JP2003189995A - マット - Google Patents

マット

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JP2003189995A
JP2003189995A JP2001392208A JP2001392208A JP2003189995A JP 2003189995 A JP2003189995 A JP 2003189995A JP 2001392208 A JP2001392208 A JP 2001392208A JP 2001392208 A JP2001392208 A JP 2001392208A JP 2003189995 A JP2003189995 A JP 2003189995A
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polylactic acid
mat
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bulky crimped
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JP2001392208A
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Motokatsu Nishimura
元克 西村
Shinichi Nishihata
進市 西畑
Tatsuro Mizuki
水木  達郎
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、柔軟でソフトな風合いを具備すると
共に、カバーリング性、工程通過性および耐久性に優
れ、かつ生分解が可能なマットを提供せんとするもので
ある。 【解決手段】本発明のマットは、表糸と、この表糸をタ
フトした基布と、この基布の裏面に張り付けたバッキン
グ材とから構成されるマットであって、前記表糸が、ポ
リ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸で構成されている
ことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸マルチフ
ィラメント嵩高捲縮糸を少なくとも表糸として用いたマ
ットに関するものである。さらに詳しくは、柔軟でソフ
トな風合いを具備すると共に、カバーリング性、工程通
過性および耐久性に優れ、かつ生分解が可能なマットに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】玄関先や台所の足下および自動車のフロ
アなどに敷いて使用するマットの素材としては、履物を
脱着する際の座り心地の向上および車内装飾における高
級感の演出などを目的として、羊毛、綿、アクリル繊維
およびポリアミド繊維などが、従来から多く使用されて
いる。つまり、これら羊毛、綿、アクリルおよびポリア
ミド繊維などからなるマットは、柔軟でソフトな風合い
を具備している点に特徴がある。
【0003】しかし、羊毛製のマットは、経時とともに
黄ばみが生じたり、遊び毛と呼ばれる単繊維の抜けが増
加することおよび家庭では水洗濯ができないという問題
があった。
【0004】また、綿製のマットは、洗濯時に遊び毛と
呼ばれる単繊維の抜けが増加することや、洗濯後の乾燥
時間が長いという問題があった。
【0005】さらに、アクリル繊維製のマットは、洗濯
時に遊び毛と呼ばれる単繊維の抜けが増加するという問
題があり、ポリアミド繊維製のマットは、生分解性を有
していない点が問題視されていた。
【0006】すなわち、従来のマットは、いずれもこれ
を廃棄するときは、産業廃棄物として焼却又は埋め立て
処分されているのが実情であった。
【0007】そこで、本発明者らは、生分解性のあるポ
リ乳酸巻縮フィラメントをマット用素材として用いるこ
とにより、地球環境に優しいマットを得ることに着眼し
たが、ポリ乳酸捲縮フィラメントは、その剛性の高さの
点から粗剛感が強すぎるため、マットに要求される柔軟
でソフトな風合いが得られにくいばかりか、マットとし
てのソフト感を得るために、ポリ乳酸捲縮フィラメント
の単糸を細繊度化しようとすると、フィラメントの製糸
工程において単糸切れを起こしやすくなるという問題の
あることが判明した。
【0008】さらに、特にマットの表糸として適した捲
縮を得ようとする場合には、ポリ乳酸フィラメントに流
体捲縮を付与する直前に、高い延伸倍率にて延伸する必
要があるが、この際に単糸の延伸時糸切れが頻発した
り、加熱流体捲縮装置内で糸切れを生じたり、またマッ
トとして使用中にフィブリル化を生じやすくなるという
問題もあった。
【0009】したがって、ポリ乳酸フィラメントを素材
とするマットにおいては、マットの表糸としての風合い
