JP4883286B2 - 傾斜構造を有するリソグラフィー用レジスト下層膜 - Google Patents

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Description

本発明はレジスト下層膜を形成するための組成物に関する。詳しくは半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて、半導体基板上に塗布されたフォトレジスト層への露光照射光の半導体基板からの反射を軽減させるレジスト下層膜、及びそのレジスト下層膜を形成するための組成物に関する。より詳細には波長248nm及び波長193nm等の露光照射光を用いて行われる半導体装置製造のリソグラフィープロセスにおいて使用されるレジスト下層膜、及びそのレジスト下層膜を形成するための組成物に関する。また、当該レジスト下層膜を使用したフォトレジストパターンの形成方法に関する。
従来から半導体デバイスの製造において、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウエハーの上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたレジストパターンを保護膜としてシリコンウエハーをエッチング処理する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)からArFエキシマレーザー(波長193nm)へと短波長化される傾向にある。これに伴い活性光線の基板からの乱反射や定在波の影響が大きな問題であった。そこでフォトレジストと基板の間に反射防止膜(bottom anti−reflective coating)を設ける方法が広く検討されるようになってきた。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機反射防止膜と、吸光性物質と高分子化合物とからなる有機反射防止膜が知られている。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とするのに対し、後者は特別の設備を必要としない点で有利とされ数多くの検討が行われている。例えば、米国特許第5919599号明細書には、架橋形成置換基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜が記載されている。また、米国特許第5693691号明細書には、架橋形成置換基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するノボラック樹脂型反射防止膜が記載されている。
有機反射防止膜として望まれる物性としては、光や放射線に対して大きな吸光度を有すること、フォトレジスト層とのインターミキシングが起こらないこと(フォトレジスト溶剤に不溶であること)、塗布時または加熱乾燥時に反射防止膜材料から上塗りフォトレジスト中への低分子拡散物がないこと、フォトレジストに比べて大きなドライエッチング速度を有すること等がある。
近年、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーを使用したリソグラフィープロセスにおいて加工寸法の微細化、すなわち、形成されるフォトレジストパターンサイズの微細化が進んできている。フォトレジストパターンの微細化が進行すると、それに伴い、フォトレジストパターンの倒壊等を防止するためにフォトレジストの薄膜化が望まれるようになってきている。そして、フォトレジストを薄膜で使用する場合には、共に使用される有機反射防止膜のエッチングによる除去工程におけるフォトレジスト層の膜厚の減少を抑制するために、より短時間でエッチングによる除去が可能な有機反射防止膜が望まれるようになってきている。すなわち、エッチング除去工程を短時間化するために、これまでよりも薄膜で使用可能な有機反射防止膜、あるいは、これまでよりも大きなフォトレジストとのエッチング速度の選択比を持つ有機反射防止膜が要求されるようになってきている。
ところで、芳香族化合物乃至脂環式化合物で置換されたトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートを広域紫外線吸収剤に用いるという技術が知られており(例えば、特許文献1参照。)、シアヌール酸を重合性有機化合物として含む硬化組成物が知られている(例えば、特許文献2参照。)。また、シアヌール酸誘導体を含む反射防止膜組成物について知られている(例えば、特許文献3参照。)。また、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌール酸より合成されるポリエステルが反射防止膜に使用されることが開示されている(例えば、特許文献4、特許文献5参照。)。
特開平11−279523号公報 特開平10−204110号公報 国際公開第02/086624号パンフレット 欧州特許出願公開第1298492号明細書 欧州特許出願公開第1298493号明細書
本発明は、短波長の光、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)に対して強い吸収を持つレジスト下層膜(例えば、反射防止膜)、及び当該レジスト下層膜(例えば、反射防止膜)を形成するためのレジスト下層膜形成組成物(例えば、反射防止膜形成組成物)を提供することにある。また本発明は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)の照射光をリソグラフィープロセスの微細加工に使用する際に、半導体基板からの反射光を効果的に吸収し、そして、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさないレジスト下層膜(例えば、反射防止膜)を提供すること、及び当該レジスト下層膜(例えば、反射防止膜)を形成するためのレジスト下層膜形成組成物(例えば、反射防止膜形成組成物)を提供することにある。また、本発明のレジスト下層膜(反射防止膜)はエッチング前は、ウェット剥離しないが、エッチングした後では、容易にウェット剥離できることを特徴とする。
本願発明は第1観点として、表面エネルギーと架橋性官能基数とが異なる少なくとも2種類のポリマーを含む半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜形成組成物、
