<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の左部及び右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図5参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図5参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図5参照)により検出される。
また、始動入賞口36の直下には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図5参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図5参照)により検出される。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口36よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図5参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図5参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、本実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図3及び図4に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56とを備える。
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、図3(a)に示すように、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するよう構成されている。
そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。
本実施形態の場合、図4(a)に示すように、普図表示器53を構成するランプD8とランプD10とランプD18のうち、ゲームの結果がはずれのときはランプD8のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「1」のときはランプD10のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「2」のときはランプD18のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「3」のときはランプD10及びランプD18を点灯状態にするよう構成されている。
また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
本実施形態の場合、図3(c)に示すように、普図保留表示器56を構成するランプD15とランプD16のうち、保留数が「0」のときはランプD15及びランプD16の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD15のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD15及びランプD16の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD15を点滅状態にしてランプD16を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD15及びランプD16の双方を点滅状態にするよう構成されている。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
本実施形態の場合、図3(b)に示すように、特図1保留表示器54を構成するランプD11とランプD12のうち、保留数が「0」のときはランプD11及びランプD12の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD11のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD11及びランプD12の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD11を点滅状態にしてランプD12を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD11及びランプD12の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
本実施形態の場合、図3(b)に示すように、特図2保留表示器55を構成するランプD13とランプD14のうち、保留数が「0」のときはランプD13及びランプD14の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD13のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD13及びランプD14の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD13を点滅状態にしてランプD14を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD13及びランプD14の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(c)に示すように、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(c)に示すように、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(c)に示すように、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。
本実施形態の場合、図4(b)に示すように、ラウンド表示部60を構成するランプD6とランプD5とランプD4とランプD3のうち、選択されたラウンド数が「4」のときはランプD6及びランプD4を点灯状態にし、選択されたラウンド数が「16」のときはランプD5及びランプD3を点灯状態にするよう構成されている。
なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図5参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図5参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図5参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が小当り結果態様となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図5は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、図6を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図7及び図8に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図11に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図7及び図8に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図8のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図8のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
図8のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図9には、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS19、S43)を示した。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRWMの先頭アドレスを設定し(ステップS51)、繰り返し数を設定し(ステップS52)、算出値として「0」を設定する(ステップS53)。繰り返し数には使用しているRAMのバイト数が設定される。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップS54)、算出アドレスを+1更新して(ステップS55)、繰り返し数を−1更新し(ステップS56)、チェックサムの算出が終了したかを判定する(ステップS57)。算出が終了していない場合(ステップS57;N)は、ステップS54へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップS57;Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図10には、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS35)を示した。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新し(ステップS61)、小当り図柄初期値乱数を+1更新する(ステップS62)。そして、当り初期値乱数を+1更新し(ステップS63)、当り図柄初期値乱数を+1更新して(ステップS64)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図11に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図11のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS103)の詳細について説明する。図12に示すように、入力処理においては、まず入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS121)。そして、8ビットのポート(入力ポート1)のうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアする(ステップS122)。
続いて、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)し(ステップS123)、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備して(ステップS124)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備する(ステップS125)。その後、8ビットのポート(入力ポート2)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS126)、8ビットのポート(入力ポート2)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS127)、スイッチ読み込み処理(ステップS128)を行う。ここで、本実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次に、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備して(ステップS129)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備する(ステップS130)。その後、8ビットのポート(入力ポート3)のうち未使用ビットがあればそのビットデータを準備し(ステップS131)、8ビットのポート(入力ポート3)のうち反転するビットがあればそのビットデータを準備して(ステップS132)、スイッチ読み込み処理(ステップS133)を行い、入力処理を終了する。
なお、未使用のビットデータや反転するビットデータは、入力ポート毎に準備されている。
したがって、ステップS126で準備する入力ポート2の未使用ビットデータと、ステップS131で準備する入力ポート3の未使用ビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
また、ステップS127で準備する入力ポート2の反転するビットデータと、ステップS132で準備する入力ポート3の反転するビットデータとは、異なるデータであるが、結果として同じ値のデータである可能性もある。
〔スイッチ読み込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読み込み処理(ステップS128、S133)の詳細について説明する。図13に示すように、スイッチ読み込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS142)、反転の必要なビットを反転(ステップS143)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップS144)。その後、2回目の読み込みまでのディレイ時間(例えば約100μ秒)が経過するのを待つ(ステップS145)。
ディレイ時間が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読み込みを行う(ステップS146)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS147)、反転の必要なビットを反転(ステップS148)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップS149)。その後、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップS150)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS151)。
次に、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS152)、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS153)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回の確定状態としてセーブして(ステップS154)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブし(ステップS155)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読み込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(例えば2m秒)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読み込みを行って前回の読み込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定が行えないおそれがある。これに対し、本実施形態のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読み込み処理を行うことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS104)の詳細について説明する。図14に示すように、出力処理では、まず、一括表示装置(LED)50のセグメントのデータを出力する出力ポート135にオフデータを出力(リセット)する(ステップS161)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bのデータを出力する出力ポート134に出力するデータを合成し、出力する(ステップS162)。
そして、一括表示装置(LED)50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を更新して(ステップS163)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS164)。本実施形態の場合、デジットカウンタの値は0から3の範囲で+1更新される。次いで、取得したデータと外部情報データを合成して(ステップS165)、合成したデータ(例えば、「扉・枠開放」のデータ、「セキュリティ信号」のデータ)をデジット・外部情報出力用の出力ポート136に出力する(ステップS166)。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS167)、ロードしたデータをセグメント出力用の出力ポート135に出力する(ステップS168)。本実施形態では、例えば、特図1表示器51及び特図2表示器52と、普図表示器53と、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55と、普図保留表示器56と、ラウンド表示部60と、第2遊技状態表示部58及び第3遊技状態表示部59とをダイナミック点灯させる。
続いて、外部情報の各種出力データを合成し(ステップS169)、合成したデータ(例えば、「大当り信号1」のデータ、「大当り信号2」のデータ、「大当り信号3」のデータ、「大当り信号4」のデータ、「図柄確定回数信号」のデータ、「始動口信号」のデータ、「メイン賞球信号」のデータ)と発射許可の出力データを合成して(ステップS170)、合成したデータを外部情報・発射許可信号出力用の出力ポート137へ出力する(ステップS171)。次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS172)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS173)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS174)。さらに、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS175)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験端子出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験端子出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップS176)、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS105)の詳細について説明する。図15に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181〜S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192〜S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を−1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔乱数更新処理1〕
図16には、タイマ割込み処理における乱数更新処理1(ステップS106)を示した。乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。この乱数更新処理1では、まず、大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS211)。
大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS211;N)は、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。また、大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS211;Y)は、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS212)、ロードした大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS213)。その後、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS214)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS214;N)は、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS214;Y)は、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS215)、ロードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS216)。その後、普図の当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS217)。
普図の当り乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS217;N)は、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。また、普図の当り乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS217;Y)は、次回初期値として当り初期値乱数をロードし(ステップS218)、ロードした普図の当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS219)。その後、普図の当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS220)。
普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS220;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、普図の当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS220;Y)は、次回初期値として当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS221)、ロードした普図の当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップS222)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
図17には、タイマ割込み処理における乱数更新処理2(ステップS107)を示した。乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、本実施形態の遊技機では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理を行うようになっている。すなわち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイト若しくは下位1バイトの何れかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを更新する(ステップS231)。本実施形態の場合、乱数更新スキャンカウンタの値は0から3の範囲で更新される。そして、乱数更新スキャンカウンタの値が「0」のときは変動パターン乱数1(上位)が更新され、「1」のときは変動パターン乱数1(下位)が更新され、「2」のときは変動パターン乱数2が更新され、「3」のときは変動パターン乱数3が更新される。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップS232)。
次いで、算出されたアドレスに基づいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS234)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、すなわち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、例えば本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているCPUには、DRAMのリフレッシュ等のため使用されるリフレッシュレジスタ(以下、「Rレジスタ」と称する)が設けられておらず、その代わりに、Rレジスタと同等の動作をする「M1カウンタ」というカウンタを内蔵しているが、そのM1カウンタの値をロードする(ステップS234)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得し、M1カウンタの値をマスクする(ステップS235)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、例えば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるかを判定する(ステップS236)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップS236;Y)は、加算値として、上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これを「マスクした値」と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップS237)、ステップS239に進む。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップS236;N)は、加算値として、上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップS238)、ステップS239に進む。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数領域が2バイト乱数かを判定し(ステップS239)、2バイト乱数である場合(ステップS239;Y)は、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップS240)、ステップS242に進む。また、更新する乱数領域が2バイト乱数でない場合(ステップS239;N)は、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップS241)、ステップS242へ進む。
ステップS242では、乱数値にステップS237又はS238で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップS233で取得した上限判定値よりも大きいかを判定する(ステップS243)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップS243;N)は、新たな乱数値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップS243;Y)は、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップS244)、この値を1バイト乱数又は2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS245)。
次に、更新した乱数領域が2バイト乱数であるかを判定し(ステップS246)、2バイト乱数でない場合(ステップS246;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップS246;Y)は、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップS247)、乱数更新処理2を終了する。
本実施形態の場合、演出乱数更新テーブル上に、上限判定値や、M1カウンタのマスク値、更新する乱数領域の種別情報(1バイト乱数、2バイト乱数(上位)、2バイト乱数(下位))、更新領域のアドレスなどが、更新する乱数の種類分(4ブロック)定義されている。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。従って、CPU111Aは、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図18には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の一方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル1を準備し(ステップS301)、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレス、報知タイマ更新情報(許可/更新)の情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS303)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
次に、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36aや一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、の状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常1信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、エラースキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。また、エラースキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常2信号に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
〔不正&入賞監視処理〕
図19には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における不正&入賞監視処理(ステップS302,S304,S306)を示した。この不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置38の二つの大入賞口スイッチ38aの各々及び普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対して行われる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行われ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、エラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS321)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS322)。不正監視期間とは、エラー監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合は特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間であり、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は普図の当りに基づき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS322;Y)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する(ステップS323)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS323;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS332)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS323;Y)は、対象の不正入賞数を+1更新し(ステップS324)、更新後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上であるかを判定する(ステップS325)。
本実施形態の場合、エラー監視対象の入賞口スイッチの種類にかかわらず、不正発生判定個数を5個に設定しているが、不正発生個数は、入賞口スイッチの種類毎に異なる個数を定義することもできる。
判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球が大入賞口スイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しないようにするためであり、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。
そして、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上でない場合(ステップS325;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(ステップS330)。また、不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数以上である場合(ステップS325;Y)は、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS326)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値(例えば60000m秒)をセーブする(ステップS327)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS328)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS329)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
一方、不正監視期間中でない場合(ステップS322;N)は、対象の入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備し(ステップS330)、賞球の設定を行う入賞数カウンタ更新処理(ステップS331)を行う。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップS332)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップS333)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS333;N)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、報知タイマの更新が許可される場合(ステップS333;Y)は、対象の報知タイマが0でなければ−1更新する(ステップS334)。なお、報知タイマの最小値は0に設定されている。
報知タイマの更新は、エラー監視対象の入賞口スイッチが一方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可され、エラー監視対象の入賞口スイッチが他方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可されない。これにより、特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度で行われてしまい、規定時間(例えば60000m秒)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、エラー監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が0であるかを判定し(ステップS335)、値が0でない場合(ステップS335;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が0である場合(ステップS335;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS336)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS337)。そして、報知タイマの値が0になった瞬間であるかを判定する(ステップS338)。
報知タイマの値が0になった瞬間である場合(ステップS338;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS339)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。また、報知タイマの値が0になった瞬間でない場合(ステップS338;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が0になった場合は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS340)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS340;Y)は、不正&入賞監視処理を終了する。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS340;N)は、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS341)、演出コマンド設定処理を行い(ステップS342)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、エラーの発生に伴いエラー報知コマンドが演出制御装置300に送信され、エラーの解除に伴い不正入賞エラー解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、エラー報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
図20には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理及び不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS308,S331)を示した。この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS351)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるかを判定する(ステップS352)。
対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS352;N)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS352;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップS353)、ロードした値を+1更新して(ステップS354)、オーバーフローするか判定する(ステップS355)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS355;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブし(ステップS356)、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS355;Y)は、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードする(ステップS357)。本実施形態の場合、ステップS354では、賞球(払出コマンド送信)のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは2バイト(0〜65535の範囲)である。
対象の入賞数カウンタ領域2の値をロード(ステップS357)した後、ロードした値を+1更新して(ステップS358)、オーバーフローするか判定する(ステップS359)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS359;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブし(ステップS360)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS359;Y)は、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新して(ステップS361)、全スイッチの監視が終了したかを判定する(ステップS362)。本実施形態の場合、ステップS358では、メイン賞球信号のためのカウンタを更新している。カウンタサイズは1バイト(0〜255の範囲)である。
全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS362;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップS352)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS362;Y)は、入賞数カウンタ更新処理を終了する。以上の処理により、入賞領域への入賞に基づき入賞数カウンタ領域1及び2が更新されて入賞の情報が記憶されることとなる。
〔遊技機状態チェック処理〕
図21には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS311,S313,S316)を示した。この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップS371)、監視対象である信号がオンであるかを判定する(ステップS372)。
状態監視テーブル(入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備した遊技機状態監視テーブル)には、状態スキャンカウンタに対応した情報が定義されている。この情報としては、例えば、状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス、対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス、対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ、信号オンの判定データ、状態オフコマンド(エラー系の場合はエラー報知終了コマンドをなす)、状態オンコマンド(エラー系の場合はエラー報知開始コマンドをなす)、状態オフ監視タイマ比較値、状態オン監視タイマ比較値が含まれる。
対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)は、状態フラグとして状態オフフラグを準備して(ステップS373)、対象の状態オフコマンドを取得し、準備する(ステップS374)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップS375)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンでない場合(ステップS372;N)とは、エラー系の信号ではエラーでない(正常である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていないことを示す状態である。
