JP4883257B2 - 消臭剤、消臭材、及び消臭方法 - Google Patents

消臭剤、消臭材、及び消臭方法 Download PDF

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Description

本発明は、消臭剤、消臭材、及び悪臭成分を消臭する方法に関する技術に関し、特に、ヒトやペットなどのし尿などの悪臭を消臭する技術に関する。
悪臭の3大要素として、アンモニアなどの窒素化合物、イソ吉草酸などの低級脂肪酸、メチルメルカプタンなどの硫黄化合物が挙げられる。
従来の消臭技術は単一悪臭成分、例えばアンモニアのみに作用して消臭するものが多く、これらの複合的な臭気を改善する消臭技術は少なかった。例えば、各種のウレアーゼ阻害剤は、尿素の加水分解によるアンモニアの発生を抑制することはできるが、既に存在しているアンモニアを分解することはできず、また硫黄化合物などの臭気には対応できない。
代表的なウレアーゼ阻害剤である塩化亜鉛は変異原性があることが知られており、小核試験やAmes試験で陽性となっているため、多量に使用することは好ましくないと考えられている。
同様に、抗菌剤を用いて、悪臭を発生する細菌を殺菌したり、細菌の活動を抑制しても、既に存在しているウレアーゼなどの酵素の活性や悪臭を抑制することはできない。
微生物、特に通性嫌気生菌であるバチルス属の細菌は、アンモニアなどの窒素化合物、イソ吉草酸などの低級脂肪酸、メチルメルカプタンなどの硫黄化合物を分解し、消臭する目的に好適であるとして、微生物を用いた消臭剤が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかし、これらの技術では、個々の微生物が消費するアンモニア量は僅かであるため、多量のアンモニア臭を消臭するためには微生物を多量に用いないと十分でないという問題があった。また、これらの技術では微生物を多量に必要とすることから微生物の培養液に担材を浸漬、含浸させて乾燥させて用いるか、液体のまま用いたとき、使用する微生物は活性を保ったままであるため、腐敗を生じたり、微生物が死滅するなどの品質の劣化が生じやすいという問題があった。
特開2003−219745号公報 特開平05−212098号公報
また、ウレアーゼを産生する、ウレアーゼ陽性の微生物、例えばBacillus pasteuriiを用いた消臭剤の提案がなされている(例えば、特許文献3参照)。しかしこのようにウレアーゼを多量に産生する微生物は、尿素の存在するし尿と接すると、尿素を加水分解して多量のアンモニアを発生させ、かえって悪臭の原因となってしまう。
特開2001−299888号公報
更に、ウレアーゼ阻害剤や抗菌剤などを用いて悪臭を低減する吸収性製品や動物リターに関する提案がされている(例えば、特許文献4、許文献5参照)。しかし、塩化亜鉛やヘキサジアミンやグアニジノ安息香酸などのウレアーゼ阻害剤や抗菌剤を単独で使用するだけでは、十分に尿素の加水分解を抑制できず、また、アンモニア以外の臭気に対しては効果がないという問題があった。
特表2002−5059162号公報 特表2002−514912号公報
一方、多くの界面活性剤は、プロテアーゼやアミラーゼを変性することにより酵素活性を阻害するものがあることが知られている。しかし、特定の界面活性剤はウレアーゼの酵素活性にほとんど影響を与えず、むしろ酵素活性を長期にわたり安定化することが知られている(例えば、特許文献6参照)。
特開平11−253199号公報
本発明は、し尿などから発生する悪臭を予防し、かつ、悪臭を分解して持続的に消臭できる消臭剤、消臭材、及び消臭方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、消臭能を有する微生物製剤と、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤とを含有することを特徴とする消臭剤を用いることで、持続的に消臭できる消臭剤、消臭材、及び消臭方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)消臭能を有する微生物製剤と、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤とを含有することを特徴とする消臭剤、
(2)界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である前記(1)の消臭剤、
(3)アニオン性界面活性剤が、スルホン酸型又は硫酸エステル型界面活性剤である前記(2)の消臭剤、
(4)スルホン酸型又は硫酸エステル型界面活性剤がポリスチレンスルホン酸である前記(3)の消臭剤、
(5)微生物製剤が、クリステンゼン尿素培地で4時間培養されたときに斜面全体が赤変しない細菌を少なくとも1種以上を含有する前記(1)ないし(4)のいずれかの消臭剤、
(6)微生物製剤が、バチルス属の細菌を少なくとも1種以上を含有する前記(1)ないし(5)の消臭剤、
(7)微生物製剤が、芽胞又は休眠子を形成している細菌を少なくとも1種以上含有している前記(1)ないし(6)のいずれかの消臭剤、
(8)消臭能を有する微生物製剤と、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤とを、吸水材に含有させることを特徴とする消臭材、
(9)界面活性剤が、前記(2)ないし(4)のいずれかの界面活性剤である前記(8)の消臭材、
(10)微生物製剤が、前記(5)ないし(7)のいずれかの微生物製剤である前記(8)又は(9)の消臭材、
(11)吸水材が、吸水性樹脂及び/又は吸水性パルプである前記(8)ないし(10)のいずれかの消臭材、
