以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置1を備えた無線タグラベルシステムTSを表すシステム構成図である。
この無線タグラベルシステムTSにおいて、タグラベル作成装置1は、適宜の通信回線等からなる通信ネットワークNWを介して、ルートサーバRS、情報サーバIS、端末装置DTa、汎用コンピュータDTbなどに接続されている。
図2は、タグラベル作成装置1の外観構成を表す斜視図である。この図2において、タグラベル作成装置1は、装置本体2と、この装置本体2のカートリッジホルダ31(後述の図3参照)に装着されるカートリッジ3とを有している。
装置本体2は、(上面部、下面部、前面部、背面部、左右の両側面部を備えた)全体的に直方体状の筐体2sをその外郭として備えている。上面部には、上蓋4、上蓋操作ボタン5および方向マーク6が設けられている。前面部には、ラベル排出口7、前蓋8、電源ボタン9、およびカッタ駆動ボタン10が設けられている。また一方の(この例では右側の)側面部には情報取得用通信部11および検査結果表示部12(表示手段)が設けられている。
上蓋4は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に支持され、また図示を省略の付勢部材により開き方向に付勢される一方で、装置本体2との間がロック可能に構成されている。また、カートリッジ3の着脱の際には、上蓋操作ボタン5が押されることで上記ロックが解除となり、上蓋4が上記付勢部材の付勢作用により開き、その状態でカートリッジ3の装着や取外しを行えるようになっている。なお、上蓋4には、透明カバーなどを嵌め込んだ透視窓15が設けられている。
ラベル排出口7は、装置本体2の内部で作成される無線タグラベルTを外部に排出するものである。前蓋8は、下端を支点にした回動で開閉可能とされており、上端部に設けられている押部8pを上方より押し込むことで前方に回動して開く。電源ボタン9は、タグラベル作成装置1の主電源のオン・オフ操作に用いられる。カッタ駆動ボタン10は、後述のカッタ51(図3参照)を操作者が手動で操作して無線タグラベルTの長さを所望の長さとするためのものである。
情報取得用通信部11は、装置本体2の側面部に、その周囲部よりも適切な高さで突出するように設けた突出部20と、この突出部20に設けられ筐体2s外に位置する無線タグ回路素子60(=情報取得用無線タグ回路素子。後述の図4参照。詳細は後述)と無線通信により情報送受信を行うための情報取得用アンテナ21(第2アンテナ手段)とを有している。情報取得用アンテナ21は、例えばループアンテナが用いられる。
情報取得用アンテナ21は、例えば適宜の物品に貼付させて使用されている無線タグラベル(このタグラベル作成装置1以外で作成されたものを含む)が一定状態まで近接するようにかざされた際に、無線タグラベルの無線タグ回路素子60(=情報取得用無線タグ回路素子。後述の図4参照。詳細は後述)との間で通信を行うことで、その無線タグ回路素子60に記録されている情報を読み取れるようになっている。
なお、情報取得用アンテナ21では、後述の検査用無線タグ111(図11参照)に備えられた上記無線タグ回路素子60(=検査用無線タグ回路素子)から検査処理用情報(後述)を読み取って取得することもできる。この取得された検査処理用情報に基づき、無線タグラベル作成装置1の自己検査が自動的に実行される(詳細は後述)検査結果表示部12は、上記検査の結果を検査者に視覚的に報知するものである。この例では、検査結果表示部12は、それぞれLEDからなる正常表示灯12aと異常表示灯12bとを備えており、検査機能による検査の結果に応じた表示を各表示灯12a,12bの点滅や点灯により行う。
図3は、装置本体2の内部に設けられている内部ユニット30の要部の構成を模式化して示す図である。図3において、内部ユニット30は、カートリッジホルダ31を備え、このカートリッジホルダ31に図2のカートリッジ3を装着するようになっており、またテープ送りローラ46と、圧接ローラ47と、印字ヘッド49と、カッタ51(切断手段)と、ラベル作成用アンテナ52(第1アンテナ手段)と、搬出ローラ53とを備えている。なおカッタ51とラベル作成用アンテナ52との間(テープ搬送方向中間部)には、マークセンサ103(詳細は後述)が設けられている。
カートリッジ3は、タグテープロール36(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)と、カバーフィルムロール39(本来は渦巻き状であるが簡略化して同心円で図示している)とを有している。タグテープロール36は、タグ媒体であるタグテープ37(基材テープ)が、タグテープ用リール部38に巻回されてロール化されたものである。カバーフィルムロール39は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂製の透明なカバーフィルム41がカバーフィルム用リール部42に巻回されてロール化されたものである。また、カートリッジ3には、インクリボンロール43と、このインクリボンロール43から繰り出されるインクリボン44を巻き取るリボン巻取りローラ45(リボン巻取りローラ駆動軸45aで駆動される)とが設けられている。なおリボン巻取りローラ駆動軸45aは図示しない送りローラ駆動回路により駆動制御される。
