JP4882656B2 - ポジ型感光性組成物及びそれからなる有機膜 - Google Patents
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Description
アルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、炭素数3〜8のシクロアルケニル、又はフェニルを表し、前記シクロアルキル、シクロアルケニル及びフェニルにおける環の任意の水素は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ又は炭素数2〜5のアルケニルで置き換えられてもよく、mは0〜7の整数を表し、nは独立して0〜4の整数を表す。
本明細書中、「アルキル」とは、直鎖又は分岐鎖のアルキルであり、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
本明細書中、「アルケニル」とは、1〜3個の2重結合を有する直鎖又は分岐鎖のアルケニルであり、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、1,3−オクタジエニル、2−ノネニル、1,3−ノナジエニル、2−デセニル等が挙げられる。
本明細書中、「アルキニル」とは、1〜3個の3重結合を有する直鎖又は分岐鎖のアルキニルであり、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、4−ペンチニル、1−オクチニル、6−メチル−1−ヘプチニル、2−デシニル等が挙げられる。
本発明の第1の態様は、アルカリに可溶なアルカリ可溶性樹脂と、アダマンタン環を有するフェノール化合物のキノンジアジドスルホン酸エステル(以下、「本発明の感光性化合物」とも言う)とを含有するポジ型感光性組成物に関する。
本発明の感光性化合物は、下記一般式(I)で表されるフェノール化合物とキノンジアジドスルホン酸とのエステルの一化合物であってもよいし、二以上の化合物であってもよい。本発明の感光性化合物は、下記一般式(I)で表されるフェノール化合物とキノンジアジドスルホン酸とのエステル化によって得ることができる。
のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、炭素数3〜8のシクロアルケニル、又はフェニルを表し、前記シクロアルキル、シクロアルケニル及びフェニルにおける環の任意の水素は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ又は炭素数2〜5のアルケニルで置き換えられてもよく、mは0〜7の整数を表し、nは独立して0〜4の整数を表す。
ニルハライド、または1,2−ナフトキノンジアジド−8−スルホニルハライドが用いられる。より好ましくは、1,2−ナフトキノンジアジド−4−又は−5−スルホニルハライドが用いられる。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂とは、溶液のスピンコート及び120℃30分間の加熱で形成される厚さ0.01〜100μmの膜を、例えば25℃程度の2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で5分間浸した後に純水ですすいだときに、前記膜が残こらない程度のアルカリへの可溶性を有する樹脂である。アルカリ可溶性樹脂は単独でも二以上の樹脂であってもよい。アルカリ可溶性樹脂には、例えば、アクリル樹脂やフェノール樹脂やポリイミド前駆体樹脂及びポリベンゾオキサゾール前駆体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で用いられるアクリル樹脂は、アルカリ可溶性であれば、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよいが、下記に記載のモノマーAとアルカリ可溶性モノマーBの混合物を重合させて得られる共重合体であることが好ましい。このような共重合体では、モノマーAとアルカリ可溶性モノマーBとの混合比(重量)は、それぞれ総量で、95:5〜50:50であることが好ましい。
3−イルメチルエーテル、2−フェニル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、N−アクリロイルモルホリン、インデン等の一又は二以上のモノマーが挙げられる。
アルカリ可溶性アクリル樹脂は、好ましくはモノマーAとモノマーBの混合物を重合させて得ることができる。
上記の重合反応に使用する溶剤は、モノマーA、モノマーB及び生成するアルカリ可溶性アクリル樹脂を溶解する溶剤が好ましい。当該溶剤の具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、2−ブタノン、メチル−2−n−アミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸、水等である。前記溶剤にはこれらのうちの一、又は二以上の混合物を用いることができる。
