JP4881748B2 - 文化財状態管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、文化財状態管理システムに関する。
従来、文化財を管理し、災害、盗難、いたずら等から文化財を保護するための技術としては、文化財建造物や歴史遺産の外周や外壁に火災報知器や侵入検知装置を設け、火災の発生や侵入の発生を報知する警備会社のセキュリティシステムがある。また、各文化財の素材、製造年月、製造技法、修復履歴の情報を蓄積するデータベースを備える文化財保存管理支援システムがある(特許文献1を参照)。
また、グリッドコンピューティングシステムに係る技術として、動的情報の変更が全てのサービス提供装置に反映されるグリッドコンピューティングシステム等がある(特許文献2および特許文献3を参照)。
また、住宅の各所にセンサを設置し、住宅の各部の歪み、水漏れ、結露、火災等の状態情報を取得する住宅管理方法がある(特許文献4を参照)。
特開2006−99425号公報 特開2005−275946号公報 特開2004−302741号公報 特開2002−140774号公報
地震や台風等の災害が発生し、複数の文化財に被害が生じた場合、迅速な復旧対応が求められる。迅速な復旧対応が遅れると、多くの文化財が失われてしまう危険性が高まる。例えば、兵庫県南部地震では1200余棟の歴史的建造物に被害が及んだため、人の手による損傷の把握に3ヶ月以上の時間がかかり、緊急対応が遅れたり、間に合わないという事態が生じ、結果として多くの文化財建造物が失われた。また、地震や台風等の天災以外に、放火、盗難、いたずら等の人災によっても、文化財が損傷したり消失したりする危険性がある。例えば、この4年間で、重要文化財建造物に28件の侵入・盗難の被害が出ている(平成17年度末データ)。
従来、このような問題に対する対応策としては、文化財の外周や外壁に設置された火災報知器や侵入検知装置を用いた警備会社のセキュリティシステムがある。しかし、従来のセキュリティシステムでは、文化財の現在の状態および状態の経過を文化財保護の観点から把握し、問題発生時の用に供することは出来ない。また、災害発生時には、システム全体が災害によって停止したりデータが失われたりして、文化財を保護し、状態を管理する役割を果たさない可能性が高いという問題がある。
本発明は、上記した問題に鑑み、文化財または文化財の周辺環境の現在の状態および状態の経過を把握し、更に、災害の発生によっても停止せず、データが失われない文化財状態管理システムを提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、一または複数の管理対象である文化財を担当する担当サーバを有するグリッドコンピューティングシステムが、担当サーバを用いて、管理対象に設置されたセンサによって取得された状態データの解析および蓄積を行い、
状態データのデータ量またはデータ内容に基づいて担当サーバを変更することとした。
詳細には、本発明は、管理対象である文化財に設置され、該文化財またはその周辺環境の状態データを取得するセンサと、一または複数の前記管理対象を担当する担当サーバを有し、該担当サーバをコンピュータ資源とする仮想化コンピュータであるグリッドコンピューティングシステムと、を備え、前記グリッドコンピューティングシステムは、前記担当サーバを用いて、前記管理対象に設置された前記センサによって取得された前記状態データの解析および蓄積を行う解析・蓄積手段と、前記センサによって取得される前記状態データのデータ量またはデータ内容に基づいて、前記管理対象を担当する担当サーバを変更する担当サーバ変更手段と、を有する、文化財状態管理システムである。
本発明に係る文化財状態管理システムの管理対象は、歴史的建造物に加え、絵画・彫刻等の美術品や歴史資料を含む文化財全般である。ここで、設置されたセンサによって取得される状態データとは、その文化財自体の状態、文化財を取り巻く周辺環境の状態を示すデータである。本発明に係る文化財状態管理システムは、この状態データを、グリッドコンピューティングシステムによって解析および蓄積する。
グリッドコンピューティングシステムは、インターネットや広域ネットワーク上にあるコンピュータ資源が結びつき、一つの複合した仮想化コンピュータとしてサービスを提供するシステムである。本発明は、このようなグリッドコンピューティングシステムによって状態データを分散処理することで、災害が発生した場合にも全体として解析および蓄積等の処理が続行され、更に蓄積したデータが失われない文化財状態管理システムを提供することを可能とする。
