JP2845550B2 - 断熱性コーティング剤とそれを用いたコーティング方法 - Google Patents

断熱性コーティング剤とそれを用いたコーティング方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は高温炉の炉壁断熱材に好適に適用される耐熱
性コーティング剤とそれを用いたコーティング方法に関
する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 従来、高温加熱炉の断熱性を高めるため、炭素繊維製
フェルト等の炉壁用断熱材が使用されている。この断熱
材には、耐風性が大きいこと、処理物の断熱材への侵入
を防止できることが必要である。そこで、炉壁用断熱材
の表面に黒鉛シートを貼り付けることが行なわれてい
る。しかし、この方法では、断熱材表面が、平滑でな
く、しかも曲面や凹凸形状等の複雑な形状である場合、
断熱材表面に黒鉛シートを密着させて貼り付けるのが困
難である。
上記の点に鑑み、土壌黒鉛や人造黒鉛を含有するコー
ティング剤を断熱材表面に塗布することが行なわれてい
る。しかし、この方法では、コーティング層の表面は平
滑性に欠け、光沢がなく、輻射伝熱の抑制効果が小さ
い。また土壌黒鉛や人造黒鉛の形状に起因してコーティ
ング層の黒鉛粒子間に隙間が生じるので、熱の反射効
率、ひいては断熱効率を高めるのが困難である。さらに
は、上記黒鉛を含有するコーティング剤で形成したコー
ティング層は、機械的強度が十分でないため、断熱材を
補強できないだけでなく、断熱材から剥離したりする。
従って、長期に亘り高い熱反射効率及び断熱効率を維持
するのが困難であると共に、断熱材の寿命も短くなる。
本発明の目的は、熱の反射効率及び耐風性を高めるこ
とができ、断熱効率が大きな、表面平滑性を有するコー
ティング層を形成できる断熱性コーティング剤を提供す
ることにある。
また本発明の他の目的は、上記特性の他に、機械的強
度に優れたコーティング層を形成できると共に、断熱材
を補強し、断熱材を長寿命化できる断熱性コーティング
剤を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、上記の如き優れた特性を
付与できるコーティング方法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明は、少なくとも、結合剤と、粒径0.1〜500μm
の鱗状黒鉛粉末と、溶媒とを含有する断熱性コーティン
グ剤を提供する。
また本発明は、上記成分に加えて、繊維長0.01〜1.0m
mの炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊維及び/又は粒径
1〜200μmの炭素質化可能な粉体または炭素質粉体を
含有する断熱性コーティング剤を提供する。
さらに、本発明は、上記各断熱性コーティング剤を断
熱材の表面に塗布し、炭化又は黒鉛化処理するコーティ
ング方法を提供する。
また本発明は、上記各断熱性コーティング剤を断熱材
の表面に塗布し、コーティング剤が未硬化の状態で、金
型で加圧し、加熱成形した後、最終的に炭化又は黒鉛化
処理するコーティング方法を提供する。
なお、本明細書における用語の定義は次の通りであ
る。
炭素繊維とは炭化又は黒鉛化処理された繊維を言う。
炭化処理とは、炭素繊維化可能な繊維を、例えば、45
0〜1500℃程度の温度で焼成処理することを言う。黒鉛
化処理とは、例えば1500〜3000℃程度の温度で焼成処理
することを言い、黒鉛の結晶構造を有していないときで
も、上記温度で処理した場合は黒鉛化処理されたものと
言う。
本発明のコーティング剤に含有される結合剤として
は、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、
メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレー
