JP4882354B2 - アライメント調整方法、アライメントマークの形成方法、基材、及び透過型光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
このマイクロレンズアレイのうち、光線の入射型の面と射出側の面の両面のそれぞれが周期構造をしているマイクロレンズアレイ(シリンドリカルマイクロレンズアレイなど)では、ガラス基材の表面に形成されるマイクロレンズと、裏面に形成されるマイクロレンズとの間で位置が正しく合致していなくてはならない。そのために、互いの面に形成されるマイクロレンズの位置ズレ(「加工ズレ」という。面内での横シフト誤差成分と面内での回転誤差成分とからなる。)を極力抑える必要がある。
この加工ズレを抑える方法としては、予め、ガラス基材の表裏両面の互いに相対する幾つかの箇所にアライメントマークを設け、そのアライメントマークを基準としてガラス基材の表裏間のアライメントを行う方法が挙げられる。
これでは、ガラス基材の表裏間のアライメントを高精度に行うことはできず、所望のマイクロレンズアレイを製造することはできない。
また、本発明は、高性能な透過型光学素子を製造することのできる透過型光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
また、前記測定手順では、前記表面の前記複数のアライメントマーク対と、前記裏面の前記複数のアライメントマーク対とのうち、裏面間で最も近い方向を示す特定のアライメントマーク対を選出し、前記調整手順では、前記特定のアライメントマーク対が示す方向を、表裏間で共通の方向とみなすことが望ましい。
また、本発明のアライメントマークの形成方法は、少なくとも特定波長の光に対し透明な基材の表裏のそれぞれに、共通のマスク又は異なるマスクを用いて表裏合わせ用のアライメントマークを形成するアライメントマークの形成方法であって、前記マスクは、少なくとも前記基材の表面の1対の領域と、それに対向する裏面の1対の領域とのそれぞれに、1対の領域の並び方向とは異なる方向に前記アライメントマークを複数配列したアライメントマーク群を形成するものであり、かつ、前記表面及び前記裏面の少なくとも一方に形成される1対の前記アライメントマーク群の間で、前記アライメントマークの配列ピッチが互いに異なるように設定されていることを特徴とする。
また、本発明の基材は、少なくとも特定波長の光に対し透明な基材において、少なくとも前記基材の表面の1対の領域と、それに対向する裏面の1対の領域とのそれぞれに、1対の領域の並び方向とは異なる方向に前記アライメントマークを複数配列したアライメントマーク群を有し、前記表面及び前記裏面の少なくとも一方に形成された1対の前記アライメントマーク群の間では、前記アライメントマークの配列ピッチが互いに異なることを特徴とする。
また、互いに異なる面で、かつ対向しない領域に設けられた前記アライメントマーク群の間では、前記アライメントマークの配列ピッチが互いに同じであってもよい。
また、本発明の透過型光学素子の製造方法は、本発明の何れかの基材のうち、各々の領域で互いに対向する前記アライメントマーク群同士を比較する手順と、前記比較に基づき、表裏間で最も近い方向を示す特定のアライメントマーク対を、前記基材の表裏のそれぞれから選出する手順と、前記特定のアライメントマーク対の位置情報をアライメント機能付きの投影露光装置に入力する手順と、前記位置情報の入力された前記投影露光装置と、前記基材に創成すべき光学面の形状に対応したマスクパターンのマスクとを用いた逐次投影露光によって、前記基材の表裏の双方に光学面を創成する手順とを少なくとも含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、高性能な透過型光学素子を製造することのできる透過型光学素子の製造方法が実現する。
本実施形態は、透過型光学素子の1種、シリンドリカルマイクロレンズアレイの製造方法の実施形態である。
本製造方法の手順には、ガラス基板への表裏両面に対する位置合わせ用のアライメントマークの形成手順(図1)と、そのガラス基板の表裏へのレンズ面の創成手順(図2)とが含まれる。以下、これらの手順を順に説明し、最後に本製造方法の効果を説明する。
図1に示すように、アライメントマークの形成手順は、ステップS11〜S17からなる。
(ステップS11)
シリンドリカルマイクロレンズアレイ(後述する図12)が後の手順で形成されるガラス基板(請求項の基材に対応。)11(図3(b))を用意し、その表面にクロムを蒸着し、その上にレジストを塗布する。