の向上、延伸加工性の安定化、およびさらには耐久性の
向上の全てを同時に満足することができないことから、
さらに課題を残したものとなっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、柔軟でソフトな風合いを具備すると
共に、カバーリング性、工程通過性および耐久性に優
れ、かつ生分解が可能なマットを提供せんとするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のマットは、表糸と、この表糸を
タフトした基布と、この基布の裏面に張り付けたバッキ
ング材とから構成されるマットであって、前記表糸が、
ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸で構成されてい
ることを特徴とするものである。
【0012】なお、本発明のマットにおいては、前記表
糸が、単糸繊度5〜20dtex、扁平率2〜6の扁平
断面または変形度2〜7のY型断面の異形断面を有する
単糸の集合体から構成されること、前記ポリ乳酸マルチ
フィラメント嵩高捲縮糸が、融点130℃以上で重量平
均分子量10万以上のポリ乳酸からなること、前記ポリ
乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸の総繊度が500〜
5000dtexの範囲であること、前記ポリ乳酸マル
チフィラメント嵩高捲縮糸の沸騰水処理後の捲縮伸長率
が3〜15%の範囲であること、前記基布がポリ乳酸繊
維の不織布から構成されていること、前記バッキング材
がポリ乳酸繊維の不織布から構成されていること、およ
びポリ乳酸からなる縫糸により縫製されていることが、
いずれも好ましい態様であり、これらの条件を満たすこ
とによって、さらに優れた効果の取得を期待することが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり柔軟
でソフトな風合いを具備すると共に、カバーリング性、
工程通過性および耐久性に優れ、かつ生分解が可能なマ
ットについて、鋭意検討し、ポリ乳酸マルチフィラメン
トを嵩高捲縮糸という特定な糸条形態にして、少なくと
も表糸として用いてみたところ、かかる課題を一挙に解
決することを究明したものである。
【0014】本発明におけるマットとは、玄関先や台所
の足下および自動車のフロアなどに敷いて使用するマッ
トのことであり、表糸と、この表糸をタフトした基布
と、この基布の裏面に張り付けたバッキング材とから構
成されるが、少なくとも前記表糸がポリ乳酸マルチフィ
ラメント嵩高捲縮糸からなることを特徴とする。
【0015】本発明におけるポリ乳酸とは、L−乳酸お
よび/またはD−乳酸を主成分とするポリ乳酸である。
【0016】本発明における嵩高巻縮糸とは、加熱流体
処理などにより3次元ランダムなスパイラル形状を与え
られ、マット用表糸として優れたバルキー性を付与され
たマルチフィラメント延伸糸である。
【0017】すなわち、本発明のマットの表糸を構成す
るポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸は、マルチフ
ィラメントに3次元的なクリンプを付与することにより
嵩高性を持たせた糸を指す。これによりマットの表糸と
して用いたときにバルキー性を発現することが可能とな
る。マルチフィラメントに対する巻縮は、加熱空気ある
いは蒸気などの加熱流体により付与されたものであるこ
とが好ましい。
【0018】本発明において、マットの表糸として用い
られるポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸を構成す
る単糸は、分子鎖の全繰返し単位の90モルパーセント
以上、特に95パーセント以上が乳酸であるポリ乳酸か
らなることが好ましいが、本発明の構成要件および目的
を損なわない範囲であれば、少量の第二成分を含むポリ
乳酸であってもよい。
【0019】本発明においては、柔軟でソフトな風合い
のマットをを得るために、ポリ乳酸マルチフィラメント
嵩高捲縮糸を構成する単糸の繊度を、5〜20dte
x、好ましくは5〜15dtexの範囲とする必要があ
る。
【0020】一般に、重量平均分子量の低いポリ乳酸か
らなるフィラメントの場合には、単糸繊度を小さくすれ
ばするほどフィラメント製糸工程での単糸切れを生じや
すく、また特にマットの表糸に適した捲縮を得ようとす
る場合には、流体捲縮を付与する直前に、高い延伸倍率
にて延伸する必要があって、この際に単糸の延伸切れが
頻発したり、さらには加熱流体捲縮時に糸切れを生じた
りするばかりか、マットとして使用中に、フィブリル化
を発生しやすくなる。しかし、本発明のポリ乳酸マルチ
フィラメント嵩高捲縮糸は、加熱流体捲縮加工時におい