一方、対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)は、状態フラグとして状態オンフラグを準備して(ステップS376)、対象の状態オンコマンドを取得し、準備する(ステップS377)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップS378)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS379)。対象の信号がオンである場合(ステップS372;Y)とは、エラー系の信号ではエラーである(異常や不正である)ことを示す状態であり、タッチスイッチからの信号ではタッチされていることを示す状態である。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS379;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合は、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS379;N)、すなわち信号の状態が変化した場合は、対象の信号制御領域に今回の信号状態をセーブする(ステップS380)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップS381)、対象の状態監視タイマを+1更新して(ステップS382)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となったかを判定する(ステップS383)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS383;N)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上である場合(ステップS383;Y)は、状態監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS384)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS385)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS385;Y)は、遊技機状態チェック処理を終了する。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップS385;N)は、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップS386)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS387)、遊技機状態チェック処理を終了する。これにより、ステップS374で準備した状態オフコマンド又はS377で準備した状態オンコマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
図22には、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を示した。この払出ビジー信号チェック処理においては、まず、払出制御装置200から入力される払出ビジー信号がオンであるかを判定する(ステップS391)。なお、払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を開始できない場合にオン状態とされるようになっている。
払出ビジー信号がオンである場合(ステップS391;Y)は、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備して(ステップS392)、オン確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS393)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。また、払出ビジー信号がオンでない場合(ステップS391;N)は、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備して(ステップS394)、オフ確定監視タイマ比較値(例えば32m秒)を設定し(ステップS395)、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致するかを判定する(ステップS396)。これにより、同じ状態が、複数回のタイマ割込み分継続しているかチェックすることができる。
ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致しない場合(ステップS396;N)には、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブし(ステップS397)、ビジー信号監視タイマを0クリアして(ステップS398)、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。また、ビジー信号状態領域の値が今回の信号の状態と一致する場合(ステップS396;Y)には、ビジー信号監視タイマを+1更新する(ステップS399)。
次に、ビジー信号監視タイマの値が、ステップS393又はステップS395で設定した監視タイマ比較値以上であるかを判定し(ステップS400)、監視タイマ比較値以上でない場合(ステップS400;N)は、払出ビジー信号チェック処理を終了する。また、監視タイマ比較値以上である場合(ステップS400;Y)は、ビジー信号監視タイマを−1更新し、比較値−1の値に留めて(ステップS401)、ステップS392又はステップS394で準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブし(ステップS402)、払出ビジー信号チェック処理を終了する。
この処理により、払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータスが設定される。この際に、払出ビジー信号の状態が変化してもすぐにはビジー信号ステータスを変更せず、信号確定時間に亘り変化した状態が継続した場合にビジー信号ステータスを変更するようにしており、ノイズ等の影響を受け難くしている。
また、電源投入時にビジー信号ステータスがクリアされるので、何れかの信号状態が信号確定時間に亘り継続するまではビジー信号ステータスは設定されず不定状態となる。これにより、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令が払出制御装置200に送信されないようになり、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令が払出制御装置200に送信されるようになる。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図23に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図24に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について説明する。図25に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図26に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図27に示すように、まず、ステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、ステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図28に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA205;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるかを判定する(ステップA203)。
小当り中処理中である場合は(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA204)。
特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。
そして、入賞カウンタに「0」をセットして(ステップA205)、大入賞口スイッチ1(一方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA206)。
大入賞口スイッチ1に入力がない場合(ステップA206;N)は、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップA206;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA209)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。
大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップA210;N)は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。また、大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップA210;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA211)、演出コマンド設定処理(ステップA212)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA213)、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。
入賞カウンタの値が「0」であるかの判定(ステップA268)において、入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
また、入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA215)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)は、小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA216)。
小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)は、入賞カウンタの値(1又は2)を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップA218)。
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA218;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA218;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA220)、小当り中処理中であるかを判定する(ステップA221)。小当り中処理中でない場合(ステップA221;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(ステップA221;Y)は、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA222)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図29に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA306)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA306;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA311)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA311;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA312)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理(ステップA314)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA311にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA311;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図2変動開始処理(ステップA302)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA303)、演出コマンド設定処理(ステップA304)を行う。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA305)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA306にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA306;N)は、特図1変動開始処理(ステップA307)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA308)、演出コマンド設定処理(ステップA309)を行う。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図2変動開始処理(ステップA302)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述の特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)、後述の特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)の詳細について説明する。図30に示すように、特図普段処理移行設定処理1では、まず、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA321)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(ステップA322)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA323)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA324)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA307)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図31に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA331)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA333)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA334)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA336)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA302)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図31に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
図32に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
図33には、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA332)を示した。この大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(ステップA351)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA352)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA353)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA354)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA355)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りである場合(ステップA356;Y)は、ステップA352にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA357)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りでない場合(ステップA356;N)は、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA358)を行う。
そして、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りである場合(ステップA359;Y)は、ステップA351にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA360)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りでない場合(ステップA359;N)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第1特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
図34には、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を示した。この大当りフラグ2設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA371)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA372)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(ステップA372)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA374)を行う。
そして、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りである場合(ステップA375;Y)は、ステップA371にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA375)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りでない場合(ステップA375;N)は、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、第2特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
図35には、上述の特図保留情報判定処理、大当りフラグ1設定処理及び大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA154、A355、A374)を示した。この大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率状態であるかを判定する(ステップA383)。
そして、高確率状態である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA357)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、小当り又ははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当り又ははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
図36には、上述の特図保留情報判定処理及び大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(ステップA159、A358)を示した。この小当り判定処理では、まず、小当り下限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA391)。なお、大当り判定と同一の乱数(大当り乱数)を用いて小当り判定を行う。すなわち、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。無論、大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は被らないよう設定されている。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA391;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA391;N)は、小当り上限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA392)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA392;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA392;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA394)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図37には、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA333)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りかを判定し(ステップA401)、大当りである場合(ステップA401;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA402)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA403)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA404)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA405)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA406)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA407)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA408)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA409)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。本実施形態の場合、当りを契機に演出モードが移行し、当り図柄の種類(大当り図柄の種類、又は小当り)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化する。また、特図1における大当りのうち特定の大当り図柄(例えば、4R確変図柄)となる場合は、遊技状態が確変中であるか否かに応じて、移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなるのか、確変であるか否か区別が困難な演出モードに移行するかが決定される。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401;N)は、小当りフラグが小当りかを判定し(ステップA410)、小当りである場合(ステップA411;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップA411)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA412)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA413)。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA414)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA415)。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(ステップA410;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA416)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA419)、演出コマンド設定処理(ステップA420)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA421)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(ステップA422)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA423)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図38には、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)を示した。この特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りかを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定して(ステップA433)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA435)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA436)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA438)、停止図柄パターン及び確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、及び特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。また、本実施形態の場合、特図2における大当りにおいては、何れの大当り図柄であっても移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなる。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA431;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA440)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA441)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA443)、演出コマンド設定処理(ステップA444)を行う。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA445)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップA446)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動入賞口(始動入賞口36)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA166、A334、A344)の詳細について説明する。本実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
図39に示すように特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。
次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA453)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA454)。
次いで、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA455)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA456)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA457)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA458)。
次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA459)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA460)。
次いで、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA461)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA462)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、及び特図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA167、A336、A346)の詳細について説明する。なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
図40に示すように変動パターン設定処理では、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)を行って、ステップA477の処理に移行する。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)を行って、ステップA477の処理に移行する。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)を行い、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA337、A347)の詳細について説明する。図41に示すように変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域をクリアして(ステップA504)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
図42には、特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA310)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図1)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA511)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA512)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA513)、特図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA514)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA515)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100m秒)を設定して(ステップA516)、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
図43には、特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA305)を示した。この特図変動中処理移行設定処理(特図2)では、まず、処理番号として「1」を設定し(ステップA521)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA522)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA523)、特図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA524)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA525)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100m秒)を設定して(ステップA526)、特図変動中処理移行設定処理(特図2)を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図44に示すように、特図変動中処理では、まず、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA601)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA602)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定する。
次いで、特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を行って、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
図45には、上述の特図変動中処理での特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を示した。この特図表示中処理移行設定処理では、まず、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA611)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA612)。
次に、特図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA613)、特図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA614)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA615)。その後、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA616)、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA617)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図46及び図47に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行って、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるかを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図の高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。
また、ステップA728にて、特図の高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行する。このように、本実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率変動回数更新処理(ステップA735)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA736)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA737)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA738)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA738;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA738;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(ステップA726、A735)の詳細について説明する。図48に示すように、高確率変動回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA751)。特図高確率中でない場合(ステップA751;N)は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中である場合(ステップA751;Y)は、高確率変動回数を−1更新して(ステップA752)、高確率変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA753)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA753;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率変動回数が「0」となった場合(ステップA753;Y)には、高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA754)、高確率終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする。
次いで、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。なお、「高確率&時短あり」の状態と「高確率&時短なし」の状態とがあり、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA757)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA758)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA759)。
次いで、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA760)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA761)、高確率変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、上述の特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA727、A736)の詳細について説明する。図49に示すように、演出モード情報チェック処理では、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるかを判定する(ステップA771)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップA771;Y)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステップA771;N)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(ステップA772)、演出残り回転数が「0」となったかを判定する(ステップA773)。演出残り回転数が「0」となっていない場合(ステップA773;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が「0」となった場合(ステップA773;Y)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA774)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA775)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA677)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA678)。その後、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA779)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA780)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA780;Y)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA780;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA782)、演出コマンド設定処理(ステップA782)を行う。
