JP4883805B2 - 断熱材用コーティング層、断熱材用積層体、断熱材用コーティング剤、並びに、断熱材用コーティング剤の製造方法 - Google Patents

断熱材用コーティング層、断熱材用積層体、断熱材用コーティング剤、並びに、断熱材用コーティング剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、断熱材用コーティング層、断熱材用積層体、断熱材用コーティング剤、並びに、断熱材用コーティング剤の製造方法に関する。
炭素繊維を成形した炭素繊維系成形断熱材(断熱材用積層体)は、金属の熱処理、ファインセラミックスの焼結、各種結晶の引き上げ等に使用される真空炉や雰囲気炉等の高温炉の断熱材として広く用いられている。そして、このような断熱材用積層体を製造する方法としては、断熱特性向上、炭素繊維粉の飛散防止、焼結金属から発生するガスの浸透防止等のために、従来から、炭素繊維フェルト等の高温に曝される炭素化成形体の表面に黒鉛シートや、炭素繊維クロス等の表面被覆材等を貼り付ける方法等が採用されていた。しかしながら、このような方法においては、炭素化成形体の表面が曲面や複雑な形をしている場合に、表面被覆材等を炭素化成形体の表面に密着して貼り付けることが困難であるという問題があった。そのため、このような断熱材用積層体を製造する方法としては、炭素化成形体の表面に黒鉛粉と炭素化可能な高分子からなるコーティング剤を塗布し、炭化、黒鉛化して黒鉛質の膜に変える方法が採用されてきている。そして、このような断熱材用積層体の製造方法や前記製造方法に用いる種々のコーティング剤が研究、開示されてきている。
例えば、特開昭50−104197号公報(文献1)においては、鱗状黒鉛の100質量部に固体粉末ピッチの10〜30質量部と前記固形粉末ピッチと相溶性を有する液体結合剤の15〜25質量部とを加えて混練、成形したのち還元性雰囲気下で焼成する黒鉛質成形体の製造方法が開示されている。また、このような文献1においては、更に、鱗状黒鉛を用いる場合の問題点が記載されている。そして、このような問題点としては、天然産鱗状黒鉛は黒鉛化度及び純度は高いが、その粒形が偏平であるために加圧によって極端な配向を示し、そのため成形にあたって層状のラミネーション亀裂を発生し、成形が非常に困難であって良好な成形体が得にくいという問題点が記載されている。また、文献1に記載の黒鉛質成形体の製造方法においては、鱗状黒鉛を用いる場合の層状のラミネーション亀裂の発生を防ぐために、固形粉末ピッチと相溶性を有する液体結合剤を用いて固形粉末ピッチを溶出し、鱗状黒鉛粒子の配向を妨げ、ラミネーション亀裂の発生を防止することが記載されている。しかしながら、文献1に記載の黒鉛質成形体の製造方法においては、得られる断熱材用コーティング層の塗布表面の表面平滑性及び表面光沢性が十分なものではなかった。また、得られる断熱材用コーティング層の機械的強度も十分なものではなく、また前記断熱材用コーティング層が剥離する問題や発塵防止性が低いといった問題もあった。
また、特開平3−163174号公報(文献2)においては、少なくとも、結合剤と、粒径0.1〜500μmの鱗状黒鉛粉末と、溶媒とを含有する断熱性コーティング剤が開示されている。また、特開平3−228886号公報(文献3)においては、炭化可能高分子化合物、炭化可能高分子化合物の溶剤、黒鉛粉からなる炭素質成型断熱材用コーティング剤に、炭化、黒鉛化時のクラック発生、進展防止剤として、繊維状物質を黒鉛粉100質量部に対して20質量部以下添加するコーティング剤が開示されている。しかしながら、文献2や文献3に記載のコーティング剤においては、作業性が十分なものではなく、また、焼成後に得られる断熱材用コーティング層の塗布表面の表面平滑性及び表面光沢性が十分なものではなかった。また、このようなコーティング剤を用いて焼成後に得られる断熱材用コーティング層においては、前記断熱材用コーティング層が剥離する問題や、前記断熱材用コーティング層の発塵防止性、耐酸化性及び機械的強度が低いという問題もあった。更に、文献2や文献3に記載のコーティング剤においては、コーティング剤の溶媒が有機系液剤であったため、作業環境の安全面や衛生面でも問題があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、表面が平滑且つ緻密で表面平滑性及び表面光沢性に優れるとともに十分に低いガス透過性を有し、しかも、断熱材用積層体に優れた発塵防止性、耐酸化性、機械的強度及び断熱効果を付与することが可能な断熱材用コーティング層、それを備えた断熱材用積層体、それを得るための断熱材用コーティング剤、並びに、その断熱材用コーティング剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、断熱材用コーティング剤に特定の炭素化材、鱗状黒鉛、粘貼剤及び水系液剤を含有させることにより、得られる断熱材用コーティング剤の作業性が向上し、更に、その断熱材用コーティング剤を塗布し、炭素化させて得られる断熱材用コーティング層に、優れた表面平滑性と、表面光沢性と、十分に低いガス透過性とを付与でき、しかも、その断熱材用コーティング層が積層された断熱材用積層体に優れた発塵防止性、耐酸化性、機械的強度及び断熱効果を付与することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の断熱材用コーティング層は、炭素化成形体と、該炭素化成形体の少なくとも一方の表面に積層された断熱材用コーティング層とを備える断熱材用積層体における前記断熱材用コーティング層であって、
前記炭素化成形体の嵩密度が0.08〜0.8g/cmであり
前記断熱材用コーティング層のガス透過率が8.0NL/hr・cm・mmHO以下であり、
前記断熱材用コーティング層の厚さが50μm〜3mmであり、
前記断熱材用コーティング層が、
(A)炭化率が40%以上と成り得る炭素化材、
(B)鱗状黒鉛粉末、
(C)メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及び澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の粘貼剤、及び
(D)前記粘貼剤を溶解させ、且つ前記炭素化材を分散又は溶解させる水系液剤、
からなり且つ前記炭素化材100質量部に対して、前記鱗状黒鉛粉末の含有量が10〜200質量部、前記粘貼剤の含有量が2〜50質量部及び前記水系液剤の含有量が50〜600質量部である断熱材用コーティング剤を、前記炭素化成形体の少なくとも一方の表面に塗布した後に炭素化せしめてなるものである、
断熱材用コーティング層である。
ここで、本発明におけるガス透過率の測定方法を説明する。
先ず、このようなガス透過率の測定に用いるガス透過率測定装置について説明する。図1は、このようなガス透過率の測定に用いるガス透過率測定装置の概略縦断面図である。図1に示すガス透過率測定装置は、下面の中心に内径が19mmで且つ高さが50mmの円筒状の凹部が設けられている上部カップ1と、上面の中心に内径が19mmで且つ高さが50mmの円筒状の凹部が設けられている下部カップ2とを備える。このような上部カップ1と下部カップ2とは、上部カップ1の下面と下部カップ2の上面とが、面の中心軸を同一線上となるように対向して配置されている。また、下部カップ2は、このようなガス透過率測定装置内において固定されている。そして、上部カップ1には、エアシリンダ3が設置されている。かかるエアシリンダ3により、上部カップ1を上下に移動させることと、カップ同士の面圧を調整することとを可能としている。また、下部カップ2にはエア導入用配管4が接続されており、このようなエア導入用配管4には流量計5が設置されている。更に、下部カップ2には微差圧力測定器6が接続されている。また、上部カップ1の下面及び下部カップ2の上面には、それぞれ硬度30〜40のクロロプレンゴム7が貼り付けられている。また、上部カップ1の上部にはパージ用の孔8が設けられている。更に、図1に示すガス透過率測定装置においては、試料9の断熱材用コーティング層9a側の面を下部カップ2の上面と対向させてセットされており、試料9は上部カップ1と下部カップ2との間に挟まれている。なお、試料9としては、嵩密度が0.08〜0.8g/cmの炭素化成形体9b(縦100mm、横100mm、厚さ6mm)の表面に断熱材用コーティング層9aが積層された断熱材用積層体を用いる。また、このような流量計5としては、100〜1000NL/hrの調整が可能なフロータイプの流量計を用いる。また、微差圧力測定器6としては、測定レンジ0〜200mmHOでの測定が可能なYOKOGAWA HOKUSHIN社製の商品名「デジタルマノメーター形式2654」を用いる。
次に、このようなガス透過率測定装置を用いたガス透過率の測定工程について説明する。
先ず、試料9をセットする前に、上部カップ1と下部カップ2とを閉じた状態にし、エア導入用配管4から空気を通気する。このような通気に際しては、前記流量計5によって空気の流量を600NL/hrに調節する。このときに、ガス透過率測定装置そのものによってかかる圧力の影響を補正するため、微差圧力測定器6のゼロ補正を行う。
次に、試料9の断熱材用コーティング層9a側の面が下部カップ2側になるように、試料9を下部カップ2の上面にセットする。そして、エアシリンダ3により上部カップ1を下方に押し込み、試料9を上部カップ1と下部カップ2との間に挟み込む。なお、このときの押し込み圧力(エアシリンダの面圧)は0.025MPaとなるように調整する。そして、空気の流量を600NL/hrに保ったまま、微差圧力測定器6に表示される圧力の値が一定になった時点の圧力の数値(差圧)を測定する。このような操作は、試料の測定位置を変えながら10回繰り返して行い、前記のようにして測定される差圧の平均値Δpを求める。そして、下記式:
(ガス透過率)=Q/(S×Δp)
(式中、Qは時間あたりの空気の流量〔600NL/hr〕を示し、Sは測定面積〔1.9/2)×πcm〕を示し、Δpは差圧の平均値〔単位:mmHO〕を示す。)