更に、本発明に係る文化財状態管理システムは、担当サーバ変更手段を有することで、状態データのデータ量またはデータ内容に変動があった場合等に、これに基づいて、前記管理対象を担当する担当サーバを、処理にかかる負荷等に応じて適宜変更することが可能となる。
前記担当サーバ変更手段は、何れかの前記管理対象において、該管理対象に設置された前記センサによって取得される前記状態データのデータ量が所定の量を超えた場合またはデータ内容が所定の閾値を超えた場合に、該管理対象を担当する前記担当サーバを、該管理対象に係る前記状態データの解析および蓄積を行うにあたって用いる専任のサーバとしてもよい。
ここで、所定の量とは、処理おいて担当サーバにかかる負荷の大きさを計る指標となる、予め設定されたかまたは動的に設定されるデータ量であり、所定の閾値とは、取得されたデータ内容に基づいて、災害の発生等、通常時とは異なる事象が管理対象である文化財またはその周辺環境において発生しているか否かを判定するための、予め設定されたかまたは動的に設定される閾値である。
本発明に拠れば、通常は複数の管理対象を担当する担当サーバを、一の管理対象のみを担当する専任の担当サーバとすることで、先述した負荷の増大、または通常時とは異なる事象の発生に対処することが可能となる。
前記グリッドコンピューティングシステムは、前記担当サーバを用いて、前記センサによって取得された前記状態データを解析することで、前記管理対象の劣化の度合いを示す指標である健全度を算出する健全度算出手段と、前記担当サーバを用いて、前記健全度算出手段によって算出された健全度をデータベースとして蓄積する健全度蓄積手段とを更に有してもよい。
また、前記センサは、前記状態データとして速度または加速度を取得し、前記健全度算出手段は、前記センサによって取得された速度または加速度に基づいて、固有値解析またはモーダル解析を行い、前記管理対象の健全度を算出してもよい。
健全度が算出され、蓄積されることで、管理対象である文化財の劣化の度合いを常時把握することが可能となる。即ち、劣化が激しく、緊急度の高いものから順に応急処置を施すなど、迅速で且つ的確な文化財保護策をとることが可能となる。
文化財状態管理システムは、前記管理対象に加振する起振機を更に備え、前記健全度算出手段は、前記起振機による加振中に前記センサによって取得された速度または加速度を解析し、前記管理対象の健全度を算出してもよい。
健全度の算出に使用される速度または加速度は、通常の常微動等を計測したものでもよいが、起振機を更に備え、この起振機による人為的に発生させた振動をセンサによって取得することで、常微動に基づく解析に加えて、より適切なデータを取得し、解析に供することが可能となる。
文化財状態管理システムは、一または複数の前記管理対象毎に設置される観測点情報処理装置であって、前記センサによって取得された前記状態データを蓄積し、前記グリッドコンピューティングシステムに送信する観測点情報処理装置を更に備えてもよい。
一または複数の前記管理対象毎に設置される観測点情報処理装置にデータを蓄積することで、災害等の緊急時にグリッドコンピューティングシステムとの通信が切断された場合でも、観測点情報処理装置に蓄積されたデータを回収し、データを復旧することが可能となる。
また、前記センサは、不燃化処理が施されたセンサであってもよい。
設置するセンサを、不燃化処理が施されたセンサとすることで、木造の文化財等、従来火災発生の危険性からセンサ類を設置することが不可能であった文化財にも、センサを設置し、状態を監視することが可能となる。
本発明によって、文化財または文化財の周辺環境の現在の状態および状態の経過を把握し、更に、災害の発生によっても停止せず、データが失われない文化財状態管理システムを提供することが可能となる。
本発明に係る文化財状態管理システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における管理対象1に各種センサを設置した状態の、概要を示す図である。本実施形態では、文化財等の管理対象1の例として仏閣1Aおよび仏閣1Aに設置された仏像1Bを例に説明する。管理対象1には、温度センサ11、湿度センサ12、CCDカメラ13、3軸加速度センサ14、3軸角速度センサ15、紫外線センサ16、水分検知センサ17および水位センサ18等の各種センサが設置される。また、これらの各種センサは一または複数の管理対象1毎に設置された観測点情報処理装置30に接続される。