次いで、新しく設定された演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA783)、演出コマンド設定処理(ステップA784)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA785)、演出コマンド設定処理(ステップA786)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA787)、左打ちするモードでない場合(ステップA787;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(ステップA787;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA788)、演出コマンド設定処理(ステップA789)を行って、演出モード情報チェック処理を終了する。これにより、演出モードの切替の規定回転数前から切替を予告する演出を行うことが可能となる。このように遊技制御装置100で演出モードを管理するようにしたことで、例えば特定の演出モードでのみ特定のリーチを発生させる等の制御が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)の詳細について説明する。図50に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力)、大当り4信号をON(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA793)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。なお、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA796)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部59)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA799)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数領域をクリアする(ステップA802)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA803)、演出残り回転数領域をクリアして(ステップA804)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(ステップA805)。そして、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA806)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA807)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)の詳細について説明する。
図51に示すように、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1では、まず、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA811)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA812)。
次いで、小当りファンファーレ時間(例えば0.3秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA813)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA814)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA815)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA816)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA817)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA818)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA819)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図52に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA901)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA902)、演出コマンド設定処理(ステップA903)を行う。
その後、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA904)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA905)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA906)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA906;Y)は、短開放用の大入賞口開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA907)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA906;N)は、長開放用の大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA908)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
ここで、本実施形態においては、大当りパターンとして、(1)4R、大入賞口開放情報1(全て短開放)、(2)16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)、(3)16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、(4)4R、大入賞口開放情報4(全て長開放)、(5)16R、大入賞口開放情報5(全て長開放)、(6)16R、大入賞口開放情報6(1〜8Rは長開放、9〜16Rは短開放)、(7)16R、大入賞口開放情報7(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)が設定されている。
したがって、大入賞口動作判定テーブルには、大入賞口開放情報1データと開放切替判定値「0」とが、大入賞口開放情報2データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報3データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報4データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報5データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報6データと開放切替判定値「8」とが、大入賞口開放情報7データと開放切替判定値「4」とが対応付けて記憶されている。そして、ラウンド数が開放切替判定値以下である間は長開放、ラウンド数が開放切替判定値を上回ると短開放となる開放動作を行うようようになっている。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
図53には、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を示した。この大入賞口開放中処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(ステップA911)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA912)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA913)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA914)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA915)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図54に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1001)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップA1001;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1002)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1003)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA1004)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1004;Y)には、短閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.4秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1005)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1004;N)には、長閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1006)、インターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、最終ラウンドである場合(ステップA1001;Y)は、最終用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1008)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA1009)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
図55には上述の大入賞口開放中処理における大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を示した。この大入賞口残存球処理移行設定処理においては、まず、処理番号を大入賞口残存球処理にかかる「5」に設定して(ステップA1021)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1022)。そして、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを閉鎖するために、大入賞口ソレノイド38bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップA1023)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図56に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1101)。
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1103)、通常用のインターバル時間(例えば0.1秒)を設定する(ステップA1104)。
次いで、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定し(ステップA1105)、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1105;Y)には、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1105;N)には、大入賞口開放情報はランクダウン演出系の値であるかを判定する(ステップA1106)。
ここで、ランクダウン演出とは、大当りラウンドが継続するか否かを報知するラウンド継続報知演出を実行し、該ラウンド継続報知演出において大当りラウンドが継続されないことを報知する演出が該当する。具体的には、大当りパターンとして、「16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)」と「16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)」との何れかが選択された場合に、大当りラウンドの1R〜3Rまで表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、4R目でラウンド継続報知演出を実行する。選択された大当りパターンが「16R、大入賞口開放情報2(全て長開放)」であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放され、選択された大当りパターンが「16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)」であれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド非継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(ステップA1106;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(ステップA1106;Y)は、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(例えば、4R)であるかを判定する(ステップA1107)。
ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(ステップA1107;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(ステップA1107;Y)、例えばラウンド数が4Rである場合は、ランクダウン演出用のインターバル時間(例えば3.6秒)を設定して(ステップA1108)、ステップA1109の処理に移行する。なお、特殊ラウンド数は1種類に限らず、例えば4Rと8Rというように複数種類設けても良い。
そして、ステップA1104又はA1108にて設定したインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1109)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1111)、ロードしたフラグと大入賞口開放情報と停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(ステップA1112)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1113)。その後、大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
図57には、上述の大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を示した。このファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(ステップA1121)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA1122)。
次に、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA1123)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
図58には、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を示した。この大当り終了処理移行設定処理においては、まず、大当り終了処理に係る処理番号として「6」を設定し(ステップA1131)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1132)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)の開放終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1133)。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1134)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアして(ステップA1135)、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアする(ステップA1136)。そして、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアし(ステップA1137)、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアして(ステップA1138)、大当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図59に示すように、この大当り終了処理では、まず、時間短縮判定データが、時短作動データかを判定する(ステップA1201)。
時短作動データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップA902)、時短作動データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2を行う(ステップA903)。そして、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1204)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1205)。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA1206)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1207)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1208)。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1209)、コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1210)、演出コマンド設定処理(ステップA1211)を行う。ここで、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり」、「高確率・時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。本実施形態の場合、大当りが終了すると必ず確変状態になる(所謂ST状態)ので、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり・演出モードA」、「高確率・時短あり・演出モードB」、「高確率・時短あり・演出モードC」、「高確率・時短なし・演出モードA」があり、この処理では使われないが、他に「低確率・時短なし・演出モードA」、「低確率・時短なし・演出モードB」、「低確率・時短なし・演出モードC」がある。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1212)、演出コマンド設定処理(ステップA1213)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備し(ステップA1214)、演出コマンド設定処理(ステップA1215)を行って、大当り終了後に時短状態が発生するかを判定する(ステップA1216)。
大当り終了後に時短状態が発生する場合(ステップA1216;Y)は、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1219)、大当り終了処理を終了する。
また、大当り終了後に時短状態が発生しない場合(ステップA1216;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA1217)、演出コマンド設定処理(ステップA1218)を行った後に、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1219)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
図60には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短状態なしに関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1221)、高確率状態と時短状態なしの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(ステップA1223)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA1224)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA1225)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブし(ステップA1226)、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1227)、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1228)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
図61には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短状態の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1231)。時短状態の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。次いで、高確率状態と時短状態の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232)。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(ステップA1233)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップA1234)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1235)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば100回)をセーブして(ステップA1256)、大当り終了設定処理2を終了する。なお、本実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、大当り中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関する設定を行わない。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
図62には上記した大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理2(ステップA1219)を示した。この特図普段処理移行設定処理2においては、まず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップA1241)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1242)。
その後、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF、大当り3信号をOFF、大当り4信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1243)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をOFF、役物連続作動装置作動中信号をOFF、特別図柄1当り信号をOFF、特別図柄2当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1244)。続いて、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1245)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA1246)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1247)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1248)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1249)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。図63(a)に示すように、小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)を行う。
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)の詳細について説明する。図63(b)に示すように、小当り中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1311)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1312)。
次いで、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。
次いで、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド38bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA1315)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1316)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(ステップA1317)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。図64に示すように、小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。
ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタを+1更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)を行って、小当り中処理を終了する。
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1405)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1406)。これにより、特図高確率中での小当りかを判定する。なお、ここでは、時短状態中であるか否かは問わない。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグである場合(ステップA1406;Y)には、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。また、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場(ステップA1406;N)には、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行って、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1404)の詳細について説明する。図65に示すように、小当り動作移行設定処理では、制御ポインタ(小当り中制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップA1411)を行う。
ステップA1411にて、制御ポインタが「0」,「2」,「4」の場合は、制御ポインタに対応するウェイト時間(例えば1500m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1412)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1413)、小当り動作移行設定処理を終了する。
また、ステップA1411にて、制御ポインタが「1」,「3」,「5」の場合は、制御ポインタに対応する大入賞口開放時間(例えば200m秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1414)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップA1415)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態の場合、300m秒の小当りファンファーレ時間の後に、200m秒の開放と1500m秒の閉鎖とを交互に行い、開放の終了時及び閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが順次更新される。
具体的には、1回目の200m秒開放の終了時(すなわち、1回目の200m秒開放から1回目の1500m秒閉鎖への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「0」に更新され、1回目の1500m秒閉鎖の終了時(すなわち、1回目の1500m秒閉鎖から2回目の200m秒開放への切り替わり時)に小当り中制御ポインタが「1」に更新され、2回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「2」に更新され、2回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「3」に更新され、3回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「4」に更新され、3回目の1500m秒閉鎖の終了時に小当り中制御ポインタが「5」に更新される。そして、4回目の200m秒開放の終了時に小当り中制御ポインタが「6」に更新され、1900m秒の小当り残存球時間と、その後の100m秒の小当りエンディング時間との経過後に、小当り状態が終了する。したがって、4回目の200m秒開放の後に、2000m秒間閉鎖されるので、見た目のエンディング時間は2000m秒となる。
〔小当り残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)の詳細について説明する。図66に示すように、小当り残存球処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り残存球処理にかかる「9」を設定して(ステップA1421)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1422)。
次いで、小当り残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1423)、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップA1424)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。図67(a)に示すように、小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)を行う。
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)の詳細について説明する。図67(b)に示すように、小当り終了処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1511)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1512)。
次いで、小当りエンディング時間(例えば0.1秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1513)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1514)。
次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1515)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1516)、小当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。図68に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1606)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA1609)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)は、ステップA1619の処理に移行する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)を行う。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)を行う。
次いで、新たな演出モードは左打ちするモードであるかを判定し(ステップA1616)、左打ちするモードでない場合(ステップA1616;N)には、ステップA1619の処理に移行する。また、左打ちするモードである場合(ステップA1616;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA1617)、演出コマンド設定処理(ステップA1618)を行った後に、ステップA1619の処理に移行する。
そして、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1619)、ロードしたフラグが特図時短中(時短状態中)に関するフラグであるかを判定する(ステップA1620)。
ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグである場合(ステップA1620;Y)には、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行って、小当り終了処理を終了する。
また、ロードしたフラグが特図時短中に関するフラグでない場合(ステップA1620;N)には、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA1621)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1622)、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)を行い、小当り終了処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)の詳細について説明する。図69に示すように、特図普段処理移行設定処理では、まず、処理番号として特図普段処理にかかる「0」を設定して(ステップA1631)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1632)。
次いで、小当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1633)、小当りの終了に関する信号(例えば、特別図柄1小当り信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1634)。
次いで、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1635)、演出モード移行情報領域の情報をクリアして(ステップA1636)、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアする(ステップA1637)。
次いで、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1638)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、タイマ割込み処理中に実行される各処理における演出コマンド設定処理の詳細について説明する。図70に示すように、演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2001)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2002)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2002;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2001)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2002;N)は、コマンドデータ(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップA2003)。
次いで、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA2004)、演出用シリアル送信バッファは満杯であるかを判定する(ステップA2005)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA2005;Y)は、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込む処理(ステップA2004)に戻る。
また、演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA2005;N)は、コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込んで(ステップA2006)、演出コマンド設定処理を終了する。
なお、演出コマンド設定処理のことを、単に「コマンド設定処理」と称することもある。
〔図柄変動制御処理〕
図71に、前述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA20,A22)、後述の普図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップB15)を示した。図柄変動制御処理は、特別図柄(第1特図、第2特図等)や普通図柄(普図)の変動の制御と特別図柄や普通図柄の表示データの設定を行う処理である。
この図柄変動制御処理では、まず、制御対象の図柄(例えば、第1特図、第2特図、及び普図の何れか)にかかる変動制御フラグが変動中であるかチェックする(ステップA2101)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、変動制御フラグ領域の下位アドレスが定義されている。
制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中である場合(ステップA2102;Y)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA2103)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(変動用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の点滅制御タイマを−1更新し(ステップA2104)、更新後の点滅制御タイマが「0」であるかを判定して(ステップA2105)、更新後の点滅制御タイマが「0」でない場合(ステップA2105;N)は、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
また、更新後の点滅制御タイマが「0」である場合(ステップA2105;Y)は、点滅制御タイマ初期値(例えば100m秒)を制御対象の点滅制御タイマ領域にセーブし(ステップA2106)、制御対象の変動図柄番号を+1更新して(ステップA2108)、制御対象の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得する(ステップA2108)。そして、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
一方、制御対象の図柄にかかる変動中フラグが変動中でない場合(ステップA2102;N)は、制御対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA2109)。本実施形態の場合、ステップA19、ステップA21、ステップB14にて準備した変動制御テーブル上に、図柄表示テーブル(停止用)のアドレスが定義されている。
次いで、制御対象の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップA2110)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA2111)、図柄変動制御処理を終了する。
〔振り分け処理〕
図72には、上述の変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA476、A479、A485)を示した。振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて、後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択したり、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの後半変動パターン(後半変動番号)を選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブルから特図変動表示ゲームの前半変動パターン(前半変動番号)を選択したりするための処理である。
この振り分け処理では、まず、対象の選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA477にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA483にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2201)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2202;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2202;N)は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2203)。