に、得られた差圧の平均値Δpの値を導入してガス透過率を求める。なお、本発明においては、試料9の炭素化成形体9bは多孔体であり、空気の流量600NL/hrの通気時にはほとんど圧力に影響しないので、試料9を用いて測定したガス透過率を断熱材用コーティング層のガス透過率とする。
また、上記本発明の断熱材用コーティング層としては、前記断熱材用コーティング層が、幅40mm、長さ40mm、厚さ40mmの大きさの前記炭素化成形体の全表面に該断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体に、不活性ガスを流量500mL/分で340秒間吹きつけた際に発生する粒径0.3μm以上の粒子の発塵量を300個以下とするものであることが好ましい。
ここで、本発明における発塵量の測定方法を説明する。
先ず、試料の調製方法について説明する。このような試料の調製においては、先ず、嵩密度が0.08〜0.8g/cmの炭素化成形体を幅40mm、長さ40mm、厚さ40mmの大きさにダイヤモンドカッターを用いて切り出す。次に、この炭素化成形体の全表面に断熱材用コーティング剤を刷毛で1kg/mの割合で塗布し、無加圧、150℃の温度条件下で3時間乾燥させつつ樹脂を硬化させた後、真空炉中において、2000℃の温度条件下で1時間黒鉛化処理し、これを試料とする。
次に、このような発塵量の測定工程について説明する。このような発塵量の測定には、清浄度100000のクリーンブースの中に、三口バッファータンクと、発塵量測定試料設置用二口密閉容器と、パーティクルカウンター(リオン株式会社製、商品名「パーティクルカウンターKC−01A型」)とを、それぞれ上記記載の順にガス流通用パイプで接続した測定装置を用いる。また、このような発塵量の測定に際しては、先ず、パーティクルカウンターの条件を超高純度(純度99.99%)のアルゴンガス流量500mL/分、レンジ0.1ftで340秒間の自動測定とする。そして、アルゴンガス導入用の内径3.5mmのガス流通用パイプの先端の開口面と、試料の断熱材用コーティング層面とを平行としつつ前記開口面の中心と前記断熱材用コーティング層面の中心が同一線上となるようにし、更に、試料の断熱材用コーティング層面の中心と前記開口面の中心との距離が10mm離れるようにして発塵量測定試料設置用二口密閉容器の中央に試料を設置する。次に、超高純度(純度99.99%)のアルゴンガスを三口バッファータンクに導入し、そのアルゴンガス導入量を5L/分にするとともに、パーティクルカウンターに内蔵されたガス吸引用ポンプを作動させ、三口バッファータンクに導入されたアルゴンガスをパーティクルカウンターに吸引する。そして、このような吸引にともなって吸引された粒径0.3μm以上の粒子の数をパーティクルカウンターで測定する。本発明においては、このようにして測定された粒径0.3μm以上の粒子の数を発塵量とする。
上記本発明の断熱材用コーティング層としては、前記断熱材用コーティング層が、幅100mm、長さ100mm、厚さ40mmの大きさの前記炭素化成形体の全表面に該断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体を空気中、600℃の温度条件下において5時間保持する耐酸化性試験における質量減少率を10.0%以下とするものであることが好ましい。
また、上記本発明の断熱材用コーティング層としては、前記断熱材用コーティング層が、幅100mm、長さ100mm、厚さ40mmの大きさの前記炭素化成形体の全表面に該断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体を空気中、600℃の温度条件下において10時間保持する耐酸化性試験における質量減少率を10.0%以下とするものであることがより好ましい。
ここで、本発明における耐酸化性の測定方法を説明する。
先ず、試料の調製方法について説明する。このような試料の調製においては、先ず、嵩密度が0.08〜0.8g/cmの炭素化成形体を幅100mm、長さ100mm、厚さ40mmの大きさにダイヤモンドカッターを用いて切り出す。次に、この炭素化成形体の全表面に断熱材用コーティング剤を刷毛で1kg/mの割合で塗布し、無加圧、150℃の温度条件下で3時間乾燥させつつ樹脂を硬化させた後、真空炉中において、2000℃の温度条件下で1時間黒鉛化処理し、これを試料とする。
次に、このような耐酸化性の測定工程について説明する。先ず、600℃で5時間の酸化を行った場合の耐酸化性(5時間の耐酸化性)の測定工程について説明する。このような5時間の耐酸化性の測定においては、先ず、前記試料の質量を電子天秤で0.1mgの桁まで測定する。次に、試料をガス導入用の孔が開けてある蓋付きの石英ケースの中に入れる。この時、白金坩堝(内径25mm、底径15mm、高さ30mm)4個を試料の下の四隅に設置し、試料を浮かせて万遍なく酸化するようにする。その後、試料を入れた石英ケースをマッフル炉(株式会社デンケン製、KDF P−90G)内に設置し、石英ケース内を窒素で置換した後、600℃まで昇温させる。そして温度が600℃に安定した後、2L/分の空気を入れて5時間保持する。その後、再度石英ケース内の雰囲気を窒素置換した後、150℃まで自然冷却する。このようにして150℃まで冷却した後、前記石英ケースを電気炉から取りだし、更にデシケータにいれて室温まで冷却させる。このような冷却が完了した時点で、電子天秤で試料の質量を0.1mgの桁まで測定し、耐酸化性試験前の質量を基準として、600℃、5時間の酸化による質量減少率を求める。本発明においては、このようにして得られる質量減少率の値を5時間の耐酸化性とする。
次に、600℃で10時間の酸化を行った場合の耐酸化性(10時間の耐酸化性)の測定工程について説明する。このような10時間の耐酸化性の測定工程は、600℃で保持する時間を5時間から10時間に変更する以外は、前述の5時間の耐酸化性の測定工程と同様の工程である。そして、本発明においては、このような10時間の耐酸化性の測定工程により得られる質量減少率の値を10時間の耐酸化性とする。
上記本発明の断熱材用コーティング層としては、前記断熱材用コーティング層が、幅20mm、長さ100mm、厚さ10mmの大きさの前記炭素化成形体の幅20mm、長さ100mmの上下両表面に該断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体を用い、支点スパン80mm、クロスヘッドスピード1.0mm/分の条件で中央集中荷重を加える曲げ強度試験における最大破壊荷重から求めた曲げ強度を1.0MPa以上とするものであることが好ましい。
ここで、本発明における曲げ強度の測定方法を説明する。
先ず、試料の調製方法について説明する。このような試料の調製においては、先ず、嵩密度が0.08〜0.8g/cmの炭素化成形体を幅120mm、長さ120mm、厚さ10mmの大きさにダイヤモンドカッターで切り出す。次に、幅120mm、長さ120mmの上下両表面に断熱材用コーティング剤を刷毛で1kg/cmの割合で塗布し、次いで、無加圧、150℃の温度条件下3時間乾燥させつつ樹脂を硬化させた後、真空炉中において、2000℃の温度条件下で1時間黒鉛化処理した。その後、厚さを黒鉛化処理後の厚さのままとしつつ、幅20mm、長さ100mmの大きさにダイヤモンドカッターで切り出したものを試料とする。
次に、このような曲げ強度の測定工程について説明する。このような曲げ強度の測定においては、オートグラフ(島津製作所製、商品名「島津オートグラフAGS−H 5kN」)を用いて、コーティング面が引張側と圧縮側になるようにし、支点スパン80mm、クロスヘッドスピード1.0mm/分、プラスチック用支点と半径が5mmのポンチの条件で中央集中荷重による曲げ試験を行って最大破壊荷重から曲げ強度を求める。
また、上記本発明の断熱材用コーティング層としては、前記粘貼剤がメチルセルロースであることが特に好ましい。
また、上記本発明の断熱材用コーティング層としては、前記炭素化材がフラン樹脂であることが好ましい。
さらに、上記本発明の断熱材用コーティング層としては、前記鱗状黒鉛粉末の平均粒径が50〜500μmの範囲にあることが好ましい。
また、上記本発明の断熱材用コーティング層としては、前記鱗状黒鉛粉末が、平均粒径が50〜500μmの範囲にある第一の鱗状黒鉛粉末と、平均粒径が1μm以上50μm未満の範囲にある第二の鱗状黒鉛粉末とを含有し、且つ第一の鱗状黒鉛粉末と第二の鱗状黒鉛粉末との質量換算による配合比(第一の鱗状黒鉛粉末:第二の鱗状黒鉛粉末)が4:6〜8:2の範囲にあることが好ましい。
また、本発明の断熱材用積層体は、嵩密度が0.08〜0.8g/cmの炭素化成形体と、該炭素化成形体の少なくとも一方の表面に積層された前記本発明の断熱材用コーティング層とを備える、ものである。
本発明の断熱材用コーティング剤は、
(A)炭化率が40%以上と成り得る炭素化材、
(B)鱗状黒鉛粉末、
(C)メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及び澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の粘貼剤、及び
(D)前記粘貼剤を溶解させ、且つ前記炭素化材を分散又は溶解させる水系液剤、
からなり且つ前記炭素化材100質量部に対して、前記鱗状黒鉛粉末の含有量が10〜200質量部、前記粘貼剤の含有量が2〜50質量部及び前記水系液剤の含有量が50〜600質量部である、ものである。
また、上記本発明の断熱材用コーティング剤としては、前記粘貼剤がメチルセルロースであることが特に好ましい。
また、上記本発明の断熱材用コーティング剤としては、前記炭素化材がフラン樹脂であることが好ましい。
さらに、上記本発明の断熱材用コーティング剤としては、前記鱗状黒鉛粉末の平均粒径が50〜500μmの範囲にあることが好ましい。