なお、カートリッジ3は、カートリッジホルダ31に装着された状態でその一部が前述の透視窓15を通して外部から視認可能となっている。具体的には、例えばカートリッジ3の表面には、タグテープ37のテープ幅や色などのテープタイプを表示したテープタイプ表示部(図示を省略)が設けられており、カートリッジホルダ31にカートリッジ3を装着した状態でこのテープタイプ表示部が透視窓15を通して外部から見えるようになっている。
テープ送りローラ46及び圧接ローラ47は、テープ送りローラ46がそのテープ送りローラ駆動軸46a(搬送手段)で駆動されることにより回転駆動される。なおテープ送りローラ駆動軸46aは図示しない送りローラ駆動回路により駆動制御される。タグテープロール36から繰り出されるタグテープ37とカバーフィルムロール39から繰り出されるカバーフィルム41とは、重ねられた状態でテープ送りローラ46と圧接ローラ47の間で押圧挟持されて貼り合わされる。また、これらテープ送りローラ46と圧接ローラ47とは、上記貼り合わせ機能とともに、そのタグテープ37とカバーフィルム41との貼り合わせにより形成されるタグ媒体である印字済みタグラベル用テープ48をA方向に搬送して送り出す機能も果たす。
印字ヘッド49(印字手段)は例えば複数の発熱素子を備えるサーマルヘッドである。また印字ヘッド49には対向する位置にはプラテンローラ50が設けられている。カバーフィルムロール39から繰り出されるカバーフィルム41が印字ヘッド49とプラテンローラ50の間を通過し、このときに、図示しない印字ヘッド駆動回路で上記発熱素子が駆動されることで、カバーフィルム41に(この例ではその裏面側である図3中上側より)印字を行うようになっている。
カッタ51は、図示しないソレノイドに接続されており、このソレノイドがソレノイド駆動回路(図示せず)によって励磁されることで、印字済みタグラベル用テープ48を所定の長さに切断し、無線タグラベルTを形成する。
ラベル作成用アンテナ52は、タグテープ37(貼り合わせ後は印字済みタグラベル用テープ48、以下同様)に配置されている無線タグ回路素子60(ラベル作成用無線タグ回路素子)に対する情報の読取りまたは書込みのための通信を行う。なお、ラベル作成用アンテナ52と情報取得用アンテナ21とを別々のアンテナとせず、共用の1つのアンテナとしてもよい。
搬出ローラ53は、図示しない搬出ローラ駆動軸で駆動されることにより回転駆動される。なお搬出ローラ駆動軸は図示しない搬出ローラ駆動回路(上記送りローラ駆動回路と共通でもよい)により駆動制御される。
図4は、無線タグ回路素子(ラベル作成用無線タグ回路素子)60の機能的構成を表す機能ブロック図である。図4において、無線タグ回路素子60は、IC回路部80と、これに接続されるタグアンテナ62とを備えている。
IC回路部80は、タグアンテナ62で受信の信号の搬送波を整流する整流部81、この整流部81で整流された搬送波のエネルギを蓄積して駆動電源とする電源部82、IC回路部80の全体的な制御を行う制御部83、上記受信信号からクロック信号を抽出して制御部83に供給するクロック抽出部84、上記受信信号の復調を行うとともに、制御部83からの応答信号に基づいて上記受信信号の搬送波を変調反射する変復調部85、およびタグラベル作成装置1との間で送受信に関するデータなどを格納するメモリ部86を備えている。
なお、上記はラベル作成用無線タグ回路素子を例にとって説明したが、情報取得用無線タグ回路素子についても同様の構成である。
図5は、タグラベル作成装置1における制御系の機能的な構成を表す機能ブロック図である。図5において、タグラベル作成装置1には、例えばマイクロプロセッサなどからなる制御部90が設けられている。制御部90は、CPU91と、主記憶装置92と、補助記憶装置93とを備えている。補助記憶装置93には、上記タグラベル作成機能用のプログラムであるタグラベル作成プログラム94と、上記情報取得機能用のプログラムである情報取得プログラム95と、タグラベル作成のための基礎的なデータ(印字書体や印字するためのグラフィックパターンなど)を格納するタグラベル作成用データ格納部96と、タグラベル作成について端末装置DTaなどで入力された指令データ(印字内容など)を格納するタグラベル作成指令データ格納部97とが設けられている。この制御部90には、入出力インターフェース109を介し、前述の端末装置DTaや汎用コンピュータDTbが接続された通信回線NWが接続されている。
また入出力インターフェース109には、内部ユニット30における上記送りローラ駆動回路を含むテープ搬送駆動系106、上記搬出ローラ駆動回路を含むラベル搬出駆動系107、上記印字ヘッド駆動回路を含む印字駆動系105、上記ソレノイド駆動回路を含むカッタ駆動系104等の各駆動系と、上記マークセンサ103と、情報取得用アンテナ21及びラベル作成用アンテナ52に接続される(少なくとも一部共用してもよいし、別体としてもよい)送受信回路108とが接続されている。
ここで、本実施形態のタグラベル作成装置1では、その特徴として、タグラベル作成機能と情報取得機能、さらには自己検査プログラムを用いた自己検査機能を兼ね備えており、それぞれに対応した、ラベル作成処理モード、情報取得処理モード、検査モードを選択的に実行可能である。
タグラベル作成機能は、タグラベル作成装置1が上記ラベル作成処理モードにあるときに実行可能な機能である。すなわち、例えば端末装置DTaで操作者が任意に入力したデータに基づき、対応する情報を上記印字済みタグラベル用テープ48の無線タグ回路素子60(=ラベル作成用無線タグ回路素子)に記憶させ(又は情報を読み取り)、さらに印字等を施した印字付きの無線タグラベルTを作成する。
