JP4884057B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」という)を洗浄処理する基板処理方法および基板処理装置に関するものである。
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品の製造工程では、基板の表面に成膜やエッチングなどの処理を繰り返し施して微細パターンを形成していく工程が含まれる。ここで、微細加工を良好に行うためには基板表面を清浄な状態に保つ必要があり、必要に応じて基板の洗浄処理が行われる。例えば特許文献1に記載された装置においては、処理液と気体とを混合して生成した処理液の液滴を生成し、この液滴を処理対象たる基板表面に供給して基板の洗浄処理を行う技術が記載されている。すなわち、処理液の液滴が基板表面に供給された際、該液滴を基板表面に付着したパーティクル(汚染物質)に衝突させることで、液滴が有する運動エネルギーを利用して基板表面からパーティクルを物理的に除去している。
また、基板表面に付着したパーティクルを除去するためにSC1溶液(アンモニア水と過酸化水素水との混合水溶液)などの薬液を用いた基板洗浄が行われている(特許文献2参照)。この特許文献2に記載の装置では、SC1溶液で満たされた処理槽に基板を浸漬させることで基板の表層とともに該基板表面に付着するパーティクルをエッチング除去している。すなわち、SC1溶液が有するエッチング作用を利用して基板表面に付着したパーティクルを化学的に除去している。
特開平8−318181号公報(図1) 特開平11−340185号公報(図2)
ところで、近年、半導体に代表されるデバイスの微細化、高機能化、高精度化にともなって基板の洗浄時における基板表面に形成されたパターンの欠陥発生が問題となっている。すなわち、特許文献1に記載される装置においては、液滴が有する運動エネルギーを高めるように液滴の生成条件を調整することによって、パーティクルが基板表面から除去される割合(以下「除去率」という)を向上させることができるものの、パターンを倒壊させてしまうという問題が発生していた。その一方で、パターンの欠陥発生を回避するように液滴の生成条件を調整すると、パーティクルを十分に除去することができないという状態が生じていた。
また、微細化、高機能化、高精度化が要求されるデバイスにおいては、デバイス不良を防止するために基板表面の過剰なエッチングを回避することが要求されている。しかしながら、特許文献2に記載される装置のように、SC1溶液などの薬液を用いてパーティクルを所望の除去率で基板表面から除去しようとした場合には、基板の表層を比較的厚くエッチング除去する必要があり、デバイス不良を引き起こすおそれがあった。つまり、基板にダメージを与えることなく基板表面からパーティクルを効率良く除去することが困難な状況となっていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板にダメージを与えることなく該基板表面に付着するパーティクルを効率良く除去することができる基板処理方法および基板処理装置を提供することを目的とする。
この発明は、基板を洗浄処理する基板処理方法であって、上記目的を達成するため、基板の表面に液膜を付着させた状態で液膜を凍結させる第1工程と、基板表面に対して化学的な洗浄作用を有する化学洗浄を基板表面に施して該基板表面から凍結後の液膜を除去する第2工程とを備えている。
また、この発明は、基板を洗浄処理する基板処理装置であって、上記目的を達成するため、基板の表面に液膜を付着させた状態で液膜を凍結させる凍結機構と、基板表面に対して化学的な洗浄作用を有する化学洗浄を基板表面に施す洗浄機構とを備え、凍結機構は洗浄機構による洗浄前の前処理として基板表面に付着している液膜を凍結させ、洗浄機構は物理洗浄、または化学洗浄を基板表面に施して該基板表面から凍結後の液膜を除去する。
このように構成された発明(基板処理方法および装置)では、基板表面に付着する液膜を凍結させることで液膜が体積膨張して、基板と該基板の表面に付着するパーティクル(汚染物質)との間の付着力が弱められ、あるいはパーティクルが基板表面から脱離する。このとき、基板表面に微細パターンが形成されている場合であっても、液膜の体積膨張によってパターンに加わる圧力はあらゆる方向に等しく、つまりパターンに加えられる力が相殺されることからパターンを倒壊させることがない。そして、この状態で基板表面に対して化学的な洗浄作用を有する化学洗浄を基板表面に施して該基板表面から凍結後の液膜を除去している。これにより、基板に対する付着力が弱まった、あるいは基板表面から脱離した液膜中のパーティクルが基板から容易に除去される。つまり、化学洗浄に対する前処理として液膜の凍結が行われることで、化学洗浄による基板表面からのパーティクル除去をアシストすることが可能となっている。このため、基板に対して化学洗浄を単独で施す場合に比較して、基板にダメージを与えることなくパーティクルの除去率を向上させることができる。
ここで、凍結後の液膜が融解しないうちに該液膜を基板表面から除去することが好ましい。すなわち、液膜を凍結させることで基板表面に対するパーティクルの付着力が弱められ、脱離することになるが、凍結膜が融解していくうちに基板表面への付着力が強まり、再付着するようになる。そこで、上記したタイミングで凍結後の液膜を基板表面から除去することで、基板から脱離したパーティクルが基板に再付着するのを確実に回避することができる。その結果、凍結後の液膜(凍結膜)とともにパーティクルを除去することが容易となり、パーティクルの除去率を向上させる点で有利である。
また、本発明においてパーティクルを除去するために実行される化学洗浄としては、基板表面に対して主に化学的な洗浄作用を有する化学洗浄としてSC1溶液(アンモニア水と過酸化水素水との混合水溶液)を基板表面に向けて供給することで凍結後の液膜を基板表面から除去する。この構成によれば、SC1溶液による洗浄が液膜の凍結により、次のようにしてアシストされる。すなわち、SC1溶液中の固体表面のゼータ電位(界面動電電位)は比較的大きな値(負値)を有している。このため、基板表面にSC1溶液が供給され、基板表面と該基板表面上のパーティクルとの間がSC1溶液で満たされると、基板表面とパーティクルとの間に大きな反発力が作用する。そして、このような反発力が基板表面に対するパーティクルの付着力(引力)を凌駕することができれば、基板表面からパーティクルを除去することが可能となる。しかしながら、後述する実験結果(図1)に示されるように、単に基板表面に対してSC1溶液を供給することのみでは、基板表面に付着するパーティクルを該基板表面から良好に除去することができない。
そこで、この発明では、SC1溶液による洗浄前の前処理として基板表面に付着する液膜を凍結させることで、基板表面に対するパーティクルの付着力を弱め、さらには凍結後の液膜中にパーティクルを脱離させている。これにより、基板表面とパーティクルとの間に作用する引力を凍結前に比較して相対的に低下させることが可能となっている。しかも、このように基板表面からパーティクルを離間させていくことで、基板表面にSC1溶液を供給して洗浄する過程において、基板表面とパーティクルとの隙間にSC1溶液が入り込む。その結果、基板表面とパーティクルとの隙間がSC1溶液で満たされ、SC1溶液による基板表面とパーティクルとの間に作用する反発力をいかんなく発揮させることが可能となる。しかも、上記したようにパーティクルと基板表面との間に作用する引力は低下させられていることから、基板表面とパーティクルとの間に作用する反発力が相対的に引力に対して上回るようになる。その結果、基板表面からパーティクルを効率良く除去することができる。つまり、SC1溶液による洗浄前の前処理として液膜の凍結が行われることで、SC1溶液によるパーティクル除去効果がアシストされ、パーティクルの除去率を飛躍的に向上させることができる。