また、上記本発明の断熱材用コーティング剤としては、前記鱗状黒鉛粉末が、平均粒径が50〜500μmの範囲にある第一の鱗状黒鉛粉末と、平均粒径が1μm以上50μm未満の範囲にある第二の鱗状黒鉛粉末とを含有し、且つ第一の鱗状黒鉛粉末と第二の鱗状黒鉛粉末との質量換算による配合比(第一の鱗状黒鉛粉末:第二の鱗状黒鉛粉末)が4:6〜8:2の範囲にあることが好ましい。
また、本発明の断熱材用コーティング剤の製造方法は、水に鱗状黒鉛粉末を分散させて第一の分散液を得る工程と、水と相溶性を有する有機溶剤に粘貼剤を分散させて第二の分散液を得る工程と、前記第一の分散液と前記第二の分散液とを混合して第三の分散液を得る工程と、前記第三の分散液に炭化率が40%以上と成り得る炭素化材を分散させて断熱材用コーティング剤を得る工程とを含み、
前記断熱材用コーティング剤が、
(A)炭化率が40%以上と成り得る炭素化材、
(B)鱗状黒鉛粉末、
(C)メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及び澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の粘貼剤、及び
(D)前記粘貼剤を溶解させ、且つ前記炭素化材を分散又は溶解させる水系液剤、
からなり且つ前記炭素化材100質量部に対して、前記鱗状黒鉛粉末の含有量が10〜200質量部、前記粘貼剤の含有量が2〜50質量部及び前記水系液剤の含有量が50〜600質量部である断熱材用コーティング剤である、
方法である。
なお、本発明の断熱材用コーティング剤によって、表面が平滑且つ緻密で表面平滑性及び表面光沢性に優れるとともに十分に低いガス透過性を有し、しかも、断熱材用積層体に優れた発塵防止性、耐酸化性、機械的強度及び断熱効果を付与することが可能な断熱材用コーティング層が得られる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明においては、断熱材用コーティング剤に含有させている特定の粘貼剤の作用により、水系液剤の流動性を十分に抑制することが可能となる。そして、断熱材用コーティング剤を炭素化する過程においては、前記水系液剤が蒸発する間に、鱗状黒鉛粉末の粒子間の隙間を前記粘貼剤が他の成分と共に充填するとともに、炭素化成形体の表面組成へと固着する。このようにして、鱗状黒鉛粉末の粒子間の隙間を粘貼剤が充填しつつ固着するため、炭素化後の断熱材用コーティング層においては、ひび割れの発生が十分に防止されて表面平滑性と表面光沢性が付与され、しかも、塗布面の剥離がほとんど認められない。そして、炭素化後の断熱材用コーティング層が優れた表面平滑性と表面光沢性とを有するため、その熱反射効率が高くなって十分な断熱効果を発揮することが可能となり、更に、このように平滑且つ緻密な断熱材用コーティング層を炭素化成形体に積層させることで、優れた発塵防止性、耐酸化性、機械的強度及び断熱効果が付与された断熱材用積層体を得ることが可能となるものと推察する。また、本発明の断熱材用コーティング層においては、水系液剤を用いてコーティング操作時の作業環境を安全面、衛生面から改善することも可能となると推察する。
本発明によれば、表面が平滑且つ緻密で表面平滑性及び表面光沢性に優れるとともに十分に低いガス透過性を有し、しかも、断熱材用積層体に優れた発塵防止性、耐酸化性、機械的強度及び断熱効果を付与することが可能な断熱材用コーティング層、それを備えた断熱材用積層体、それを得るための断熱材用コーティング剤、並びに、その断熱材用コーティング剤の製造方法を提供することが可能となる。
図1は、ガス透過率の測定に用いるガス透過率測定装置の概略縦断面図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の断熱材用コーティング層について説明する。すなわち、本発明の断熱材用コーティング層は、炭素化成形体と、該炭素化成形体の少なくとも一方の表面に積層された断熱材用コーティング層とを備える断熱材用積層体における前記断熱材用コーティング層であって、
前記炭素化成形体の嵩密度が0.08〜0.8g/cmであり、及び、
前記断熱材用コーティング層のガス透過率が8.0NL/hr・cm・mmHO以下である、ものである。
本発明の断熱材用コーティング層のガス透過率は、8.0NL/hr・cm・mmHO以下であり、7.5NL/hr・cm・mmHO以下であることが好ましい。このようなガス透過率が8.0NL/hr・cm・mmHOを超えると、本発明の断熱材用コーティング層が積層した断熱材用積層体に覆われた加熱炉内で金属又は無機化合物が含有されている被処理物を処理する場合に、前記被処理物から発生する金属及び無機化合物の蒸気や、加熱炉外から浸入した微量の空気が断熱材用積層体の中に浸入してしまい、断熱材用積層体が損耗し易くなるとともに機械的強度が低下する。なお、このようなガス透過率の測定方法については前述の通りである。
また、本発明の断熱材用コーティング層の厚さは、50μm〜3mmであることが好ましく、100μm〜1mmであることがより好ましく、150μm〜500μmであることが更に好ましい。このような断熱材用コーティング層の厚さが50μm未満である場合には、本発明の断熱材用コーティング層が積層された断熱材用積層体に十分な耐酸化性及び機械的強度を付与することが困難となる傾向にある。他方、前記断熱材用コーティング層の厚さが3mmを超える場合には、耐酸化性の効果の増加の割合があまり大きくなくなるため不経済となるととともに、熱による膨張、収縮によってクラックが発生したり、表面平滑性及び表面光沢性が低下する傾向にある。
また、このような本発明の断熱材用コーティング層としては、幅40mm、長さ40mm、厚さ40mmの大きさの前記炭素化成形体の全表面に前記断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体に、不活性ガスを流量500mL/分で340秒間吹きつけた際に発生する粒径0.3μm以上の粒子の発塵量を300個以下(より好ましくは250個以下)とする断熱材用コーティング層が好ましい。このような発塵量が300個を超えると、本発明の断熱材用コーティング層が積層した断熱材用積層体に覆われた加熱炉内において、金属又は無機化合物が含有されている被処理物を処理する場合に、加熱炉内に放出された粒径0.3μm以上の粒子(粉塵)によって前記被処理物が汚染される傾向にある。なお、このような発塵量の測定方法については前述の通りである。
さらに、このような本発明の断熱材用コーティング層としては、幅100mm、長さ100mm、厚さ40mmの大きさの前記炭素化成形体の全表面に前記断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体を空気中、600℃の温度条件下において5時間保持する耐酸化性試験における質量減少率を10.0%以下(より好ましくは7.0%以下)とする断熱材用コーティング層が好ましい。また、このような本発明の断熱材用コーティング層としては、上記本発明の断熱材用コーティング層としては、前記断熱材用コーティング層が、幅100mm、長さ100mm、厚さ40mmの大きさの前記炭素化成形体の全表面に該断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体を空気中、600℃の温度条件下において10時間保持する耐酸化性試験における質量減少率を10.0%以下(特に好ましくは7.0%以下)とするものであることが更に好ましい。このような質量減少率が10.0%を超えると、本発明の断熱材用コーティング層を積層させた断熱材用積層体を加熱炉に用いた場合に、加熱炉内に浸入した空気による損耗が大きくなって、断熱材用コーティング層が積層した断熱材用積層体に十分な断熱効果を付与することができなくなるとともに、断熱材用積層体の耐久性が低下する傾向にある。なお、このような耐酸化性の測定方法については前述の通りである。
また、このような本発明の断熱材用コーティング層としては、幅20mm、長さ100mm、厚さ10mmの大きさの前記炭素化成形体の幅20mm、長さ100mmの上下両表面に前記断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体を用い、支点スパン80mm、クロスヘッドスピード1.0mm/分の条件で中央集中荷重を加える曲げ強度試験における最大破壊荷重から求めた曲げ強度を1.0MPa以上(より好ましくは1.5MPa以上)とする断熱材用コーティング層が好ましい。このような最大破壊荷重から求めた曲げ強度が1.0MPa未満であると、保形性の観点から搬送時や加熱炉への設置時のハンドリング性が低下する傾向にある。なお、このような曲げ強度の測定方法は前述の通りである。
このような本発明の断熱材用コーティング層としては、
(A)炭化率が40%以上と成り得る炭素化材、
(B)鱗状黒鉛粉末、
(C)粘貼剤、及び
(D)前記粘貼剤を溶解させ、且つ前記炭素化材を分散又は溶解させる水系液剤、
からなる断熱材用コーティング剤を、前記炭素化成形体の少なくとも一方の表面に塗布した後に炭素化せしめてなる断熱材用コーティング層が好ましい。このような断熱材用コーティング剤については後述する。
次に、前述のような本発明の断熱材用コーティング層が積層された本発明の断熱材用積層体について説明する。すなわち、本発明の断熱材用積層体は、嵩密度が0.08〜0.8g/cmの炭素化成形体と、該炭素化成形体の少なくとも一方の表面に積層された前記本発明の断熱材用コーティング層とを備える、ものである。このように、本発明の断熱材用積層体においては、前述の本発明の断熱材用コーティング層が積層されていることから、優れた発塵防止性、耐酸化性、機械的強度及び断熱効果を付与されている。
次に、前述の本発明の断熱材用コーティング層を形成させることが可能な本発明の断熱材用コーティング剤について説明する。本発明の断熱材用コーティング剤は、
(A)炭化率が40%以上と成り得る炭素化材、
(B)鱗状黒鉛粉末、
(C)粘貼剤、及び
(D)前記粘貼剤を溶解させ、且つ前記炭素化材を分散又は溶解させる水系液剤
からなるものである。