(ステップS12)
一方、図3(a)に示すような密着露光用の原版10が用意される。
また、原版10には、ガラス基板11に対して、略所定の位置に位置決めするための3つのガイドピン(外形基準押し当てピン)10aが設けられている。
次に、図3(b)に示すように、ガラス基板11のレジストの塗布面を原版10の表面に密着させる。このとき、ガラス基板11の外縁は、3つのガイドピン10aのそれぞれに突き当てられ、それによってガラス基板11上の所定の4箇所にパターンWx1’,Wx2’,パターン群Wy’,Wθ’がそれぞれ正対した位置関係になる。
その状態で原版10の側からガラス基板11のレジストを露光(密着露光)し、パターンWx1’,Wx2’,パターン群Wy’,Wθ’をレジストに投影する。
(ステップS13)
ガラス基板11のレジストを現像し、エッチング処理を施す。これによって、ガラス基板11の表面には、図4に示すように、クロムからなるアライメントマークWx1,Wx2と、クロムからなるアライメントマーク群Wy,Wθとが形成される。
ステップS11と同様に、ガラス基板11の裏面にクロムを蒸着し、その上にレジストを塗布する。
(ステップS15)
ステップS12で使用した原版10の表面に、ステップS12と同様に、ガラス基板11のレジストの塗布面を密着させる。このとき、ガラス基板11の外縁は、3つのガイドピン10aのそれぞれに突き当てられる。
(ステップS16)
ステップS13と同様に、ガラス基板11のレジストを現像し、エッチング処理を施す。これによって、ガラス基板11の裏面には、図4に示すように、クロムからなるアライメントマークWx1,Wx2と、アライメントマーク群Wy,Wθとが形成される。
図4は、ガラス基板11の表面又は裏面を正面から見た図である。
図4に示すように、アライメントマークWx1,Wx2,アライメントマーク群Wy,Wθのそれぞれは、後述する投影露光装置14(図11参照)で使用可能となる規格に従ったマーク(投影露光装置14のアライメントセンサ14dが検出可能なマーク)からなる。
先ず、アライメントマークWx1は、ガラス基板11の周縁に近いX軸上の位置、例えば座標(X,Y)=(60mm,0mm)に形成される。このアライメントマークWx1の配置方向は、Y軸に略平行である。
アライメントマーク群Wyは、ガラス基板11の周縁近くのX軸及びY軸から離れた位置、例えば、座標(X,Y)=(−31.75mm,−55mm)を中心に形成された、X軸に平行な複数本(11本)のアライメントマークからなる。これらのアライメントマークは、Y方向に等間隔に並べて配置されている。
アライメントマーク群Wθは、アライメントマーク群WyとY軸に関し対称な位置、例えば座標(X,Y)=(31.75mm,−55mm)に形成される。このアライメントマーク群Wθは、X軸に略平行な複数本(11本)のアライメントマークからなる。これらのアライメントマークは、Y方向に等間隔に並べて配置されている。
以下では、図5(a)に拡大して示すように、アライメントマーク群Wy,Wθの各アライメントマークに対し、ガラス基板11の中心から外側へ向かって順番に識別番号(ライン番号)を付けて説明する。
また、2つのアライメントマーク群Wy,Wθは、投影露光装置14の縮小投影レンズ鏡筒に固定された、オフアクシス方式のアライメント方法で使用する2つのアライメントセンサで同時に観察できる間隔で設けられている。なお、投影露光装置の詳細は、例えば、特開昭61−44429号公報に開示されており、周知の技術であるので、ここでの説明は省略する。
アライメントマークθiとアライメントマークyiとを結ぶ各ベクトルBi(i=1,2,・・・,11)は、互いに平行ではない(なお、図5(b)では、ベクトル同士の角度の差を実際よりも強調して示してある。)。
つまり、本実施形態のアライメントマーク群Wy,Wθは、微小角度ずつ方向のずれた複数個(ここでは11個)のベクトルB1,B2,・・・,B11を表現している。
アライメントマークy1,y2,・・・,y11の配置ピッチと、アライメントマークθ1,θ2,・・・,θ11の配置ピッチとは互いに異なり、かつY座標値が同じなのは中央のアライメントマークθ6,y6のみなので、仮に、密着露光によるアライメントマークWx1,Wx2,アライメントマーク群Wy,Wθの表裏間での形成位置の誤差(シフト誤差成分と回転誤差成分とからなる。)が完全にゼロだったとしても、表裏間で完全に重なるのは、アライメントマークθ6,y6のみである。その他のアライメントマークは、1μm,2μm,・・・のように、アライメントマークθ6,y6から離れるに従って、表裏間のずれが大きくなる。