温度センサ11及び湿度センサ12は、文化財内外の温度および湿度を計測し、計測データを観測点情報処理装置30に送信する。CCDカメラ13は、文化財内外の様子や、仏像1B等の文化財の様子を撮影し、撮影した動画または静止画を観測点情報処理装置30に送信する。3軸加速度センサ14および3軸角速度センサ15は、設置された文化財の動き(振動、回転角度等)を計測し、計測データを観測点情報処理装置30に送信する。なお、本実施形態では文化財の動きを計測するために加速度センサを採用しているが、加速度センサに代えて、速度センサを用いることとしてもよい。また、水分検知センサ17および水位センサ18は、文化財内外の水分および水位を計測し、計測データを観測点情報処理装置30に送信する。その他設置されたセンサ類は、該センサによって取得された計測データを観測点情報処理装置30に送信する。
上記各種センサには、火災防止のため、不燃化技術が用いられる。より具体的には、各種センサや観測点情報処理装置30の電子回路のプリント基板に、難燃性のガラス、エポキシ等を使用し、部品等に自己消火性の材料を使用し、配線材に加速電子線を照射加工した耐熱電線を使用する。
また、各種センサや観測点情報処理装置30に電気を供給する電源回路には、例えば、1)過電圧保護装置(誤操作や事故により過電圧が発生した場合に、電源スイッチ用サーキットプロテクタを瞬時に遮断する)、2)過熱保護回路(機器内部の主要部品の温度が規定以上になると、電源スイッチを遮断する)、3)サージ・アブソーバ(落雷等により電源ラインに発生するサージ電圧から回路を保護する)、4)逆接続防止回路(出力端に逆極性の電圧を印加された場合に回路を保護する)、5)短絡防止回路(出力端が短絡された場合に回路を保護する)、6)過電流検出回路(出力電流を常時監視し過電流から保護する)等の保護措置が施される。
また、各種センサからの情報を受信する観測点情報処理装置30は、火災防止のため、管理対象1となる文化財の外に設置されることが好ましい。更に、観測点情報処理装置30の電源には、災害時に稼働を停止することがないように、バッテリ電源またはソーラ発電による電源が使用されることが好ましい。但し、バッテリ電源またはソーラ発電による電源供給は、災害時の予備電源とし、平時には通常の電力網から(例えば、AC100Vのアダプタを介して)稼働電力を得ることとしてもよい。
図2は、本実施形態における観測点情報処理装置30の構成を示す図である。観測点情報処理装置30は、アナログフィルタ32a、AD変換器31、デジタルフィルタ32d、中央処理装置33、主記憶装置34、時計35、通信ユニット36、インターフェース37および補助記憶装置38を有する。アナログフィルタ32aは、主にセンサからの信号中の電気ノイズの除去を行う。AD変換器31は、各種センサから出力された計測データがアナログ信号である場合に、これをデジタル信号に変換する。デジタルフィルタ32dは、変換された信号中の不要な成分を除去する。中央処理装置33は、主記憶装置34等に展開されたプログラムに従って、観測点情報処理装置30全体の制御を行う。主記憶装置34は、データの一時保存等を行う。時計35は、クロックを中央処理装置33に提供する。通信ユニット36は、無線、有線等の通信手段を用いてグリッドコンピューティングシステムとの間で通信を行う。また、補助記憶装置38は、各種センサより得られた情報をローカルに保存する。
観測点情報処理装置30は、各種センサより得られた情報を補助記憶装置38に蓄積し、同時に無線、有線等の通信手段を用いてグリッドコンピューティングシステムに情報を送信する。情報の送信は、中継サーバ、ルータ、無線通信の中継機等が仲介する。例えば、管理対象1が有線回線の敷設に適さない場所にある場合や、災害時に有線回線が断線する可能性を考慮した場合、無線回線による情報送信が好ましい。但し、無線通信において
も、電波障害等無線特有の問題があるため、通信方法は管理対象1周辺の環境等を考慮して適宜選択されるべきである。なお、観測点情報処理装置30にデータを蓄積することで、災害等の緊急時にグリッドコンピューティングシステムとの通信が切断された場合でも、観測点情報処理装置30に蓄積されたデータを回収し、データを復旧することが可能となる。