本発明において、「炭素化」という文言は、一般的に用いられている800℃以上2000℃未満程度の温度条件下における炭化焼成処理と、2000℃〜3000℃の温度条件下における黒鉛化処理とを含めた熱処理、更には、前記熱処理を受けたもの及び前記熱処理を受けるもののいずれかを意味するものとする。
このような断熱材用コーティング剤に含有される炭素化材は、炭化率が40%以上と成り得る炭素化材である。このような炭素化材としては、炭化率が50%以上と成り得るものが好ましい。このような炭化率が40%未満では、炭素化の過程で熱収縮が大きいためクラックが発生したり、炭素化後のバインダー成分量が不十分で、断熱材用コーティング層がはがれる傾向にある。
このような炭素化材としては、炭化率が40%以上と成り得る熱硬化性樹脂やピッチ等の炭素化可能なもの、既に炭素化されたもの又はこれらのいずれかを包含するものをいう。このような熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。また、前記熱硬化性樹脂以外の他の炭素化材としては、例えば、土状黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、グラッシーカーボン粉末、カーボンブリーズ、カーボンブラック等が挙げられる。また、このような炭素化材の中でも、炭素化成形体への接着性がより高く、しかも適度な流動性を有しているという観点から、フラン樹脂を用いることが好ましい。
このような炭素化材は、併用される粘貼剤とともに、前記断熱材用コーティング剤の炭素化に至るまでの温度において流動し難い粘度を有するものであって、且つ鱗状黒鉛粉末の隙間を埋めることができる程度の流動性を有するものである。そして、このような炭素化材の流動性は、炭素化材の種類、得られる断熱材用コーティング剤の組成、用いられる粘貼剤の種類やその性状、鱗状黒鉛粉末の大きさ、被コーティング面の嵩密度等によっても影響されるものであるため、状況に応じて適宜選択する必要がある。このような流動性を選択する方法としては、実際には、断熱材用コーティング剤を炭素化成形体に塗布し、炭素化温度まで昇温させて炭素化させた後に、コーティング成分が被コーティング面から内部に流れ込んだ状況を見ることで判断し、これによって適宜条件を選択する方法を採用する。
また、前記断熱材用コーティング剤に含有される鱗状黒鉛粉末は、断熱材用コーティング剤が炭素化される過程で、各成分が流動し難いように作用するものである。そのため、このような鱗状黒鉛粉末としては、前記作用を達成するために、ある程度の大きさ(平均粒径)を有することが求められる。しかしながら、このような鱗状黒鉛粉末の平均粒径は、炭素化成形体の嵩密度や断熱材用コーティング剤に含有される粘貼剤にも依存するものであるため、一概に規定することはできない。例えば、被コーティング面の嵩密度が小さいものである場合に、鱗状黒鉛粉末の平均粒径が細かすぎると、コーティングされる面から内部にコーティング剤が流れやすくなるので、被コーティング面の嵩密度が大きい場合に比べれば、鱗状黒鉛粉末としてはその平均粒径が大きいものを用いないと接着強度が出ない傾向にある。他方、鱗状黒鉛粉末の平均粒径が大き過ぎると、得られる断熱材用コーティング剤の塗布性や分散安定性が低下し易く、取り扱いが困難となる傾向にある。そのため、鱗状黒鉛粉末の平均粒径は適宜選択する必要がある。
さらに、このような鱗状黒鉛粉末の平均粒径としては、被コーティング材の嵩密度が0.08〜0.8g/cmのものである場合に、50μm〜500μmであることが好ましく、60μm〜300μmであることがより好ましい。このような鱗状黒鉛粉末の平均粒径が50μm未満では、熱の反射率や断熱効果が低下し易くなるとともに、断熱材用積層体における断熱材用コーティング層の接着強度が小さくなって断熱材用コーティング層が剥離し易くなる傾向にある。他方、このような鱗状黒鉛粉末の平均粒径が500μmを超えると、断熱材への塗布性等が低下して作業性が低下するとともに、分散安定性が低下して得られる断熱材用コーティング層の表面平滑性及び表面光沢性が低下する傾向にある。
また、このような平均粒径を有する鱗状黒鉛粉末(以下、「第一の鱗状黒鉛粉末」という)と併用して、より小さな平均粒径を有する他の鱗状黒鉛粉末(以下、「第二の鱗状黒鉛粉末」という)を用いることが好ましい。このような第二の鱗状黒鉛粉末を前記断熱材用コーティング剤に含有させることで、コーティングの際に第一の鱗状黒鉛粉末の粒子間に生じた隙間に第二の鱗状黒鉛粉末が入り込み、鱗状黒鉛粉末の粒子間の隙間を減少させることが可能となる。そのため、このような第二の鱗状黒鉛粉末を含有させることで、より高い断熱効果、耐酸化性及び機械的強度が得られる傾向にある。また、このような第二の鱗状黒鉛粉末の平均粒径としては、1μm以上50μm未満であることが好ましく、5μm以上30μm以下であることがより好ましい。すなわち、本発明においては、前記鱗状黒鉛粉末としては、平均粒径が50〜500μmの範囲にある第一の鱗状黒鉛粉末と、平均粒径が1μm以上50μm未満(より好ましくは5μm以上30μm以下)の範囲にある第二の鱗状黒鉛粉末とを含有するものが好ましい。このような第二の鱗状黒鉛粉末の平均粒径が、1μm未満では、粒径が小さくなりすぎて混入時に粉塵の飛散の原因となったり、断熱材用コーティング層から脱離しやすく、発塵量が増加する傾向にあり、他方、50μm以上では、第二の鱗状黒鉛粉末の平均粒径が第一の鱗状黒鉛粉末の平均粒径と同一かそれ以上となるため、鱗状黒鉛粉末の粒子間の隙間を減少させる効果が得られない傾向にある。
また、このような第一及び第二の鱗状黒鉛粉末の質量換算による配合比は、第一の鱗状黒鉛粉末:第二の鱗状黒鉛粉末が4:6〜8:2程度であることが好ましく、4:6〜7:3程度であることがより好ましい。第一の鱗状黒鉛粉末の配合比が前記下限未満では、発塵量が増加したり、表面光沢性が低下したり、断熱効果が低下したりする傾向にあり、他方、前記上限を超えると耐酸化性が低下したり、表面平滑性が低下したりする傾向にある。
さらに、このような第一及び第二の鱗状黒鉛粉末としては特に制限されないが、天然産(結晶配向性を有する塊状天然黒鉛も含む)若しくは高炉々底で発生するキッシュ黒鉛等を用いることができる。
前記断熱材用コーティング剤に含有される粘貼剤は、後述する水系液剤が炭素化の過程で蒸発した後、炭化物又は炭素化の過程にある成分を粘着させることが可能なものである。このような粘貼剤としては、一般に粘貼剤や糊剤として用いられるものを用いることが可能であるが、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及び澱粉等を用いることが好ましい。また、このような粘貼剤の中でも、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることがより好ましく、メチルセルロースを用いること特に好ましい。このような粘貼剤を用いることで、水系液剤の流動性をより確実に抑制することが可能となり、更には、断熱材用コーティング剤を炭素化する過程において、前記粘貼剤が他の成分と共に鱗状黒鉛粉末の粒子間の隙間を充填し、コーティングされた炭素化成形体の表面組成へ前記粘貼剤が固着する効果がより確実に得られる傾向にある。すなわち、このような粘貼剤を用いることで、鱗状黒鉛粉末の粒子間の隙間を粘貼剤で充填しつつ固着させることが可能となることから、炭素化後の断熱材用コーティング層において、ひび割れの発生が十分に防止されて、より優れた表面平滑性と表面光沢性とが得られるとともに、塗布面の剥離をより確実に防止することができる傾向にある。
また、このような粘貼剤の種類及び含有量は、得られる断熱材用コーティング剤の20℃における粘度が50〜15000mPa・sの範囲となるように適宜選択して用いることが好ましく、1000〜10000mPa・sの範囲となるように適宜選択して用いることがより好ましい。このように、断熱材用コーティング剤の20℃における粘度を前記範囲となるようにして前記粘貼剤を用いることによって、炭素化の過程において他の成分の流動を十分に抑制することが可能となり、粘貼剤を含む各成分と炭素化成形体の被接触面の炭素化成分との固着が十分に行われるため、断熱材用コーティング剤と被コーティング面との間により強固な結合が得られる傾向にある。また、このようにして、前記粘貼剤によって炭素化の過程における他の成分の流動を十分に抑制することで、得られる断熱材用コーティング層は平滑で且つ緻密なものとなることから、ガス透過率を十分に低くすることが可能となり、更には、発塵防止性、耐酸化性及び機械的強度を向上させることも可能となる。
また、このような粘貼剤の種類及び含有量としては、炭素化して得られる断熱材用コーティング層の厚さが50μm〜3mmである場合に、発塵防止性、耐酸化性及び機械的強度をより向上させ、且つそのガス透過率をより確実に8.0NL/hr・cm・mmHO以下とするという観点からは、調製した断熱材用コーティング剤の20℃における粘度が2000〜10000mPa・sの範囲となるように適宜選択して用いることが更に好ましく、2000〜8000mPa・sの範囲となるように適宜選択して用いることが特に好ましい。
前記断熱材用コーティング剤に含有される水系液剤は、前記粘貼剤を溶解させ、且つ前記炭素化材を分散又は溶解させるものである。このような水系液剤としては水と、水と相溶性を有する有機溶剤とを挙げることができる。このような有機溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチルセロソルブ、フルフリルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;2−フリルアルデヒド等のアルデヒド類;エチレングリコール、プロピレングリコール,トリメチレングリコール、ブチルジグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール等のグリコール類等を挙げることができる。また、このような水系液剤としては、水と水以外の1種又は2種以上の前記有機溶剤を混合して用いることができる。また、このような水系液剤としては、水と、水と相溶性を有する下記有機溶剤とを組み合わせた混合剤を用いることが好ましい。このような有機溶剤としては、水との相溶性が高く且つ粘貼剤との相溶性が高いという観点から、ブチルジグリコール、エチルセロソルブ等の有機溶剤を用いることが好ましく、ブチルジグリコールを用いることがより好ましい。なお、本発明においては、断熱材用コーティング剤に前記粘貼剤が含有されているため、断熱材用コーティング剤中において各成分が凝集して塊となることがなく、均一に分散された状態を保つことができる。
