JP4882704B2 - ダストコントロールマット - Google Patents

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Description

本発明は、自然循環型の環境対応素材であるポリトリメチレンテレフタレートを用い、汚れ落とし性、圧縮回復性、汚染性に優れたダストコントロールマットに関するものである。
近年、石油資源の大量消費によって生じる地球温暖化や、大量消費に伴う石油資源の枯渇が懸念されており、地球規模にて環境に対する意識が高まりつつある。このような背景において、植物由来原料(バイオマス)からなり、使用後は自然環境中で最終的に水と二酸化炭素にまで分解する、自然循環型の環境対応素材が切望されている。
しかしながら、このようなバイオマス利用の生分解性ポリマーは、製造コストが高く、また力学特性や耐熱性が低いという問題があり、汎用プラスチックとして利用されることはなかった。
これらを解決できるバイオマス利用のポリマーとして近年、ポリトリメチレンテレフタレートが注目されている。ポリトリメチレンテレフタレートは、1,3−プロパンジオールとテレフタル酸からなるポリマーであるが、1,3−プロパンジオールをバイオマスから合成する製造法が提案され(例えば、特許文献1〜4参照)、バイオマスより合成されたポリトリメチレンテレフタレートは、バイオマスの比率が重量比で約37%となる。また、バイオマス利用にポリマーの多くは、自然界にて微生物により分解されるものがほとんどであるが、ポリトリメチレンテレフタレートは、微生物により分解されることはなく、耐久性の求められている分野での利用が期待されている。
一方、ダストコントロールマットは、主にナイロン繊維がそのパイルに用いられている。この理由は、鮮やかな発色性、歩行への耐久性が優れているからである。しかしながら、ナイロン繊維を用いたダストコントロールマットの課題として、汚れやすさ、汚れの落ちにくさが挙げられる。これらの課題克服のため、防汚油剤や光触媒による防汚加工が提案されているが(例えば、特許文献5、6参照)、ナイロン繊維そのものの汚れやすさを改善するものではなく、効果も不十分であり、その洗濯後の耐久性にも劣るものであった。
このように、環境負荷を低減し、かつ、発色性、耐久性、防汚性に優れたダストコントロールマットは未だ提案されていないのが現状である。
特表2001−505041号公報 特表平11−502718号公報 特表平10−507082号公報 特表2001−504338号公報 特開平2−144033号公報 特開2000−245778号公報
本発明の目的は、かかる従来の課題を解決し、発色性、耐久性、防汚性に優れたダストコントロールマットを提供せんとするものである。
上記課題を解決するための本発明は、パイル糸を有するダストコントロールマットであって、該パイル糸にポリトリメチレンテレフタレートを主成分とし、加熱流体捲縮付与装置により捲縮を付与した捲縮糸を用い、該捲縮糸は、糸を構成する単糸の繊度が10〜100dtex、撚り回数が50〜300回/m、かつ、120〜125℃で熱セットされたものであり、さらに、パイル目付が500〜5000g/mであることを特徴とする。
本発明によれば、パイル糸にポリトリメチレンテレフタレートを主成分とし、加熱流体捲縮付与装置により捲縮を付与した捲縮糸を用い、該捲縮糸は、糸を構成する単糸繊度が10〜100dtex、撚り回数が50〜300回/m、かつ、120〜125℃で熱セットされたものであり、さらに、パイル目付が500〜5000g/mであるダストコントロールマットとすることにより、発色性、耐久性、防汚性に優れたダストコントロールマットを得ることができる。
本発明者らは、上記の課題を実行するために鋭意検討した結果、パイル糸にポリトリメチレンテレフタレートを主成分とし、加熱流体捲縮付与装置により捲縮を付与した捲縮糸を用い、好ましくは、パイル糸にバイオマス由来成分から合成された1,3−プロパンジオールを用いたポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする捲縮糸を用い、さらに該パイルを構成する捲縮糸の単糸繊度が10〜100dtexであり、かつパイル目付が500〜5000g/mであるダストコントロールマットとすることにより、かかる課題を一挙に解決することを見いだした。
本発明は、カットパイル、あるいはループパイルが形成された布帛からなるダストコントロールマットに関するものであり、パイル糸には、ポリトリメチレンテレフタレートフィラメント捲縮糸が好ましく用いられる。