次に、本実施形態におけるグリッドコンピューティングシステムの概要を説明する。図3は、本実施形態におけるグリッドコンピューティングシステムの概要を示す図である。グリッドコンピューティングシステムは、インターネットや広域ネットワーク上にあるコンピュータ資源が結びつき、一つの複合した仮想化コンピュータとしてサービスを提供するシステムである。
本実施形態におけるグリッドコンピューティングシステムは、インターネットや広域ネットワーク上に分散して配置された計算・データサーバ2(本発明の担当サーバに相当する)を有し、これらの計算・データサーバ2がコンピュータ資源として高速大容量ディスクと高速演算処理能力を有する一つの仮想コンピュータとして稼動するグリッドコンピューティングシステムである。また、本実施形態では、各地に分散配置されたコンピュータ資源を仮想コンピュータとするために、GridRPC(Grid−enabled Remote Procedure Call)に基づくプログラミングミドルウェアを利用して、遠隔手続き呼出によって各地に分散して配置された計算・データサーバ2等の機能を利用し、システム全体を高速演算能力を有する仮想コンピュータとする。
計算・データサーバ2は、各種センサにおいて発生したデータを、観測点情報処理装置30を介して受信し、管理者端末/利用者端末3より指示された各種演算(計測データの解析等)を行い、更に計算・データサーバ2の有する補助記憶装置等へ蓄積する装置である。この際、各種演算および蓄積は一台の計算・データサーバ2によって処理されてもよいし、複数の計算・データサーバ2によって分散処理されてもよい。
より具体的には、計算・データサーバ2は、温度センサ11およびCCDカメラ13によって計測された計測データを解析して火災を検知したり、水分検知センサ17および水位センサ18によって計測された計測データを解析して水害の発生を検知すること、更に3軸加速度センサ14および3軸角速度センサ15によって得られる情報に基づいて、台風や地震等の検知を行う。また、湿度センサ12によって計測された計測データを解析して、カビの発生や高/低湿度を原因とする劣化の危険度を算出し、紫外線センサ16による計測データを解析して、紫外線による管理対象1の劣化の危険度を算出する。更に、仏閣1A内の仏像1B等、建造物以外の管理対象1となる文化財については、3軸加速度センサ14から得られる情報や、CCDカメラ13から得られる情報に基づいて、盗難等の発生および侵入者を検知する。
管理者端末/利用者端末3は、主にユーザがグリッドコンピューティングシステムに対して設定や指示を行うための装置である。ここで、管理者端末/利用者端末3は、グリッドコンピューティングシステム中の、演算または蓄積のためのコンピュータ資源としての役割を果たしてもよい。
また、観測点情報処理装置30は、先述の通り、各種センサより得られた情報を補助記憶装置38に蓄積し、同時に無線、有線等の通信手段を用いてグリッドコンピューティングシステムに情報を送信する。ここで、観測点情報処理装置30は、グリッドコンピューティングシステム中の、演算または蓄積のためのコンピュータ資源としての役割を果たしてもよい。
<管理対象の担当振り分け処理>
計算・データサーバ2は、通常複数の管理対象1を担当し、担当する各管理対象1に設置されたセンサ類において発生したデータを解析、蓄積する。このため、計算・データサーバ2の数は管理対象1の数よりも少なく設置される。例えば、計算・データサーバ2Aは管理対象1a、1cを担当し、計算・データサーバ2Bは管理対象1b、1d、1eを担当する(図3を参照)。
ここで、管理対象1が台風等の災害に襲われ、各種センサにおけるデータサンプリング間隔が密になる等してデータ量が増大した場合、その管理対象1を担当する計算・データサーバ2の負荷が増えるため、担当する計算・データサーバ2を複数にしたり、担当する計算・データサーバ2を専任の担当サーバとしたり、また近傍の計算・データサーバ2が被害によりダウンする虞がある場合、担当する計算・データサーバ2を遠方の計算・データサーバ2に変更する。
例えば、管理対象1bが台風に襲われた場合、計算・データサーバ2Aが管理対象1a、1c、1d、1eを担当し、計算・データサーバ2Bは管理対象1bのみを専属的に担当するように担当変更を行ってもよい。この担当変更は、管理者端末/利用者端末3からの指示を受けて行われてもよいし、グリッドコンピューティングシステムに接続された各サーバが相互に通信することによって自律的に行われてもよい。
