JP2002030830A - 鉄塔用免震装置 - Google Patents

鉄塔用免震装置

Info

Publication number
JP2002030830A
JP2002030830A JP2000214601A JP2000214601A JP2002030830A JP 2002030830 A JP2002030830 A JP 2002030830A JP 2000214601 A JP2000214601 A JP 2000214601A JP 2000214601 A JP2000214601 A JP 2000214601A JP 2002030830 A JP2002030830 A JP 2002030830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tower
lower structure
isolation device
seismic isolation
pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000214601A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Ogi
靖夫 尾木
Hideaki Harada
秀秋 原田
Sohei Tateyama
壮平 立山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000214601A priority Critical patent/JP2002030830A/ja
Publication of JP2002030830A publication Critical patent/JP2002030830A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、鉄塔下部に設ける免震機構の簡素
化を図り、低コストで十分な免震効果が得られるように
した鉄塔用免震装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 ビル(下部構造体)1の屋上に立設され
た鉄塔2の免震のため、鉄塔の脚4の基部とビル上の下
部プレート7との間に水平方向に摺動可能のスライド支
承部13が設けられるとともに、鉄塔2の下部とビル上の
下部プレート7との間に、弾性的に撓曲可能の長柱16が
復元機構として設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば通信用等の
鉄塔、特に構造物の屋上等に設置される鉄塔に適用され
る鉄塔用免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9に示すように、ビル1等の屋上に設
置された鉄塔2では、ビル1の固有振動数と鉄塔2の固
有振動数とが近い場合に、地震発生時にビル1に生じた
振動が屋上の鉄塔2へ増幅して伝播し、これによって特
に鉄塔2の上部が大きく振動し、破損する恐れがある。
【0003】鉄塔の防振対策としては、図10に示すよ
うに、鉄塔2頂部に、いわゆるチューンドマスダンパー
(TMDと略称)3を設置する手段があるが、この手段
では、例えば50〜100m程度の鉄塔には、TMDは
鉄塔重量の10%程度(100tクラスの鉄塔であれ
ば、10t程度)の重量となり、このため、鉄塔2の強
度向上が必要となって鋼重が増加し、コスト増を招くと
いう問題がある。他の防振対策としては、図11に示す
ように、鉄塔2とビル1との間に免震装置10aを組み込
む手段がある。
【0004】従来の免震装置10aは、図12および図1
3(図12のA−A矢視)に示すように、一対の摩擦材
13a,13bを互いに密着させ、任意水平方向に摺動可能
に構成されたスライド機構13c,複数の油圧ダンパー1
4,複数のバネ機構15およびシヤーピン(図示せず)等
より成り、鉄塔2の脚4の基部とビル1の屋上との間
に、それぞれの取付け板11,12を介して装備されてい
る。
【0005】そして、地震Sにより振動するビル1と脚
4の基部との間に、相対水平変位が生じると、これに追
従してスライド機構13c,油圧ダンパー14,およびバネ
