを特定してもよい。
何れにしても、メインシナリオテーブルMjには、互いに関連して実行されるべき音声演出、ランプ演出、及びモータ演出について、その演出内容を特定するシナリオ情報と、その演出の実行継続時間が記載されているが、図9(b)のメインシナリオテーブルMjには、便宜上、ランプ演出やモータ演出に関する記載を省略している。
図9(b)に例示するように、音声演出についてのシナリオ情報は、具体的には、サブシナリオテーブルSkのサブシナリオ番号である。そして、サブシナリオ番号で特定されるサブシナリオテーブルSkには、単位演出を特定するフレーズ番号NUMや、その単位演出の再生ボリューム値などが規定されている(図9(c)参照)。
演出制御部22の演出動作に同期した画像演出を実現するため、演出制御部22は、コマンド出力ポートPoを通して、画像制御部23に対するストローブ信号(割込み信号)STB’と共に、16ビット長の制御コマンドCMD’を画像インタフェイス基板28に向けて出力している。そして、演出抽選に関わる演出コマンドCMD’を受けた演出制御部22は、演出コマンドCMD’に対応する画像シナリオテーブルを特定し、その画像シナリオテーブルに規定された画像演出を開始する。
上記した演出制御基板22の構成に対応して、出力バッファ45が設けられており、16ビット長の制御コマンドCMD’と1ビット長の割込み信号STB’を画像インタフェイス基板28に出力している。そして、これらのデータCMD’,STB’は、画像インタフェイス基板28を経由して、画像制御基板23に伝送される。なお、これらの信号は、ワンチップマイコン40の電源電圧3.3Vに対応する論理レベルである。
図6(a)には、音声プロセッサ42の概略内部構成と共に、音声プロセッサ42と、ワンチップマイコン40(演出制御CPU)と、音声メモリ43と、の接続関係も示されている。図6(a)に示す通り、音声プロセッサ42は、演出制御CPU40からアクセスされる多数の音声制御レジスタ51(RG0〜RGn)と、音声再生動作を統括的に制御するサウンドコントロールモジュール52と、音声メモリ43から読み出されたフレーズ圧縮データをデコードすると共に、複数のフレーズ再生チャンネルCH0〜CH31のデコードデータを適宜な音量比率で混合させるメインジェネレータ53と、デジタルフィルタ処理によって所望の周波数特性を実現するイコライザ機能や入出力ゲイン特性を変化させるコンプレッサ機能を実現するエフェクト部54と、最終音量を規定するトータルボリュームTVと、シリアル伝送用の5種類の信号SCLK,LRO,SD0,SD1,SD2を生成するデジタルIF部55と、を備えて構成されている。
メインジェネレータ53の内部構成を更に詳細に示すと、図7に示す通りであり、メインジェネレータ53は、独立してデコード処理が可能な32個のフレーズ再生チャンネル(CH0〜CH31)に区分されたデコーダ60と、一次ボリュームV1、二次ボリュームVs(=V2,V3,V4)、及び、パンポット部を有して音声ボリュームや音量バランスを調整可能なチャンネルボリュームと、32個のフレーズ再生チャンネル(CH0〜CH31)の音声を混合するチャンネルミックス部61と、を有して構成されている。
図7に示す通り、フレーズ再生チャンネル(CH0〜CH31)毎に、L0信号、R0信号、R1信号、L1信号、SUB0信号、SOB1信号が出力されるが、これら6種類(合計32×6個)の信号は、チャンネルミックス部61で混合されて、混合L0信号、混合R0信号、混合R1信号、混合L1信号、混合SUB0信号、混合SUB1信号として出力される。
混合L0信号と混合R0信号は、各々、デジタルアンプ46bでD級増幅された後、上部左右のスピーカTL,TRに供給され、また、混合L1信号と混合R1信号についても、各々、デジタルアンプ46bでD級増幅された後、中部左右のスピーカML,MRに供給される。一方、混合SUB0信号と混合SUB1信号については、各々、デジタルアンプ46aでD級増幅された後、低音用のスピーカBTMに供給される。
なお、6チャンネルの信号L0,R0,R1,L1,SUB0,SOB1は、メインジェネレータ53→エフェクト部54→トータルボリュームTV→デジタルIF部55を経由する過程では、何れもPCMデータであり、デジタルアンプ46a,46bを経由することでアナログ信号となる。また、6チャンネルの信号L0,R0,L1,R1,SUB0,SOB1が、3チャンネルの音声シリアル信号SO0〜SD2に纏められて、デジタルアンプ46a,46bに伝送される。
先に概略的に説明した通り、音声プロセッサ42の音声制御レジスタ51(RGi)は、音声プロセッサ42を意図した通りに機能させるために、演出制御CPU40がWrite 処理する書込みレジスタと、音声プロセッサ42の動作状態を把握するために、演出制御CPU40がRead処理する読出しレジスタと、に区分されている。
書込みレジスタへの書込みデータには、(1)再生すべきBGM音や演出音の単位演出を特定するフレーズ番号NUM、(2)その再生音のボリューム(V1,Vs)指示、(3)再生回数を規定するループ指示、(4)再生開始や一時停止などの動作指示、(5)上下スピーカや左右スピーカの音量バランスであるパンポットの指示、(6)最終的なボリューム(TV)指示などが含まれている。ここで、演出音には、一連の変動動作中に大当り状態に移行する可能性があることを所定の信頼度(≦100%)で予告する予告音が含まれる。
また、(1)フレーズ番号NUMの指定、(2)ボリューム(V1/Vs)指示、(3)ループ指示、(4)動作指示、及び(5)パンポット指示は、全て、デコーダ60のフレーズ再生チャンネルCH0〜CH31を指定して行われるよう構成されている。そのため、フレーズ再生チャンネルCH0〜CH31に対応して、最高32種類のフレーズ圧縮データが、各々、上記の指示(1)〜(5)に基づいて同時に独立して再生され、チャンネルミックス部61でミキシングされて出力されることになる。
なお、本実施例では、音声信号のボリューム値を段階的に遷移させるボリューム遷移動作をソフトウェア的に実現しており、一次ボリュームV1、二次ボリュームVs(=V2,V3,V4)、及びトータルボリュームTVに対してボリューム遷移動作が可能となる。但し、本実施例では、制御負担を考慮して、二次ボリュームVs(=V2,V3,V4)についてだけ、ボリューム遷移動作を実行している。
二次ボリュームVsのボリューム遷移動作は、具体的には、フェードアウト動作やフェードイン動作を意味する。そして、ボリューム遷移動作は、サブシナリオテーブルSkに記載されている指示値に基づき、(1)最終的なボリューム値である目標値と、(2)その目標値に至るまでの遷移速度とを先ず特定し、二次ボリュームVsのボリューム指示値を段階的に推移させることで実現される。
すなわち、本実施例では、フェードアウト動作やフェードイン動作だけでなく、パンポット演出における左右パンポットや上下パンポットにおいて、急にパン(定位)が上下左右に変化する動作や、ゆっくりパンが変位する動作も含め、全てのボリューム遷移動作が、演出制御CPU40によるソフトウェア処理によって実現される。
ところで、音声プロセッサ42のサウンドコントロールモジュール52は、音声制御レジスタ51(RGi)に書込まれた演出制御CPU40からの個々の指示に基づいて、指示毎に装置各部を機能させる。そして、本実施例では、演出制御CPU40の制御動作を簡素化するべく、音声プロセッサ42に、シンプルアクセス機能やシーケンサ機能を設けている。ここで、シンプルアクセスとは、外部メモリ(具体的には音声メモリ43)に予め登録しておいた複数のコマンド(指示列)を、1つのコマンドで実行可能な機能であり、シーケンサとは、フレーズ再生やボリューム/パンの機能を、音声メモリ43に予め登録しておいた手順にしたがって実現する自動演奏機能を意味する。