ここで、担当サーバ変更処理は、例えば、図4に示されるアルゴリズムに沿ってグリッドコンピューティングシステムが処理を行う。即ち、以下のフローチャートに示された処理は、何れかの計算・データサーバ2単独で行われてもよいが、グリッドコンピューティングシステムを構成する複数のコンピュータ資源によって分散処理されてもよい。
ステップS101では、加速度データおよび水位データが読み込まれる。グリッドコンピューティングシステムは、処理対象データとして、何れかの観測対象に設置された3軸加速度センサ14および水位センサ18による計測データを読み込む。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、加速度または水位の何れかが閾値を超えたか否かが判定される。グリッドコンピューティングシステムは、予め管理者端末/利用者端末3より設定された閾値を参照し、ステップS101で読み込まれた加速度データおよび水位データと比較して、加速度データまたは水位データの何れかが、この閾値を超えているか否かを判定する。閾値を超えていると判定された場合、処理はステップS103へ進む。閾値を超えていないと判定された場合、処理はステップS105へ進む。
ステップS103では、担当する計算・データサーバ2が変更される。グリッドコンピューティングシステムは、ステップS102で閾値を超えていると判定された計測データを取得した3軸加速度センサ14または水位センサ18が設置された観測対象を担当する計算・データサーバ2を選定し、各観測対象を担当する計算・データサーバ2の配分を変更する。このとき、グリッドコンピューティングシステムは、変更先の計算・データサーバ2として複数の計算・データサーバ2を選定してもよいし、一の計算・データサーバのみを選定し、このサーバを専任のサーバとしてもよい。また、選定の際の基準として、観測対象からの距離を考慮に入れてもよい。例えば、災害が局地的なものである場合、遠方の計算・データサーバ2を担当にして、同時に被害を受けることを避ける等することが可能である。その後、処理はステップS104へ進む。
ステップS104では、変更された計算・データサーバ2において、解析・蓄積処理が開始される。グリッドコンピューティングシステムは、ステップS103で変更された変
更先の計算・データサーバ2のコンピュータ資源を用いて、前記観測対象に設置された各種センサによって計測された計測データの解析・蓄積処理を開始する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS105では、通常の計算・データサーバ2における解析・蓄積処理が継続される。グリッドコンピューティングシステムは、通常時に前記観測対象を担当する計算・データサーバ2のコンピュータ資源を用いて、各種センサによる計測データの解析・蓄積処理を継続する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
なお、本フローチャートに示された担当サーバ変更処理は、計測データの内容を参照し、閾値によって判定を行うこととしているが(ステップS102を参照)、計測データのデータ量を参照し、データ量が所定の量を超えているか否かを判定することとしてもよい。データ量を参照して判定を行うことで、災害時に各種センサによって取得されるデータ量が増大したような場合にも、処理の負荷を分散したり、専任サーバに集中したりすることが可能である。
本実施形態に拠れば、複数の管理対象1を管理するために広域(例えば、日本全土)に巡らされたグリッドコンピューティングシステムによって、時間的制限および地理的制限を受けずに、システム上の計算・データサーバ2と管理対象1との対応関係を変更することが可能となる。また、対応関係の変更を可能としたことによって、災害等の不測の事態におけるシステム回線の寸断や各サーバの稼働停止等に対応することが可能となる。
また、本実施形態における文化財管理グリッドコンピューティングシステムは、盗難、いたずら等の防止に利用される。通常、仏像1Bや文化財に取り付けられた3軸加速度センサ14によって計測された計測データはデータサーバに保存され、劣化診断等のためのデータベースとなる。しかし、3軸加速度センサ14によって計測された計測データが、いたずらや移動により予め設定した加速度を上回った場合には、警報を出したり、警備会社への通報を行ったりすることで、盗難やいたずらを防止する。