このようなSC1溶液による洗浄を行うための洗浄機構としては、以下のような構成のものを採用することができる。すなわち、SC1溶液による洗浄機構の一例としては、SC1溶液を基板表面に向けて供給する供給手段と、基板を回転させる回転手段とを有するものを採用することができる。このような洗浄機構によれば、回転される基板の表面にSC1溶液が供給されることで、液膜の凍結により基板との付着力の弱まった、あるいは基板表面から脱離した液膜中のパーティクルが基板表面から除去されSC1溶液中に拡散される。そして、基板の回転に伴う遠心力によって、SC1溶液とともにSC1溶液中に拡散したパーティクルが基板外に容易に排出される。つまり、基板表面に供給されるSC1溶液によってパーティクルが基板外に向けて押し流されるとともに、遠心力によってその流速が高められ、基板からのパーティクルの排出が促進される。
この発明によれば、基板表面に対して化学的な洗浄作用を有する化学洗浄が施される前に、前処理として液膜の凍結が行われる。これにより、基板と該基板の表面に付着するパーティクルとの間の付着力が弱められ、あるいはパーティクルが基板表面から脱離する。そのため、液膜の凍結後に化学洗浄を実行することで基板表面からパーティクルを容易に除去することができる。したがって、基板にダメージを与えることなく基板表面に付着するパーティクルを効率良く除去することができる。
<液膜凍結後の物理/化学洗浄によるパーティクル除去効果>
本願発明者は、液膜凍結後の物理/化学洗浄(本明細書において、基板表面に対して物理的な洗浄作用を有する物理洗浄および化学的な洗浄作用を有する化学洗浄の総称)によるパーティクル除去効果について実験による検証を行った。具体的には、基板表面に対して単に物理/化学洗浄を行った場合と、基板表面に液膜を付着させた状態で該液膜を凍結させた後に物理/化学洗浄を行った場合とでパーティクルの除去率(以下、単に「除去率」という)を比較評価した。ここでは、化学洗浄としてSC1溶液(アンモニア水と過酸化水素水との混合水溶液)による洗浄と、物理洗浄として二流体ノズルを用いた液滴による洗浄とについてそれぞれ、前処理として液膜形成・液膜の凍結を実行した場合と実行しない場合における除去率を比較している。なお、評価には基板の代表例としてベア状態(全くパターンが形成されていない状態)のSiウエハ(ウエハ径:200mm)を選択している。また、パーティクルとしてSi屑(粒径;0.1μm以上)によって基板表面が汚染されている場合について評価を行っている。
図1は、SC1溶液による洗浄前の前処理の有無と除去率との関係を示すグラフである。ここで、SC1溶液による洗浄(以下「SC1洗浄」という)前の前処理を実行する場合における処理ステップの概要は次に示すとおりである。先ず、(1) ウエハ表面に液膜を形成する(ステップS1)。続いて、基板表面に形成された液膜を凍結させる(ステップS2)。以上のステップS1およびS2とがSC1洗浄前の前処理に相当する。そして、ウエハ表面にSC1溶液を供給することで該ウエハ表面から凍結後の液膜(凍結膜)を解凍除去する(ステップS3A)。最後にウエハ表面にリンス液を供給して該ウエハ表面に対してリンス処理を施した後、ウエハを高速回転させることでウエハを乾燥(スピンドライ)させる(ステップS4)。図1には、上記した処理ステップ(S1→S2→S3A→S4)を実行したときのデータ(グラフ右側)の比較対象として、リンス処理・スピンドライのみ、つまりステップS4のみを実行したときのデータ(グラフ左側)と、SC1洗浄およびリンス処理・スピンドライ(ステップS3A→S4)を実行したときのデータ(グラフ中央)を示している。なお、各データは実験結果の確度を高めるためにそれぞれ、2つの試料を用いて評価を行っている。これら評価手順の詳細を以下に説明する。
先ず、上記ステップS1→S2→S3A→S4を実行する場合における除去率の評価手順について説明する。最初に、枚葉式の基板処理装置(大日本スクリーン製造社製、スピンプロセッサMP−2000)を用いてウエハを強制的に汚染させる。具体的には、ウエハを回転させながら、ウエハと対向配置されたノズルよりパーティクル(Si屑)を分散させた分散液をウエハに供給する。ここでは、ウエハ表面に付着するパーティクルの数が約8000個となるように、分散液の液量、ウエハ回転数および処理時間を適宜調整する。その後、ウエハ表面に付着しているパーティクルの数(初期値)を測定する。なお、パーティクル数の測定はKLA−Tencor社製のウエハ検査装置SP1を用いて、ウエハの外周から10mmまでの周縁領域を除去(エッジカット)として残余の領域にて評価を行っている。
次に、洗瓶に貯留されている純水として具体的には脱イオン水(以下「DIW」と称す)をウエハ表面にパドル状に液盛りしてウエハ表面に液膜(水膜)を形成する(ステップS1)。具体的には、洗瓶内のDIWをウエハ表面に供給した。このような条件で液膜の厚みを液膜形成前後のウエハ重量から求めた結果、約600μm(マイクロメータ)となった。
続いて、基板を冷凍庫に移載し、冷凍庫にて液膜を3時間凍結させる(ステップS2)。そして、凍結処理した基板を基板処理装置(MP−2000)に搬入する。その後、ウエハを回転(ウエハ回転数:500rpm)させながら、SC1溶液を供給(流量:1.5L/min)して30秒間ウエハを洗浄する(ステップS3A)。これにより、凍結後の液膜(凍結膜)がウエハ表面から解凍除去される。なお、SC1溶液として、体積比でNHOH(29wt%)/H(30wt%)/HO=1/1/50の混合水溶液を常温で用いている。このようなSC1溶液の条件(濃度、温度条件)および処理時間(30秒)によれば、ウエハへのエッチングはほとんど見られない。これは実験結果(図1)において、SC1溶液による洗浄とリンス処理(ステップS3A→S4)を実行するのみではウエハ表面上のパーティクルをほとんど除去することができない結果となっていることからも裏付けられる。すなわち、ウエハへのエッチング作用があれば、ウエハ表層とともにパーティクルがエッチング除去され、一定の除去率が得られるはずとなるからである。
そして、SC1洗浄が終了すると、ウエハ表面に対してリンス処理を施す。具体的には、ウエハを回転(ウエハ回転数:500rpm)させながら、リンス液としてDIWを供給(流量:1.5L/min)して30秒間ウエハをリンス処理する。続いて、ウエハを高速回転させてウエハを乾燥(スピンドライ)させる(ステップS4)。
こうして、一連の洗浄処理を施したウエハの表面に付着しているパーティクル数を測定する。それから、洗浄処理後(ステップS1→S2→S3A→S4実行後)のパーティクル数と先に測定した初期(洗浄処理前)のパーティクル数とを対比することで除去率を算出している。
一方、ステップS3A→S4を実行する場合における除去率の評価手順であるが、この場合は、ウエハを強制的に汚染させた後、液膜形成処理(ステップS1)および凍結処理(ステップS2)を実行することなく、SC1洗浄とリンス処理・スピンドライを実行している。さらに、ステップS4のみを実行する場合における除去率の評価手順は、ウエハを強制的に汚染させた後、リンス処理・スピンドライのみを実行している。なお、各ステップにおける処理条件は、上記したステップS1→S2→S3A→S4を実行する場合における各ステップの処理条件と同じである。
図1から明らかなように、リンス処理・スピンドライ(ステップS4)およびSC1洗浄とリンス処理・スピンドライ(ステップS3A→S4)を実行するのみでは、ほとんどパーティクルを除去することができない。これに対して、SC1洗浄前の前処理として液膜形成処理(ステップS1)と凍結処理(ステップS2)とを実行した場合には、除去率が格段に向上していることが分かる。すなわち、SC1洗浄前の前処理の実行が、SC1洗浄によるパーティクル除去効果をアシストし、除去率を飛躍的に向上させていることが明らかとなった。
この除去率の向上のメカニズムは次のように説明される。SC1溶液中の固体表面のゼータ電位(界面動電電位)は比較的大きな値(負値)を有している。このため、ウエハ表面にSC1溶液が供給され、ウエハ表面と該ウエハ表面上のパーティクルとの間がSC1溶液で満たされると、ウエハ表面とパーティクルとの間に大きな反発力が作用(以下「SC1溶液による反発作用」という)する。そして、このような反発力がウエハ表面に対するパーティクルの付着力(引力)を凌駕することができれば、ウエハ表面からパーティクルを除去することが可能となる。しかしながら、ステップS3A→S4を実行した場合における実験結果に示されるように、単にウエハ表面に対してSC1溶液を供給することのみでは、SC1溶液によって作用する反発力が引力を十分に凌駕することができない状況であると言える。