ト樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、熱
硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;石油又は石炭の
ピッチ等が例示される。これらの結合剤は一種又は二種
以上使用できる。これらの結合剤のうち、炭化又は黒鉛
化時の残炭率が大きく、接着性に優れるフェノール樹
脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。
鱗状黒鉛粉末は、前記土壌黒鉛や人造黒鉛が非鱗片状
であるのと異なり、形状が鱗片状であるため、コーティ
ング層の表面平滑性、隠蔽性に優れる。特に、土壌黒鉛
や人造黒鉛ではコーティング層中の黒鉛粒子間に隙間が
生じるのに対して、鱗状黒鉛粉末の場合、コーティング
層内で黒鉛粉末が層状に配列し、黒鉛粒子間の隙間が著
しく小さく又は隙間が生じない。また2000℃以上の高温
領域では、熱伝導率に占める輻射伝熱の割合が支配的と
なるが、鱗状黒鉛粉末は土壌黒鉛や人造黒鉛よりも、熱
の反射率及び非透過性の点で優れる。従って、鱗状黒鉛
粉末を用いると、輻射伝熱を抑制し、熱の反射効率や断
熱効率を著しく高めることができる。
鱗状黒鉛粉末は、塗布性や分散安定性等を損わない粒
径0.1〜500μm、好ましくは1〜300μmのものを使用
する。鱗状黒鉛粉末の粒径が0.1μm未満であると、熱
の反射率や断熱効率が低下し易く、500μmを越えると
塗布性や分散安定性が低下し易い。
なお、鱗状黒鉛の含有量は、コーティング層の黒鉛粒
子間に隙間が生じない範囲で適宜設定できるが、通常、
結合剤100重量部に対して、鱗状黒鉛20〜300重量部、好
ましくは30〜200重量部である。鱗状黒鉛の量が20重量
部未満では熱伝導率を小さくするのが困難であり、300
重量部を越えると、断熱材への塗布性が低下し易いだけ
でなく、断熱材から剥離し易くなる。
コーティング剤は、上記鱗状黒鉛と共に炭素繊維化可
能な繊維や炭素繊維を含有するのが好ましい。炭素繊維
化可能な繊維や炭素繊維を併用すると、コーティング層
を補強できると共に、断熱材の強度を高めることができ
る。また断熱材からのコーティング層の剥離を防止で
き、断熱材の寿命を著しく長くすることができる。炭素
繊維化可能な繊維としては、例えば、アクリロニトリ
ル、セルロース、レーヨン、フェノール樹脂等を素材と
する繊維が例示され、炭素繊維としては、これらの繊維
を原料とする炭素繊維が例示される。炭素繊維は高強度
タイプ、高伸度タイプ、高弾性タイプ、汎用タイプ等の
いずれであってもよく、一種又は二種以上使用される。
なお、炭素繊維化可能な繊維と炭素繊維とを混合して用
いてもよい。上記炭素繊維化可能な繊維及び炭素繊維
は、例えば繊維径5〜30μm等適宜のものが使用でき
る。
炭素繊維化可能な繊維や炭素繊維としては、繊維長0.
01〜1.0mmのものが使用される。繊維長が0.01mm未満で
あると、補強性等が十分でなく、1.0mmを越えると均一
なコーティング剤を得るのが困難である。好ましい繊維
はミルドファイバーやミルドファイバーに類するもので
ある。
上記炭素繊維化可能な繊維や炭素繊維は、補強性等の
特性を損わない範囲で使用でき、通常、結合剤100重量
部に対して10〜150重量部、好ましくは25〜125重量部で
ある。繊維の含有量が10重量部未満であると、十分な補
強性を確保するのが困難であり、150重量部を越えると
均一に混合するのが困難である。なお、これら炭素繊維
の混合は、補強性の増大に役立つが、熱伝導率には殆ど
影響を与えない。
さらにコーティング剤は、少なくとも鱗状黒鉛と共
に、好ましくは鱗状黒鉛と、炭素繊維化可能な繊維や炭
素繊維と共に、粒径1〜200μm、好ましくは1〜80μ
mの炭素質化可能な粉体または炭素質粉体を含有するの
が好ましい。粉体の粒径が1μm未満である場合には、
コーティング層と断熱材との密着性が小さく、200μm
を越える場合には、塗布性や分散安定性が低下し易い。
