JP4884644B2 - 硬化剤組成物およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明はエポキシ樹脂の硬化剤および該硬化剤を含む液状エポキシ樹脂組成物として特に常温で液状組成物を必要とする用途に関する。特に、電気・電子産業用ではアンダーフィルおよびグローブトップ等の液状封止材、多層板、銅張り積層板等の基板材料、異方導電ペースト、ダイアタッチ剤等の接着剤に関するものである。
現在、電子材料用の成形材についてはエポキシ樹脂が多く用いられているが、その硬化剤としては各種フェノール樹脂、アミン類、酸無水物が用いられている。IC封止材の硬化剤としては固形のエポキシ樹脂コンパウンドが主流であったが、近年のICの高集積化、小型化、薄型化、表面実装方式の採用により封止の形態も大きく変化している。また、封止材に求められる要求性能も厳しくなっており、表面実装時のソルダリング耐熱性を一層向上させることが要求されている。この耐熱性を左右する大きな要因としては、封止用樹脂の吸湿率であると言われている。すなわち、パッケージ製造後、実装されるまでの間に吸湿した成形物は表面実装時の高温下で吸湿した水分が気化し内圧が上昇し、内部剥離やパッケージクラックを発生させる。これらの問題を解決するために、封止材料の低吸湿化が求められている。特に、最先端の技術ではアンダーフィル、グローブトップ等の液状封止材が主流となりつつあり、室温でも低粘度である酸無水物が多く使用されている。しかしながら、酸無水物は硬化後の成形物が熱水等の存在下、例えばプレッシャークッカーテスト(PCT)において加水分解を起こし、生成した酸がアルミニウム配線の腐食を引き起こしたり、結合が切れることにより大幅な強度低下をまねき、耐湿寿命が低下してしまう。
また、固形の封止材のようにフェノール樹脂を硬化剤として用いる場合、硬化後の耐湿熱性は優れているが流動性が低いため希釈用に有機溶剤を使用する必要がある。この場合、硬化の工程において用いられた溶媒の除去ために複雑な工程や排気設備が必要となる。また、溶媒が完全に除去されていない場合は、硬化物内にボイドが発生し不具合の原因となる。
基板材料についてもエポキシ樹脂を用いフェノール樹脂硬化剤あるいはアミン系硬化剤を用いるのが一般的である。しかしながら、基材のガラスクロスへの含浸や銅箔への塗布作業のため液状である必要があり、有機溶媒を用いて液状化しているのが現実である。また、有機溶剤を含むため乾燥工程で複雑な排気設備が必要となりコストがかかる。硬化に際しても残留した溶媒によりボイドが出来やすくなるなどの問題点を有している。接着剤についても基板材料と同様な問題点を有している。
一方、液状のフェノール化合物も幾つか開発されており、実際に用いられているものもある。例えば、特開平6−100664号公報に例示されているようなビスフェノールAおよびビスフェノールFのジアリル体は現状用いられている多官能フェノールのジアリル化合物としては最も低粘度である。しかしながらビスフェノールAジアリル化物の粘度は25℃で約13500mPa・sであり、ビスフェノールFジアリル化物でも1500mPa・sであり、更なる低粘度化が望まれていた。
特開平6−100664号公報
本発明の目的は電気・電子産業用に用いることが出きる流動性に優れたエポキシ樹脂硬化剤用の液状フェノール樹脂あるいは無溶媒でアンダーフィルおよびポッティング作業に適する流動性を有し耐湿信頼性試験に耐えうるエポキシ樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂の硬化剤として特定の液状フェノール化合物を用いることによって電子・電気用途に適する低粘度なエポキシ樹脂組成物が得られることを見出して完成するに至った。
すなわち、本発明は、a)2官能以上の室温で液状のエポキシ樹脂、b)2官能以上のフェノール化合物あるいは樹脂、c)硬化促進剤を含む液状エポキシ樹脂組成物においてb)のフェノール化合物が式(1)