情報取得機能とは、タグラベル作成装置1が上記情報取得処理モードにあることで実行可能な機能である。すなわち、例えば、物品に対し(添付、貼り付け、梱包等により)関連づけられた無線タグラベルTに備えられた上記無線タグ回路素子60(=情報取得用無線タグ回路素子)から、所定の情報(無線タグ情報)を読み取ったり、後述の検査用無線タグ111(図11参照)に備えられた上記無線タグ回路素子60(=検査用無線タグ回路素子)から検査を実行するための検査処理用情報を読み取って取得する機能である。
このようにタグラベル作成装置1に、タグラベル作成機能と情報取得機能の両機能を兼ね備えさせたことにより、ラベル作成装置と無線タグ情報読み取り装置を別々にそろえる場合に比べ、無線タグラベルシステムTSにおける機器構成を簡素化でき、また操作者のコスト負担を低減することが可能となる。
一方、検査機能は、タグラベル作成機能のための各種機能要素(後述の動作機器やセンサなど)について、異常の有無をタグラベル作成装置1が自己診断的に検査する機能である。この検査機能は、情報取得モードにあるタグラベル作成装置1の情報取得機能を利用して上記検査用無線タグ111からタグラベル作成装置1が検査処理用情報を読み取って検査モードに移行することで実行することができる。
以下、上記タグラベル作成機能、情報取得機能、検査機能の詳細について順を追って説明する。
(A)タグラベル作成機能
例えばまず、電源ボタン9が押されて主電源が入れられると、タグラベル作成装置1は待機モードをとる。その待機モードにあって例えば端末装置DTaでタグラベル作成の入力がなされると、これに対応する指示信号が入出力インターフェース109を介し制御部90に入力され、制御部90によって上記タグラベル作成機能を実行するためのラベル作成処理モードへのモード切り替えが実行される。
図6は、このタグラベル作成処理モードで制御部90が実行するタグラベル作成処理の手順を表すフローチャートである。
図6において、まずステップS101で、入出力インターエース109を介し上記テープ搬送駆動系106に制御信号を出力し、テープ送りローラ46を駆動する。これにより、タグテープロール36からタグテープ37を繰り出させるとともに、そのタグテープ37の繰出しと同期してカバーフィルムロール39からカバーフィルム41も繰り出させる。これにより、圧接・テープ搬送部32で印字済タグラベル用テープ48が形成され、この印字済タグラベル用テープ48がテープ搬送ローラ46により矢印A方向へと搬送開始される。
その後、カバーフィルムロール39から繰り出されたカバーフィルム41は、(テープ送りローラ46及び圧接ローラ47でタグテープ37に貼り合わせられる前に)印字ヘッド49で印字がなされる。すなわち、上記ステップS101の搬送開始後、ステップS102において、入出力インターエース109を介し上記印字駆動系105へ制御信号を出力し、リボン巻き取りローラ45を駆動しインクリボン44をインクリボンロール43から繰り出させるとともに、印字ヘッド49を駆動して、例えば端末装置DTaで入力されたデータに基づく印字文字Rを印字させる。印字が施されたカバーフィルム41は、上記ステップS101で既に駆動開始されているテープ送りローラ46及び圧接ローラ47によりタグテープ37に貼り合わせられる。
タグテープ37とカバーフィルム41とが貼り合わせれた印字済みタグラベル用テープ48は、テープ送りローラ46で矢示A方向に送り出され、ラベル作成用アンテナ52の近傍位置(対向する位置)へと至る。そして、印字済みタグラベル用テープ48の上記無線タグ回路素子60(ラベル作成用無線タグ回路素子)が上記ラベル作成用アンテナ52にほぼ対向する(あるいは通信範囲に入るように近傍に達する)ような搬送位置となると、ステップS103に移る。ステップS103では、入出力インターエース109を介し上記テープ搬送駆動系106へ制御信号を出力し、印字済みタグラベル用テープ48の搬送が停止される。そしてさらに、入出力インターエース109を介し上記送受信回路108へ制御信号を出力し、上述のような情報の読取りまたは書込みのための通信(情報送受信)がラベル作成用アンテナ52を介し実行される。情報を書き込む場合は、例えば図1の端末装置DTaで入力されたデータに基づいて対応する情報の書込みが行われ、一方、情報を読み取る場合は、読み取った情報が例えば端末装置DTaに表示される。
ラベル作成用アンテナ52による情報の読取りまたは書込みが終了し、無線タグ回路素子60が所定の距離だけ進むと、ステップS104において、入出力インターエース109を介し上記テープ搬送駆動系106へ制御信号を出力し、印字済みタグラベル用テープ48の搬送が停止される。また入出力インターエース109を介し上記カッタ駆動系104へ制御信号を出力し、カッタ51を作動させて印字済みタグラベル用テープ48を切断し、これにより所定長さの無線タグラベルTを得る。
ステップS104の切断処理により所定長さの無線タグラベルTが得られたら、ステップS105において入出力インターエース109を介し上記ラベル搬出駆動系107へ制御信号を出力し、搬出ローラ53により無線タグラベルTを外部に搬出する。これにより1つの無線タグラベルTについてのタグラベル作成処理が終了する。
図7(a)は、上記タグテープ37のテープ長手方向とテープ幅方向の構成の一例を表す上面図であり、図7(b)はその下面図であり、図7(c)はその側面側から見たテープ厚さ方向の構成を表す図である。
