JP4878894B2 - 免震装置 - Google Patents

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本発明は、基礎上に家屋などの構造物を免震して支持する免震装置に関する。
従来から、基礎上に家屋などの構造物を免震して支持する免震装置が知られている。
この免震装置としては、例えば、基礎上の転がり面に金属製のボールを配置し、そのボール上に構造物を支持する構造や、基礎上に普通ゴムを積層した積層ゴムを配置し、その積層ゴム上に構造物を支持する構造などが知られている。また、ボールや積層ゴムと、基礎と構造物の間にオイルダンパーを設けた構造とを組み合わせた免震装置が知られている。これらの免震装置を基礎と構造物との間に設けることで、地震発生時の揺れによる構造物の振動を吸収している(例えば特許文献1を参照)。
しかし、ボール上に構造物を支持する構造では、強風の発生時に揺れが伝わりやすいという問題がある。また、ボール上で移動した構造物を元の位置に戻す機構が複雑で高価となる。また、普通ゴムでは、減衰性が低く、相対運動のエネルギーが減衰されず、地震の発生時に揺れが伝わりやすい。また、鉄板とゴムを交互に貼り合わせて積層した積層ゴムは、家屋設計ではコストが高すぎ、家屋などには使用することが難しい。また、オイルダンパーを設けた構造では、振動減衰性は比較的に良いが、構造物を元の位置に戻す機構が必要となる。
特開平9−177370号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、基礎と構造物との相対移動による振動を確実に減衰できると共に、低コストで構造物の位置復帰が可能な免震装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、基礎上に構築される構造物の免震装置であって、基礎上に設けられ、前記構造物を水平方向に移動可能に支承する転がり支承と、前記基礎と前記構造物との間に連結され、減衰材料で形成された弾性係留索と、を備え、前記弾性係留索が棒状弾性部材からなり、前記棒状弾性部材を前記構造物の底部に設けられた滑車に巻きつけ、前記棒状弾性部材の両端部を前記基礎上に連結したものであり、前記基礎と前記構造物との相対移動のエネルギーを減衰すると共に、前記弾性係留索に初期張力を与えることによって前記構造物を元の位置に戻すことを特徴としている。
なお、ここでいう「構造物」としては、例えば、戸建て住宅や仮設住宅などの家屋、小型プラント、実験設備等の諸設備、実験装置等の諸装置などが挙げられる。
請求項1に記載の発明によれば、基礎上に設けられた転がり支承を介して構造物が支持されており、基礎に対して構造物が転がり支承によって水平方向に移動する。また、基礎と構造物との間に、初期張力を与えられた弾性係留索が連結されており、強風による揺れが低減されると共に、弾性係留索の弾性により基礎と構造物との水平方向への相対移動のエネルギーが減衰される。
すなわち、地震等によって横揺れ(水平方向の揺れ)が発生すると、転がり支承により構造物と基礎とが相対移動すると共に、弾性係留索が弾性変形し、その弾性力が復元力として作用することにより振動が発生する。しかしながら、減衰材料で形成された弾性係留索により相対移動のエネルギーが減衰され、揺れが減衰するのでいつまでも揺れることはない。また、構造物と基礎とが相対移動しても、初期張力を与えられた弾性係留索の復元力により、構造物が元の位置に戻る。このため、低コストでエネルギー減衰機能と位置復帰機能を兼ねることができる。
また、弾性係留索が棒状弾性部材からなり、棒状弾性部材が構造物の底部に設けられた滑車に巻き付けられ、棒状弾性部材の両端部が基礎上に連結されている。これにより、振動による変形に応じて棒状弾性部材が巻きつけられた滑車が回転すると共に、棒状弾性部材が弾性変形する。このため、滑車に巻きつけられた棒状弾性部材の両端部の弾性変形が均一となり、一方の端部側のみが撓むことが抑制される。