本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレートは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、トリメチレンテレフタレート単位を50モル%以上、好ましくは80モル%以上を含む。本発明におけるポリトリメチレンテレフタレート としては、テレフタル酸または例えばテレフタル酸ジメチルなどの誘導体と、1,3−プロパンジオールまたはその誘導体とを触媒の存在下、重縮合せしめることにより合成される。この合成過程において、適当な一種または二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしても良いし、また、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ポリアミドなどをブレンドしたり、芯鞘型あるいはサイドバイサイド型に複合紡糸した複合繊維であっても良い。
本発明に用いられる捲縮糸は、芯鞘型、サイドバイサイド型、ポリマーアロイ型の複合繊維であってもよいが、その成分に50重量%以上ポリトリメチレンテレフタレートが含まれていることが好ましい。50重量%より少なくなると、ダストコントロールマットとして要求される、発色性、耐久性、防汚性を得ることが難しくなる。
添加しうる第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(パラオキシ安息香酸等)等が挙げられる。更に、ポリトリメチレンテレフタレート繊維には、二酸化チタン等のつや消し剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶核剤、易滑剤、抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤、ポリカルボジイミド等の加水分解抑制剤が添加されていても良い。
本発明のダストコントロールマットに用いられるポリトリメチレンテレフタレート繊維は、嵩高性を有する捲縮糸である。
捲縮糸としては、捲縮加工装置によって単成分繊維に捲縮加工を施したものや、芯鞘型または、サイドバイサイド型複合繊維に熱処理を施し捲縮を付与したものであってもよい。
捲縮加工装置により単成分繊維に捲縮加工を施す場合、熱延伸が終了した糸条を加熱流体捲縮付与装置に導入して、捲縮を付与したものである。加熱流体捲縮付与装置は、加熱高圧流体を糸状に噴射して単糸をランダムに交絡させ、3次元ループやたるみを形成させる加熱流体噴射ノズル装置、上記捲縮糸をさらに加熱流体の下に圧縮熱処理を行うための圧縮熱処理装置、および捲縮加工された糸条を加熱と共に噴出させ、該糸条を冷却するための回転移送装置などからなる。加熱流体としては、加熱蒸気または加熱空気を用いる。加熱流体の温度は、130〜250℃が好ましく、この範囲の中で、加熱流体の乾き度、圧力、流量、および処理する繊維の繊度、処理速度に応じて適切な条件を選択する。また、圧縮熱処理装置は薄いリングを一定の間隙を持たせて積層した環状の装置であり、リング間の間隙により流体は吸引される。該圧縮熱処理装置内で糸条は折りたたまれ、積層されながら一定時間滞留して熱処理された後、回転移送装置上へ噴出される。回転移送装置上に噴出された捲縮糸条は、プラグ状であるが、回転移送装置表面のパンチング孔で吸引されながら移送される。
芯鞘型あるいはサイドバイサイド型に複合紡糸した複合繊維としては、構成成分の一方にポリトリメチレンテレフタレート(高収縮成分)を用いたものを挙げることができ、もう一方(低収縮成分)の成分としては、高収縮成分として用いたポリトリメチレンテレフタレートよりも低収縮な成分であれば特に限定されない。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、また高収縮成分として用いたポリトリメチレンテレフタレートと特性の異なる、特に粘度の異なるポリトリメチレンテレフタレートを用いることもできる。なかでも、低収縮成分(低粘度成分)には、高収縮成分であるポリトリメチレンテレフタレートに対して界面接着性が良好で、力学的特性、化学的特性及び原料価格にも優れているポリエチレンテレフタレートが最も好ましい。
ポリエチレンテレフタレートとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、他のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%以下の割合で含まれるものはより好ましい。共重合可能な化合物としては、例えば、(1)スルフォン酸、ナトリウムスルフォン酸、硫酸、硫酸エステル、硫酸ジエチル、硫酸エチル、脂肪族スルフォン酸、エタンスルフォン酸、クロロベンゼンスルフォン酸、脂環式スルフォン酸、イソフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、アジピン酸、シュウ酸、デカンジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸などのジカルボン酸類、(2)トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ハイドロキノン、ビスフェノールAなどのジオール類、が好ましく使用される。