機構15が作動し、振動エネルギを吸収・減衰すると同時
に、鉄塔周期を長周期化して鉄塔2の振動を抑制し、ま
た、地震後は脚4とビル1との間の相対変位を元の位置
に復元させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来の免震装置10aでは、振動吸収機構として高価な
油圧ダンパー14を、また変位復元機構として同じく高価
なバネ機構15をそれぞれ多数使用するので、機器コスト
が増加し、また、装置構成が複雑化して製作費が高くな
るという問題がある。そこで本発明は、鉄塔下部に設け
る免震機構の簡素化を図り、低コストで十分な免震効果
が得られるようにした鉄塔用免震装置を提供することを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明の鉄塔用免震装置は、鉄塔の複数の脚と、鉄
塔が立設された下部構造体との間に装備される免震装置
であって、同免震装置が、鉄塔重量を支持し、かつ、鉄
塔の脚基部と前記下部構造体との相対水平変位を吸収す
る振動吸収機構と、鉄塔下部と前記下部構造体との相対
水平変位を復元させる復元機構と、前記脚基部の浮上が
りを防止する浮上がり防止機構と、前記の脚基部と下部
構造体との間に作用する所定水平力などを受けて作動す
るトリガー機構とを備えたことを特徴としている。
【0008】また、本発明の鉄塔用免震装置は、前記振
動吸収機構が、鉄塔の脚基部と下部構造体との間に、互
いに密着して、任意水平方向に摺動自在に設置された一
対の摩擦材を備え、前記復元機構が、鉄塔下部の所定位
置と前記下部構造体との間に垂設されて、鉄塔下部には
剛結され前記下部構造体には枢着された弾性撓曲可能の
長柱で構成されていることを特徴としている。
【0009】さらに本発明の鉄塔用免震装置は、前記長
柱の下端部が前記下部構造体にピン結合され、その結合
部でピンを嵌合させるピン穴が、鉛直方向に縦長に形成
されていることを特徴としている。
【0010】また本発明の鉄塔用免震装置は、鉄塔の複
数の脚と、鉄塔が立設された下部構造体との間に装備さ
れる免震装置であって、同免震装置が、鉄塔重量を支持
し、かつ、鉄塔の脚基部と前記下部構造体との相対水平
変位を吸収する振動吸収機構と、鉄塔下部と前記下部構
造体との間の相対水平変位を復元させる復元機構と、前
記の脚基部と下部構造体との間に作用する所定水平力な
どを受けて作動するトリガー機構とを備え、前記復元機
構が、鉄塔下部の所定位置と前記下部構造体との間に垂
設されて、鉄塔下部には剛結され前記下部構造体にはピ
ン結合された弾性撓曲可能の長柱で構成され、同長柱が
前記脚基部の浮上がりを防止する機能を備えていること
を特徴としている。
【0011】さらに本発明の鉄塔用免震装置は、鉄塔の
複数の脚と、鉄塔が立設された下部構造体との間に装備
される免震装置であって、同免震装置が、鉄塔重量を支
持し、かつ、鉄塔の脚基部と前記下部構造体との相対水
平変位を吸収する振動吸収機構と、鉄塔下部と前記下部
構造体との相対水平変位を復元させる復元機構と、前記
脚基部の浮上がりを拘束する浮上がり防止機構と、前記
の脚基部と下部構造体との間に作用する所定水平力を受
けて作動するトリガー機構とを備え、前記復元機構が、
鉄塔下部の所定位置と前記下部構造体との間に垂設され
て、前記鉄塔下部にはピン結合され前記下部構造物には
剛結された弾性撓曲可能の長柱で構成され、かつ、上記
ピン結合部のピン穴が鉛直方向に縦長に形成されている
ことを特徴としている。
【0012】上述の本発明の鉄塔用免震装置では、鉄塔
の脚基部と、同鉄塔を立設された下部構造体との間に、
鉄塔重量を支持し、かつ脚基部と下部構造体との相対水
平変位を吸収する振動吸収機構のほか、鉄塔下部と下部
構造体との水平変位を復元させる復元機構や、脚基部の
浮上がりを防止する機構および脚基部と下部構造体との
間に働く所定水平力などにより作動するトリガー機構
が、機能別に分別して装置化されているので、簡素で安
価な部材の組み合わせにより確実に免震機能を発揮でき
るようにした低コストの免震装置の実現が可能になる。
【0013】また、上記振動吸収機構として、鉄塔の脚
