JP4882065B2 - 静電アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、電極間の静電引力を効率良く機械的仕事に変換することができる超小型の静電アクチュエータに関する。
従来の電磁アクチュエータの場合には電流を流し放しの状態となるのに対し、静電アクチュエータの場合には、初期の充電時のみに電流が流れるため省エネルギーにも寄与するものである。
また、静電アクチュエータは、半導体製造技術を適用した、いわゆるMEMS(Micro Electro-Mechanical System)技術を適用することによって、低コスト、高精度の製作が期待できる。
従来の平行平板型静電アクチュエータは、固定電極Kと可動電極Mとを対向配置し、両者に電圧を印加して電極間隔を小さくする方向の静電駆動力を得るものである。この場合の静電駆動力Feはεを比誘電率、真空の誘電率をε、dを電極間隔、Sを対向電極面積、Vを印加電圧とすれば、
Fe=ε・ε・S・V/2d ・・・・(1)
として表される。
上記(1)式より明らかなように、静電引力は電極間隔が小さくなるにつれて、急激に増加していく特性を持っている。従来は静電引力を仕事に変換することができるポテンシャルを持ちながら、初期発生力が弱く、実際には十分な仕事量を取り出すことが出来ない問題を有していた。
そして、変位量が極めて小さいためその適用範囲や用途が制限されていた。そこで、特許文献1では、大きな変位量を発生させることを目的として、ラチェット機構を含む板ばねのばね力を利用した静電式アクチュエータが開示されている。
即ち、可動部材と、板ばねを持ち前記可動部材を第1の方向に変位させる1対の第1駆動部材と、板ばねを持ち前記可動部材を第2の方向に変位させる1対の第2駆動部材とを固定部材上に配置し、前記各駆動部材と固定部材との静電力を利用して可動部材を双方向に変位可能とし、前記固定部材と可動部材との間の静電力を利用して一定位置に保持させる静電式アクチュエータが開示されている。
しかしながら、特許文献1の装置では、駆動力が、可動部材を支持する部材の変形(弾性エネルギー)に消費されているため、外部に取り出せる力はどんどん弱くなるものである。そして、単に大きな変位を得ようとしたものであり、駆動の為の発生力に関しては考慮されていなかった。
特開平5−220680号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、ばね、好ましくは非線形ばね、非線形伸び縮みばね、ゴム等の弾性体を支持体としてだけでなく、機械的エネルギーを蓄積する部材として利用することにより、静電引力による仕事を弾性エネルギーに変換してから仕事をさせることを可能とし、静電引力を効率良く機械的仕事に変換でき、大きな力と仕事を生成する事ができる小型の静電アクチュエータを提供することである。更に垂直方向の静電引力をばねに蓄え、出力時は静電引力の働く方向と直交する方向への取り出しを可能とし、省スペース化を図ることを目的とする。
請求項1に係る発明は、静電アクチュエータであって、次の(a)〜(e)の構成を有する、
(a)上基板と、これに所定の間隔を持って配置された下基板よりなり、
(b)上又は下基板には、少なくとも一方が移動可能な部材が支持部材を介して移動可能に接続され、該移動可能な部材(一方のみが移動可能な場合は該部材と基板)には、それぞれ駆動用電極である第1電極及び第2電極が対向して備わり、該駆動用電極は電圧が印加された時対向方向に移動し得る如く構成されており、
(c)駆動用電極間には両端に吸着電極が存在する弾性部材が配置され、該弾性部材は、両駆動用電極による押圧で歪みを生じエネルギーを蓄積すると共に、長手方向の長さが伸長又は短縮する如く構成され、
(d)弾性部材と上又は下基板との間に出力シートが移動可能に挿入されており、出力シートには弾性部材の一方の端部に存在する吸着電極に対向する位置に対極となる電極を備えており、且つ上又は下基板も弾性部材及び出力シートが有する吸着電極の対極となる電極を対向して有しており、
(e)各吸着電極は、それぞれ別個に対極との間に電圧を印加する手段に電気的に接続され、吸着電極はそれぞれ対極との間に電圧を印加されることにより静電気的に吸着固定される機能を有している、
(a)〜(e)を特徴とする静電アクチュエータである。
請求項2に係る発明は、前記弾性部材は、前記第1電極と前記第2電極との間に配設された非線形ばねであることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータである。
請求項3に係る発明は、前記弾性部材が板ばねであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電アクチュエータである。