(式中Rは水素原子、メチル基またはエチル基であり左右の環の種および位置は同一でも異なっていても良い)で表される液状フェノール化合物を用いた硬化剤組成物であり。また、本発明においては、前記式(1)で表される液状フェノール化合物を20質量%〜100質量%含む液状エポキシ硬化剤が好ましく。また、本発明の液状エポキシ硬化剤においては、上記式(1)のR全てが水素原子であるのが好ましい。また、本発明においては、本発明の前記a成分、b成分およびc成分の合計100質量部に対しd)無機充填剤が100〜800質量部含まれることが好ましい。また、本発明においては、上記式(1)で表される化合物を用いた液状エポキシ硬化剤組成物を用いて硬化してなる、エポキシ樹脂硬化物を提供する。また、本発明は、上記液状エポキシ樹脂組成物を用いた液状封止材組成物を提供する。さらに、本発明は、上記液状封止材を用いた半導体装置を提供する。
本発明のエポキシ樹脂用液状硬化剤組成物は流動性に優れたエポキシ樹脂硬化剤用の液状フェノール樹脂あるいは組成物を提供することができ、従来の液状フェノール化合物に比べフィラーを高充填することも可能である。
本発明で用いるエポキシ樹脂は、2官能以上の室温で流動性を有するエポキシ樹脂であればどのようなものでもよく、特に限定されない。また、均一に相溶し流動性を保持出きるもので有れば、異なる2種以上のエポキシ樹脂を併用して組成物としても差し支えない。
室温にて液状のエポキシ樹脂としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールADのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル、ジアリルビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ジアリルビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ジアリルビスフェノールSのジグリシジルエーテル、レゾルシンのジグリシジルエーテル、アミノフェノールのトリグリシジルエーテル脂環式エポキシエポキシ樹脂が好ましく、中でもビスフェノールFあるいはビスフェノールAあるいはレゾルシンのジグリシジルエーテルが好ましい。
これらの液状のエポキシ樹脂と併用できるエポキシ樹脂としては、相溶すれば特に限定はされないが、例えば、ビスフェノールFやビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類とエピハロヒドリンとの反応によって得られる固形のビスフェノールジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック樹脂、オルソクレゾールノボラック樹脂、臭素化フェノールノボラック樹脂、レゾルシンノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック樹脂とエピハロヒドリンとの反応によって得られるノボラック型多官能エポキシ樹脂;ジビニルベンゼンとフェノールとの付加重合体、ジメチロールベンゼンあるいはビスハロゲノメチルベンゼンとフェノールとの縮合により生成するフェノールアラルキル樹脂とエピハロヒドリンとの反応によって得られるフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジメチロールベンゼンあるいはビスハロゲノメチルベンゼンとナフトールとの縮合により生成するナフトールアラルキル樹脂とエピハロヒドリンとの反応によって得られるナフトールアラルキル型エポキシ樹脂;ジメチロールベンゼンあるいはビスハロゲノメチルベンゼンとレゾルシンとの縮合により生成するレゾルシンアラルキル樹脂とエピハロヒドリンとの反応によって得られるレゾルシンアラルキル型エポキシ樹脂;フェノールとジシクロペンタジエンの縮合により生成するフェノール樹脂とエピハロヒドリンとの反応によって得られるジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂;ビフェノール、アルキル置換ビフェノール等のビフェノール類とエピハロヒドリンとの反応によって得られるビフェニル型エポキシ樹脂;フェノール類を成分として含有する石油樹脂と
エピハロヒドリンとの反応によって得られる石油樹脂系エポキシ樹脂;その他の多価フェノールとエピハロヒドリンとの反応によって得られる多価エポキシ樹脂;多価ナフトールとエピハロヒドリンとの反応によって得られる多価ナフタレン樹脂;ジフェニルメタンジアミンテトラグリシジルエーテル、シクロヘキサンジアミンテトラグリシジルエーテル等のグリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明で用いるb)2官能以上のフェノール化合物あるいは樹脂、は下記一般式(1)