これら図7(a)、図7(b)、及び図7(c)において、タグテープ37は、その長手方向に、所定の間隔を空けて複数の無線タグ回路素子60を(この例では埋め込むように)配置している。無線タグ回路素子60は、前述のようにIC回路部80とタグアンテナ62とを備えており、この例では、適宜な合成樹脂材でシート状に形成された保護部材63により全体的に覆われている。
また、タグテープ37は、この例では、表面側(図7(c)中上側)から反対側に向かって、順に、粘着剤層71、テープ基材層72、粘着剤層74、被覆された無線タグ回路素子60、テープ基材層75、粘着剤層76、および剥離紙77を有する7層構造となっている。
粘着剤層71は、カバーフィルム貼り合わせ用粘着剤層であり、上述のようにしてタグテープ37にカバーフィルム41を貼り合わせるのに機能する。テープ基材層72及びテープ基材層75は、例えばPET等の樹脂材料により略テープ状に形成されている。この例ではテープ基材層75側に設けた粘着剤層74(定置用粘着剤層)によって(保護部材63で被覆された)無線タグ回路素子60がテープ基材層72,75間に配置されている。なおテープ基材層72側にも定置用の粘着剤層を設けるようにしてもよい。粘着剤層76(貼り付け用粘着剤層)は、無線タグラベルTを目的の商品などに貼り付けるのに用いられる。
剥離紙77は、第1粘着剤層76を貼り付けに用いるまで保護するのに機能し、無線タグ回路素子60の位置に対応づけて(すなわち所定の等ピッチで)識別マークPMが設けられている。識別マークPMは、上記マークセンサ103で検出されることで、タグテープ37、カバーフィルム41、及び印字済みタグラベル用テープ48の(印字制御、通信制御、切断制御のための)搬送制御(位置決め制御)に用いられるものである。
すなわち、例えば上記図6のステップS101のテープ搬送開始後のステップS102の印字制御にあっては、タグラベル作成開始時に最初に識別マークPMを検出したとき、当該搬送位置を基準として、この位置から所定量だけ搬送した時点より印字ヘッド49によるカバーフィルム44への印字を開始する(これにより、例えば識別マークPMの搬送方向後方側位置に対応するカバーフィルム44の所定範囲が印字領域Sとなる。図7(b)参照)。また上記ステップS103では、上記印字開始位置よりさらに所定量だけ搬送した時点でテープ送りローラ46による搬送を停止し、ラベル作成用アンテナ52によるラベル作成用無線タグ回路素子60への無線通信による情報送受信を行う(なお搬送非停止状態のままあるいは減速状態で搬送を行いつつ通信開始するようにしてもよい)。その後上記ステップS104において上記通信位置(通信開始位置)よりさらに所定量だけ搬送した時点でテープ送りローラ46による搬送を停止し、カッタ51により切断位置CLにおける印字済みタグラベル用テープの切断を行い(図7(b)参照)、切断位置CLより先端側を無線タグラベルTとして搬出する(ステップS105)。
図8(a)は、上記タグテープ37から作成される無線タグラベルTの構成の一例を表す上面図であり、図8(b)は、側面側から見た側面図であり、図8の(c)は図8(b)中のB−B断面による断面図である。
これら図8(a)〜図8(c)において、無線タグラベルTは、前述したように、上述の7層構造のタグテープ37にカバーフィルム41を貼り合わせた印字済みタグラベル用テープ48(図3等参照)を所定の長さあるいは所望の長さで切断して形成される。この結果、上記タグテープ37における上述のような7層にカバーフィルム41によるカバーフィルム層84が加わることで、前述と同様の順にカバーフィルム層84、粘着剤層71、テープ基材層72、被覆された無線タグ回路素子60、粘着剤層74、テープ基材層75、粘着剤層76、および剥離紙77を有する8層構造となっており、そのカバーフィルム層84には、前述のように裏面側から印字文字Rが印字されている。
図9に、上記無線タグラベルTの作成時の端末装置DTaの表示画面における表示の例を示す。この例では、無線タグラベルTの種別(アクセス周波数やタグラベル寸法)、印字ヘッド49で印字された印字文字、無線タグラベルにおける無線タグ回路素子に固有の識別情報であるアクセスID、図1の情報サーバISに格納されている物品情報のアドレス、および図1のルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレスなどが含まれている。
(B)情報取得機能
前述したようにタグラベル作成装置1は、通常、待機モードにあるか、若しくは、前述のように端末装置DTaからのタグラベル作成の指示があるとラベル作成処理モードにある。
この状態からの情報取得処理モードへの切り替えは、本実施形態では、例えば装置本体2に設けた適宜のモード切り替えスイッチ等が操作されることで、制御部90によりモード切り替えが実行され情報取得処理モードとなる。
図10は上記情報取得処理モードにおいて制御部90が実行する制御手順を表すフローチャートである。
図10において、まずステップS201で、入出力インターフェース109を介し送受信回路108に制御信号を出力し、情報取得用アンテナ21により、無線タグ回路素子60(情報取得用無線タグ回路素子)のIC回路部80に記憶されている情報を取得するための問合せ信号(質問波)を送信して、無線タグ回路素子60に返信を促す。
その後、ステップS202では、送受信回路108で上記無線タグ回路素子60(情報取得用無線タグ回路素子)からリプライ信号(応答波)が受信され送受信回路108及び入出力インターフェース109を介し制御部90へ取り込まれたかどうかを判定する。リプライ信号が受信されるまでは判定が満たされずステップS201に戻って同様の手順を繰り返し、リプライ信号が受信されたら判定満たされてステップS203へ移る。