て、高い分子量で安定しているため、延伸性を損なうこ
となく、またフィブリル化しにくい単糸の細繊度化が実
現できるのである。
【0021】ここで、ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高
捲縮糸の単糸繊度が上記の範囲未満となると、流体捲縮
加工において十分な捲縮が得られず、カバーリング性に
劣り、さらにマットとして使用中にピリングを生じやす
くなるため好ましくない。
【0022】また、ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲
縮糸の単糸繊度が上記の範囲を越えると、マットとして
の風合いが硬くなるため好ましくない。
【0023】さらに、本発明のマット表糸を構成するポ
リ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸は、その柔軟性と
ソフト感をより一層向上させるために、単糸断面の扁平
率が2〜6の扁平断面糸または変形度が2〜7の異形断
面糸、特にY型断面糸を単糸とする必要がある。
【0024】扁平断面糸単糸の場合に、扁平率が2未満
では、丸断面に近くなって風合いが硬くなる傾向を生
じ、一方、扁平率が大きな方が柔軟でソフトにはなる
が、扁平率が6を越える場合には、製造が困難になると
ともに、単糸繊度を小さくした際に単糸断面の厚みが極
度に薄くなり、過度に柔らかくなってへたりやすくなる
ため、マットの用途が著しく制限される傾向となる。
【0025】なお、上記扁平断面糸は、扁平率つまり、
単糸断面の短辺部の最大長さ(A)と長辺部の最大長さ
(B)の比(B/A)が2〜6の範囲であれば、断面に
1個以上の凹凸を有するものであってもよい。
【0026】また、異形断面糸の場合、特に単糸断面が
Y型の異形断面糸の場合に、変形度が7を越えると、風
合いが硬くなる傾向を生じ、一方、変形度の値が小さな
方が柔軟でソフトにはなるが、変形度が2未満の場合に
は、特に単糸繊度を小さくした際に単糸断面の嵩が小さ
くなり、過度に柔らかくなってマットがへたりやすくな
るため好ましくない。
【0027】なお、上記異形断面糸は、変形度つまり、
単糸断面の外接円の直径(B)と内接円の直径(A)の
比(B/A)が2〜7の範囲であれば、断面に1個以上
の凹凸を有するものであってもよい。
【0028】そして、本発明のポリ乳酸マルチフィラメ
ント嵩高捲縮糸は、融点が130℃以上で、重量平均分
子量が10万以上、好ましくは10〜30万、さらに好
ましくは15〜20万のポリ乳酸からなることが好まし
い。
【0029】ポリ乳酸の融点が130℃未満では、染色
時の熱処理等による熱劣化が起こる原因となりやすい。
【0030】ポリ乳酸の重量平均分子量が上記の範囲よ
りも小さいと、ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸
の機械的特性が十分に得られないばかりか、耐候性、耐
熱性、および耐疲労性などのマットの表糸に要求される
十分な耐久性能が得られなくなるなどの問題を生じやす
くなる。
【0031】本発明における上記の扁平または異形断面
糸から構成されるポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮
糸は、マットとしての高次加工の取扱いを考慮して、そ
の総繊度が、500〜5000dtex、好ましくは8
00〜3000dtexであることが適切であり、嵩高
捲縮糸の総繊度が上記の範囲未満では、タフト時の生産
効率が悪くなり、一方上記の範囲を越えると、タフト時
にパイル抜けが多くなるため、いずれの場合も十分な工
程通過性が得られない傾向となる。
【0032】さらに、本発明のマットの表糸を構成する
ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸は、その沸騰水
処理後の捲縮伸長率を3〜15%、特に5〜10%とす
ることによって、嵩高性に富む性能が確保できると共
に、マット表面のカバーリング性をも良好となすことが
できるが、嵩高捲縮糸の沸騰水処理後の捲縮伸長率が上
記の範囲未満では、捲縮繊維の特徴である嵩高性が不足
し、また上記の範囲を越えると、その捲縮によって表面
がフエルト化し、風合が硬くなって柔軟性を損なう傾向
を生じる。
【0033】上記の条件を満たすポリ乳酸マルチフィラ
メント嵩高捲縮糸を表糸として用いた本発明のマット
は、円形断面のポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸
を表糸に使用したマットに比べて、柔軟でソフトな表面
タッチに優れるとともに、その使用後において、土中、
海水中、活性汚泥中で微生物により生分解して、水と二
酸化炭素に分解することから、地球環境に優しいという
特性を有するものである。