本実施例では、必要に応じて、上記したシンプルアクセス機能やシーケンサ機能を活用するが、メインジェネレータ53の動作としては、これらの機能を活用した場合も、活用しない場合も基本的に同じである。そこで、便宜上、以下の説明では、演出制御CPU40は、シンプルアクセス機能やシーケンサ機能を使用することなく、個々的に音声プロセッサ42を制御することにする。
先に説明した通り、メインジェネレータ53は、複数のフレーズ再生チャンネル(CH0〜CH31)に区分されたデコーダ60と、一次ボリューム部V1と二次ボリューム部Vs(=V2,V3,V4)を有するチャンネルボリュームと、を有して構成されている(図6(a)及び図7参照)。そこで、このような構成に対応して、本実施例の演出制御CPU40は、BGM音の再生には、フレーズ再生チャンネルCH0〜CH1のデコーダを使用し、重大な異常事態の発生を報知するエラー報知には、フレーズ再生チャンネルCH29のデコーダを使用するようにしている。
また、予告演出などを実現する演出音の再生には、22個のフレーズ再生チャンネルCH2〜CH23の何れか空き状態のデコーダを使用し、操作有効音の再生にはフレーズ再生チャンネルCH27を使用し、入賞音の再生にはフレーズ再生チャンネルCH28を使用するようにしている。ここで、操作有効音とは、例えば、チャンスボタン11の押下に対応して発生する演出音である。また、入賞音とは、例えば、変動演出の終了時に、大当り状態の招来が確定したことを祝福したり、ボタンチャンス状態のボタン操作に成功してチャンス状態を実効化できたことを祝福する演出音である。なお、CH24〜26,CH30〜31は別の用途で使用しているが、本発明の趣旨に関連しないので説明を省略する。
何れにしても、本実施例では、発生頻度の低く、且つ、音声パターンが、ほぼ画一化されているエラー報知音、操作有効音、及び、入賞音については、使用するフレーズ再生チャンネルを固定化することで制御負担の軽減を図っている。一方、予告演出などを実行する場合には、多種類の音声(フレーズ番号NUMで特定される単位演出)を多重的に組み合わせる必要があるので、22個のフレーズ再生チャンネルCH2〜CH23のうち、その時に空き状態のデコーダを選択的に使用するようにしている。
但し、空き状態のデコーダの検索処理の円滑化のため、本実施例では、22個のフレーズ再生チャンネルCH2〜CH23を、演出優先度に応じて、上位チャンネルSE1(CH2〜CH7)と下位チャンネルSE2(CH8〜CH23)に二分している。なお、優先度とは、同時に再生される複数の単位演出の各ボリューム値の大小を意味し、優先度の高い単位演出を上位チャンネルで再生し、優先度の低い単位演出を下位チャンネルで再生することで、重複演出時におけるボリューム値の管理を容易化している。すなわち、本実施例では、必要に応じて、上位チャンネルSE1のボリューム値を纏めて増大させ、逆に、下位チャンネルSE2のボリューム値を纏めて減少させることで、時間的に重複する複数の予告演出を効果的に再生している。また、必要に応じて、BGM音の音量を抑制することで、演出音の聞き漏らしを防止している。なお、以下の説明では、上位チャンネルSE1で再生される演出音を、予告音SE1又は演出音SE1と表現し、下位チャンネルSE2で再生される演出音を、予告音SE2又は演出音SE2と表現することがある。
さて、図6に戻って、音声プロセッサ42の内部構成の説明を続けると、図6(a)や図7に示すように、チャンネルミックス61の6チャンネルの出力信号(混合L0,混合R0,混合L1,混合R1,混合SUB0,混合SUB1)は、エフェクト部54において、所定の音声制御レジスタ51(RGi)に規定された動作パラメータに基づくデジタルフィルタ処理がされた後、トータルボリューム部TVに供給され、トータルボリューム値TVに基づいて増幅される。トータルボリューム値TVは、対応する音声制御レジスタ51(RGi)に書込まれる動作パラメータで規定されるが、この動作パラメータは、本実施例では、原則として、係員が操作する設定スイッチSET(図3)に基づいて規定される。但し、遊技者が遊技動作中(但し、音声演出待機中)に、音量スイッチVSW(図1)を操作した場合には、その設定値に基づいてトータルボリュームTVが規定される。
以下、概念的に説明すると、各スピーカから出力される音声信号の音量は、演出制御CPUが規定する一次ボリュームV1及び二次ボリュームVsの積と、遊技者の意図に基づくトータルボリュームTVとの積で規定されるので、全ての音声演出は、遊技者の意図する音量で実現されることになる。但し、重大な異常事態の検出時には、二次ボリュームVsは最小値となり、係員や遊技者の意図に拘わらず、フレーズ再生チャンネルCH29の一次ボリュームV1とトータルボリュームTVが最高レベルとなるので、違法行為時の警報音(異常報知音)を、音量スイッチVSWの操作で隠蔽することはできない。
このような意義を有するトータルボリューム部TVを経過した音声信号(混合L0,混合R0,混合L1,混合R1,混合SUB0,混合SUB1)は、出力バッファBUFに格納され、デジタルIF部55に基づいて3チャンネルのシリアル信号SD0,SD1,SD2に変換される。先に説明した通り、シリアル信号SD0とSD1は、遊技機の上部と中部に配置された左右スピーカTR,TL,MR、MLを駆動するステレオ信号R,Lに関するPCMデータを特定するシリアル信号であり、シリアル信号SD2は、遊技機下部に配置された低音用スピーカを駆動するモノラル信号に関するPCMデータを特定するシリアル信号である。そして、これらのシリアル信号SD0,SD1,SD2は、ビットクロック信号BCOに同期して、チャンネル制御信号(ワードクロック信号)LROと共に出力される(図6(b))。
続いて、音声演出動作のうち、本実施例に特徴的な部分を中心に演出制御部22の動作を説明する。図8は、演出制御部22の動作内容の特徴部分を示すフローチャートである。演出制御部22の動作は、演出制御CPU40がリセットされた後、無限ループ状に実行されるメイン処理(図8(a))と、1mS毎に起動されるタイマ割込み処理(図8(b))と、主制御部21が送信する制御コマンドを受信する受信割込み処理(不図示)と、音声プロセッサ42から受ける割込み信号で起動される再生完了割込み処理(図8(c))と、を含んで実現される。
まず、図8(b)に示すタイマ割込み処理の要部を説明すると、タイマ割込み処理では、割込みカウンタをインクリメント(+1)すると共に(ST20)、送信すべき演出コマンドCMD’が準備されている場合には、その演出コマンドCMD’を画像制御部23に送信する(ST21)。そして、その他の処理を実行して割込み処理を終える(ST22)。その他の処理としては、演出モータを使用したモータ演出や、LEDランプを点滅させるランプ演出を進行させる処理が含まれている。
続いて、図8(a)に示すメイン処理を説明すると、CPUリセット後、演出制御CPUは、最初に、RAMワーク領域や、ワンチップマイコン40及び音声プロセッサ42の内部回路について適宜な初期設定動作を実行する(ST10)。次に、タイマ割込み処理で1ms毎に更新される割込みカウンタが16に達するのを待ち(ST11)、割込みカウンタが16に達すると、その割込みカウンタをゼロクリアした上で(ST12)、ステップST12〜ST19のループ処理を実行する。