また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを添加してもよい。
上記の複合繊維は熱処理されることにより、コイル状捲縮を発現させ、織物を形成した際に所望の伸縮性を得ることができる。
ポリマーアロイ型の複合繊維を構成するポリマーアロイ成分としては、熱可塑性ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等を好ましく用いることができる。
さらに、本発明においては、パイル糸に用いる捲縮糸を構成する単糸の繊度は10〜100dtexである。好ましくは、単糸繊度が15〜50dtexである。単糸繊度が10dtex未満となるとダストコントロールマットとしたときの圧縮回復性が悪化してくる。また、100dtexを越えるとダストコントロールマットとしての手触りが悪化してくるため好ましくない。
捲縮糸を構成する単糸の本数は、10〜300本であることが好ましく、そのトータル繊度は、500〜3000dtexであることが好ましい。単糸本数が300本を越え、またはそのトータル繊度が500dtex未満であるとダストコントロールマットとしたときの圧縮回復性が悪化してくる。また、単糸本数が10本未満で、そのトータル繊度が3000dtexを越えるとダストコントロールマットとしたときの手触りが悪化してくる。
また、本発明に用いられる捲縮糸の強度は1〜10cN/dtexであることが好ましい。1cN/dtex未満であると、製造の際、糸切れが生じやすくなり正常にタフトできない場合があるうえに、ダストコントロールマットとしたときの耐久性が悪化してくる場合がある。また、10cN/dtexを越えるものは製造が難しくなる。
また、パイル糸を構成する捲縮糸は、沸騰水処理後の捲縮伸長率が5〜100%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜80%、さらに好ましくは、5〜60%である。沸騰水処理後の捲縮伸長率が5%未満である捲縮糸を用いてダストコントロールマットを製造すると、得られたダストコントロールマットの外観が悪化し易く、一方100%を越える捲縮糸を用いる場合はダストコントロールマットを製造すること自体が難しくなる。
ここで、沸騰水処理後の捲縮伸張率は、室温30±5℃、相対湿度50〜75%の雰囲気中に20時間以上放置されていたパッケージから解舒した捲縮糸を、無荷重状態で30分間沸騰水で浸漬処理した後、平衡水分率まで乾燥し、これを沸騰水処理後捲縮糸の試料とする。この試料糸に2mg/dtex(0.0196mN/dtex)の初荷重をかけ、30秒経過した後に試料長50cm(L1)にマーキングをする。次いで、同試料に100mg/dtex(0.98mN/dtex)の定荷重をかけて30秒経過後に伸びた試料長(L2)を測定する。下記式により、捲縮伸張率(%)を求める。
捲縮伸張率(%)=[(L2−L1)/L2]×100 。
なお、沸騰水処理前に糸条を放置する際の雰囲気条件は、実際のカーペット製造工程において使用されるときの捲縮糸状態、すなわち、吸湿により捲縮特性が平衡状態に達した状態とするためのものであり、平衡状態に達するのに時間がかかりすぎず、かつ結露を生じないという点から選定したものである。
沸騰水処理後の捲縮伸張率を5〜100%のものとするには、前記した偏心芯鞘型、サイドバイサイド型の複合繊維や捲縮加工装置により捲縮加工を行った単成分繊維を用いることが好ましい。
ダストコントロールマットを構成するパイルは、捲縮糸を2本から10本に合糸または、撚糸したものが好ましい。パイルを合糸または、撚糸することにより、合糸または、撚糸を行わないものより外観が良く、耐久性の高いダストコントロールマットを得ることができる。捲縮糸を撚糸する際、その撚り回数は、50〜300回/mであることが好ましくさらに好ましくは、80〜220回/m、より好ましくは、80〜190回/mである。撚り回数が50回未満であると、撚糸することによる外観変化、糸強度の向上効果を十分に得ることができず、300回を越えると捲縮糸の嵩高性を損なう結果となる。
また、撚糸を構成する糸は、ポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸の単独糸だけでなく、ポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸と、ナイロン捲縮糸、ポリエステル捲縮糸、ポリプロピレン捲縮糸、ポリ乳酸捲縮糸など他の繊維糸とを撚糸したものであってもよい。