具体的には、図5に示されるアルゴリズムに沿ってグリッドコンピューティングシステムが処理を行う。即ち、以下のフローチャートに示された処理は、何れかの計算・データサーバ2単独で行われてもよいが、グリッドコンピューティングシステムを構成する複数のコンピュータ資源によって分散処理されてもよい。
ステップS201では、加速度データが読み込まれる。グリッドコンピューティングシステムは、処理対象データとして、何れかの観測対象に設置された水位センサ18による計測データを読み込む。その後、処理はステップS202へ進む。
ステップS202では、加速度が閾値を超えたか否かが判定される。グリッドコンピューティングシステムは、予め管理者端末/利用者端末3より設定された閾値を参照し、ステップS201で読み込まれた加速度データと比較して、加速度データが、この閾値を超えているか否かを判定する。閾値を超えていると判定された場合、処理はステップS203へ進む。閾値を超えていないと判定された場合、処理はステップS204へ進む。
ステップS203では、警報が出され、警備会社への通報が行われる。グリッドコンピューティングシステムは、ステップS202での判定結果を受けて、警報を出す。具体的には、観測点情報処理装置30等へ、警報ランプの点灯や、警報音の発生を行わせるための指示を発行する。また、グリッドコンピューティングシステムは、ネットワークを介して警備会社への通報を行う。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
ステップS204では、通常の解析・蓄積処理が継続される。グリッドコンピューティングシステムは、通常時に前記観測対象を担当する計算・データサーバ2のコンピュータ資源を用いて、各種センサによる計測データの解析・蓄積処理を継続する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
また、各種センサは、システムを介して命令を受信し、観測するデータの種類や量を変更する機能を有するセンサであることが好ましい。このような機能を有するセンサとすることで、管理者端末/利用者端末3から、グリッドコンピューティングシステムを介してセンサ類の制御を行うことや、計算・データサーバ2等が自律的に送信した指示によってセンサ類の制御を行い、解析に必要なデータを得ることが可能となる。
<健全度/危険度把握処理>
次に、3軸加速度センサ14を使用した、管理対象1の健全度/危険度把握処理を説明する。図6は、本実施形態において健全度/危険度把握処理を行うためのシステム構成を示す図である。本実施形態における文化財状態管理システムは、例えば五重塔1C等の文化財に設けられた起振機20によって定期的に加振を行い、3軸加速度センサ14による計測データを解析して、文化財の健全度/危険度を把握する。
文化財の健全度/危険度を把握する方法としては、固有値解析またはモーダル解析等がある。固有値解析は、例えば、3軸加速度センサ14による計測データよりパワースペクトル等をグリッドコンピューティングシステムで演算し、固有値の変化(例えば、文化財が損傷して剛性が低下すると固有値が低下する)を観測する方法である。また、モーダル解析は、3軸加速度センサ14による計測データに基づいてグリッドコンピューティングシステムで文化財の挙動や振幅を把握する方法である。また、高感度の3軸加速度センサ14を使用することで、起振機20を用いずに、常微動を使用して健全度/危険度を把握する方法もある。
先述の健全度/危険度測定処理によって解析された健全度/危険度は、各管理対象1ごとに、グリッドコンピューティングシステム上にデータベース化される。このデータベースは常に更新され、管理対象1ごとの劣化の進行が記録される。
また、管理対象1の構造特性を予め入力し、設定しておいてもよい。例えば、修復による屋根の重量の増加や、耐震補強工事の内容等の情報をデータベースに入力することにより、災害時の危険度(崩壊しやすさ)のレイティングをデータベース上に持つ。これによって、実際に災害が起きた場合のリアルタイムの損傷把握時に、グリッドコンピューティングシステムの一部が災害により損傷した場合、危険度のレイティングが上位の管理対象1を優先してモニタリングすることが可能である。