したがって、ステップST12〜ST19のループ処理は16mS毎に繰り返し実行されることになる。ループ処理では、前回のスイッチ入力処理(ST15)で取得されたスイッチ信号や、受信割込み処理で取得した制御コマンド(エラーコマンド)に基づいてエラー処理が実行される(ST13)。このエラー処理には、エラーシナリオに基づいて実行されるエラー報知処理が含まれており、検出された異常事態に対応するエラーシナリオが、先ず、特定される。
次に、非遊技状態が所定時間継続しているか否かが判定され、遊技動作が認められない場合には、所定のデモシナリオに基づいてデモ処理が実行される(ST14)。続いて、係員が操作した設定スイッチSETや、遊技者が操作するチャンスボタン11の押圧操作を判定するスイッチ入力処理が実行される(ST15)。そして、このタイミングがボタンチャンス状態であれば、ボタンチャンス遊技のチャンスシナリオが特定され、そのシナリオに基づいてチャンス遊技が開始される。
次に、受信割込み処理で取得した制御コマンドCMDを解析するコマンド解析処理が実行される(ST16)。そして、所定の制御コマンド(変動パターンコマンド)を受けた場合には、具体的な演出内容を決定するための演出抽選を実行し、決定結果に対応して特定される演出シナリオに基づいて一連の変動演出が開始される(ST16)。
一連の変動演出は、表示装置DSを使用した画像演出と、ランプを点滅させるランプ演出と、スピーカを使用した音声演出と、が連動して同期的に実行され、必要に応じて役物演出が付加される。そのため、これらの一連の変動動作を特定する演出シナリオには、各種の演出の具体的内容が、その実行開始時間や実行継続時間と共に規定されている。なお、所定のシナリオに基づいて、画像演出、ランプ演出、及び音声演出が同期的に実行されることは、前記したエラーシナリオ、デモシナリオ、チャンスシナリオについても同様である。
そして、本実施例では、演出シナリオ、エラーシナリオ、デモシナリオ、チャンスシナリオに関し、一連の変動演出を特定する一又は複数のメインシナリオテーブルMjが用意されており、メインシナリオテーブルMjには、各々、その演出内容を特定するシナリオ情報(サブシナリオ番号)と、その演出の実行継続時間が記載されている。なお、便宜上、図9(b)のメインシナリオテーブルMjには、ランプ演出やモータ演出に関する記載が省略されていることは先に説明した通りである。
何れにしても、エラー報知、デモ演出、ボタン演出、変動演出が実行される場合には、その内容を、時間の経過と共に進行させる必要があるので、次に、そのためのシナリオ更新処理が実行される(ST17)。シナリオ更新処理は、16ms毎に実行されるので、必要な切換タイミングに達すると、次に実行すべき演出内容を特定するための処理を実行する。具体的には、実行中のシナリオについて、メインシナリオテーブルMjやサブシナリオテーブルSkの参照位置を更新することになる。
この点を、音声演出に関して説明すると、音声演出は、音声プロセッサ42が、演出制御CPU40から受ける音声コマンドSNDに基づいて実行される。すなわち、音声演出は、音声プロセッサ42が、音声コマンドSNDで特定される所定の単位演出を、所定の音量を再現することで実行される。したがって、音声演出の切換タイミングに達すると、演出制御CPU40は、新たな単位演出と、その再生音量を特定する音声コマンドを音声プロセッサに送信することになり、その一連の処理がシナリオ更新処理に他ならない(ST17)。
以上のような内容のシナリオ更新処理が終われば、次に、フェード処理が実行される(ST18)。ここで、フェード処理とは、実行中の音声演出に関し、その音量を変化させる音量変更処理を意味する。典型的には、重複して再生されるBGM音や演出音(予告音)に関して、互いの音量調整が実行される。例えば、(1)所定の予告音を再生するために、再生中のBGM音の音量を抑制する、(2)再生中の予告音に重ねて重要度(信頼度)の高い別の予告音を再生するため、再生中の予告音の音量を抑制する、(3)エラー報知のために、BGM音や演出音の音量を抑制する、などの動作が該当する。
なお、音量調整の態様には、一気に目標音量に変更する瞬時動作だけでなく、段階的の音量を変更するフェードイン動作やフェードアウト動作も含まれる。何れの場合も、フレーズ再生チャンネルCHnと、その再生チャンネルCHnにおける再生音量を特定する音声コマンドSNDを、演出制御CPU40が、音声プロセッサ42の所定の音声制御レジスタ51(RGi)に書込むことで実行される。再生音量の特定は、一次ボリューム値V1又は二次ボリューム値Vsで特定されるが、BGM音や予告音SE1,SE2の再生音量は、瞬時動作及びフェード動作とも、二次ボリュームVsの設定値で特定され、エラー報知音の再生音量は、一次ボリュームV1と二次ボリュームVsに対するボリューム設定値で特定される。ボリューム設定値は、適宜に設定されるが、エラー報知時には、フレーズ再生チャンネルCH29の一次ボリュームV1を最大値に設定する一方、他のフレーズ再生チャンネルCH0〜28,CH30〜31の一次ボリュームV1を最小値に設定している。
以上のような内容のフェード処理(ST18)が終われば、他の処理を実行した上でステップST11の処理に移行する。なお、他の処理には、シリアルポートSIからシリアル送信されるランプ駆動データSDATA0〜SDATA2の更新処理や、演出抽選用の乱数値の更新処理などが含まれる。
以上説明した通り、本実施例の演出動作は、エラーシナリオの登録(ST13)、デモシナリオの登録(ST14)、チャンスボタンシナリオの登録(ST15)、演出シナリオのシナリオ登録(ST16)などの登録処理でシナリオテーブルを特定すると共に、初期データを設定することから開始される。後述するように、この登録動作は、空き状態の進行管理チャンネルMCHmに、メインシナリオ番号と、待機時間を書込む処理である。そして、その後は、16mS毎に、演出制御CPU40が、各シナリオテーブルを参照し(ST17)、更新タイミングに達すると、シナリオテーブルの参照位置を推移させて演出動作を進行させることになる。
ここで、演出シナリオテーブルは、メインシナリオテーブルMj(図9(b))と、メインシナリオテーブルMjで特定されるサブシナリオテーブルSk(図9(c))と、に大別されるが、一連の変動演出は、その演出途中で複数のメインシナリオが並走状態となるのが一般的であり、その結果、演出制御CPU40は、複数のメインシナリオテーブルMj〜Mxと、これらに対応する複数のサブシナリオテーブルSk〜Syに基づいて、音声演出を多重的に進行させることになる。なお、本実施例では、シナリオ番号とシナリオテーブルが一対一に対応しているので、以下の説明では、メインシナリオテーブルMjを、メインシナリオ番号mcNoやメインシナリオと同一視し、サブシナリオテーブルSkを、サブシナリオ番号scNoやサブシナリオと同一視することがある。
以上の概略説明を踏まえて、演出シナリオ(ST16参照)を実効化する音声演出について更に詳細に説明する。先に説明した通り、本実施例では、音声プロセッサ42のフレーズ再生チャンネルCH0〜CH31の空きチャンネルCHnを適切に選択するための選択動作と、複数のメインシナリオテーブルMj〜Mx、及び、複数のサブシナリオテーブルSk〜Syに対する適切な参照動作とが必要となる。そこで、これらの動作を円滑化するため、本実施例では、図8(d)に示すような、シナリオ進行テーブルINFO_TBLと、図8(e)に示す使用CH管理テーブルPlayNow_TBL とを設けている。