さらに、前記断熱材用コーティング剤としては、前記炭素化材100質量部に対する前記各成分の含有量が、前記鱗状黒鉛粉末10〜200質量部、前記粘貼剤2〜50質量部及び前記水系液剤50〜600質量部であることが好ましい。
このような鱗状黒鉛粉末の含有量が、炭素化材100質量部に対して10質量部未満では、熱伝導率を小さくすることが困難となるため断熱効果が低下する傾向にあり、他方、炭素化材100質量部に対して200質量部を超えると、炭素化成形体への塗布性や分散安定性が低下して得られる断熱材用コーティング層の表面平滑性及び表面光沢性が低下する傾向にある。また、このような鱗状黒鉛粉末の含有量としては、得られる断熱材用コーティング層の発塵防止性、耐酸化性及び機械的強度を向上させ、且つそのガス透過率をより確実に8.0NL/hr・cm・mmHO以下とするという観点から、炭素化材100質量部に対して、20〜150質量部とすることがより好ましく、30〜130質量部とすることが更に好ましい。
また、前記粘貼剤の含有量が、炭素化材100質量部に対して2質量部未満では、得られる断熱材用コーティング剤の20℃における粘度が低くなって、炭素化の過程において他の成分の流動を十分に抑制することが困難となり、炭素化して得られる断熱材用コーティング層の発塵防止性、耐酸化性及び機械的強度が低下するとともにガス透過率を低く抑えることが困難となる傾向にある。他方、このような粘貼剤の含有量が、炭素化材100質量部に対して50質量部を超えると、得られる断熱材用コーティング剤の20℃における粘度が高くなりすぎて塗布性等の作業性が低下し、更には得られる断熱材用コーティング層の表面平滑性及び表面光沢性が低下する傾向にある。また、このような粘貼剤の含有量としては、得られる断熱材用コーティング層の発塵防止性、耐酸化性及び機械的強度を向上させ、且つそのガス透過率をより確実に8.0NL/hr・cm・mmHO以下とするという観点から、2〜40質量部とすることがより好ましく、3〜30質量部とすることが更に好ましい。
さらに、前記水系液剤の含有量が、炭素化材100質量部に対して50質量部未満であると、コーティング剤の粘度が高くなりすぎて塗布性等の作業性が低下する傾向にあり、他方、炭素化材100質量部に対して600質量部を超えると、コーティング剤中の他の成分濃度が低くなって所定の厚さの断熱材用コーティング層を得るために多くの塗布回数が必要になる傾向にある。また、このような水系液剤の含有量としては、得られる断熱材用コーティング層の発塵防止性、耐酸化性及び機械的強度を向上させ、且つそのガス透過率をより確実に8.0NL/hr・cm・mmHO以下とするという観点から、炭素化材100質量部に対して、100〜500質量部であることがより好ましい。
また、前記断熱材用コーティング剤においては、前記各成分以外に、炭素繊維を含有させることができる。このような炭素繊維は、コーティング層を補強するのに寄与する。そのため、前記断熱材用コーティング剤に炭素繊維を含有させることによって、得られる断熱材用積層体の強度をより高めることができる。このような炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系、レーヨン系のいずれの炭素繊維であってもよい。このような炭素繊維としては、平均繊維長が0.02〜2mmのものを用いることが好ましく、0.05〜1.5mmのものを用いることがより好ましい。このような平均繊維長が0.02mm未満では、得られる断熱材用コーティング層を補強する効果が低下する傾向にあり、他方、2mmを超えると、断熱材用コーティング剤中において、均一に分散させることが困難となる傾向にある。すなわち、このような炭素繊維の平均繊維長を前記範囲とすることによって、得られる断熱材用コーティング層を補強する効果と、炭素繊維を均一に分散させることとのバランスがとれた状態に保たれる傾向にある。なお、このような炭素繊維の平均繊維長の測定方法は、後述の実施例に示す。
また、このような炭素繊維の含有量は、炭素化材100質量部に対して200質量部以下であることが好ましく、100質量部以下であることがより好ましい。このような炭素繊維の含有量が200質量部を超えると、炭素繊維を均一に分散させることが困難となる傾向がある。
更に、前記断熱材用コーティング剤としては、20℃の温度条件下における粘度が50〜15000mPa・sの範囲であることが好ましく、1000〜10000mPa・sであることがより好ましい。また、このような断熱材用コーティング剤としては、得られる前記断熱材用コーティング層の厚さが50μm〜3mmである場合に、耐酸化性、発塵防止性及び機械的強度を向上させ、且つそのガス透過率をより確実に8.0NL/hr・cm・mmHO以下とするという観点から、20℃の温度条件下における粘度が2000〜10000mPa・sであることが更に好ましく、2000〜8000mPa・sであることが特に好ましい。このような断熱材用コーティング剤の粘度が前記下限未満では、コーティング剤を炭素化成形体の表面にコーティングする場合、コーティング剤が炭素化成形体の内部に浸透しすぎて、均一な厚さの断熱材用コーティング層を形成することが困難となり、得られる断熱材用コーティング層のガス透過率が高くなってしまうとともに、耐酸化性、発塵防止性及び機械的強度が低下する傾向にある。他方、このような断熱材用コーティング剤の粘度が前記上限を超えると、コーティング時の作業性が低下し、表面平滑性及び表面光沢性が得られないとともに、断熱材用コーティング剤中において各成分を均一に分散させることが困難となるため、得られる断熱材用コーティング層の耐酸化性、発塵防止性及び機械的強度が低下する傾向にある。
次に、このような断熱材用コーティング剤を製造する方法を説明する。このような断熱材用コーティング剤を製造する方法は特に制限されず、水系液剤中に鱗状黒鉛粉末、粘貼剤及び炭素化材を均一に分散させることが可能な方法を適宜採用することが可能であるが、このような断熱材用コーティング剤を製造する方法としては、以下に説明する本発明の断熱材用コーティング剤の製造方法を採用することが好ましい。
ここで、上記本発明の断熱材用コーティング剤を製造するのに好適な本発明の断熱材用コーティング剤の製造方法について説明する。なお、本発明の断熱材用コーティング剤の製造方法に用いられる各成分及び各成分の添加量(断熱材用コーティング剤中の含有量)等については、前述の通りである。
本発明の断熱材用コーティング剤の製造方法は、水に鱗状黒鉛粉末を分散させて第一の分散液を得る工程と、水と相溶性を有する有機溶剤に粘貼剤を分散させて第二の分散液を得る工程と、前記第一の分散液と前記第二の分散液とを混合して第三の分散液を得る工程と、前記第三の分散液に炭化率が40%以上と成り得る炭素化材を分散させて断熱材用コーティング剤を得る工程とを含む、方法である。
このような本発明の断熱材用コーティング剤の製造方法においては、先ず、水を攪拌機で撹拌しながら、その中に鱗状黒鉛粉末を投入し、均一に分散させて第一の分散液を得る。このような第一の分散液において、分散媒として用いられている水は、前述の水系液剤の中から選択されたものである。さらに、このような第一の分散液には、必要に応じて鱗状黒鉛粉末とともに前述の炭素繊維を含有させることができる。
次に、水と相溶性を有する有機溶剤中に粘貼剤をその塊がなくなるまで撹拌しながら分散させて第二の分散液を得る。
次いで、このようにして得られた第一の分散液に第二の分散液を加え、良く撹拌しながら均一に混合して第三の分散液を得る。その後、得られた第三の分散液を良く撹拌しながら、その中に炭化率が40%以上と成り得る炭素化材を加え、均一に分散させて断熱材用コーティング剤を得ることができる。
このような製造方法により得られる断熱材用コーティング剤においては、鱗状黒鉛粉末、粘貼剤及び炭素化材を均一に分散させることが可能となる。すなわち、水系液剤中に順序を関係なく鱗状黒鉛粉末、粘貼剤及び炭素化材を含有させた場合には、粘貼剤及び炭素化材の粘度が高いことから各成分が凝集して塊となり易く、水系液剤中に各成分を均一に分散させることが困難となる。これに対して、本発明の断熱材用コーティング剤の製造方法においては、先ず、予め水に鱗状黒鉛粉末を分散させた第一の分散液と、予め有機溶剤と粘貼剤とを分散させた第二の分散液とを用いて第三の分散液を調製するため、第三の分散液を調製する段階において鱗状黒鉛粉末及び粘貼剤を水系液剤中に均一に分散させることが可能となる。そして、そのような第三の分散液に炭素化材を加えて混合させることで、炭素化材と、第三の分散液との相溶性がよくなるため、炭素化材を均一に分散させることが可能となるため、各成分を均一に分散させることが可能となる。
なお、このような本発明の断熱材用コーティング剤の製造方法において、水系液剤として含有される水と、前記有機溶剤との質量比は、水:有機溶剤=20:1〜5:1程度であることが好ましく、15:1〜5:1程度であることがより好ましい。このような質量比とすることで、粘貼剤を凝集することなく分散又は溶解することが可能となる。また、このような本発明の断熱材用コーティング剤の製造方法の各工程は、室温〜50℃程度で行うことが好ましい。
次に、本発明の断熱材用コーティング層を製造するのに好適な前記断熱材用コーティング剤を用いた断熱材用コーティング層の製造方法について説明する。
このような断熱材用コーティング層の製造方法は、基本的には、断熱材用コーティング剤の塗布工程と、断熱材用コーティング剤の炭素化工程とを含む方法である。