本発明の捲縮糸は、タフティングマシン等により織物、編物、不織布などの布帛からなるカーペット基布にタフトされ、撚り止めと捲縮糸のバルキー性を高めるため、熱セットされることが好ましい。熱セットの方法は、連続セット法(弛緩常態でスチームまたは乾熱によるセット法)やオートクレープ等の公知の方法で良く、熱セット温度は、80〜150℃が好ましい。そして、ポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸を熱セットする場合、熱セット温度は、熱セット後の糸強力保持率が90%以上となるようにすることが好ましい。しかしながら、熱セット温度が、140℃を上回る場合には、熱セット後の糸強力が90%以下となり易く、タフト工程にて糸切れ等の問題が発生し易くなるだけでなく、タフト後のマット質感も低下し易い。一方、熱セット温度が120℃を下回ると、熱履歴が不足しやすく、パイル毛先が開き、マット質感に劣るものとなり易い。したがって、120〜140℃で熱セットを施すことが好ましい。120〜140℃で熱セットすることで熱セット後の強力低下も少なく、タフト後のカーペット表面のパイル先端が揃ったつぶ感のある美しいカーペットを容易に得ることができる。
本発明のダストコントロールマットは、ポリトリメチレンテレフタレートから構成される捲縮糸をパイル目付が、500〜5000g/mになるようにタフトされる。さらに好ましくは、500〜3000g/m、さらに好ましくは、500〜2000g/mである。パイル目付が500g/m未満であるとダストコントロールマットとしての基本性能である、汚れ落とし性が著しく悪化してくる。また、5000g/mを越えるとコストパフォーマンスが悪くなる。
本発明に用いられる、ダストコントロールマットは着色されていることが好ましい。着色方法は特に限定されないが、繊維を紡糸する際に顔料を添加する方法(原着法)または、染料による着色(染色法)が好ましく用いられる。
繊維を紡糸する際の顔料は、フェロシアン化物、珪酸塩、炭酸塩、リン酸塩、鉛、クロムおよびカドミウムを除く酸化物、カーボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉およびチタン粉末被覆雲母等の無機顔料、フタロシアニン系、ペリレン系、イソイントセリノン系等の有機顔料から選ばれた2種以上組み合わせたものを好ましく用いることができる。
例えば、無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−鉄系ブラック等の酸化物、紺青のようなフェロシアン化物、群青のような珪酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、マンガンバイオレットのようなリン酸塩、カーボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉、およびチタン粉末被覆雲母等が用いられる。鉛、クロムおよび角ミニ有無等の重金属を含む無機顔料を用いることは好ましくない。
また、有機顔料としては、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーンおよび臭素化銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、ペリレンスカーレット、ペリレンレァ、ペリレンマルーン等のペリレン系イソインドリノン系等が用いられる。
また、染色においてはポリエステルに用いられる分散染料にて染色が可能であり、糸にて染めるチーズ染色法や、タフト後染色するウインス染色双方で染色できる。染料は、より耐光性の高いアゾ基をもつ高耐光染料が好ましく用いられる。染色における染色温度は、90℃〜130℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは、90〜120℃である。90℃未満で染色した場合、染料が十分繊維内部に浸透せず、染色堅牢度が悪化し易い。染色後の堅牢度を向上させる還元洗浄は行ってもよい。
本発明のダストコントロールマットは、ポリエステルの一種であり、ポリマー中に汚染物質と結合する官能基が無いことから、防汚性に優れている。例えば、コーヒーに対する防汚性を次のように評価し、4.5級以上(ほとんど汚れが認められない)であることが好ましい。評価は、まずサンプルをコーヒー浴(ネスカフェエクセラ(登録商標)、コーヒー粉35g/l)にいれ、80℃×5分間浸漬し、その後サンプルを家庭用洗濯機にて脱水し、80℃×2時間乾燥させる。その後、家庭用洗剤(4g/l)にて20分洗浄し、すすぎ1分、脱水30秒、80℃×2時間乾燥させ、乾燥後のサンプルの汚れ状態を等級にて判定する。
また、油汚れに対する防汚性は次のように評価し、4.5級以上(ほとんど汚れが認められない)であることが好ましい。評価は、まず、サンプルを廃エンジン油(乗用車にて5000km〜10000km走行したもの)に常温にて5分間浸漬した後、サンプルの余分な油を吸い取り、常温にて2時間放置する。その後、家庭用洗剤(4g/l)にて20分洗浄し、すすぎ1分、脱水30秒、80℃×2時間乾燥させ、その後のサンプルの汚れ状態を等級にて判定する。