このため、振動をより確実に減衰することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、基礎上に構築される構造物の免震装置であって、基礎上に設けられ、前記構造物を水平方向に移動可能に支承するすべり支承と、前記基礎と前記構造物との間に連結された弾性係留索と、を備え、前記弾性係留索が棒状弾性部材からなり、前記棒状弾性部材を前記構造物の底部に設けられた滑車に巻きつけ、前記棒状弾性部材の両端部を前記基礎上に連結したものであり、前記基礎と前記構造物との相対移動のエネルギーを減衰すると共に、前記弾性係留索に初期張力を与えることによって前記構造物を元の位置に戻すことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、基礎上に設けられたすべり支承を介して構造物が支持されており、基礎に対して構造物がすべり支承によって水平方向に移動する。また、基礎と構造物との間に、初期張力を与えられた弾性係留索が連結されており、すべり支承と弾性係留索の弾性により基礎と構造物との水平方向への相対移動のエネルギーが減衰される。
すなわち、地震等によって横揺れ(水平方向の揺れ)が発生すると、すべり支承により構造物と基礎とが相対移動すると共に、弾性係留索が弾性変形し、その弾性力が復元力として作用することにより振動が発生する。しかしながら、すべり支承の減衰性と弾性係留索の減衰性により相対移動のエネルギーが減衰され、揺れが減衰するのでいつまでも揺れることはない。また、構造物と基礎とが相対移動しても、初期張力を与えられた弾性係留索の復元力により、構造物が元の位置に戻る。このため、低コストでエネルギー減衰機能と位置復帰機能を兼ねることができる。
また、弾性係留索が棒状弾性部材からなり、棒状弾性部材が構造物の底部に設けられた滑車に巻き付けられ、棒状弾性部材の両端部が基礎上に連結されている。これにより、振動による変形に応じて棒状弾性部材が巻きつけられた滑車が回転すると共に、棒状弾性部材が弾性変形する。このため、滑車に巻きつけられた棒状弾性部材の両端部の弾性変形が均一となり、一方の端部側のみが撓むことが抑制される。このため、振動をより確実に減衰することが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の免震装置において、前記棒状弾性部材は、中心部に高減衰ゴムからなる円柱状の芯弾性体と、前記芯弾性体の外周に互いに交差するように巻き付けられた繊維からなる2組の補強糸と、前記芯弾性体の外周における2組の補強糸の隙間に巻き付けられた高弾性ゴムからなる糸隙間弾性体と、を備えることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、地震による揺れが発生すると、高減衰ゴムからなる円柱状の芯弾性体の外周に互いに交差するように巻き付けられた繊維からなる2組の補強糸の隙間から高減衰ゴムが弾性変形し、高減衰ゴムがはみ出す際に振動を受けるためエネルギーを減衰することが可能となる。このため、地震による繰り返し振動時に高い減衰効果を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の免震装置において、前記棒状弾性部材は、前記糸隙間弾性体と前記芯弾性体とが接着された構成とされていることを特徴としている。
本発明に係る免震装置は、上記のように構成したので、低コストで、地震発生時に基礎と構造物との相対移動のエネルギーを減衰することができると共に、弾性係留索の復元力により構造物を元の位置に戻すことができる。また、強風による揺れの発生を防ぐことができる。
以下、本発明の免震装置における実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態の免震装置100が示されている。
この免震装置100は、地盤104に設けられた基礎106と、構造物の一例である戸建住宅などの家屋102に設けられた鉄骨架台108(あるいはPC板)との間に配設されている。図2にも示すように、免震装置100は、基礎106の周縁部に設けられた複数の弾性係留索連結体10と、基礎106の周縁部及び角部に設けられた複数の転がり支承40とを含んで構成されている。
図3に示すように、弾性係留索連結体10は、鉄骨架台108と基礎106との間に棒状弾性部材からなる弾性係留索12を備えており、弾性係留索12の一端は連結部材14を介して鉄骨架台108に取り付けられている。弾性係留索12の他端は連結部材16を介して基礎106に取り付けられている。