図8(d)に示す通り、シナリオ進行テーブルINFO_TBLは、実行中のメインシナリオ番号Mjを特定するための進行管理チャンネルMCHmに、メインシナリオ番号Mjで特定される演出シナリオを進行させるための変数値を、書換え可能に構成された2次元配列となっている。特に限定されるものではないが、進行管理チャンネルMCHmは64チャンネル(m=0〜63)であり、演出シナリオを進行させるための変数値には、(1)メインシナリオ番号mcNo、(2)シナリオタイマscTm、(3)メインシナリオ実行ラインmcIx、(4)サブシナリオ実行ラインscIx、及び、(5)待機時間delay 、が含まれている。
ここで、(1)メインシナリオ番号mcNoは、メインシナリオテーブルMjを特定する番号情報、(2)シナリオタイマscTmは、メインシナリオ番号mcNoで特定される演出シナリオの進行を管理する時間情報、(3)メインシナリオ実行ラインmcIxは、メインシナリオテーブルMjの参照行を特定するライン情報、(4)サブシナリオ実行ラインscIxは、サブシナリオテーブルSkの参照行を特定するライン情報、(5)待機時間delay は、進行管理チャンネルMCHmに、メインシナリオ番号mcNoが書込まれてから、そのメインシナリオ番号mcNoの演出シナリオの実行を開始するまでの遅延時間であり、演出開始タイミングを特定することになる。なお、シナリオタイマscTmや遅延時間delay は、16mSを一単位とした時間情報である。
例えば、図8(d)に例示する進行管理チャンネルMCH0の登録情報は、進行管理チャンネルMCH0への情報登録後、60*16mS後に、メインシナリオM10が開始されることを意味する。また、進行管理チャンネルMCH1の登録情報によれば、進行管理チャンネルMCH1への情報登録後、直ちにメインシナリオM20が開始されることになる。そして、ステップST13,ST14,ST15,ST16の処理で実行されるシナリオ登録処理とは、空き状態の進行管理チャンネルMCHmの何れかに、メインシナリオ番号mcNoと、待機時間delay を書込むことを意味する。また、このシナリオ登録処理では、シナリオタイマscTm、メインシナリオ実行ラインmcIx、及びサブシナリオ実行ラインscIxに初期値を書込むが、これらの値は、シナリオ更新処理(ST17)で適宜に更新される。
図8(e)に示す通り、使用CH管理テーブルPlayNow_TBL は、音声プロセッサ42のフレーズ再生チャンネルCH0〜CH31の使用状態を管理する管理テーブルであり、この実施例では、フレーズ再生チャンネルCH0〜CH29について、「再生中」「停止中」「一時停止中」の何れの状態であるかを記憶している。これらの情報は、音声プロセッサ42の所定の音声制御レジスタ51(RGi)から、ステイタスフラグ値を読み出すことで把握できるが、本実施例では、「再生中」と「一時停止中」については、演出制御CPU40のプログラム制御に基づいて設定している。そのため、本実施例では、再生開始や一時停止の音声コマンドSNDを、音声プロセッサ42に発行してから、音声プロセッサ42が実際に反応するまでの時間遅れが問題となることがない。
この点は、シナリオ進行テーブルINFO_TBLの進行管理チャンネルMCHmを64チャンネル設け(m=0〜63)、各進行管理チャンネルMCHmにおける解析処理で必要となる音声コマンドSNDを連続して送信する本実施例では特に重要である。すなわち、音声コマンドSNDの送信に先行して、音声プロセッサ42をアクセスして、ステイタスフラグからフレーズ再生チャンネルCH0〜CH29の空き状況を調べたのでは、直前に発行した音声コマンドSNDが指定するフレーズ再生チャンネルCHnは、依然として、「停止中」を維持している場合が多く、そのため、直前に指定したフレーズ再生チャンネルCHnを重複して指定する可能性があり、これでは、先の単位演出を消滅させることになる。
一方、使用CH管理テーブルPlayNow_TBL における「停止中」の情報については、図8(c)に示す再生完了割込み処理に基づいて更新している。すなわち、演出制御CPU40は、音声プロセッサ42から割込み信号を受けると、音声プロセッサ42の所定の音声制御レジスタRGiをアクセスして、再生終了したフレーズ再生チャンネルCHnを特定する(ST25)。次に、再生終了したフレーズ再生チャンネルCHnについて、使用CH管理テーブルPlayNow_TBL のデータを、「再生中」から「停止中」に書き換える(ST26)。
そのため、本実施例によれば、その時々に使用可能なフレーズ再生チャンネルCHnの最新状況を、リアルタイムに把握することができ、最適なフレーズ再生制御を実現することができる。すなわち、空きチャンネルCHnの把握が適切でないと、例えば、チャンネル数(=6)の限られた上位チャンネルSE1(CH2〜CH7)において、同時実行すべき単位演出の実行を回避せざるを得ない状況が発生するが、本実施例では、上位チャンネルSE1を有効活用して、最高6個の単位演出を適切に同時実行することができる。なお、先に説明した通り、本実施例で、単位演出とは、一のフレーズ番号NUMで特定されるひと纏まりの演出音やBGM音である。
続いて、図9に基づいてシナリオ更新処理(ST17)について更に説明する。このシナリオ更新処理では、シナリオ進行テーブルINFO_TBLの全ての進行管理チャンネルMCHm(m=0〜63)について、ステップST31〜ST43の処理を実行して、必要な音声コマンドSNDを、順次、音声プロセッサ42に送信している。このような動作を実現するため、シナリオ更新処理では、先ず、シナリオ進行テーブルINFO_TBLにおける、特定の進行管理チャンネルMCHmに、有意なメインシナリオ番号mcNoが記載されている否かを先ず判定する(ST31)。そして、m番目の進行管理チャンネルMCHmに、有意なメインシナリオ番号mcNoが記載されていない場合には、次のm+1番目の進行管理チャンネルMCHm+1について判定するべくステップST44にジャンプする。
一方、m番目の進行管理チャンネルMCHmに、有意なメインシナリオ番号mcNoが記載されている場合には、その進行管理チャンネルMCHmに記載されている待機時間delay の値を判定する(ST32)。先に説明した通り、待機時間delay の値は、進行管理チャンネルMCHmに、メインシナリオ番号mcNoが書込まれてから、そのメインシナリオ番号mcNoの演出シナリオの実行を開始するまでの遅延時間を意味する。そこで、待機時間delay ≠0の場合は、待機時間delay をデクリメント(−1)して処理を終える(ST33)。
逆に、待機時間delay =0であれば、その進行管理チャンネルMCHmに記載されているメインシナリオ番号mcNoに対応するメインシナリオテーブルMjにおいて、メインシナリオ実行ラインmcIxが特定する参照行を参照する(ST34)。図9(b)に例示する通り、メインシナリオテーブルMjには、そのメインシナリオMjを実現する一又は複数のサブシナリオ番号scNoと、各サブシナリオの実行継続時間が記載されている。そして、メインシナリオ実行ラインmcIxが参照行を特定し、16mS毎に更新されるシナリオタイマscTmの進行によって実行継続時間が管理されている。
例えば、メインシナリオ番号M01のメインシナリオは、サブシナリオ番号S02のサブシナリオを1500*16mS実行した後、サブシナリオ番号S20のサブシナリオを500*16mS実行し、最後に、サブシナリオ番号S21のサブシナリオを2000*16mS実行して処理を終える。なお、D_SEEND はデータ終了を意味する。なお、終了データに代えて、D_SELOP+0 などのループ指定が記載されている場合があり、この場合には、+以降で示すジャンプ行(図示例では先頭行が0である)にジャンプしてジャンプ行以下の処理を繰り返すことになる。