第2観点として、ポリマーが、高い表面エネルギーと少ない架橋性官能基数を有する第1のポリマーと、低い表面エネルギーと多くの架橋性官能基数を有する第2のポリマーを含む第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第3観点として、更に架橋性化合物を含む第1観点又は第2観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第4観点として、更に酸及び/又は酸発生剤を含む第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第5観点として、最も低い表面エネルギーを有するポリマーと、最も高い表面エネルギーを有するポリマーとの表面エネルギー差が5mN/m以上である第1観点乃至第4観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第6観点として、最も少ない架橋性官能基数のポリマーが、該ポリマーの4以上の構成単位数に1個の架橋性官能基の割合で有するポリマーである第1観点乃至第5観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第7観点として、最も多くの架橋性官能基数のポリマーが、該ポリマーの1〜3の構成単位数に1個の架橋性官能基の割合で有するポリマーである第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第8観点として、架橋性官能基が、水酸基、アルコキシ基、又はそれらの組み合わせである第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第9観点として、第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載の下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成することによりレジスト下層膜を形成し、その下層膜が半導体基板表面から下層膜の上部に向かって表面エネルギーが高く架橋性官能基が少ないポリマーに、表面エネルギーが低く架橋性官能基が多いポリマーが積層された傾斜構造を有するものであるレジスト下層膜、
第10観点として、現像液が、有機溶剤、水、アルカリ性水溶液、又はそれらの組み合わせである第9観点に記載のレジスト下層膜、
第11観点として、半導体基板上に第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を塗布し焼成しレジスト下層膜を形成する工程、該レジスト下層膜上にフォトレジスト層形成する工程、レジスト下層膜とフォトレジスト層が被覆された半導体基板を露光と現像しレジストパターンを形成する工程、該レジストパターンによりドライエッチングを行い半導体基板を加工する工程、及び半導体基板上のレジスト下層膜を含むレジストパターンを現像液で除去する工程を含む半導体装置の製造方法、
第12観点として、半導体基板上に第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を塗布し焼成しレジスト下層膜を形成する工程、該レジスト下層膜上にハードマスク層を形成する工程、該ハードマスク層上にフォトレジスト層を形成する工程、レジスト下層膜とハードマスクとフォトレジストが被覆された半導体基板を露光と現像しレジストパターンを形成する工程、該レジストパターンによりドライエッチングを行いレジストパターンをハードマスクに転写する工程、ハードマスクに転写されたレジストパターンによりドライエッチングを行いレジスト下層膜にレジストパターンを転写する工程、レジスト下層膜に転写されたレジストパターンにより半導体基板を加工する工程、及び半導体基板上のレジスト下層膜含むレジストパターンを現像液で除去する工程を含む半導体装置の製造方法、及び
第13観点として、レジスト下層膜が、第9観点又は第10観点に記載のレジスト下層膜である第11観点又は第12観点に記載の半導体装置の製造方法である。
本発明は、短波長の光、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)に強い吸収を有するレジスト下層膜(反射防止膜)を形成する為の組成物である。得られたレジスト下層膜(反射防止膜)は、半導体基板からの反射光を効率よく吸収する。
本発明により、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等を用いた微細加工において、半導体基板からの反射光を効果的に吸収し、フォトレジスト層とのインターミキシングを起こさない、レジスト下層膜(反射防止膜)を提供することができる。
本発明により、フォトレジストより大きなエッチング速度を有するレジスト下層膜(反射防止膜)を提供することができる。
また、本発明のレジスト下層膜(反射防止膜)を用いることにより、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等を用いたリソグラフィープロセスにおいて、良好な形状のフォトレジストパターンを形成することができる。
表面エネルギーの異なるポリマーをブレンドし、表面エネルギーが小さく表面に偏析しやすいと思われるポリマーに架橋剤と反応する官能基を持たせ、表面エネルギーが大きいポリマーにはその官能基をできるだけもたせないようにする。
架橋剤および架橋触媒は、低分子でベーク中に表面偏析しやすいものが好ましく、レジスト下層膜(反射防止膜)表面のみが熱硬化性樹脂になるように設計することで、レジストパターニング時には、反射防止膜はレジスト形成組成物の溶剤に対して耐溶剤性を持つが、ドライエッチングされレジスト下層膜(反射防止膜)内部が暴露されると、レジスト下層膜の下部は溶剤(アルカリ現像液など)に溶解するようになる。即ち、レジスト下層膜が半導体基板から見て膜の垂直方向に現像液への膜の溶解性の点で傾斜構造を有している。
従来の半導体基板の加工プロセスは、半導体基板上にレジスト下層膜を形成し、その上にレジストを上塗りし、レジスト下層膜とレジストで被覆された半導体基板を露光し現像しレジストパターンを形成した後、該レジストパターンを利用してエッチングガスを用いてドライエッチングを行い半導体基板を加工し、その後レジスト下層膜を含むレジストパターン(残渣)をアッシングと呼ばれる焼成工程により残渣を焼成除去していた。
また、別法によれば、半導体基板上にレジスト下層膜を形成し、その上にハードマスクを上塗りし、更にその上にレジストを上塗りし、レジスト下層膜とハードマスクとフォトレジストが被覆された半導体基板を露光と現像しレジストパターンを形成した後、該レジストパターンを利用してエッチングガスを用いてドライエッチングを行いレジストパターンをハードマスクに転写し、ハードマスクに転写されたレジストパターンによりドライエッチングを行いレジスト下層膜にレジストパターンを転写する工程、レジスト下層膜に転写されたレジストパターンにより半導体基板を加工し、その後レジスト下層膜を含むレジストパターン(残渣)をアッシングと呼ばれる焼成工程により残渣を焼成除去していた。
しかしこのアッシング工程は酸素ガスを用いるものであるから、レジスト下層膜を含むレジストパターン(残渣)を除去して表れる基板表面(例えば、銅メタル層、シリコン酸化膜層、低誘電体層等)に損傷を与えることが予想される。特に除去されて表れる基板表面が配線用の銅メタルであった場合には酸化物等を生成し好ましくない。
そこで酸素ガスによるアッシング工程を行わず、現像液によりレジスト下層膜を含むレジストパターン(残渣)を除去することができれば、該レジストパターン(残渣)を取り除いた後に出現する基板表面に損傷を与えることがないので好ましい。
本願発明は反射防止機能や、上塗り膜との間の高いガスエッチング速度比を有するという従来のレジスト下層膜の特性を備えつつ、更に酸素ガスのアッシング工程を使わずに、現像液のみによってレジスト下層膜を含むレジストパターン(残渣)を除去することが可能なレジスト下層膜である。
この様な作用効果を出現するためには、該レジスト下層膜に上層部と下層部で特性が異なる傾斜構造を持たせることが必要である。即ち、レジスト下層膜の上層部は上塗り層を形成するための組成物中の溶剤に対して高い耐溶剤特性を有していなければならない。一方、該レジスト下層膜の下層部ではアッシングを行わず現像液で除去できる特性が求められる。同一レジスト下層膜でありながら、上層部と下層部が異なる特性を両立させるために本願発明では以下の構成を有する。