その一方で、SC1溶液による洗浄前の前処理としてウエハ表面に液膜(水膜)を形成して該液膜を凍結させることで、液膜が体積膨張して、ウエハと該ウエハの表面に付着するパーティクルとの間の付着力が弱められ、さらにはパーティクルがウエハ表面から脱離する。これにより、前処理を実行しない場合に比較してウエハ表面とパーティクルとの間に作用する引力を相対的に低下させることが可能となっている。しかも、このようにウエハ表面からパーティクルを離間させていくことで、ウエハ表面に対してSC1洗浄を施す過程において、ウエハ表面とパーティクルとの隙間にSC1溶液が入り込む。その結果、ウエハ表面とパーティクルとの隙間がSC1溶液で満たされ、SC1溶液による反発作用をいかんなく発揮させることが可能となる。しかも、上記したようにパーティクルとウエハ表面との間に作用する引力は低下させられていることから、ウエハ表面とパーティクルとの間に作用する反発力が相対的に引力に対して上回るようになる。その結果、ウエハ表面からパーティクルを効率良く除去することができる。つまり、SC1洗浄前の前処理として液膜の凍結が行われることで、SC1溶液によるパーティクル除去効果がアシストされ、除去率を飛躍的に向上させることが可能となっている。
次に、二流体ノズルを用いた液滴による洗浄前に前処理を行った場合の効果について図2を参照しつつ説明する。ここでは、物理/化学洗浄としてSC1洗浄に替えて二流体ノズルを用いた液滴による洗浄(以下「液滴洗浄」という)を実行しており、液滴洗浄前の前処理として液膜形成・液膜の凍結を実行した場合と実行しない場合における除去率を比較している。
図2は、二流体ノズルを用いた洗浄前の前処理の有無と除去率との関係を示すグラフである。液滴洗浄には、処理液と気体とを空中にて混合させて生成した液滴をウエハ表面に向けて供給する、いわゆる外部混合型の二流体ノズルを用いている。ここでは、処理液としてDIWを、気体として窒素ガスを用いている。また、液滴生成条件として、DIWの流量を0.1L/min、窒素ガスの流量を30L/minとした。そして、ウエハを回転(ウエハ回転数:500rpm)させながら、二流体ノズルからウエハ表面全体に液滴を供給する。具体的には、二流体ノズルをウエハ表面に対向配置して液滴を二流体ノズルから吐出させた状態で二流体ノズルをウエハ表面上で揺動させる。このようにして、ステップS3Bの液滴洗浄をウエハ表面に対して実行している。なお、その他の処理ステップは基本的には図1で示した処理ステップと同様であるが液膜の厚みは約30μmとした。
図2から明らかなように、前処理を実行した場合(ステップS1→S2→S3B→S4)と実行していない場合(ステップS3B→S4)とを比較すると、前処理を実行した場合の方が前処理を実行していない場合に比べて除去率が向上していることが分かる。すなわち、液滴洗浄前の前処理の実行が、液滴洗浄によるパーティクル除去効果をアシストし、除去率を向上させていることが明らかとなった。
この除去率の向上のメカニズムは次のように説明される。液滴を用いた洗浄においては、液滴が有する運動エネルギーを利用して、ウエハ表面に付着したパーティクルに液滴を衝突させることによりウエハ表面からパーティクルを除去している。このとき、パーティクルのウエハ表面への付着力が大きいほど、パーティクルをウエハ表面から脱離させるエネルギー(運動エネルギー)も必要となる。そこで、液滴洗浄前の前処理としてウエハ表面に液膜(水膜)を形成して該液膜を凍結させることで、予めウエハ表面に対するパーティクルの付着力を弱め、さらにはウエハ表面から凍結膜中に脱離させている。これにより、前処理を実行しない場合に比較してウエハ表面とパーティクルとの間に作用する引力を相対的に低下させることが可能となっている。したがって、液滴が有する運動エネルギーが同じであっても、前処理を実行することで液滴洗浄によるパーティクル除去効果がアシストされ、除去率を向上させることができる。
その一方で、液滴生成条件を調整して液滴が有する運動エネルギーを高めることで、パーティクルと液滴との衝突によるパーティクルのウエハ表面からの脱離を促進させることも可能である。しかしながら、このようなウエハ表面からの脱離エネルギーをパーティクルに与えるために液滴が有する運動エネルギーを高めると、ウエハ表面に形成された微細パターンまでも倒壊させてしまうこととなる。これに対して、液滴洗浄の前処理としてウエハ表面に付着させた液膜を凍結させることで、基板表面に対するパーティクルの付着力が低下させることができる。これにより、比較的小さな運動エネルギーを有する液滴でも、パーティクルを基板表面から容易に除去することが可能となる。したがって、基板にダメージを与えることなくパーティクルの除去率を向上させることができる。
次に、凍結膜の除去のタイミングの違いによる除去率への影響について図3を参照しつつ説明する。ここでは、ウエハ表面に付着させた液膜(水膜)を凍結させた後、凍結状態で凍結膜(氷膜)を洗浄によって除去した場合と、凍結膜が完全に融解した後に洗浄した除去した場合とで除去率に違いがあるかどうかを評価した。
図3は、凍結膜の除去のタイミングと除去率との関係を示すグラフである。ここでは、ウエハ表面に付着させた液膜を凍結させた後に、DIWを用いて洗浄およびリンスを実行してウエハを高速回転させて乾燥(スピンドライ)させている。ここで、D1Wによる洗浄およびリンスの処理条件はそれぞれ、流量を1.5L/min、ウエハ回転数を500rpm、処理時間30秒としている。このDIWによる洗浄を一方の試料(グラフ左側)は凍結膜が融解しないうちに実行し、他方の試料(グラフ右側)は凍結膜が完全に融解してから実行している。
図3から明らかなように、凍結状態で凍結膜(氷膜)を洗浄によって除去した場合の方が、凍結膜が完全に融解した後に洗浄した除去した場合に比べて除去率が高いことが分かる。このような結果は、次のような理由によって説明することができる。すなわち、液膜を凍結させることでウエハ表面に対するパーティクルの付着力が弱められ、脱離することになるが、凍結膜が融解していくうちにウエハ表面への付着力が強まり、再付着するようになる。そこで、凍結膜が融解しないうちに凍結膜を基板表面から除去することで、ウエハから脱離したパーティクルがウエハに再付着するのを回避することができる。その結果、パーティクルをウエハ表面から効率良く除去することが可能となっている。
次に、洗浄条件の違いによる除去率への影響について表1を参照しつつ説明する。ここでは、基板表面に付着させた液膜を凍結させた後にDIWによって基板表面を洗浄する際に、洗浄条件としてウエハ回転数と基板表面に供給するDIWの流量を変化させたときの除去率に与える影響を調べた。
Figure 0004884057
表1に洗浄条件と除去率との関係を示す。具体的には、表1において、ウエハ回転数をそれぞれ50,500,1000,1500rpmと変化させるとともに、DIWの流量を0.3,1.5,2.4L/minと変化させたときの除去率をマトリックス状に示している。表1から明らかなように、ウエハ回転数が比較的低回転数(50rpm)およびDIWの流量が比較的低流量(0.3L/min)時を除いては、洗浄条件による除去率に大きな差異は見られない。また、DIWの流量が1.5L/min以上では、除去率はウエハ回転数に依拠することなくほぼ一定であることが分かる。これから、ウエハ表面に供給されるDIWの流量を所定量確保することができれば、ウエハ回転数にかかわらず一定の除去率が得られることが明らかとなった。
そこで、上記知見に鑑みて、液滴洗浄のような基板表面に対して物理的な洗浄作用を有する物理洗浄、SC1洗浄のような基板表面に対して化学的な洗浄作用を有する化学洗浄またはこれら物理洗浄と化学洗浄とを組合わせた洗浄を実行する前の前処理として液膜形成・液膜の凍結を実行することによって、基板表面に付着するパーティクルの除去率の向上を図っている。以下、図面を参照しつつ具体的な実施形態について詳述する。
<第1実施形態>