また、メインシナリオ番号M02のメインシナリオについても同様であり、サブシナリオ番号S01のサブシナリオを3000*16mS実行した後、サブシナリオ番号S25のサブシナリオを1000*16mS実行し、最後に、サブシナリオ番号S26のサブシナリオを1000*16mS実行して処理を終える。
メインシナリオテーブルMjによって特定されるサブシナリオテーブルSkは、図9(c)や、図12(b)及び図12(c)に例示する通りであり、サブシナリオ実行ラインscIxで管理される複数行に、シナリオタイマscTmで管理される演出開始タイミングを規定して、具体的な音声演出の内容が特定されている。すなわち、サブシナリオテーブルSkの各行には、(1)単位演出を特定するフレーズ番号NUM、(2)その再生態様を特定する再生態様情報、(3)音声演出の途中で生じるフェード偏移や瞬時偏移などのボリューム遷移態様(音コントロール情報)、の全部又は一部が規定されている。なお、再生態様は、再生音量(二次ボリュームVs)、ループ要求、ステレオ要求などで特定される。
例えば、図12(b)に示すサブシナリオテーブルSk(=001)の1行目及び2行目や、図12(c)に示すサブシナリオテーブルSk(=002)の2行目のタイミングのように、新規の単位演出が開始される場合には、(1)フレーズ番号NUM、及び(2)再生態様情報が必須的に記憶されている。そして、その開始タイミングに合わせて、他の単位演出の音量を変化させる場合には、更に、(3)音コントロール情報が記憶されている。
一方、図12(b)に示すサブシナリオテーブルSk(=001)の3行目や、図12(c)に示すサブシナリオテーブルSk(=002)の2行目や3行目のタイミングでは、新規の単位演出が開始されることはなく、それまでに実行されている単位演出についての音量が変化する。
図9(c)に戻って説明を続けると、本実施例のサブシナリオテーブルSkは、(1)単位演出を特定するフレーズ番号NUMと、(2)単位演出の再生態様情報については、単位演出の種別に対応して、区分して記憶されている。ここで、単位演出の種別とは、その単位種別が、BGM音か、演出音SE1か、演出音SE2か、エラー報知音か、操作有効音か、入賞音かの6種別であり、この種別数(=6)に対応して、サブシナリオテーブルSkは、6区画されており、これに音コントロール情報の区画を加え、全体として7区画されている(図12(b)、図12(c)参照)。なお、先に説明した通り、BGM音、エラー報知音、操作有効音、及び、入賞音は、これを再生するために使用する音声プロセッサ42のフレーズ再生チャンネルCHnが予め固定的に規定されている。一方、上位の演出音SE1や、下位の演出音SE2は、空き状態のフレーズ再生チャンネルCHnから任意に選択される。
図9(b)と図9(c)に関して、更に具体的に確認すると、メインシナリオ番号M02で特定される演出シナリオでは、最初、サブシナリオ番号S01のサブシナリオが選択される。そして、サブシナリオ番号S01のサブシナリオでは、直ちに1行目の音声演出を開始し、シナリオタイマscTm=1000のタイミングで2行目の音声演出に移行し、更に、シナリオタイマscTm=1500のタイミングで、3行目の音声演出を開始する。そして、3行目の情報で規定される音声演出が終われば、サブシナリオS01の処理を終えることになる。以上の説明において、音声演出の開始とは、主として、サブシナリオテーブルSkの該当行に記載された単位演出が新規に開始されることを意味するが、図12(b)や図12(c)から確認される通り、実行中の単位演出のボリューム遷移動作の開始も含まれている。
何れにしても、サブシナリオS01の3行目の音声演出を開始した後は、図9(b)のメインシナリオテーブルM02に戻り、シナリオタイマscTm=3000のタイミングで、サブシナリオ番号S25のサブシナリオが選択され、実行継続時間1000*16msを要して、サブシナリオ番号S25の音声演出を実行することになる。なお、サブシナリオS01の3行目で特定される音声演出は、その単位演出の再生時間の満了や、ボリューム遷移動作の終了によって自動的に終了する。
図9(a)のステップST34以下の処理は、以上の動作を実現するものである。先に説明した通り、ステップST34の処理では、所定の進行管理チャンネルMCHmに記載されているメインシナリオ番号mcNoに対応するメインシナリオテーブルMj(図9(b)参照)において、メインシナリオ実行ラインmcIxが特定する参照行を参照するので、次に、その参照行のデータを判定することになる(ST35)。
そして、そのデータが最終データD_SEEND であれば、進行管理チャンネルMCHmに記載されているメインシナリオの実行が終了したとになるので、進行管理チャンネルMCHm(図8(b)参照)に記載されているメインシナリオ番号mcNoを削除してシナリオ更新処理を終える(ST36)。そのため、それまで使用されていた進行管理チャンネルMCHmは、その後に開始される他のメインシナリオのために解放されたことになり、新規のシナリオ登録時の初期データの設定処理によって、シナリオタイマscTm、サブシナリオ実行ラインscIx、及び、メインシナリオ実行ラインmcIxがクリアされる。
一方、参照行のデータが最終データD_SEEND でなく、継続時間情報であれば、その参照行に記載されているサブシナリオ番号scNoと、シナリオタイマscTmと、サブシナリオ実行ラインscIxに基づいて、サブシナリオSkを更新し、必要な音声コマンドSNDを音声プロセッサ42に送信する(ST37)。なお、その詳細は、図12に基づいて後述する。
次に、シナリオタイマscTmを+1して更新し(ST38)、更新後のシナリオタイマscTmの値が、メインシナリオテーブルMjに記載されている継続時間以上であるか否かを判定する(ST39)。そして、シナリオタイマscTm≧継続時間となる場合には、メインシナリオ実行ラインmcIxを+1して更新する(ST40)。
そして、更新後のメインシナリオ実行ラインmcIxが指示する情報を判定し(ST41)、その情報が、「D_SELOP +ジャンプ先」で示すループ指定である場合には、メインシナリオ実行ラインmcIxをジャンプ先の行に変更する(ST42)。何れにしても、シナリオタイマscTm≧継続時間となったことは、サブシナリオ番号で特定される一のサブシナリオSk(メインシナリオMjの一単位)が終了したことを意味する。そこで、その進行管理チャンネルMCHmにおいて、シナリオタイマscTmと、サブシナリオ実行ラインscIxと、待機時間delay をクリアする(ST43)。なお、メインシナリオ実行ラインmcIxと、シナリオタイマscTmの値は、次のサブシナリオの実行のために維持される。
以上説明したステップST31〜ST43の処理は、m番目の進行管理チャンネルMCHm(m=0〜63)についての処理であるから、次に、m+1番目の進行管理チャンネルMCHm+1について同様の処理をするべく、処理をステップST31に移行させる(ST43)。そして、全64チャンネルについての処理が終われば、シナリオ更新処理(ST17)を終える。
続いて、ステップST37のサブシナリオ更新処理について図10(a)に基づいて説明する。先に説明した通り、サブシナリオ更新処理は、シナリオ進行テーブルINFO_TBLに登録されているメインシナリオ番号mcNoに対応するメインシナリオテーブルMjにおいて、メインシナリオ実行ラインmcIxで特定されるサブシナリオ番号scNoを特定した状態で開始される。そこで、サブシナリオ番号scNoに対応するサブシナリオテーブルSkにおいて、サブシナリオ実行ラインscIx(図8(d)参照)で特定されるアドレス値を取得する(ST50)。