粉体としては、例えば、メソカーボンマイクロビース
などの炭素質小球体、コークスブリーズなどの他、炭化
又は黒鉛化可能な充填剤、例えば、ピッチの破砕品を不
融化処理したバルクメソフェーズカーボン、石炭などを
500℃程度の低温で乾留し、粉砕した低温か焼コークス
などであってもよい。これらの炭素質粉体の中で、メソ
カーボンマイクロビーズが好ましい。このメソカーボン
マイクロビーズは真球状であり、鱗状黒鉛粉末を含むコ
ーティング剤中に均一に分散し易い。またコーティング
層を補強するとともに、コーティング層と断熱材との密
着性を高める。なお、メソカーボンマイクロビーズと
は、コールタール、ピッチの減圧蒸留残油などを約400
〜500℃で熱処理し、生成したメソフェーズ小球体をキ
ノリン不溶分としてピッチマトリックスから分離した粒
径1〜80μm程度の球状体を意味する。
コーティング層では鱗状黒鉛粉末が層状に配向し、コ
ーティング層と断熱材との密着性が低下し易い。これに
対して、前記粉体を併用する場合には、断熱材表面に存
在する空隙部を粉体が充填し、接合面積を大きくすると
共に、アンカー効果によって、密着性がさらに大きくな
り、コーティング面のクラックや剥離が生じない。
これらの粉体は、一種又は二種以上混合して使用でき
る。粉体の含有量は、コーティング層を補強し、かつ断
熱材との密着性を損わない範囲で選択できるが、通常、
結合剤100重量部に対して、20〜300重量部、好ましくは
50〜150重量部程度である。粉体の含有量が20重量部未
満である場合には、コーティング層の補強性、密着性を
高めるのが困難であり、300重量部を越える場合には、
塗布性が低下し、コーティング層が剥離し易くなる。
本発明のコーティング剤はさらに溶媒を含有してい
る。該溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノ
ール及びイソプロパノール等のアルコール類、ヘキサ
ン、オクタン及びシクロヘキサン等の脂肪族又は脂環族
炭化水素、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族
炭化水素、ジクロロメタン、トリクロロメタン及びエチ
レンクロライド等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチル等
のエステル類、ジエチルエーテル、ジオキサン及びテト
ラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン及びメチルエ
チルケトン等のケトン類やこれらの混合溶媒が使用でき
る。
溶媒は前記結合剤の種類に応じて選択できる。またそ
の量もコーティング剤の粘度に応じて塗布性等を損わな
い範囲で適宜設定できるが、通常、結合剤100重量部に
対して溶媒100〜500重量部、好ましくは150〜400重量部
である。上記溶媒の量が100重量部未満であると、コー
ティング剤の粘度が高く、塗膜に、微小エアーが巻き込
まれ易く、均一で表面平滑性を有するコーティング層を
形成するのが困難である。またコーティング剤で処理し
た断熱材を炭化、黒鉛化したとき、微小エアーが膨脹
し、コーティング層の表面がポーラスになり、表面平滑
性が損われ、輻射伝熱量、特に、2000℃以上で支配的と
なる輻射伝熱量を減少させることが困難である。また溶
媒が500重量部を越えるとコーティング剤中の成分濃度
が小さくなり、所定の塗膜厚を確保するのに、塗布回数
を多くする必要があり、作業性が低下する。
なお、本発明のコーティング剤は、断熱性等を損わな
い範囲で、分散剤、粘度調整剤及び充填剤等の種々の添
加剤を含有していてもよい。
本発明のコーティング剤は、断熱材に塗布し、加熱又
は常温で硬化させることにより、コーティング層を形成
してもよいが、コーティング層の強度向上及び断熱効率
をさらに高めるため、次のようにしてコーティング層を
形成するのが好ましい。すなわち、本発明のコーティン