(式中R1は水素原子、メチル基またはエチル基であり左右の環の種および位置は同一で
も異なっていても良い)で示すものを含む硬化剤であり、好ましくは一般式(1)の化合物を20質量%〜100質量%(硬化剤100質量%中)含むことが好ましい。硬化後の物性の最適化を考慮し様々な多価フェノール化合物あるいは樹脂の添加が可能である。添加できるフェノール化合物あるいは樹脂は、均一に相溶あるいは分散すれば特に限定されるものではなく、2官能以上のフェノール化合物であれば、置換基等は特に問題はない。更に好ましくは3官能以上のフェノール化合物であり、組成物あるいは硬化物の物性に合わせて添加すればよい。
具体的な化合物としては一般式(2)で表されるフェノールノボラック樹脂類

(式中Rは水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Rは水素原子あるいは水酸基を表し、繰り返し単位数nは0〜50の整数を表しその平均は0〜15の範囲である。)
一般式(3)で表されるジシクロペンタジエン変性ノボラック樹脂類

(式中Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐または環状の脂肪族アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基あるいはフェニル基を表し、Rは水素原子あるいは水酸基を表し、繰り返し単位数nは0〜50の整数を表しその平均は0〜15の範囲である。)
一般式(4)で表されるフェノールアラルキル樹脂類


(式中Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐または環状の脂肪族アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基あるいはフェニル基を表し、Rは水素原子あるいは水酸基を表し、繰り返し単位数nは0〜50の整数を表しその平均は0〜15の範囲である。)
一般式(5)で表されるナフトールアラルキル樹脂類

(式中Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐または環状の脂肪族アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基あるいは水酸基を表し、繰り返し単位数nは0〜50の整数を表しその平均は0〜15の範囲である。)
一般式(6)で表されるビフェノール類

(式中Rは水素原子、メチル基またはエチル基を表す。)
一般式(7)で表されるビスフェノール類


(式中R10は水素原子あるいは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、またはハロゲンを表し、Yは炭素数1〜10のアルキリデン、炭素数2〜10のアルキレン、炭素数3〜10のシクロアルキリデン、炭素数3〜10のシクロアルキレン、−O−、−CO−、−CO−、−S−、−SO−、または−SO−の二価の基を表す。)
一般式(8)、(9)、(10)、(11)で表される多価フェノール類