(12)消臭能を有する微生物製剤と、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤とを使用することを特徴とする消臭方法、
(13)界面活性剤が、前記(2)ないし(4)のいずれかの界面活性剤である前記(12)の消臭方法、
(14)微生物製剤が、前記(5)ないし(7)のいずれかの微生物製剤である前記(12)又は(13)の消臭方法、
を提供するものである。
本発明の消臭剤、消臭材、及び消臭方法により、し尿などから発生するアンモニア、硫黄化合物等による悪臭を予防し、かつ、悪臭を分解して持続的に消臭できる。
消臭能を有する微生物製剤とは、消臭能を有する微生物1種又は2種以上そのもの、その微生物の培養物そのもの、その微生物の培養液そのもの、その微生物の培養液又は培養物を乾燥させたものなどをいう。この中でも、クリステンゼン尿素培地で4時間培養されたときに斜面全体が赤変しない、すなわち強陽性ではないものが好ましく、さらに好ましくはクリステンゼン尿素培地で弱陽性のもの、さらに好ましくはクリステンゼン尿素培地で陰性(ウレアーゼ陰性)であり尿素の加水分解によるアンモニア発生を促進しないものが好ましく、微生物の増殖、活動に伴ってし尿中のアンモニア濃度が低下する微生物を含有することが好ましい。具体的には、星光PMC株式会社の微生物製剤OD−101、OD−106、OD−107、OD−109が挙げられる。
クリステンゼン尿素培地で4時間培養されたときに斜面全体が赤変しない微生物としては、クリステンゼン尿素培地で4時間培養されたときに斜面全体が赤変しない、すなわちウレアーゼ強陽性ではない微生物であれば使用できるが、例えばウレアーゼ陰性のBacillus amyloliquefaciやEnterobacter aerogenesなどの微生物が挙げられる。
微生物の増殖、活動に伴ってし尿中のアンモニア濃度が低下する微生物としては、微生物の増殖、活動に伴ってし尿中のアンモニア濃度が低下する微生物であれば使用できるが、例えばウレアーゼ陰性のBacillus amyloliquefaciやEnterobacter aerogenesなどの微生物が挙げられる。
なお、本発明のクリステンゼン尿素培地で4時間培養されたときに斜面全体が赤変しない微生物は、高層斜面にした生培地のクリステンゼン尿素培地(栄研化学株式会社製)に微生物を接種し、37℃で静置して4時間培養後に斜面全体での赤変が認められないものをいう。
クリステンゼン尿素培地は、尿素の分解を確認する培地であり、微生物の尿素分解能力の有無を陽性、陰性として判定できる。さらに、尿素分解能力の高低を判定することができ、微生物を37℃で培養して4時間後に斜面全体が赤変し、さらには培地全体が赤変するものを強陽性、4日目まで培養を続けて斜面又は斜面の一部だけ赤変するものを弱陽性と判定する。4日目まで培養を続けて斜面に赤変が認められないものを陰性と判定する。
尿素分解陽性とはすなわちウレアーゼ産性能力を有することを示し、尿素分解陰性とはウレアーゼを産性しないことを意味する。
また、微生物製剤が、芽胞又は休眠子を形成している細菌を少なくとも1種を含有していることが消臭材として用いる際の微生物の消臭能を妨げないため好ましい。
芽胞を形成している細菌は、グラム陽性細菌のバチルス属などの微生物を乾燥,高温などの環境条件を悪くすることで芽胞を形成させることによって得ることができ、生物活性がほとんどなく、数年から数十年にわたり生存が可能である。
また、休眠子を形成している細菌は、芽胞を形成しないグラム陰性菌のシュードモナス属などの微生物を環境条件の悪い環境で培養することで休眠状態の細菌を得ることができる。本発明では、この休眠状態を休眠子と定義する。
ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤としては、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤であればよく、具体的には、疎水性原子団(例えば、炭素数8〜20のパラフィン鎖並びにその誘導体など)と親水性原子団(例えば、アニオン性基、カチオン性基など)から構成されていて、両原子団の間に適当なバランス(HLB:Hydrophiie Lipophile Balance)が取れていることで、界面活性能を有するものである。なお、複数の疎水性原子団が共有結合で繋がれ、二量体や三量体、オリゴマー、ポリマー並びにその誘導体となっていても良い。より具体的には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ラジカル重合可能な界面活性剤が挙げられ、これらの群から選択される少なくとも一種を使用することができる。
本発明でウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤とは、表6に示す組成の試薬を蒸留水に溶解し、pH5に調製した人工尿1にウレアーゼ(ジャック・ビーン由来)濃度が1mg/Lとなるよう接種したものを参照溶液とし、この参照溶液に、界面活性剤を加えないもの(ブランク)及び界面活性剤濃度が100mg/Lとなるように接種したものを、各々三角フラスコに100mlずつ注ぎ、ゴム栓で密栓して、30℃で1日静置後に人工尿中のアンモニア濃度(JIS K0102準拠インドフェノール青吸光光度法)を測定し、ブランクよりもアンモニア量が増加するものをウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤とする。
Figure 0004883257