グ方法は、少なくとも、上記コーティング剤を断熱材表
面に塗布する塗布工程と、炭化又は黒鉛化処理工程とを
含んでいる。好ましいコーティング方法は、上記塗布工
程と、炭化又は黒鉛化処理工程との間に、コーティング
剤が未硬化の状態で、金型で加圧し加熱する成形加熱工
程を含む。
塗布工程での塗布手段としては、従来慣用の方法が利
用でき、通常、刷毛塗り、ヘラ塗りやスプレー塗布方法
などが採用できる。またコーティング層の膜厚は、断熱
性を確保できる限り特に制限されないが、通常0.1〜5m
m、好ましくは0.2〜2.5mm程度である。
また成形加熱工程で使用される金型は、表面平滑性を
付与するため、平滑面を有する金型、特に鏡面仕上げの
金型が好ましい。金型の形状は、成形断熱材が適用され
る加熱炉の形状に応じて選択できる。例えば、一対の平
板状プレート、一対の雌雄金型や、筒体と該筒体を外方
から挾圧できる成形部材とで構成された金型等である。
なお、コーティング剤を塗布した後の面が、平面でない
形状を有する断熱材の場合には、金型の使用を割愛でき
る。
成形加熱工程での加圧条件は、コーティング層の平滑
面を形成できる範囲で設定でき、加熱温度は前記炭化ま
たは黒鉛化可能な樹脂の種類に応じて硬化できる条件が
採用され、通常100〜170℃程度である。
コーティング層を形成した断熱材を加圧加熱する際、
金型との離型性をよくするため、コーティング層と金型
との間に離型紙を敷設したり、金型表面にシリコ−ンオ
イル等の離型剤を塗布してもよい。
コーティング層を形成した断熱材を金型で加圧加熱す
ると、脱型後、金型の平滑面に対応してコーティング層
が平滑となるだけでなく、緻密で均一な厚みのコーティ
ング層を形成できるので、熱の反射効率が著しく大き
く、強度の大きな表面平滑性に優れたコーティング層を
形成でき、優れた断熱性を付与できる。特に鏡面仕上げ
の成形型を用いると、コーティング層の表面に金型鏡面
が転写されるので、鏡面仕上げが可能となり、熱の反射
効率の大幅な向上が可能となる。また加圧加熱してコー
ティング層を硬化するので、コーティング層の強度が大
きくなるだけでなく、断熱材を補強でき、機械的強度を
高めることができる。
炭化又は黒鉛化処理工程は、窒素ガス、ヘリウムガス
等の不活性雰囲気又は真空中で行なうことができる。
本発明のコーティング剤及びコーティング方法は、断
熱性が必要とされる種々の材料、特に2000℃以上の高温
域で使用する断熱材に好適に適用される。
[発明の効果] 本発明の断熱性コーティング剤は、熱の反射効率を高
めることができ、断熱効率が大きく、表面平滑性を有す
るコーティング層を形成できる。特に、輻射伝熱が支配
的な2000℃以上の温度域での断熱性に優れている。
また繊維長0.01〜1.0mmの炭素繊維化可能な繊維又は
炭素繊維を含有する断熱性コーティング剤や粒径1〜10
0μmの炭素質化可能な粉体または炭素質粉体を含有す
る断熱性コーティング剤は、上記特性の他に、機械的強
度に優れたコーティング層を形成できると共に、断熱材
を補強でき、断熱材を長寿命化できる。
さらに、本発明のコーティング方法によると、表面平
滑性、熱の反射効率及び断熱性に優れると共に、機械的
強度に優れたコーティング層を形成できると共に、断熱
材を補強し、断熱材を長寿命化できる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例1 フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製、商品名PL38
20A)100重量部、鱗状黒鉛(日本黒鉛工業(株)製、商
品名CB−150、平均粒径150μm)100重量部、メタノー
ル300重量部及び炭素繊維のミルドファイバー(ドナッ
ク(株)製、商品名ドナカーボS243、繊維長0.5mm)50
重量部を均一に混合分散させてコーティング剤を調製し
た。
このコーティング剤を炭素繊維製フェルトからなる厚
み30mmの断熱材の片面に刷毛塗りする塗布工程と、乾燥