【0034】本発明のマットにおいて、上記表糸をタフ
トする基布の素材としては、たて糸およびよこ糸ともに
ポリプロピレンのスプリット糸またはフラットテープを
用いたものを使用することができるが、さらに好ましく
は、基布としてポリ乳酸繊維の不織布を用いることによ
って、上記表糸とともに基布を生分解することが可能に
なる。
【0035】また、本発明のマットにおいて、基布の裏
に張るバッキング剤としては、マットと床面の滑りを防
止するとともに、クッション性を向上させるためにポリ
乳酸繊維の不織布を用いることが望ましく、また表糸、
基布およびバッキング剤の素材を、すべてポリ乳酸繊維
とすることにより、マットを部位別に分離することなく
生分解が可能になる。
【0036】さらに、縫製によって整形してマット製品
とする場合は、縫糸としてポリ乳酸糸を用いることによ
り、マットを部位別に分離することなく生分解処分が可
能となる。
【0037】次に、本発明のマットの製造方法の一例に
ついて説明する。
【0038】まず、ポリ乳酸のチップを押出し機に供給
し、溶融ポリ乳酸となし、続いて紡糸口金から紡糸す
る。
【0039】紡糸された糸条は、冷風により冷却・固化
され、さらに引き続いて油剤が付着された後、200〜
1200m/分で回転する引取りロールで引取られ、次
にこの未延伸糸を熱延伸工程で2〜6倍に延伸し、続い
て加熱流体捲縮付与装置に導入して捲縮が付与する。こ
こで、加熱流体としては加熱蒸気が好ましく用いられ
る。
【0040】捲縮が付与された糸条は冷却された後、捲
縮がへたらない程度に引き伸ばされて、最後にパッケー
ジに巻き取られる。
【0041】以上の製法は上記工程の任意部分で一旦糸
条を巻取ってもよいが、好ましくは連続で行うのがよ
い。
【0042】次に、上記の方法により得たポリ乳酸フィ
ラメント嵩高捲縮糸をタフティング機にセットし、ポリ
乳酸不織布またはポリプロピレンなどの基布などにタフ
ティングした後、ポリ乳酸不織布またはポリプロピレン
などのバッキング材で裏張りを行うことにより、マット
用基布を得ることができる。
【0043】なお、必要に応じて、途中にスチーミング
工程、ブラッシング工程、スプレー工程、染色工程、シ
ャーリング工程およびポリシャー工程などの加工工程を
付加することも可能である。
【0044】本発明のマットは、上記マット用基布をそ
のまま使用してもよいし、あるいは縫製して整形するこ
とにより使用してもよい。
【0045】縫製して整形することによりマットとする
場合には、縫製用の縫糸としてポリ乳酸糸を用いること
により、マットを部位別に分離することなく生分解処分
することができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明の構成および効果
をさらに説明する。
【0047】なお、上述および実施例中の物性値は次の
ようにして求めた値である。 [重量平均分子量]:試料の0.1%クロロホルム溶液
のGPC分析を行い、分子量1,000以下の成分を除
く高分子量成分の分散重量平均値を算出した。 [単糸繊度]:試料の表示繊度とフイラメント数から求
めた。
【0048】 単糸繊度=総繊度(D)/フイラメント数(F) [総繊度]:試料に90mg/dtexの初張力を掛け
て検尺し、150℃×15時間で乾燥した後秤量した。
総繊度は次式から求めた。
【0049】総繊度(D)=W×10000/L×(1
+公定水分[%]) W=糸重 L=検尺長 公定水分=0.4[%] [捲縮伸長率]:繊維に無荷重下で98℃×5分間の沸
騰水処理を施した後、風乾し、初荷重(1.8mg/d
tex)をかけて30秒後に長さ(L1)を測定し、次
いで定荷重(90mg/dtex)をかけて30秒後に
長さ(L2)を測定して、次式から求めた。
【0050】 捲縮伸長率(%)=100×(L2−L1)/(L1) [扁平率]:単糸を切断後、光学顕微鏡を用いて単糸断
面の単糸長辺部の最大長(B)と、単糸短辺部の最大長
(A)を測定し、次式により求めた。
【0051】偏平率=(B)/(A) [変形度]:単糸を切断後、光学顕微鏡を用いて単糸断
面の外接円の直径(B)と内接円の直径(A)を測定
し、次式により求めた。
【0052】変形度=(B)/(A) [延伸加工性]:延伸時の糸切れ率の評価により次の4
段階に区別した。
【0053】 ◎…延伸中の糸切れ率が0.5回/t未満のもの(最
良) ○…延伸中の糸切れ率が0.5〜1.0回/tのものを
(良好) △…延伸中の糸切れ率が1.0〜2.0回/tのもの
(若干不良) ×…延伸中の糸切れ率が2.0回/tを越えるもの(不
良X)。 [原糸強力(破断強度・破断伸度)]:オリエンテック
社製テンシロン引張り試験機を用い、試長250mm、
引張速度300mm/分の条件で測定した。 [耐候後強力保持率・伸度保持率]:サンシャインウェ