(式中R11はハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐または環状の脂肪族アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基あるいはフェニル基を表し、R12は水素原子あるいは炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐または環状の脂肪族アルキル基を表し、R11,R12はそれぞれ同一でなくても良い。sは0から2の数値を表し、同一でなくてもよいが、化合物中の水酸基数(sの合計値)は2以上であり、tは0から2の数値を表し、同一で無くても良い。)が挙げられる。
硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、硬化剤の官能基が0.5〜1.2当量の範囲となるように配合されるのが好ましく、0.75〜1.1当量の範囲となるように配合されるのがより好ましい。
本発明で用いるc)硬化促進剤は一般的にエポキシ樹脂とフェノール化合物あるいは樹脂の硬化反応を促進するもので有れば良く特に限定されるものではない
例えば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィン、トリス(トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(ジメチルフェニル)ホスフィン、などのホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのホスホニウム塩類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2、4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン、2、4−ジシアノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジンなどのイミダゾール類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌレート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、2−エチル−1,4−ジメチルイミダゾリウムテトラフェニルボレートなどのイミダゾリウム塩類、N−ジメチルアミノピリジン等のピリジン類、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルメチルアミン、テトラメチルブチルグアニジン、N−メチルピペラジン、2−ジメチルアミノ−1−ピロリンなどのアミノ類、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレートなどのアンモニウム塩類、1,5−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)−オクタンなどのジアザビシクロ化合物類、それらジアザビシクロ化合物テトラフェニルボレート塩類、フェノール塩類、フェノールノボラック塩類、2−エチルヘキサン酸塩類、等が挙げられる。これらの硬化促進剤の中で更に好ましい化合物としては、ホスフィン類、イミダゾール類、ジアザビシクロ類、ビリジン類が好ましい。
また、これらc)硬化促進剤は、単独でまたは、2種以上混合して用いても良く、その使用量は、a)エポキシ樹脂とb)2官能以上のフェノール化合物あるいは樹脂の合計量に対して、0.1〜7質量%であり、より好ましくは、0.5〜3質量%である。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、他の一般のエポキシ樹脂組成物と同様に、d)無機充填剤および用途に応じて各種添加剤を配合することができる。それら各種添加剤としては、たとえば、充填剤、カップリング剤、難燃剤、可塑剤、反応性希釈剤、顔料等が挙げられ、必要に応じて適宜に配合することができる。その無機充填剤としては、たとえば、溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等が挙げられる。無機充填剤は、前記a成分、b成分及びc成分の合計100質量部に対し100〜800質量部の範囲であり、好ましくは200〜500質量部である。難燃剤としては、たとえば、三酸化アンチモン、リン酸等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂硬化物は、上記した本発明のエポキシ樹脂組成物を熱硬化させて得られ、前述したように低吸湿性、可とう性、且つ電気特性に優れたものである。また、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体集積回路を封止し、半導体装置を作成する方法として、アンダーフィルについてはキャピラリーフロー法あるいはコンプレッションフロー法があり、グローブトップについては、印刷法、ディッピング法があり、また、TAB用にも用いることが可能である。近年様々な封止方法が開発されているが一般的に液状封止材が用いられている分野には用いることが可能である。
[合成例1](3,3'−ジアリル−2,2'−ジヒドロキシビフェニルの合成法)
2,2'−ビフェノール600gを窒素雰囲気下1800mlのイソプロピルアルコール
に溶解する。水酸化カリウム(純度85.5%)476.6gを添加し完全に溶解させる。反応液を40℃に保ちアリルクロライド542.4gを1時間で滴下し加える。滴下後2時間40℃で攪拌を続け、更に80℃で4時間攪拌する。反応後、濾過して塩を除去し
た後、減圧下にて脱溶媒を行う。ヘキサン600ml、酢酸エチル100mlを加え、1000mlの水で5回水洗を行う。減圧下にて溶媒を除去する。窒素雰囲気下にて反応温度を195〜200℃に保ち5時間反応を行うことにより650gの褐色液体として目的物が得られる。
[合成例2](RX−10(低分子量レゾルシンアラルキル樹脂)の合成法)
ガラス製の反応器にクロルベンゼン200ml、レゾルシン188.7g、パラキシリレンジクロライド30gを仕込み100℃にて1時間反応させた。生成してくる塩酸ガスはアルカリ水を仕込んだトラップにて捕集した。さらに140℃にて1時間撹拌後、微減圧下にて塩酸ガスを完全に除去した。減圧下にてクロルベンゼンの除去を行い、更に未反応のレゾルシンの除去を行うと、軟化点81℃の赤色の樹脂が42g得られた。
[実施例1]
BPF型エポキシ樹脂(EXA830LVP・大日本インキ社製)2.285gに合成例1で得
られた液状フェノール1.33gおよび低分子量フェノールノボラック(VR8210・三井化学社製)0.459gをアルミカップに入れ100℃で1分間混練した。トリフェニルホスフィン0.081gを加え30秒程混練した。1)粘度測定・得られた組成物をICIコーンプレート粘度計により25℃での粘度を測定した。2)ゲルタイム測定・得られた組成物のゲルタイムを175℃の熱板上で測定した。3)Tg測定・アルミカップ中の樹脂を175℃,8時間で硬化後、TMA法によりTgの測定を行った。4),5)上記組成の密着性、強度を測定するため、液状混合物25質量部に対し75質量部の球状シリカ(YXK−35R・龍森社製)を混練し100℃の熱板上でBステージ化を行った。得られたコンパウンドを金型に充填し150℃,10分で成形後、175℃,8時間で後硬化を行った。得られた試験片を用いて曲げ試験を行った。また、吸湿後の曲げ強度測定は同試験片を85℃、湿度85%下に2週間放置し強度測定を行った。密着性試験は上記コンパウンドを銅箔(3EC−III・三井金属工業社製)上にて成形し銅箔が幅10mmの帯状になるように試験片を切り出した。この試験片をストログラフ(V1−C・東洋精機製作所社製)によってピール強度測定を行った。
[実施例]上記と同様な操作で下記の表の組成物を作製し物性評価を行った。
[比較例1〜4]上記と同様な操作で下記の表の組成物を作製し物性評価を行った。