フェノール樹脂とは、例えばフェノール類とアルデヒド類との縮合反応物、フェノール類とケトン類との縮合反応物、ヒドロキシスチレン類を用いた重合体、イソプロペニルフェノール類を用いた重合体及びこれらフェノール樹脂の水素添加物等が挙げられる。
フェノール樹脂の製造における付加縮合反応は常法に従い行われる。反応は通常60〜120℃、2〜30時間で行われ、バルクで行っても適当な溶剤を使用してもよい。
ヒドロキシスチレン類を用いた重合体、イソプロペニルフェノール類を用いた重合体は、前述のアクリル樹脂の重合方法により各種共重合体として得ることができる。
上記のフェノール樹脂の水素添加物は、公知の方法によって得ることができる。すなわち、フェノール樹脂を溶剤に溶解し、水素添加触媒の存在下、水素を導入することにより得ることができる。
上記のフェノール樹脂溶液に使用する溶剤は、該樹脂を溶解する溶剤が好ましい。当該溶剤の具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセ
トン、2−ブタノン、メチル−2−n−アミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸、水等である。前記溶剤にはこれらのうちの一、又は二以上の混合物を用いることができる。
本発明で用いられるポリイミド前駆体樹脂は、一般にテトラカルボン酸二無水物とジアミンの混合物を縮合重合させて得られる。
2,11−ドデカンジアミン等が挙げられ、グアナミン類としては、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等を挙げられ、シリコン系ジアミンとしては、ビス(p−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ジアミノポリシロキサン等を挙げることができる。前記ジアミンにはこれらのうちの一又は二以上の化合物を用いることができる。
ポリイミド前駆体樹脂の製造における縮合重合反応は常法に従い行われる。一般に反応は、通常0〜70℃、2〜30時間で行われ、適当な溶剤を使用して行われる。また、ポリイミド前駆体樹脂には、ポリイミド前駆体のポリアミド酸の一部をイミド化したり、イソイミド化したものも用いることができる。
ポリイミド前駆体樹脂の重合に用いられる好ましい溶剤の具体例は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ヘキサメチルホスホルアミド、メチルホルムアミド、N−アセチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、イソホロン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセトン、2−ブタノン、メチル−2−n−アミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、クレゾール、テトラヒドロフラン、N−メチル−ε−カプロラクタム、テトラヒドロチオフェンジオキシド[スルフォラン(sulpholan)]等である。前記溶剤にはこれらのうちの一、又は二以上の混合物を用いることができる。
本態様においては、ポジ型感光性組成物に含有される感光性化合物は、アダマンタン環を有するキノンジアジドスルホン酸エステル化合物を含むが、ポジ型感光性組成物には本発明の感光性化合物と他の感光性化合物とを併用することもできる。併用可能な感光性化合物は、放射線の照射によってアルカリに可溶となる化合物であれば、すなわち半導体の集積回路の製造条件の露光及び現像が可能な程度の感光性と放射線の照射によるアルカリ可溶性とを有していれば、特に限定されない。このような併用可能な感光性化合物には、
他の公知の1,2−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、1,2−ベンゾキノンジアジドスルホンアミド、1,2−ナフトキノンジアジドスルホンアミド等が挙げられ、好ましくはキノンジアジドスルホン酸エステルである。併用可能な感光性化合物には、これらのうちの一又は二以上の化合物を用いることができる。
ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン等。
本発明のポジ型感光性組成物は、当該組成物に含まれる本発明の感光性化合物とアルカリ可溶性樹脂との他に、さらに溶剤を含むことが好ましい。この際に用いられる溶剤は、本発明に用いられる感光性化合物とアルカリ可溶性樹脂とを溶解する溶剤が好ましい。
2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
本発明のポジ型感光性組成物には、解像度、塗布均一性、現像性、接着性を向上させるために、各種の添加剤をさらに添加することができる。添加剤の例は、アクリル系、スチレン系、ポリエチレンイミン系もしくはウレタン系の高分子分散剤、アニオン系、カチオン系、ノニオン系もしくはフッ素系の界面活性剤、シリコーン樹脂系塗布性向上剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、エポキシ化合物、メラミン化合物もしくはビスアジド化合物等の熱架橋剤、有機カルボン酸等のアルカリ溶解性促進剤等である。
アルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩などであり、これらから選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物には、前記一般式(I)で表されるフェノール化合物をさらに含有していてもよい。前記一般式(I)で表されるフェノール化合物の中で、工業材料として容易に入手できる化合物の具体例としては、前述したように、以下に示す構造式(II)〜(V)等を挙げることができるが、前記一般式(I)で表されるフェノール化合物はこれらに限定されない。
本発明の第2の態様は、アルカリに可溶なアルカリ可溶性樹脂と、放射線の照射によってアルカリに可溶となる感光性化合物と、前記一般式(I)で表されるフェノール化合物とを含有するポジ型感光性組成物である。前記一般式(I)で表されるフェノール化合物はアダマンタン誘導体である。本態様によれば、感光性組成物の感光剤成分として有用である新規なアダマンタン環を有するキノンジアジドスルホン酸エステル化合物の前駆体である前記一般式(I)で表されるフェノール化合物を、該組成物における添加剤として用いたポジ型感光性組成物を提供することができる。
本発明のポジ型感光性組成物は、温度−30℃〜25℃の範囲で遮光して保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましい。保存温度が−20℃〜10℃であれば、析出物もなく一層好ましい。
本発明の第3の態様は、本発明の感光性組成物より形成された有機膜に関する。本発明の有機膜は、パターニングの際の解像度が比較的高く、10μm以下の小さな穴の開いたパターニングされた有機膜や絶縁膜を形成するのに最適である。ここで、有機膜とは、厚さ0.01〜100μm、より好ましくは0.10〜50μm、さらに好ましくは0.10〜20μmの前記感光性組成物の薄膜であり、用途に応じて現像(パターンの形成)、乾燥、及び焼成等の適切な処理を施された膜である。このような有機膜としては、例えば、金属配線を形成するために設けたエッチング用マスク膜や、層状に配置される配線間を絶縁するために設ける絶縁膜(層間絶縁膜)等が挙げられる。
きる。
攪拌器付3つ口フラスコにおいて、構造式(II)の化合物4.1g(0.010mol)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド5.4g(0.020mol)を120gの1,4−ジオキサンに溶解し、得られた溶液に、約15℃の水浴中で、トリエチルアミン2.0g(0.020mol)を1,4−ジオキサン30gに溶解させた溶液を、徐々に滴下して加えた。発熱が収まったのを確認してから水浴を取り除き、室温で20時間攪拌した。この反応液を1%塩酸水溶液450g中に注ぎ、生じた沈殿物を濾別し、水洗、40℃で真空乾燥を行い、構造式(II)の化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(感光剤a)7.6gを得た。
合成例1と同様の装置及び方法で、構造式(III)の化合物5.0g(0.010mol)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド5.4g(0.020mol)を120gの1,4−ジオキサンに溶解し、得られた溶液に、約15℃の水浴中で、トリエチルアミン2.0g(0.020mol)を1,4−ジオキサン30gに溶解させた溶液を、徐々に滴下して加えた。発熱が収まったのを確認してから水浴を取り除き、室温で20時間攪拌した。この反応液を1%塩酸水溶液450g中に注ぎ、生じた沈殿物を濾別し、水洗、40℃で真空乾燥を行い、構造式(III)の化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(感光剤b)8.8gを得た。
合成例1と同様の装置及び方法で、構造式(IV)の化合物6.4g(0.010mol)、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド5.4g(0.020mol)を120gの1,4−ジオキサンに溶解し、得られた溶液に、約15℃の水浴中で、トリエチルアミン2.0g(0.020mol)を1,4−ジオキサン30gに溶解させた溶液を、徐々に滴下して加えた。発熱が収まったのを確認してから水浴を取り除き、室温で20時間攪拌した。この反応液を1%塩酸水溶液450g中に注ぎ、生じた沈殿物を濾別し、水洗、40℃で真空乾燥を行い、構造式(IV)の化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル(感光剤c)9.3gを得た。
合成例1と同様の装置及び方法で、構造式(V)の化合物6.6g(0.010mol)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド6.8g(0.025mol)を120gの1,4−ジオキサンに溶解し、得られた溶液に、約15℃の水浴中で、トリエチルアミン2.5g(0.025mol)を1,4−ジオキサン30gに溶解させた溶液を、徐々に滴下して加えた。発熱が収まったのを確認してから水浴を取り除き、室温で20時間攪拌した。この反応液を1%塩酸水溶液450g中に注ぎ、生じた沈殿物を濾別し、水洗、40℃で減圧乾燥を行い、構造式(V)の化合物の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(感光剤d)12.0gを得た。