また、緑茶に対する防汚性については次のように評価し、4級以上(わずかな汚れが認められる)であることが好ましい。評価は、まず、サンプルに5cmの筒をのせ、そこに汚染物質(緑茶、80℃、お湯に対する茶葉投入量150g/l)を10ml滴下した。その後、24時間放置後、高温フェードメーター(83℃×4時間)にて照射した後、サンプルの汚れ状態を等級にて判定する。
また、カレー(ボンカレー中辛(登録商標))汚れに対する防汚性は次のように評価し、4級以上(わずかな汚れが認められる)であることが好ましい。評価は、まず、サンプルに汚染物質(カレー)5gをすり込むようにし、その後、流水にて汚染物質を洗い流し、その後のサンプルの汚れ状態を等級にて判定する。
また、Kool−Aid(登録商標)に対する汚れ性は、次のように評価し、4.5級以上(ほとんど汚れが認められない)であることが好ましい。評価は、サンプルに5cmの筒をのせ、そこに汚染物質(Kool−Aid(登録商標) cherry味)を10ml滴下した。その後、流水にて汚染物質を洗い流し、サンプルの汚れ状態を等級にて判定する。
本発明のダストコントロールマットは、特に、パイルを構成する捲縮糸の単糸繊度を10〜100dtex、撚り回数を50〜300回/mとすることにより、優れた汚れ落とし性を得ることができる。例えば、泥が付着した靴底をカーペットに3回擦りつけ、靴底の汚れを級にて判定すると、4.5級以上となる。
本発明に用いられるポリトリメチレンテレフタレートを構成する1,3−プロパンジオールは、エチレンオキサイドを触媒上でホスフィン、水、一酸化炭素、水素および酸の存在下で化学合成したものや、アクロレインの触媒液相水和による製造等の化石燃料を出発物質とするものを用いても良いが、遺伝子組み換え生物によりグルコースまたはその他の炭水化物から合成されたものが好ましい。バイオ法により合成された1,3−プロパンジオールは、いわゆるバイオマス由来成分となり、化石燃料から合成された1,3−プロパンジオールと比べ、ポリマーの化石燃料使用量を減少させることが可能であり、より地球への環境負荷が小さいダストコントロールマットが製造可能である。1,3−プロパンジオールがバイオ法により合成されたポリトリメチレンテレフタレートは、その重量の約37%がバイオマス由来成分より合成されたものとなる。なお、1,3−プロパンジオールの合成法は、特許文献1〜4により開示されている。
以下、本発明のダストコントロールマットの実施例を説明する。
なお、実施例中における特性の測定方法としては、以下の方法を用いた。
A.繊度(dtex)
JIS L 1013(1999年)により測定した。
B.目付(g/m
タフト後のカーペットを50cm角に切り取り、その質量を測定した。その後、タフト基布の質量を除いた重量を4倍し、1m四方に換算したものを目付とした。
C.汚れ落とし性
泥が付着した靴底をカーペットに3回擦りつけ、靴底の汚れを5段階(5級:汚れの見られないもの、4級:わずかであるが汚れの見られるもの、3級:汚れが見られるが目立たないもの、2級:汚れが付着しているもの、1級:著しく汚れが付着しているもの)にて判定した。
D.圧縮回復性
50×50mmの試験片を平台上におき、60×60mmのガラス板(125g)の荷重が試験片に均等にかかるようにのせて、10秒後に平台とガラス板の間隙を四方の4カ所を測定し、その平均値を厚さ(T0)とする。厚さ(T0)を測定した試験片で荷重を49N(1.96N/cm)をかけ、10分後の厚さ(T1)を測定し、次いで荷重とガラス板を除いて10分間放置した後、再び厚さ(T2)を測定し、下式にて圧縮回復性を求めた。
圧縮回復性={(T2−T1)/(T0−T1)}×100 。
E.コーヒー汚れ性
サンプルをコーヒー浴(ネスカフェエクセラ(登録商標)、コーヒー粉35g/l)にいれ、80℃×5分間浸漬した。汚染させたサンプルを家庭用洗濯機にて脱水した後、80℃×2時間乾燥させた。その後、家庭用洗剤(4g/l)にて20分洗浄し、すすぎ1分、脱水30秒、80℃×2時間乾燥させた。乾燥後のサンプルの汚れ状態を等級にて判定した。
F.油汚れ性
サンプルを廃エンジン油(乗用車にて5000km〜10000km走行したもの)に常温にて5分間浸漬した後、サンプルの余分な油を吸い取り常温にて2時間放置した。その後、家庭用洗剤(4g/l)にて20分洗浄し、すすぎ1分、脱水30秒、80℃×2時間乾燥させた。乾燥後のサンプルの汚れ状態を等級にて判定した。
G.緑茶汚れ性
サンプルに5cmの筒をのせ、そこに汚染物質(緑茶、80℃、お湯に対する茶葉投入量150g/l)を10ml滴下した。その後、24時間放置後、高温フェードメーター(83℃×4時間)にて照射した後、サンプルの汚れ状態を等級にて判定した。
H.カレー汚れ性
サンプルに汚染物質(ボンカレー中辛(登録商標))5gをすり込むようにして汚染させた。その後、流水にて汚染物質を洗い流し、その後のサンプルの汚れ状態を等級にて判定した。
I.Kool−Aid(登録商標)汚れ性