請求項4に係る発明は、前記弾性部材が弓幹状ばねであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静電アクチュエータである。
請求項5に係る発明は、前記第1電極と前記第2電極が共に可動電極であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の静電アクチュエータである。
請求項6に係る発明は、前記第1電極と前記第2電極の一方が固定電極、他方が可動電極であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の静電アクチュエータである。
請求項7に係る発明は、前記第1電極が基板に固定され、前記第2電極が移動可能に構成されていることを特徴とする請求項6記載の静電アクチュエータである。
請求項8に係る発明は、前記第2電極が基板に固定され、前記第1電極が移動可能に構成されていることを特徴とする請求項6記載の静電アクチュエータである。
本発明により提供される静電アクチュエータによれば、静電引力による仕事をばね、特に非線形伸び縮みばね等を利用した弾性エネルギーに変換してから仕事をさせることが出来るため、静電引力を効率良く機械的仕事に変換でき、大きな力と仕事を生成する事ができ、しかも小型に作ることが可能である。
上記(1)式において、電極面積を1mm、電圧10V、誘電率を空気の値にした場合の、電極間隔と仕事量との関係を図1に示す。通常の構造の静電アクチュエータにおいては、図1のように例えば初期電極間隔d=5μmの時には初期発生力が1.77×10-5 であり、これ以上の負荷は動かせないからこれが利用できる最大の発生力となる。従ってこの力でdが減少する方向にアクチュエータが動くので、静電アクチュエータだけでできる仕事量W1は、領域W1で示される。一方、本発明による静電アクチュエータにおける静電引力から弾性エネルギーへの変換を用いた場合には、たとえばd=0.2μmからdが増加する方向にアクチュエータが動くことになるので、d=0.4μmまで動かす場合には2.77×10-3 の負荷、d=1μmまで動かすなら4.43×10-4 の負荷のものを動かすことが出来る。従って、その仕事量は、電極間隔の変化に応じて領域W2、領域W3のようになる。即ち、仕事量はW2/W1=4.16倍、W3/W1=6.5倍となり、静電引力のみよりかなり大きな仕事をすることが出来る。また、発生力は、それぞれ25倍、156倍にすることが出来る。
本発明の特徴は、駆動用電極である第1電極と第2電極の間に印加される電圧によって生ずる静電引力により弾性部材に歪を生じ、エネルギーを蓄積すると共に該弾性部材の長平方向の伸び又は縮みを生ぜしめ、静電吸着用電極により、出力シートを該弾性部材の一端に吸着固定した後、前記駆動用電極間の電圧を解放することにより、該弾性部材の歪を開放し、該弾性部材が元の長さに復元する力により出力シートを移動させることにある。
以下に本発明の実施例について説明する。
図2は本発明の静電アクチュエータを示すもので、図2(イ)は平面図、図2(ロ)は図2(イ)のA−A断面図、図2(ハ)は分解図である。
図2において、静電アクチュエータ10は、互いに所定間隔をもって配置された基板としての上固定部材3と下固定部材4にはそれぞれ中央部に可動電極1と可動電極2を備えた可動部材15,16が支持部材13,14(可動部材16に関する支持部材は図示していないがこれと同様である。)を介して取り付けられている。可動電極1と可動電極2の間または可動部材15,16の間には、非線形ばね5,6が配されている。
非線形ばね5,6は分解図にも示すように一対の2つの弓幹状ばねを逆向きに合わせた形状をしており、その両端部には静電吸着用電極7,8を備えている。該静電吸着用電極7と対応する下固定部材4上には静電吸着用電極11が設けられている。
非線形ばねは、変形(変位)量に従ってばね定数が変化するように変形形状、板厚変化、ばね幅変化、複数のばねの組み合わせ等により実現出来る。図4〜図9のように、種々の形態のばねを利用して非線形伸び縮みばねを接続することも可能である。
また、ポリイミドフィルム等からなる出力シート17が、上固定部材3と下固定部材4との間で、かつ弓幹状ばねの両端部の下方で下固定部材4との間に挿入配置され、図示で水平方向に移動可能に設けられている。そして、出力シート17の端部にも静電吸着用電極8に対応する静電吸着用電極18が設けられており、さらに静電吸着用電極18に対応する静電吸着用電極12が固定部材4上に設けられている。
また、可動電極1と可動電極2として説明したが、どちらか一方を固定電極としても良いことは当然である。
次に、出力シート17の動作を図3(イ)〜図3(ト)を参照して詳述する。