攪拌器付4つ口フラスコに、溶剤として2−ブタノン200.0g、モノマーAとしてベンジルメタクリレート40.0g、グリシジルメタクリレート30.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10.0g、モノマーBとしてメタクリル酸18.0g、重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.0gを投入し、2−ブタノンの還流温度で4時間加熱して重合を行った。
攪拌機、冷却器及び減圧装置を装着した4つ口フラスコに、メタクレゾール酸(JIS
K2437、メタクレゾール酸1号相当品)360g、37%ホルマリン207.9g及びシュウ酸2水和物5.04gを仕込み、窒素雰囲気下、温度106℃の油浴により2時間加熱撹拌して縮合反応させた。
攪拌機、滴下ロート、温度計、コンデンサー及び窒素置換装置を装着したフラスコを恒温槽中に固定した。このフラスコに脱水精製したNMP385g及び2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン51.8gを投入し、撹拌を続けた。得られた溶液に2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパン二無水物44.4gを添加し、20〜30℃で8時間の反応によりポリアミド酸溶液を得た。
[ポジ型感光性組成物の製造]
合成例1で得られたアダマンタン環を有するキノンジアジドスルホン酸エステル化合物(感光剤a)、合成例5で得られたアルカリ可溶性樹脂(1)、添加剤としてフッ素系界面活性剤であるセイミケミカル株式会社製サーフロンSC−101(以下SC−101と略す)、及び溶剤としてNMPを、下記の重量で混合溶解し、ポジ型感光性組成物を得た。
感光剤a 0.75g
アルカリ可溶性樹脂(1)の30重量%溶液 10.00g
NMP 1.75g
SC−101 0.006g
1)パターン状有機膜の形成
ガラス基板上に実施例1で調製されたポジ型感光性組成物を800rpmで10秒間スピンコートし、100℃のホットプレート上で2分間乾燥した。この基板を空気中、ホールパターン形成用のマスクを介して、株式会社トプコン製プロキシミティー露光機TME−150PRCを使用し、波長カットフィルターを通して350nm以下の光をカットしてg、h、i線を取り出し、露光ギャップ100μmで露光した。露光量はウシオ電機株式会社製積算光量計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定して150mJ/cm2とした。露光後のガラス基板を、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間ディップ現像し、露光部を除去した。現像後の基板を純水で60秒間洗ってから100℃のホットプレートで2分間乾燥した。この基板をオーブン中、230℃で30分間ポストベイクし膜厚3μmのパターン状有機膜を形成した。
膜厚はKLA−Tencor株式会社製触針式膜厚計αステップ200を使用し、3箇所の測定の平均値を膜厚とした。
ポストベイク後の基板に、さらに230℃で30分間の追加ベイクを行い、同様に3箇所の測定の平均値を膜厚として、耐熱性を確認した。(追加ベイク後の膜厚)/(ポストベイク後の膜厚)の値を耐熱性の指標とした。
感度は、下記未露光部の現像後残膜率が93%以上、かつ露光部が完全に溶解する露光量として求めた。
現像後残膜率は、未露光部の現像前後での膜厚を測定し、次式から計算した。
(未露光部現像後膜厚/未露光部現像前膜厚)×100(%)
上記1)で得られたポストベイク後のパターン状有機膜の基板を光学顕微鏡で400倍にて観察し、ホールパターンの底にガラスが露出しているマスクサイズを確認した。
上記1)で得られたパターン状有機膜の基板を碁盤目剥離試験(クロスカット試験)により評価した。評価は1mm角の碁盤目100個中のテープ剥離後の残存碁盤目数を表した。
合成例2で得られたアダマンタン環を有するキノンジアジドスルホン酸エステル化合物(感光剤b)、合成例6で得られたアルカリ可溶性樹脂(2)、添加剤としてフッ素系界面活性剤SC−101、及び溶剤としてNMPを下記の重量で混合溶解し、ポジ型感光性組成物を調製し、該組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
感光剤b 0.75g
アルカリ可溶性樹脂(2)の30重量%溶液 10.00g
NMP 1.75g
SC−101 0.006g
合成例3で得られたアダマンタン環を有するキノンジアジドスルホン酸エステル化合物(感光剤c)、合成例7で得られたアルカリ可溶性樹脂(3)、添加剤としてフッ素系界面活性剤SC−101、及び溶剤としてNMPを下記の重量で混合溶解し、ポジ型感光性組成物を調製し、該組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