ザーメータにて、83℃×200時間の照射をおこなっ
た後、オリエンテック社製テンシロン引張り試験機を用
い、試長250mm、引張速度300mm/分の条件で
測定した値(L2)、上記で求めた処理前の値(L1)
から、次式により保持率を求めた。
【0054】 保持率(%)=(L2)/(L1)×100 [風合い]:マットを素足で踏んだ時最もソフト感ある
ものを最良(◎)とし、最も悪いものを不良(×)とす
る官能評価により4段階に区分した。(○)は良好、
(△)は若干不良を示す。 [耐摩耗性]:10万人実用テスト法による実用テスト
後の表糸の摩耗の程度を、使用テスト前のものと比較
し、目視による官能評価により、最良(◎)、良好
(○)、若干不良(△)および不良(×)の4段階に区
分した。 [カバーリング性]:マットを真上から見たときに表糸
の隙間から基布が最も見えにくいものを最良とし
(◎)、最も見やすいものを不良(×)とする官能評価
により、4段階に区分した。(○)は良好、(△)は若
干不良を示す。
【0055】[実施例1]重量平均分子量が15200
0のポリ乳酸のチップをエクストルダー型紡糸機で溶融
し、扁平断面口金より紡糸した。
【0056】紡糸部より得た糸条に先ず油剤を付着せし
め、続いて引取りロールで引取り、加熱延伸ロールにて
延伸した後、連続して特公昭58−1214号公報に記
載の捲縮加工装置にて120℃以上での加熱蒸気処理を
行い捲縮を付与した。
【0057】次いで、捲縮がへたらない程度に引き伸ば
し、最後に0.1g/dtex程度の巻取張力で巻き取
った。
【0058】この際、延伸加工性を評価すると共に、得
られたポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸の原糸特
性として、単糸繊度、総繊度、フィラメント数、扁平
率、原糸強度・伸度・耐候後強力保持率・伸度保持率を
測定した結果を表1に示す。
【0059】また、上記にて得られたポリ乳酸マルチフ
ィラメント嵩高捲縮糸を、ポリ乳酸テープの平織り基布
に目付500g/m2 のカットパイルとしてタフティン
グした後、基布の裏にバッキング材のポリ乳酸不織布を
張り付けた。
【0060】得られた各マット用基布について、表面の
ソフト感、耐摩耗性、表面のカーバーリング性を評価し
た結果を表1に併せて示す。
【0061】ここで得られたマット用基布は、柔軟でソ
フト感に富んでいるとともにカーバーリング性も良好で
あり、いかも生分解性を有しているため、埋め立て処分
が可能であった。
【0062】[参考例1および2]ポリエステルおよび
ポリアミドのポリマーを使つた従来品の参考例を示す。
表1に示す特性を有するポリエステルおよびポリアミド
のマルチフィラメント捲縮糸を用いて、実施例1と同様
の方法でマットを作製した。このようにして得られた各
マット用基布について、表面のソフト感、耐摩耗性、表
面のカーバーリング性を評価した結果を表1に併せて示
す。
【0063】ここで得られた各マット用基布は、柔軟で
ソフト感に富んでいるとともにカーバーリング性も良好
であるが、これらのポリマーでできたマット基布は生分
解しないポリマーであるため、埋め立て処分するには不
適当であった。
【0064】
【表1】
【0065】表1の結果から明らかなように、本発明の
ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高巻縮糸はポリエステル
またはポリアミドと同等の糸物性であり、マット表糸と
して使用可能である。
【0066】[実施例2〜4]表2に示した重量平均分
子量を有するポリ乳酸のチップをエクストルダー型紡糸
機で溶融し、Y型断面口金または扁平断面口金より紡糸
した。
【0067】紡糸部より得た糸条に先ず油剤を付着せし
め、続いて引取りロールで引取り、加熱延伸ロールにて
延伸した後、連続して特公昭58−1214号公報に記
載の捲縮加工装置にて120℃以上での加熱蒸気処理を
行い捲縮を付与した。
【0068】次いで、捲縮がへたらない程度に引き伸ば
し、最後に0.1g/dtex程度の巻取張力で巻き取
った。
【0069】この際、延伸加工性を評価すると共に、得
られたポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸の原糸特
性として、単糸繊度、総繊度、フィラメント数、扁平率
または変形度、原糸強度・伸度・耐候後強力保持率・伸
度保持率を測定した結果を表2に示す。
【0070】また、上記にて得られたポリ乳酸マルチフ
ィラメント嵩高捲縮糸を、ポリ乳酸テープの平織り基布
に目付500g/m2 のカットパイルとしてタフティン
グした後、基布の裏にバッキング材のポリ乳酸不織布を
張り付けた。
【0071】得られた各マット用基布について、表面の
ソフト感、耐摩耗性、表面のカーバーリング性を評価し