図3(イ)では、全ての電極には電圧は印加されておらず、この状態では何らの作用も生じない。図3(ロ)の如く、下固定部材4の静電吸着用電極12と出力シート17の静電吸着用電極18との間に電圧を印加すると、出力シート17は下固定部材4に固定される。この状態で、図3(ハ)の如く、可動電極1と可動電極2との間に電圧を印加すると両者間に静電引力が発生し、図3(ニ)の如く非線形ばね5,6は圧縮され、非線形ばねは弾性エネルギーを蓄積する。同時に非線形ばね5,6の両端部は左右に延びる。次に図3(ホ)の如く、非線形ばね5,6の両端部の静電吸着用電極7と下固定部材4の静電吸着用電極11の間、および非線形ばね5,6の両端部の静電吸着用電極8と出力シート17の静電吸着用電極18の間にも電圧を印加する。
この時、非線形ばね5,6の出力シート17側の端部は、出力シート17、非線形ばねの両端部、下固定部材4の3者が同時に固定された状態にある。次に、図3(ヘ)の如く、静電吸着用電極7と11の間に電圧を印加した状態で、可動電極1と可動電極2との間の電圧を解放すると同時に、静電吸着用電極8と18の間には電圧を印加したままで、静電用吸着用電極12と18の間の電圧の印加を解放する。すると、非線形ばね5,6に蓄積された弾性エネルギーが解放され、出力シート17を吸着した状態のまま、左方へ移動する。図3(ト)の状態で、出力シート17は1ステップ進行したことになる。この状態では、非線形ばね5,6の位置が左方にずれているが、可動電極1,2の範囲内で、図3(ロ)〜図3(ト)の工程を繰り返すことにより、出力シート17はいわゆるラチェット運動を繰り返し間欠的に尺取り虫のように左方へ進行する。又は、非線形板ばねを連続的に連結してある板ばねを用いることにより、1つの非線形板ばねが可動電極間から出ていくと次の非線形板ばねが可動電極間に入ってくるように構成することで、前記と同様に出力シートはいわゆるラチェット運動を繰り返し間欠的に左方へ進行する。
ここで、静電吸着用電極7,8,11,12,18は、いずれも弓幹状非線形板ばねおよび出力シート17を一時的に固定させる為に用いられ、弓幹状非線形板ばねおよび出力シート17にいわゆるラチェット運動を起こさせるためのもので、以下このような電極をラチェット電極と称する。
は、この実施例の静電アクチュエータ50は非線形板ばねが斜めに支持された湾曲した板ばねからなるものである。原理的には図(イ)に示すように、斜めに支持された板ばねは、上方に荷重を加えて移動させられると支持部と荷重点の水平距離が大きくなることから、ばね定数kは低下し、逆に下方に移動させられると支持部からの水平距離が小さくなることから、ばね定数kは増加する。
静電アクチュエータ50には、基板51上の支持部52,53から可動電極54,55に向けて、非線形板ばね56,56’及び57,57’が設けられている。ここで、支持部52及び支持部53の下部と基板51には、それぞれ静電吸着用のラチェット電極(図示せず)が設けられている。支持部53には負荷としての出力部58が支持されている。
次に、出力部58の動作を、図(ロ)〜図(ニ)を参照して詳述する。
(ロ)では、全ての電極には電圧は印加されておらず、この状態では何らの作用も生じない。図(ハ)の如く、出力部58が接続された支持部53と基板51のラチェット電極に電圧を印加して支持部53を固定した状態で、可動電極54と可動電極55間に電圧を印加すると、両可動電極54,55は静電引力により接近し、同時に弧状の非線形板ばね56,56’及び弧状の非線形板ばね57,57’は弾性エネルギーを蓄えながら変形する。このとき、板ばねの変形に伴って支持部52は右方に進行する。次に、図(ニ)の如く、進行方向後方の支持部52と基板51のラチェット電極に電圧を印加した後に、可動電極54と可動電極55間、および支持部53と基板51のラチェット電極の電圧を解放すると非線形板ばね56,56’,57,57’に蓄積された弾性エネルギーが解放され、可動電極54と可動電極55が離れると同時に、支持部53が出力部58を押しながら共に右方に移動進行する。その後は以上の操作を繰り返すことにより、大きな力と仕事を生成する事が可能となる。
また、前記可動電極54,55のいずれか一方を固定電極としても良いことは当然である。
本実施例の場合には、この縦置きの状態の静電アクチュエータ50を水平面上で90度横に倒した状態で使用することもできる。
は、本発明の第の実施例の静電アクチュエータ60を示すものである。この実施例の静電アクチュエータ60は、実施例の静電アクチュエータ50を改良したもので、仕事をする際に発生する可能性のある非線形板ばねの座屈の問題を解決したものである。