感光剤c 0.625g
アルカリ可溶性樹脂(3)の25重量%溶液 10.00g
NMP 2.96g
SC−101 0.007g
合成例4で得られたアダマンタン環を有するキノンジアジドスルホン酸エステル化合物(感光剤d)、合成例7で得られたアルカリ可溶性樹脂(3)、添加剤としてシリコン系界面活性剤である信越化学工業株式会社製KP−341、及び溶剤としてNMPを下記の重量で混合溶解し、ポジ型感光性組成物を調製し、該組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
感光剤d 0.625g
アルカリ可溶性樹脂(3)の25重量%溶液 10.00g
NMP 2.96g
KP−341 0.014g
合成例1で得られたアダマンタン環を有するキノンジアジドスルホン酸エステル化合物(感光剤a)、構造式(II)の化合物、合成例5で得られたアルカリ可溶性樹脂(1)、添加剤としてフッ素系界面活性剤であるSC−101、及び溶剤としてNMPを、下記の重量で混合溶解し、ポジ型感光性組成物を調製し、該組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
感光剤a 0.75g
構造式(II)の化合物 0.15g
アルカリ可溶性樹脂(2)の30重量%溶液 10.00g
NMP 2.31g
SC−101 0.007g
感光剤eとして2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(東洋合成工業株式会社製NT−200、感光剤e)、構造式(II)の化合物、合成例6で得られたアルカリ可溶性樹脂(2)、添加剤としてフッ素系界面活性剤であるSC−101、及び溶剤としてNMPを下記の重量で混合溶解し、ポジ型感光性組成物を調製し、該組成物を実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
感光剤e(NT−200) 0.84g
構造式(II)の化合物 0.15g
アルカリ可溶性樹脂(2)の30重量%溶液 10.00g
NMP 2.31g
SC−101 0.007g
構造式(II)の化合物に代えて構造式(III)の化合物を用いたこと以外は、実施例6と同様にしてポジ型感光性組成物を調製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
構造式(II)の化合物に代えて構造式(IV)の化合物を用いたこと以外は、実施例6と同様にしてポジ型感光性組成物を調製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
構造式(II)の化合物に代えて構造式(V)の化合物を用いたこと以外は、実施例6と同様にしてポジ型感光性組成物を調製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
感光剤aの代わりに感光剤eを用いた以外は、実施例1と同様にポジ型感光性組成物を調製し、評価した。結果を表2に示す。
感光剤aの代わりに、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(東洋合成工業株式会社製P−200、感光剤f)を用いた以外は、実施例1と同様にポジ型感光性組成物を調製し、評価した。結果を表2に示す。
実施例6において用いられたポジ型感光性組成物の構成成分から、構造式(II)の化合物を除き、NMPを下記の重量で混合溶解した以外は実施例6と同様にポジ型感光性組成物を調製し、実施例1と同様に該組成物を評価した。結果を表2に示す。
感光剤e(NT−200) 0.84g
アルカリ可溶性樹脂(2)の30重量%溶液 10.00g
NMP 1.96g
SC−101 0.007g
Claims (25)
- アルカリに可溶なアルカリ可溶性樹脂と、下記一般式(I)で表されるフェノール化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルと、を含有するポジ型感光性組成物。
- 前記R1がすべて同一であり、前記R2がすべて同一であることを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)におけるアダマンタン環に結合する全てのフェニルが、その4位に水酸基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型感光性組成物。
- 前記mは0であり、前記R2は、独立してアルキル、シクロアルキル又はフェニルであることを特徴とする請求項3記載のポジ型感光性組成物。