アニオン性界面活性剤としては、スルホン酸型又は硫酸エステル型界面活性剤、カルボン酸型又はカルボン酸エステル型界面活性剤、リン酸型又はリン酸エステル型界面活性剤などを挙げることができ、これらの群から選択される少なくとも一種を使用することができる。この中でもスルホン酸型又は硫酸エステル型界面活性剤が好ましい。さらにスルホン酸型界面活性剤が好ましい。
スルホン酸型の界面活性剤として、ジ−2−エチルヘキシルスルホ琥珀酸、2−エチルヘキシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ドデカンスルホン酸、n−ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクタデカンスルホン酸、テトラプロピレンベンゼンスルホン酸、直鎖又は分岐型のドデシルベンゼンスルホン酸、ポリナフチルメタンスルホン酸、リグニンスルホン酸、N−メチル−N−アシルタウリン酸、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、及びそのアンモニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどの塩であり、これらの群から選択される少なくとも一種を使用することができる。
硫酸エステル型の界面活性剤として、ドデシル硫酸エステル、ドデシルベンゼン硫酸エステル、オクタデシル硫酸エステルなど、及びそのアンモニウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムの塩が挙げられ、これらの群から選択される少なくとも一種を使用することができる。
これらの界面活性剤の中で、ポリスチレンスルホン酸は安全性に優れており、特に好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、一級および二級アミン類の酢酸塩、エピクロロヒドリン変性物等が使用できる。一級および二級アミン類としては、一般式RNHおよびRNHで表され、R、R、Rはそれぞれ、同一のまたは異なる炭素数1〜30の鎖状または環状炭化水素基である。R、R、Rとしては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、オレイル、フェニル、ナフチル、デヒドロアビエチルなどの置換基を挙げることが出来る。
この他のカチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウムクロライド、トリアルキルベンジルアンモニウムクロライド、ロジンアミンの酢酸塩及びエピクロロヒドリン変性物、モノオキシエチレンアルキルアミン及びポリオキシエチレンアルキルアミンを例示することができる。本発明においては、前記カチオン性低分子界面活性剤の一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を併用することもできる。
両性界面活性剤としては、ベタイン型界面活性剤、アミノ酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤、アミンオキサイド型界面活性剤を挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコールが挙げられる。本発明においては、前記非イオン性界面活性剤の一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を併用することもできる。
前記ラジカル重合可能な界面活性剤は、一般に反応性乳化剤と称され、分子中に疎水基、親水基及び炭素一炭素二重結合を有する化合物である。前記炭素一炭素二重結合を有する化合物は、例えば、(メタ)アリル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、インプロペニル基、ビニル基、及び(メタ)アクリロイル基の官能基を有する化合物が含まれる。
これらのラジカル重合可能な界面活性剤としては、通常乳化重合に適用できるものが使用可能であり、特に限定されるものではないが、具体例として例えば、分子中に前記官能基を一つ以上有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアラルキルエーテル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル、及びこれらのスルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩及びスルホコハク酸エステル塩、分子中に前記官能基を一つ以上有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルあるいはポリオキシアルキレンフェニルエーテルの脂肪族カルボン酸塩及び芳香族カルボン酸塩、酸性リン酸(メタ)アクリル酸エステル系化合物、ロジン−グリシジル(メタ)アクリレート系化合物、さらにはアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系化合物、例えばヘキシルジフェニルエーテルジスルホン酸、デシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸、ヘキサデシルジフェニルエーテルジスルホン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等を例示できる。本発明においては、前記重合性基を有する界面活性剤の一種を単独で使用することもできるし、またその二種以上を併用することもできる。
吸水材としては、吸水性のある高分子吸水性樹脂、吸水性パルプ、パルプモールド、紙、布、セルロースビーズ、多孔質ビーズ、シリカゲルなどである。