図4は、この発明の基板処理装置の第1実施形態を示す平面レイアウト図である。また、図5は図4の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。この基板処理装置では、洗浄ユニット1と凍結ユニット2とが一定距離だけ離間して配置されるとともに、それらの間に基板搬送機構3が配置されている。これらの装置のうち、洗浄ユニット1は、半導体ウエハ等の基板の表面に対して液膜を形成する液膜形成処理および凍結後の液膜を除去する膜除去処理を施すユニットである。そして、洗浄ユニット1で液膜形成処理を受けた基板が基板搬送機構3により凍結ユニット2に搬送される。凍結ユニット2は、基板に凍結処理を施すことで基板表面に形成された液膜を凍結させるユニットである。そして、凍結処理された基板は基板搬送機構3により洗浄ユニット1に搬送されて、洗浄ユニット1にて凍結された液膜の膜除去処理が行われる。すなわち、洗浄ユニット1が本発明の「洗浄機構」として、凍結ユニット2が本発明の「凍結機構」として機能している。なお、基板搬送機構3は従来より多用されている機構を用いているため、ここでは構成および動作の説明は省略する。
図6は、図4の基板処理装置に装備された洗浄ユニット1の構成を示す断面図である。この洗浄ユニット1は、基板Wの表面を上方に向けた状態で略水平方向に基板Wを保持するスピンチャック11を備えている。そして、この状態で、基板Wを回転させながら基板Wの表面(上面)に対して処理液を供給することで基板表面に液膜を形成する一方、基板Wの両面に対して処理液を供給することで基板上の凍結膜を除去することが可能となっている。
スピンチャック11は、基板Wの裏面側(下面側)の遮断部材としての機能を兼ねた円盤状のベース部材111と、その上面に設けられた3個以上の保持部材112とを備えている。これらの保持部材112のそれぞれは基板Wの外周端部を下方から載置支持する支持部112aと、基板Wの外周端縁の位置を規制する規制部112bとを有しており、これらの保持部材112をベース部材111の外周端部付近に設けている。また、各規制部112bは、基板Wの外周端縁に接触して基板Wを保持する作用状態と、基板Wの外周端縁から離れて基板Wの保持を解除する非作用状態とを採り得るように構成されており、非作用状態で基板搬送機構3によって支持部112aに対する基板Wの搬入/搬出を行う一方、基板Wの表面を上側にして支持部112aに載置された後で各規制部112bを作用状態に切替えることで基板Wがスピンチャック11に保持される。
また、ベース部材111の下面には、中空の回転支軸12の上方端部が取り付けられている。そして、この回転支軸12の下方端部にプーリ13aが固着されるとともに、このプーリ13aとモータ13の回転軸に固着されたプーリ13bとの間にベルト13cを介してモータ13の回転駆動力が回転支軸12に伝達されるように構成されている。このため、モータ13を駆動することでスピンチャック11に保持された基板Wは基板Wの中心回りに回転される。このように、この実施形態では、モータ13が本発明の「回転手段」に相当している。
ベース部材111の中央部にはノズル14が固定的に配設されている。中空の回転支軸12には、処理液供給管15が挿通されており、その上端にノズル14が結合されている。処理液供給管15は処理液を供給する液供給部20に接続されており、液供給部20より処理液が供給されることで、ノズル14から処理液を吐出可能となっている。なお、液供給部20の構成について後で詳述する。
また、回転支軸12の内壁面と処理液供給管15の外壁面の隙間は、円筒状のガス供給路16を形成している。このガス供給路16はバルブ17を介してガス供給部18と接続されており、遮断部材としてのベース部材111と基板Wの下面との間に形成される空間に窒素ガスを供給することができる。なお、この実施形態では、ガス供給部18から窒素ガスを供給しているが、空気や他の不活性ガスなどを吐出するように構成してもよい。
スピンチャック11の上方には遮断部材21が設けられている。この遮断部材21は、鉛直方向に配設された懸垂アーム22の下端部に取り付けられている。また、この懸垂アーム22の上方端部には、モータ23が設けられ、モータ23を駆動することにより、遮断部材21が懸垂アーム22を回転中心として回転されるようになっている。なお、スピンチャック11の回転支軸12の回転軸芯と懸垂アーム22の回転軸芯とは一致されていて、ベース部材111、スピンチャック11に保持された基板W、遮断部材21は同軸周りに回転されるようになっている。また、モータ23は、スピンチャック11(に保持された基板W)と同じ方向でかつ略同じ回転速度で遮断部材21を回転させるように構成されている。
また、遮断部材21は遮断部材昇降機構29と接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じて遮断部材昇降機構29を作動させることで、遮断部材21をベース部材111に近接して対向させたり、逆に離間させることが可能となっている。具体的には、制御ユニット4は遮断部材昇降機構29を作動させることで、基板処理装置に対して基板Wを搬入出させる際には、スピンチャック11の上方の退避位置に遮断部材21を上昇させる。その一方で、基板Wをベース部材111から所定距離だけ上方に離間した基板処理位置(保持部材112により保持された基板Wの高さ位置)で該基板に対して洗浄処理を施す際には、スピンチャック11に保持された基板Wの表面のごく近傍に設定された所定の対向位置(図6に示す位置)まで遮断部材21を下降させる。
遮断部材21の中央部にはノズル24が設けられている。中空の懸垂アーム22には、処理液供給管25が挿通されており、その下端にノズル24が結合されている。処理液供給管25は後処理液を供給する液供給部30に接続されており、液供給部30より処理液が供給されることで、ノズル24から処理液を吐出可能となっている。なお、液供給部30の構成について後で詳述する。
また、懸垂アーム22の内壁面と処理液供給管25の外壁面の隙間は、円筒状のガス供給路26を形成している。このガス供給路26はバルブ27を介してガス供給部28と接続されており、遮断部材21と基板Wの上面(表面)との間に形成される空間に窒素ガスを供給することができる。
また、スピンチャック11の周囲には処理液の周囲への飛散を防止するカップ19が配設されている。カップ19に補集された処理液は装置外へ排液され、カップ19の下方に設けられたタンク(図示せず)に蓄えられる。
次に、液供給部20,30の構成について説明する。液供給部20は、DIWを供給するDIW供給部201と、SC1溶液を供給する薬液供給部202とを備えている。そして、DIW供給部201がバルブ203を介してミキシングユニット204に接続される一方、薬液供給部202がバルブ205を介してミキシングユニット204に接続されている。SC1溶液としては、体積比でNHOH(29wt%)/H(30wt%)/HO=1/1/50の混合水溶液が常温で用いられる。
そして、装置全体を制御する制御ユニット4からの制御指令に応じてバルブ203,205の開閉の切換によりミキシングユニット204からDIWまたはSC1溶液を選択的に基板Wの裏面に向けて供給可能となっている。すなわち、開閉弁203を開き、開閉弁205を閉じることにより、ノズル14からDIWを基板Wの裏面に供給することができる一方で、開閉弁203を閉じて、開閉弁205を開くことにより、ノズル14からSC1溶液を基板Wの裏面に供給することができる。なお、複数種類の薬液を使用する場合には、同様の構成を有する薬液供給部をそれぞれの薬液ごとに設ければよい。
また、液供給部30も液供給部20と同一構成を有しており、装置全体を制御する制御ユニット4からの制御指令に応じてバルブ303,305の開閉の切換によりミキシングユニット304からDIWまたはSC1溶液を選択的に基板Wの表面に向けて供給可能となっている。このように、この実施形態では、基板Wの表面に向けてSC1溶液を供給する液供給部30が、本発明の「供給手段」として機能している。