本発明の半導体装置製造のリソグラフィープロセスに用いるレジスト下層膜は、表面エネルギーと架橋性官能基数とが異なる少なくとも2種類のポリマーを含むものである。そして、2種類のポリマーが均一に溶解しているポリマーの混合液である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、ポリマーと溶剤を含む。そして、架橋性化合物、架橋触媒(酸及び/又は酸発生剤)を更に含むことが可能であり、更に任意に光酸発生剤や界面活性剤を含むことができる。
レジスト下層膜形成組成物における固形分の割合は、各成分が溶剤に均一に溶解している限りは特に限定はないが、例えば0.5〜50質量%であり、または1〜30質量%であり、または3〜25質量%であり、または5〜15質量%である。ここで固形分とは、レジスト下層膜形成組成物の全成分から溶剤成分を除いたものである。
2種類のポリマーは高い表面エネルギーと少ない架橋性官能基数を有する第1のポリマーと、低い表面エネルギーと多くの架橋性官能基数を有する第2のポリマーを含むことができる。
表面エネルギー差を有する2種類のポリマーを含むレジスト下層膜形成組成物は、それを基板表面に塗布した際に、高い表面エネルギーを有する第1のポリマーは、表面エネルギーの観点から親水性が高いため半導体基板の付近に集まる。一方、低い表面エネルギーを有する第2のポリマーは、表面エネルギーの観点から疎水性が高いため気体(空気)に接している付近に集まる。レジスト下層膜形成組成物はこの表面エネルギーの差を利用して、塗布したレジスト下層膜形成組成物中で傾斜膜構造を形成させることができる。これを焼成することにより傾斜膜構造を有するレジスト下層膜が形成される。
この様な塗布されたレジスト下層膜形成組成物中で二層分層構造を形成するためには、少なくとも2種類のポリマーは最も低い表面エネルギーを有するポリマーと、最も高い表面エネルギーを有するポリマーとの表面エネルギー差は5mN/m以上、好ましくは10mN/m以上あり、通常5〜40mN/m、好ましくは10〜40mN/mの範囲で使用することができる。
ここで表面エネルギー値の算出方法を以下に示すが、本発明での表面エネルギー値の算出方法はこれに限定されるものではない。
算出には、拡張されたFowkesの式より導かれる下式(a)を用いた(「高分子」、17巻、594〜605頁参照)。
(a):WSL=γ(1+cosθ)=2((γ γ 1/2+(γ γ 1/2+(γ γ 1/2))
式中、WSLは固体(ここではレジスト下層膜である。)と液体(液滴)間の接着仕事であり、γは液体の表面エネルギーであり、θは固体表面上での液滴の接触角である。また、γ 、γ 及びγ は各々、固体の表面エネルギーの分散力成分、極性力成分及び水素結合力成分である。γ 、γ 及びγ は各々、液体の表面エネルギーの分散力成分、極性力成分及び水素結合力成分である。
この式から、表面エネルギーの分散力成分γ d、極性力成分γ 及び水素結合力成分γ が既知の水、ヨウ化メチレン及びα−ブロモナフタレンの液滴を用い、固体表面上で接触角を測定し、連立方程式を解くことにより固体、すなわち反射防止膜のγ d、γ p及びγ を算出する。
算出に用いたヨウ化メチレン、水及びα−ブロモナフタレンの表面エネルギー各成分の値を表1に示す(単位はmN/m)。
[表1]
表1
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
γ γ γ γ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヨウ化メチレン 46.8 4.0 0 50.8
水 29.1 1.3 42.4 72.8
α−ブロモナフタレン 44.4 0.2 0 44.6
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヨウ化メチレン、水及びα−ブロモナフタレンの接触角を各々、θI、θ及びθとし、上記の式に代入すると以下の式(b)、(c)及び(d)となる。
(b):γ =(3.24+4.36cosθ−1.12cosθI
(c):γ =(1.62−14.91cosθ+16.53cosθI
(d):γ =(2.63−0.998cosθ−1.97cosθI+5.59cosθ
これらの式を利用し、レジスト下層膜上でのヨウ化メチレン、水及びα−ブロモナフタレンの接触角を測定することによりレジスト下層膜のγ d、γ p及びγ を算出した。
このレジスト下層膜の上層部は上記第2のポリマーで形成され、上塗り膜形成組成物(例えば、ハードマスク形成組成物、レジスト膜形成組成物)の溶剤に耐溶剤特性を有することが必要であるから、架橋構造を有することが好ましく、ポリマー中の架橋性官能基数が多いことが好ましい。一方、レジスト下層膜の下層部は上記第1のポリマーで形成され、現像液(例えば、有機溶剤、水、アルカリ性水溶液)で容易に剥離する必要があるため、架橋構造を形成しないほうが望ましく、そのためポリマー中の架橋性官能基数は少ないことが好ましい。
最も少ない架橋性官能基数のポリマーは、該ポリマーの4以上、例えば4〜100、又は10〜100、又は10〜20の構成単位数に1個の架橋性官能基の割合で存在する。
最も多くの架橋性官能基数のポリマーは、該ポリマーの1〜3以下、例えば、3、又は2又は1の構成単位に1個の架橋性官能基の割合で存在する。
上記架橋性官能基は架橋性化合物と架橋構造を形成することが可能なものであり、水酸基、アルコキシ基、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
これらポリマーは表面エネルギー差が5mN/m以上となる組み合わせであれば、如何なる種類のポリマーの組み合わせも利用することができる。
以下に高い表面エネルギーを有するポリマーとして利用可能なポリマーの例示を行う。
Figure 0004883286
例えば、上記[1−1]のポリマーからなる膜の表面エネルギーの値は74.4mN/mである。この膜に使われるポリマーが単独、又はこのポリマーと架橋性化合物及び架橋触媒との組み合わせにおいて、乳酸エチル又は水で剥離可能であり、NMD−3(現像液、成分は水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液である。濃度は2.38質量%である。)で膨潤する。
[1−3]のポリマーからなる膜の表面エネルギーの値は55.3mN/mである。この膜に使われるポリマーが単独、又はこのポリマーと架橋性化合物及び架橋触媒との組み合わせにおいて、乳酸エチル又は水で剥離可能であり、NMD−3(現像液)で膨潤する。
[1−4]のポリマーからなる膜の表面エネルギーの値は73.9mN/mである。この膜に使われるポリマーが単独、又はこのポリマーと架橋性化合物及び架橋触媒との組み合わせにおいて、乳酸エチル又は水で剥離可能であり、NMD−3(現像液)で膨潤する。
[1−5]のポリマーからなる膜の表面エネルギーの値は71.7mN/mである。この膜に使われるポリマーが単独、又はこのポリマーと架橋性化合物及び架橋触媒との組み合わせにおいて、乳酸エチル、水又はNMD−3(現像液)で剥離可能である。
以下に低い表面エネルギーを有するポリマーとして利用可能なポリマーの例示を行う。