続けて、ステップA473やA478やA484にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA2203にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2204)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2205)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2205;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2206)、ステップA2203の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2203)、その後、前回のステップA2205にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2204)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2205)。
上記の処理をステップA2205にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2205;Y)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、ステップA2205にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2205;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2207)、振り分け処理を終了する。
〔2バイト振り分け処理〕
図73には、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA475)を示した。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
この2バイト振り分け処理では、まず、選択テーブル(ステップA472にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(ステップA2301)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2302;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2302;N)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2303)。
続けて、ステップA473にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA2303にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2304)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(ステップA2305)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2305;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2306)、ステップA2303の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(ステップA2303)、その後、前回のステップA2305にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(ステップA2304)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2305)。
上記の処理をステップA2305にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(ステップA2305;Y)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。
そして、ステップA2305にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(ステップA2305;Y)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2307)、2バイト振り分け処理を終了する。
図72に示す振り分け処理の構成と、図73に示す2バイト振り分け処理の構成とは、基本的に同じであるが、振り分けに使用する乱数のサイズが1バイトであるか、2バイトであるかという点で異なるため、計算するためのプログラム命令が異なっている。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
図74に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について説明する。図75に示すように、ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるかを判定する(ステップB101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(ステップB101;Y)は、右打ちする遊技状態(例えば、大当り中、小当り中、特図時短中(普電サポート中))であるかを判定する(ステップB102)。
右打ちする遊技状態である場合(ステップB102;Y)は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば「4」)未満であるかを判定する(ステップB105)。また、右打ちする遊技状態でない場合(ステップB102;N)は、左打ち指示コマンドを準備し(ステップB103)、演出コマンド設定処理(ステップB104)を行った後に、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値未満(例えば「4」)であるかを判定する(ステップB105)。
普図保留数が上限値未満である場合(ステップB105;Y)は、普図保留数を+1更新し(ステップB106)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(ステップB107)。そして、当り乱数を抽出し、RWMの当り乱数格納領域にセーブして(ステップB108)、当り図柄乱数を抽出し、RWMの当り図柄乱数格納領域にセーブして(ステップB109)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップB101にてゲートスイッチ34aに入力がないと判定した場合(ステップB101;N)や、ステップB105にて普図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップB105;N)は、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細について説明する。図76に示すように、普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図当り中か、すなわち普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるかを判定する(ステップB201)。そして、普図当り中である場合(ステップB201;Y)は、始動口2スイッチ37aに入力があるかを判定し(ステップB202)、始動口2スイッチ37aに入力がある(ステップB202;Y)と判定すると、普電カウンタのカウント数を+1更新する(ステップB203)。
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば「6」)以上であるかを判定して(ステップB204)、カウント数が上限値以上である(ステップB204;Y)と判定すると、普図当り中制御ポインタ領域に当り動作終了の値(例えば「4」)セーブし(ステップB205)、普図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップB206)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図の当り状態が途中で終了するようにする。
また、ステップB201にて普図当り中でないと判定した場合(ステップB201;N)、ステップB202にて始動口2スイッチ37aに入力がないと判定した場合(ステップB202;N)、又はステップB204にて普電カウント数が上限値以上でないと判定した場合(ステップB204;N)は、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図77に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB201;Y)は、普図普段処理移行設定処理1(ステップB321)を行い、普図普段処理を終了する。また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップB302)、当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB303)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB304)。
普図高確率中でない場合(ステップB304;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB305)、普図高確率中である場合(ステップB304;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB306)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB307)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB307;N)、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB308)。
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB307;Y)や、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB308;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB309)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB310)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB311)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
一方、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB308;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB312)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB313)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB314)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。
したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。
また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップ315)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB316)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB317)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB318)、普図保留数を−1更新する(ステップB319)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
そして、普図変動中処理移行設定処理(ステップB320)を行って、普図普段処理を終了する。
〔普図普段処理移行設定処理1〕
図78には、前述の普図普段処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB321)、後述の普図表示中処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB508)を示した。この普図普段処理移行設定処理1では、まず、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(ステップB331)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB332)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB333)、普図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図79には、上述の普図普段処理での普図変動中処理移行設定処理(ステップB320)を示した。この普図変動中処理移行設定処理では、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(ステップB341)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB342)。
その後、普図変動時間(例えば500m秒。本実施形態の場合、普図低確率状態と普図高確率状態とで普図変動時間は共通となっている。)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB343)、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB344)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(ステップB345)。
そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば100m秒)を普図点滅制御タイマ領域にセーブして(ステップB346)、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。図80(a)に示すように、普図変動中処理では、普図表示中処理移行設定処理(ステップB401)を行う。
〔普図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図変動中処理における普図表示中処理移行設定処理(ステップB401)の詳細について説明する。図80(b)に示すように、普図表示中処理移行設定処理では、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(ステップB411)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB412)。その後、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB413)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB414)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB415)、普図表示中処理移行設定処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図81に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、普図普段処理に移行するための普図普段処理移行設定処理1(ステップB508)を行って、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」,「2」,「4」の何れか)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB505)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、500m秒又は1700m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB506)。その後、普図当り中処理移行設定処理(ステップB211)を行って、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理移行設定処理〕
図82には、上述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(ステップB507)を示した。この普図当り中処理移行設定処理では、まず、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB511)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB512)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB513)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB514)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB515)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB516)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB517)、普図当り中処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図83に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップB603)、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
図84には、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB604)を示した。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐するようにしている。この普電作動移行設定処理では、まず、制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB611)。
制御ポインタの値が「0」又は「2」であった場合は、ステップB612へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB612)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB613)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB614へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB614)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB615)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」であった場合は、ステップB616へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB616)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB617)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB619)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB619)、普電作動移行設定処理を終了する。
ここで、本実施形態では、例えば、ステップB612にてウェイト時間として200m秒を、ステップB614にて普電開放時間として1700m秒を、ステップB618にて普電残存球処理時間として600m秒をセーブする。
さらに、普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、図81に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「500m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「500m秒」であるため普電(普通変動入賞装置37)が500m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「4」であるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、図81に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「2」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「2」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
また、普図停止図柄が「当り図柄3」である場合は、図81に示す普図表示中処理のステップB505において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB506において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
〔普電残存球処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップB12)の詳細について説明する。図85(a)に示すように、普電残存球処理では、普図当り終了処理移行設定処理(ステップB701)を行う。
〔普図当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の普電残存球処理における普図当り終了処理移行設定処理(ステップB701)の詳細について説明する。図85(b)に示すように、普図当り終了処理移行設定処理では、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定して(ステップB711)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB712)。
その後、普図エンディング時間(例えば100m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB713)、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB714)、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアする(ステップB715)。そして、普図当り中制御ポインタ領域をクリアして(ステップB716)、普図当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB13)の詳細について説明する。図86(a)に示すように、普図当り終了処理では、普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)を行う。
〔普図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の普図当り終了処理における普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)の詳細について説明する。図86(b)に示すように、普図普段処理移行設定処理2では、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定して(ステップB811)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB812)。
その後、普図変動表示ゲームの当り終了に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB813)、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB814)、普図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS111)の詳細について説明する。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
図87に示すように、セグメントLED編集処理では、まず、点滅制御タイマを+1更新して(ステップS501)、点滅制御タイマの特定ビットが1か否かによって、出力オンタイミングであるかを判定する(ステップS502)。本実施形態では、点滅制御タイマのビット5が1である場合に出力オンタイミングであると判定することで、128m秒の点滅周期を作っている。
出力オンタイミングである場合(ステップS502;Y)は、普図保留表示器での表示態様が規定された普図保留数表示テーブル1,2のうちの、普図保留数表示テーブル1を設定し(ステップS503)、出力オンタイミングでない場合(ステップS502;N)は、普図保留数表示テーブル2を設定する(ステップS504)。
そして、設定した普図保留数表示テーブルから普図保留数に対応する表示データを取得し、普図保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS505)。本実施形態では、普図保留数が「0」〜「2」の何れかであれば、どちらの普図保留数表示テーブルが設定された場合であっても、表示データは同じになる。
次に、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS506)、出力オンタイミングである場合(ステップS506;Y)は、特図1保留表示器での表示態様が規定された特図1保留数表示テーブル1,2のうちの、特図1保留数表示テーブル1を設定し(ステップS507)、出力オンタイミングでない場合(ステップS506;N)は、特図1保留数表示テーブル2を設定する(ステップS508)。
そして、設定した特図1保留数表示テーブルから特図1保留数に対応する表示データを取得し、特図1保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS509)。
その後、出力オンタイミングであるかを判定し(ステップS510)、出力オンタイミングである場合(ステップS510;Y)は、特図2保留表示器での表示態様が規定された特図2保留数表示テーブル1,2のうちの、特図2保留数表示テーブル1を設定し(ステップS511)、出力オンタイミングでない場合(ステップS510;N)は、特図2保留数表示テーブル2を設定する(ステップS512)。
そして、設定した特図2保留数表示テーブルから特図2保留数に対応する表示データを取得し、特図2保留表示器のセグメント領域にセーブする(ステップS513)。
さらに、ラウンド表示部での表示態様が規定されたラウンド表示テーブルを設定して(ステップS514)、ラウンド表示LEDポインタに対応する表示データを取得し、ラウンド表示部のセグメント領域にセーブする(ステップS515)。
次に、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル1を設定して(ステップS516)、遊技状態表示番号に対応する表示データを取得し、第2遊技状態表示部58のセグメント領域にセーブする(ステップS517)。本実施形態では、1個のLEDからなる第2遊技状態表示部58を、通常中には消灯させ、特図時短中(普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
その後、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部57での表示態様が規定された遊技状態表示テーブル2を設定して(ステップS518)、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得し、第1遊技状態表示部57のセグメント領域にセーブして(ステップS519)、セグメントLED編集処理を終了する。本実施形態では、1個のLEDからなる第1遊技状態表示部57を、通常打ち(左打ち)時には消灯させ、右打ち時(本実施形態の場合、大当り中、小当り中、普電サポート中)には点灯させるよう構成されている。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS112)の詳細について説明する。磁石不正監視処理では、磁気センサ61からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図88に示すように、磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサ61がオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるかを判定する(ステップS601)。磁気センサ61がオンである場合(ステップS601;Y)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマを+1更新して(ステップS602)、当該タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップS603)。本実施形態の場合、磁石不正監視タイマが32m秒以上である場合にタイムアップしたと判定する。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップS603;Y)、すなわち異常な磁気を一定期間継続して検出した場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS604)、磁石不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS605)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップS606)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備して(ステップS607)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。すなわち、磁気センサ61が一定期間(例えば、8回の割込み)連続してオンであった場合に異常が発生していると判定するようにしている。
一方、磁気センサ61がオンでない場合(ステップS601;N)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップS608)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS609)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS610)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップS603;N)も、ステップS609の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS610;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS610;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップS611)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップS612)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS613)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS613;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS613;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップS614)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS615)、磁石不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS601;N」→「ステップS608」→「ステップS609」→「ステップS610;Y」→「ステップS611」→「ステップS612」→「ステップS613;Y」が正常ルートである。
〔盤電波不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップS113)の詳細について説明する。電波不正監視処理では、盤電波センサ62からの検出信号に基づき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図89に示すように、電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサ62がオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるかを判定する(ステップS701)。電波センサがオンである場合(ステップS701;Y)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(例えば60秒)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップS702)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップS703)、盤電波不正フラグとして盤電波不正発生フラグを準備して(ステップS704)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。すなわち、磁気不正の場合は、磁気センサ61のオンが所定回数検出された時点で異常が発生していると判定する一方、盤電波不正の場合は、盤電波センサ62のオンが1回検出された時点で異常が発生していると判定するようにしている。
一方、盤電波センサ62がオンでない場合(ステップS701;N)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS705)。なお、電波不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS706)。
電波不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップS706;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップS706;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合又は当初から不正報知が行われていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップS707)、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップS708)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップS709)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップS709;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致しない場合(ステップS709;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(ステップS710)、演出コマンド設定処理を行って(ステップS711)、盤電波不正監視処理を終了する。
ここで、「ステップS701;N」→「ステップS705」→「ステップS706;Y」→「ステップS707」→「ステップS708」→「ステップS709;Y」が正常ルートである。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS114)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)、磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波不正監視処理(ステップS113)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図90及び図91に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS816)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS817)、ステップS818の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS815)、ステップS818の処理に移行する。
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS818)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS819)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS820)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS821)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS821;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS822)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS821;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン賞球信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップS818)の詳細について説明する。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(本実施形態の場合、10個)になる毎に生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
図92に示すように、メイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS831)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS832)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS832;Y)は、メイン賞球信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS833)。
そして、メイン賞球信号出力回数が「0」でない場合(ステップS833;N)は、メイン賞球信号出力回数を−1更新し(ステップS834)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS835)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば128m秒)となっている。その後、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS837)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
また、メイン賞球信号出力回数が「0」である場合(ステップS833;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS832;N)は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS836)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS836;Y)は、ステップS837の処理に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS836;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS838)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球数信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
〔始動口信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における始動口信号編集処理(ステップS819)の詳細について説明する。始動口信号編集処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図93に示すように、始動口信号編集処理では、まず、始動口信号出力制御タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップS841)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、始動口信号出力制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS842)。始動口信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップS842;Y)は、始動口信号出力回数が「0」であるかを判定する(ステップS843)。
そして、始動口信号出力回数が「0」でない場合(ステップS843;N)は、始動口信号出力回数を−1更新し(ステップS844)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップS845)。この始動口信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(例えば、ハイレベル)の時間(例えば128m秒)とオフ状態(例えば、ロウレベル)の時間(例えば64m秒)とのうちの、オン状態の時間(例えば128m秒)となっている。その後、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS847)、始動口信号編集処理を終了する。
また、始動口信号出力回数が「0」である場合(ステップS843;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS842;N)は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップS846)。なお、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でないことである。始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップS846;Y)は、ステップS847の処理に移行する。また、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップS846;N)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS848)、始動口信号編集処理を終了する。