ここで、先ず、断熱材用コーティング剤の塗布工程を説明する。このような断熱材用コーティング剤の塗布工程においては、嵩密度0.08〜0.8g/cmの炭素化成形体の片面、両面又は全面に、前述の前記断熱材用コーティング剤を塗布し、150℃の温度条件下において3時間程度、加圧或いは加圧せずに乾燥させて樹脂を硬化させ、断熱材用コーティング剤に被覆された炭素化前の積層体を得る。
このような断熱材用コーティング層を製造するために用いられる被コーティング材は、嵩密度0.08〜0.8g/cmの炭素化成形体であり、嵩密度0.09〜0.75g/cmの炭素化成形体がより好ましく、嵩密度0.1〜0.7g/cmの炭素化成形体が更に好ましい。このような炭素化成形体の嵩密度が0.08g/cm未満では、断熱材用コーティング剤を塗布した際に、断熱材用コーティング剤の各成分が炭素化成形体の内部に流れ込み、十分なコーティング層が形成されず、他方、0.8g/cmを超えると、断熱効果が低下する。
このような炭素化成形体としては、炭素化成形体の表面から断熱材用コーティング層が剥がれることや粉塵等の発生を防止し、その表面に表面平滑性及び表面光沢性を付与し、しかも炭素化して得られる断熱材用積層体の機械的強度を高めるべき炭素化成形体が対象となる。このような炭素化成形体としては、例えば、炭素繊維フェルト、黒鉛シート、炭素繊維クロス、炭素繊維含有ペーパー等の単層或いは複層の炭素化成形体を挙げることができる。
また、このような炭素化成形体に断熱材用コーティング剤を塗布する方法は特に制限されず、適宜公知の方法が適用でき、例えば、印刷機やバーコーターなどの機器を用いる方法、或いは、ローラ、刷毛などを用いる方法、噴霧器等によりスプレーによって塗布する方法等を挙げることができる。
また、前記断熱材用コーティング剤の塗布量としては、塗布する炭素化成形体の種類によっても異なるものではあるが、500〜2000g/mとすることが好ましく、700〜1500g/mとすることがより好ましい。このような塗布量が500g/m未満では、得られる断熱材用コーティング層の厚さが50μm未満となる傾向にあり、他方、2000g/mを超えると、得られる断熱材用コーティング層の厚さが3mmを超えて不経済となる傾向にある。
次に、断熱材用コーティング剤の炭素化工程を説明する。このような断熱材用コーティング剤の炭素化工程においては、前述のようにして得られた断熱材用コーティング剤が被覆された炭素化前の積層体の炭素化を行う。このような炭素化を行うことで断熱材用コーティング剤自体が炭素化された層を形成するため、前記炭素化成形体の表面に本発明の断熱材用コーティング層を製造することが可能となる。また、このようにして前記炭素化成形体の表面に本発明の断熱材用コーティング層を形成させることで、前記炭素化成形体の表面に本発明の断熱材用コーティング層が積層された本発明の断熱材用積層体を得ることができる。なお、ここに言う「炭素化」とは前述の通り、一般的に用いられている800℃以上2000℃未満程度の炭化焼成処理と、2000℃以上3000℃以下の黒鉛化処理とを含めた熱処理を意味する。
このような断熱材用コーティング剤の炭素化工程においては、通常断熱材用コーティング剤が塗布された炭素化成形体も同時に炭素化処理される。また、炭素化されて得られた断熱材用積層体自体の高純度化や超高純度化のために、更に焼成を行うこともできる。
また、炭素化の条件は、いずれも炭素化成形体の種類や得られる断熱材用積層体の用途に合わせて適宜設定されるものであるため、一概には規定できない。例えば、用いられる炭素化成形体が炭素繊維フェルトの場合には、高温加熱炉を用いて、非酸化性ガス雰囲気中又は真空中で2000℃の温度条件下、1時間保持という条件を採用することが好ましい。このような炭素化の際には、低温の熱分解過程においては、約700℃まではゆっくりと例えば150±50℃/hrの昇温速度で昇温させて、水系液剤等のガス化時の急激な収縮による応力の発生を防止することが好ましい。このような低温の熱分解過程において、前記温度範囲以上の急激な昇温を行うと得られた断熱材用積層体から断熱材用コーティング層が剥離し易く、更には、断熱材用コーティング層にクラックが生じる傾向にあり、これによって得られる断熱材用積層体ガス透過率や耐酸化性等の特性が低下する傾向にある。
また、このようにして得られる断熱材用積層体(例えば、炭素繊維フェルト)は断熱材として用いられるが、このような断熱材を使用する炉や断熱材自体の厚さによって、その嵩密度を適宜変更させて用いることが好ましい。
なお、必要な場合には、炭素化成形体の上に、炭素繊維クロス、炭素繊維含有ペーパー、c/cコンポジット等の表面被覆材を積層させた面の上に、断熱材用コーティング剤を塗布して、本発明の断熱材用コーティング層を製造することもできる。さらに、必要な場合には、断熱材用積層体中の断熱材用コーティング層の面の上に、更に熱分解炭素等の表面被膜材を積層させてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、断熱材用コーティング層のガス透過率、発塵量、耐酸化性及び曲げ強度の測定は、前述の測定方法に従って行い、平均繊維長、圧縮強度表面平滑性及び表面光沢性の測定は以下のようにして行った。また、各実施例及び比較例で用いた鱗状黒鉛粉末及びカーボンブリーズの平均粒径は、以下に記載の測定方法により測定したものである。
<平均繊維長>
10mLのスポイトで5mLの流動パラフィンを量り取り、30mLの三角フラスコに入れた。次に、使用する炭素繊維からランダムにミクロスパチュラでサンプリングしたものを前記三角フラスコ中に加えた後、混合して流動パラフィン中に炭素繊維を分散させて分散液を得た。その後、分注器で300μLの前記分散液を取り、これを1枚目のスライドガラスに付け、その上に2枚目のスライドガラスを重ねて圧着させて測定用の試料とした。このようにして得られた試料を画像解析装置(ニレコ株式会社製、商品名「ルーゼックスIIIU」)に取り付け、1000〜1300本の測定本数で単繊維の繊維長を測定して平均繊維長(体積平均)を求めた。
<圧縮強度>
このような圧縮強度の測定に用いる試料としては、発塵量の測定に用いた試料と同じ寸法であって、且つ発塵量の測定に用いた試料と同じコーティング処理を施した試料を用いた。そして、前述の曲げ強度の測定に使用したオートグラフ(島津製作所製、商品名「島津オートグラフAGS−H 5kN」)を用い、曲げ試験用支点及びポンチを圧縮試験用圧盤に代えて、その荷重方向を前記試料の繊維の配向面と平行になるようにして1軸圧縮試験を行い、得られた最大破壊荷重から圧縮強度を求めた。
<表面平滑性及び表面光沢性>
各実施例及び比較例で得られた断熱材用積層体について、目視により表面平滑性及び表面光沢性を評価した。評価基準は以下の通りである。
表面平滑性
A:表面が平滑で凹凸がない
C:表面に凹凸がある
表面光沢性
A:表面に光沢がある
C:表面の光沢がない。
<鱗状黒鉛粉末及びカーボンブリーズの平均粒径>
各実施例及び各比較例で用いる鱗状黒鉛粉末又はカーボンブリーズの粉末試料を準備する。そして、このような粉末試料約0.5gをビーカーに入れ、そのビーカーに分散剤(サンノプコ社製、商品名「SNディスパーサント 7343−C」)を数滴加えて振り混ぜながら、前記粉末試料を前記分散剤になじませる。次に、前記ビーカーに純水30mLを加え、超音波を当てて約2分間分散させた後、粒径分布測定装置(日機装株式会社製、商品名「マイクロトラックFRA−9220」)を用いて粒径分布を測定する。粉末試料の平均粒径は、累積50%粒径(すなわち、前記粒径分布において累積容積が50%となる粒径)を小数点以下2桁目で四捨五入し、小数点以下1桁まで求めた。
実施例1
〔炭素化成形体の調製〕
平均繊維長50mmのピッチ系炭素繊維フェルト(呉羽化学工業株式会社製、「クレカフェルトF−110」)100質量部に対して、フェノール樹脂系含浸液(昭和高分子株式会社製、商品名「ショウノールBRS−3896」)44質量部を含浸し、平板状に6層積層せしめた積層体を得た。次いで、このようにして得られた積層体を、温度150℃、圧力0.015MPaの圧力でプレス成形し、樹脂を硬化させた。その後、このようにして樹脂を硬化させた積層体を、更に真空中、温度2000℃の条件下で1時間黒鉛化処理し、フェルト部の嵩密度が0.16g/cmの平板状炭素繊維フェルト積層体(炭素化成形体:厚さ48mm)を得た。
〔断熱材用コーティング剤の調製〕
フラン樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名:ヒタフランVF−302)100質量部、鱗状黒鉛粉末(A)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「F#2−F」、平均粒径176μm)48質量部、鱗状黒鉛粉末(B)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「ACP−3000」、平均粒径11.8μm)21質量部、ブチルジグリコール(日本乳化学剤株式会社製、商品名「ブチルジグリコール」)45質量部、メチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名「メトローズSM−4000」)4.5質量部、及び水220質量部を用いて前記断熱材用コーティング剤を調整した。すなわち、このような断熱材用コーティング剤の調製に際しては、先ず、水を攪拌機で撹拌しながら、その中に前記鱗状黒鉛粉末(A)及び(B)を投入し、均一に分散させて分散液(a)を得た。次に、前記ブチルジグリコール中に前記メチルセルロースをその塊がなくなるまで撹拌しながら分散させて分散液(b)を得た。次いで、このようにして得られた分散液(a)に前記分散液(b)を加え、良く撹拌しながら均一に混合、分散させて分散液(c)を得た。その後、得られた分散液(c)を良く撹拌しながら、その中に前記フラン樹脂を加え、均一に混合、分散させて前記断熱材用コーティング剤を得た。
〔断熱材用コーティング層及び断熱材用積層体の製造〕