次に、図7を参照しつつ、凍結ユニット2について説明する。図7は、図4の基板処理装置に装備される凍結ユニット2の構成を示す図である。この凍結ユニット2は、基板表面に形成された液膜を凍結させる処理を実行する。凍結ユニット2は、隔壁40で区画されたほぼ直方体形状の処理室41(冷却処理室)内に、基板Wよりも若干大きめの石英製またはSUSやアルミ製のクーリングプレート42(基板冷却部)を有している。このクーリングプレート42は、ほぼ水平で基板Wの平面大きさよりも大きな基板冷却面42aを有し、この基板冷却面42aには、球状のプロキシミティボール43(支持手段)が複数個突設されている。クーリングプレート42の内部には、冷媒経路44が基板冷却面42aに沿ってほぼ平行に形成されており、この冷媒経路44の両端が冷媒供給部45に接続されている。冷媒供給部45は、冷媒を冷却させる冷却手段と、冷媒を冷媒経路44に圧送して冷媒経路44内を循環させるポンプ等の圧送手段を備える。このため、冷媒供給部45から冷媒が供給され、冷媒経路44を出た冷媒は再び冷媒供給部45に帰還されるようになっている。なお、冷媒としては、基板冷却面42aを前処理液の凝固点より低い温度に冷却するものであればよい。
また、クーリングプレート42を上下方向に貫通するように複数本のリフトピン46が配置されており、このリフトピン46と、このリフトピン46を昇降するエアシリンダなどを含むピン昇降機構47とによって、基板Wを基板冷却面42aに対して近接/離隔させる近接/離隔機構が構成されている。リフトピン46は、その上端に基板Wを支持することができ、ピン昇降機構47による昇降によって、基板Wを、基板搬送機構3との間での基板受け渡しのための基板受け渡し高さ(二点鎖線の位置)に支持できる他、クーリングプレート42の基板冷却面42aよりも下方(正確にはプロキシミティボール43よりも下方)にその上端を埋没させることにより、基板Wを基板冷却面42a上(正確にはプロキシミティボール43上)に載置することができる(実線の位置)。
基板搬送機構3が対向可能な前面隔壁40aには、基板受け渡し高さに対応する位置に、基板通過口49が形成されており、この基板通過口49を開閉するためのシャッタ機構50が設けられている。このシャッタ機構50は、基板通過口49を閉塞することができるシャッタ板51と、このシャッタ板51を基板通過口49を閉塞した閉成位置と基板通過口49を開放した開成位置との間で移動させるシャッタ駆動機構52とを有している。シャッタ板51を開成位置として基板通過口49を開放した状態では、基板搬送機構3は、処理室41内に入り込んで、リフトピン46との間で基板Wの授受を行うことができる。なお、冷媒供給部45、ピン昇降機構47およびシャッタ駆動機構52の各動作などは、制御ユニット4によって制御されるようになっている。
次に、上記のように構成された基板処理装置の動作について図8を参照しつつ詳述する。図8は、図4の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。ここでは、動作理解を助けるために1枚の基板Wに着目して装置各部の動作について説明する。前工程にて所定の処理(例えば薬液処理)を受けた基板Wは、洗浄ユニット1に搬送され、スピンチャック11に保持される。そして、制御ユニット4はモータ13を駆動させてスピンチャック11を回転させるとともに、開閉弁303を開いてノズル24から基板Wの表面にDIWを供給する。基板表面に供給されたDIWは、基板Wの回転に伴う遠心力により表面全体に広げられ、その一部が基板外に振り切られる。これによって、基板表面が水洗されるとともに、基板表面に所定の厚みの液膜(水膜)が形成される(ステップS11)。
こうして、洗浄ユニット1における液膜形成処理が終了すると、基板表面に形成された液膜が乾燥しないうちに、基板搬送機構3は基板Wを洗浄ユニット1から凍結ユニット2へ装置内で搬送する(ステップS12)。具体的には、基板搬送機構3は表面に液膜が形成された基板Wを洗浄ユニット1から搬出した後、凍結ユニット2の処理室41内に搬入してリフトピン46上に載置する。制御ユニット4は、この基板Wの搬送を所定の制限時間内で完了するように搬送時間の管理を行う。このように基板Wを搬送させることで、液膜の乾燥を抑え、基板表面に残留させる液膜の厚みを的確にコントロールすることができる。なお、このとき、シャッタ板51は上昇させて、基板通過口49を開放状態にするとともに、リフトピン46を上昇させておく。
この後、制御ユニット4は、シャッタ板51を下降させ閉塞状態にするとともにピン昇降機構47を制御してリフトピン46を下降させ、基板Wを基板冷却面42aに近接させていき、プロキシミティボール43上に載置する。これにより、基板Wの下面がプロキシミティボール43に当接して支持されるとともに、基板Wは基板冷却面42aとの間に微小な間隙を設けた状態で、基板冷却面42aと対向しながら近接配置される。したがって、基板Wがプロキシミティボール43によって支持されて基板冷却面42aに近接されている状態では、基板Wは、基板冷却面42aからの冷熱の伝導によって下面側から冷却される。その結果、基板表面に付着している液膜が凍結される(ステップS13;第1工程)。
このとき、液膜が体積膨張(摂氏0℃の水が摂氏0℃の氷になると、その体積はおよそ1.1倍に増加する)することによって、基板Wに付着しているパーティクルは基板Wの表面から微小距離だけ移動する。すなわち、基板表面とパーティクルの間に入り込んだ液膜の体積が増加することによってパーティクルが微小距離だけ基板表面から離れる。その結果、基板Wとパーティクルとの間の付着力が低減され、さらにはパーティクルが基板表面から脱離することとなる。このとき、基板表面に微細パターンが形成されている場合であっても、液膜の体積膨張によってパターンに加わる圧力はあらゆる方向に等しく、つまりパターンに加えられる力が相殺されることからパターンを倒壊させることがない。しかも、パーティクルと基板Wとの間には液(DIW)が侵入しているが、基板表面に形成されたデバイスパターンは基板と一体となって密着しているため、そのパターンと基板の下地との間には液が侵入しない。そのため、パターンを剥離あるいは倒壊させることなく、パーティクルのみを選択的に優先して、基板表面から除去することができる。
所定時間の経過後、液膜の凍結が完了すると、制御ユニット4は、ピン昇降機構47を制御してリフトピン46を上昇させ、基板Wを基板受け渡し高さまで導く。そして、シャッタ板51が開成され、基板通過口49を介して基板搬送機構3に凍結処理された基板Wが受け渡される。続いて、基板搬送機構3は、凍結処理後の基板Wを凍結ユニット2から再び洗浄ユニット1に搬送する(ステップS14)。ここで、凍結ユニット2から洗浄ユニット1への基板Wの搬送のタイミングは放置しないかぎり任意である。すなわち、凍結膜が融解してから基板Wを搬送してもよいし、凍結膜が融解しないうちに基板Wの搬送を完了してもよい。ただし、後者のように凍結状態にある被膜が完全に融解しないうちに基板Wを搬送することで、凍結処理によって一旦基板Wから脱離した汚染物質が基板Wに再付着するのを確実に回避することができる。したがって、制御ユニット4は、凍結膜が融解しないうちに基板搬送機構3が基板Wの搬送を完了するように搬送時間を管理することが好ましい。
基板搬送機構3により凍結後の基板Wが洗浄ユニット1に搬入されると、基板Wがスピンチャック11に保持され、基板表面(上面)に遮断部材21が近接配置される。そして、基板Wがベース部材111と遮断部材21とに挟まれた状態で、モータ13の駆動を開始してスピンチャック11とともに基板Wを回転させる。また、開閉弁205,305を開いて処理液としてSC1溶液をノズル14,24に圧送する。これにより該ノズル14,24から基板Wの両面へのSC1溶液の供給が開始され、SC1溶液による洗浄(SC1洗浄)が実行される。
これにより基板表面の凍結膜がSC1溶液によって解凍されるとともに基板表面から除去される(ステップS15;第2工程)。すなわち、液膜の凍結により基板Wとの付着力の弱まった、あるいは基板表面から脱離した液膜中のパーティクルが基板表面から除去されSC1溶液中に拡散される。また、基板の回転に伴う遠心力によって、SC1溶液とともにSC1溶液中に拡散したパーティクルが基板外に容易に排出される。つまり、基板表面に供給されるSC1溶液によってパーティクルが基板外に向けて押し流されるとともに、遠心力によってその流速が高められ、基板Wからのパーティクルの排出が促進される。したがって、基板表面に形成されたパターンにダメージを与えることなく、基板Wからパーティクルを除去することができる。また、基板Wの裏面(下面)についてもSC1溶液が基板Wの回転により裏面全体に広がり基板Wの裏面が洗浄される。したがって、基板表面のみならず、基板Wの全体からパーティクルを除去することができる。