〔特図ゲーム処理の変形例〕
なお、図23の特図ゲーム処理にかえて、図94に示す特図ゲーム処理を行ってもよい。
この特図ゲーム処理では、図94に示すように、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップD1)を行う。なお、ステップD1では、例えば図24に示す始動口スイッチ監視処理を行う。
次いで、通常用の特図ゲーム処理(ステップD2)、大当り用の特図ゲーム処理(ステップD3)を行う。
次いで、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップD4)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップD5)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップD6)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップD7)を行って、特図ゲーム処理を終了する。なお、ステップD5及びステップD7では、例えば図71に示す図柄変動制御処理を行う。
〔特図ゲーム処理(通常)〕
次に、上述の特図ゲーム処理(図94)における通常用の特図ゲーム処理(ステップD2)の詳細について説明する。図95に示すように、通常用の特図ゲーム処理では、まず、特図ゲーム状態フラグが大当りフラグであるか判定して(ステップD11)、大当りフラグである場合(ステップD11;Y)は、通常用の特図ゲーム処理を終了する。
一方、特図ゲーム状態フラグが大当りフラグでない場合(ステップD11;N)は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブル(通常)をレジスタに設定し(ステップD12)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップD13)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップD14)、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップD15)を行う。
ステップD15にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップD16)を行って、通常用の特図ゲーム処理を終了する。
ステップD15にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップD17)を行って、通常用の特図ゲーム処理を終了する。なお、ステップD17では、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新し、その後、特図ゲーム処理タイマが「0」であるか否か判定して、特図ゲーム処理タイマが「0」である場合に、例えば図44に示す特図変動中処理を行う。
ステップD15にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップD18)を行って、通常用の特図ゲーム処理を終了する。
〔特図ゲーム処理(大当り)〕
次に、上述の特図ゲーム処理(図94)における大当り用の特図ゲーム処理(ステップD3)の詳細について説明する。図96に示すように、大当り用の特図ゲーム処理では、まず、大入賞口内に設けられたカウントスイッチ(大入賞口スイッチ)での遊技球の検出を監視する大入賞口スイッチ監視処理(ステップD21)を行う。なお、ステップD21では、例えば図28に示す大入賞口スイッチ監視処理を行う。
次いで、特図ゲーム状態フラグが大当りフラグであるか判定して(ステップD22)、大当りフラグでない場合(ステップD22;N)は、大当り用の特図ゲーム処理を終了する。
一方、特図ゲーム状態フラグが大当りフラグである場合(ステップD22;Y)は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブル(大当り)をレジスタに設定し(ステップD23)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップD24)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップD25)、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップD26)を行う。
ステップD26にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップD27)を行って、大当り用の特図ゲーム処理を終了する。なお、ステップD27では、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新し、その後、特図ゲーム処理タイマが「0」であるか否か判定して、特図ゲーム処理タイマが「0」である場合に、例えば図52に示すファンファーレ/インターバル中処理を行う。
ステップD26にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップD28)を行って、大当り用の特図ゲーム処理を終了する。なお、ステップD28では、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新し、その後、特図ゲーム処理タイマが「0」であるか否か判定して、特図ゲーム処理タイマが「0」である場合に、例えば図54に示す大入賞口開放中処理を行う。
ステップD26にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップD29)を行って、大当り用の特図ゲーム処理を終了する。なお、ステップD29では、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新し、その後、特図ゲーム処理タイマが「0」であるか否か判定して、特図ゲーム処理タイマが「0」である場合に、例えば図56に示す大入賞口残存球処理を行う。
ステップD26にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップD30)を行って、大当り用の特図ゲーム処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、上述の通常用の特図ゲーム処理(図95)における特図普段処理(ステップD16)の詳細について説明する。図97に示すように、特図普段処理では、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップD41)。特図2保留数が「0」である(ステップD41;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップD46)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップD46;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップD51)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップD51;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(ステップD52)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップD53)、コマンド設定処理(ステップD54)を行う。次いで、特図普段処理移行設定処理1(ステップD55)を行い、特図ゲーム状態フラグ領域に通常フラグをセーブして(ステップD56)、特図普段処理を終了する。
一方、ステップD51にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップD51;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップD55)を行い、特図ゲーム状態フラグ領域に通常フラグをセーブして(ステップD56)、特図普段処理を終了する。なお、ステップD55では、例えば図30に示す特図普段処理移行設定処理1を行う。
ステップD41にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップD41;N)は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップD42)、コマンド設定処理(ステップD43)を行う。次に、特図2変動開始処理(ステップD44)、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップD45)を行い、特図ゲーム状態フラグ領域に通常フラグをセーブして(ステップD56)、特図普段処理を終了する。なお、ステップD44では、例えば図32に示す特図2変動開始処理を行い、ステップD45では、例えば図43に示す特図変動中処理移行設定処理(特図2)を行う。
また、ステップD46にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップD46;N)は、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップD47)、コマンド設定処理(ステップD48)を行う。次に、特図1変動開始処理(ステップD49)、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップD50)を行い、特図ゲーム状態フラグ領域に通常フラグをセーブして(ステップD56)、特図普段処理を終了する。なお、ステップD49では、例えば図31に示す特図1変動開始処理を行い、ステップD50では、例えば図42に示す特図変動中処理移行設定処理(特図1)を行う。
また、ステップD43,D48,D54では、例えば図70に示す演出コマンド設定処理を行う。
また、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新し、その後、特図ゲーム処理タイマが「0」であるか否か判定して、特図ゲーム処理タイマが「0」である場合に、当該特図普段処理を行うよう構成することも可能である。
ここで、飾り特図保留数コマンドを準備する処理(ステップD47、D42)を行う時点では特図変動表示ゲームの開始に基づく保留数の減算は行われておらず、現在の特図1保留数又は特図2保留数から−1した特図1保留数又は特図2保留数に対応する保留数コマンドを準備している。実際に特図1保留数又は特図2保留数を−1更新する処理は特図1変動開始処理(ステップD49)又は特図2変動開始処理(ステップD44)における変動開始情報設定処理(図41参照)のステップA501で行われる。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の通常用の特図ゲーム処理(図95)における特図表示中処理(ステップD18)の詳細について説明する。図98に示すように、特図表示中処理では、まず、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップD61)、特図ゲーム処理タイマが「0」であるかを判定する(ステップD62)。特図ゲーム処理タイマが「0」でない場合(ステップD62;N)は、特図表示中処理を終了する。
一方、特図ゲーム処理タイマが「0」である場合(ステップD62;Y)は、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップD63)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップD64)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップD65)、大当りである(ステップD65;Y)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアし(ステップD70)、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップD71)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップD72)。
一方、ステップD65にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップD65;N)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップD66)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップD67)。続けて、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップD68)、大当りである(ステップD68;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップD69)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップD72)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップD72)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップD73)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップD74)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップD75)、コマンド設定処理(ステップD76)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップD77)、コマンド設定処理(ステップD78)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップD79)、コマンド設定処理(ステップD80)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップD81)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップD82)。そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップD83)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップD84)。
次に、特図ゲームモードフラグをロードし(ステップD85)、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域へセーブする(ステップD86)。これにより特別結果が発生した際における演出モードの情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップD87)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップD68にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップD68;N)は、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時短回数更新処理(ステップD88)を行い、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップD89)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理(ステップD90)を行って、特図表示中処理を終了する。なお、ステップD89では、例えば図49に示す演出モード情報チェック処理を行い、ステップD90では、例えば図30に示す特図普段処理移行設定処理1を行う。
また、ステップD76,D78,D80では、例えば図70に示す演出コマンド設定処理を行う。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理(図98)におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップD87)の詳細について説明する。図99に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、特図ゲーム状態フラグ領域に大当りフラグをセーブする(ステップD101)。
次いで、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「0」を設定し(ステップD102)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップD103)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップD104)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップD105)。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(ステップD106)、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブして(ステップD107)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブする(ステップD108)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップD109)、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部59)を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップD110)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップD111)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップD112)、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するための時間短縮変動回数領域をクリアする(ステップD113)。これにより高確率状態及び時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップD114)、演出残り回転数領域をクリアする(ステップD115)。そして、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブし(ステップD116)、演出モードコマンド領域に演出モード1のコマンドをセーブして(ステップD117)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の大当り用の特図ゲーム処理(図96)における大当り終了処理(ステップD30)の詳細について説明する。図100に示すように、この大当り終了処理では、まず、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新し(ステップD121)、特図ゲーム処理タイマが「0」であるかを判定する(ステップD122)。特図ゲーム処理タイマが「0」でない場合(ステップD122;N)は、大当り終了処理を終了する。
一方、特図ゲーム処理タイマが「0」である場合(ステップD122;Y)は、今回の特別遊技状態を実行する契機となった特別結果の種類に基づき設定される確率変動判定フラグが、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合に設定される高確率データかを判定する(ステップD123)。
高確率データでない場合(ステップD123;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップD124)、高確率データである場合(ステップD123;Y)は、大当り終了設定処理2を行って(ステップD125)、特図ゲームモードフラグに対応する確率情報コマンドを準備し(ステップD126)、コマンド設定処理(ステップD127)を行う。なお、ステップD124では、例えば図60に示す大当り終了設定処理1を行い、ステップD125では、例えば図61に示す大当り終了設定処理2を行う。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、停止図柄パターンに対応する演出モード情報設定テーブルを設定する(ステップD128)。そして、設定された演出モード情報設定テーブルを参照して、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップD129)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップD130)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード移行情報領域にセーブする(ステップD131)。
その後、新たな演出モード番号に対応するコマンドを準備し(ステップD132)、コマンドを演出モードコマンド領域にセーブして(ステップD133)、コマンド設定処理(ステップD134)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理3を行い(ステップD135)、大当り終了処理を終了する。
なお、ステップD127,D134では、例えば図70に示す演出コマンド設定処理を行う。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の大当り終了処理(図100)における特図普段処理移行設定処理3(ステップD135)の詳細について説明する。図101に示すように、特図普段処理移行設定処理3では、まず、特図ゲーム状態フラグ領域に通常フラグをセーブする(ステップD141)。
次いで、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(ステップD142)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップD143)。
その後、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップD144)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップD145)。続いて、確率変動判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップD146)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップD147)、遊技状態表示番号領域に時短中の番号をセーブする(ステップD148)。そして、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップD149)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップD150)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
なお、図101には、便宜上、2つの大入賞口(下大入賞口及び上大入賞口)を備える遊技機が実行する特図普段処理移行設定処理3を示したが、当該特図普段処理移行設定処理3を1つの大入賞口を備える遊技機が実行する場合には、2つの大入賞口のうちの一方の大入賞口がかかわる処理(具体的には、ステップD149及びステップD150のうちの何れか一方の処理)が省略される。
このように、変形例の特図ゲーム処理においては、特図ゲーム処理が通常時の処理と大当り時の処理とに分かれている。特図ゲーム処理が通常時の処理と大当り時の処理とに分かれていない場合には、特図表示中処理を行った後、次のタイマ割込みでファンファーレ/インターバル中処理を行うが、特図ゲーム処理が通常時の処理と大当り時の処理とに分かれている場合には、特図表示中処理を行った後、次のタイマ割込みを待たずにファンファーレ/インターバル中処理を行うことができる。したがって、特図表示中処理にて大当りに関する設定を行った後、次のタイマ割込みを待たずに、ファンファーレ/インターバル中処理にて大入賞口開放のための設定を行うことができる。
また、変形例の特図ゲーム処理においては、特図ゲーム状態フラグ領域に特図ゲーム状態フラグとして大当りフラグや通常フラグをセーブする。特図ゲーム状態フラグを設定しない場合には、特図ゲーム処理にて大当りであるか否か判断するためには、特図ゲーム処理番号が、ファンファーレ/インターバル中処理にかかる番号、大入賞口開放中処理にかかる番号、大入賞口残存球処理にかかる番号、及び大当り終了処理にかかる番号の何れかであるかを判定する必要があるが、特図ゲーム状態フラグを設定する場合には、特図ゲーム状態フラグが大当りフラグか否かを判定するだけで、大当りであるか否か判断することができるので、処理負担を軽減することができる。
〔特図1変動開始処理の変形例〕
また、図31の特図1変動開始処理にかえて、図102に示す特図1変動開始処理を行ってもよい。
この特図1変動開始処理では、図102に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップE1)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理(ステップE2)を行う。なお、ステップE2では、例えば図33に示す大当りフラグ1設定処理を行う。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップE3)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップE4)を行う。なお、ステップE3では、例えば図37に示す特図1停止図柄設定処理を行い、ステップE4では、例えば図39に示す特図情報設定処理を行う。
次いで、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップE5)。
その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップE6)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップE7)を行う。なお、ステップE6では、例えば図40に示す変動パターン設定処理を行い、ステップE7では、例えば図41に示す変動開始情報設定処理を行う。
そして、時短回数更新処理(ステップE8)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔時短回数更新処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理(図102)における時短回数更新処理(ステップE8)の詳細について説明する。図103に示すように、時短回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップE11)。特図高確率中である場合(ステップE11;Y)は、時短回数更新処理を終了する。また、特図高確率中でない場合(ステップE11;N)は、特図時短中(時短状態中)であるかを判定する(ステップE12)。
特図時短中でない場合(ステップE12;N)は、時短回数更新処理を終了する。また、特図時短中である場合(ステップE12;Y)は、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時短回数(時間短縮変動回数)を−1更新し(ステップE13)、時短回数が「0」となったかを判定する(ステップE14)。
時短回数が「0」でない場合(ステップE14;N)、すなわち次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合は、時短回数更新処理を終了する。また、時短回数が「0」である場合(ステップE14;Y)、すなわち今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合は、確率情報コマンド(時短終了)を準備し(ステップE15)、コマンド設定処理(ステップE16)を行う。なお、ステップE16では、例えば図70に示す演出コマンド設定処理を行う。
その後、時短終了設定処理を行い(ステップE17)、時短回数更新処理を終了する。
〔特図表示中処理の変形例〕
図31の特図1変動開始処理にかえて、図102に示す特図1変動開始処理を行う場合には、図46及び図47の特図表示中処理にかえて、図104に示す特図表示中処理を行う。
この特図表示中処理では、図104に示すように、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップE21)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップE22)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップE23)、大当りである(ステップE23;Y)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアし(ステップE28)、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップE29)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップE30)。
一方、ステップE23にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップE23;N)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップE24)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップE25)。続けて、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップE26)、大当りである(ステップE26;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップE27)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップE30)を行う。
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップE30)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップE31)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップE32)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップE33)、コマンド設定処理(ステップE34)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップE35)、コマンド設定処理(ステップE36)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップE37)、コマンド設定処理(ステップE38)を行う。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップE39)。その後、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップE40)。そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップE41)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップE42)。
次に、特図ゲームモードフラグをロードし(ステップE43)、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域へセーブする(ステップE44)。これにより特別結果が発生した際における演出モードの情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップE45)を行い、特図表示中処理を終了する。なお、ステップE45では、例えば図50に示すファンファーレ/インターバル中移行設定処理1を行う。
一方、ステップE26にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップE26;N)は、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップE46)を行い、特図普段処理移行設定処理(ステップE47)を行って、特図表示中処理を終了する。なお、ステップE46では、例えば図49に示す演出モード情報チェック処理を行い、ステップE47では、例えば図30に示す特図普段処理移行設定処理1を行う。
また、ステップE34,E36,E38では、例えば図70に示す演出コマンド設定処理を行う。
このように、変形例の特図1変動開始処理においては、変動開始時に時短回数を更新する。変動停止時に時短回数を更新する場合には、確率情報コマンド(時短終了)を演出制御装置300に対して送信するタイミングが変動停止時になるが、変動開始時に時短回数を更新する場合には、変動開始時に演出制御装置300に対して確率情報コマンド(時短終了)を送信することができる。したがって、演出制御装置300は、時短状態での最後の特図変動表示ゲームが終了した後(例えば、時短状態終了後の最初の特図変動表示ゲームの開始時)に、時短状態の終了を報知(示唆)する演出等を行うことができる。これにより、大当り図柄に応じて複数の時短回数(例えば、20回、40回、100回)のうち何れかが設定されるように構成した場合、節目のゲーム数(例えば、20回)における特図変動表示ゲームが実行されたときに始動記憶数が0となった場合、新たな始動記憶が発生するまで時短状態が継続するのか否か、ドキドキしながら遊技を楽しむことができ、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
次に、本実施形態の遊技機10が特徴とする演出操作部700について説明する。
図105(a)は、演出操作部700の平面図である。
本実施形態の演出操作部700は、図105(a)に示すように、演出ボタン(プッシュボタン)25と、演出ボタン(プッシュボタン)25の上面に設けられたタッチパネル29と、を備えて構成されている。すなわち、演出操作部700は、物理的なプッシュボタン機能に加えて、タッチセンサ機能(タッチパネル機能)を有している。
そして、演出制御基板(演出制御装置)300から演出操作部700へは、感度設定データやLED輝度データなどが送信され、演出操作部700から演出制御基板(演出制御装置)300へは、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aからのプッシュボタン信号(押圧検出信号)やタッチパネル29が備えるタッチセンサ29aからのタッチON/OFF信号(接触/非接触検出信号)が出力されるよう構成されている。
本実施形態の場合、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aで、演出操作部700の上面に対する押圧操作(演出操作部700の上面を押して演出操作部700を押し下げる操作)を検出する。
また、演出操作部700の上面には複数のポイントが設けられており、タッチパネル29が備えるタッチセンサ29aで、演出操作部700の上面に設けられたポイントに対する接触操作を検出する。
具体的には、図105(b)に示すように、複数のポイントとして、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと、「Pa」ポイントと、の9つのポイントが設けられている。
より具体的には、演出操作部700上面の中央部に設けられた「TSW4」ポイントと、「TSW4」ポイントの左側に設けられた「TSW1」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも奥側(遊技盤30側)に設けられた「TSW3」ポイントと、「TSW4」ポイントの右側に設けられた「TSW6」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも手前側(遊技者側)に設けられた「TSW8」ポイントと、「TSW1」ポイントと「TSW3」ポイントとの間に設けられた「TSW2」ポイントと、「TSW3」ポイントと「TSW6」ポイントとの間に設けられた「TSW5」ポイントと、「TSW6」ポイントと「TSW8」ポイントとの間に設けられた「TSW7」ポイントと、「TSW8」ポイントと「TSW1」ポイントとの間に設けられた「Pa」ポイントと、が設けられている。
なお、ポイントの数は、9つに限定されるものではなく、適宜任意に変更可能である。
また、図105(b)では、便宜上、「TSW1」〜「TSW8」の各ポイントにそれぞれ「TSW1」〜「TSW8」と表記しているが、本実施形態の演出操作部700には、図105(a)に示すように、このような表記はない。
タッチセンサ29aによって接触操作が検出可能なポイントは、「TSW1」〜「TSW8」ポイントの8つのポイントであり、「Pa」ポイントにはタッチセンサ29aが設けられていない。
また、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと「Pa」ポイントとの9つのポイント各々には、それぞれが独立した系統のLED(本実施形態の場合、フルカラーLED)が配置されている。
「Pa」ポイントは、「オート連打モード(後述)」時に使用する他、機種要素として、「Pa」ポイントのLEDを一発告知用の告知ランプとして使用する、演出操作部700上面の各ポイントのLEDをルーレットのように順次点灯させ「Pa」ポイントのLEDを“当確(または確変確定)”ポイントに使用する、「Pa」ポイントのLEDを先読みの当確演出に使用する等、確定系の演出に用いることができる。
ここで、演出操作部700の上面を光らせるためのLED(具体的には、「TSW1」〜「TSW8」ポイントや「Pa」ポイントなどに配置されたLED)の点灯輝度は、輝度調整(ホール設定、遊技者調整とも)の対象からは除外されている。すなわち、当該LEDの点灯輝度は、輝度調整の影響を受けず、一定となっている。
また、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aは、タッチON状態(接触状態)が所定時間(例えば、約35秒間(基本設定))継続すると、強制的にタッチOFFする機能(タッチON信号の出力を停止して、タッチOFF信号を出力する機能)を有している。すなわち、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aは、所定時間以上の連続した接触操作を検出できないよう構成されている。
図106は、演出制御基板(演出制御装置)300から演出操作部700への制御系統を示す図である。
図106に示すように、演出操作部700の演出ボタン(プッシュボタン)25は、演出操作部700(具体的には、演出操作部700の上面)に対する押圧操作を検出するためのプッシュ検知スイッチ(演出ボタンスイッチ)25aを備えている。
また、演出操作部700のタッチパネル29は、演出操作部700(具体的には、演出操作部700の上面に設けられた「TSW1」〜「TSW8」ポイント)に対する接触操作を検出するためのタッチ検知IC(タッチセンサ)29aと、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aとI2Cバス301aとを接続するためのI2Cバスバッファ29bと、演出操作部700(具体的には、演出操作部700の上面に設けられた「TSW1」〜「TSW8」ポイントや「Pa」ポイントなど)を装飾や演出のために光らせるLED(図示省略)と、当該LEDを駆動するためのLEDドライバ29c1,29c2と、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aからの検出信号を一時保持して演出制御基板(演出制御装置)300へ送信するためのバッファ29dと、プッシュ検知スイッチ(演出ボタンスイッチ)25aからの検出信号を演出制御基板(演出制御装置)300へ送信するためのフォトカプラ29eと、を備えている。
すなわち、演出操作部700が、遊技者が操作可能な操作手段をなす。そして、プッシュ検知スイッチ(演出ボタンスイッチ)25aが、操作手段(演出操作部700)に対する押圧操作を検出可能な押圧操作検出手段をなし、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aが、操作手段(演出操作部700)に対する接触操作を検出可能な接触操作検出手段をなす。
タッチパネル29のI2Cバスバッファ29b及びLEDドライバ29c1,29c2は、I2Cバス301aを介して、演出制御基板(演出制御装置)300のI2Cマスター301と接続している。
また、LEDを有する盤装飾装置46のLEDドライバ46aやLEDを有する枠装飾装置18のLEDドライバ18aなどの、遊技盤30やガラス枠15に設けられたランプ(LED)を駆動するためのLEDドライバも、I2Cバス301aを介して、演出制御基板(演出制御装置)300のI2Cマスター301と接続している。
演出操作部700による演出制御基板(演出制御装置)300への入力は、(1)「TSWx(タッチON/OFF)」×8系統(5V−CMOS出力)、(2)「PUSHスイッチ(PUSHボタン)」×1系統(オープンコレクタ出力)、(3)「INTOUT(タッチINTOUT)」×1系統(5V−CMOS出力)となっている。
すなわち、演出操作部700は、押圧操作が可能な押圧操作部(本実施形態の場合、上面)を有している。そして、プッシュ検知スイッチ(演出ボタンスイッチ)25aは、当該押圧操作部に対する押圧を検出することができ、その検出信号を、フォトカプラ29eを介して演出制御基板(演出制御装置)300に出力するよう構成されている。
また、演出操作部700は、押圧操作部に設けられ、接触操作が可能な複数の接触操作部(本実施形態の場合、「TSW1」〜「TSW8」ポイント)を有している。そして、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aは、当該複数の接触操作部に対する接触/非接触を検出することができ、それらの検出信号を、バッファ29dを介してパラレルで演出制御基板(演出制御装置)300に出力するよう構成されている。
また、本実施形態では未使用とするが、拡張予備として、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aの内部状態を示すINTOUT信号が出力可能となっている。
演出操作部700に対する演出制御基板(演出制御装置)300からの出力は、(1)「電源5V」×1系統、(2)「I2Cバス」×1系統となっている。すなわち、演出制御基板(演出制御装置)300から演出操作部700への電源供給は、5V電源単一の供給となっている。また、演出制御基板(演出制御装置)300は、LED制御とタッチセンサ29aの感度補正等の各種設定とを行うために、遊技枠ランプ系統のI2Cバス301aで演出操作部700と接続されている。