(イ)に示すように、基板67上に左右のコの字状枠体65,66が滑動自在に配され、枠体65,66の間に可動電極63,64が設けられている。枠体65及び枠体66の下部と基板67には、それぞれ静電吸着用のラチェット電極(図示せず)が設けられている。可動電極63は枠体65の上部と斜めに支持された弧状の非線形板ばね61で接続され、同様に枠体66の上部と弧状の非線形板ばね61’で接続されている。また、可動電極64は同様にして枠体65の下部と弧状の非線形板ばね62で接続され、枠体66の下部と弧状の非線形板ばね62’で接続されている。そして、枠体66には負荷としての出力部68が接続されている。
次に、出力部68の動作を図(ロ)〜図(ニ)を参照して詳述する。動作は実施例5と類似である。
(ロ)では、全ての電極には電圧は印加されておらず、この状態では何らの作用も生じない。図5(ハ)の如く、出力部68が接続された枠体66と基板67のラチェット電極に電圧を印加した状態で、可動電極63と可動電極64間に電圧を印加すると、両可動電極63,64は静電引力で接近し、同時に弧状の非線形板ばね61,61’及び弧状の非線形板ばね62,62’は弾性エネルギーを蓄えながら変形する。このとき、進行方向の枠体65は左方に進行する。次に、図(ニ)の如く、進行方向の枠体65と基板67のラチェット電極に電圧を印加した後に、可動電極63と可動電極64間の電圧および枠体66と基板67のラチェット電極の電圧を解放すると非線形板ばね61,61’,62,62’に蓄積された弾性エネルギーが解放され、可動電極63と可動電極64が離れると同時に、枠体66が出力部68と共に左方に移動進行する。その後は以上の操作を繰り返すことにより、大きな力と仕事を生成する事が可能となる。
また、前記可動電極63,64のいずれか一方を固定電極としても良いことは当然である。
本実施例の場合にも、実施例と同様に、縦置きの状態の静電アクチュエータ60を水平面上で90度横に倒した状態で使用することもできる。
は、本発明の第の実施例の静電アクチュエータ70を示すものである。
(イ)は静電アクチュエータ70の平面図である。図(ロ)は図(イ)のB−B線断面図である。
(イ)に示すように、右枠体72及び左枠体73は、相互に連結されて中空移動体74を構成している。この中空移動体74は基板71上に配され、中空移動体74の左枠体73及び右枠体72に対向して可動電極75が設けられ、左枠体73と可動電極75の間には、く字状の一対の非線形板ばね76,76’が配されている。ここで、右枠体72の下部と基板71には、それぞれ静電吸着用のラチェット電極(図示せず)が設けられている。また、右枠体72は固定電極として作用し、左枠体73には負荷としての出力部78が取り付けられている。
ここで、非線形板ばね74,74’をく字状とすることの理由は、図に示すように、非線形板ばねに荷重が掛かった際に荷重点がずれることなく非線形性がでるからである。
次に、静電アクチュエータ70の動作を、図(イ)、図(ハ)〜図(ト)を参照して詳述する。
(イ)では、全ての電極には電圧は印加されておらず、この状態では何らの作用も生じない。図(ハ)の如く、右枠体72と基板71のラチェット電極間に電圧を印加し、右枠体72を基板71に固定する。この状態で、図(ニ)の如く、右枠体72と可動電極75間に電圧を印加すると、静電引力で、可動電極75は一対の非線形板ばね76,76’を伸張させながら右枠体72に引き寄せられる。その結果、図(ホ)の如く、一対の非線形板ばね76,76’には弾性エネルギーが蓄積される。次に、図(ヘ)の如く、可動電極75と基板71間に電圧を印可して、可動電極75を基板71に固定した状態で可動電極75と右枠体72との間の電圧を開放すると共に、右枠体72と基板71のラチェット電極間の電圧を開放する。すると、図(ト)の如く、一対の非線形板ばね76,76’に蓄積された弾性エネルギーが開放され、中空移動体74が右方に移動するので、左枠体73に取り付けられた出力部78が移動する。その後は以上の操作を繰り返すことにより、大きな力と仕事を生成する事が可能となる。
では、左枠体73と可動電極75との間に一対の非線形板ばねが設けられている例で説明したが、右枠体72と可動電極75との間に圧縮ばねとして一対の非線形板ばねを設けてもよいことは当然である。この場合には、固定電極としての右枠体72と可動電極75との間の一対の非線形板ばねに蓄積される弾性エネルギーを利用することにより、上述と同様にして左枠体73に取り付けられた出力部78を移動させることができる。
に、図に示した静電アクチュエータ70に使用され得る非線形ばねの例を示す。図(イ)は、一対のく字状板ばねの両端部が互いに離れているタイプの例である。図(ロ)は、一対のく字状板ばねの両端部が互いに結合され、いわゆる菱形形状のタイプの例である。図(ハ)は、図(ロ)の菱形の頂部に直線のばね部を設けたタイプのものである。図(ニ)は、楕円形状の板ばねの長軸部の両端に直線のばね部を設けたタイプのものである。図(ホ)は、楕円形状の板ばねのタイプのものである。