連結部材14は、鉄骨架台108に当接される台部14Aを備えており、台部14Aが複数のボルト20によって鉄骨架台108に固定されている。連結部材14は、鉄骨架台108と直角方向に延設される支持部14Bを備えており、弾性係留索12の一端に設けられたねじ部22を支持部14Bの開孔に挿通してナット24を締め付けることで、弾性係留索12が連結部材14に取付けられている。
また、連結部材16も台部16Aが複数のボルト20によって基礎106上に固定されている。基礎106と直角方向に延設される連結部材16の支持部16Bには、弾性係留索12の他端に設けられたねじ部22が挿通され、ナット24を締め付けることで固定されている。その際、弾性係留索12を緊張させて初期張力を与えることで、弾性係留索12が撓まないように連結部材14、16に取付けられている。これにより、基礎106と鉄骨架台108との間で弾性係留索12が略水平方向に支持される。図2及び図3に示すように、弾性係留索連結体10は、連結部材14が隣接するように左右に2つ取付けられている。
弾性係留索12は、図4に示すように、中心部に円柱形状の高減衰ゴムからなる芯弾性体30を有し、その外周に円柱軸方向に対称に巻き付けられた2組の補強糸32A,32Bからなる補強糸層32を有している。
芯弾性体30を構成する高減衰ゴムとしては、例えば、国際ゴム硬さ(IRHD)が40〜70で、損失係数(ゴムに作用する応力とひずみの位相差をδとしたときにtanδで表される)が0.3〜0.8のものを用いることができる。
補強糸層32を構成する補強糸32A,32Bは、15cN/Dtex以上の高張力のアラミド繊維であり、円柱軸方向(x−x´方向)に対する巻き付け角度(静止角度)θは、例えば54.44°である。この静止角度θは、45°から55°が好ましい。また、補強糸32A,32Bは隙間を持って巻き付けられ、その間に高弾性ゴムからなる糸隙間弾性体34が存在している。糸隙間弾性体34の割合は、補強糸層32の部分を円筒とした場合の表面積で20%となっている。
ここで、弾性係留索12では糸隙間弾性体34の面積が20%あり、その分だけ補強糸32A,32Bの面積が減っている。補強糸32A,32Bが少なくなると補強糸層32の強度に影響するので、糸隙間弾性体34が存在しない場合と同じ強度を確保するには、従来から使用されているポリエステル繊維の強度では糸が太くなり、設計が非常に困難になる。そこで、補強糸32A,32Bの材質に15cN/Dtex以上の高張力のアラミド繊維を用い、細い糸でも同一強度が確保されるようにしている。なお、炭素繊維、高強力PE、ポリアリレート繊維、ケブラー繊維等、15cN/Dtex以上の強度の他の繊維を用いても同様の効果が得られる。
また、変形時に剥離を起こさずに変形エネルギーを蓄積する目的で、糸隙間弾性体34と芯弾性体30とを接着しており、糸隙間弾性体34は芯弾性体30とつながった構造になっている。弾性体と弾性体の接着は、糸と弾性体の接着よりも強い接着強度を得やすいので、強固な構造を作りやすいという効果もある。
図5は、弾性係留索12の引っ張り荷重と変位との関係を図である。図5(A)に示すように、引っ張り荷重に対して弾性係留索12の変位が下に凸となる非線型となっている。弾性係留索12に引っ張り荷重が作用すると、芯弾性体30の圧縮反力によって、芯弾性体30が補強糸32A、32Bの隙間に剪断変形しながら入り込む。また、この空間にあった糸隙間弾性体34は、外側に剪断変形しながらはみ出す。ここで、芯弾性体30及び糸隙間弾性体34は剪断変形しながらエネルギーを蓄積する。従って、弾性係留索12は、大きなエネルギー蓄積能力を得ることができる。
また、静止角度θが54.44°となるように補強糸32A,32Bを編み上げることで、芯弾性体30が補強糸32A,32Bの隙間から振動時に変形してはみ出す際に、振動を受ける内容積が最大となるように設定されている。これにより、高減衰ゴムの効果を最大限に活用できる構造となっている。
図7(A)、(B)に示すように、転がり支承40は、基礎106に形成された平坦状の台部106Aに円形状のガイド板42が固定されている。平坦状の台部106Aにガイド板42を固定することで、ガイド板42の平面性が確保されている。ガイド板42の上部には、ガイド板42の表面と直角方向に環状のガイド壁44が立設されている。ガイド壁44内には、複数の金属製のボール46が配置され、各ボール46はその略1/3上部を露出した状態で収容されている。なお、図7では、わかり易くするために1つのボール46のみを図示している。