する乾燥工程とを4〜5回繰返し、コーティング剤の塗
布厚を0.6mmとした。次いで、温度150℃で加熱してコー
ティング層を硬化させた後、窒素ガス雰囲気中、温度10
00℃で2時間炭化処理すると共に、温度2300℃で2時間
黒鉛化処理した。なお、黒鉛化処理後のコーティング層
の表面は平滑であり、光沢があった。
実施例2 実施例1の炭素繊維のミルドファイバー50重量部に代
えて、メソカーボンマイクロビーズ(大阪瓦斯(株)
製、商品名MPB−20、平均粒径40μm)50重量部を用い
る以外、実施例1と同様にしてコーティング剤を調製し
た。
このコーティング剤を実施例1の断熱材の片面に刷毛
塗りする塗布工程と、乾燥する乾燥工程とを1〜3回繰
返し、コーティング剤の塗布厚を0.6mmとし、実施例1
と同様にして、炭化及び黒鉛化処理した。なお、黒鉛化
処理後のコーティング層の表面は平滑であり、光沢があ
った。
比較例1 実施例1で用いた断熱材をコーティングすることなく
試験に供した。
比較例2 実施例1の鱗状黒鉛に代えて、土壌黒鉛(日本黒鉛工
業(株)製、平均粒径100μm)を用いる以外、実施例
1と同様にしてコーティング剤を調製した。また得られ
たコーティング剤を、実施例1と同様にして、厚み30mm
の断熱材に塗布、乾燥し、硬化させ、炭化及び黒鉛化処
理した。なお、黒鉛化処理後のコーティング層は、表面
平滑性が十分でなく、光沢がなかった。
実施例3 フラン樹脂(日立化成工業(株)製、商品名ヒタフラ
ン301)100重量部、鱗状黒鉛(日本黒鉛工業(株)製、
商品名CB−150、平均粒径150μm)50重量部、メチルエ
チルケトン200重量部及び炭素繊維のミルドファイバー
(ドナック(株)製、商品名ドナカーボS243、繊維長0.
5mm)100重量部を均一に混合分散させてコーティング剤
を調製した。
このコーティング剤を前記実施例1と同様にして、厚
み30mmの断熱材に塗布、乾燥し、塗膜厚0.6mmのコーテ
ィング層を形成し、硬化した後、炭化及び黒鉛化処理し
た。なお、黒鉛化処理後のコーティング層の表面は平滑
であり、光沢があった。
実施例4 実施例3の鱗状黒鉛50重量部に代えて、鱗状黒鉛100
重量部を用いると共に、ミルドファイバーに代えて、実
施例2で用いたメソカーボンマイクロビーズ100重量部
を用いる以外、実施例3と同様にして、コーティング層
を形成し、硬化した後、炭化及び黒鉛化処理した。な
お、黒鉛化処理後のコーティング層の表面は平滑であ
り、光沢があった。
実施例5 炭素繊維のミルドファイバーを用いることなく、実施
例3と同様にして、フラン樹脂100重量部、鱗状黒鉛50
重量部、メチルエチルケトン200重量部を含有し、炭素
繊維のミルドファイバーを含有しないコーティング剤を
調製した。また実施例1と同様にして、このコーティン
グ剤を厚み30mmの断熱材に塗布、乾燥し、塗膜厚0.6mm
のコーティング層を形成し、硬化した後、炭化及び黒鉛
化処理した。なお、黒鉛化処理後のコーティング層の表
面は平滑であり、光沢があった。
そして、実施例1〜5、比較例1及び比較例2で得ら
れた断熱材の熱伝導率を測定したところ、第1図に示す
結果を得た。なお、第1図において、実施例1と実施例
2の断熱材間、実施例3〜5の断熱材間には熱伝導率の
差が殆どなかった。
第1図より明らかなように、比較例1の断熱材や比較
例2の断熱材よりも各実施例の断熱材の方が熱伝導率が
小さく、断熱性に優れていた。特に、温度2500℃におい
て、鱗状黒鉛を含有するコーティング剤を塗布した実施
例1及び2の断熱材は、比較例2の断熱材よりも、熱伝
導率が0.2Kcal/m・hr・℃小さく、実施例3〜5の断熱
材は、比較例2の断熱材よりも、熱伝導率が0.15Kcal/m
・hr・℃小さく、高温域での断熱性が約30%向上した。
また、実施例3〜5及び比較例1の断熱材を用い、コ
ーティング面が引張り側になる曲げる曲げ試験に供し、
曲げ強度を測定したところ、表に示す結果を得た。
表より明らかなように、鱗状黒鉛を含有するコーティ