高分子吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸塩系、アクリル酸とアクリル酸ナトリウムの共重合物、澱粉とアクリル酸グラフト化物などを挙げることができる。
消臭材は、吸収材を主な原料とし、本発明の消臭剤の他に本発明の効果を害さない範囲で抗菌剤、香料などの添加物を含有する紙オムツ、布オムツ、生理用品、ペット用尿吸収シートなどを挙げることができる。
消臭能を有する微生物製剤と、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤とを使用することを特徴とする消臭方法としては、消臭能を有する微生物製剤と、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤とを予め混合して消臭材にスプレーしたり、吸水材に内包させるなどして消臭することができる。また、消臭能を有する微生物製剤と、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤とを別々又は同時に消臭剤にスプレーしたり、吸水材に内包させるなどして消臭してもよい。消臭能を有する微生物製剤の添加量については特に制限はなく、微生物製剤中の菌数にもよるが、例えば微生物製剤の菌数が5×10個/mlであれば、0.01〜100g/シート1枚・100gが好ましい。ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤の添加量についても特に制限はなく、任意の添加量で使用できるが、0.01〜100g/シート1枚・100gが好ましい。
また、本発明の消臭方法を実施する温度条件について特に限定はなく、一般に消臭剤を使用する環境であれば使用できるが、微生物が生育可能な5〜45℃の範囲が好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜12、比較例1〜10
本発明のウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤と、消臭能を有する微生物による消臭能力を、アンモニアの発生量によって評価を行った。なお、評価にあたっては、表1に示す組成の試薬をマレイン酸緩衝液に溶解し、pH6.3に調整した人工尿1にウレアーゼ(ジャック・ビーン由来)濃度が1mg/Lとなるよう接種したものを参照溶液(比較例10)とし、この参照溶液に、表2に記載の消臭能を有する微生物の菌数が1×10個/mlであり、かつ、表2に記載のウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤濃度が1000mg/Lとなるように接種したものを試験溶液1〜12(実施例1〜12)とした。また、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして接種したものを対照溶液1〜6(比較例1〜6)とし、表2に記載の消臭能を有さない微生物を用いてウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤を用いなかった以外は実施例1と同様に接種したものを対照溶液7(比較例7)とし、表2に記載の消臭能を有さない微生物を用いた以外は実施例1と同様に接種したものを対照溶液8〜9(比較例8〜9)とした。
なお、調整直後の人工尿中に含まれるアンモニア濃度は、インドフェノール青法により測定した実測値で354mg/Lであった。
<アンモニアの測定>
前記、試験溶液1〜12、対照溶液1〜9および参照溶液を、各々三角フラスコに100mlずつ注いで綿栓し、30℃、120rpmで2日間培養後に、アンモニア濃度(JIS K0102準拠インドフェノール青吸光光度法)を測定した。
Figure 0004883257
Figure 0004883257
Figure 0004883257
参照溶液、対照溶液1〜9では多量のアンモニアが生成した。これに対して試験溶液1〜12では参照溶液、対照溶液と比較してアンモニアの生成が抑制され、消臭能を有する微生物としてのウレアーゼ陰性の微生物とウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤を使用することにより、効果的に消臭することが可能であった。
実施例13、比較例11〜12:
本発明のウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤と、消臭能を有する微生物による消臭能力を、アンモニアの発生量によって評価を行った。なお、評価にあたっては、表3に示す組成の試薬を蒸留水に溶解し、pH5の人工尿を調整した人工尿2にウレアーゼ(ジャック・ビーン由来)濃度が1mg/Lとなるよう接種したものを参照溶液(比較例12)とし、この参照溶液に、表4に記載の消臭能を有する微生物の菌数を濃度が1000mg/Lであり、かつ、表4に記載のウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤濃度が200mg/Lとなるように接種したものを試験溶液13(実施例13)とした。また、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤を用いなかった以外は実施例13と同様にして接種したものを対照溶液10(比較例11)とした。
表3
人工尿2の組成
尿素2.00g
塩化ナトリウム0.80g
硫酸マグネシウム・6水和物0.08g
塩化カルシウム・2水和物0.03g
D−(+)−グルコース1.00g
リン醯2水素カリウム0.10g
蒸留水95.99g