また、鉄骨架台108の下部には、ボール46と接触するボール接触板48が図示しないボルトで固定されている。このボール接触板48は、平面状の接触面48Aを有しており、鉄骨架台108の平坦状の取り付け部108Aに固定することで、接触面48Aの平面性が確保されている。ボール46とガイド壁44との間には隙間が形成されており、ボール46がガイド壁44内で回転すると、ボール46の上部に接触するボール接触板48が水平方向に移動するようになっている。
ボール46は、その材質が高張力ステンレス鋼、直径が10〜50mm程度のものを挙げることができる。ガイド板42、ボール接触板48としては、その材質が高張力鋼、直径が500〜1000mm程度のものを挙げることができる。
次に、免震装置100の作用について説明する。
この免震装置100では、基礎106と鉄骨架台108との間には弾性係留索連結体10が連結されている。また、転がり支承40が、基礎106上で家屋102の鉄骨架台108を支持している。転がり支承40は、鉄骨架台108のボール接触板48がボール46と接触すると共に、ガイド壁44内でボール46が回転する。このボール46の回転により、鉄骨架台108が水平方向に移動する。その際、弾性係留索12の弾性により、強風の発生時の揺れを低減できると共に、基礎106と鉄骨架台108との水平方向への相対移動のエネルギーが減衰される。
すなわち、大きな地震等によって横揺れ(水平方向の揺れ)が発生すると、転がり支承40により鉄骨架台108と基礎106とが相対移動すると共に、弾性係留索12が弾性変形し、その弾性力が基礎106及び鉄骨架台108に対し復元力として作用することにより振動が発生する。しかしながら、弾性係留索12の高い減衰性により、相対移動のエネルギーが減衰される。このため、大きな地震の発生時でも揺れが減衰するので、鉄骨架台108がいつまでも揺れることはない。
また、鉄骨架台108と基礎106とが相対移動しても、初期張力を与えられた弾性係留索12の復元力により、鉄骨架台108が徐々に元の位置に戻る。従って、本実施形態の免震装置100は、低コストでエネルギー減衰機能と位置復帰機能を兼ねることができる。
また、中規模あるいは小規模の地震等でも、基礎106と鉄骨架台108とを水平方向に確実に相対移動させることができる。
図5(A)に示すように、弾性係留索12単体では、基礎106と鉄骨架台108との水平方向の変位と引っ張り荷重との関係は、下に凸となる特性を有している。この特性では、異常な大揺れを防ぐ効果があるが、風による揺れに弱く、位置復帰機能にも弱い。その対策として、図3に示すように連結部材14、14を挟んで2つの弾性係留索12に相方向の初期張力を与えることにより、図5(B)に示す特性が得られる。すなわち、変位ゼロのときの特性カーブ(太線部分)の接線に傾きがあるため、風による揺れに強くなると共に、位置復帰機能が向上する。
従って、図6に示すように、大きな揺れが発生しても、短時間で振幅が小さくなる。このため、地震による繰り返し振動時に極めて高い減衰効果を得ることができる。
また、弾性係留索12は、端部に設けられたねじ部22がナット24によって連結部材14、16に取付けられており、ナット24を取り外すことで、弾性係留索12が交換可能である。このため、施工時の取付け交換が容易であり、コストダウンが可能である。また、弾性係留索12の交換により長期にわたりエネルギー減衰機能(振動減衰性機能)と位置復帰機能を維持できる。
なお、上記実施形態では、転がり支承40を構成している各部材を固定する構造は特に限定されない。例えば、上記したボルト20やネジなどの係止部材を用いてもよいが、接着剤等による接着や物理的な嵌合による方法でもよい。
次に、本発明の第2実施形態に係る免震装置について説明する。
なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図8に示すように、免震装置120は、弾性係留索連結体122と、すべり支承140とを含んで構成されている。弾性係留索連結体122は、2つの弾性係留索124を備えており、それぞれの弾性係留索124の一端は連結部材126によって鉄骨架台108に取り付けられている。また、それぞれの弾性係留索124の他端は、連結部材128によって基礎106に取り付けられている。なお、弾性係留索124の両端部には、支持部125が形成されており、連結部材126、128にボルト130を用いて固定している。2つの弾性係留索124は連結部材126の両側でほぼ対称となるように配置され、基礎106と鉄骨架台108との間で弾性係留索124が略水平方向に支持されている。
弾性係留索124は、普通ゴムからなり、周面には補強糸を編みこんだ補強糸層が設けられていない。
すべり支承140は、基礎106に形成された平面状の台部142に固定される平面状のすべり部144を有している。また、鉄骨架台108の下部には、平面状の台部146が突設されており、この台部146にすべり部144と接触する平面状のすべり部接触板148が固定されている。これらのすべり部144と、すべり部接触板148は、図示しないボルトで固定されている。そして、すべり部144とすべり部接触板148を接触させることで、基礎106上に鉄骨架台108が支持されている。
すべり部144と、すべり部接触板148としては、その材質が高張力鋼、直径が500〜1000mm程度のものを挙げることができる。
このような免震装置120では、大きな地震等によって横揺れ(水平方向の揺れ)が発生すると、基礎106上に固定されたすべり部144上ですべり部接触板148がすべることにより、鉄骨架台108が水平方向に移動すると共に、すべり部144とすべり部接触板148との摩擦により基礎106と鉄骨架台108との相対移動のエネルギーが減衰される。また、弾性係留索124が弾性変形し、その弾性力が基礎106及び鉄骨架台108に対し復元力として作用することにより振動が発生するが、弾性係留索124により基礎106と鉄骨架台108との相対移動のエネルギーが減衰される。このため、大きな地震の発生時に揺れが減衰するので、いつまでも鉄骨架台108が揺れることがない。
また、鉄骨架台108と基礎106とが相対移動しても、初期張力を与えられた弾性係留索124の復元力により、鉄骨架台108が徐々に元の位置に戻る。従って、本実施形態の免震装置120は、低コストでエネルギー減衰機能と位置復帰機能を兼ねることができる。また、中規模あるいは小規模の地震等でも、基礎106と鉄骨架台108とを水平方向に確実に相対移動させることができる。
また、この免震装置120では、すべり支承140によって相対移動のエネルギーが減衰されるため、弾性係留索124に普通ゴムを用いることが可能である。弾性係留索124の復元力によって鉄骨架台108を元の位置に戻すことができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る免震装置について説明する。
なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図9に示すように、免震装置160は、弾性係留索連結体162と、図示しない転がり支承とを含んで構成されている。弾性係留索連結体162には、鉄骨架台108の下部に滑車168を回転可能に支持する支持部材166が取付けられている。支持部材166は、ねじ部166Aによって鉄骨架台108に固定されている。滑車168には、弾性係留索164が巻きつけられており、弾性係留索164の両端部は、ねじ部を備えた連結部材170によって基礎106に固定されている。弾性係留索164は、鉄骨架台108と基礎106との間で緊張することにより、初期張力を与えられている。なお、連結部材170は、金属管を加締めることによって弾性係留索164に固定されている。
このような弾性係留索連結体162では、図9(B)に示すように、大きな地震等で揺れが発生しても、揺れに応じて滑車168が回転して弾性係留索164が軸方向に移動するとともに、弾性係留索164の両端部側が均一に弾性変形する。このため、弾性係留索164の一端部側が撓むことがなく、エネルギーを確実に減衰できる。また、鉄骨架台108と基礎106とが相対移動しても、弾性係留索164の復元力により、鉄骨架台108が徐々に元の位置に戻る。従って、免震装置120は、低コストでエネルギー減衰機能と位置復帰機能を兼ねることができる。また、中規模あるいは小規模の地震等でも、基礎106と鉄骨架台108とを水平方向に確実に相対移動させることができる。