先ず、縦100mm、横100mm、厚さ6mmの大きさに切り出した前記炭素繊維フェルト積層体の片面に、前記断熱材用コーティング剤を刷毛で1kg/mの割合で塗布し、無加圧、150℃の温度条件下で3時間乾燥させつつ樹脂を硬化させた。次に、真空中、150℃/時の昇温速度で700℃まで昇温させた後、250℃/時の昇温速度で保持温度2000℃まで昇温し、前記保持温度で1時間黒鉛化処理(炭素化)し、片面に断熱材用コーティング層が積層した断熱材用積層体を得た。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
このようにして得られた断熱材用積層体をガス透過率試験用の試料とした。他方、発塵量、耐酸化性、曲げ強度及び圧縮強度の測定に用いる試料については、前述のようにして調製された炭素化成形体を、それぞれの試験に用いる大きさに切り出した後、塗布工程及び炭素化工程を前述の断熱材用積層体と同様の方法を用いて、各試験用の試料を調製した。
実施例2
実施例1で調製した嵩密度0.16g/cmの炭素繊維フェルト積層体に代えて、実施例1の炭素化成形体の調製の手順と同様にして2000℃で黒鉛化処理し、嵩密度0.12g/cmとなるように調製して得られた嵩密度0.12g/cmの炭素繊維フェルト積層体(炭素化成形体)を用いた以外は、実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例3
実施例1で調製した嵩密度0.16g/cmの炭素繊維フェルト積層体に代えて、実施例1の炭素化成形体の調製の手順と同様にして2000℃で黒鉛化処理し、嵩密度0.4g/cmとなるように調製して得られた嵩密度0.4g/cmの炭素繊維フェルトを用いた以外は、実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例4
実施例1の鱗状黒鉛粉末(A)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「F#2−F」)の含有量を48質量部から28質量部に代え、鱗状黒鉛粉末(B)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「ACP−3000」)の含有量を21質量部から41質量部に代えた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例5
実施例1の嵩密度0.16g/cmの炭素繊維フェルト積層体に代えて、嵩密度0.7g/cmの炭素化成形体(呉羽化学工業株式会社製、商品名「クレカNFR」)を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例6
実施例1で調製したコーティング剤に代えて、フラン樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名「ヒタフランVF−302」)100質量部、鱗状黒鉛粉末(A)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「F#2−F」)50質量部、鱗状黒鉛粉末(B)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「ACP−3000」)50質量部、炭素繊維(呉羽化学工業株式会社製、商品名「クレカチョップM−107T」、平均繊維長0.4mm、L/D=約22)50質量部、メチルエチルケトン(関東化学製、鹿1級)20質量部、メチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名「メトローズSM−4000」)5質量部及び水175質量部を均一に混合分散させて調製した断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例7
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、実施例6で調製された断熱材用コーティング剤の炭素繊維の含有量を50質量部から100質量部として調製した断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例8
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、実施例1で調製された断熱材用コーティング剤のメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名「メトローズSM−4000」)の含有量を4.5質量部から2.3質量部として調製された断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例9
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、実施例1で調製された断熱材用コーティング剤のメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名「メトローズSM−4000」)を他のメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名「メトローズSM−1500」)とし、更に前記メチルセルロースの含有量を4.5質量部から9.0質量部として調製された断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例10
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、実施例1で調製された断熱材用コーティング剤のメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名「メトローズSM−4000」)を他のメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名「メトローズSM−400」)とし、更に前記メチルセルロースの含有量を4.5質量部から22.5質量部として調製された断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例11
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、実施例1で調製された断熱材用コーティング剤のブチルジグリコール(日本乳化学剤株式会社製、商品名「ブチルジグリコール」)の含有量を45質量部から18質量部として調製された断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は平滑であり、光沢があった。
比較例1
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、メチルセルロースを使用しない以外は実施例1と同様にして調整した断熱材用コーティング剤を調製した。しかしながら、このような断熱材用コーティング剤においては、フラン樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名「ヒタフランVF−302」)、鱗状黒鉛粉末(A)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「F#2−F」)及び鱗状黒鉛粉末(B)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「ACP−3000」)が団子状になって分離してしまい、各成分を均一に分散、混合させることができなかった。
比較例2
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、実施例6で調製された断熱材用コーティング剤の炭素繊維の含有量を50質量部から100質量部とし、メチルエチルケトンの含有量を20質量部から200質量部とし、更に、鱗状黒鉛粉末(B)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「ACP−3000」)、メチルエチルセルロース及び水を混入せずに混合、分散させて調製した断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は凹凸があり、光沢がなかった。
比較例3
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、実施例6で調製された断熱材用コーティング剤のメチルエチルケトンの含有量を20質量部から200質量部とし、メチルエチルセルロース及び水は混入せずに混合、分散させて調製した断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体の断熱材用コーティング層の表面は凹凸があり、光沢がなかった。
比較例4
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、実施例6で調製された断熱材用コーティング剤の炭素繊維の含有量を50質量部から100質量部とし、メチルエチルケトンの含有量を20質量部から200質量部とし、更に、メチルセルロース及び水は混入せずに混合、分散させて調製した断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は凹凸があり、光沢がなかった。
比較例5
実施例1で調製された断熱材用コーティング剤に代えて、実施例6で調製された断熱材用コーティング剤の鱗状黒鉛粉末(A)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「F#2−F」)の含有量を50質量部から100質量部とし、メチルエチルケトンの含有量を20質量部から200質量部とし、更に、鱗状黒鉛粉末(B)(日本黒鉛工業株式会社製、商品名「ACP−3000」)50質量部の代わりにカーボンブリーズ(サンケミカル社製、商品名「MCコークス グレードC」を粉砕して得られた粉砕品〔平均粒径11.0μm〕)100質量部を用い、炭素繊維、メチルセルロース及び水は混入せずに混合、分散させて調製した断熱材用コーティング剤を用いた以外は実施例1と同様にして断熱材用積層体及び各試験に用いる試料を製造した。このようにして得られた断熱材用積層体に積層された断熱材用コーティング層の表面は凹凸があり、光沢がなかった。