ここで、そのアドレスの記憶データが終了データD_SEEND であれば、そのまま処理を終える。一方、終了データD_SEEND ではなく、開始タイミングを規定する開始時間であれば、その値を、シナリオタイマscTmと比較する(ST52)。そして、シナリオタイマscTm≧開始時間であれば、音声プロセッサ42のフレーズ再生チャンネルCHnを指定して、適宜な音声コマンドSNDを送信する音声コマンド出力処理を実行する(ST53)。なお、図9(c)に示す通り、サブシナリオテーブルSkには、単位演出を特定するフレーズ番号NUMや、その単位演出の再生ボリューム値(二次ボリュームVs)などが記憶されている。
音声コマンド出力処理(ST53)が終われば、シナリオ進行テーブルINFO_TBL(図8(d))に記憶されているサブシナリオ実行ラインscIxを+1して更新して、ステップST51の処理に戻る。したがって、図12(c)のサブシナリオ002の3行目や4行目のように、開始タイミングが一致する複数の音コントロール情報についても同タイミングで、この音コントロール情報を実効化することができる。
ステップST53で実行される音声コマンド出力処理は、図10(b)に示す通りであり、(1)新規に再生を開始すべき単位演出を特定する音声コマンドSND、又は、(2)実行中の単位演出の音声を変更するための音声コマンドSNDを送信することになる。そして、このような音声コマンド出力処理(ST53)が終われば、サブシナリオ実行ラインscIxを更新してサブシナリオ更新処理を終える(ST54)。
続いて、図10(b)に示す音声コマンド出力処理(ST53)について説明する。音声コマンド出力処理では、先ず、サブシナリオテーブルSkで特定されるシナリオ再生チャンネルCHnが、固定チャンネルか否かが判定される(ST55)。先に説明した通り、BGM音、エラー報知音、操作有効音、及び入賞音は、予め規定されたフレーズ再生チャンネルCHnを使用するので、これら何れかの音声に関する音声コマンド出力処理であれば、音声コマンドSNDで指定すべきフレーズ再生チャンネルCHnを、各々、CH0+CH1,CH28,CH27,CH28と決定する(ST56)。
次に、決定されたフレーズ再生チャンネルCHnにおいて、サブシナリオテーブルSkに記載されている所定のフレーズ番号NUMの単位演出を、所定の二次ボリュームVs値で開始するべく、一又は複数の音声コマンドSNDを、音声プロセッサ42に送信する(ST57)。なお、音声コマンドSNDの送信は、図10(c)に示す通りであり、音声プロセッサ42のフレーズ再生チャンネルCHnの動作を管理する所定の音声制御レジスタRGiに対して(1)フレーズ番号NUM、(2)二次ボリューム値、(3)左右パンポット、(4)上下パンポットなどの設定値を特定した一又は複数の音声コマンドSNDを送信する。なお、音声コマンドSNDは、レジスタ番号+設定値の構造を有する2バイト又は3バイトである。
一方、ステップST55の処理で、サブシナリオテーブルSkで特定されるシナリオ再生チャンネルCHnが、固定チャンネルではないと判定されると、ステップST56〜ST57の処理がスキップされ、サブシナリオテーブルSkの該当行に、演出音SE1/SE2に関するデータが記載されているか否かを判定する(ST58)。なお、例えば、図12(b)のサブシナリオSk(=001)の3行目のように、演出音SE1/SE2に関するデータが存在せず、音コントロールに関するデータだけが記載されている場合もある。
そして、サブシナリオテーブルSkの該当行に、演出音SE1/SE2に関するデータが記載されている場合には、演出音SE1か演出音SE2について、これを再生するフレーズ再生チャンネルCHnを検出する(ST59)。この再生CH検出処理(ST59)は、図11(a)に示す通りであり、図8(e)に示す使用CH管理テーブルPlayNow_TBL を順番に検索して、空き状態のフレーズ再生チャンネルCHnを検出する。なお、再生CH検出処理(ST59)の戻り値として、空き状態のフレーズ再生チャンネルCHnが戻され、空きチャンネルが無い場合には無効データNULLが戻される。
図11(a)に示す通り、再生CH検出処理(ST59)では、演出音SE1の再生なのか、演出音SE2の再生なのかで、初期設定値が異なり、演出音SE1の場合は、設定CH=CH0のように初期設定され、演出音SE2の場合は、設定CH=CH8のように初期設定される(ST70)。そして、各々、シナリオ再生チャンネルCH0〜CH7か、シナリオ再生チャンネルCH8〜CH23の範囲内で、使用CH管理テーブルPlayNow_TBL の中で、空きチャンネルを探す。
なお、再生CH検出処理(ST59)では、再生すべき演出音SE1,SE2がステレオ音の場合には、偶数チャンネルから始まる連続2チャンネル分を確保している(ST72〜ST77)。そして、検出された一又は二個の空きチャンネルについて、使用CH管理テーブルPlayNow_TBL の該当欄を「停止中」から「再生中」に書き換える(ST77)。
図8(c)に関して説明した通り、使用CH管理テーブルPlayNow_TBL は、音声プロセッサ42からの割込み処理で、各フレーズ再生チャンネルCHnが「停止中」か否かが常に更新されており、再生CH検出処理(ST59)では、最新状態の情報を参照することができ検出漏れがない。また、ステップST77のタイミングで、「停止中」のフレーズ再生チャンネルCHnが、「再生中」に書き換えられるので、その後も続く、別の進行管理チャンネルMCHm(m=0〜63)についてのサブシナリオ更新処理(再生CH検出処理)において、空きチャンネルを誤検出することがない。
図10(b)に戻って、音声コマンド出力処理(ST53)の説明を続けると、演出音SE1/SE2について、空きチャンネルCHnが検出されれば、そのフレーズ再生チャンネルCHnを使用して、新規の単位演出たる演出音SE1/SE2の再生を開始させるべく、必要な音声コマンドSNDを音声プロセッサ42に送信する。図10(c)に示す通り、音声コマンドSNDは、音声プロセッサ42の制御レジスタRGiのレジスタ番号と設定値とを組み合わせた複数バイト長である。
設定値は、演出音SE1/SE2のフレーズ番号NUMと、演出音SE1/SE2の二次ボリュームVsとを必須値とし、必要に応じて、上下左右のパンポット設定値などが追加される。なお、本実施例では、音声プロセッサ42のフレーズ再生チャンネルCHnの動作状態、つまり、「停止中」「一時停止中」「再生中」の何れの状態かを、使用可能性のある全フレーズ再生チャンネルCHn(n=0〜29)について把握している(図8(e)参照)。
このようなステップST60が終われば、次に、サブシナリオテーブルSkの該当行に、音コントロールに関するデータが記載されているか否かを判定する。そして、音コントロールに関するデータが記載されている場合には、ボリューム遷移動作を実行するべく必要な音声コマンドを送信する音コントロール処理を実行する(ST62)。なお、ステップST62の音コントロール処理の動作内容は、図11(b)と図11(c)に示す通りであり、後述する。
また、図12(a)は、音コントロールに関するデータを例示したものであり、本実施例では、4バイト(Bit31-Bit0)構成の音コントロールデータとしている。先ず、最下位の3ビット(Bit2-Bit0 )は、ボリューム遷移動作の開始から終了までの遷移時間を1〜4の数値で示しており、各々、遷移時間0.5秒、1秒、1.5秒、2秒を意味している。次に、3バイト目の下位4ビット(Bit19-Bit16 )は、二次ボリュームVsの音量目標値を最小値(0x00)から最大値(0x80)まで4段階に指定している。なお、音コントロールデータにおいて、2バイト目と1バイトの上位で構成される13ビット(Bit15-Bit3)は、フレーズ番号NUM(000H〜1FFFH)を示している。なお、この実施例では、二次ボリュームVsに限り、ボリューム遷移動作を実行することは前記した通りである。