ステップS203では、上記リプライ信号に含まれる無線タグ回路素子60のIC回路部80から読み取った情報を、入出力インターフェース109及び通信回線NWを介して例えば情報サーバISやルートサーバRSに読取り情報を格納したり、あるいは端末装置DTaに表示させ、このフローを終了する。そして、再びモード切り替えが実行され、前述の待機モードになる(復帰する)。
(C)検査機能
上記図2を用いて説明したように、本実施形態のタグラベル作成装置1は、検査用無線タグ111を検査を実行するための検査用ツールとしており、この検査用無線タグ111を用いることで、タグラベル作成機能や情報取得機能のための各種動作機器やセンサについて異常の有無を自己診断(検査)することができる。
図11は、上記検査用無線タグ111の構成の一例を表す上面図である。図11において、検査用無線タグ111は、前述の無線タグ回路素子60と同様の無線タグ回路素子112(検査用無線タグ回路素子)を備えている。この無線タグ回路素子112は、上記無線タグ回路素子60と同様、IC回路部113(IC回路部80に相当)とタグアンテナ114(タグアンテナ62に相当)とを備えており、IC回路部113には、タグラベル作成装置1を検査モードに移行させるのに必要な検査処理用情報が記憶保持されている。また、例えば上記無線タグ回路素子60と同様に保護部材115により全体的に覆われている。
なお、上記検査用無線タグ111は、例えばカード状の基板に上記保護部材115を介し上記無線タグ回路素子112を設けることにより構成することができるが、本実施形態の無線タグラベル作成装置1の上記タグラベル作成機能によって無線タグラベルTとして作成してもよい。
図12は、検査用無線タグ111の上記無線タグ回路素子112の機能的な構成を表す機能ブロック図であり、前述の図4に相当する図である。図4と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図12において、無線タグ回路素子112のIC回路部113は、前述と同様、整流部81、電源部82、制御部83、クロック抽出部84、変復調部85、およびメモリ部86を備えている。メモリ部86には、検査処理用情報として、検査処理プログラム140と、この検査処理プログラム140に沿って検査処理を開始するための開始指令情報137とが格納されている。またこれらに加え、検査処理プログラム140によりなされた検査結果情報を記録するための検査結果格納部141が設けられている。
開始指令情報137は、例えばタグラベル作成装置1を検査モードに移行させるためのトリガー的機能を備えた情報である。検査処理プログラム140は、上記タグラベル作成処理の流れにしたがって動作する機器やセンサの動作状態を診断し異常の有無を検査する手順、及び検査結果を記録する手順等を記述したプログラムである。
なお、この検査処理プログラム140は、タグラベル作成機能のための各種動作機器やセンサを一括的に検査する形態のプログラムとすることもできるし、またタグラベル作成処理における一連の工程を適宜に区分けして複数の検査対象工程とし、その検査対象工程を検査単位として検査する形態のプログラムとすることもできる。
上記構成の検査用無線タグ111は、IC回路部113に保持している検査処理用情報を、情報取得用アンテナ21を介し読み取らせることで、タグラベル作成装置1を検査モードに移行させ、自己診断検査を実行させることができる。すなわち、操作者が検査用無線タグ111を情報取得用通信部11に対してかざすだけで、タグラベル作成装置1の検査を開始させることができる。
次に、このようにして検査用無線タグ111を用いて実行するタグラベル作成装置1の検査の内容を説明する。
図13は、上記検査モードで制御部90が実行する検査処理の手順を表すフローチャートである。
図13において、まずステップS301で、(上記情報取得モードとなっている状態で)上記図10のステップS201と同様、入出力インターフェース109を介し送受信回路108に制御信号を出力し、情報取得用アンテナ21により、無線タグ回路素子112(検査用無線タグ回路素子)のIC回路部113に記憶されている情報を取得するための問合せ信号(質問波)を送信して、無線タグ回路素子112に返信を促す(情報取得手段)。これにより、前述したように操作者がタグラベル作成装置1の情報取得用通信部11に検査用無線タグ111をかざしていた場合には、送受信回路108で当該検査用無線タグ111の無線タグ回路素子112(検査用無線タグ回路素子)からリプライ信号(応答波)が受信され送受信回路108及び入出力インターフェース109を介し制御部90へ取り込まれる(検査処理用情報が読み出される)。
このとき、本実施形態の場合、上述のように検査用無線タグ111が検査処理用情報として開始指令情報137(開始指令)と検査処理プログラム140とを保持している。したがって、これら開始指令情報137と検査処理プログラム140が検査処理用情報として読み出され、それらの情報が制御部90の主記憶装置92(図5参照)に読み込まれる。
その後、ステップS302で、上記ステップS301で取得した開始指令情報137により、タグラベル作成装置1を検査モードとする検査モード移行処理が実行される。その後、ステップS303に移り、検査処理プログラム140によって当該検査処理プログラムにしたがった所定の検査が開始される(検査処理手段)。