ステップS15で膜除去処理が完了したことが確認されると、開閉弁205,305を閉じて、ノズル14,24から基板WへのSC1溶液の供給を停止した後、基板Wをそのまま回転させてSC1溶液を振り切って装置外へ排液する。こうしてSC1溶液の液切りが完了すると、開閉弁17,27を開いて、基板Wとベース部材111および基板Wと遮断部材21との間の空間に不活性ガスを供給する。基板Wの周辺雰囲気を不活性ガス雰囲気にした後、開閉弁203,303を開くと、DIWがリンス液として基板Wの両主面に供給され、基板Wに対してリンス処理が行われる(ステップS16)。リンス処理の終了後、開閉弁203,303を閉じる。
続いて、制御ユニット4はモータ13,23の回転速度を高めて基板Wおよび遮断部材21を高速回転させる。これにより、基板Wの乾燥(スピンドライ)が実行される(ステップS17)。基板Wの乾燥終了後、基板Wおよび遮断部材21の回転を停止するとともに開閉弁17,27を閉じて不活性ガスの供給を停止する。この状態で基板搬送機構3が処理済の基板Wを装置から搬出して、1枚の基板Wに対する洗浄処理が終了する。
以上のように、この実施形態によれば、SC1洗浄前の前処理として基板表面に付着させた液膜(水膜)の凍結処理を実行している。これにより、基板表面に対するパーティクルの付着力を弱め、さらには凍結後の液膜中にパーティクルを脱離させて、基板表面とパーティクルとの間に作用する引力を前処理を実行しない場合と比較して相対的に低下させることが可能となる。また、このように基板表面からパーティクルを離間させていくことで、基板表面にSC1溶液を供給して洗浄する過程において、基板表面とパーティクルとの隙間にSC1溶液が容易に入り込む。したがって、SC1溶液による反発作用をいかんなく発揮することができる。しかも、パーティクルと基板表面との間に作用する引力は低下させられていることから、基板表面とパーティクルとの間に作用する反発力が相対的に引力に対して上回るようになる。その結果、基板表面からパーティクルを効率良く除去することができる。つまり、SC1洗浄前の前処理として液膜の凍結が行われることで、SC1溶液によるパーティクル除去効果がアシストされる。その結果、基板Wに対してSC1洗浄のような化学洗浄を単独で施す場合に比較して、基板Wにダメージを与えることなくパーティクルの飛躍的に除去率を向上させることができる。
<第2実施形態>
図9は、この発明の第2実施形態にかかる基板処理装置に装備された洗浄ユニットの構成を示す断面図である。上記第1実施形態では、物理/化学洗浄としてSC1洗浄を実行してSC1洗浄前に前処理(液膜形成・液膜の凍結)を施すことでSC1洗浄によるパーティクル除去効果をアシストしているが、この第2実施形態では、物理/化学洗浄として二流体ノズルを用いた液滴による洗浄(液滴洗浄)を実行して液滴洗浄前に前処理を施すことで液滴洗浄によるパーティクル除去効果をアシストしている。この第2実施形態にかかる基板処理装置に装備された洗浄ユニット1Aが第1実施形態と大きく相違する点は、基板表面に液滴を供給するために液滴供給部60が新たに追加されている点である。なお、遮断部材21はスピンチャック11の上方の退避位置に退避しており、図9においては、図示を省略している。また、その他の構成および動作は第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
液滴供給部60は、回転駆動される基板Wの表面に対して、処理液としてDIWと窒素ガス(本発明の「気体」に相当)とを混合させて生成した液滴を供給すべく、二流体ノズル61を備えている。この二流体ノズル61はスピンチャック11の上方位置に、二流体ノズル61から基板Wに向けて供給されるDIWが基板Wの法線方向(図9の上下方向)とほぼ平行となる配置姿勢で配置されている。二流体ノズル61は1本のアーム62の先端側に固着される一方、アーム62の基端部には、ノズル移動機構63が連結されている。そして、制御ユニット4からの制御指令に応じてノズル移動機構63が作動することでアーム62を所定の回転軸心回りに揺動駆動する。したがって、上記した配置姿勢のままノズル移動機構63は二流体ノズル61を基板表面とほぼ平行に相対移動させる。
二流体ノズル61は配管64を介して本発明の「処理液供給源」として機能するDIW供給源64Sと接続されており、DIW供給源64SからDIWの供給を受けている。この配管64には、開度調整が可能なバルブ64Vが介装されており、制御ユニット4からの指令に応じて、二流体ノズル61に供給されるDIWの流路の開閉、およびDIWの流量・流速の調節を行うことができるようになっている。また、二流体ノズル61は、配管65を介して本発明の「気体供給源」として機能する窒素ガス供給源65Sから高圧の窒素ガスの供給を受けている。この配管65には開度調整が可能なバルブ65Vが介装されており、制御ユニット4からの指令に応じて、二流体ノズル61に供給される窒素ガスの流路の開閉、および窒素ガスの流量・流速の調節を行うことができるようになっている。このように、制御ユニット4がバルブ64V、65Vを制御することで二流体ノズル61に供給されるDIWおよび窒素ガスの流量・流速を調整可能となっている。そして、二流体ノズル61は流量調整されたDIWおよび窒素ガスの供給を受けてDIWの液滴を生成し、該液滴を基板Wに向けて供給可能となっている。
図10は洗浄ユニット1Aに装備された二流体ノズルの構成を示す図である。この実施形態では、DIWと窒素ガスとを空中(ノズル外部)で衝突させてDIWの液滴を生成する混合させる、いわゆる外部混合型の二流体ノズルを用いている。二流体ノズル61は、胴部611の内部に処理液吐出口612aを有する処理液吐出ノズル612が挿通される。この処理液吐出口612aは、二流体ノズル61の傘部611aの上面部611bに配置されている。このため、処理液配管64を介してDIWがDIW供給源64Sから供給されると、DIWが処理液吐出口612aから基板Wに向けて吐出される。このように、この実施形態では、処理液吐出ノズル612が本発明の「処理液吐出手段」として機能している。
また、気体吐出ノズル613が本発明の「気体吐出手段」として処理液吐出ノズル612に近接して設けられており、該処理液吐出ノズル612を囲んだリング状のガス通路を規定している。気体吐出ノズル613の先端部は先細にテーパ状とされており、このノズル開口は基板Wの表面に対向している。このため、配管65を介して窒素ガス供給源65Sから窒素ガスが供給されると、窒素ガスが気体吐出ノズル613の気体吐出口613aから基板Wに向けて吐出される。このように吐出される窒素ガスの吐出軌跡は、処理液吐出口612aからのDIWの吐出軌跡に交わっている。すなわち、処理液吐出口612aからの液体(DIW)流は、混合領域内の衝突部位Gにおいて気体(窒素ガス)流と衝突する。気体流はこの衝突部位Gに収束するように吐出される。この混合領域は、胴部611の下端部の空間である。このため、処理液吐出口612aからのDIWの吐出方向の直近においてDIWはそれに衝突する窒素ガスによって速やかに液滴化される。こうして、洗浄用液滴が生成される。なお、この実施形態において、二流体ノズル61の上面部611bにおいて処理液吐出口612aと気体吐出口613aは面一である必要はなく、どちらかが突出していてもよい。
このように構成された洗浄ユニット1Aを装備する基板処理装置では、凍結処理後の基板Wが洗浄ユニット1Aに搬送され、スピンチャック11に保持されると、モータ13によりスピンチャック11に保持された基板Wを回転させる。そして、ノズル移動機構63により二流体ノズル61を基板Wの上で移動させながら、二流体ノズル61から基板Wの上面に向かってDIWの液滴を噴射させる。また、こうしてDIWの液滴を基板Wの表面に供給しながら、二流体ノズル61は基板Wの中心に対向する位置と基板Wの周縁部に対向する位置との間で揺動される。これにより、基板Wの表面全体にDIWの液滴を衝突させることができ、基板表面の凍結膜が除去される。すなわち、DIWの液滴が有する運動エネルギーにより、基板Wの表面に付着したパーティクルが凍結膜とともに物理的に除去される。