図7(a),(b),(c)は、表側に形成された同一ライン番号のアライメントマーク同士を結ぶベクトルB1,B2,・・・,B11と、裏側に形成された同一ライン番号のアライメントマーク同士を結ぶベクトルB1,B2,・・・,B11との関係を示す図である。図7では、わかりやすくするために各ベクトルの角度の差及び配置間隔を強調して示した。実線が表側のベクトルB1,B2,・・・,B11、点線が裏側のベクトルB1,B2,・・・,B11である。
図7(a)に示すように、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差が生じなかったときには、中央のベクトルB6のみが、表裏間で完全に一致する。
図7(c)に示すように、アライメントマーク群の表裏間での形成位置の誤差がY方向と回転方向とに共に生じたときには、中央からずれたベクトル(図ではベクトルB3)の表裏の平行度が、最も高くなる。また、そのベクトル(図ではベクトルB3)の方向が、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差の回転誤差成分を示す。
したがって、表裏間の平行度の最も高くなったベクトルが、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差の回転誤差成分を示し、そのベクトル(図3ではベクトルB3)の表裏間のずれ量が、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差のY方向のシフト誤差成分を示すことがわかる。
(ステップS17)
図8に示すように、ガラス基板11を工業用光学顕微鏡13のステージ(顕微鏡ステージ)13bにセットする。図8において符号13aで示すのは、対物レンズである。
この工業用光学顕微鏡13の対物レンズ13aの焦点をガラス基板11の表面に合わせて、表面のアライメントマークWx1の位置を、観察画像や顕微鏡ステージ13bの位置座標などに基づき認識すると共に、その焦点をガラス基板11の裏面に合わせて、表面のアライメントマークWx1と、それに正対する裏面のアライメントマークWx2との間のズレ量(光軸に垂直な面内での間隔)を測定する。
このときの裏面のアライメントマーク群Wθと、表面のアライメントマーク群Wyとの位置関係の一例を、図9の左下に示した。
このときの裏面のアライメントマーク群Wyと、表面のアライメントマーク群Wθとの位置関係の一例を、図9の右下に示した。
例えば、図9の左下及び右下に示すように、表面のアライメントマークyiと裏面のアライメントマークθiとの間のY方向のズレ量をΔYi,表面のアライメントマークθiと裏面のアライメントマークyiとの間のY方向のズレ量をΔYi’と表すと、互いにライン番号iの等しいズレ量ΔYi,ΔYi’を、全てのライン番号i=1,2,・・・,11について比較し、ズレ量同士の一致度が最も高いライン番号kと、それに対応するズレ量ΔYk(又はΔYk’)とを見出す。
これは、前述したベクトルB1,B2,・・・,B11の中で、ベクトルB9の表裏間の平行度が最も高いことを示す。
したがって、ライン番号kは、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差の回転誤差成分を示し、ズレ量ΔYkは、その形成位置の誤差のY方向のシフト誤差成分を示す。
なお、「ズレ量ΔYk」を補正データとして扱う代わりに、ズレ量ΔYkとズレ量ΔYk’の相加平均値や相乗平均値を補正データとして扱ってもよい。また、ズレ量ΔY,ΔYk’は、工業用光学顕微鏡13の実測値を、工業用光学顕微鏡13に固有の誤差(前述したブレ量)を考慮して補正したデータであることが好ましい。
図2に示すように、レンズ面の形成手順は、ステップS21〜S28からなる。
(ステップS21)
図10(a)に示すように、ガラス基板11の表面にレジスト11aを厚めに塗布する。
図11に示すような投影露光装置14のウエハステージ14eにガラス基板11をセットする。
投影露光装置14は、ステップ・アンド・リピート方式が適用された投影露光装置である。投影露光装置14には、ウエハステージ14eの他、照明光学系14a、マスクステージ14b、縮小投影レンズPL、2つのアライメントセンサ14d、制御部14fなどが備えられる。