図107、図108、図109は、本実施形態の演出制御基板(演出制御装置)300における、タッチパネル29からの入力の検知方法を説明するためのタイミングチャートである。なお、本実施形態において、演出ボタン(プッシュボタン)25からの入力の検知方法は、タッチパネル29からの入力の検知方法と同一であるので、演出ボタン(プッシュボタン)25からの入力の検知方法については詳細な説明を省略する。このように、演出ボタン(プッシュボタン)25からの入力の検知方法と、タッチパネル29からの入力の検知方法と、を同一にすることで、共通プログラムを用いることができるので、効率化することができる。
図107のタイミングチャートは、「F1(第1映像フレーム)」の途中から当該「F1(第1映像フレーム)」の次の「F2(第2映像フレーム)」の途中までの間、演出操作部700(接触操作部)への接触が継続してなされた場合のタイミングチャートである。
なお、本実施形態の場合、センサ出力のサンプリング周期を1m秒とし、センサ出力ONの期間が2m秒間継続すると「センサ出力有効」と判定するが、センサ出力のサンプリング周期や「センサ出力有効」と判定するセンサ出力ONの期間は、適宜任意に変更可能である。ここで、センサ出力ONの期間とは、タッチパネル29からの入力の場合、タッチパネル29からタッチON信号(接触検出信号)が入力されている期間のことであり、演出ボタン(プッシュボタン)25からの入力の場合、演出ボタン(プッシュボタン)25からプッシュボタン信号(押圧検出信号)が入力されている期間のことである。
演出制御装置300は、センサ出力ONの期間が2m秒間継続すると、「センサ出力有効」と判定して、有効ON期間検知フラグをONにする。
そして、映像フレームが「F1(第1映像フレーム)」から「F2(第2映像フレーム)」に切り替わる際に、有効ON期間検知フラグがONであれば、「ON(演出操作部700に対する接触操作あり)」と最終判定して、有効ON期間検知フラグをOFFにする。
有効ON期間検知フラグをOFFにした後、センサ出力ONの期間が2m秒間継続した場合には、「センサ出力有効」と判定して、再び有効ON期間検知フラグをONにする。なお、図107に示す例のように、センサ出力ONが前の映像フレームから継続している場合には、有効ON期間検知フラグをOFFにした後、センサ出力ONの期間が1m秒間継続すれば、再び有効ON期間検知フラグをONにしてもよい。
そして、映像フレームが「F2(第2映像フレーム)」から「F3(第3映像フレーム)」に切り替わる際に、有効ON期間検知フラグがONであれば、「ON(演出操作部700に対する接触操作あり)」と最終判定して、有効ON期間検知フラグをOFFにする。
その後、映像フレームが「F3(第3映像フレーム)」から「F4(第4映像フレーム)」に切り替わる際に、有効ON期間検知フラグがOFFであれば、「OFF(演出操作部700に対する接触操作なし)」と最終判定する。
このように、本実施形態では、センサ出力ONの期間が2つの映像フレームを跨ぐ場合には、前後の映像フレームで別のものとして計測する(すなわち、映像フレーム毎に有効ON期間検知フラグをONにする)ようになっているが、図107に示す例のように、連続して「ON」と最終判定した場合には、1回のセンサ出力ONの期間(すなわち、1回の操作)として扱う。
図108のタイミングチャートは、「F1(第1映像フレーム)」の途中で、演出操作部700(接触操作部)への接触が1回なされた場合のタイミングチャートである。
演出制御装置300は、センサ出力ONの期間が2m秒間継続すると、「センサ出力有効」と判定して、有効ON期間検知フラグをONにし、映像フレームの切り替わり前に当該センサ出力がOFFになっても、有効ON期間検知フラグをONのままにしておく。
そして、映像フレームが「F1(第1映像フレーム)」から「F2(第2映像フレーム)」に切り替わる際に、有効ON期間検知フラグがONであれば、「ON(演出操作部700に対する接触操作あり)」と最終判定して、有効ON期間検知フラグをOFFにする。
その後、映像フレームが「F2(第2映像フレーム)」から「F3(第3映像フレーム)」に切り替わる際に、有効ON期間検知フラグがOFFであれば、「OFF(演出操作部700に対する接触操作なし)」と最終判定する。
このように、本実施形態では、操作が反映される(操作に対応する制御が行われる)のは次の映像フレーム以降であるが、センサ出力ONの期間が2m秒間継続した場合に有効ON期間検出フラグをONにするので、図108に示す例のように操作期間が短くても、取りこぼしがない。無論、センサ出力ONの期間が2m秒間継続しない場合には、「センサ出力有効」と判定しないので、有効ON期間検出フラグはOFFからONに切り替わらない。
図109のタイミングチャートは、「F1(第1映像フレーム)」の途中で、演出操作部700(接触操作部)への接触が2回なされ、「F2(第2映像フレーム)」の途中で、演出操作部700(接触操作部)への接触が1回なされた場合のタイミングチャートである。
演出制御装置300は、センサ出力ONの期間が2m秒間継続すると、「センサ出力有効」と判定して、有効ON期間検知フラグをONにし、映像フレームの切り替わり前に当該センサ出力がOFFになっても、有効ON期間検知フラグをONのままにしておく。また、映像フレームの切り替わり前に再びセンサ出力ONの期間が2m秒間継続して「センサ出力有効」と判定した場合、有効ON期間検知フラグが既にONなので、当該判定は無視する。
そして、映像フレームが「F1(第1映像フレーム)」から「F2(第2映像フレーム)」に切り替わる際に、有効ON期間検知フラグがONであれば、「ON(演出操作部700に対する接触操作あり)」と最終判定して、有効ON期間検知フラグをOFFにする。
有効ON期間検知フラグをOFFにした後、センサ出力ONの期間が2m秒間継続した場合には、「センサ出力有効」と判定して、再び有効ON期間検知フラグをONにする。
そして、映像フレームが「F2(第2映像フレーム)」から「F3(第3映像フレーム)」に切り替わる際に、有効ON期間検知フラグがONであれば、「ON(演出操作部700に対する接触操作あり)」と最終判定して、有効ON期間検知フラグをOFFにする。
その後、映像フレームが「F3(第3映像フレーム)」から「F4(第4映像フレーム)」に切り替わる際に、有効ON期間検知フラグがOFFであれば、「OFF(演出操作部700に対する接触操作なし)」と最終判定する。
図109に示す例の場合、センサ出力ONの期間は断続的であるが、連続して「ON」と最終判定しているので、1回のセンサ出力ONの期間(すなわち、1回の操作)として扱う。
このように、本実施形態では、1映像フレームの中で、1回でも「センサ出力有効」と判定した場合には、「ON(演出操作部700に対する操作あり)」と最終判定するので、結果、ハード的な検知レスポンスは「最小2m秒」、演出上のレスポンスは「最小1映像フレーム(以内)」となる。
すなわち、本実施形態の遊技機10において、演出制御装置300は、所定期間(本実施形態の場合、映像フレームの1周期分の期間)内に、押圧操作検出手段(演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25a)から規定幅以上のパルス幅の検出信号(本実施形態の場合、2m秒以上のパルス幅のプッシュボタン信号)が出力された場合は、その出力回数にかかわらず、押圧操作検出手段(演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25a)から検出信号が1回出力されたとみなす押圧検出みなし処理(本実施形態の場合、有効ON期間検知フラグをONする処理)を行い、所定期間(本実施形態の場合、映像フレームの1周期分の期間)内に、接触操作検出手段(タッチセンサ29a)から規定幅以上のパルス幅の検出信号(本実施形態の場合、2m秒以上のパルス幅のタッチON信号)が出力された場合は、その出力回数にかかわらず、接触操作検出手段(タッチセンサ29a)から検出信号が1回出力されたとみなす接触検出みなし処理(本実施形態の場合、有効ON期間検知フラグをONする処理)を行うよう構成されている。
そして、演出制御装置300は、一の所定期間において押圧検出みなし処理を行い、次の所定期間において押圧検出みなし処理を行わなかった場合に、押圧操作に対応する制御を行い、一の所定期間において接触検出みなし処理を行い、次の所定期間において接触検出みなし処理を行わなかった場合に、接触操作に対応する制御を行うよう構成されている。
すなわち、図108に示すように、単発で「ON」と最終判定した場合には、その一の最終判定に対し、演出操作部700の操作1回分に対応する制御を行い、図107や図109に示すように、連続で「ON」と最終判定した場合には、その一連の最終判定に対し、演出操作部700の操作1回分に対応する制御を行うよう構成されている。
入力手段(操作手段)に使用するスイッチやセンサは、遊技者の操作の仕方やノイズの影響によって、変化状態が不安定になることが多い。特にタッチセンサの場合には、遊技者の接触の有無をアナログ的な連続数値で検出し、それを後段の処理部にて特定の閾値を用いてON/OFFのデジタル信号に変換しているため、遊技者の接触操作の仕方やノイズの影響によって、閾値を前後する“バタつき”が発生しやすい。そのため、単純に変化を検出するスイッチ入力としてソフト処理を実行してしまうと、この“バタつき”によって、1回の操作のつもりが、複数回の操作として扱ってしまう場合がある。
これに対し、本実施形態のように、1映像フレーム分の期間内でセンサ出力のON/OFFに“バタつき”が生じても、1回の操作として扱うことで、遊技者の操作の仕方やノイズの影響によらない安定した検出を実現することができる。
なお、演出制御装置300は、連続した所定数の所定期間それぞれにおいて押圧検出みなし処理を行った場合に、押圧操作に対応する制御を行い、連続した所定数の所定期間それぞれにおいて接触検出みなし処理を行った場合に、接触操作に対応する制御を行うよう構成することも可能である。
すなわち、所定回数(例えば、4回)連続して「ON」と最終判定した場合に、演出操作部700の操作1回分に対応する制御を行い、連続して「ON」と最終判定しなかった場合や、連続して「ON」と最終判定した場合であってもその判定回数が所定回数未満である場合には、演出操作部700の操作に対応する制御を行わないよう構成することも可能である。
また、所定期間は、映像フレームの1周期分の期間に限らず、当該周期の1/m倍(mは2以上の整数)分の期間または当該周期のn倍(nは2以上の整数)分の期間であってもよい。
図110は、演出制御基板(演出制御装置)300の遊技枠コネクタにおける、タッチパネル29関連のピンアサインを示す表である。
図110において、タッチ検知IC[Cinx]は、タッチ検知IC(タッチセンサ)29a側レジスタにおけるチャンネル名称を示す。また、タッチ検知IC[INTOUT]は本実施形態では未使用のため、状態が変化しても無視して、影響を受けないようになっている。
ところで、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aは、遊技機10の電源起動後に内部のデフォルト値でスタンドアロン動作を開始するが、このデフォルト値の状態ではタッチセンサ29aの感度のバラつきを吸収できず、正常にタッチ検知(接触操作の検出)を行うことができない。そこで、本実施形態では、これを正常状態とするために、タッチパネル29用に感度調整した「初期化パラメータ(設定データ)」をI2Cバス301a経由で書き込むよう構成してある。
本実施形態では、遊技機10のI2C装飾システムを、高速なFm+(ファーストモード・プラス)対応デバイスだけを接続することを前提に構築したが、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aはFm(ファーストモード)にしか対応していないため、電流ドライブ能力が足りず、I2Cバス301aにそのまま直結することができない。そこで、その仲介役としてI2Cバスバッファ29bを挿入している。しかし、I2Cバスバッファ29bを挿入することで、電流ドライブ能力はクリアできても、通信レートをFm+レベルに引き上げることはできないため、遊技枠ランプ制御用I2Cバス(I2Cバス301a)の通信レートはFm相当の「最大400kHz」を厳守している。
また、初期化パラメータ送信時にはタッチ検知IC(タッチセンサ)29aをハードリセットする必要があり、本実施形態では、このリセット制御をLEDドライバ29c2の出力ポートを用いて実行するよう構成してある。そのため、当該リセット制御用ポートは、他のランプ制御(LED制御)とは別に、特殊な制御動作を行う必要がある。
本実施形態では、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aへの「初期化パラメータ」の書き込みを、定期的なリフレッシュによるリカバリを実現するために、(1)電源投入時、(2)客待ちコマンド受信時(通常時のリカバリを想定)、(3)ファンファーレコマンド受信時(確変時のリカバリを想定)の3つのタイミングで実行している。無論、「初期化パラメータ」書き込みタイミングは、これらのタイミングに限定されるものではない。
また、同じI2Cバス301a上に、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aとLEDドライバ29c1,29c2,46a,18aとが混在しているが、本実施形態では、一方が未接続状態であっても、他方が動作を停止しないよう構成してある。すなわち、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aが未接続状態でも、LEDドライバ29c1,29c2,46a,18aによるLED制御は停止しないよう構成し、LEDドライバ29c1,29c2,46a,18aが未接続状態でも、タッチ検知IC(タッチセンサ)29aによる接触/非接触の検出は停止しないよう構成してある。
次に、演出操作部700の操作の仕方の一例について説明する。以下、「押圧操作」や「接触操作」は、「ON」と最終判定された操作のことを指す。
本実施形態の場合、演出制御装置300は、演出操作部700のモードとして、「カーソルモード」と、「オート連打モード」と、「タッチアピールモード」と、を設定可能に構成されている。
<カーソルモード>
「カーソルモード」において、演出制御装置300は、ホール設定、遊技者調整、大当り中の楽曲選択等、各種の設定・選択を行う際に、或いは、遊技者参加型の演出の実行中に、タッチパネル29がカーソルスイッチ(カーソルキー)のように動作する「カーソル動作機能」を実現する。
図111は、本実施形態の「カーソルモード」を説明するための表である。
本実施形態の場合、演出制御装置300は、図111に示すように、中央の「TSW4」ポイントに対する接触操作が行われている状態で、演出操作部700に対する押圧操作が行われた場合に、カーソルキーの真ん中にある「決定キー」操作に相当する操作が行われたと認識する。
また、「TSW4」ポイントの左側にある「TSW1」ポイントに対する接触操作が行われている状態で、演出操作部700に対する押圧操作が行われた場合に、カーソルキーの「左方向キー」操作に相当する操作が行われたと認識する。
また、「TSW4」ポイントよりも奥側にある「TSW3」ポイントに対する接触操作が行われている状態で、演出操作部700に対する押圧操作が行われた場合に、カーソルキーの「上方向キー」操作に相当する操作が行われたと認識する。
また、「TSW4」ポイントの右側にある「TSW6」ポイントに対する接触操作が行われている状態で、演出操作部700に対する押圧操作が行われた場合に、カーソルキーの「右方向キー」操作に相当する操作が行われたと認識する。
また、「TSW4」ポイントよりも手前側にある「TSW8」ポイントに対する接触操作が行われている状態で、演出操作部700に対する押圧操作が行われた場合に、カーソルキーの「下方向キー」操作に相当する操作が行われたと認識する。
このように、演出制御装置300は、ポイントに対する接触操作が行われただけではカーソルキー操作に相当する操作が行われたと認識せず、ポイントに対する接触操作が行われた状態において演出操作部700に対する押圧操作が行われたタイミングで、カーソルキー操作に相当する操作が行われたと認識する。すなわち、タッチセンサ29aの変化をトリガとするのではなく、タッチセンサ29aの変化を“イネーブル”のように捉え、演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aの変化をトリガとして、カーソルキー操作に相当する操作が行われたと認識する。
また、「カーソルモード」では、タッチ検知(接触操作の検出)を行うポイントは、「TSW1」,「TSW3」,「TSW4」,「TSW6」,「TSW8」ポイントの5つのポイントであり、それ以外のポイント(「TSW2」,「TSW5」,「TSW7」ポイント)のタッチ状態(接触/非接触)は無視するようになっている。
方向キーとして機能するポイント(「TSW1」,「TSW3」,「TSW6」,「TSW8」ポイント)同士が重複してタッチON(接触操作)されている場合には、これらのタッチONは無効とする。すなわち、方向キーとして機能するポイントは、単独でタッチON(接触操作)されている場合のみ、当該タッチONが有効となる。
一方、決定キーとして機能する「TSW4」ポイントについては、方向キーとして機能するポイントと重複してタッチON(接触操作)されている場合でも、「TSW4」ポイントへのタッチONを優先的に有効とみなす。これにより、例えば、遊技者が決定時に演出操作部700の押圧操作部(本実施形態の場合、上面)を“グー(握りこぶし)”で押した場合でも、決定操作(カーソルキーの「決定キー」操作に相当する操作)が行われたと認識することができる。
また、「カーソルモード」では、操作ナビゲーションとして、方向キーとして機能する「TSW1」,「TSW3」,「TSW6」,「TSW8」ポイントと、決定キーとして機能する「TSW4」ポイントと、を所定の色(図111参照)で点灯させ、それ以外のポイント(「TSW2」,「TSW5」,「TSW7」ポイント)は消灯するようになっている。
また、操作ナビゲーションとして、表示装置41の表示画面にカーソルモード状態のタッチパネル29(演出操作部700)の画像を表示するようになっている(図112(a),(b)参照)。この際、画面上の説明では、“タッチする”という表現は使用せずに“押す”という表現を用いるようにしている(図112(a),(b)参照)。
本実施形態の場合、決定キーとして機能する「TSW4」ポイントについては、決定キー操作が可能なときのみ点灯させるよう構成したが、これに限ることはなく、常時点灯させてもよい。
また、本実施形態の場合、方向キーとして機能する「TSW1」,「TSW3」,「TSW6」,「TSW8」ポイントについても、方向キー操作が可能なときのみ点灯させるよう構成したが、これに限ることはなく、常時点灯させてもよい。
また、本実施形態の場合、方向キーとして機能するポイントが長押しされた場合、すなわち方向キーとして機能するポイントに対する接触操作と、演出操作部700に対する押圧操作と、の双方が所定時間(例えば、約1500m秒間)継続して同時に行われた場合には、自動送り動作(例えば、約100m秒程度での自動送り)を行うよう構成されている。
図112(a),(b)は、遊技者調整画面の一例を示す図である。
本実施形態では、変動表示ゲームが実行されていない客待ち状態において、演出操作部700が1回押圧操作された際に、図112(a)に示す遊技者調整画面が表示装置41に表示されるようになっている。また、当該遊技者調整画面の表示とともに、演出操作部700のモードが「カーソルモード」に切り替わるようになっている。
遊技者調整画面では、遊技者が音量と画面の明るさとを調整することができる。設定(調整)対象に選択されている項目と選択されていない項目とが識別可能となるよう、選択されている項目の背景色を変化させるようになっており、図112(a)においては、「音量設定」、「明るさ設定」、「戻る」の3つの項目のうち「音量設定」が選択されている。
また、遊技者調整画面には、操作ナビゲーションとして、カーソルモード状態のタッチパネル29(演出操作部700)の画像が表示されている。そして、当該画像においては、項目を選ぶために操作(接触操作+押圧操作)されるポイント(上下方向キーとして機能する「TSW3」,「TSW8」ポイント)が、「カーソルモード」における「TSW3」,「TSW8」ポイントの点灯色である「水色」(図111参照)に着色され、音量や明るさを調整するために操作(接触操作+押圧操作)されるポイント(左右方向キーとして機能する「TSW1」,「TSW6」ポイント)が、「カーソルモード」における「TSW1」,「TSW6」ポイントの点灯色である「緑色」(図111参照)に着色されている。したがって、実際の演出操作部700におけるポイントの点灯色と、画面上におけるポイントの点灯色と、が一致しているので、操作しやすくなっている。
また、図112(a)の遊技者調整画面が表示されている場合には、決定キー操作ができないので、実際の演出操作部700における「TSW4」ポイントも、画面上における「TSW4」ポイントも消灯している。
そして、図112(b)に示すように「戻る」を選択して、決定キーとして機能する「TSW4」ポイントを操作(接触操作+押圧操作)すると、遊技者調整画面から客待ち画面に戻る。
図112(b)の遊技者調整画面が表示されている場合(すなわち、「戻る」が選択されている場合)には、決定キー操作と上下方向キー操作とが可能であり、左右方向キー操作ができないので、実際の演出操作部700においても画面上においても「TSW3」,「TSW4」,「TSW8」ポイントは点灯し、「TSW1」,「TSW6」ポイントは消灯している。
このように、演出操作部700が「カーソルモード」である場合、複数の接触操作部の少なくとも一部(本実施形態の場合、「TSW1」,「TSW3」,「TSW6」,「TSW8」ポイント)は、所定の表示を所望の方向に移動させる指令を与える複数のシフトキー(カーソルキーの上下左右方向キー)それぞれに相当し、演出制御装置300は、シフトキーに相当する接触操作部に対する接触操作が行われている状態で、押圧操作が行われた場合に、所定の表示を移動させる演出を実行するよう構成されている。
なお、所定の表示を移動させる演出は、表示装置41の表示画面上において表示を移動させる演出だけでなく、例えば、盤面(遊技盤30)や透明板保持枠(ガラス枠15)に設けられたLEDの点灯を表示とみなし、その点灯位置を移動させる演出等でもよい。
<オート連打モード>
「オート連打モード」において、演出制御装置300は、演出ボタン25(演出操作部700)での連打が可能な遊技者参加型の演出(連打演出)において、「Pa」ポイントが長押しされた場合、すなわち「Pa」ポイントに接触した状態で、演出操作部700に対する押圧操作が所定時間継続して行われた場合に「オート連打機能(隠し機能)」を実現する。
図113(a)は、本実施形態の「オート連打モード」を説明するための表であり、図113(b)は、本実施形態の「オート連打モード」におけるオート連打の有効エリアを説明するための図である。
「Pa」ポイントにはタッチセンサ29aが設けられていないため、演出制御装置300は、タッチOFF状態で、演出ボタン(プッシュボタン)25が長押しされた場合、すなわち、演出操作部700に対する接触操作が行われていない状態で、演出操作部700に対する押圧操作が所定時間継続して行われた場合に、演出ボタン(プッシュボタン)25の連打操作に相当する操作が行われたと認識して、連打操作に対応する制御(例えば、所定の繰り返し表示演出や所定の繰り返し動作(繰り返し役物動作)演出の実行制御)を行う。
したがって、「Pa」ポイント以外のタッチセンサ29aで接触を検出できない部分(例えば、タッチパネル29の周囲等)が長押しされた場合も、演出ボタン(プッシュボタン)25の連打操作に相当する操作が行われたと認識して、連打操作に対応する制御を行う。
また、本実施形態の場合、タッチセンサ29aとして静電容量タッチセンサを用いているので、手袋をした状態でタッチセンサ29aが設けられたポイントが長押しされた場合も、演出ボタン(プッシュボタン)25の連打操作に相当する操作が行われたと認識して、連打操作に対応する制御を行う。なお、タッチセンサ29aは、静電容量タッチセンサに限定されるものではない。
ただし、「オート連打機能」の実行を「Pa」ポイントの長押しに限定してしまうと、咄嗟に出現した演出に対して「Pa」ポイントを狙い押すことが難しいため、「Pa」ポイントに隣接する「TSW1」ポイントと「TSW8」ポイントとの2つのポイントの一方(或いは、両方)が長押しされた場合にも、演出ボタン(プッシュボタン)25の連打操作に相当する操作が行われたと認識する。すなわち、「Pa」ポイントと、「TSW1」ポイントと、「TSW8」ポイントと、を含むエリア(図113(b)において、二点鎖線で囲むエリア)をオート連打機能の有効エリアAと捉える。
そして、「TSW1」,「TSW8」ポイント以外のポイント(「TSW2」,「TSW3」,「TSW4」,「TSW5」,「TSW6」,「TSW7」ポイント)がタッチON(接触操作)されている場合には、「オート連打機能」を実行しないようになっている。
なお、本実施形態では、「オート連打機能」は、“隠し機能”のため、「Pa」ポイントのLEDを特別な色で点灯させる等の処理を行わないよう構成してある。このような処理を行うと、確定系の演出等と勘違いされる可能性があり、好ましくない。
このように、演出操作部700が「オート連打モード」である場合、演出制御装置300は、複数の接触操作部の何れもが接触操作されていない状態で、あるいは、複数の接触操作部の何れか(本実施形態の場合、「TSW1」,「TSW8」ポイント)に対する接触操作が行われている状態で、押圧操作が行われている間、所定の繰り返し表示演出を実行するよう構成されている。
<タッチアピールモード>
「タッチアピールモード」において、演出制御装置300は、演出ボタン(プッシュボタン)25及びタッチパネル29を用いる演出が発生していない通常状態において、遊技者がタッチ検知ポイント(「TSW1」〜「TSW8」ポイント)に対する接触操作を行ったときに、遊技状態とは関係なく、タッチパネル29のLEDを用いた演出動作を行うことで、本実施形態の遊技機10が備える演出操作部700が、タッチセンサ29aを搭載していることを主張する「タッチアピール機能」を実現する。
図114は、本実施形態の「タッチアピールモード」を説明するための表である。
タッチアピールの演出は、機種のイメージにあったインタラクティブな遊び要素を持たせて、遊技者が暇つぶしに触れたくなるような演出が好ましい。
具体的には、タッチアピールの演出としては、例えば、タッチ(接触操作)されたポイントのLEDが点灯し、タッチが解除されると当該LEDが徐々に消灯していく演出、タッチされたポイントを起点として、時計回り方向(或いは反時計回り方向)にLEDが順次点灯する演出、タッチされたポイントのLEDが点灯するとともに、一定の確率で点灯パターンが変化する演出、ポイントへのタッチに連動して盤面(遊技盤30)や透明板保持枠(ガラス枠15)のLEDが点灯する演出、ポイントへのタッチに連動して特定のSE音(効果音)が鳴る演出、ポイントへのタッチに連動して特定の役物が動作する演出等を採用することができるが、タッチアピールの演出は、これらに限定されるものではない。
ただし、タッチアピールの演出は、遊技者に“大当り確定”等と誤解されるような演出でないことが好ましい。ここで、誤解されるような演出とは、例えば、ポイントへのタッチ(接触操作)に連動してLEDが確定系のレインボーで点灯する(或いは、レインボーで点灯しているように見える)演出、ポイントへのタッチに連動して確定音のような派手なSE音が鳴る演出、ポイントへのタッチに連動して確定時のような派手な役物動作を行う演出等の確定系の演出である。すなわち、機種のイメージにもよるが、タッチアピールの演出として、確定系の演出のような派手な演出を行わない方が好ましい。無論、大当り確定時の変動中には、このような確定系の演出を行ってもよい。
「Pa」ポイントにタッチセンサ29aが設けられていないので、その点を考慮してタッチアピールの演出内容を検討してもよい。例えば、タッチアピールの演出時に、敢えて「Pa」ポイントのLEDを点灯させないようにすることで、「Pa」ポイントに興味を持たせることが可能となる。
「タッチアピール機能」は、あくまでもデモンストレーション的な機能であるため、演出操作部700を使用する演出(遊技者参加型の演出)が発生した場合や、禁則条件が働く場合にはそちらを優先し、無理に「タッチアピール機能」を動作させる必要はない。
具体的には、例えば、プッシュボタン演出が発生した後の数秒間は動作させない、スペシャルリーチ発展後には動作させない、大当り中には動作させない等、状況に応じて「タッチアピール機能」の動作に制限を設けることが可能である。
図115は、タッチセンサ29aの構成例を示すブロック図である。
本実施形態のタッチセンサ29aは、差動容量検出方式でfFオーダの容量変化を検出可能な容量デジタルコンバータLSIであり、8チャネルの容量センサ入力(タッチ入力)を有し、各入力に対する検出状況(ON/OFF)を内蔵ロジック回路にて判定して出力するよう構成されているとともに、内蔵ロジック回路により、電源投入時や環境変化時にキャリブレーションを自動的に実施するよう構成されている。また、ゲイン等のパラメータが初期設定されているとともに、必要によりシリアル通信回路29a6を介して外部から設定値を調整することができるよう構成されている。
具体的には、タッチセンサ29aは、例えば図115に示すように、システムクロックを生成する発振回路29a1と、電源投入時にシステムをリセットするパワーオンリセット回路29a2と、入力チャネルを切換えるマルチプレクサ29a3と、容量変化を検出してアナログ振幅値を出力する容量変化検出回路29a4と、アナログ振幅値をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ29a5と、必要により外部とシリアル通信を行うシリアル通信回路29a6と、タッチセンサ29a全体を統括的に制御する統括制御回路29a7と、を備えて構成される。
マルチプレクサ29a3には、タッチパネル29のパターン等に接続して使用する容量センサ入力端子1〜8が接続されている。
容量センサ入力端子1〜8は、各容量センサ入力端子にパターンを結線し、結線されたパターンに容量センサ駆動用出力端子(統括制御回路29a7と接続する端子)と結線したパターンを隣接させることで、容量センサ駆動用出力端子と容量的に結合される。こうすることで、各パターン近傍の容量変化を8bitデジタルデータとして検出することができる。なお、計測処理中において、計測対象のチャネル以外からは“Low”が出力される。
容量変化検出回路29a4には、容量センサ駆動用出力端子との間に容量を接続して使用する基準容量入力端子が接続されている。
各容量センサ入力端子に結線されたパターンまでの配線と基板やその他配線等との間に発生する寄生容量、および各容量センサ入力端子に結線されたパターンと容量センサ駆動用出力端子に結線されたパターンとの間の寄生容量の影響により、各容量センサ入力端子の容量変化の検出が正しく行えない場合があるが、基準容量入力端子と容量センサ駆動用出力端子との間に適切な容量を接続することで、容量変化を正常に検出することが可能になる。
統括制御回路29a7は、判定結果出力端子1〜8およびバッファ29d(図106参照)を介して演出制御装置300に、判定結果出力データ1〜8(タッチON/OFF信号)を出力するよう構成されている。具体的には、統括制御回路29a7は、容量センサ入力端子1〜8の容量検出結果を所定の閾値と比較し、その結果に応じて“High”または“Low”を出力する。
また、統括制御回路29a7は、各容量センサ入力端子に結線されたパターンに隣接して配線し、容量センサ入力端子1〜8と容量的に結合させて使用する容量センサ駆動用出力端子を介して、容量センサ入力端子1〜8で容量検出を行うために必要なパルス電圧(容量センサ駆動用信号)を出力するよう構成されている。
また、統括制御回路29a7は、インタラプト出力端子(INTOUT端子)およびバッファ29d(図106参照)を介して演出制御装置300に、計測終了割込み信号(INTOUT信号)を出力可能に構成されている。具体的には、インタラプト出力端子からは、計測処理が終了するタイミングで“High”が出力される。
また、統括制御回路29a7には、外部リセット信号反転入力端子を介してLEDドライバ29c2(図106参照)から、リセット信号が入力されるよう構成されている。具体的には、外部リセット信号反転入力端子が“Low”を入力している間、タッチセンサ29aはリセット状態となる。
また、統括制御回路29a7には、演出制御装置300のI2Cマスター301(図106参照)から、I2Cバス301a(図106参照)、I2Cバスバッファ29b(図106参照)、およびシリアル通信回路29a6を介して、感度設定データ等の通信データが入力されるよう構成されている。
演出制御装置300は、タッチセンサ29aの検出感度を、「通常感度」に設定するための通常感度設定データや、「通常感度」よりも高い「高感度」に設定するための高感度設定データを統括制御回路29a7に送信するよう構成されている。
すなわち、演出操作部700が、遊技者の操作入力を受け付ける操作手段をなし、タッチセンサ29aが、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の接触操作を検出可能な接触検出手段をなし、演出制御装置300が、接触検出手段(タッチセンサ29a)の検出感度を設定可能な検出感度設定手段をなす。
ここで、「通常感度」とは、演出操作部700(具体的には、演出操作部700の上面に設けられた「TSW1」〜「TSW8」ポイントの何れか)に手(指等)を接触させる操作(接触操作)を検出することのできる感度である。以下、「TSW1」〜「TSW8」ポイントの何れかに手を接触させる操作を、単に「演出操作部700に対する接触操作」という。
また、「高感度」とは、演出操作部700(具体的には、演出操作部700の上面に設けられた「TSW1」〜「TSW8」ポイントの何れか)に手(指等)をかざす操作(手かざし操作)を検出することのできる感度である。以下、「TSW1」〜「TSW8」ポイントの何れかに手をかざす操作を、単に「演出操作部700に対する手かざし操作」という。
すなわち、接触検出手段(タッチセンサ29a)は、検出感度設定手段(演出制御装置300)によって検出感度が非接触検出可能感度(「高感度」)に設定された場合は、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の非接触操作(手かざし操作)を検出可能であり、検出感度設定手段(演出制御装置300)によって検出感度が非接触検出可能感度(「高感度」)よりも低下させた接触検出可能感度(「通常感度」)に設定されている場合は、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の接触操作のみを検出可能である。
そして、検出感度設定手段(演出制御装置300)は、所定ゲームにおける演出進行過程において接触検出手段(タッチセンサ29a)の検出感度を切り替えて、当該接触検出手段による検出範囲を変化させるよう構成されている。
以下、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって実行される制御について説明する。主制御用マイコン311による制御処理は、主に図116に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
メイン処理においては、図116に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行い(ステップC2)、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。
次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定する(ステップC6)。
次いで、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
このメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。
次いで、演出操作部700(演出ボタン25やタッチパネル29)の操作に基づく入力信号(立上りエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出操作部700からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では、演出操作部700からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
次いで、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理(ステップC10)を行う。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行う。
次いで、シナリオ設定処理(ステップC13)、モーション制御処理(ステップC14)を行う。
次いで、演出表示編集処理(ステップC15)を行い、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC16)。演出表示編集処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
次いで、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC17)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。
ステップC17で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC17;N)には、ステップC17の処理を繰り返して行う。
一方、ステップC17で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC17;Y)には、画面描画を指示する(ステップC18)。
次いで、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC19)、盤装飾装置46、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC20)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC21)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔演出ボタン入力処理〕
次に、上述のメイン処理における演出ボタン入力処理(ステップC9)の詳細について説明する。
図117に示すように、演出ボタン入力処理では、まず、今回の演出ボタン状態領域の値を前回の演出ボタン状態領域にコピーして(ステップC31)、演出操作部700(演出ボタン25やタッチパネル29)のポート状態データを今回の演出ボタン状態領域にコピーする(ステップC32)。そして、前回の演出ボタン状態領域の値や今回の演出ボタン状態領域の値などに基づいて演出操作部700(演出ボタン25やタッチパネル29)の状態変化データを生成し、演出ボタン立上りエッジ領域にセーブする(ステップC33)。
ここで、演出操作部700からの入力の読み込みは、例えば1m秒周期のタイマ割込み処理内で行い、チャタリング除去等を行って、状態を確定しておく。そして、例えば約33.3m秒周期の演出ボタン入力処理では、演出操作部700からの入力の状態を確認して入力内容を確定し、その結果に応じて演出を切り替える処理等を行う。
次いで、タッチセンサ29aの有効期間中であるかを判定する(ステップC34)。
ステップC34で、タッチセンサ29aの有効期間中でないと判定した場合(ステップC34;N)は、ステップC43の処理に移行する。
一方、ステップC34で、タッチセンサ29aの有効期間中であると判定した場合(ステップC34;Y)は、何れかのタッチセンサに入力があるかを判定する(ステップC35)。ここで、タッチセンサ29aの検出感度が「通常感度」に設定されている場合には、演出操作部700に対する接触操作が検出可能であり、当該接触操作が検出された際に、何れかのタッチセンサに入力があると判定される。また、タッチセンサ29aの検出感度が「高感度」に設定されている場合には、演出操作部700に対する手かざし操作や接触操作が検出可能であり、当該手かざし操作や接触操作が検出された際に、何れかのタッチセンサに入力があると判定される。
ステップC35で、何れのタッチセンサにも入力がないと判定した場合(ステップC35;N)は、ステップC43の処理に移行する。
一方、ステップC35で、何れかのタッチセンサに入力があると判定した場合(ステップC35;Y)は、空間タッチ演出中であるかを判定する(ステップC36)。
ここで、本実施形態の遊技機10は、演出操作部700を使用する演出(PB(プッシュボタン)演出)の一種であるタッチ演出として、空間タッチ演出(空中タッチ演出)と、ボタンタッチ演出とを実行可能に構成されている。
空間タッチ演出中は、演出操作部700に対する手かざし操作が検出された際に、表示装置41の表示による演出を切り替える等して演出を変化させるよう構成されている。空間タッチ演出中は、タッチセンサ29aの検出感度が「高感度」に設定されている。
また、ボタンタッチ演出中は、演出操作部700に対する接触操作が検出された際に、表示装置41の表示による演出を切り替える等して演出を変化させるよう構成されている。ボタンタッチ演出中は、タッチセンサ29aの検出感度が「通常感度」に設定されている。
ステップC36で、空間タッチ演出中でないと判定した場合(ステップC36;N)、すなわちボタンタッチ演出中であり、演出操作部700に対する接触操作を検出した場合は、タッチセンサ制御処理(ステップC37)を行う。
そして、タッチセンサ制御処理(ステップC37)の結果、タッチセンサ29aの入力内容が確定したかを判定する(ステップC38)。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、演出操作部700に対する接触移動操作を促す画像等を表示装置41に表示して、フリック操作や丸くなぞる操作などの複数回の入力を監視しなければ確定できない操作を要求した場合には、複数回の入力結果に基づいて要求した操作がなされたと確定できた際に、入力内容が確定したと判定する。ここで、複数回の入力結果とは、例えば、予め定められた入力内容確定期間内で実行された複数回の演出ボタン入力処理の各ステップC33にて生成された演出操作部700の状態変化データのことである。本実施形態の場合、演出ボタン入力処理が約33.3m秒周期で行われるので、例えば入力内容確定期間を333m秒間に定めた場合には、入力内容確定期間内で10回の演出ボタン入力処理が実行されて10個の状態変化データが生成される。
また、演出制御装置300は、例えば、演出操作部700に対する接触操作を促す画像等を表示装置41に表示して、触る操作等の1回の入力を監視するだけで確定できる操作を要求した場合には、今回の入力結果に基づいて要求した操作がなされたと確定できた際に、入力内容が確定したと判定する。
ステップC38で、タッチセンサ29aの入力内容が確定していないと判定した場合(ステップC38;N)は、ステップC43の処理に移行する。