以上のように、この実施形態によれば、液滴が有する運動エネルギーを利用して洗浄を行っているが、液滴洗浄前の前処理として基板表面に付着させた液膜(水膜)を凍結させることで、液滴洗浄によるパーティクル除去効果を次のようにしてアシストしている。すなわち、液滴を用いた洗浄においては、液滴が有する運動エネルギーを利用して、基板表面に付着したパーティクルに液滴を衝突させることにより基板表面からパーティクルを除去している。このとき、パーティクルの基板表面への付着力が大きいほど、パーティクルを基板表面から脱離させるエネルギー(運動エネルギー)も必要となる。しかしながら、このようなエネルギーをパーティクルに与えるために液滴が有する運動エネルギーを高めると、基板表面に形成された微細パターンまでも倒壊させてしまうこととなる。そこで、液滴洗浄の前処理として基板表面に付着させた液膜を凍結させることで、予め基板表面に対するパーティクルの付着力を弱め、さらには基板表面から凍結膜中に脱離させている。これにより、比較的小さな運動エネルギーを有する液滴でも、パーティクルを基板表面から容易に除去することが可能となる。したがって、基板Wにダメージを与えることなくパーティクルの除去率を向上させることができる。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記第1実施形態では、基板表面に対して主に化学的な洗浄作用を有する化学洗浄としてSC1溶液による洗浄(SC1洗浄)を実行しているが、本発明で実行される化学洗浄としては、SC1洗浄に限定されない。例えば、化学洗浄としてSC1溶液以外のアルカリ性溶液、酸性溶液、有機溶剤、界面活性剤などを処理液として、またはそれらを適宜に組合わせたものを処理液として使用する湿式洗浄が挙げられる。
また、上記第2実施形態では、基板表面に対して主に物理的な洗浄作用を有する物理洗浄として二流体ノズルを用いた液滴による洗浄(液滴洗浄)を実行しているが、本発明で実行される物理洗浄としては、液滴洗浄に限定されない。例えば、物理洗浄として基板表面に対してブラシやスポンジ等を接触させることで基板を洗浄するスクラブ洗浄、超音波振動によって基板表面に付着するパーティクルを振動させて脱離させたり、処理液中に発生したキャビテーションや気泡を基板表面に作用させて基板を洗浄する超音波洗浄などが挙げられる。
さらに、基板表面に対して物理洗浄と化学洗浄とを必要に応じて組合わせた洗浄を施して基板表面から凍結後の液膜を除去するようにしてもよい。例えば、基板表面にSC1溶液を接液させるとともに、該SC1溶液中に気泡を発生させて基板表面に気泡を供給しながら洗浄するようにしてもよい。すなわち、SC1溶液による化学洗浄と気泡が有する物理作用を利用した物理洗浄とを組合わせた洗浄を行うようにしてもよい。また、二流体ノズルを用いた処理液の液滴洗浄において、処理液として基板表面に対して化学作用を有する薬液を用いてもよい。この構成によれば、薬液による化学洗浄と液滴が有する運動エネルギーを利用した物理洗浄とが組合された洗浄が実行される。
また、上記実施形態では、洗浄ユニット1、1Aにおいて液膜形成処理と凍結後の膜除去処理とを実行しているが、液膜形成処理と膜除去処理とをそれぞれ別ユニットで実行するようにしてもよい。このように構成することで、各処理に適した構成を採用することが可能となり、処理性能の向上およびユニット構成の簡素化を図ることができる。
また、上記第2実施形態では、いわゆる外部混合型の二流体ノズルを用いて液滴洗浄を実行しているが、これに限定されず、いわゆる内部混合型の二流体ノズルを用いて液滴洗浄を実行するようにしてもよい。
図11は二流体ノズルの変形形態を示す図である。この内部混合型の二流体ノズル71は、内部に設けられた混合室72で処理液と気体(窒素ガス)とを混合させて処理液の液滴を生成する。内部混合型ノズル71はその先端部に開口73を有するノズル本体74を備え、そのノズル本体74の内部で処理液と窒素ガスとを混合させて洗浄用液滴を生成するとともに開口73から基板Wに向けて吐出する。具体的には、ノズル本体74は処理液と窒素ガスとが混合される混合室72を形成する円筒状の混合部741と、一端が混合部741に接続され多端に向かって狭くなるテーパ状のテーパ部742と、洗浄用液滴を加速させる直状円筒管である直流部743とが連接されて構成されている。
混合部741はガス導入管75の外側を、液供給管76が取り囲む構造、つまり液供給管76の中をガス導入管75が挿入されている二重管の構造で構成されている。これらガス導入管75、液供給管76はそれぞれ、窒素ガスを供給する窒素ガス供給源75S、処理液としてDIWを供給するDIW供給源76Sと連通されている。混合部741とガス導入管75はそれぞれ略円筒状であって、その中心軸を一致させているとともに、混合部741の内部にガス導入管75の端部が収まっている。また、混合部741、ガス導入管75、液供給管76はハウジング77によって固定されている。
このような二流体ノズル71においては、ガス導入管75から加圧された気体(窒素ガス)が導入されるとともに、液供給管76からDIWが供給されると、混合室72内で窒素ガスとDIWとが混合され、DIWの液滴が生成される。そして生成された洗浄用液滴はテーパ部742および直流部743を通過することで、移動速度が加速され直流部743の先端の開口73から吐出される。
ここで、外部混合型の二流体ノズル(以下「外部混合型ノズル」という)と内部混合型の二流体ノズル(以下「内部混合型ノズル」という)とを比較すると、各ノズル構造に起因した以下のような相違がある。すなわち、外部混合型ノズルでは、吐出された処理液(DIW)と気体(窒素ガス)とは空中で混合されるため、処理液は霧状の液滴となって拡散された状態で基板Wに到達することになる。一方で、内部混合型ノズルでは、ノズル内部で生成した処理液の液滴を所定の速度まで加速させるとともに、生成された処理液の液滴はその速度の減衰が小さい状態で直進して基板Wに到達することになる。このため、内部混合型ノズルは比較的大きな粒径の液滴が存在した粒径範囲の液滴で洗浄処理を行うこととなり、外部混合型ノズルに比べると洗浄力(パーティクル除去率)は高くなるものの基板Wに与えるダメージも大きくなるという特徴を有する。一方で、外部混合型ノズルは比較的小さな粒径でそろった液滴で洗浄処理を行うこととなり、内部混合型ノズルに比べると洗浄力は劣るものの基板Wに与えるダメージは圧倒的に少なくなるという特徴を有する。したがって、液膜の凍結により基板表面に対するパーティクルの付着力を弱める、あるいは脱離させることが可能な本発明によれば、外部混合型ノズルを採用することにより基板へのダメージを確実に回避しながら、除去率を向上させることが可能となっている。
また、上記実施形態では、基板表面に供給されたDIWを振り切って液膜を形成しているが、振り切らずに液膜を形成してもよい。
また、上記実施形態では、基板Wを1枚づつ洗浄処理する枚葉式の基板処理装置について説明しているが、この発明は複数枚の基板Wを一括して洗浄処理するバッチ式の基板処理装置についても適用することができる。例えば、液膜形成および凍結後の液膜を除去するバッチ式の洗浄ユニットとして図12に示す構成を採用することができる。
図12は、この発明にかかる基板処理装置に装備される洗浄ユニットの変形形態を示す図である。この洗浄ユニット1Bは、薬液、DIW等の処理液が貯留される処理槽81を備えている。半導体ウエハ等の基板Wは、処理槽81内に搬入されることによって収容され、この1つの処理槽81内で処理液による液膜形成および凍結後の液膜除去が行われる。処理槽81の内部には、複数枚の基板Wを起立姿勢で収容するリフタ82が配置されている。このリフタ82は、本発明の「浸漬手段」として機能するリフタ駆動機構82aによって駆動され、処理槽81の内部位置(図12に示した位置)と処理槽81の上方位置との間で上下方向に移動可能に保持されている。また、リフタ82は、複数枚の基板Wを保持するための3本の基板保持ガイド83を備えている。3本の基板保持ガイド83には、基板Wを保持するため、その長手方向(基板Wの表面に直交する方向)に沿って基板Wの外周縁部の一部とそれぞれ係合する複数の切欠状の保持溝が所定の間隔に配列して形成されている。