マスクステージ14bには、ガラス基板1の表面にシリンドリカルマイクロレンズアレイのレンズ面に対応したグレースケールパターンを有するグレースケールマスクMがセットされる。
(ステップS23)
投影露光装置14は、ガラス基板11の縮小投影レンズPLの側の面に形成されたアライメントマークWx1と、アライメントマーク群Wy,Wθの特定のアライメントマークとに基づき、ガラス基板11とグレースケールマスクMとのアライメントを行いながら、ガラス基板11のレジスト11a上の各領域に、グレースケールマスクMのパターンを、ステップ・アンド・リピート方式で露光する。
そして、アライメントに当たっては、アライメントマークWx1,アライメントマーク群Wyのうち「ライン番号k」に対応する特定のアライメントマークyk,アライメントマーク群Wθのうち「ライン番号k」に対応する特定のアライメントマークθkが、2つのアライメントセンサ14dによって同時に検出される。そして、投影露光装置14は、アライメントマークykとアライメントマークθkとを結ぶ方向を、X軸方向として認識する。
ガラス基板11のレジスト11aを現像し(図10(b)参照)、エッチング処理(ドライエッチング)を施す。図10(c)は、ドライエッチングの途中工程を示す。
エッチング処理が完了した時点で、図12に示すように、ガラス基板11の表面の所定領域Eに、シリンドリカルマイクロレンズアレイのレンズ面が創成される(図10(d)参照)。なお、図12において、領域E中の小さい矩形領域が、1回の露光(1ショットの露光)による露光領域に相当する。
ステップS21と同様に、ガラス基板11の裏面にレジスト11aを厚めに塗布する(図10(a)参照)。
(ステップS26)
ステップS22にて使用したのと同じ投影露光装置14に、ガラス基板11がセットされる。ガラス基板11のレジストの塗布面は、縮小投影レンズPLの側に向けられる。
(ステップS27)
ガラス基板11の裏面に形成されたアライメントマークWx1と、アライメントマーク群Wy,Wθの特定のアライメントマークyk,θkとに基づき、ガラス基板11とグレースケールマスクMとのアライメントを行いながら、グレースケールマスクMのパターンを、ガラス基板11の裏面に逐次露光する。
ステップS24と同様の処理を行い、ガラス基板11の裏面の所定領域Eに、シリンドリカルマイクロレンズアレイのレンズ面を創成する(図10(d)参照)。
さらに、このガラス基板11に対し必要な仕上げ処理(組み立て調整用の合わせマークの形成処理など)を施すと、シリンドリカルマイクロレンズアレイが完成する。
本製造方法には、ガラス基板11の表裏にアライメントマークWx1,Wx2,アライメントマーク群Wy,Wθを形成する手順(図1ステップS11〜S16)と、ガラス基板11を表又は裏の一方の側から工業用光学顕微鏡13で観察し、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差の情報(補正データ)を取得する測定手順(図1ステップS17)とが含まれる。
その補正データさえ予め取得されていれば、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差がたとえ生じていたとしても、アライメントマークWx1,Wx2,アライメントマーク群Wy,Wθは、ガラス基板11の表裏間のアライメントを高精度化するのに有効なマークとなる。
また、ガラス基板11の少なくとも一方の面に形成されるアライメントマーク群Wy,Wθ(図5(a)参照)は、微小角度ずつずれた複数のベクトルB1,B2,・・・,B11(図5(b)参照)を示す。このベクトルB1,B2,・・・,B11によれば、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差の回転誤差成分と、少なくとも特定方向のシフト誤差成分とが、それぞれ明らかになる。
また、本製造方法では、レンズ面の創成手順にフォトリソグラフィーが適用される(図2参照)。そのフォトリソグラフィーでは、アライメント機能付きの投影露光装置14(図11参照)が用いられる。その投影露光装置14によるアライメントは、アライメントマークWx1,Wx2と、アライメントマーク群Wy,Wθのうち補正データが示す特定のアライメントマークyk,θkとに基づいて行われる(図2ステップS23,S27)。
また、特定のアライメントマークyk,θkの各位置を参照すること、つまり表裏間の平行度が最も高くなったベクトルを参照することによって、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差の回転誤差成分の影響を殆ど受けないアライメントが可能になった。