た結果を表2に併せて示す。
【0072】
【表2】
【0073】表2に示したとおり、本実施例2〜4のポ
リ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸もまた、きわめて
すぐれた延伸加工性を有すると共に、強度・伸度および
耐候処理後の強力・伸度保持率などの物理特性も、マッ
トとしてすぐれたものであった。
【0074】また、得られたマット用基布は、柔軟でソ
フト感に富んでいるとともにカーバーリング性も良好で
あった。
【0075】[比較例1〜3]表3に示した重量平均分
子量を有するポリ乳酸のチップを用い、実施例と同様な
方法にてポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲縮糸および
マット用基布を得た。
【0076】得られたポリ乳酸マルチフィラメント嵩高
捲縮糸およびマット用基布の各種性能評価結果を表3に
併せて示す。
【0077】
【表3】
【0078】表3の結果から明らかなように、比較例1
ではマット用基布の風合いはソフトであったが、耐摩耗
性・カバーリング性に劣り、また、延伸加工時に糸切れ
が多発するとともに、良好な物理特性が得られなかっ
た。
【0079】また、比較例3および比較例4では耐摩耗
性は良好であったが、マット用基布はフェルト調で粗剛
なものであり、またバルキー性およびカバーリング性も
劣っていた。
【0080】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明のポリ乳酸
マルチフィラメント嵩高捲縮糸を表糸として用いたマッ
トは、柔軟でソフトな風合いを具備するとともに、カバ
ーリング性、工程通過性および耐久性に優れ、かつ生分
解が可能である。
【0081】さらに、本発明のマットは、表糸、基布、
バッキング材および縫製糸をすべてポリ乳酸繊維により
構成することにより、より効果的な生分解が可能であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 3B120 AA34 AA35 BA21 EB16 EB30 4L047 AA21 AB03 AB07 AB09 AB10 BA23 CA00 CB02 CC16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表糸と、この表糸をタフトした基布と、
    この基布の裏面に張り付けたバッキング材とから構成さ
    れるマットであって、前記表糸が、ポリ乳酸マルチフィ
    ラメント嵩高捲縮糸で構成されていることを特徴とする
    マット。
  2. 【請求項2】 前記ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲
    縮糸が、単糸繊度5〜20dtexで、かつ、扁平率2
    〜6の扁平断面を有するかまたは変形度が2〜7である
    Y型断面の異形断面を有する単糸の集合体から構成され
    ている請求項1に記載のマット。
  3. 【請求項3】 前記ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲
    縮糸が、融点130℃以上で重量平均分子量10万以上
    のポリ乳酸からなることを特徴とする請求項1または2
    に記載のマット。
  4. 【請求項4】 前記ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲
    縮糸の総繊度が500〜5000dtexの範囲である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマッ
    ト。
  5. 【請求項5】 前記ポリ乳酸マルチフィラメント嵩高捲
    縮糸の沸騰水処理後の捲縮伸長率が3〜15%の範囲で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    マット。
  6. 【請求項6】 前記基布が、ポリ乳酸繊維の不織布から
    構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載のマット。
  7. 【請求項7】 前記バッキング材が、ポリ乳酸繊維の不
    織布から構成されていることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載のマット。
  8. 【請求項8】 前記マットが、ポリ乳酸からなる縫糸に
    より縫製されていることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載のマット。
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