サンプルに5cmの筒をのせ、そこに汚染物質(Kool−Aid cherry味)を10ml滴下した。その後、流水にて汚染物質を洗い流し、サンプルの汚れ状態を等級にて判定した。
J.非石油系比率(バイオマス由来の成分比率)
使用ポリマーのうち、非石油系原料が使用されている割合を重量%にて表示した。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
K.撚糸強力保持率
捲縮糸を寄り合わせた後、各セット温度にて5分間撚り糸を加熱し、セット糸を得た。得られたセット糸について、JIS L 1013(1999)8.5.1に基づいて撚糸強力測定を実施した。
引張試験機のつかみに取り付け、つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分の速度で引張試験を実施し、試料が切断したときの加重(N)を測定した。
その後、次式により強力保持率を算出した。
強力保持率(%)=((セット後の撚糸強力)/(セット前撚糸強力))×100
L.捲縮糸の強度T
JIS L 1013:1999 8.5.1に準拠して測定した。
試料を緩く張った状態で、引張試験機(株式会社オリエンテック製テンシロン(登録商標)UCT−100)のつかみにつかみ間隔20cmで取り付け、引張速度20cm/分の定速伸長にて試験を行った。荷重を大きくしながら試料を引っ張り、試料が切断したときの荷重SD(cN)を測定し、次の式によって引張強さ(強度T)を算出した。試験回数は10回とし、その平均値を本発明における捲縮糸強度とした。
=SD/F
ここで、T:引張強さ(捲縮糸の強度)(cN/dtex)
SD:切断時の荷重(cN)
:試料の正量繊度(dtex)
なお、試料の正量繊度Fは、JIS L 1013:1999 8.3.1に準拠して測定した。
試料を枠周1.125mの検尺機を用い、所定荷重をかけ、120mim−1の速度で巻き返し、所定糸長の小カセを作り、その質量を量り、見掛繊度(D’)を求めた。測定回数は5回とし、次式によって算出される平均値を正量繊度とした。
=D’×〔(100.2)/(100+R)〕
Re:試料の平衡水分率(%)
試料の平衡水分率は、JIS L0105 3.1に準拠して測定した。
水分平衡に達した試料から約5g採り、その質量及び絶乾質量を量り、次式算出し、2回の平均値を平衡水分率(%)とした。
Re=(m−m’/m’)×100
m:試料採取時の質量(g)
m’:試料の絶乾質量(g)
M.沸騰水処理後の捲縮伸張率
室温30±5℃、相対湿度50〜75%の雰囲気中に20時間以上放置されていたパッケージから解舒した捲縮糸を、無荷重状態で30分間沸騰水で浸漬処理した後、平衡水分率まで乾燥し、これを沸騰水処理後捲縮糸の試料とする。この試料糸に2mg/dtex(0.0196mN/dtex)の初荷重をかけ、30秒経過した後に試料長50cm(L1)にマーキングをする。次いで、同試料に100mg/dtex(0.98mN/dtex)の定荷重をかけて30秒経過後に伸びた試料長(L2)を測定する。下記式により、捲縮伸張率(%)を求める。
捲縮伸張率(%)=[(L2−L1)/L2]×100 。
N.マット質感
タフト後のマット質感を目視し、次の基準で評価した
◎:カーペットとして非常に優れる(パイル毛先が開かず、パイル毛先の一つ一つがはっきり確認可能なつぶ感のあるマット)
○:カーペットとして優れる(パイル毛先がやや開いているが、つぶ感のあるマット)
△:カーペットとしてやや劣る(パイル毛先が開いており、つぶ感の感じられないマット)
[参考例1]
本発明に用いた、ポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸の製造法を参考例として記載する。
バイオマス由来成分より合成された1,3−プロパンジオールを用いたポリトリメチレンテレフタレートチップに、0.85重量%となるように顔料を混練して作成したマスターチップ(カーボンブラック/ベンガラ/チタンイエロー=1/12/1)をエクストルーダー型紡糸機にて混練し、紡糸温度220℃にてY型孔を有する孔数68の口金から吐出し、糸条を形成した。
口金から吐出された紡糸糸条は、チムニー風により冷却固化した後、低粘度鉱物油で希釈した油剤液を付与した後、引取ロール(ネルソンタイプロール、回転速度700m/分、ロール温度65℃)に捲回した。
糸条を巻き取ることなく引き続いて、第1延伸ロール(ネルソンタイプロール、回転速度600m/分、ロール温度85℃)に捲回することにより1段目の延伸を行った。更に糸条を巻き取ることなく引き続いて、第2延伸ロール(ネルソンタイプロール、回転速度1800m/分、ロール温度150℃)に捲回することにより2段目の延伸を行った。