Figure 0004883286
例えば、式[2−1]においてm1:m2:m3=34:33:33のモル比よりなるポリマーの表面エネルギーの値は45.7mN/mである。この膜に使われるポリマーが単独では乳酸エチルで剥離可能であり、水又はNMD−3(現像液)では剥離することができない。しかし、この膜に使われるポリマーと架橋性化合物及び架橋触媒との組み合わせでは、乳酸エチル、水、及びNMD−3(現像液)では剥離することができない。
式[2−2]においてm1:m2=50:50のモル比よりなるポリマーの表面エネルギーの値は27.3mN/mである。この膜に使われるポリマーが単独では乳酸エチルで剥離可能であり、水又はNMD−3(現像液)では剥離することができない。しかし、この膜に使われるポリマーと架橋性化合物及び架橋触媒との組み合わせでは、乳酸エチル、水、及びNMD−3(現像液)では剥離することができない。
本発明に利用するポリマーは、上記ポリマーを構成するモノマーと以下のモノマーとを共重合する方法、又は以下のモノマーを単独重合する方法、又は以下のモノマー同士を共重合する方法によっても合成することもできる。
そのような化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、アクリルアミド化合物、メタクリルアミド化合物、ビニル化合物、スチレン化合物、マレイミド化合物、マレイン酸無水物、及びアクリロニトリル等が挙げられる。
アクリル酸エステル化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、フェニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレート、2−メトキシブチル−2−アダマンチルアクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルアクリレート、8−エチル−8−トリシクロデシルアクリレート、及び5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン等が挙げられる。
メタクリル酸エステル化合物としては、エチルメタクリレート、ノルマルプロピルメタクリレート、ノルマルペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,2−トリクロロエチルメタクリレート、メチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ノルマルラウリルメタクリレート、ノルマルステアリルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、ノルマルブトキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルメタクリレート、2−メトキシブチル−2−アダマンチルメタクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルメタクリレート、8−エチル−8−トリシクロデシルメタクリレート、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、及び2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルメタクリレート等が挙げられる。
アクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、及びN,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリル酸アミド化合物としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、及びN,N−ジメチルメタクリルアミド等が挙げられる。
ビニル化合物としては、ビニルアルコール、メチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、9−ビニルアントラセン及びプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
スチレン化合物としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、及びヒドロキシスチレン等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、及びN−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
第1のポリマーは高い表面エネルギーと少ない架橋性官能基数を有するポリマーのみで構成されるが、第2のポリマーは低い表面エネルギーと多くの架橋性官能基数を有するポリマーと架橋性化合物と架橋触媒を含む。従って、本発明のレジスト下層膜形成組成物は、高い表面エネルギーと少ない架橋性官能基数を有するポリマー、低い表面エネルギーと多くの架橋性官能基数を有するポリマー、架橋性化合物、架橋触媒、及び溶剤を含む組成物である。
ポリマーは、適当な有機溶剤にモノマー化合物、及び重合開始剤を加えて重合反応を行い、その後、必要に応じて重合停止剤を添加することにより製造することができる。重合開始剤及び重合停止剤の添加量としては、それぞれ、モノマーの質量に対して、例えば、1〜10質量%、1〜10質量%及び0.01〜0.5質量%である。
反応に使用される有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、乳酸エチル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトイアミド、N−メチルピロリドン及びジメチルホルムアミド等が、重合開始剤としては例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が、そして、重合停止剤としては例えば、4−メトキシフェノール等が挙げられる。反応温度としては50〜200℃、反応時間としては0.5〜50時間から、それぞれ、適宜選択される。
上記第1のポリマー及び第2のポリマーはそれぞれ、重量平均分子量は、100〜1000000、又は100〜100000、又は1000〜100000である。また、ポリマーの繰り返し単位の数は2〜10000、又は5〜1000、又は5〜1000である。
第1のポリマーと第2のポリマーの割合は、第1のポリマーが100質量部に対して、第2のポリマーが1〜100000質量部、又は10〜1000質量部の割合で用いられる。
レジスト下層膜形成組成物の固形分中で、第1のポリマーと第2のポリマーとを合わせた全ポリマーは10〜100質量%、又は30〜95質量%であり、架橋性化合物は0〜90質量%、又は5〜50質量%であり、架橋触媒(酸及び/又は酸発生剤)は0〜30質量%、又は0.01〜10質量%である。