処理槽81の内底部付近には、管状をなす2本の処理液供給ノズル84が、それぞれ略水平方向に配設されており、各処理液供給ノズル84には、処理液を吐出する複数個の吐出孔85がそれぞれ形成されている。また、各処理液供給ノズル84は、処理液供給管86にそれぞれ流路接続されるとともに、処理液供給管86がそれぞれミキシングユニット86aを介してDIW供給部87、薬液供給部88に接続されている。したがって、ミキシングユニット86aを介して各処理液供給ノズル84から処理液(DIWまたは薬液)が処理槽81に供給される。各処理液供給ノズル84からそれぞれ吐出された処理液は、左右両側から噴出した処理液が槽中央部で上昇流を形成しつつ、槽上部の開口部からオーバーフローするようになっている。そして、このオーバーフローされる処理液によって処理液中に拡散するパーティクルを処理液とともにオーバーフロー槽89で受け、槽外に排出させるようになっている。このように、この実施形態によれば、処理液供給ノズル84が本発明の「導入手段」として機能している。
このような構成により、処理槽81にDIWを貯留しておくことで、次のようにして基板表面に液膜を形成することができる。すなわち、制御ユニット4からの動作指令に応じてリフタ駆動機構82aが下降駆動されると、複数の基板Wを収容したリフタ82が処理槽81の上方位置から下降する。これにより、複数基板Wが処理槽81に貯留されたDIWに同時に浸漬される。その後にリフタ駆動機構82aが上降駆動され、リフタ82が上昇すると、複数基板Wが処理槽81に貯留されたDIWから引き上げられる。これにより、複数基板Wの各々の表面にDIWを付着させ、該複数基板Wに対して基板表面に液膜(水膜)を一括して形成することが可能となっている。
また、処理槽81にSC1溶液を貯留しておくことで、次のようにして凍結膜を基板表面から除去することができる。すなわち、リフタ駆動機構82aの作動によりリフタ82を下降させる。これにより、凍結後の複数基板Wが処理槽81に貯留されたSC1溶液に一括して浸漬される。その結果、基板表面の凍結膜がSC1溶液によって解凍されるとともに、処理槽81内で対流するSC1溶液によって基板表面からパーティクルを含む凍結膜が除去される。なお、SC1溶液に凍結処理後の基板Wを浸漬させるだけでは、パーティクルの除去性能が不足する場合には、窒素ガスを処理液中でバブリングさせるなどして処理液中に気泡を発生させるとともに、該気泡を基板表面に向けて供給するように構成してもよい。
また、液膜を凍結させるバッチ式の凍結ユニットとして図13に示す構成を採用することができる。図13は、この発明にかかる基板処理装置に装備される凍結ユニットの変形形態を示す図である。凍結ユニット2Aは、内部に複数の基板Wを収容可能な処理空間PSが形成された処理槽91を備えている。また、凍結ユニット2Aには、リフタ92が処理槽91の内部位置(図13に示した位置)と処理槽91の上方位置との間で昇降自在に設けられ、リフタ駆動機構92aによって昇降駆動される。これにより、リフタ92が有する基板保持ガイド93によって複数の基板Wを保持した状態で、処理槽91の上方位置と処理空間PSに収容された位置とに複数基板Wを配置可能となっている。
処理槽91の内壁面911は処理空間PSを冷却する冷却面となっており、処理空間PSを包囲するように内壁面911に沿って冷媒経路94が形成されている。この冷媒経路94の両端は冷媒供給部95に接続されている。冷媒供給部95は、冷媒を冷却させる冷却手段と、冷媒を冷媒経路94に圧送して冷媒経路94内を循環させるポンプ等の圧送手段を備える。このため、冷媒供給部95から冷媒が供給され、冷媒経路94を出た冷媒は再び冷媒供給部95に帰還されるようになっている。なお、冷媒としては、内壁面911を介して処理空間PSの温度を前処理液の凝固点より低い温度に冷却するものであればよい。
処理槽91の上部は基板搬出入口となっており、シャッタ96をシャッタ駆動機構97により駆動することで開閉可能とされている。処理槽91の上部を開放した状態において、その開放部分からリフタ駆動機構92aにより基板Wの搬出入を行う一方、処理槽91の上部を閉鎖した状態で、処理槽91内部の処理空間PSを密閉空間にすることができる。また、密閉状態における処理空間PSの冷却効率を高めるために処理槽91の外壁およびシャッタ96は断熱材98により覆われている。
このような構成によれば、処理槽91内の処理空間PSは空間全体の温度が液膜を構成する液体(DIW)の凝固点よりも低い温度に冷却されている。そして、シャッタ96が開かれ、リフタ駆動機構92aの作動によりリフタ92を下降させて基板Wを処理槽91内の処理空間PSに収容した位置に配置させる。その後にシャッタ96が閉じられ、複数基板Wの各々の表面に付着している液膜が同時に凍結される。このように、複数基板Wの各々の表面に付着している液膜を一括して凍結することが可能であり、処理効率を向上させることができる。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などを含む基板全般の表面に対して洗浄処理を施す基板処理方法および基板処理装置に適用することができる。
SC1溶液による洗浄前の前処理の有無と除去率との関係を示すグラフである。 二流体ノズルを用いた洗浄前の前処理の有無と除去率との関係を示すグラフである。 凍結膜の除去のタイミングと除去率との関係を示すグラフである。 この発明の基板処理装置の第1実施形態を示す平面レイアウト図である。 図4の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。 図4の基板処理装置に装備された洗浄ユニットの構成を示す断面図である。 図4の基板処理装置に装備される凍結ユニットの構成を示す図である。 図4の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の第2実施形態にかかる基板処理装置に装備された洗浄ユニットの構成を示す断面図である。 洗浄ユニットに装備された二流体ノズルの構成を示す図である。 二流体ノズルの変形形態を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置に装備される洗浄ユニットの変形形態を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置に装備される凍結ユニットの変形形態を示す図である。
符号の説明
1,1A,1B…洗浄ユニット(洗浄機構)
2,2A…凍結ユニット(凍結機構)
13…モータ(回転手段)
30…液供給部(供給手段)
81…処理槽
82a…リフタ駆動機構(浸漬手段)
84…処理液供給ノズル(導入手段)
612…処理液吐出ノズル(処理液吐出手段)
613…気体吐出ノズル(気体吐出手段)
W…基板

Claims (3)

  1. 基板を洗浄処理する基板処理方法において、
    前記基板の表面に液膜を付着させた状態で、付着させた前記液膜を凍結させる第1工程と、
    前記基板表面に対して化学的な洗浄作用を有する化学洗浄を前記基板表面に施して該基板表面から凍結後の液膜を除去する第2工程と
    を備え、
    前記第2工程では、SC1溶液(アンモニア水と過酸化水素水との混合水溶液)を前記基板表面に向けて供給することで前記基板表面から前記凍結後の液膜を除去する
    ことを特徴とする基板処理方法。
  2. 前記第2工程では、前記凍結後の液膜が融解しないうちに該液膜を前記基板表面から除去する請求項1記載の基板処理方法。
  3. 基板を洗浄処理する基板処理装置において、
    前記基板の表面に液膜を付着させた状態で前記液膜を凍結させる凍結機構と、
    前記基板表面に対して化学的な洗浄作用を有する化学洗浄を前記基板表面に施す洗浄機構と
    を備え、
    前記凍結機構は前記洗浄機構による洗浄前の前処理として前記基板表面に付着している前記液膜を凍結させ、
    前記洗浄機構は、SC1溶液(アンモニア水と過酸化水素水との混合水溶液)を前記基板表面に向けて供給する供給手段と、前記基板を回転させる回転手段とを有し、前記回転手段により回転される前記基板の表面に前記供給手段からSC1溶液を供給させて、前記基板表面から凍結後の液膜を除去する
    ことを特徴とする基板処理装置。
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