次に、糸条を巻き取ることなく引き続いて、延伸糸条を捲縮加工装置に導き、220℃、の加熱蒸気によって捲縮加工し、回転移送装置上に噴出させ、冷却した。次に、プラグ状の捲縮糸の塊を2個1対のセパレートロールにてストレッチをかけ、塊を解した。該捲縮糸に交絡処理を施し、チーズ状に巻き取り、1450dtex−68filの捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の沸騰水処理後の捲縮伸張率は、22%であった。
[参考例2]
バイオマス由来成分より合成された1,3−プロパンジオールを用いたポリトリメチレンテレフタレートチップを、紡糸温度220℃にてY型孔を有する孔数54の口金から吐出し、糸条を形成した。
口金から吐出された紡糸糸条は、チムニー風により冷却固化した後、低粘度鉱物油で希釈した油剤液を付与した後、引取ロール(ネルソンタイプロール、回転速度700m/分、ロール温度65℃)に捲回した。
糸条を巻き取ることなく引き続いて、第1延伸ロール(ネルソンタイプロール、回転速度600m/分、ロール温度85℃)に捲回することにより1段目の延伸を行った。更に糸条を巻き取ることなく引き続いて、第2延伸ロール(ネルソンタイプロール、回転速度1800m/分、ロール温度150℃)に捲回することにより2段目の延伸を行った。
次に、糸条を巻き取ることなく引き続いて、延伸糸条を捲縮加工装置に導き、220℃、の加熱圧空によって捲縮加工し、回転移送装置上に噴出させ、冷却した。次に、プラグ状の捲縮糸の塊を2個1対のセパレートロールにてストレッチをかけ、塊を解した。該捲縮糸に交絡処理を施し、チーズ状に巻き取り、1650dtex−54filの捲縮糸を得た。得られた捲縮糸の沸騰水処理後の捲縮伸張率は20%であった。
参考例3
ポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸の汚れ性を確認するため、前記参考例1で得られたトータル繊度1450dtex、単糸繊度が21dtex、フィラメント本数68本のポリトリメチレンテレフタレート原着フィラメント捲縮糸を2本合糸し、160回/m撚糸を行った後、ポリエチレンテレフタレート(PET)よりなるスパンボンド不織布にパイル目付が1000g/mとなるように、タフトを行った。パイルの先端はカットし、サキソニー調のポリトリメチレンテレフタレートカーペット1を得た。得られたカーペットの質感は、優れたものであり、汚れ落とし性は、4.5級と良好な数値であった。また、カーペットの圧縮回復性は、96.2%と良好な圧縮回復性を示した。その他、得られたカーペットの汚染性は、すべての汚れに対して、4−5級と良好であった。また、非石油系比率は37%であった。結果を表1に示す。
参考例4
ポリトリメチレンテレフタレートフィラメント捲縮糸の染色後の汚れ性を確認するため、前記参考例2で得られたトータル繊度1650dtex、単糸繊度が31dtex、フィラメント本数54本のポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸に下撚りとしてS撚りを160回/mかけ、さらにこれを2本合糸し、上撚りとしてZ撚りを160回/mかけ、105℃にて熱セットを施した。その後、染色釜に浴比1:15の染色浴を準備し、分散染料としてDisperse Yellow KT−1、Disperse Red KT−1、Disperse Blue KT−1を総染料濃度で5%owf、染色助剤として、酢酸を0.5g/l、ニッカサンソルト RM−340(日華化学(株)製)を0.5g/l添加し、当該染色浴に前記撚糸を入れ、110℃で30分間、染色処理を施した。
その後、参考例3と同様にタフトを行い、サキソニー調のポリトリメチレンテレフタレートカーペット2を得た。得られたカーペットの質感は、優れたものであり、汚れ落とし性は、4.5級と良好な数値であった。また、カーペットの圧縮回復性は、95.9%と良好な圧縮回復性を示した。その他、カーペットの汚染性は、すべての汚れで4〜5級であった。また、非石油系比率は37%であった。結果を表1に示す。
[参考例5]
低目付下におけるポリトリメチレンテレフタレートカーペットの性能を確認するため、カーペットパイル目付を700g/mに変更するほかは、参考例4と同様にタフトを行い、サキソニー調のポリトリメチレンテレフタレートカーペット3を得た。得られたカーペットの質感は、優れたものであり、汚れ落とし性は、4.5級と良好な数値であった。また、カーペットの圧縮回復性は、85.2%と良好な圧縮回復性を示した。その他、カーペットの汚染性は、すべての汚れで4〜5級であった。また、非石油系比率は37%であった。結果を表1に示す。
[参考例6]
ポリトリメチレンテレフタレート繊維のセット時の強力保持率と得られたマット質感を確認するため、参考例1で得られた1450dtex−68filの捲縮糸を用い、170回/mで撚糸した後、熱セット温度135℃、熱セット時間5分にて撚糸を弛緩状態でスチームセットした。その後、撚糸強力保持率を測定したところ、その強力保持率は95%で有り、タフト使用に問題ない強力であった。その後、ポリエチレンテレフタレート(PET)よりなるスパンボンド不織布に目付が1000g/mとなるように、タフトを行った。パイルの先端はカットし、サキソニー調のポリトリメチレンテレフタレートカーペット4を得た。得られたカーペットの質感は、非常に優れたものであった。結果を表1に示す。