また、3バイト目の上位4ビット(Bit23-Bit20 )は、音量変更の対象となるフレーズ再生チャンネルCHnが、BGM音のCH0〜CH1か、演出音SE1のCH2〜CH7か、演出音SE2のCH8〜CH23か、全SEのCH2〜CH23か、所定のフレーズ番号NUMの単位演出を再生しているフレーズ再生チャンネルCHnかを示している。先に説明した通り、フレーズ番号NUMは、音コントロールデータのBit15〜Bit3の13ビットで特定される。
次に、音コントロールデータの4バイト目(Bit31-Bit24 )は、音量変更の制御種別を示しており、具体的には、二次ボリューム値Vsを遷移させるフェード動作か、2次ボリュー値を一気に遷移させる瞬時動作か、一次ボリューム値V1を幾らに設定するか、などの情報として使用されている。
この音コントロールデータに関し、図12(b)のサブシナリオテーブルSk(=001)を説明すると、開始時刻ゼロのタイミングで、BGM音(BG_T)について、二次ボリュームVsのボリューム目標値を0x20(V20 )とするフェード動作(SF)を、0.5秒(S05 )で実行することが規定されている。なお、SE1欄の登録データは、「フレーズ番号NUM=0001の単位演出を、二次ボリュームVs=0x80のレベルで、ステレオ再生すること」を指示しており、結局、開始時刻ゼロのタイミングでは、素早くBGM音を抑制しつつ、フレーズ番号NUM=0001の単位演出が、最高音量で開始されることになる(図12(d)参照)。
その後、フレーズ番号NUM=0002の単位演出が開始されるが、開始時刻5000*16mSのタイミングでは、BGM音(BG_T)について、二次ボリュームVsのボリューム目標値を0x80(V80 )とするフェード動作(SF)が2秒間(S20 )で実行される(図12(d)参照)。
一方、図12(c)のサブシナリオテーブルSk(=002)では、開始時刻ゼロのタイミングで、BGM音(BG_T)の一次ボリュームV1が0x00(SV00)に瞬時変化させると共に、フレーズ再生チャンネルCH2〜CH7(YK1_T )の一次ボリュームV1を、0x00(SV00)に瞬時変化させることが規定されている。なお、SE2欄の登録データは、「フレーズ番号NUM=0010の単位演出を、二次ボリュームVs=0x80のレベルで、ステレオ再生すること」を指示しており、結局、開始時刻ゼロのタイミングでは、演出音SE1とBGM音を素早く抑制して、フレーズ番号NUM=0010の単位演出が最高音量で開始されることになる(図12(e)参照)。
そして、その後、開始時刻5000*16mSのタイミングで、BGM音(BG_T)とフレーズ再生チャンネルCH2〜CH7(YK1_T )のについて、一次ボリュームV1が、0x80(V80 )に瞬時変更される(図12(e)参照)。なお、この実施例では一次ボリュームについてフェード動作を実行していないが、特に限定されるものではない。
何れにしても図12(d)に例示するようなフェード動作を実行するには、段階的に二次ボリュームの設定値Vsを変化させた音声コマンドを、時間順次に送信する必要がある。そこで、本実施例では、図13(a)に示すフェード制御テーブルFDTBL と、図13(b)に示す更新周期テーブルと、図13(c)に示すボリューム変数VOLの管理テーブルとを設けている。なお、フェード制御テーブルFDTBL と更新周期テーブルは、ROMに固定的に記憶され、ボリューム変数VOLの管理テーブル(図13(c))は、RAMに書き換え可能に配置されている。
ボリューム変数VOLの管理テーブルVL_TBL(図13(c))は、本実施例で使用する音声プロセッサ42の全フレーズ再生チャンネルCH0〜CH29について、音声コマンドで設定した二次ボリュームVsの値を記憶するボリューム管理テーブルであり、音声コマンド出力処理(ST53)におけるステップST57や、ステップ60の送信処理に対応して初期設定される。なお、ボリューム管理テーブルVL_TBLの更新周期WDの登録欄には、フェード動作をする場合に、ボリューム遷移の増減方向も含めて所定値が設定されるが、フェード動作を実行しない場合にはゼロが設定されている。
図13(a)のフェード制御テーブルFDTBL は、現在の二次ボリューム値VOLと目標値との128通りの差分値に対して、その差分値を10回のコマンド送信処理で埋めることを前提に、各回のコマンド送信処理でのボリューム偏移量を規定している。例えば、差分値が128の場合には、12+13+・・・+13+13の10回の処理で、目標値との差分128が埋まることで目標値に達することになる。なお、説明の都合上、図13(a)は直線的な変化を記載しているが、フェード制御テーブルFDTBL の登録データを変更することで、非直線的な所望のボリューム遷移動作を実現できることは勿論である。
図13(b)に示す更新周期テーブルは、遷移時間と更新周期との関係を規定したもので、例えば、音コントロールデータの下位3ビットが001(S05 )であって、遷移時間0.5秒の場合には、16mSの時間単位で換算して、3回に1回、つまり、16*3mS毎に、二次ボリューム値Vsを遷移させた音声コマンドSNDを送信すべきことになる。そして、二次ボリューム値Vsの遷移が、増加方向又は減少方向に、図13(a)の横軸の向きに10回繰り返されることで(図13(a)参照)、16*3*10mS後(≒0.5秒)には目標の音量になる。
以上を踏まえて、音コントロール処理(ST62)について説明する。この音コントロール処理は、図11(b)に示す非フェード処理と、図11(c)に示すフェード初期設定処理と、に区分されている。ここで、非フェード処理とは、フェード動作を伴わない瞬時設定処理であって、図12(a)の音コントロールデータにおける設定値SVOL、SVO8、SVO0、SVO2、SVO4、SVO8E 、SVO0E などを実効化するための処理である。
そして、サブシナリオテーブルSkにおける音コントロール欄の4バイト目のデータ(図12(a)参照)が、設定値SVOL、SVO8、SVO0、SVO2、SVO4、SVO8E 、SVO0E などである場合には、音コントロール欄の3バイト目の上位データに基づき、音量制御対象(BG_T、YK1_T 、YK2_T 、YKA_T 、FRZ )を特定し、音量変更の対象となるフレーズ再生チャンネルCHnと、そのボリューム値を特定した音声コマンドSNDを生成して、音声プロセッサ2に送信する(ST80)。
一方、フェード動作は、音コントロール処理(図10(b)のST62)に含まれるフェード初期設定処理(図11(c))と、図18及び図11(d)に示すフェード処理(ST18)とで実現される。先ず、フェード初期設定処理(図11(c))では、サブシナリオテーブルSkの音コントロール欄のコントロールデータで特定されるフレーズ再生チャンネルCHnについて、現在のボリューム値VOLを、図13(c)に示すボリューム管理テーブルVL_TBLから取得する(ST81)。
次に、サブシナリオテーブルSkの音コントロールデータが指定する音量目標値(Bit19-Bit16 )と、現在のボリューム値VOLとの差分を算出する(ST82)。なお、ステップST82の処理で算出された差分値によって、フェード制御テーブルFDTBL (図13(a))の参照行iが特定され、また、ボリューム遷移が増加方向か減少方向かが特定されることになる。そして、これらのデータは、図13(c)のボリューム管理テーブルVL_TBLの該当欄に記憶される。なお、以下の説明では、変数iがフェード制御テーブルFDTBL の行ポインタであるとする。