また、投影露光装置14は、ステップ・アンド・リピート方式が適用された投影露光装置であるので、表裏間のアライメントに要求される精度は、極めて高い。したがって、投影露光装置14を用いたシリンドリカルマイクロレンズアレイの製造に本製造方法を適用したことによる効果は、高い。
すなわち、ガラス基板11の表裏の4つのアライメントマーク群Wy,Wθのアライメントマークの形成ピッチを、それら4つのアライメントマーク群間でそれぞれ異なるものとする。このとき、ガラス基板11の表面に現れる複数のベクトルB1,B2,・・・,B11の角度関係と、ガラス基板11の裏面に現れる複数のベクトルB1,B2,・・・,B11の角度関係とは、異なる。つまり、ライン番号の等しい表裏のベクトルであっても、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差がゼロのときに一致するベクトルに対し、互いに異なる角度を成す(角度差がある。)。
以上を纏めると、ガラス基板11の表裏の少なくとも一方の面に、方向の異なる複数のベクトルが現れており、しかも、ガラス基板11の一方の側から観察したときに、表面上の複数のベクトルの組み合わせと、裏面上の複数のベクトルの組み合わせとが互いに異なっていれば、表裏間の平行度がベクトルにより様々になるので、その中から平行度の高いベクトルを選出してアライメントを高精度化することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、アライメントマーク群Wyの各アライメントマークy1,y2,・・・,y11と、アライメントマーク群Wθの各アライメントマークθ1,θ2,・・・,θ11との配置ピッチの差が1μmであるが、これに限られない。
因みに、一般に、配置ピッチの差が小さいほど前述した各ベクトル同士の角度の差が小さくなるので、アライメントマークの表裏間での形成位置の誤差の前記回転誤差成分の影響を、より小さく抑えることができる。
また、アライメントマークWx1,Wx2,アライメントマーク群Wy,Wθは、投影露光装置14のアライメントセンサ14dが検出可能であれば、ハッチング以外のパターンのマーク(十字パターンのマークなど)であってもよい。
また、上述した実施形態では、使用されたグレースケールマスクの数が1つであるが、2又は3以上に増やし、その分だけ露光回数を増やせば、レンズ面の微細な表面形状を高精度に創成することができる。その場合、sag量(垂れ下がり量)の高いシリンドリカルマイクロレンズアレイを高精度に製造することができる。
11a レジスト
10 密着露光用の原版
10a ガイドピン
Wx1’,Wx2’ パターン
Wy’,Wθ’ パターン群
Wx1,Wx2 アライメントマーク
Wy,Wθ アライメントマーク群
y1,・・・,y11,θ1,・・・,θ11 アライメントマーク
B1,・・・,B11 ベクトル
13 工業用光学顕微鏡
13a 対物レンズ
13b 顕微鏡ステージ
14 投影露光装置
14a 照明光学系
14b マスクステージ
PL 縮小投影レンズ
14d アライメントセンサ
14f 制御部
14e ウエハステージ
Claims (12)
- 少なくとも特定波長の光に対し透明な基材の表裏のそれぞれに、表裏合わせ用のアライメントマークを形成する形成手順と、
前記アライメントマーク形成後の前記基材の表又は裏の一方の側から、前記アライメントマークの表裏間のずれ具合の情報を取得する測定手順と、
前記ずれ具合の情報に基づき前記基材の表裏に形成すべき光学面のアライメント調整をする調整手順とを含み、
前記形成手順は、
少なくとも前記基材の表面の1対の領域と、それに対向する裏面の1対の領域とのそれぞれに、1対の領域の並び方向とは異なる方向に前記アライメントマークを複数配列したアライメントマーク群を形成することにより、前記表面及び前記裏面のそれぞれに複数のアライメントマーク対を形成するものであって、
前記表面及び前記裏面の少なくとも一方の前記複数のアライメントマーク対は、互いに角度のずれた複数の方向を示す
ことを特徴とするアライメント調整方法。 - 請求項1に記載のアライメント調整方法において、
前記一方の側から観察したときに、前記表面の前記複数のアライメントマーク対が示す複数の方向の組み合わせと、前記裏面の前記複数のアライメントマーク対が示す複数の方向の組み合わせとは、互いに異なる