上記架橋性化合物は、特に制限はないが、例えば、ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基で置換された窒素原子を二つ以上有する化合物が挙げられる。例えば、メチロール基、メトキシメチル基で置換された窒素原子を二つ以上有するメラミン系化合物、ベンゾグアナミン化合物及び置換尿素系化合物等が挙げられる。具体的には、メトキシメチル化グリコールウリル、メトキシメチル化ベンゾグアナミン及びメトキシメチル化メラミン等の化合物が挙げられる。架橋性化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、1,3,4,6−テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、1,3,4,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)グリコールウリル、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、1,1,3,3−テトラキス(ブトキシメチル)尿素、1,1,3,3−テトラキス(メトキシメチル)尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリノン、及び1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリノン等が挙げられ、また、三井サイテック(株)製メトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名サイメル300、サイメル301、サイメル303、サイメル350)、ブトキシメチルタイプメラミン化合物(商品名マイコート506、マイコート508)、グリコールウリル化合物(商品名サイメル1170、パウダーリンク1174)等の化合物、メチル化尿素樹脂(商品名UFR65)、ブチル化尿素樹脂(商品名UFR300、U−VAN10S60、U−VAN10R、U−VAN11HV)、大日本インキ化学工業(株)製尿素/ホルムアルデヒド系樹脂(高縮合型、商品名ベッカミンJ−300S、ベッカミンP−955、ベッカミンN)等を挙げることができる。また、このようなアミノ基の水素原子がメチロール基またはアルコキシメチル基で置換されたメラミン化合物、尿素化合物、グリコールウリル化合物及びベンゾグアナミン化合物を縮合させて得られる化合物であってもよく、例えば、米国特許6323310号に記載されている、メラミン化合物(商品名サイメル303)とベンゾグアナミン化合物(商品名サイメル1123)から製造される高分子量の化合物を挙げることもできる。
また、架橋性化合物としては、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基で置換されたアクリルアミド化合物またはメタクリルアミド化合物を使用して製造されるポリマーを用いることができる。そのようなポリマーとしては、例えば、ポリ(N−ブトキシメチルアクリルアミド)、N−ブトキシメチルアクリルアミドとスチレンの共重合体、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミドとメチルメタクリレートの共重合体、N−エトキシメチルメタクリルアミドとベンジルメタクリレートの共重合体、及びN−ブトキシメチルアクリルアミドとベンジルメタクリレートと2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの共重合体等を挙げることができる。このようなポリマーの重量平均分子量としては、例えば1000〜500000であり、また例えば、2000〜200000であり、または、3000〜150000であり、または、3000〜50000である。
これら架橋性化合物は自己縮合による架橋反応を起こすことができる。また、共に用いられる前記のポリマーに水酸基及びアルコキシ基等の架橋反応可能な基が存在する場合、それらの基と架橋反応を起こすことができる。そして、このような架橋反応によって、形成されるレジスト下層膜は架橋構造を有する強固な膜となる。その結果、その上層に塗布されるフォトレジスト組成物に一般的に使用されている有機溶剤、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ピルビン酸メチル、乳酸エチル及び乳酸ブチル等に対する溶解性が一層、低下した下層膜となる。架橋性化合物は一種のみを使用してもよく、また二種以上を組み合わせて使用することができる。
酸化合物としては、例えば、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、及びピリジニウム−p−トルエンスルホネート等のスルホン酸化合物、及びサリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、及びヒドロキシ安息香酸等のカルボン酸化合物等を挙げることができる。酸化合物としては、また、光や熱の作用によって酸を発生する化合物である、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としてはジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフエート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物等が挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
また、光や熱の作用によって酸を発生する化合物としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル及びニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート等のスルホン酸エステル化合物、及びフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物が挙げられる。
これらの酸化合物は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、必要に応じて、他のポリマー、吸光性化合物、レオロジー調整剤、及び界面活性剤等の成分を含むことができる。
他のポリマーとしては、付加重合性の化合物より製造されるポリマーが挙げられる。アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、アクリルアミド化合物、メタクリルアミド化合物、ビニル化合物、スチレン化合物、マレイミド化合物、マレイン酸無水物、及びアクリロニトリル等の付加重合性化合物より製造される付加重合ポリマーが挙げられる。また、その他、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリカーボネート、ポリエーテル、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、及びナフトールノボラック等が挙げられる。他のポリマーが使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.1〜40質量%である。