基部と下部構造体との間に、互いに密着して水平方向に
摺動自在に配置された一対の摩擦材を備え、上記復元機
構が鉄塔下部から上記下部構造体に垂設されて同下部構
造体にピン結合された弾性撓曲可能の長柱として構成さ
れていると、簡素な構成で十分な振動吸収機能と復元機
能とが得られるようになる。
【0014】さらに、上記長柱の下端部が、ビルの屋上
のごとき下部構造体にピン結合されて、そのピン穴が上
下方向に長い縦長に形成されていると、上記の鉄塔と下
部構造体との間に相対上下変位が生じても、これを所定
値までは許容し上記長柱には軸力が作用しないが、水平
力を受けると上記長柱の上端部の剛結部を支点として同
長柱の曲げ変形が生じ、同長柱の弾性復元力により上記
の相対水平変位が適切に復元されるようになる。
【0015】また、上記長柱の上端部が鉄塔下部に剛結
合され、同長柱の下端部が上記下部構造体にピン結合さ
れることにより、鉄塔の脚基部が、上記下部構造体か
ら、すなわちビルの屋上などから、浮き上がるのを十分
に抑制する作用効果が得られる。
【0016】さらに、鉄塔下部とビル等の下部構造体と
の間に垂設された弾性撓曲可能の長柱が、その上端部を
鉄塔下部にピン結合されるとともに、その下端を上記下
部構造体に鋼結されている場合も、上記の鉄塔下部と下
部構造体との相対水平変位が、上記の弾性撓曲する長柱
により復元され、また上記下部構造体からの鉄塔下部の
浮上がりも、上記長柱によって抑制されるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施形
態について説明すると、図1は本発明が適用された鉄塔
下部の免震装置の全体配置図、図2は本発明の第1実施
形態としての鉄塔用免震装置の要部を示す立面図、図3
は図2の装置における長柱下端部のピン結合部を示す立
面図、図4は図2の装置における鉄塔の脚基部と下部構
造体との取合部を拡大して示す詳細図、図5は図4に示
す鉄塔の脚基部と下部構造体との間のトリガー機構(シ
ャーピン取付け部)の詳細図であり、図6は図4に対応
させて本発明の第2実施形態としての鉄塔用免震装置に
おける鉄塔と下部構造体との取合部を示す説明図であ
り、図7は本発明の第3実施形態としての鉄塔用免震装
置の要部を図2に対応させて示す立面図、図8は図7の
装置の要部を拡大して示す説明図である。
【0018】本発明の各実施形態の鉄塔用免震装置は、
図1に示すように、ビルの屋上に設置された鉄塔に適用
した場合を示している。すなわち、図1は各実施形態の
免震装置に共通の全体配置を概略的に示しており、免震
装置10は、スライド支承部13および長柱16により構成さ
れて、鉄塔2の下部と下部構造体としてのビル1との間
に設けられ、ビル1の屋上に固着された下部プレート7
を介し各脚4ごとに配置される。
【0019】そして、この免震装置10は、図2〜5にお
ける第1実施形態では免震装置10Aとして示し、図6に
おける第2実施形態では免震装置10Bとして示し、図
7,8における第3実施形態では免震装置10Cとして示
している。
【0020】まず本発明の第1実施形態について説明す
ると、図2〜5に示すように、本実施形態の免震装置10
Aは、脚4の基部とビル1側の下部プレート7との間に
介装されたスライド支承部13Aと、鉄塔下部の所定位置
(図では水平材5の結合部)と下部プレート7との間に
垂設された長柱16Aより成る。スライド支承部13Aは、
図4に示すように、振動吸収機構22と、トリガー機構8
と、浮上がり防止機構28などを備えている。
【0021】そして、振動吸収機構22は、互いに密着し
て摺動自在に設置された一対の摩擦材(金属材料,高分
子材料,ゴム材料等)23a,23bより成り、一方の摩擦
材23aは、球座25および受台27を介して脚4側の上部プ
レート6と連動するように構成され、他方の摩擦材23b
は、固定台24を介してビル1側の下部プレート7に固定
されており、鉄塔2(図1参照)の重量を支持すると共
に、脚4とビル1との間に作用する水平力(振動)を受
けて、任意方向に摺動することができる。
【0022】浮上がり防止機構28は、基部が締付けボル
ト29により下部プレート7に固定され、その先端側に形