なお、上記実施形態では、免震装置の弾性係留索と、転がり支承、すべり支承の組み合わせは適宜に設定できる。例えば、免震装置100の転がり支承40に代えてすべり支承140を設けても良い。また、免震装置120の弾性係留索連結体122の弾性係留索124に代えて弾性係留索12を設けても良い。
本発明の第1実施形態の免震装置を示す正面図である。 本発明の第1実施形態の免震装置に用いられる基礎上の弾性係留索連結体と転がり支承の配置を示す構成図である。 本発明の第1実施形態の免震装置に用いられる弾性係留索連結体と転がり支承を示す側面図である。 弾性係留索の概略構成を示し、(A)は斜視図、(B)は周面の部分拡大図である。 (A)は弾性係留索単体の引っ張り荷重と変位との関係を示すグラフであり、(B)は2つの弾性係留索に相方向の張力を与えた場合の引っ張り荷重と変位との関係を示すグラフである。 2つの弾性係留索に相方向の張力を与えた場合の振幅と時間との関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態の免震装置に用いられる転がり支承の概略構成を示し、(A)は基礎上のボールを示す平面図、(B)は転がり支承の断面図である。 本発明の第2実施形態の免震装置に用いられる弾性係留索連結体とすべり支承を示す側面図である。 本発明の第3実施形態の免震装置に用いられる弾性係留索連結体の概略構成を示し、(A)は側面図、(B)は揺れが発生したときの側面図である。
符号の説明
10 弾性係留索連結体
12 弾性係留索(棒状弾性部材)
14 連結部材(第2連結部)
16 連結部材(第1連結部)
22 ねじ部
24 ナット
30 芯弾性体(高減衰ゴム)
32A,32B 補強糸
32 補強糸層(補強層)
34 糸隙間弾性体
40 転がり支承
42 ガイド板
44 ガイド壁
46 ボール
48 ボール接触板
100 免震装置
102 家屋
104 地盤
106 基礎
108 鉄骨架台
120 免震装置
122 弾性係留索連結体
124 弾性係留索
126 連結部材
128 連結部材
140 すべり支承
144 すべり部
148 すべり部接触板
160 免震装置
162 弾性係留索連結体
164 弾性係留索
166 支持部材
168 滑車
170 連結部材

Claims (4)

  1. 基礎上に構築される構造物の免震装置であって、
    基礎上に設けられ、前記構造物を水平方向に移動可能に支承する転がり支承と、
    前記基礎と前記構造物との間に連結され、減衰材料で形成された弾性係留索と、を備え、
    前記弾性係留索が棒状弾性部材からなり、
    前記棒状弾性部材を前記構造物の底部に設けられた滑車に巻きつけ、前記棒状弾性部材の両端部を前記基礎上に連結したものであり、
    前記基礎と前記構造物との相対移動のエネルギーを減衰すると共に、前記弾性係留索に初期張力を与えることによって前記構造物を元の位置に戻すことを特徴とする免震装置。
  2. 基礎上に構築される構造物の免震装置であって、
    基礎上に設けられ、前記構造物を水平方向に移動可能に支承するすべり支承と、
    前記基礎と前記構造物との間に連結された弾性係留索と、を備え、
    前記弾性係留索が棒状弾性部材からなり、
    前記棒状弾性部材を前記構造物の底部に設けられた滑車に巻きつけ、前記棒状弾性部材の両端部を前記基礎上に連結したものであり、
    前記基礎と前記構造物との相対移動のエネルギーを減衰すると共に、前記弾性係留索に初期張力を与えることによって前記構造物を元の位置に戻すことを特徴とする免震装置。
  3. 前記棒状弾性部材は、
    中心部に高減衰ゴムからなる円柱状の芯弾性体と、
    前記芯弾性体の外周に互いに交差するように巻き付けられた繊維からなる2組の補強糸と、
    前記芯弾性体の外周における2組の補強糸の隙間に巻き付けられた高弾性ゴムからなる糸隙間弾性体と、
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の免震装置。
  4. 前記棒状弾性部材は、前記糸隙間弾性体と前記芯弾性体とが接着された構成とされていることを特徴とする請求項に記載の免震装置。
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