以上説明したように、本件発明によると、ラチェット機構を備えた板ばねの蓄積力を利用するようにしたので、簡単な構成で発生力、変位の大きい実用的で、かつ省エネルギー、超小型の静電アクチュエータを得ることが出来る。
さらに、弓幹状板ばねは、静電引力によりつぶれて行くに従い、該弓幹状板ばね両端部と他部材との接触域が増加するので、ばねに非線形性が出るものである。
また、非線形ばねを線形ばねとしても良いことは当然である。
本発明の静電アクチュエータは、例えば、医療用機器における内視鏡等の多自由度可撓管の駆動部、情報機器におけるHDDのピックアップ、携帯機器における携帯電話のカメラのレンズ移動機構、シャッター移動機構等、各種のアクチュエータに使用可能である。
本発明に係る静電アクチュエータの発生力を示す図である。 本発明に係る第1実施例の静電アクチュエータを示す図である。 第1実施例の静電アクチュエータの動作説明図である。 本発明に係る第実施例の静電アクチュエータ、及びその動作を示す図である。 本発明に係る第実施例の静電アクチュエータ、及びその動作を示す図である。 本発明に係る第実施例の静電アクチュエータ、及びその動作を示す図である。 本発明に係る第実施例の静電アクチュエータに使用される非線形板ばねを説明する図である。 本発明に係る第実施例の静電アクチュエータに使用される非線形板ばねの例を示す図である。 本発明に用いられる非線形板ばねの例を示す図である。
1,2,54,55,63,64,75 可動電極
3 上固定部材
4 下固定部材
5,6,56,56’,57,57’,61,61’,62,62’,76,76’ 非線形板ばね
7,8,11,12,18 静電吸着用電極
10,50,60,70 静電アクチュエータ
13,14 支持部材
15,16 可動部材
17 出力シート
51,67 基板
24 電極
27,37,47 固定電極
58,68 出力部
52,53 支持部
65,66 枠体

Claims (8)

  1. 静電アクチュエータであって、次の(a)〜(e)の構成を有する、
    (a)上基板と、これに所定の間隔を持って配置された下基板よりなり、
    (b)上又は下基板には、少なくとも一方が移動可能な部材が支持部材を介して移動可能に接続され、該移動可能な部材(一方のみが移動可能な場合は該部材と基板)には、それぞれ駆動用電極である第1電極及び第2電極が対向して備わり、該駆動用電極は電圧が印加された時対向方向に移動し得る如く構成されており、
    (c)駆動用電極間には両端に吸着電極が存在する弾性部材が配置され、該弾性部材は、両駆動用電極による押圧で歪みを生じエネルギーを蓄積すると共に、長手方向の長さが伸長又は短縮する如く構成され、
    (d)弾性部材と上又は下基板との間に出力シートが移動可能に挿入されており、出力シートには弾性部材の一方の端部に存在する吸着電極に対向する位置に対極となる電極を備えており、且つ上又は下基板も弾性部材及び出力シートが有する吸着電極の対極となる電極を対向して有しており、
    (e)各吸着電極は、それぞれ別個に対極との間に電圧を印加する手段に電気的に接続され、吸着電極はそれぞれ対極との間に電圧を印加されることにより静電気的に吸着固定される機能を有している、
    (a)〜(e)を特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記弾性部材は、前記第1電極と前記第2電極との間に配設された非線形ばねであることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記弾性部材が板ばねであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電アクチュエータ。
  4. 前記弾性部材が弓幹状ばねであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の静電アクチュエータ。
  5. 前記第1電極と前記第2電極が共に可動電極であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の静電アクチュエータ。
  6. 前記第1電極と前記第2電極の一方が固定電極、他方が可動電極であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の静電アクチュエータ。
  7. 前記第1電極が基板に固定され、前記第2電極が移動可能に構成されていることを特徴とする請求項6記載の静電アクチュエータ。
  8. 前記第2電極が基板に固定され、前記第1電極が移動可能に構成されていることを特徴とする請求項6記載の静電アクチュエータ。
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