一方、ステップC38で、タッチセンサ29aの入力内容が確定したと判定した場合(ステップC38;Y)は、タッチセンサ制御処理(ステップC37)の結果、タッチセンサ29aの有効確率を突破したかを判定する(ステップC39)。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、演出操作部700に対する複数回の接触操作(連打(連続タッチ)操作等)や複数回の接触移動操作(こする操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合には、当該表示の開始以降に実行した演出ボタン入力処理の回数に対する、当該表示の開始以降にステップC38にて入力内容が確定したと判定した回数の割合が、予め定められた所定割合に達した際や、当該表示の開始以降にステップC38にて入力内容が確定したと判定した回数が、予め定められた所定回数に達した際に、有効確率を突破したと判定する。
また、演出制御装置300は、例えば、演出操作部700に対する1回の接触操作(ワンタッチ操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合や、演出操作部700に対する1回の接触移動操作(フリック操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合には、ステップC38にて入力内容が確定したと判定したので、無条件で有効確率を突破したと判定する。
ステップC39で、タッチセンサ29aの有効確率を突破していないと判定した場合(ステップC39;N)は、ステップC43の処理に移行する。
一方、ステップC39で、タッチセンサ29aの有効確率を突破したと判定した場合(ステップC39;Y)は、タッチセンサ29aの入力結果情報を保存して(ステップC40)、タッチセンサ29aを無効に設定する(ステップC41)。そして、タッチセンサ29aの検出感度が「高感度」に設定されていたら「通常感度」に設定して(ステップC42)、ステップC43の処理に移行する。
ステップC43では、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の有効期間中であるかを判定する(ステップC43)。
ステップC43で、PUSHセンサの有効期間中でないと判定した場合(ステップC43;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。
一方、ステップC43で、PUSHセンサの有効期間中であると判定した場合(ステップC43;Y)は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)に入力があるか、すなわち演出操作部700に対する押圧操作が検出されたかを判定する(ステップC44)。
ステップC44で、PUSHセンサに入力がないと判定した場合(ステップC44;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。
一方、ステップC44で、PUSHセンサに入力があると判定した場合(ステップC44;Y)、すなわち演出操作部700に対する押圧操作が検出された場合は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の有効確率を突破したかを判定する(ステップC45)。
具体的には、演出制御装置300は、例えば、演出操作部700に対する複数回の押圧操作(連打(連続PUSH)操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合には、当該表示の開始以降に実行した演出ボタン入力処理の回数に対する、当該表示の開始以降にステップC44にて入力があると判定した回数の割合が、予め定められた所定割合に達した際や、当該表示の開始以降にステップC44にて入力があると判定した回数が、予め定められた所定回数に達した際に、有効確率を突破したと判定する。
また、演出制御装置300は、例えば、演出操作部700に対する1回の押圧操作(ワンPUSH操作等)を促す画像等を表示装置41に表示した場合には、ステップC44にて入力があると判定したので、無条件で有効確率を突破したと判定する。
ステップC45で、PUSHセンサの有効確率を突破していないと判定した場合(ステップC45;N)は、演出ボタン入力処理を終了する。
一方、ステップC45で、PUSHセンサの有効確率を突破したと判定した場合(ステップC45;Y)は、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)の入力結果情報を保存し(ステップC49)、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)を無効に設定して(ステップC50)、演出ボタン入力処理を終了する。
また、ステップC36で、空間タッチ演出中であると判定した場合(ステップC36;Y)は、当該空間タッチ演出がPUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)として扱う演出であるかを判定する(ステップC46)。
ここで、空間タッチ演出には、PUSHセンサとして扱う演出と、PUSHセンサとして扱わない演出とがある。
PUSHセンサとして扱う演出において、演出制御装置300は、演出操作部700に対する手かざし操作が検出された場合に、PUSH操作(押圧操作)に相当する操作が行われたものとして認識して、押圧操作に対応する制御を行うよう構成されている。
また、PUSHセンサとして扱わない演出において、演出制御装置300は、演出操作部700に対する手かざし操作が検出された場合に、タッチ操作(接触操作)に相当する操作が行われたものとして認識して、接触操作に対応する制御を行うよう構成されている。
ステップC46で、PUSHセンサとして扱う演出でないと判定した場合(ステップC46;N)、すなわち演出操作部700に対する手かざし操作を演出操作部700に対する接触操作とみなす場合には、ステップC37の処理に移行する。
この場合、例えば、演出操作部700の上方(具体的には、演出操作部700の上方のうちのタッチセンサ29aの検出範囲内)で指等がスライド移動した場合に、演出操作部700に対するフリック操作がなされたとみなすことができる。また、例えば、演出操作部700の上方で指等が複数回上下移動した場合(具体的には、指等がタッチセンサ29aの検出範囲内と検出範囲外とを往復移動した場合)に、演出操作部700に対する複数回の接触操作がなされたとみなすことができる。
一方、ステップC46で、PUSHセンサとして扱う演出であると判定した場合(ステップC46;Y)、すなわち演出操作部700に対する手かざし操作を演出操作部700に対する押圧操作とみなす場合は、タッチセンサ29aを無効に設定し(ステップC47)、タッチセンサ29aの検出感度を「通常感度」に設定して(ステップC48)、ステップC49の処理に移行する。
このように、本実施形態では、PUSHセンサとして扱う演出であると判定した場合には、入力内容が確定したか否かや、有効確率を突破したか否かの判定を行わずに、直ちに入力を確定して、タッチ入力であるがPUSH入力として扱うよう構成されている。
ここで、図122のタイミングチャートを用いて、本実施形態における空中タッチ(空間タッチ)演出の一例を説明する。
本実施形態の場合、客待ち中は、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるので、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出も、タッチセンサ29aによる検出も有効になっている。その際、タッチセンサ29aの検出感度は「通常感度」に設定されている。
そして、所定の特図変動表示ゲーム(例えば、変動演出の後半で空中タッチ(空間タッチ)演出が出現する変動表示ゲーム)が開始すると、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出も、タッチセンサ29aによる検出も無効になる。
次いで、変動演出の前半(例えば、リーチ発生前)で演出ボタンを使用する演出が実行され、PUSH待ち演出が開始すると、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像が表示装置41に表示されて、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出のみが有効になる。したがって、演出操作部700に接触しても演出は変化しないが、演出操作部700を押圧すると演出が変化する。
そして、演出操作部700に対する押圧操作が検出されると、演出が変化して、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出も、タッチセンサ29aによる検出も無効になる。
次いで、変動演出の後半(例えば、リーチ発生後)で空中タッチ(空間タッチ)演出が開始すると、まず、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出のみが有効になり、当該空中タッチ(空間タッチ)演出の開始から所定時間経過後に、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出だけでなく、タッチセンサ29aによる検出も有効になるとともに、タッチセンサ29aの検出感度が「高感度」に切り替わる。この例では、空間タッチ演出が開始すると、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像を表示装置41に表示して、PUSH待ち演出が開始したように見せかけている。これにより、演出操作部700を押圧しようとして演出操作部700に手をかざしただけで演出が変化するため、遊技者を驚かせることができる。したがって、印象的な演出を行うことができるため、特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となる期待度が高い時等に当該空間タッチ演出を出現させると、より効果的である。
そして、演出操作部700に対する手かざし操作が検出されると、演出が変化して、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出も、タッチセンサ29aによる検出も無効になるとともに、タッチセンサ29aの検出感度が「通常感度」に戻る。
したがって、例えば、演出操作部700を押圧しようとして演出操作部700に手をかざし、当該手かざしに基づいて演出が変化した後は、演出操作部700を押圧しても、当該押圧に基づいて演出が変化しない。これにより、演出操作部700を押圧しようとしただけ(すなわち、演出操作部700に手をかざしただけ)で演出が変化したことを、遊技者に明確に認識させることができる。
ここで、この例では、空間タッチ演出が開始すると、まず、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出のみが有効になり、当該空間タッチ演出の開始から所定時間経過後に、タッチセンサ29aによる検出も有効になるよう構成している。
空間タッチ演出の開始とともにタッチセンサ29aによる検出を有効にする場合、演出操作部700に遊技者の手が接触している状態で空間タッチ演出が開始した際に、遊技者が操作していないのに演出が変化してしまうという不都合が生じてしまう。そのため、この例では、空間タッチ演出の開始から所定時間経過後にタッチセンサ29aによる検出を有効にすることによって、このような不都合が生じることを防止している。
また、空間タッチ演出の開始とともにPUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出を有効にしない場合、演出操作部700に遊技者の手が接触している状態で空間タッチ演出が開始して、空間タッチ演出の開始とともに演出操作部700に対する押圧操作がなされた際に、演出が変化しないという不都合(すなわち、遊技機10の指示どおりに操作したにもかかわらず演出が変化しないという不都合)が生じてしまう。そのため、この例では、空間タッチ演出の開始とともにPUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出を有効にすることによって、このような不都合が生じることを防止している。
なお、空間タッチ演出の開始からタッチセンサ29aによる検出が有効になるまでの時間は、適宜任意に設定可能であるが、例えば、演出操作部700に手が接触していない状態から演出操作部700に手をかざした状態になるまでに要する一般的な時間に設定することができる。これにより、空間タッチ演出が開始して直ぐ演出操作部700を押圧しようと演出操作部700の上方へと手を移動させた際に、演出が変化することとなり、好ましい。
また、空間タッチ演出は、変動演出の後半に実行することに限らず、変動演出の前半において実行したり、変動演出の前半と後半の両方で実行したり、本実施形態のようにPUSHセンサによる検出を行う演出とは独立して実行するようにしても良い。
〔シナリオ設定処理〕
次に、上述のメイン処理におけるシナリオ設定処理(ステップC13)の詳細について説明する。
図118に示すように、シナリオ設定処理では、まず、シナリオ管理領域0(シナリオレイヤー番号0)に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域を準備し(ステップC61)、この準備に基づいてシナリオ解析処理(ステップC62)を実行する。ここで、「アドレス領域を準備し」とは、後の処理で当該アドレス領域に設定されているデータを読み取るために、当該アドレス領域自体のアドレスを準備することを意味する。
次いで、シナリオ管理領域1(シナリオレイヤー番号1)に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域を準備し(ステップC63)、この準備に基づいてシナリオ解析処理(ステップC64)を実行する。
次いで、シナリオ管理領域2(シナリオレイヤー番号2)に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域を準備し(ステップC65)、この準備に基づいてシナリオ解析処理(ステップC66)を実行する。
次いで、シナリオ管理領域3(シナリオレイヤー番号3)に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域を準備し(ステップC67)、この準備に基づいてシナリオ解析処理(ステップC68)を実行する。
次いで、シナリオ管理領域4(シナリオレイヤー番号4)に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域を準備し(ステップC69)、この準備に基づいてシナリオ解析処理(ステップC70)を実行する。
次いで、シナリオ管理領域5(シナリオレイヤー番号5)に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域を準備し(ステップC71)、この準備に基づいてシナリオ解析処理(ステップC72)を実行する。
次いで、シナリオ管理領域6(シナリオレイヤー番号6)に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域を準備し(ステップC73)、この準備に基づいてシナリオ解析処理(ステップC74)を実行する。
次いで、シナリオ管理領域7(シナリオレイヤー番号7)に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域を準備し(ステップC75)、この準備に基づいてシナリオ解析処理(ステップC76)を実行して、シナリオ設定処理を終了する。
なお、本実施形態の場合、シナリオレイヤーは8個あり、シナリオレイヤー番号は0から7まである。そして、これら8個のシナリオレイヤーのうち、シナリオレイヤー0は主に背景を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー1は主にカットイン予告キャラクタを制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー2は主に左図柄を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー3は主に右図柄を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー4は主に中図柄を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー5は主に保留を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー6は主に予告キャラクタを制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー7は主に第4図柄を制御するレイヤーである。
但し、この態様に限られない。例えば、本実施形態ではシナリオレイヤーの数を8個としているが、シナリオレイヤーの数はこれに限られない。特に背景や予告に使用するレイヤーは機種仕様により増減し、本実施形態ではなるべく少数に限定して説明している。また、各シナリオレイヤーの制御対象も本実施形態のものに限られず、各種割り振りが有り得る。例えば、シナリオレイヤー0は主に背景を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー1は主に左図柄を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー2は主に右図柄を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー3は主に中図柄を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー4は主に予告1を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー5は主に予告2を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー6は主に保留を制御するレイヤーであり、シナリオレイヤー7は主に第4図柄を制御するレイヤーであるという態様でもよい。
また、シナリオ管理領域のアドレス領域は、シナリオレイヤー毎に設けられており、制御するものがある場合には、対応するシナリオ管理領域X(X=0〜7の何れか)のアドレス領域にシナリオ管理領域のアドレスが保存されており、制御するものがない場合には、対応するシナリオ管理領域Xのアドレス領域の中はNULLに設定されている。例えば、客待ちのムービー中には保留の表示を行わないので、背景の領域(シナリオ管理領域0のアドレス領域)にはアドレス(シナリオ管理領域0のアドレス)が設定されているが、保留の領域(シナリオ管理領域6のアドレス領域)にはNULLが設定されている。
〔シナリオ解析処理〕
次に、上述のシナリオ設定処理におけるシナリオ解析処理(ステップC62,C64,C66,C68,C70,C72,C74,C76)の詳細について説明する。
図119および図120に示すように、シナリオ解析処理では、まず、brkの値(後述する処理の繰り返しに利用されるデータ)を0に設定し(ステップC81)、準備されているシナリオ管理領域Xのアドレス領域に設定されているデータ(シナリオ管理領域Xのアドレス、或いはNULL)のデータをロードする(ステップC82)。ここで、「準備されているシナリオ管理領域Xのアドレス領域」とは、例えば、当該シナリオ解析処理がシナリオ設定処理におけるステップC62で実行されている場合には、その直前のステップC61で準備されたアドレス領域(シナリオ管理領域0のアドレス領域)であり、当該シナリオ解析処理がシナリオ設定処理におけるステップC64で実行されている場合には、その直前のステップC63で準備されたアドレス領域(シナリオ管理領域1のアドレス領域)であり、他のケースも同様に直前のステップで準備されたものである。
次いで、ステップC82でロードしたアドレスのデータがNULLか判定し(ステップC83)、NULLならば(ステップC83;Y)、制御不要なのでシナリオ解析処理を終了し、NULLでなければ(ステップC83;N)、ステップC82でロードしたアドレスのシナリオ管理領域におけるシナリオ用タイマの値を読み取り、このシナリオ用タイマの値が0より小さいか判定する(ステップC84)。0より小さい場合(ステップC84;Y)には、異常なのでシナリオ解析処理を終了する。なお、シナリオ用タイマの値は、シナリオ制御データが設定される度に、まず0に設定されるが、0が下限であるので、0より小さい場合は異常と判定する。一方、0以上である場合(ステップC84;N)には、シナリオ用タイマの値が0でなければ、このシナリオ用タイマの値を−1更新する(ステップC85)。
そして、シナリオ用タイマの値が0より大きいか判定し(ステップC86)、0より大きい場合(ステップC86;Y)には、未だタイムアップしていないのでシナリオ解析処理を終了し、0以下である場合(ステップC86;N)には、ステップC87に進む。
これらステップC84〜C86によれば、ウェイト用のタイマ管理が行われる。すなわち、対象のシナリオ管理領域(ステップC82でロードしたアドレスのシナリオ管理領域)におけるシナリオ用タイマ領域に設定されたシナリオ用タイマの値に対応する時間だけ、対象のシナリオテーブル(対象のシナリオ管理領域におけるシナリオ用データテーブル領域に設定されたアドレスのシナリオテーブル)の制御進行を遅らせる動作が実現される。ここで、「シナリオテーブルの制御進行を遅らせる動作」とは、シナリオテーブルの進行にウェイトを掛ける(シナリオテーブルの次の行に進まずにそこで待つ。その時の演出をし続ける。)ことを意味する。例えば、図123の15行目(//14)では、定数ウェイトコードが設定されてウェイト時間値が(60)であるため、60フレームに相当する時間この行にとどまり、当該時間経過後に次の行に進行するが、この動作が「シナリオテーブルの制御進行を遅らせる動作」に相当する。なお、シナリオテーブルにおいて、ウェイト時間値とウェイト時間値の間にあるコード(定数ウェイトコード等(PB(プッシュボタン)待ちコード含む)が設定された行と、次に定数ウェイトコード等が設定された行との間にある行のオペコード)は全て同時期に実行される。そして、ステップC85の更新によりシナリオ用タイマの値が0以下になると、シナリオ用タイマがタイムアップしたと判断されるため、対象のシナリオテーブルの制御処理を進行させるべく、ステップC86を経てステップC87に進む構成となっている。但し、対象のシナリオテーブルの制御処理(ステップC94以降)は、後述するPB有効時間のためのタイマ管理の処理の後に実行される。
すなわち、ステップC87に進むと、対象のPB用タイマの値(ステップC82でロードしたアドレスのシナリオ管理領域におけるPB用タイマ領域の値)を読み取り、このPB用タイマの値が0より大きいか判定し(ステップC87)、0より大きい場合(ステップC87;Y)には、タイムアップしていないのでステップC88に進み、0以下である場合(ステップC87;N)には、タイムアップしているのでステップC93に進む。
ステップC88に進むと、PB操作が検出されているか判定し(ステップC88)、PB操作が検出されている場合(ステップC88;Y)には、ステップC89に進み、PB操作が検出されていない場合(ステップC88;N)には、対象のPB用タイマの値を−1更新して(ステップC92)、ステップC93に進む。ここで、PB操作が検出されているか否かは、演出ボタン入力処理(図117参照)においてPBに対する操作が検出されるとセットされるフラグ(PB操作フラグ)がセットされているか否かによって判定する。なお、本実施形態においてPBとは、演出ボタン25とタッチパネル29との一体化物(演出操作部700)のことであり、演出操作部700が備えるプッシュボタン(演出ボタン25)だけを指すものではない。
ステップC89に進むと、対象のPB用タイマのこの時点での値(すなわち、PBが押された時点におけるPB有効時間の残り時間)をPB演出加算時間として保存し(ステップC89)、次いで、対象のPB用タイマの値を0に設定して(ステップC90)、対象のシナリオ管理領域のPB検知フラグ領域にPB検知フラグをセットする(ステップC91)。これらステップC89〜C91では、PBが操作されたので、PB用タイマの残り時間をPB演出加算時間として記憶し、PB用タイマを0にリセットし、PBが操作されたことを示すPB検知フラグをシナリオ制御のためにシナリオ管理領域にセットしている。
そして、ステップC93に進むと、対象のPB用タイマの値が0より大きいか判定し(ステップC93)、0より大きい場合(ステップC93;Y)には、PB操作が検出されずタイムアップもしていないのでシナリオ解析処理を終了し、0以下である場合(ステップC93;N)には、PB操作がされたかタイムアップしたのでステップC94に進む。
ステップC87〜C93によれば、PB有効時間のためのタイマ管理が行われる。すなわち、対象のシナリオ管理領域(ステップC82でロードしたアドレスのシナリオ管理領域)におけるPB用タイマ領域に0より大きなPB用タイマの値が設定されている場合には、このPB用タイマの値に対応する時間だけ、対象のシナリオテーブル(対象のシナリオ管理領域におけるシナリオ用データテーブル領域に設定されたアドレスのシナリオテーブル)の制御進行を遅らせてPB有効時間を設ける動作が実現される。ここで、「シナリオテーブルの制御進行を遅らせてPB有効時間を設ける動作」とは、対象のPB用タイマの値が0になる(すなわち、PB用タイマがタイムアップする)か、或いはPBが操作されるまで、シナリオテーブルの進行にウェイトを掛ける(シナリオテーブルの次の行に進まずにそこで待つ。その時の演出をし続ける。)ことを意味する。例えば、図123の15行目(//14)では、定数ウェイトコードが設定されてウェイト時間値が(60)であるため、60フレームに相当する時間この行にとどまり、当該時間経過後に次の16行目に進行するが、この15行目による動作は前述したシナリオ用タイマによる「シナリオテーブルの制御進行を遅らせる動作」である。一方、3行目(//2)では、PB待ち(PUSH)コードが設定されて有効時間値が(30)であるため、後述するステップC143でこの有効時間値(30)がPB用タイマに設定され、PB操作(具体的にはPUSH操作(押圧操作))が無ければ最大30フレームに相当する有効時間この行にとどまり、この有効時間内にPB操作(具体的にはPUSH操作(押圧操作))があれば即座に次の行に進行するが、このようにPB用タイマに設定される有効時間(PB有効時間)だけPBに対する操作を待つ動作が「シナリオテーブルの制御進行を遅らせてPB有効時間を設ける動作」に相当する。そして、PBに対する操作がないままにステップC92の更新によりPB用タイマの値が0以下になってPB用タイマがタイムアップするか、PB用タイマがタイムアップするまでのPB有効時間の間にPBが操作されると、ステップC92又はステップC89〜C91を経てステップC93に進み、この場合はステップC93の判定結果がNo(PB用タイマは0)になってステップC94に進む。
但し、PB用タイマ領域に設定されたPB用タイマの値が当初から0の場合には、ステップC87からステップC93に進み、さらにステップC93からステップC94に進んで即座に制御が進行する(この場合のPB有効時間は0(無し)となる)。なお、PB有効時間は予告演出等の場合において設けられるため、それ以外の場合にはPB用タイマ領域の値は0に設定されていてPB有効時間は設けられない。
次にステップC94以降では、対象のシナリオテーブルの制御処理が実行される。以下、これを説明する。
ステップC94に進むと、brkの値として0でない値が設定されるまで、ループ端である当該ステップC94からステップC133までの間の処理を繰り返し実行する。つまり、後方のループ端であるステップC133では、その時点のbrkの値を読み取って、brkの値が0であればステップC94に戻って次のステップC95から処理を繰り返す。
すなわち、ステップC94に進むと、まずステップC95〜C98を順次実行した後に、ステップC99に進む。
具体的には、まず、対象のシナリオ管理領域におけるシナリオ用データテーブル領域からシナリオテーブルのアドレスをロードする(ステップC95)。例えば、PB予告時のシナリオレイヤー番号5の場合には、図123に示すシナリオテーブルのアドレスが、このステップC95でロードされる。
次いで、ステップC95でロードしたアドレスによって指定されるシナリオテーブルの特定の行(指定行)のオペコードを取得する(ステップC96)。なお、シナリオテーブルは、例えば図123に示すように、オペコードとオペランドのデータ(シナリオデータ)が各行に設定されたものである。例えば図123の場合、対象がシナリオ管理領域5(シナリオレイヤー番号5)であり指定行が1行目であると、最上段のシナリオレイヤー5の1行目のオペコードのデータである「モーション8登録コード」がステップC96で取得される。
次いで、ステップC96で取得したオペコードを上位ビットと下位ビットに分離し、準備する(ステップC97)。例えば、オペコードのデータが「51h」である場合、上位ビットである「5」と下位ビットである「1」とを分離してそれぞれ準備する。なお、オペコードの上位ビットと下位ビットには、それぞれ意味が持たせてある(但し、下位ビットには意味が無い場合がある)。例えば、「モーション1削除コード」である「51h」のうち、上位ビットである「5」はモーション削除を意味し、下位ビットである「1」は対象(この場合、モーション削除の対象)のモーションのレイヤーがモーション1であることを意味している。
次いで、ステップC95でロードしたアドレスによって指定されるシナリオテーブルの特定の行(指定行)のオペランドを取得し、準備する(ステップC98)。例えば図123の場合、対象がシナリオ管理領域5(シナリオレイヤー番号5)であり指定行が1行目であると、最上段のシナリオレイヤー5の1行目のオペランドのデータである「モーションインデックスNo.(64)」をステップC98で取得し、準備する。
その後、ステップC99に進むと、準備したオペコード上位データ(ステップC97で分離して準備したデータ、以下同様)を判定し、モーション登録を指令するデータ(モーション登録コード)である場合(ステップC99;Y)には、モーション登録処理(ステップC111)を実行した後にステップC131に進み、モーション登録を指令するデータでない場合(ステップC99;N)には、ステップC100に進む。
ステップC100に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、モーション削除を指令するデータ(モーション削除コード)である場合(ステップC100;Y)には、モーション削除処理(ステップC112)を実行した後にステップC131に進み、モーション削除を指令するデータでない場合(ステップC100;N)には、ステップC101に進む。
ステップC101に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、モーション継続を指令するデータ(モーション継続コード)である場合(ステップC101;Y)には、モーション継続処理(ステップC113)を実行した後にステップC131に進み、モーション継続を指令するデータでない場合(ステップC101;N)には、ステップC102に進む。
ステップC102に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、定数ウェイトを指令するデータ(定数ウェイトコード)である場合(ステップC102;Y)には、定数ウェイト処理(ステップC114)を実行した後にステップC131に進み、定数ウェイトを指令するデータでない場合(ステップC102;N)には、ステップC103に進む。
ステップC103に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、可変ウェイトを指令するデータ(可変ウェイトコード)である場合(ステップC103;Y)には、可変ウェイト処理(ステップC115)を実行した後にステップC131に進み、可変ウェイトを指令するデータでない場合(ステップC103;N)には、ステップC104に進む。
ステップC104に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、PB待ちを指令するデータ(PB待ちコード)である場合(ステップC104;Y)には、PB待ち処理(ステップC116)を実行した後にステップC131に進み、PB待ちを指令するデータでない場合(ステップC104;N)には、ステップC105に進む。
ステップC105に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、PB判定分岐を指令するデータ(PB判定分岐コード)である場合(ステップC105;Y)には、PB判定分岐処理(ステップC117)を実行した後にステップC131に進み、PB判定分岐を指令するデータでない場合(ステップC105;N)には、ステップC106に進む。
ステップC106に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、図柄停止を指令するデータ(停止図柄setコード)である場合(ステップC106;Y)には、図柄停止処理(ステップC118)を実行した後にステップC131に進み、図柄停止を指令するデータでない場合(ステップC106;N)には、ステップC107に進む。
ステップC107に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、図柄逆算差替を指令するデータ(図柄逆算差替コード)である場合(ステップC107;Y)には、図柄逆算差替処理(ステップC119)を実行した後にステップC131に進み、図柄逆算差替を指令するデータでない場合(ステップC107;N)には、ステップC108に進む。
ステップC108に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、変動シナリオ切替を指令するデータ(変動シナリオ切替コード)である場合(ステップC108;Y)には、変動シナリオ切替処理(ステップC120)を実行した後にステップC131に進み、変動シナリオ切替を指令するデータでない場合(ステップC108;N)には、ステップC109に進む。
ステップC109に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、繰り返しを指令するデータ(繰返しコード)である場合(ステップC109;Y)には、繰り返し処理(ステップC121)を実行した後にステップC131に進み、繰り返しを指令するデータでない場合(ステップC109;N)には、ステップC110に進む。
ステップC110に進むと、準備したオペコード上位データを判定し、終了を指令するデータ(終了コード)である場合(ステップC110;Y)には、終了処理(ステップC122)を実行した後にステップC131に進み、終了を指令するデータでない場合(ステップC110;N)には、図示省略した他のステップに進む。なお、図示省略した他のステップ(図120において波線で示した箇所にあるステップ)は、ステップC99〜C122と同様に、準備したオペコード上位データの内容を判定し、その判定結果が他の種類のデータ(コード)である場合に対応する処理を実行してステップC131に進むというもので、準備したオペコード上位データが何れの種類のデータ(コード)にも該当しない場合にはシナリオ解析処理を終了する構成となっている。
そして、ステップC131に進むと、対象のシナリオレイヤー番号に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域に、この時点で設定されているデータを読み取り、このデータがNULLか判定し(ステップC131)、NULLならば(ステップC131;Y)、brkの値を1に設定して(ステップC132)、ステップC133に進み、NULLでなければ(ステップC131;N)、ステップC132を実行しないでステップC133に進む。
ステップC133に進むと、前述したように、その時点のbrkの値を読み取って、brkの値が0であればステップC94に戻って次のステップC95から処理を繰り返し、brkの値が0でない場合にはシナリオ解析処理を終了してリターンする。
このため、ステップC111〜C122等の何れかの処理において、brkの値が0でない値に設定されるか、或いは、対象のシナリオレイヤー番号に対応するシナリオ管理領域のアドレス領域にNULLが設定されると、ステップC94とC133をループ端とするループ処理を終了してリターンすることになる。そして、このようにして当該ループ処理を終了するまでは、シナリオ管理領域におけるシナリオ用データテーブル領域のアドレス(シナリオテーブルとその行を指定するアドレス)が適宜変更されて上記ループ処理が繰り返されて一連の演出の制御が実行される。
なお、上記のサブルーチン群(ステップC111〜C122)は一例であり、機種の仕様次第で変わる。
〔PB待ち処理〕
次に、上述のシナリオ解析処理におけるPB待ち処理(ステップC116)の詳細について説明する。
図121に示すように、PB待ち処理では、まず、シナリオ用データテーブル領域内のテーブルアドレスを次レコードに更新する(ステップC141)。
次いで、オペコード下位データに対応するPB入力タイプを保存する(ステップC142)。本実施形態の場合、PB入力タイプには、例えば、「PUSH(押圧操作)のみ」、「ボタンタッチ(接触操作)のみ」、「空間タッチ(手かざし操作)のみ」、「PUSH+ボタンタッチ」、「PUSH+空間タッチ」があり、ステップC142の処理によって、PB入力タイプに合った入力のみが有効となる。
次いで、オペランドのデータを、対象のシナリオ管理領域のPB用タイマ領域に設定する(ステップC143)。
次いで、対象のシナリオ管理領域におけるPB検知フラグ領域のPB検知フラグをクリアする(ステップC144)。
次いで、オペコード下位データが空中タッチ(空間タッチ)有のデータであるか判定する(ステップC145)。本実施形態の場合、例えば、オペコード下位データに対応するPB入力タイプが、「空間タッチのみ」または「PUSH+空間タッチ」である場合に、空中タッチ(空間タッチ)有のデータであると判定する。
そして、オペコード下位データが空中タッチ(空間タッチ)有のデータでない場合(ステップC145;N)には、brkの値を1に設定して(ステップC147)、PB待ち処理を終了する。
一方、オペコード下位データが空中タッチ(空間タッチ)有のデータである場合(ステップC145;Y)には、タッチセンサ29aの検出感度を「高感度」に設定する処理(ステップC146)を行った後に、brkの値を1に設定して(ステップC147)、PB待ち処理を終了する。
PB待ち処理では、演出操作部700を使用する演出(PB演出)を開始する時の設定が行われる。例えば、図123に示すシナリオテーブルの場合、まず1行目(//0)でモーション8のモーション登録処理が実行され、次いで2行目(//1)でモーション9のモーション登録処理(図124に示すPB予告時に使用するモーションテーブル「Mdat0070」に対応するモーションインデックス「70」の設定)が実行された後、次の3行目(//2)のオペコードがPB待ち(PUSH)コードであるためPB待ち処理が実行され、オペランドの有効時間値が(30)であるため、ステップC143でタイマ領域の値として30が設定され、所定期間(本実施形態の場合、1フレーム1/30秒であるため、1秒(=30×1/30)間)のPBの操作待ち時間が開始される。なお、ステップC144では、PBの操作待ち時間を開始するため、PBが操作されたことを示すPB検知フラグの値をオフ(フラグが立っていない状態)に初期設定している。
図123に、PB予告時に使用するシナリオテーブルの一例を示し、図124に、PB予告時に使用するモーションテーブルの一例を示す。図123のシナリオテーブルにおいて、1〜6行目(テーブル右側に図示したインデックス番号が0〜5)は共通部であり、7〜11行目(インデックス番号が6〜10)は演出操作部700が操作されなかった場合の動作部であり、12〜17行目(インデックス番号が11〜16)は演出操作部700が操作された場合の動作部である。そして、2行目のオペランドとして設定されているモーションインデックスNo.(70)に対応するモーションテーブルの具体例が、図124に示すモーションテーブル(Mdat0070)である。ここで、モーションテーブル(Mdat0070)において追加1コードによって登録される白ボタンのキャラクタは、演出操作部700が押されていない状態で白く光っているキャラクタであり、同じく黒ボタンのキャラクタは、演出操作部700が押されている状態で消灯しているキャラクタを示している。また、このモーションテーブル(Mdat0070)によれば、各キャラクタを一定時間毎に交互に表示することで、演出操作部700が出たりへこんだりしているアニメーション画像が表示される。なお、モーションテーブルの制御では、モーションが削除されない限り、テーブルが一番下までくると、頭に戻る。
例えば、図123に示すシナリオテーブルの場合、3行目までの制御が終了すると、次の4行目(//3)のオペコードがPB判定分岐コードであり、オペランドのテーブル飛び数が(8)であるため、有効時間内に演出操作部700に対する押圧操作が検出されれば、シナリオテーブルにおいて次の指定行は12行目(//11)に飛ぶことになる。そして、12行目に飛ぶと、12行目以降の演出(図125(c)参照)が開始される。一方、有効時間内に演出操作部700に対する押圧操作が検出されなければ、指定行は次の5行目(//4)になる。当該5行目の制御が終了すると、次の6行目(//5)のオペコードがPB判定分岐コードであり、オペランドのテーブル飛び数が(6)であるため、有効時間内に演出操作部700に対する押圧操作または手かざし操作が検出されれば、シナリオテーブルにおいて次の指定行は12行目(//11)に飛ぶことになる。一方、有効時間内に演出操作部700に対する押圧操作も手かざし操作も検出されなければ、指定行は次の7行目(//6)になり、この7行目によってモーション8のモーション登録処理が実行され、次いで8行目によってモーション9のモーション削除処理が実行され、次いで9行目によって定数ウェイト処理が実行され、次いで10行目によってモーション8のモーション削除処理が実行され、次いで11行目によって終了処理が実行されて、PB演出が単に終了する(巻物は開放しない)。
例えば、図123に示すシナリオテーブルの最終行の17行目(//16)が指定行の場合、オペコードが終了コードであるため、対象のシナリオ管理領域のアドレス領域がNULLとされて、シナリオ終了となる。
図123のシナリオテーブルにおいて、1〜6行目(テーブル右側に図示したインデックス番号が0〜5)は共通部であり、7〜11行目(インデックス番号が6〜10)は演出操作部700が操作されなかった場合の動作部であり、12〜17行目(インデックス番号が11〜16)は演出操作部700が操作された場合の動作部である。
なお、シナリオテーブルの3行目(インデックス番号2)にはPB設定(ボタン有効期間30フレーム)というPB待ち(PUSH)コードのデータが設定されており、30フレームの期間で演出操作部700に対する押圧操作が検出されたか否かを判定し、その判定結果に基づき、次のPB判定分岐コードで演出操作部700がオン(操作が検出された)なら+8だけシナリオデータがジャンプし(演出操作部700が操作された場合の動作部に進む)、演出操作部700がオフ(操作が検出されなかった)なら+1だけシナリオデータが進む(次の5行目に進む)ことになる。
また、シナリオテーブルの5行目(インデックス番号4)にはPB設定(ボタン有効期間60フレーム)というPB待ち(PUSH+空間タッチ)コードのデータが設定されており、60フレームの期間で演出操作部700に対する押圧操作または手かざし操作が検出されたか否かを判定し、その判定結果に基づき、次のPB判定分岐コードで演出操作部700がオン(操作が検出された)なら+6だけシナリオデータがジャンプし(演出操作部700が操作された場合の動作部に進む)、演出操作部700がオフ(操作が検出されなかった)なら+1だけシナリオデータが進む(演出操作部700が操作されなかった場合の動作部に進む)ことになる。