上述の健全度/危険度把握処理が実施されることによって、夫々の文化財建造物や歴史遺産の損傷度をリアルタイムで把握し、損傷が大きく、緊急度の高いものから順に応急処置を施すなど、迅速で且つ的確な文化財保護策をとることが可能となる。
本実施形態に係る文化財状態管理システムによれば、グリッドコンピューティングシステムを利用することにより、地震や台風、洪水等の大規模な災害時にあっても、各地に点在するコンピュータが計算処理とデータ保存を行うため、警備会社当のコンピュータシステムと異なり、システムが不能になる恐れが少ない文化財状態管理システムを提供することが可能である。
実施形態における管理対象に各種センサを設置した状態の、概要を示す図である。 実施形態における観測点情報処理装置の構成を示す図である。 実施形態におけるグリッドコンピューティングシステムの概要を示す図である。 実施形態における担当サーバ変更処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態における盗難・いたずら防止処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態において健全度/危険度把握処理を行うためのシステム構成を示す図である。
符号の説明
1 管理対象
2 計算・データサーバ
11 温度センサ
12 湿度センサ
13 CCDカメラ
14 3軸加速度センサ
15 3軸角速度センサ
16 紫外線センサ
17 水分検知センサ
18 水位センサ
20 起振機
30 観測点情報処理装置

Claims (7)

  1. 管理対象である文化財に設置され、該文化財またはその周辺環境の状態データを取得するセンサと、
    一または複数の前記管理対象を担当する担当サーバを有し、該担当サーバをコンピュータ資源とする仮想化コンピュータであるグリッドコンピューティングシステムと、
    を備え、
    前記グリッドコンピューティングシステムは、
    前記担当サーバを用いて、前記管理対象に設置された前記センサによって取得された前記状態データの解析および蓄積を行う解析・蓄積手段と、
    前記センサによって取得される前記状態データのデータ内容に基づいて、前記管理対象を担当する担当サーバを変更する担当サーバ変更手段と、
    を有する、文化財状態管理システム。
  2. 前記担当サーバ変更手段は、何れかの前記管理対象において、該管理対象に設置された前記センサによって取得される前記状態データのデータ内容が所定の閾値を超えた場合に、該管理対象を担当する前記担当サーバを、該管理対象に係る前記状態データの解析および蓄積を行うにあたって用いる専任のサーバとする、請求項1に記載の文化財状態管理システム。
  3. 前記グリッドコンピューティングシステムは、
    前記担当サーバを用いて、前記センサによって取得された前記状態データを解析することで、前記管理対象の劣化の度合いを示す指標である健全度を算出する健全度算出手段と、
    前記担当サーバを用いて、前記健全度算出手段によって算出された健全度をデータベースとして蓄積する健全度蓄積手段とを更に有する、
    請求項1または請求項2に記載の文化財状態管理システム。
  4. 前記センサは、前記状態データとして速度または加速度を取得し、
    前記健全度算出手段は、前記センサによって取得された速度または加速度に基づいて、固有値解析またはモーダル解析を行い、前記管理対象の健全度を算出する、請求項3に記載の文化財状態管理システム。
  5. 前記管理対象に加振する起振機を更に備え、
    前記健全度算出手段は、前記起振機による加振中に前記センサによって取得された速度または加速度を解析し、前記管理対象の健全度を算出する、
    請求項4に記載の文化財状態管理システム。
  6. 一または複数の前記管理対象毎に設置される観測点情報処理装置であって、前記センサによって取得された前記状態データを蓄積し、前記グリッドコンピューティングシステムに送信する観測点情報処理装置を更に備える、請求項1から請求項5の何れかに記載の文化財状態管理システム。
  7. 前記センサは、不燃化処理が施されたセンサである、請求項1から請求項6の何れかに記載の文化財状態管理システム。
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