- すべての前記nが0であることを特徴とする請求項4記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)におけるアダマンタン環に結合するすべてのフェニルが、その3及び5位のみにR2を有し、R2がいずれもメチルであることを特徴とする請求項4記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)におけるアダマンタン環に結合するすべてのフェニルが、その3位のみにR2を有し、すべてのR2がシクロヘキシルであることを特徴とする請求項4記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)におけるアダマンタン環に結合するすべてのフェニルが、その3位のみにR2を有し、すべてのR2がフェニルであることを特徴とする請求項4記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)で表されるフェノール化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルは、前記一般式(I)で表されるフェノール化合物とキノンジアジド−4−スルホン酸又はキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステルであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)で表されるフェノール化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルが、
前記一般式(I)で表されるフェノール化合物とキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステルであることを特徴とする請求項5、6及び8のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。 - 前記一般式(I)で表されるフェノール化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルは、前記一般式(I)で表されるフェノール化合物とキノンジアジド−4−スルホン酸とのエステルであることを特徴とする請求項7記載のポジ型感光性組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記一般式(I)で表されるフェノール化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。
- アルカリに可溶なアルカリ可溶性樹脂と、放射線の照射によってアルカリに可溶となる感光性化合物と、下記一般式(I)で表されるフェノール化合物とを含有するポジ型感光性組成物。
、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数2〜5のアルケニル、炭素数2〜5のアルキニル、炭素数3〜8のシクロアルキル、炭素数3〜8のシクロアルケニル、又はフェニルを表し、前記シクロアルキル、シクロアルケニル及びフェニルにおける環の任意の水素は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ又は炭素数2〜5のアルケニルで置き換えられてもよく、mは0〜7の整数を表し、nは独立して0〜4の整数を表す。) - 前記R1がすべて同一であり、前記R2がすべて同一であることを特徴とする請求項13記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)におけるアダマンタン環に結合するすべてのフェニルが、その4位に水酸基を有することを特徴とする請求項13又は14記載のポジ型感光性組成物。
- 前記mは0であり、前記R2は、独立してアルキル、シクロアルキル又はフェニルであることを特徴とする請求項15記載のポジ型感光性組成物。
- すべての前記nが0であることを特徴とする請求項16記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)におけるアダマンタン環に結合するすべてのフェニルが、その3及び5位のみにR2を有し、R2がいずれもメチルであることを特徴とする請求項16記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)におけるアダマンタン環に結合するすべてのフェニルが、その3位のみにR2を有し、すべてのR2がシクロヘキシルであることを特徴とする請求項16記載のポジ型感光性組成物。
- 前記一般式(I)におけるアダマンタン環に結合するすべてのフェニルが、その3位のみにR2を有し、すべてのR2がフェニルであることを特徴とする請求項16記載のポジ型感光性組成物。
- 前記感光性化合物はキノンジアジドスルホン酸エステルであることを特徴とする請求項13〜20のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物。
- 請求項1〜21のいずれか一項に記載のポジ型感光性組成物からなる有機膜。
- 前記ポジ型感光性組成物の膜を焼成してなる請求項22記載の有機膜。
- パターンを有することを特徴とする請求項22又は23に記載の有機膜。
- パターンを形成するための開口部を有するマスクを介した前記ポジ型感光性組成物の膜への放射線の照射によって感光した前記ポジ型感光性組成物が、アルカリで現像されて形成されたパターンを有することを特徴とする請求項24記載の有機膜。
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