このように、30フレームの期間や60フレームの期間で演出操作部700に対する操作が検出されたか否かを判定するためのPB待ちコードのデータがシナリオテーブルに設定されているので、わざわざ他のプログラムで演出操作部700に対する操作が検出されたかどうかを判定して、フラグを立てる等の処理は不要であり、シナリオテーブルに従って演出の制御を進行させていけば、PB予告時の演出(すなわち、PB演出)に関する制御が実行されていく。
この場合、PB予告時に使用するシナリオテーブルの中には、演出操作部700が操作されないまま有効時間が終了してしまった場合のシナリオデータと、演出操作部700を操作したことにより演出が進行する場合のシナリオデータがある。
前者は上述したようにシナリオテーブルの7〜11行目(インデックス番号が6〜10)に相当し、演出操作部700が操作されなかった場合の動作部のシナリオデータである。
一方、後者はシナリオテーブルの12〜17行目(インデックス番号が11〜16)に相当し、演出操作部700が操作された場合の動作部のシナリオデータである。
ここで、演出操作部700を操作したことにより演出が進行するシナリオデータ部には、演出操作部700の操作時に音を鳴らすためのボタン操作音の出力設定を行う処理コードが設けられている。この処理コードは14行目(インデックス番号が13)のボタン音設定に相当し、「音声設定コード」としてサウンドNo.(15)というデータ(音出力に関する処理のコードに相当)が設けられている。
したがって、本実施形態の場合、遊技の進行中、PB予告時には図123に示すシナリオテ−ブルが使用されて演出が制御されることから、表示装置41に演出操作部700に対する操作を促す画像等が表示され、それに応じて遊技者が演出操作部700を操作すると、「音声設定コード」で指定されたサウンドNo.(15)というボタン操作音が出力される。
一方、表示装置41に演出操作部700に対する操作を促す画像等が表示されたとき、遊技者が演出操作部700を操作しなければ、ボタン操作音は出力されない。
このように、シナリオテーブルのボタン操作音の出力設定を行う「音声設定コード」という処理コードによって演出の制御が実行されるので、ボタン操作音を鳴らす/鳴らさないの確認が不要となり、映像と音の制御内容が同一のシナリオテーブル内にあることになるので、映像と音の演出の同期を管理しやすく、開発効率も向上する。
また、モーションテーブルとは、ブロック化された各表示演出を実行するための制御テーブルであることは既述したとおりであるが、ここで詳細を説明する。図124にPB予告時に使用するモーションテーブルの一例を示したが、このようなモーションテーブルがROM(例えば、PROM321)に多数登録されている。図124に示すように、モーションテーブルの各行には、先頭にコマンドのコードが設定され、それに続いてコマンドに対応するパラメータが設定されている。但し、パラメータは無い場合もある。
例えば、図124の1行目には、「追加1コード」というコマンドと「キャラクタNo.(白ボタン)」というパラメータが設定され、同2行目には、「ビヘイビアコード」というコマンドと「オブジェクトインデックス(0)」、「ビヘイビアインデックス(0)」というパラメータが設定され、同3行目には、「移動1コード」というコマンドと「オブジェクトインデックス(0)」、「X座標(338)」、「Y座標(230)」、「幅(123)」、「高さ(74)」というパラメータが設定され、同4行目には、「終了コード」というコマンドのみが設定されている。ここで、オブジェクトインデックスは、各オブジェクトを区別するためにオブジェクトに付けられる番号であり、追加コードで登録される順番に自動的に設定される。
そして、このオブジェクトインデックスの値が小さい程、表示レイヤーの前後関係として画面奥に表示されることになる。つまり、表示位置が重なった場合、オブジェクトインデックスの値が大きいオブジェクトが優先的に画面に表示されることになる。
また、図124の例では1つのキャラクタを登場させているが、同時に使用する他カテゴリ(予告とか)の全てのキャラクタ数合計が128個となるように管理する。つまり、本実施形態のVDP312では同時に128個のキャラクタを表示制御できる。なお、画面外にもキャラクタを配置できるので画面内に128個とは限らない。
また、終了コードまでの区切りが1フレーム分のデータとなっており、図124の例では、1行目から4行目までが最初の1フレーム分のデータである。また、座標データやサイズデータ等の数値は、本実施形態の意味となる値を記載しているだけで、小数点以下の情報を含んだデータでもよい。実際は、16bit符号付固定小数(符号ビット、整数部13ビット、小数部2ビットの2の補数)のデータとなっている。
また、前フレームと同じ状態を継続する場合は、終了コードだけを定義すればよい。
また、本実施形態におけるモーションテーブルのコマンドの種類と意味は、下記のとおりである。
・「追加コード」;オブジェクトを追加するコマンド。追加するオブジェクトの種類(ビットマップ、動画、単色矩形)に応じて、それぞれ追加1コード、追加2コード、追加3コードがある。
・「挿入コード」;オブジェクトを特定のオブジェクトインデックスとして挿入するコマンド。挿入するオブジェクトの種類(同上)によって、挿入1コード、挿入2コード、挿入3コードがある。この挿入コードの実行により、既に登録されているオブジェクトのオブジェクトインデックスの値はずれる。
・「移動コード」;オブジェクトの表示位置及び表示の大きさを指定するコマンド。指定方式(1点指定、3点指定)により、移動1コード、移動2コードがある。
・「エフェクトコード」;画像に透過性等の加工を施すエフェクトを指令するコマンド。
エフェクトタイプを指定するエフェクト1コード、エフェクトパラメータ(例えば、透過度の値(%))を指定するエフェクト2コード、エフェクト色を指定するエフェクト3コードがある。
・「削除コード」;オブジェクトの削除を指令するコマンド。
・「変更コード」;オブジェクトのキャラクタ(図柄や登場人物など)を動きの途中で動きを継続しまたまま差し替える変更を指令するコマンド。
・「デコードコード」;動画データのデコード(復号化)を指令するコマンド。
・「入替コード」;オブジェクトの入替(例えば、オブジェクトインデックス0とオブジェクトインデックス1のキャラクタを入れ替える制御)を指令するコマンド。
・「ビヘイビアコード」;オブジェクトのキャラクタの差替えを指令するコマンド。
・「終了コード」;1フレーム分のデータの終了を示すコマンド。
なお、モーションテーブルのコマンドは、以上説明したものに限定されず、上記以外のコマンドがさらに含まれた態様でもよいし、上記のコマンドのうちの何れかが削除された態様もあり得る。
図125に、PB演出として実行される巻物予告演出時に表示される画面の一例を示す。
まず、演出制御装置300は、閉じている巻物が画面外上方から落下してきて、画面ほぼ中央で静止する映像の表示を開始する(「//0:巻物落下モーション登録」)。これにより、図125(a)の上図に示すように、閉じた巻物が上方から落下して中央まできて静止して所定時間維持される映像が表示装置41に表示される。この例では、所定時間のウェイト後に演出が変化する(具体的には、巻物が開放する)か、演出が変化しない(具体的には、巻物が閉じたまま画面下に落下していく)かの2択の演出を行うことで遊技者に期待感を抱かせる構成となっている。
次いで、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像を表示する(「//1:PBモーション登録」)。これにより、図125(a)の下図に示すように、演出操作部700を示す画像が表示装置41に表示される。この際、図124に示すモーションテーブルが指定されるので、演出操作部700が出たりへこんだりしているアニメーション画像が表示される。
次いで、有効時間値(30)をPB用タイマに設定する(「//2:PB設定(ボタン有効期間30フレーム)」)。
そして、30フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作が検出された場合には、演出操作部700が操作された場合の動作部にジャンプし、30フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作が検出されなかった場合には、ジャンプしない(「//3:PB分岐(ボタンONなら+8、OFFなら+1)」)。
30フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作が検出されなかった場合には、有効時間値(60)をPB用タイマに設定する(「//4:PB設定(ボタン有効期間60フレーム)」)。
そして、60フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作または手かざし操作が検出された場合には、演出操作部700が操作された場合の動作部にジャンプし、60フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作も手かざし操作も検出されなかった場合には、ジャンプしない(「//5:PB分岐(ボタンONなら+6、OFFなら+1)」)。
60フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作も手かざし操作も検出されなかった場合には、閉じたままの巻物が画面外に落下してゆく映像の表示を開始して(「//6:巻物下方消滅モーション登録」)、表示装置41に表示されている演出操作部700を示す画像を削除する(「//7:PBモーション削除」)。次いで、ウェイト時間値(6)を設定して(「//8:ウェイト(6フレーム)」)、表示装置41に表示されている巻物の画像を削除する(「//9:巻物モーション削除」)。これにより、図125(b)に示すように、閉じた巻物が画面のほぼ中央から落下して画面外下方に消えてゆく映像が表示装置41に表示される。
そして、PB演出(この例の場合、巻物予告演出)を終了する(「//10:終了」)。この例では、巻物が消えきると動作終了となる構成となっている。
また、演出操作部700が操作された場合の動作部にジャンプした場合には、巻物が開いて文字が浮かび上がる映像の表示を開始し(「//11:巻物開放モーション登録」)、表示装置41に表示されている演出操作部700を示す画像を削除して(「//12:PBモーション削除」)、ボタン操作音を出力する(「//13:ボタン音設定」)。
次いで、ウェイト時間値(60)を設定して(「//14:ウェイト(60フレーム)」)、表示装置41に表示されている巻物の画像を削除する(「//15:巻物モーション削除」)。
これにより、図125(c)の(ア)に示すように、閉じている巻物が左右に広がるアニメーション画像が表示され、次いで、図125(c)の(イ)に示すように、開いている巻物の白地部分に徐々に「狼煙」という文字が浮かび上がってくるアニメーション画像が表示され、次いで、図125(c)の(ウ)に示すように、開いている巻物と文字が徐々に消えてゆくアニメーション画像が表示される。
そして、PB演出(この例の場合、巻物予告演出)を終了する(「//16:終了」)。なお、この例では、巻物と文字が消えきると動作終了となる構成となっている。
すなわち、演出制御装置300が、操作手段(演出操作部700)によって操作入力が受け付けられた場合に、所定演出(この例では、巻物が開いて文字が浮かび上がる映像を表示する演出)を実行可能な演出制御手段をなす。
以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、遊技者が操作可能な操作手段(演出操作部700)を前面に備えた遊技機において、操作手段(演出操作部700)は、当該操作手段(演出操作部700)に対する押圧操作を検出可能な押圧操作検出手段(演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25a)と、当該操作手段(演出操作部700)に対する接触操作を検出可能な接触操作検出手段(タッチセンサ29a)と、を備え、押圧操作の操作態様と接触操作の操作態様とに基づいて、所定の遊技処理を実行する。
ここで、所定の遊技処理とは、各種の設定・選択に関する処理、遊技者参加型の演出に関する処理などである。
したがって、演出操作部700は押圧操作と接触操作という2種類の操作による入力が可能であるので、演出操作部700の操作が単調にならず、演出操作部700の操作に対する意欲を高め、遊技の興趣を向上させることができる。また、演出操作部700は押圧操作と接触操作という2種類の操作による入力が可能であるので、遊技者参加型の演出の幅が広がり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態の遊技機10は、押圧操作の操作態様と接触操作の操作態様との双方に基づいて、所定の遊技処理を実行するだけでなく、押圧操作の操作態様のみに基づいて、所定の遊技処理を実行することも可能(例えば、「オート連打モード」の「Pa」ポイント長押しの場合)であるし、接触操作の操作態様のみに基づいて、所定の遊技処理を実行することも可能(例えば、「タッチアピールモード」の場合)である。
また、演出操作部700を使用する状況に合わせて操作の仕方を使い分けることも可能である。具体的には、例えば、より詳細な操作が必要な状況(設定内容の変更等)では、押圧操作の操作態様と接触操作の操作態様とに基づいて、所定の遊技処理を実行し、より迅速な操作が必要な場合(例えば、変動中の期待度報知演出等)では、押圧操作の操作態様または接触操作の操作態様に基づいて、所定の遊技処理を実行するよう構成することも可能である。このように、演出操作部700を使用する状況に合わせて操作の仕方を使い分けることで、遊技者参加型の演出の幅がより広がる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、操作手段(演出操作部700)は、押圧操作が可能な押圧操作部(本実施形態の場合、上面)と、押圧操作部に設けられ、接触操作が可能な複数の接触操作部(本実施形態の場合、「TSW1」〜「TSW8」ポイント)と、を有している。
したがって、押圧操作が可能な押圧操作部に、接触操作が可能な接触操作部が設けられているので、接触操作部に接触している指で、押圧操作部を押圧することができ、押圧操作と接触操作という2種類の操作を同じ指で行うことができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、複数の接触操作部の少なくとも一部(本実施形態の場合、「TSW1」,「TSW3」,「TSW6」,「TSW8」ポイント)は、所定の表示を所望の方向に移動させる指令を与える複数のシフトキー(カーソルキーの上下左右方向キー)それぞれに相当し、シフトキーに相当する接触操作部に対する接触操作が行われている状態で、押圧操作が行われた場合に、所定の表示を移動させる演出を実行する。
したがって、複数のシフトキーを備えなくても、演出操作部700の接触操作部のうちのシフトキーに相当する接触操作部に接触している状態で、当該演出操作部700を押圧することで、シフトキー操作に対応する演出が実行されるので、複数のシフトキーを備える必要がない。したがって、複数のシフトキーを備える場合、これらのシフトキーは一箇所に集中して設けられるものであるため、操作すべきでないキーまで操作してしまうことがあったが、複数のシフトキーを備えなくても、操作手段によってシフトキー操作に相当する操作を行うことができるので、このような誤操作を防止することができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、複数の接触操作部の何れか(本実施形態の場合、「TSW1」,「TSW8」ポイント)に対する接触操作が行われている状態で、押圧操作が行われている間、所定の繰り返し表示演出を実行する。
したがって、演出操作部700を連打操作しなくても、演出操作部700の接触操作部の「TSW1」,「TSW8」ポイントに接触している状態で、当該演出操作部700を押圧することで、演出操作部700の連打操作に対応する演出が実行されるので、演出操作部700を連打操作する必要がない。したがって、遊技者の手を必要以上に煩わせることがなく、連打操作が面倒だと思う遊技者や恥ずかしいと思う遊技者であっても、所定の繰り返し表示演出を楽しむことができる。
なお、「カーソルモード」でのタッチ検知ポイントと、「オート連打モード」でのタッチ検知ポイントと、を異ならせることで、「カーソル動作機能」と「オート連打機能」との両方を実現するよう構成することも可能である。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、遊技者が操作可能な操作手段(演出操作部700)を前面に備えた遊技機において、操作手段(演出操作部700)は、当該操作手段(演出操作部700)に対する押圧操作を検出可能な押圧操作検出手段(演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25a)と、当該操作手段(演出操作部700)に対する接触操作を検出可能な接触操作検出手段(タッチセンサ29a)と、を備え、所定期間内に押圧操作検出手段(演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25a)から規定幅以上のパルス幅の検出信号(本実施形態の場合、2m秒以上のパルス幅のプッシュボタン信号)が出力された場合は、その出力回数にかかわらず、押圧操作検出手段(演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25a)から検出信号が1回出力されたとみなす押圧検出みなし処理を行い、所定期間内に接触操作検出手段(タッチセンサ29a)から規定幅以上のパルス幅の検出信号(本実施形態の場合、2m秒以上のパルス幅のタッチON信号)が出力された場合は、その出力回数にかかわらず、接触操作検出手段(タッチセンサ29a)から検出信号が1回出力されたとみなす接触検出みなし処理を行うよう構成されている。
したがって、所定期間内における演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aからの検出信号の出力回数にかかわらず、演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aから検出信号が1回出力されたとみなし、所定期間内におけるタッチセンサ29aからの検出信号の出力回数にかかわらず、タッチセンサ29aから検出信号が1回出力されたとみなすので、遊技者の操作の仕方やノイズの影響によらない安定した検出を実現することができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、一の所定期間において押圧検出みなし処理を行い、次の所定期間において押圧検出みなし処理を行わなかった場合に、押圧操作に対応する制御を行い、一の所定期間において接触検出みなし処理を行い、次の所定期間において接触検出みなし処理を行わなかった場合に、接触操作に対応する制御を行うよう構成されている。
したがって、押圧検出みなし処理が断続的に行われた場合には、押圧検出みなし処理を行う毎に1回分の押圧操作に対応する制御を行い、押圧検出みなし処理が連続的に行われた場合には、その一連の押圧検出みなし処理に対して1回分の押圧操作に対応する制御を
行い、接触検出みなし処理が断続的に行われた場合には、接触検出みなし処理を行う毎に1回分の接触操作に対応する制御を行い、接触検出みなし処理が連続的に行われた場合には、その一連の接触検出みなし処理に対して1回分の接触操作に対応する制御を行うことができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、連続した所定数の所定期間それぞれにおいて押圧検出みなし処理を行った場合に、押圧操作に対応する制御を行い、連続した所定数の所定期間それぞれにおいて接触検出みなし処理を行った場合に、接触操作に対応する制御を行うよう構成することも可能である。
この場合、所定回数連続して押圧検出みなし処理を行った場合に、1回分の押圧操作に対応する制御を行い、所定回数連続して接触検出みなし処理を行った場合に、1回分の接触操作に対応する制御を行うので、チャタリングの影響を排除でき、状況に応じたノイズ対策を容易に実現することができる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、所定期間は、映像フレームの1周期分の期間、当該周期の1/m倍(mは2以上の整数)分の期間、当該周期のn倍(nは2以上の整数)分の期間の何れか1つの期間であればよい。
したがって、映像フレームの周期を基準として演出操作部700に対する操作を判定するので、処理が複雑にならずに済む。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、所定ゲームにおける演出進行過程において遊技者の操作に基づく演出介入を可能とした遊技機であって、遊技者の操作入力を受け付ける操作手段(演出操作部700)と、操作手段(演出操作部700)によって操作入力が受け付けられた場合に、所定演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の接触操作を検出可能な接触検出手段(タッチセンサ29a)と、接触検出手段(タッチセンサ29a)の検出感度を設定可能な検出感度設定手段(演出制御装置300)と、を備え、検出感度設定手段(演出制御装置300)は、所定ゲームにおける演出進行過程において接触検出手段(タッチセンサ29a)の検出感度を切り替えて、当該接触検出手段による検出範囲を変化可能である。
よって、所定ゲームにおける演出進行過程において接触検出手段(タッチセンサ29a)による検出範囲を変化可能であるため、検出範囲の変化の前後で操作入力として受け付ける操作態様を異ならせることができる。したがって、操作手段(演出操作部700)に対する操作に基づく演出介入に意外性を持たせ、遊技者の興趣を向上させることが可能となる。
なお、演出制御手段(演出制御装置300)が実行可能な所定演出は、巻物が開いて文字が浮かび上がる映像を表示する演出に限ることはなく、適宜任意に変更可能であり、例えば、役物を動作させる演出であってもよい。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、接触検出手段(タッチセンサ29a)は、検出感度設定手段(演出制御装置300)によって検出感度が非接触検出可能感度(「高感度」)に設定された場合は、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の非接触操作(手かざし操作)を検出可能となるよう構成することも可能である。
このように構成することによって、接触検出手段(タッチセンサ29a)の検出感度が非接触検出可能感度(「高感度」)に設定された場合には、遊技者が操作手段(演出操作部700)を操作(押圧操作や接触操作)しようとして操作手段(演出操作部700)に手を近づけただけで、操作入力を受け付けるため、操作手段(演出操作部700)を操作(押圧操作や接触操作)すると所定演出が実行されるという遊技者の意識よりも早く、所定演出を実行することができる。したがって、操作手段(演出操作部700)に対する操作に基づく演出介入に意外性を持たせ、遊技者の興趣を向上させることが可能となる。
また、以上説明した本実施形態の遊技機10によれば、接触検出手段(タッチセンサ29a)は、検出感度設定手段(演出制御装置300)によって検出感度が非接触検出可能感度(「高感度」)よりも低下させた接触検出可能感度(「通常感度」)に設定されている場合は、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の接触操作のみを検出可能となるよう構成することも可能である。
このように構成することによって、接触検出手段の検出感度として、接触検出可能感度(「通常感度」)と非接触検出可能感度(「高感度」)とを設定可能であるため、遊技者の接触操作と非接触操作(手かざし操作)とを共通の検出手段で検出することができる。
また、操作手段(演出操作部700)に接触しないと所定演出が実行されないときと、操作手段(演出操作部700)に手を近づけただけで所定演出が実行されるときとを混在させることができるため、操作手段(演出操作部700)に対する操作に基づく演出介入に意外性を持たせ、遊技者の興趣を向上させることが可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。
なお、第2実施形態の遊技機10においては、空間タッチ演出にかえて、あるいは空間タッチ演出に加えて、偽PUSH演出を行う点が、第1実施形態の遊技機10と異なる。したがって、以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本実施形態の遊技機10は、演出操作部700を使用する演出(PB(プッシュボタン)演出)の一種であるタッチ演出として、偽PUSH演出を実行可能に構成されている。
偽PUSH演出が開始すると、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像を表示する等して演出操作部700に対する押圧操作を促す報知が行われる。そして、偽PUSH演出中は、遊技者が演出操作部700を押そうと演出操作部700に手を接触させた際に、役物が作動したり、演出が変化(例えば、表示による演出が変化)したりするよう構成されている。
第1実施形態の遊技機10は、センターケース40の左部および右部に、盤演出装置44として、ロボット型の役物(図2参照)を備えているのに対し、本実施形態の遊技機10は、センターケース40の左部および右部に、盤演出装置44として、刀型の役物(図128参照)を備えている。
図126に、本実施形態における偽PUSH演出の一例を説明するタイミングチャートを示す。
本実施形態の場合も、第1実施形態の場合と同様、客待ち中は、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるので、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出も、タッチセンサ29aによる検出も有効になっている。その際、タッチセンサ29aの検出感度は「通常感度」に設定されており、偽PUSH演出が出現する特図変動表示ゲームの間も、タッチセンサ29aの検出感度は「通常感度」に設定されたままとなる。
そして、偽PUSH演出が出現する特図変動表示ゲームが開始すると、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出も、タッチセンサ29aによる検出も無効になる。
次いで、PUSH待ち演出が開始すると、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像が表示装置41に表示されて、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出のみが有効になる。したがって、演出操作部700に接触しても演出が変化したり演出可動役物の動作が開始したりしないが、演出操作部700を押圧すると演出が変化したり演出可動役物(例えば、盤演出装置44)の動作が開始したりする。
すなわち、演出ボタンスイッチ25aが、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の押圧操作を検出可能な押圧検出手段をなし、演出制御装置300が、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の押圧操作を促す報知演出(本実施形態の場合、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像を表示装置41に表示する演出)を実行可能な押圧操作報知手段をなす。
そして、演出操作部700に対する押圧操作が検出されると、表示装置41に表示されていた演出操作部700に対する押圧操作を促す画像が消えて、演出が変化するとともに演出可動役物の動作が開始する。さらに、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出も、タッチセンサ29aによる検出も無効になる。
次いで、タッチ演出(偽PUSH演出)が開始すると、まず、タッチセンサ29aによる検出のみが有効になる。この例では、偽PUSH演出が開始すると、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像を表示装置41に表示して、PUSH待ち演出が開始したように見せかけている。これにより、演出操作部700を押圧しようとして演出操作部700に触れただけで演出可動役物(例えば、盤演出装置44)の動作が開始するため、遊技者を驚かせることができる。したがって、印象的な演出を行うことができるため、特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当り)となる期待度が高い時等に当該偽PUSH演出を出現させると、より効果的である。また、演出操作部700が押圧される前に演出可動役物の動作を開始することで、演出操作部700が押圧されてから演出可動役物の動作を開始する場合よりも、演出可動役物の動作応答時間が早まったように見せることができる。
そして、演出操作部700に対する接触操作が検出されると、演出可動役物の動作が開始し、タッチセンサ29aによる検出が無効になって、PUSHセンサ(演出ボタンスイッチ25a)による検出が有効になる。
その後、演出操作部700に対する押圧操作が検出されると、表示装置41に表示されていた演出操作部700に対する押圧操作を促す画像が消えて、演出が変化する。また、演出操作部700に対する押圧操作が検出されなくても、演出操作部700に対する接触操作が検出されてから所定時間経過した場合には、表示装置41に表示されていた演出操作部700に対する押圧操作を促す画像が消えて、演出が変化する。
図127に、本実施形態におけるPB予告時に使用するシナリオテーブルの一例を示し、図128に、本実施形態におけるPB予告時の演出(すなわち、PB演出)として実行される巻物予告演出時に表示される画面と当該巻物予告演出時における役物動作の一例を示す。図127のシナリオテーブルにおいて、1〜6行目(テーブル右側に図示したインデックス番号が0〜5)は共通部であり、7〜11行目(インデックス番号が6〜10)は演出操作部700が操作されなかった場合の動作部であり、12〜22行目(インデックス番号が11〜21)は演出操作部700が操作された場合の動作部である。
まず、演出制御装置300は、閉じている巻物が画面外上方から落下してきて、画面ほぼ中央で静止する映像の表示を開始する(「//0:巻物落下モーション登録」)。これにより、図128(a)の上図に示すように、閉じた巻物が上方から落下して中央まできて静止して所定時間維持される映像が表示装置41に表示される。この例では、所定時間のウェイト後に演出が変化する(具体的には、巻物が開放する)か、演出が変化しない(具体的には、巻物が閉じたまま画面下に落下していく)かの2択の演出を行うことで遊技者に期待感を抱かせる構成となっている。
次いで、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像を表示する(「//1:PBモーション登録」)。これにより、図128(a)の中央図に示すように、演出操作部700を示す画像が表示装置41に表示される。この際、図124に示すモーションテーブルが指定されるので、演出操作部700が出たりへこんだりしているアニメーション画像が表示される。
次いで、有効時間値(30)をPB用タイマに設定する(「//2:PB設定(ボタン有効期間30フレーム)」)。
そして、30フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作が検出された場合には、演出操作部700が操作された場合の動作部にジャンプし、30フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作が検出されなかった場合には、ジャンプしない(「//3:PB分岐(ボタンONなら+8、OFFなら+1)」)。
30フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作が検出されなかった場合には、有効時間値(60)をPB用タイマに設定する(「//4:PB設定(ボタン有効期間60フレーム)」)。
そして、60フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作または接触操作が検出された場合には、演出操作部700が操作された場合の動作部にジャンプし、60フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作も接触操作も検出されなかった場合には、ジャンプしない(「//5:PB分岐(ボタンONなら+6、OFFなら+1)」)。
60フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作も接触操作も検出されなかった場合には、閉じたままの巻物が画面外に落下してゆく映像の表示を開始して(「//6:巻物下方消滅モーション登録」)、表示装置41に表示されている演出操作部700を示す画像を削除する(「//7:PBモーション削除」)。次いで、ウェイト時間値(6)を設定して(「//8:ウェイト(6フレーム)」)、表示装置41に表示されている巻物の画像を削除する(「//9:巻物モーション削除」)。これにより、図128(b)に示すように、閉じた巻物が画面のほぼ中央から落下して画面外下方に消えてゆく映像が表示装置41に表示される。
そして、PB演出(この例の場合、巻物予告演出)を終了する(「//10:終了」)。この例では、巻物が消えきると動作終了となる構成となっている。
なお、60フレームに相当する時間内に演出操作部700に対する押圧操作も接触操作も検出されなかった場合には、閉じた巻物が画面のほぼ中央から落下して画面外下方に消えてゆく映像が表示装置41に表示される前に、エフェクト画像の表示を開始し、表示装置41に表示されている演出操作部700を示す画像を削除し、演出可動役物動作音を出力して、演出可動役物(この例では盤演出装置44)の動作を開始するよう構成することも可能である。
また、演出操作部700が操作された場合の動作部にジャンプした場合には、エフェクト画像の表示を開始し(「//11:エフェクトモーション登録」)、表示装置41に表示されている演出操作部700を示す画像を削除し(「//12:PBモーション削除」)、演出可動役物動作音を出力して(「//13:役物動作音設定」)、演出可動役物(この例では盤演出装置44)の動作を開始する(「//14:巻物予告時動作設定」)。
これにより、図128(a)の下図に示すように、盤演出装置44が動作して、当該動作を強調するためのエフェクト画像が表示装置41に表示されるとともに、当該動作を強調するためのエフェクト音がスピーカ19a,19b等から出力される。
次いで、ウェイト時間値(30)を設定し(「//15:ウェイト(30フレーム)」)、表示装置41に表示されているエフェクト画像を削除して(「//16:エフェクトモーション削除」)、ウェイト時間値(6)を設定する(「//17:ウェイト(6フレーム)」)。
次いで、巻物が開いて文字が浮かび上がる映像の表示を開始し(「//18:巻物開放モーション登録」)、ウェイト時間値(60)を設定して(「//19:ウェイト(60フレーム)」)、表示装置41に表示されている巻物の画像を削除する(「//20:巻物モーション削除」)。これにより、図128(c)の(ア)に示すように、閉じている巻物が左右に広がるアニメーション画像が表示され、次いで、図128(c)の(イ)に示すように、開いている巻物の白地部分に徐々に「狼煙」という文字が浮かび上がってくるアニメーション画像が表示され、次いで、図128(c)の(ウ)に示すように、開いている巻物と文字が徐々に消えてゆくアニメーション画像が表示される。
そして、PB演出(この例の場合、巻物予告演出)を終了する(「//21:終了」)。なお、この例では、巻物と文字が消えきると動作終了となる構成となっている。
すなわち、表示装置41が、表示による演出を実行可能な表示装置をなし、盤演出装置44が、演出可動役物をなす。
そして、演出制御手段(演出制御装置300)は、押圧操作報知手段(演出制御装置300)によって報知演出(この例では、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像を表示装置41に表示する演出)が実行された場合に、接触検出手段(タッチセンサ29a)によって遊技者の接触操作が検出されたことに基づき、所定演出を実行可能である。
具体的には、演出制御手段(演出制御装置300)は、押圧操作報知手段(演出制御装置300)によって報知演出が実行された場合に、接触検出手段(タッチセンサ29a)によって遊技者の接触操作が検出されたことに基づき、表示装置41の表示による演出を変化させる(この例では、巻物が開いて文字が浮かび上がらせる)表示演出実行手段(演出制御装置300)を有している。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、押圧操作報知手段(演出制御装置300)によって報知演出が実行された場合に、接触検出手段(タッチセンサ29a)によって遊技者の接触操作が検出されたことに基づき、演出可動役物(盤演出装置44)を動作させる役物演出実行手段(演出制御装置300)を有している。
なお、図127のシナリオテーブルに示す例では、「//5:PB分岐(ボタンONなら+6、OFFなら+1)」から「//11:エフェクトモーション登録」にジャンプした場合、すなわち偽PUSH演出が開始して接触操作が検出された場合には、その後に押圧操作が検出されたか否かにかかわらず、「//11:エフェクトモーション登録」にジャンプしてから一定時間経過後に演出が変化する(すなわち、「//18:巻物開放モーション登録」の制御を行う)よう構成されているが、図126のタイミングチャートに示す例のように、偽PUSH演出が開始して接触操作が検出された場合には、その後に押圧操作が検出されると直ぐに演出を変化させるよう構成することも可能である。
すなわち、偽PUSH演出中においては、接触操作の検出後(役物の動作開始後)、所定時間の経過に基づいて演出を変化させるよう構成してもよいし、接触操作の検出後(役物の動作開始後)、押圧操作が検出されたことに基づいて演出を変化させるよう構成してもよい。
なお、図126のタイミングチャートに示す例の場合、接触操作が検出されてから所定時間が経過するまでの間に押圧操作が検出されない際には、当該所定時間の経過後に演出を変化させるよう構成することも可能であるし、接触操作が検出されてから所定時間が経過するまでの間に押圧操作が検出されない際には、演出を変化させないよう構成することも可能である。
以上説明した第2実施形態の遊技機10によれば、所定ゲームにおける演出進行過程において遊技者の操作に基づく演出介入を可能とした遊技機であって、遊技者の操作入力を受け付ける操作手段(演出操作部700)と、操作手段(演出操作部700)によって操作入力が受け付けられた場合に、所定演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、操作手段(演出操作部700)は、当該操作手段に対する遊技者の接触操作を検出可能な接触検出手段(タッチセンサ29a)と、当該操作手段に対する遊技者の押圧操作を検出可能な押圧検出手段(演出ボタンスイッチ25a)と、を有し、演出制御手段(演出制御装置300)は、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の押圧操作を促す報知演出を実行可能な押圧操作報知手段(演出制御装置300)を有し、押圧操作報知手段(演出制御装置300)によって報知演出が実行された場合に、接触検出手段(タッチセンサ29a)によって遊技者の接触操作が検出されたことに基づき、所定演出を実行可能である。
よって、遊技者が操作手段(演出操作部700)を押圧しようとして操作手段(演出操作部700)に接触しただけで、所定演出が実行されるため、操作手段(演出操作部700)を押圧すると所定演出が実行されるという遊技者の意識よりも早く、所定演出を実行することができる。したがって、操作手段(演出操作部700)に対する操作に基づく演出介入に意外性を持たせ、遊技者の興趣を向上させることが可能となる。
なお、操作手段(演出操作部700)に対する遊技者の押圧操作を促す報知演出は、演出操作部700に対する押圧操作を促す画像を表示装置41に表示する演出に限ることはなく、適宜任意に変更可能であり、例えば、演出操作部700の上面を光らせる演出等であってもよい。
また、以上説明した第2実施形態の遊技機10によれば、表示による演出を実行可能な表示装置41を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、押圧操作報知手段(演出制御装置300)によって報知演出が実行された場合に、接触検出手段(タッチセンサ29a)によって遊技者の接触操作が検出されたことに基づき、表示装置41の表示による演出を変化させる表示演出実行手段(演出制御装置300)を有するよう構成することも可能である。
このように構成することによって、遊技者が操作手段(演出操作部700)を押圧しようとして操作手段(演出操作部700)に接触しただけで、表示による演出が変化するため、操作手段(演出操作部700)を押圧すると表示による演出が変化するという遊技者の意識よりも早く、表示による演出を変化させることができる。したがって、操作手段(演出操作部700)に対する操作に基づく演出介入に意外性を持たせ、遊技者の興趣を向上させることが可能となる。
なお、表示装置41の表示による演出の変化のさせ方は、閉じた巻物を表示する演出から、開放した巻物を表示する演出に変化させることに限ることはなく、適宜任意に変更可能である。
また、以上説明した第2実施形態の遊技機10によれば、演出可動役物(本実施形態の場合、盤演出装置44)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、押圧操作報知手段(演出制御装置300)によって報知演出が実行された場合に、接触検出手段(タッチセンサ29a)によって遊技者の接触操作が検出されたことに基づき、演出可動役物を動作させる役物演出実行手段(演出制御装置300)を有するよう構成することも可能である。
このように構成することによって、遊技者が操作手段(演出操作部700)を押圧しようとして操作手段(演出操作部700)に接触しただけで、演出可動役物が動作するため、操作手段(演出操作部700)を押圧すると役物が動作するという遊技者の意識よりも早く、役物を動作させることができる。したがって、操作手段(演出操作部700)の操作に基づく演出介入に意外性を持たせ、遊技者の興趣を向上させることが可能となる。
また、操作手段(演出操作部700)を押圧すると役物が動作するという意識を持つ遊技者に対し、演出可動役物の動作応答時間(すなわち、操作入力を受け付けてから演出可動役物の動作が開始するまでの時間)が早まったように見せることができる。すなわち、操作手段(演出操作部700)に対する操作タイミングと演出可動役物の動作開始タイミングとが同期しているように見せることができるため、遊技者の興趣を向上させることが可能となる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態及び変形例の各構成を組み合わせて適用しても良い。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。