ことを特徴とするアライメント調整方法。 - 請求項1又は請求項2に記載のアライメント調整方法において、
前記測定手順では、
前記表面の前記複数のアライメントマーク対と、前記裏面の前記複数のアライメントマーク対とのうち、裏面間で最も近い方向を示す特定のアライメントマーク対を選出し、
前記調整手順では、
前記特定のアライメントマーク対が示す方向を、表裏間で共通の方向とみなす
ことを特徴とするアライメント調整方法。 - 請求項1又は請求項2に記載のアライメント調整方法において、
前記測定手順では、
前記表面の前記複数のアライメントマーク対と、前記裏面の前記複数のアライメントマーク対とのうち、表裏間で最も近い方向を示す特定のアライメントマーク対を選出すると共に、その特定のアライメントマーク対のうち互いに表裏の関係にあるアライメントマーク同士の表裏間のずれ量を測定し、
前記調整手順では、
前記ずれ量を、前記アライメントマークの前記ずれ具合のシフト誤差成分と判断する
ことを特徴とするアライメント調整方法。 - 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のアライメント調整方法によるアライメント機能付きの投影露光装置を用いたフォトリソグラフィー法により、透過型光学素子の原型となる前記基材の表裏を加工する手順を含み、
前記フォトリソグラフィーでは、
前記形成された前記アライメントマークと、前記取得された前記ずれ具合の情報とに基づき、前記基材の表裏間の加工ずれが抑えられるようにその基材の表裏間のアライメントを行う
ことを特徴とする透過型光学素子の製造方法。 - 請求項5に記載の透過型光学素子の製造方法において、
前記透過型光学素子は、
マイクロレンズアレイである
ことを特徴とする透過型光学素子の製造方法。 - 少なくとも特定波長の光に対し透明な基材の表裏のそれぞれに、共通のマスク又は異なるマスクを用いて表裏合わせ用のアライメントマークを形成するアライメントマークの形成方法であって、
前記マスクは、
少なくとも前記基材の表面の1対の領域と、それに対向する裏面の1対の領域とのそれぞれに、1対の領域の並び方向とは異なる方向に前記アライメントマークを複数配列したアライメントマーク群を形成するものであり、かつ、
前記表面及び前記裏面の少なくとも一方に形成される1対の前記アライメントマーク群の間で、前記アライメントマークの配列ピッチが互いに異なるように設定されている
ことを特徴とするアライメントマークの形成方法。 - 請求項7に記載のアライメントマークの形成方法において、
前記マスクは、
前記1対の領域の少なくとも一方で対向する前記アライメントマーク群の間で、前記アライメントマークの配列ピッチが異なるように設定されている
ことを特徴とするアライメントマークの形成方法。 - 少なくとも特定波長の光に対し透明な基材において、
少なくとも前記基材の表面の1対の領域と、それに対向する裏面の1対の領域とのそれぞれに、1対の領域の並び方向とは異なる方向に前記アライメントマークを複数配列したアライメントマーク群を有し、
前記表面及び前記裏面の少なくとも一方に形成された1対の前記アライメントマーク群の間では、前記アライメントマークの配列ピッチが互いに異なる
ことを特徴とする基材。 - 請求項9に記載の基材において、
前記1対の領域の少なくとも一方で対向する前記アライメントマーク群の間では、前記アライメントマークの配列ピッチが異なる
ことを特徴とする基材。 - 請求項9又は請求項10に記載の基材において、
互いに異なる面で、かつ対向しない領域に設けられた前記アライメントマーク群の間では、前記アライメントマークの配列ピッチが互いに同じである
ことを特徴とする基材。 - 請求項9〜請求項11の何れか一項に記載の基材のうち、各々の領域で互いに対向する前記アライメントマーク群同士を比較する手順と、
前記比較に基づき、表裏間で最も近い方向を示す特定のアライメントマーク対を、前記基材の表裏のそれぞれから選出する手順と、
前記特定のアライメントマーク対の位置情報をアライメント機能付きの投影露光装置に入力する手順と、
前記位置情報の入力された前記投影露光装置と、前記基材に創成すべき光学面の形状に対応したマスクパターンのマスクとを用いた逐次投影露光によって、前記基材の表裏の双方に光学面を創成する手順と
を少なくとも含むことを特徴とする透過型光学素子の製造方法。
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