この検査は、前述したように、タグラベル作成機能のための各種機能要素(後述の動作機器やセンサなど)について、異常の有無を自己診断するものである。例えば、搬送検査の一例としては、テープ搬送駆動系106によりタグテープ37及びカバーフィルム44(=印字済みタグラベル用テープ48)の搬送を行いつつ、マークセンサ103で1つの識別マークPMを検出してから次の識別マークPMを検出するまでの時間が予め定められた範囲内であるか等を判定すればよい。また通信検査の一例としては、予めタグテープ37の適宜の箇所に設けられアンテナ感度が所定値に予め設定してある無線タグ回路素子60(ラベル作成用無線タグ回路素子)に対し、送受信回路108及びラベル作成用アンテナ52を介し無線通信を行い、そのときに当該無線タグ回路素子60からラベル作成用アンテナ52及び送受信回路108を介し受信した応答波の受信信号強度が予め定められた範囲内であるか等を判定すればよい。
その後、ステップS304では、ステップS303で開始した上記のような検査が終了したかどうかを判定する。検査が終了するまで待機し、検査が終了したら、判定が満たされ、ステップS305に移る。
ステップS305では、入出力インターフェース109を介し送受信回路108に制御信号を出力し、情報取得用アンテナ21を介し、上記ステップS303より実行した検査の結果(検査結果が異常なしであったか異常ありであったか)を生成し(検査結果情報生成手段)、検査用無線タグ111の無線タグ回路素子112(検査用無線タグ回路素子)のIC回路部113に書き込むための書き込み信号を送信し、検査用無線タグ111の無線タグ回路素子112における検査結果格納部141に検査結果情報として書き込む(検査用タグ書き込み制御手段)。
その後、ステップS306に移り、上記検査結果がOK(異常なし)であったかNG(異常あり)であったかが判定される。ステップS306の判定結果がOKであれば、ステップS307に進んで正常表示灯12aの点灯(または点滅)処理を行って処理終了となる。一方、ステップS306の判定結果がNGであれば、ステップS308に進んで異常表示灯12bの点灯(または点滅)処理を行って処理終了となる。
以上説明したように、本実施形態においては、検査を行う際には、情報取得用アンテナ21を介した無線通信により、検査用無線タグ11の無線タグ回路素子113から開始指令情報137及び検査処理プログラム140が取得される。そしてこの取得された開始指令情報137及び検査処理プログラム140に基づき、タグラベル作成装置1の少なくとも1つの動作機器に対する検査処理が実行される。
これにより、タグラベル作成装置1の工場出荷前の製品検査や、ユーザのもとで使用されているタグラベル作成装置1の保守管理等のための検査等の際には、タグラベル作成装置の情報取得用アンテナ21の通信範囲内に検査用無線タグ回路素子112を存在させ、読み取りを行わせるだけで、自動的に検査処理を実行させることができる。したがって、検査者は、検査のためにキーやボタンやスイッチを押す等の特別な操作を行う必要がなくなるので、検査における労力を低減でき、検査効率を向上することができる。特に上記工場出荷前の製品検査については、上述の検査操作負担軽減による検査作業の効率向上が特に有用である。
また、本実施形態では特に、検査用無線タグ111に検査処理プログラムを保持させることにより、検査処理プログラムをタグラベル作成装置1から分離することができ、検査に関するノウハウなどの守秘性を高めることができる。
また、本実施形態は特に、検査結果情報を検査用無線タグ11に記憶させることにより、例えば、製造時の製品出荷前検査等において、1つのタグラベル作成装置1に対する検査結果を他のタグラベル作成装置1の検査に反映させたり活用したりしたい場合には、1つの装置1の検査結果を記憶した検査用無線タグ(無線タグラベル)から、当該検査結果を読み取らせるだけで簡単にこれを他の装置1に反映・活用等することができる。したがって、これによっても、検査における労力を低減でき、検査効率を向上することができる。
さらに、検査結果情報を検査用無線タグ11に記憶させることで、検査を実行するための情報を読み取らせるための記憶媒体と、検査結果を保存するための記憶媒体とを一致させることができる。なおこの場合、検査用無線タグ11を適用するタグラベル作成装置11の個体識別情報(シリアル番号等。前述の図8の符号SN参照)等を当該検査用無線タグ11に印字等表示しておくことで、上記一致性が一目瞭然となって管理上の利便性をさらに高めることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、その趣旨及び技術的精神を逸脱しない範囲内で様々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
(1)複数の検査工程ごとに検査タグを用意して用いる場合
例えば、タグラベル作成処理における一連の工程を適宜に区分けして複数の検査対象工程とし、その検査対象工程ごとに(各工程を検査単位として)検査するようにしてもよい。
図14は、この変形例による、複数の検査対象工程のそれぞれに対応する検査用無線タグ111A,111B,111C…を検査用無線タグセット151とした場合の例を表している。これら検査用無線タグ111A,111B,111C…は、いずれも検査用無線タグ111と同等の構成及び機能を備えている。但し、これら検査用無線タグ111A,111B,111C…それぞれの無線タグ回路素子112のメモリ部86には、各検査対象工程に(例えば特定の順序で)対応する検査処理プログラム(例えばA工程検査処理プログラム、B工程検査処理プログラム、C工程検査処理プログラム…)が格納されることとなる。