実施例1〜11及び比較例1〜5で得られた断熱材用コーティング剤における各成分の含有量、並びに、ガス透過率、発塵量、耐酸化性、曲げ強度、圧縮強度、表面平滑性及び表面光沢性の測定結果を表1に示す。
Figure 0004883805
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜11で調製された断熱材用コーティング剤を用いて得られる本発明の断熱材用コーティング層は、ガス透過率がすべて7.2NL/hr・cm・mmHO以下と低く、十分に低いガス透過率を有するものであることが確認された。また、このような本発明の断熱材用コーティング層が積層された本発明の断熱材用積層体は、発塵量がすべて300個以下であることから、本発明の断熱材用コーティング層が優れた発塵防止性を有することも確認された。更に、本発明の断熱材用コーティング層が積層された本発明の断熱材用積層体は、優れた耐酸化性を有することが確認され、また、高い曲げ強度及び圧縮強度を有し、機械的強度も高いことが確認された。
一方、比較例2〜5で調製された断熱材用コーティング剤を用いて得られる断熱材用コーティング層は、いずれも、ガス透過率が8.5NL/hr・cm・mmHO以上であり、ガス透過率が高いことが確認された。更に、このような断熱材用コーティング層が積層された断熱材用積層体は、発塵防止性、耐酸化性、機械的強度等の特性も十分なものではないことが確認された。また、比較例1で調製された断熱材用コーティング剤は、作業性が低く、炭素化成形体に塗布することができないものであることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、表面が平滑且つ緻密で表面平滑性及び表面光沢性に優れるとともに十分に低いガス透過性を有し、しかも、断熱材用積層体に優れた発塵防止性、耐酸化性、機械的強度及び断熱効果を付与することが可能な断熱材用コーティング層、それを備えた断熱材用積層体、それを得るための断熱材用コーティング剤、並びに、その断熱材用コーティング剤の製造方法を提供することが可能となる。
したがって、本発明の断熱材用コーティング層は、断熱材に必要な前記諸特性を付与するという点で優れるため、炭素化成形体を用いた本発明の断熱材用積層体を得るための断熱材用コーティング層として非常に有用である。

Claims (16)

  1. 炭素化成形体と、該炭素化成形体の少なくとも一方の表面に積層された断熱材用コーティング層とを備える断熱材用積層体における前記断熱材用コーティング層であって、
    前記炭素化成形体の嵩密度が0.08〜0.8g/cmであり
    前記断熱材用コーティング層のガス透過率が8.0NL/hr・cm・mmHO以下であり、
    前記断熱材用コーティング層の厚さが50μm〜3mmであり、
    前記断熱材用コーティング層が、
    (A)炭化率が40%以上と成り得る炭素化材、
    (B)鱗状黒鉛粉末、
    (C)メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及び澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の粘貼剤、及び
    (D)前記粘貼剤を溶解させ、且つ前記炭素化材を分散又は溶解させる水系液剤、
    からなり且つ前記炭素化材100質量部に対して、前記鱗状黒鉛粉末の含有量が10〜200質量部、前記粘貼剤の含有量が2〜50質量部及び前記水系液剤の含有量が50〜600質量部である断熱材用コーティング剤を、前記炭素化成形体の少なくとも一方の表面に塗布した後に炭素化せしめてなるものである、
    断熱材用コーティング層。
  2. 前記断熱材用コーティング層が、幅40mm、長さ40mm、厚さ40mmの大きさの前記炭素化成形体の全表面に該断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体に、不活性ガスを流量500mL/分で340秒間吹きつけた際に発生する粒径0.3μm以上の粒子の発塵量を300個以下とするものである、請求項1に記載の断熱材用コーティング層。
  3. 前記断熱材用コーティング層が、幅100mm、長さ100mm、厚さ40mmの大きさの前記炭素化成形体の全表面に該断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体を空気中、600℃の温度条件下において5時間保持する耐酸化性試験における質量減少率を10.0%以下とするものである、請求項1又は2に記載の断熱材用コーティング層。
  4. 前記断熱材用コーティング層が、幅100mm、長さ100mm、厚さ40mmの大きさの前記炭素化成形体の全表面に該断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体を空気中、600℃の温度条件下において10時間保持する耐酸化性試験における質量減少率を10.0%以下とするものである、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の断熱材用コーティング層。
  5. 前記断熱材用コーティング層が、幅20mm、長さ100mm、厚さ10mmの大きさの前記炭素化成形体の上下両表面に該断熱材用コーティング層を備える前記断熱材用積層体を用い、支点スパン80mm及びクロスヘッドスピード1.0mm/分の条件で中央集中荷重を加える曲げ強度試験における最大破壊荷重から求めた曲げ強度を1.0MPa以上とするものである、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の断熱材用コーティング層。
  6. 前記粘貼剤がメチルセルロースである、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の断熱材用コーティング層。
  7. 前記炭素化材がフラン樹脂である、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の断熱材用コーティング層。
  8. 前記鱗状黒鉛粉末の平均粒径が50〜500μmの範囲にある、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の断熱材用コーティング層。
  9. 前記鱗状黒鉛粉末が、平均粒径が50〜500μmの範囲にある第一の鱗状黒鉛粉末と、平均粒径が1μm以上50μm未満の範囲にある第二の鱗状黒鉛粉末とを含有し、且つ第一の鱗状黒鉛粉末と第二の鱗状黒鉛粉末との質量換算による配合比(第一の鱗状黒鉛粉末:第二の鱗状黒鉛粉末)が4:6〜8:2の範囲にある、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の断熱材用コーティング層。
  10. 嵩密度が0.08〜0.8g/cmの炭素化成形体と、該炭素化成形体の少なくとも一方の表面に積層された前記請求項1〜のうちのいずれか一項に記載の断熱材用コーティング層とを備える、断熱材用積層体。
  11. (A)炭化率が40%以上と成り得る炭素化材、
    (B)鱗状黒鉛粉末、
    (C)メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及び澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の粘貼剤、及び
    (D)前記粘貼剤を溶解させ、且つ前記炭素化材を分散又は溶解させる水系液剤、
    からなり且つ前記炭素化材100質量部に対して、前記鱗状黒鉛粉末の含有量が10〜200質量部、前記粘貼剤の含有量が2〜50質量部及び前記水系液剤の含有量が50〜600質量部である、断熱材用コーティング剤。
  12. 前記粘貼剤がメチルセルロースである、請求項11に記載の断熱材用コーティング剤。
  13. 前記炭素化材がフラン樹脂である、請求項11又は12に記載の断熱材用コーティング剤。
  14. 前記鱗状黒鉛粉末の平均粒径が50〜500μmの範囲にある、請求項11〜13のうちのいずれか一項に記載の断熱材用コーティング剤。
  15. 前記鱗状黒鉛粉末が、平均粒径が50〜500μmの範囲にある第一の鱗状黒鉛粉末と、平均粒径が1μm以上50μm未満の範囲にある第二の鱗状黒鉛粉末とを含有し、且つ第一の鱗状黒鉛粉末と第二の鱗状黒鉛粉末との質量換算による配合比(第一の鱗状黒鉛粉末:第二の鱗状黒鉛粉末)が4:6〜8:2の範囲にある、請求項11〜13のうちのいずれか一項に記載の断熱材用コーティング剤。
  16. 水に鱗状黒鉛粉末を分散させて第一の分散液を得る工程と、水と相溶性を有する有機溶剤に粘貼剤を分散させて第二の分散液を得る工程と、前記第一の分散液と前記第二の分散液とを混合して第三の分散液を得る工程と、前記第三の分散液に炭化率が40%以上と成り得る炭素化材を分散させて断熱材用コーティング剤を得る工程とを含み、
    前記断熱材用コーティング剤が、
    (A)炭化率が40%以上と成り得る炭素化材、
    (B)鱗状黒鉛粉末、
    (C)メチルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及び澱粉からなる群から選択される少なくとも1種の粘貼剤、及び
    (D)前記粘貼剤を溶解させ、且つ前記炭素化材を分散又は溶解させる水系液剤、
    からなり且つ前記炭素化材100質量部に対して、前記鱗状黒鉛粉末の含有量が10〜200質量部、前記粘貼剤の含有量が2〜50質量部及び前記水系液剤の含有量が50〜600質量部である断熱材用コーティング剤である、
    断熱材用コーティング剤の製造方法。
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