吸光性化合物としては、レジスト下層膜の上に設けられるフォトレジスト中の感光成分の感光特性波長領域における光に対して高い吸収能を有するであれば特に制限なく使用することができる。吸光性化合物としては、例えば、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アゾ化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、トリアジン化合物、トリアジントリオン化合物、キノリン化合物などを使用することができる。ナフタレン化合物、アントラセン化合物、トリアジン化合物、トリアジントリオン化合物が用いられる。具体例としては、例えば、1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、1−ナフトール、2−ナフトール、ナフチル酢酸、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6−ブロモ−2−ヒドロキシナフタレン、2,6−ナフタレンジカルボン酸、9−アントラセンカルボン酸、10−ブロモ−9−アントラセンカルボン酸、アントラセン−9,10−ジカルボン酸、1−アントラセンカルボン酸、1−ヒドロキシアントラセン、1,2,3−アントラセントリオール、9−ヒドロキシメチルアントラセン、2,7,9−アントラセントリオール、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ブロモ安息香酸、3−ヨード安息香酸、2,4,6−トリブロモフェノール、2,4,6−トリブロモレゾルシノール、3,4,5−トリヨード安息香酸、2,4,6−トリヨード−3−アミノ安息香酸、2,4,6−トリヨード−3−ヒドロキシ安息香酸、及び2,4,6−トリブロモ−3−ヒドロキシ安息香酸等を挙げることができる。
吸光性化合物が使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.1〜40質量%である。
レオロジー調整剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸化合物、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸化合物、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸化合物、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸化合物、及びノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸化合物を挙げることができる。レオロジー調整剤が使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.001〜10質量%である。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、商品名エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、商品名メガファックF171、F173、R−08、R−30(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、商品名アサヒガードAG710,サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、及びオルガノシロキサンポリマ−KP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また2種以上の組み合わせで使用することもできる。界面活性剤が使用される場合、その使用量としては、固形分中で、例えば0.0001〜5質量%である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物に使用される溶剤としては、前記の固形分を溶解できる溶剤であれば、特に制限無く使用することができる。そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、及び乳酸ブチル等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または二種以上の組み合わせで使用される。さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
以下、本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物の使用について説明する。
半導体基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板及びITO基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のレジスト下層膜形成組成物が塗布され、その後、焼成することによりレジスト下層膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度80℃〜250℃、焼成時間0.3〜60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、焼成温度130℃〜250℃、焼成時間0.5〜5分間である。ここで、レジスト下層膜の膜厚としては、例えば0.01〜3.0μmであり、例えば0.02〜1.0μmであり、また、例えば0.03〜0.5μmである。
このレジスト下層膜は半導体基板表面から下層膜の上部に向かって高い表面エネルギーと少ない架橋性官能基を有するポリマーに、低い表面エネルギーと多くの架橋性官能基を有するポリマーが順に積層した傾斜構造を有している。
レジスト下層膜中の上部に存在する第2のポリマーと、該レジスト下層膜中の下部に存在する第1のポリマーは、第1のポリマーと第2のポリマーを混合してレジスト下層膜成組成物を形成する際の混合割合によって決定される。
このレジスト下層膜の上部の第2のポリマー部分は現像液に対する溶解速度が8nm/分以下であり、該下層膜の下部の第1のポリマー部分の現像液に対する溶解速度が10nm/分以上である。即ち、レジスト下層膜の上部は、有機溶剤、水、及び現像液に対して溶けにくい。反対にレジスト下層膜の下部は有機溶剤、水、及び現像液に対して溶けやすく、後のアッシング工程を必要とせず、有機溶剤、水、又は現像液で容易に剥離させることができる。
ここで有機溶媒や水は上塗り膜(例えばハードコート膜や、レジスト膜)形成組成物の溶媒に使われるものであり、現像液はレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンを剥離させる工程に使用する。この現像液は、有機溶剤、水、アルカリ性水溶液、又はそれらの組み合わせが用いられる。
半導体基板上にレジスト下層膜形成組成物を塗布し焼成しレジスト下層膜を形成する工程、該レジスト下層膜上にフォトレジスト層形成する工程、レジスト下層膜とフォトレジスト層が被覆された半導体基板を露光と現像しレジストパターンを形成する工程、該レジストパターンによりドライエッチングを行い半導体基板を加工する工程、及び半導体基板上のレジスト下層膜を含むレジストパターンを現像液で除去する工程を経て半導体装置が製造される。
また、半導体基板上にレジスト下層膜形成組成物を塗布し焼成しレジスト下層膜を形成する工程、該レジスト下層膜上にハードマスク層を形成する工程、該ハードマスク層上にフォトレジスト層を形成する工程、レジスト下層膜とハードマスクとフォトレジストが被覆された半導体基板を露光と現像しレジストパターンを形成する工程、該レジストパターンによりドライエッチングを行いレジストパターンをハードマスクに転写する工程、ハードマスクに転写されたレジストパターンによりドライエッチングを行いレジスト下層膜にレジストパターンを転写する工程、レジスト下層膜に転写されたレジストパターンにより半導体基板を加工する工程、及び半導体基板上のレジスト下層膜含むレジストパターンを現像液で除去する工程を経て半導体装置が製造される。