EXA830LVPは大日本インキ社製BPF型エポキシ樹脂。エピコート828はジャパンエポキシレジン社製BPA型液状エポキシ樹脂。EX201はナガセケムテック社製レゾルシン型エポキシ樹脂。VR8210(三井化学社製低分子量ノボラック)。テトラヒドロキシベンゾフェノンは2,2‘,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(東京化成社製)。HBPXは三井化学社製多官能フェノール化合物。PSM4261は群栄化学社製フェノールノボラック。アリル化−BPFは合成例1に準じた方法でBPF型エポキシ樹脂をアリル化した化合物。アリル化−BPAは合成例1に準じた方法でBPA型エポキシ樹脂をアリル化した化合物。アリル化−VRはVR8210を合成例1に準じた方法でアリル化した化合物。TPPはトリフェニルフォスフィン,TDMPPはトリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン,メチルテトラヒドロ無水フタル酸は東京化成社品。

本願の液状エポキシ硬化剤および該硬化剤を含む樹脂組成物は、常温で液状組成物を必要とする用途に関する。特に電気・電子産業用ではアンダーフィルおよびグローブトップ等の液状封止材、多層板、銅張り積層板等の基板材料、異方導電ペースト、ダイアタッチ剤等の接着用途に良好に適用できる。

Claims (7)

  1. a)2官能以上の室温で液状のエポキシ樹脂、
    b)2官能以上のフェノール化合物あるいは樹脂、
    c)硬化促進剤
    を含み、ビスマレイミドおよびポリマレイミドを含まない液状エポキシ樹脂組成物において、b)2官能以上のフェノール化合物あるいは樹脂が、式(1)で表される液状フェノール化合物を含む硬化剤であることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
    (式(1)中、R1は水素原子、メチル基またはエチル基であり、左右の環の種および位
    置は同一でも異なっていてもよい)
  2. 前記硬化剤が、さらに式(2)で表されるフェノールノボラック樹脂類、式(4)で表されるフェノールアラルキル樹脂類、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
    ノン、あるいは式(8)または式(9)で表される多価フェノール類を含むことを特徴とする請求項1に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
    (式(2)中、R2は水素原子、メチル基またはエチル基を表し、R3は水素原子あるいは水酸基を表し、繰り返し単位数nは0〜50の整数を表しその平均は0〜15の範囲である。)
    (式(4)中、R6は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐または
    環状の脂肪族アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基あるいはフェニル基を表し、R7は水素原子あるいは水酸基を表し、繰り返し単位数nは0〜50の整数を表しその平均
    は0〜15の範囲である。)
    (式(8)または式(9)中、R11はハロゲン原子、炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐または環状の脂肪族アルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基あるいはフェニル基を表し、R12は水素原子あるいは炭素数1〜8の直鎖あるいは分岐または環状の脂肪族アルキル基を表し、R11,R12はそれぞれ同一でなくてもよい。sは0から2の数値を表し、同一でなくてもよいが、化合物中の水酸基数(sの合計値)は2以上であり、tは0から2の数値を表し、同一でなくてもよい。)
  3. 前記硬化剤100質量%中、式(1)で表される液状フェノール化合物を20〜100質量%(残部は式(2)で表されるフェノールノボラック樹脂類、式(4)で表されるフェノールアラルキル樹脂類、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、あるいは式(8)または式(9)で表される多価フェノール類)含むことを特徴とする請求項1または2に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 上記a)、b)およびc)に加えて、さらにd)無機充填剤を含み、該成分d)が、これらの成分a)、b)およびc)の合計(a)+b)+c))100質量部に対し、100〜800質量部含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載されている液状エポキシ樹脂組成物の硬化物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載されている液状エポキシ樹脂組成物を用いた液状封止材組成物。
  7. 請求項6に記載の液状封止材組成物を用いた半導体装置。
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