<アンモニアの測定>
上記、試験溶液13、対照溶液10および参照溶液を、各々三角フラスコに100mlずつ注ぎ、ゴム栓で密栓し、30℃で1日静置後に三角フラスコのヘッドスペース中のアンモニアガス濃度を北川式ガス検知管で測定した。
Figure 0004883257
表4中の略号のOD−101は、クリステンゼン尿素培地で4時間培養されたときに斜面全体が赤変しないBacillus amyloliquefaciの芽胞を含有する微生物製剤OD−101(出芽可能な芽胞数5.4×10個/ml。販売元:星光PMC株式会社)である。
表4の結果から、参照溶液、対照溶液10ではアンモニアが生成した。これに対して試験溶液13ではアンモニアの生成が抑制され、消臭能の有する微生物であってクリステンゼン尿素培地で4時間培養されたときに斜面全体が赤変しない消臭微生物とウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤を使用することにより、効果的に消臭することが可能であることが明らかである。
実施例14、比較例11〜12:
本発明のウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤と、消臭能を有する微生物による消臭能力を、市販の室内設置型ペット用トイレに前記シートを設置し、家禽(ネコオス2才)による4日間使用後の臭気(アンモニア臭、硫化物臭)を通常の臭覚を有する成人5名(男性4人、女性1名)で官能試験によって評価を行った。結果を表5に示す。なお、評価にあたっては、市販の吸水性シートを参照シートとし、この参照シートに消臭能を有する微生物であってクリステンゼン尿素培地で4時間培養されたときに斜面全体が赤変しないBacillus amyloliquefaciの芽胞を含有する微生物製剤OD−101(出芽可能な芽胞数5.4×10個/ml。販売元:星光PMC株式会社)を10g/シート1枚および、ウレアーゼ活性を阻害し得る界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを2g/シート1枚に塗布したものを試験シートとした。また、前述の参照シートに消臭能を有さない微生物であってBacillus licheniformisの芽胞を含有する微生物製剤OD−107(出芽可能な芽胞数1.5×10個/ml。販売元:星光PMC株式会社)を20g/シート1枚に含有させたものを対照シートとした。
<官能試験>
官能試験は、通常の臭覚を有する成人5名(男性4人、女性1名)で行ない、その平均値とする。官能試験は下記の4段階評価で行なう。
3:非常に強い臭気(アンモニア臭)
2:強い臭気(同上)
1:弱い臭気(同上)
0:無臭
Figure 0004883257
参照シートでは非常に強いアンモニア臭、硫化物臭が発生し、対照シートでも強いアンモニア臭、硫化物臭が発生した。これに対して試験シートではアンモニア臭、硫化物臭が抑えられたことは明らかである。

Claims (11)

  1. 消臭能を有する微生物製剤と、ウレアーゼ活性を阻害し得るスルホン酸の界面活性剤とを含有することを特徴とする消臭剤。
  2. ウレアーゼ活性を阻害し得るスルホン酸の界面活性剤がドデシルベンゼンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする請求項1に記載の消臭剤。
  3. 微生物製剤が、バチルス属の細菌を少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の消臭剤。
  4. 微生物製剤が、Salmonella typhimurium、Enterobacter aerogenes、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureusの細菌を少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の消臭剤。
  5. 微生物製剤が、芽胞又は休眠子を形成している細菌を少なくとも1種以上含有していることを特徴とする請求項3又は4に記載の消臭剤。
  6. 消臭能を有する微生物製剤と、ウレアーゼ活性を阻害し得るスルホン酸の界面活性剤とを、吸水材に含有させることを特徴とする消臭材。
  7. 界面活性剤が、ドデシルベンゼンスルホン酸又はポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする請求項6に記載の消臭材。
  8. 微生物製剤が、バチルス属の細菌を少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項6又は7に記載の消臭材。
  9. 微生物製剤が、Salmonella typhimurium、Enterobacter aerogenes、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureusの細菌を少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の消臭材。
  10. 微生物製剤が、芽胞又は休眠子を形成している細菌を少なくとも1種以上含有していることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の消臭材。
  11. 吸水材が、吸水性樹脂及び/又は吸水性パルプであることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の消臭材。
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