ところで、本実施例では、単に、音量目標値を特定するだけでなく、この音量目標値と、現在のボリューム値とを比較して、音量の偏移方向(±)を特定するので、現在値からの円滑な音量遷移を実現することができる。
すなわち、現在ボリューム値VOLを問題にすることなく、単純に、目標値だけを設定する構成では、所定の基準値(MIN値又はMAX値)から目標値に向かう一方向の遷移動作となるので、例えば、現在値がMIN値、基準値がMAX値の場合には、ゼロから最大音量へのMIN→MAXの瞬間偏移が生じる不都合がある。一方、現在値がMAX値、基準値がMIN値の場合には、MAX→MINに変化する瞬間的な消音が生じた後に音量偏移が開始される不自然が生じるが、本実施例では何れの不都合も生じない。
上記のような意義を有するステップST82の処理が終われば、サブシナリオテーブルSkの音コントロールデータが指定する遷移時間(Bit2-Bit0 )に基づいて、図13(b)の更新周期テーブルを参照して、更新周期WDを特定し、これをボリューム遷移方向と共に、図13(c)のボリューム管理テーブルVL_TBLの該当欄に記載する(ST83)。また、フェード制御テーブルFDTBL の列ポインタjをゼロに初期設定し、制御変数Bを更新周期WDの値に初期設定する(ST83)。なお、初期設定された列ポインタjや制御変数Bの値も、ボリューム管理テーブルVL_TBLの該当欄に記憶される(ST83)。
図13(b)の更新周期テーブルに示す通り、本実施例の場合、制御変数Bの初期値は、更新周期WDである3,6,9,12の何れかである。そして、図13(c)のボリューム管理テーブルVL_TBLの更新周期WDの記憶欄が、ゼロ以外の有意値に設定されたことで、その後のフェード処理の実行が指示されたことになる。
実際のフェード処理は、図11(d)に示す通りであり、図13(c)のボリューム管理テーブルVL_TBLで管理されている全てのフレーズ再生チャンネルCHnに対して、更新周期WDがゼロでないことで実行される(ST90)。
すなわち、更新周期WD>0であれば、更新周期WDに初期設定されている制御変数Bをデクリメントし(ST91)、制御変数Bがゼロになるか否かを判定する(ST92)。ここで、制御変数B=0であれば更新タイミングに達したことになるので、列ポインタjを更新し、フェード制御テーブルFDTBL のi行、j列の偏移量Δを取得する(ST93)。なお、制御変数Bと、行ポインタiと、列ポインタjは、原理上、フレーズ再生チャンネルCHnに対応して、各々、複数個(最高30個)必要となるが、実際には、個々のフレーズ再生チャンネルCHn毎に独立的なフェード動作を実行しないので、各々、それ程の数にはならない。
次に、ボリューム値VOLを変更し(VOL←VOL±Δ)、更新後のボリューム値VOLを指定する音声コマンドSNDを、音声プロセッサ42に送信する(ST95)。そして、ボリューム値VOLが目標値に達しているか否かを判定し(ST96)、列ポインタjが、フェード制御テーブルFDTBL の最終欄を指示している場合には、ボリューム管理テーブルVL_TBLの更新周期WDの記憶欄をゼロに設定する(ST97)。その結果、その後は、そのフレーズ再生チャンネルCHnに関するボリューム遷移処理が実行されることはない。
一方、ボリューム値VOLが目標値に達していない場合には、次の更新タイミングを検出するべく、制御変数Bを更新周期WDの値に初期設定する(ST98)。そして、ステップST90〜ST98の処理は、図13(c)のボリューム管理テーブルVL_TBLの全フレーズ再生チャンネルCH0〜CH29について実行される(ST99)。
なお、本実施例では、図12(a)の音コントロールデータにおける、3バイト目上位の制御対象FRZ に示すように、特定の単位演出について、フェード動作を指定することも可能になっている。特定の単位演出は、13ビット長のフレーズ番号NUMで特定されるが、特定の単位演出のフェード動作が指定された場合には、本実施例では、音声プロセッサ42に、所定の問合せコマンドSNDを送信することで、その単位演出を再生しているフレーズ再生チャンネルを特定するようにしている。
なお、問合せコマンドの送信は、フレーズ再生チャンネルCHnを特定した音声コマンドSNDのライト動作(図5(b)参照)で実行され、その後、所定の音声制御レジスタRGiを特定した音声コマンドSNDの受信処理(図5(c)のデータリード処理)を実行することで、問題の単位演出を再生しているフレーズ再生チャンネルが特定される。
但し、本実施例では、フレーズ再生チャンネルCHnを特定してフレーズ番号NUMを送信しているので(図10のST57,ST60参照)、このタイミングで、フレーズ再生チャンネルCHnと、フレーズ番号NUMの関係を記憶しておく方法を採ることもでき、この場合には、問合せコマンドの送信が不要となる。
以上、実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は、特に本発明を限定しない。例えば、実施例では、再生完了割込み処理を設けたが(図8(c))、制御負担を考慮して、これを省略するのも好適である。
この場合には、シナリオ更新処理(ST17)の先頭で、図5(c)の受信処理(データリード処理)に示すように、音声プロセッサ42をアクセスして、所定のステイタスフラグを参照して、使用CH管理テーブルPlayNow_TBL を最新値に更新すればよい。そして、この変更例では、一処理単位時間(16mS)の間は、これ以降、音声プロセッサ42をアクセスして、所定のステイタスフラグをチェックしない。そのため、その後、一処理単位時間の間に「再生中」から「停止中」に推移したフレーズ再生チャンネルを使用できないが、割込み処理プログラムを必要としない利点がある。
GM 遊技機
CHn 再生チャンネル
42 音声合成手段
RGi 制御レジスタ
22 演出制御手段
Mj,Sk シナリオ記憶手段
PlayNow_TBL ステイタス記憶手段

Claims (1)

  1. 一群の原音データに基づいて、音声による所定の単位演出を再生する複数の再生チャンネルを並列動作可能に設けた音声合成手段と、
    一又は複数の単位演出で構成された一連の音声演出の開始や進行に対応して、音声合成手段の所定の制御レジスタに、新規の単位演出とその再生音量を規定する動作パラメータを設定することで、複数の再生チャンネルの並列動作を実現する演出制御手段と、を設けた遊技機であって、
    前記演出制御手段には、
    一連の音声演出を実現するための所定の演出情報を記憶したシナリオ記憶手段(Mj,Sk)と、
    音声合成手段の再生チャンネルが、再生動作状態か空き状態かを書き換え可能に記憶するステイタス記憶手段と、が設けられ、
    シナリオ記憶手段の演出情報に基づき、新規の単位演出を開始する場合に、必要な動作パラメータを所定の制御レジスタに設定することに対応して、新規の単位演出に関わる再生チャンネルを、前記ステイタス記憶手段において、再生動作状態に設定するよう構成され、
    前記演出制御手段は、
    必要なタイミングで、音声合成手段の所定の制御レジスタのデータを読み出し、読み出したデータに基づいて、前記ステイタス記憶手段の空き情報を更新するか、或いは、単位演出が終了したことを示す音声合成手段からの通知に基づいて、前記ステイタス記憶手段の空き情報を更新するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
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