本変形例においては、タグラベル作成装置1の検査を、検査用無線タグセット151における検査用無線タグ111A,111B,150C…を実際の工程の流れに沿った特定の順序により順次用いたり、あるいは選択的に使い分けたりして用いることができる。本変形例によれば、工程単位で検査を行うことができ、異常個所の特定をより容易に行えるようになる。
また1つの検査用無線タグ111によって、上記複数工程の検査処理を一括して(例えば所定の順序で)実行できるようにしてもよい。この場合、1つの検査用無線タグ111でタグラベル作成装置1側に読み取りを行うだけで、複数の動作機器を所定の順序で検査することができる。
(2)検査処理用情報として開始指令情報のみをタグに記憶保持する場合
すなわち、上記実施形態では、検査処理用情報として、開始指令情報と検査処理プログラム(検査処理プログラム)との両方を検査用無線タグ111に記憶させたが、これに限られない。すなわち検査処理プログラムをタグラベル作成装置1側に予め格納保持しておき、検査用無線タグ111には、開始指令情報のみを記憶させるようにしてもよい。
図15は、このような変形例による検査用無線タグ111に備えられた無線タグ回路素子112の機能的構成を表す機能ブロック図であり、上記実施形態の図12に対応する図である。図15において、本変形例の検査用無線タグ111の無線タグ回路素子112では、IC回路部113のメモリ部86に、検査処理用情報として開始指令情報のみを保持している。したがって、この場合、タグラベル作成装置1側に検査処理プログラムを保持させる必要がある。
図16は、この変形例におけるタグラベル作成装置1の制御系の機能的な構成を表す機能ブロック図であり、前述の図5と同等の図である。図16に示すように、この変形例の制御部90では、補助記憶装置93に、検査処理プログラム140を格納する領域(プログラム記憶手段)と、検査結果情報を書き込むための検査結果格納部141とが新たに設けられる。
図17は、本変形例における制御部90が実行する検査処理の手順を表すフローチャートであり、上記図13に相当する図である。
図17において、まずステップS301で、(上記情報取得モードとなっている状態で)上記同様、情報取得用アンテナ21により問合せ信号(質問波)を送信して、無線タグ回路素子112に返信を促す(情報取得手段)。これにより、当該検査用無線タグ111の無線タグ回路素子112(検査用無線タグ回路素子)からリプライ信号(応答波)が受信され制御部90へ取り込まれる(検査処理用情報が読み出される)。
このとき、本変形例の場合、上述のように検査用無線タグ111が検査処理用情報として開始指令情報137(開始指令)のみを保持している。したがって、この開始指令情報137が検査処理用情報として読み出され、制御部90の主記憶装置92(図16参照)に読み込まれる。
その後、ステップS302で、上記ステップS301で取得した開始指令情報137により、タグラベル作成装置1を検査モードとする検査モード移行処理が実行される。その後、新たに設けたステップS310に移り、補助記憶装置93に記憶された検査処理プログラム140を主記憶装置92に読み込む。そして、ステップS303に移り、上記読み込んだ検査処理プログラム140によって当該検査処理プログラムにしたがった所定の検査が開始される(検査処理手段)。
その後、ステップS304を経て、ステップS305に移り、検査結果情報を生成し(検査結果情報生成手段)、補助記憶装置93の検査結果格納部141(検査結果記憶手段)に書き込む(装置内書き込み制御手段)。
その後、ステップS306以降は図13と同等であるので説明を省略する。
本変形例においても、上記実施形態と同様の効果を得る。また、タグラベル作成装置1の検査が終了したとき、その検査結果情報が装置1内の補助記憶装置93の検査結果格納部141に書き込まれることで、検査対象とその検査対象における検査結果とを確実に一体的に管理できる効果もある。
(3)仕向地情報を含む場合
すなわち、タグラベル作成装置1は、その制御系におけるオペレーティングシステムやデータ表示の言語などが異なる地域で使用される場合があり、そうした地域に応じた仕向地仕様が設定される場合がある。この場合、自己診断検査も仕向地仕様に適合させる必要がある。そこで、上記仕向地別の適合を可能とするために、検査用無線タグ111の無線タグ回路素子112のIC回路部113に予め仕向地情報を記憶保持するようにしてもよい。
これにより、タグラベル作成装置1の仕様がその仕向地(例えば米国向け、中国向け等)別に異なるとともに、これ対応する検査処理の内容も仕向地別に異なっているような場合であっても、ミスマッチを防止して確実に正しい検査処理を実行することができる。
(4)作成する無線タグラベルTに結果を記憶する場合
以上においては、検査結果を、検査用無線タグ11に記憶させたが、これに限られない。すなわち、タグラベル作成装置1で新たに作成する無線タグラベルTの無線タグ回路素子To(ラベル作成用無線タグ回路素子)に検査結果情報を書き込むようにしてもよい。例えば上記出荷前の検査においては、作動状態を確認するために実際にタグラベル作成処理を行いながら検査が進められる場合がある。そこで、そのタグラベル作成処理で作成される無線タグラベルTを検査結果情報記録用とし、それに検査結果情報を書き込むようにすればよい。