[実施例]
ポリトリメチレンテレフタレート繊維のセット時の強力保持率と得られたマット質感を確認するため、熱セット温度を125℃とする以外は、参考例6と同じ条件にて、カーペット5を得た。スチームセット後の撚糸強力保持率を測定したところその強力保持率は、97%であった。また、得られたカーペットは、質感に非常に優れたものであった。結果を表1に示す。
[参考例7]
ポリトリメチレンテレフタレート繊維のセット時の強力保持率と得られたマット質感を確認するため、熱セット温度を115℃とする以外は、参考例6と同じ条件にて、カーペット6を得た。スチームセット後の撚糸強力保持率を測定したところその強力保持率は、96%であった。また、得られたカーペットは、質感に優れたものであった。結果を表1に示す。
[比較例1]
低目付下におけるポリトリメチレンテレフタレートカーペットの性能を確認するため、カーペットパイル目付を400g/mに変更するほかは、参考例4と同様にタフトを行い、サキソニー調のポリトリメチレンテレフタレートカーペット7を得た。得られたカーペットの汚れ落とし性は、1.5級とダストコントロールマットとしては不十分であった。また、カーペットの圧縮回復性は、48.3%であり、ダストコントロールマットとして用いるには不十分であることがわかった。結果を表2に示す。
[比較例2]
素材の違いによるカーペットの汚染性を参考例4と比較するため、現行ダストコントロールマットに使用されている染色したナイロン6捲縮糸を用い、参考例3と同様にタフトを行い、ナイロンカーペット1を得た。得られたカーペットの圧縮回復性は、78.9%であり、ポリトリメチレンテレフタレートカーペットと比べ劣るものであった。また、カーペットの汚染性、再汚染性共に、ポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸と比べ劣るものであった。また、非石油系比率は0%であった。結果を表2に示す。
[比較例3]
ナイロン繊維のセット時の強力保持率と得られたマット質感を確認するため、比較例2で用いたナイロン6捲縮糸を用い、熱セット温度を135℃とする他は、参考例6と同じ条件にてナイロンカーペット2を得た。スチームセット後の撚糸強力は、70%であった。また、マット質感は、やや劣るものであった。また、カーペットの汚染性、再汚染性共に、ポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸と比べ劣るものであった。結果を表2に示す。
[比較例4]
ナイロン繊維のセット時の強力保持率と得られたマット質感を確認するため、比較例2で用いたナイロン6捲縮糸を用い、熱セット温度を125℃とする他は、参考例6と同じ条件にてナイロンカーペット3を得た。スチームセット後の撚糸強力は、96%であった。また、マット質感は、非常優れたものであった。しかしながら、カーペットの汚染性、再汚染性共に、ポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸と比べ劣るものであった。結果を表2に示す。
[比較例5]
ナイロン繊維のセット時の強力保持率と得られたマット質感を確認するため、比較例2で用いたナイロン6捲縮糸を用い、熱セット温度を115℃とする他は、参考例6と同じ条件にてナイロンカーペット4を得た。スチームセット後の撚糸強力は、98%であった。また、マット質感は、優れたものであった。しかしながら、カーペットの汚染性、再汚染性共に、ポリトリメチレンテレフタレート捲縮糸と比べ劣るものであった。結果を表2に示す。
Figure 0004882704
Figure 0004882704
本発明のマットは、汚れ落とし性、圧縮回復性、汚染性に優れるためダストコントロールマットに好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. パイル糸を有するダストコントロールマットであって、該パイル糸にポリトリメチレンテレフタレートを主成分とし、加熱流体捲縮付与装置により捲縮を付与した捲縮糸を用いており、該捲縮糸は、糸を構成する単糸の繊度が10〜100dtex、撚り回数が50〜300回/m、かつ、120〜125℃で熱セットされたものであり、さらに、パイル目付が500〜5000g/mであることを特徴とするダストコントロールマット。
  2. 前記ポリトリメチレンテレフタレートは、1,3−プロパンジオールがバイオマス由来成分より合成されていることを特徴とする請求項1に記載のダストコントロールマット
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