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物は、デュアルダマシンプロセスにおいて使用されることの多い、高さ/直径で示されるアスペクト比が1以上であるホール(ビアホール)を有する半導体基板に対して使用することもできる。
次いで、レジスト下層膜の上に、フォトレジスト層が形成される。フォトレジスト層の形成は、周知の方法、すなわち、フォトレジスト組成物溶液の下層膜上への塗布及び焼成によって行なうことができる。
本発明のレジスト下層膜の上に塗布、形成されるフォトレジストとしては露光光に感光するものであれば特に限定はなく、また、ネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジストのいずれも使用できる。ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがあり、例えば、シプレー社製商品名APEX−E、住友化学工業(株)製商品名PAR710、信越化学工業(株)製商品名SEPR430等が挙げられる。
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びF2エキシマレーザー(波長157nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)を行なうことができる。露光後加熱は、加熱温度70℃〜150℃、加熱時間0.3〜10分間から適宜、選択される。
次いで、フォトレジスト用現像液によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
フォトレジスト用現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5〜50℃、時間10〜300秒から適宜選択される。
そして、このようにして形成されたフォトレジストのパターンを保護膜として、レジスト下層膜の除去及び半導体基板の加工が行なわれる。レジスト下層膜の除去は、上記のフォトレジスト用現像液や水や有機溶剤等で行われる。有機溶剤はレジスト下層膜形成組成物に用いられる溶剤が利用される。
本発明のレジスト下層膜形成組成物より形成されるレジスト下層膜は、リソグラフィープロセスにおいて使用される露光光の波長によっては、その光に対する吸収を有することがあり、そのような場合には、基板からの反射光を防止する効果を有する層、すなわち、反射防止膜として使用することができる。
また、本発明のレジスト下層膜は、基板とフォトレジストとの相互作用の防止するための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する層、加熱焼成時に基板から生成する物質の上層フォトレジストへの拡散、悪作用を防ぐ機能を有する層、及び半導体基板誘電体層によるフォトレジスト層のポイズニング効果を減少させるためのバリア層等として使用することも可能である。
また、本発明のレジスト下層膜形成組成物より形成されるレジスト下層膜は、デュアルダマシンプロセスで用いられるビアホールが形成された基板に適用され、ホールを隙間なく充填することができる埋め込み材として使用でき、また、基板表面を平坦化するための平坦化材として使用することもできる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
合成例1
下記式[3−1]:
Figure 0004883286
のブチロラクトンメタクリレート6.6g(0.039モル)、ヒドロキシプロピルメタクリレート6.6g(0.039モル)およびベンジルメタクリレート6.8g(0.039モル)を乳酸エチル70gに溶解させた後、フラスコ内を窒素にて置換し75℃まで昇温する。その後乳酸エチル10gに溶解したアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2gを窒素加圧下添加し、24時間反応させ式[2−1]のポリマーを合成した。
実施例1
合成例1で得たポリマー(式[2−1])の0.6g、ポリアクリル酸(式[1−1]、重量平均分子量2000)の1.08g、架橋性化合物としてテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.3g、と架橋触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジン塩0.03gを混合し、乳酸エチル26.3gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜形成組成物溶液を調製した。
実施例2
合成例1で得たポリマーの1.2g、ポリアクリル酸(式[1−1]、重量平均分子量2000)の0.96gを用いた以外は実施例1と同様にして反射防止膜形成組成物溶液を調製した。
実施例3
合成例1で得たポリマーの1.8g、ポリアクリル酸(式[1−1]、重量平均分子量2000)の0.84gを用いた以外は実施例1と同様にして反射防止膜形成組成物溶液を調製した。
実施例4
合成例1で得たポリマーの2.4g、ポリアクリル酸(式[1−1]、重量平均分子量2000)の0.72gを用いた以外は実施例1と同様にして反射防止膜形成組成物溶液を調製した。
実施例5
合成例1で得たポリマーの3.0g、ポリアクリル酸(式[1−1]、重量平均分子量2000)の0.60gを用いた以外は実施例1と同様にして反射防止膜形成組成物溶液を調製した。
比較例1
ポリアクリル酸(式[1−1]、重量平均分子量2000)の0.60g、架橋性化合物としてテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.3g、と架橋触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジン塩0.03gを混合し、乳酸エチル26.3gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜形成組成物溶液を調製した。
比較例2
合成例1で得たポリマー(式[2−1])の3.0g、架橋性化合物としてテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.3g、と架橋触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジン塩0.03gを混合し、乳酸エチル26.3gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、更に、孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して反射防止膜形成組成物溶液を調製した。
比較例3
比較例1で得た反射防止膜形成組成物溶液と、比較例2で得た反射防止膜形成組成物溶液を別々に準備した。
(反射防止膜の形成と、それら膜のドライエッチング及び現像液による剥離試験)
実施例5で得た反射防止膜形成組成物をスピナーにより、シリコンウエハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。この反射防止膜をレジストに使用する溶剤、例えば乳酸エチルに浸漬し、その溶剤に不溶であることを確認した。