図18(a)は、このようにして作成された検査結果情報記録用の無線タグラベルTrの上面図であり、図18(b)はそれに備えられる無線タグ回路素子の機能ブロック図であり、それぞれ前述の図8(a)や図4に相当する図である。それら図8(a)や図4と同等の部分には同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
これら図18(a)及び図18(b)において、無線タグラベルTrは、例えば「検査結果記録タグラベル」と印字されて検査結果情報記録用であることが明示されている。また、無線タグラベルTrに備えられた無線タグ回路素子60のメモリ部86には、検査結果情報格納部170が設けられている。この検査結果情報格納部170には、先の図6に示したステップS103において、先の図13に示したステップS305と同等の手順を行って、ラベル作成用アンテナ52を介して検査結果情報を書き込み、格納する(ラベル用タグ書き込み制御手段)。
本変形例によれば、前述と同様、例えば、製造時の製品出荷前検査等において、1つのタグラベル作成装置1に対する検査結果を他のタグラベル作成装置1の検査に反映させたり活用したりしたい場合には、1つの装置1の検査結果を記憶した無線タグラベルTrから、当該検査結果を読み取らせるだけで簡単にこれを他の装置1に反映・活用等することができる。
また、検査結果情報が書き込まれて作成された無線タグラベルTrを、対応する当該タグラベル作成装置1に貼り付けることで、タグラベル作成装置1と一体化した状態での検査結果の管理が可能となる。
(5)自動電源OFFとする場合
すなわち、検査が終了し結果を表示したら、自動的にタグラベル作成装置1の電源をOFFとしてもよい。
図19は、この変形例の制御部90が実行する検査処理の手順を表すフローチャートであり、上記図13に相当する図である。図13と同等の手順には同一の符号を付し、説明を省略する。
図19に示すフローでは、ステップS307又はステップS308で正常表示灯12a又は異常表示灯12bの点灯等を行った後、新たに設けたステップS309で、タグラベル作成装置1の主電源遮断処理を行う(電源制御手段)。
本変形例によれば、検査終了後の主電源遮断忘れにより無駄な電力消費を生じるなどの事態を確実に防止することができる。また特に、製品の出荷前検査等を実行する場合、検査者が検査完了後に電源を手動でOFFにする手間をなくし、確実に労力を低減することができる。
(6)その他
以上においては、移動中のタグテープ37、カバーフィルム44、印字済みタグラベル用テープ48を停止させて無線タグ情報の書き込み・読み取りや印字を行う例を示したが、これに限られない。すなわち、タグテープ37等を搬送状態のまま(あるいは減速して上記印字や読み取り・書き込みを行うようにしてもよい。さらに読み取り・書き込みについては所定の搬送ガイドにて保持した状態としてもよい。
また、以上において、印字及び無線タグ回路素子60へのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済みタグラベル用テープ48をカッタ51で切断して無線タグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ51で切断しなくても、テープがラベル排出口7から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子60が備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして無線タグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
また、以上においては、無線タグ回路素子60を備えたタグテープ37とは別のカバーフィルム44に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、タグテープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。さらに、無線タグ回路素子60のIC回路部80から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行うと共に、印字ヘッド49によってその無線タグ回路素子60を識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み出し又は書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
さらに、以上は、タグテープがリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ3内にそのロールが配置されてタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子60が少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置1側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置1側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ3のようなタグラベル作成装置1本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてタグテープロール36を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。