ング剤でコーティングすると、断熱材を補強できる。ま
た炭素繊維のミルドファイバーを含有する実施例3のコ
ーティング剤でコーティングすると、炭素繊維のミルド
ファイバーを含有しない実施例5のコーティング剤に比
べ、曲げ強度が約60%向上した。またメソカーボンマイ
クロビーズを含有する実施例4のコーティング剤でコー
ティングすると、実施例5のコーティング剤に比べ、曲
げ強度が約100%向上した。
実施例6 実施例1のフェノール樹脂50重量部、実施例2のフラ
ン樹脂50重量部、実施例1の鱗状黒鉛200重量部、実施
例1の炭素繊維のミルドファイバー50重量部、及びメタ
ノール300重量部を均一に混合分散せしめてコーティン
グ剤を調製した。
得られたコーティング剤を、実施例1で用いた断熱材
の片面に乾燥後の膜厚が0.6mmとなるように塗布し、コ
ーティング層が未硬化の状態で、離型剤を塗布した鏡面
仕上げの成形型を用いて加圧加熱し、コーティング剤を
硬化させた。次いで、実施例1と同様にして炭化及び黒
鉛化処理した。
実施例7 実施例6の炭素繊維のミルドファイバーに代えて、実
施例2のメソカーボンマイクロビーズ50重量部を用いる
以外、実施例6と同様にして、鏡面仕上げの成形型を用
いて、コーティング剤を硬化させた。次いで、実施例1
と同様にして炭化及び黒鉛化処理した。
実施例8及び9 実施例6及び7で得られたコーティング剤を、実施例
1で用いた断熱材の片面に乾燥後の膜厚が0.6mmとなる
ように塗布し、成形型で加圧加熱することなく、実施例
1と同様にして硬化させ、炭化及び黒鉛化処理した。
そして、実施例6〜9で得られた断熱材の熱伝導率を
測定したところ、第2図に示す結果を得た。
なお、実施例6と実施例7で得られた断熱材間では、
熱伝導率の差が殆どなく、実施例8と実施例9で得られ
た断熱材間では、熱伝導率の差が殆どなかった。
これらの結果より、成形型で加圧加熱した実施例6及
び7の断熱材は、実施例8及び9で得られた断熱材より
も、高温域での熱伝導率が小さく、断熱性に優れてい
た。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ実施例及び比較例における
結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 5/18 C09D 7/12 F23M 5/00 C04B 41/87

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、結合剤と、粒径0.1〜500μm
    の鱗状黒鉛粉末と、溶媒とを含有することを特徴とする
    断熱性コーティング剤。
  2. 【請求項2】繊維長0.01〜1.0mmの炭素繊維化可能な繊
    維又は炭素繊維を含有する請求項1記載の断熱性コーテ
    ィング剤。
  3. 【請求項3】粒径1〜200μmの炭素質化可能な粉体ま
    たは炭素質粉体を含有する請求項1または請求項2記載
    の断熱性コーティング剤。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれかに記載の断
    熱性コーティング剤を断熱材の表面に塗布し、炭化又は
    黒鉛化処理することを特徴とするコーティング方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項3のいずれかに記載の断
    熱性コーティング剤を断熱材の表面に塗布し、コーティ
    ング剤が未硬化の状態で、金型で加圧し、加熱成形した
    後、炭化又は黒鉛化処理することを特徴とするコーティ
    ング方法。
JP2049016A 1989-08-22 1990-02-27 断熱性コーティング剤とそれを用いたコーティング方法 Expired - Lifetime JP2845550B2 (ja)

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