実施例5から得られた反射防止膜(膜厚0.1μmに調整)は、乳酸エチル、アルカリ性現像液(NMD−3)には溶解しない。しかし、日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下で、膜厚が約50nm以下になるまでドライエッチングすると、現像液に溶解し膜を剥離させることができた。反射防止膜の深さ方向に対してポリマーや架橋剤の組成が変化し、現像液への溶解性をコントロールできることがわかった。実施例1では[2−1]のポリマーは表面エネルギーがポリアクリル酸に比べて小さいため、架橋剤とともに反射防止膜の表面近くに多く存在すると考えられ、この層がエッチングにより剥離されることにより、ポリアクリル酸を多く含有する層が暴露されるため、アルカリ現像液に溶解するようになると考えられる。
実施例1〜4で得られた各々の反射防止膜をスピナーにより、シリコンウエハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。各々の反射防止膜をレジストに使用する溶剤、例えば乳酸エチルに浸漬し、その溶剤に不溶であることを確認した。実施例1〜4から得られた各々の反射防止膜(膜厚0.1μmに調整)は、乳酸エチル、アルカリ性現像液(NMD−3)には溶解しない。しかし、日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下で、膜厚が約50nm以下になるまでドライエッチングすると、現像液に溶解し膜を剥離させることができた。
一方、比較例1で得た反射防止膜形成組成物をスピナーにより、シリコンウエハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。この反射防止膜をレジストに使用する溶剤、例えば乳酸エチルに浸漬したが、その溶剤に溶解してしまった。即ち、このポリマーが反射防止膜表面に存在する場合はレジスト膜形成組成物とのインターミキシング(層の混合)を起こす可能性がある。日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下で、膜厚が約50nm以下になるまでドライエッチングすると、現像液に溶解し膜を剥離させることができた。
また、比較例2で得た反射防止膜形成組成物をスピナーにより、シリコンウエハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。この反射防止膜をレジストに使用する溶剤、例えば乳酸エチルに浸漬したが、その溶剤には不溶であることを確認した。即ち、このポリマーが反射防止膜表面に存在する場合はレジスト膜形成組成物とのインターミキシング(層の混合)を発生しない。しかし、日本サイエンティフィック製RIEシステムES401を用い、ドライエッチングガスとしてCF4を使用した条件下で、膜厚が約50nm以下になるまでドライエッチングすると、現像液には溶解せず膜を剥離させることはできなかった。即ち、半導体基板を加工後のレジストパターン(残渣)を現像液で除去することはできず、アッシング工程を行う必要があった。
また、比較例3では比較例1で得た反射防止膜形成組成物溶液をスピナーにより、シリコンウエハー上に塗布した。ホットプレート上で205℃1分間加熱し、反射防止膜(膜厚0.10μm)を形成した。比較例1による反射防止膜上に比較例2で得た反射防止膜形成組成物溶液をスピナーにより塗布したところ、比較例1の反射防止膜は比較例2で得た反射防止膜形成組成物溶液とインターミキシングを生じ、両方の膜からなる傾斜構造を有するレジスト下層膜を形成することができなかった。
本願発明は、表面エネルギーの異なる2種類以上(好ましくは2種類)のポリマーを含む一液型のレジスト下層膜形成組成物である。この組成物より形成されるレジスト下層膜は上層部分と下層部分の特性が異なり(傾斜構造)、上層部分は上塗り層形成組成物とのインターミキシングを起こさず、上層部分はレジストパターンに従いドライエッチングで削りとり、その後、レジストパターンに従い基板を加工し、更に下層部分がレジストパターン(残渣)になった時に、そのレジストパターン(残渣)は酸素ガスによるアッシング工程を行わず、現像液で容易に剥離し除去可能であるから半導体基板表面にダメージを与えることがない。特に半導体基板表面が銅メタル配線等である場合は有効である。

Claims (5)

  1. 半導体基板上に表面エネルギーと架橋性官能基数とが異なる少なくとも2種類のポリマーを含み、該ポリマーが高い表面エネルギーと4以上の構成単位数に1個の架橋性官能基数を有する第1のポリマーと、低い表面エネルギーと1〜3の構成単位数に1個の架橋性官能基数を有する第2のポリマーであり、最も低い表面エネルギーを有するポリマーと、最も高い表面エネルギーを有するポリマーとの表面エネルギー差が5mN/m以上であり、該架橋性官能基が水酸基、アルコキシ基、又はその組み合わせであるレジスト下層膜形成組成物を塗布し焼成しレジスト下層膜を形成する工程、該レジスト下層膜上にフォトレジスト層形成する工程、レジスト下層膜とフォトレジスト層が被覆された半導体基板を露光と現像しレジストパターンを形成する工程、該レジストパターンによりドライエッチングを行い半導体基板を加工する工程、及び半導体基板上のレジスト下層膜を含むレジストパターンを現像液で除去する工程を含む半導体装置の製造方法。
  2. 半導体基板上に表面エネルギーと架橋性官能基数とが異なる少なくとも2種類のポリマーを含み、該ポリマーが高い表面エネルギーと4以上の構成単位数に1個の架橋性官能基数を有する第1のポリマーと、低い表面エネルギーと1〜3の構成単位数に1個の架橋性官能基数を有する第2のポリマーであり、最も低い表面エネルギーを有するポリマーと、最も高い表面エネルギーを有するポリマーとの表面エネルギー差が5mN/m以上であり、該架橋性官能基が水酸基、アルコキシ基、又はその組み合わせであるレジスト下層膜形成組成物を塗布し焼成しレジスト下層膜を形成する工程、該レジスト下層膜上にハードマスク層を形成する工程、該ハードマスク層上にフォトレジスト層を形成する工程、レジスト下層膜とハードマスクとフォトレジストが被覆された半導体基板を露光と現像しレジストパターンを形成する工程、該レジストパターンによりドライエッチングを行いレジストパターンをハードマスクに転写する工程、ハードマスクに転写されたレジストパターンによりドライエッチングを行いレジスト下層膜にレジストパターンを転写する工程、レジスト下層膜に転写されたレジストパターンにより半導体基板を加工する工程、及び半導体基板上のレジスト下層膜含むレジストパターンを現像液で除去する工程を含む半導体装置の製造方法。
  3. 現像液が、有機溶剤、水、アルカリ性水溶液、又はそれらの組み合わせである請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法
  4. 上記レジスト下層膜形成組成物が、更に架橋性化合物を含む請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 上記レジスト下層膜形成組成物が、更に酸及び/又は酸発生剤を含む請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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