成した係止部28aにより、鉄塔2の揺れに伴う脚4基部
の浮上がりを防止する構成になっている。
【0023】また、トリガー機構8は、図5に示すよう
に、上部プレート6に固定された上部取付材18と、下部
プレート7に固定された下部取け材19とを、シヤーピン
8aを介し連結して構成され、シヤーピン8aはピン孔
20に緩く挿入されていて、脚4基部とビル1との間に作
用する水平力(剪断力)を支持するが、水平力が所定値
以上になると破断するようになっている。なお、本実施
形態ではトリガー機構8にシヤーピン8aを利用してい
るが、ビルの揺れが所定値以上になると、機械的に脚基
部とビルとの間のロックを解除する装置でも良い。
【0024】一方、図2に示す長柱16Aは、所定長さ,
所定断面を有する弾性材料(鋼材など)で構成されてい
て、鉄塔下部とは剛結部17Bで結合され、ビル1側の下
部プレート7とはピン部17Aにより結合されている。
【0025】図3はピン結合部17Aの詳細を示し、下部
プレート7に取付けた受板17aには、鉛直方向に縦長の
ピン孔17bが形成され、このピン孔17bに、長柱16A先
端に設けた支持ピン16aが嵌合している。
【0026】したがって、鉄塔下部とビル1との間に相
対上下変位が生じても、所定値まではこれを許容できる
ので、長柱16Aには軸力は加わらないが、水平力(剪断
力)を受けると、剛結部17Bを支点とした曲げ変形が生
じ、この曲げ変形に伴う復元力により、相対水平変位を
復元させる復元機構としての作用を行わせるとともに、
鉄塔振動を長周期化させる(地震外力との共振を避け
る)ようにしている。
【0027】上述の第1実施形態では、地震や強風を受
けて鉄塔2(図1参照)やビル1が振動し、脚4基部と
ビル1との間に水平力が作用した場合、この水平力が所
定値以下の時には、トリガー機構8が水平力を安定的に
支持するので、相対水平変位は起こらず、免震装置10A
の振動吸収機構22および復元機構(長柱16A)は作動し
ない。
【0028】ところが、地震力により、脚4基部とビル
1との間の水平力が所定値以上に大きくなると、トリガ
ー機構8のシヤーピン8aが、この水平力(剪断力)に
よって破断して両者間に相対水平変位が生じ、これによ
り免震装置10Aが作動する。すなわち、振動吸収機構22
の一対の摩擦材23a,23bが、相対水平変位に基づいて
任意方向に摺動し、その時、摩擦面に生じる摩擦抵抗の
作用により振動エネルギが吸収され、鉄塔2の振動が減
衰する。
【0029】また、鉄塔下部とビル1との間に水平力
(相対水平変位)が生じると、長柱16Aには弾性的な曲
げ変形が生じ、この曲げ変形に伴う復元力により、両者
間の相対変位が復元されるとともに、この復元力の作用
により、鉄塔2の振動周期が地震周期より長くなり、地
震の揺れに鉄塔2が追随しなくなって振動が抑制され
る。
【0030】さらに、鉄塔2の振動に伴い、その脚4基
部を浮き上がらせようとする力が発生するが、その際、
浮上がり防止機構28がこの力を支持するので、この浮上
がりが防止される。
【0031】このように、本実施形態の免震装置10Aに
よると、鉄塔2の脚4基部とビル1との間に、一対の摩
擦材23a,23bを摺動自在に設置して、この摩擦材によ
って鉄塔重量を確実に支持するとともに、その摩擦抵抗
により振動エネルギを効率的に吸収するようにし、さら
に鉄塔下部とビル1との間に、弾性的に撓曲可能の部材
より成る長柱16Aを垂設して、両者間の水平力を受ける
長柱16Aに曲げ変形を生ぜしめ、この曲げ変形に伴う復
元力により、相対水平変位を効率よく復元させるととも
に、振動を長周期化させるようにしたので、従来の免震
装置の油圧ダンパーやバネ機構に比べ、振動吸収機構や
復元機構の構成が大幅に簡略化されて、装置コストが安
価になり、メンテナンスも容易となる。
【0032】長柱16Aは、脚4に対しては剛結、ビル1
側に対しては鉛直方向に縦長のピン孔17bに挿入された
ピン17aによるピン結合としたので、軸力は加わらず、
軽量な通常の形鋼の使用が可能となり、経済的な構成に
なる。
【0033】脚4基部の浮上がりは、浮上がり防止機構
28で確実に防止され、また、所定値以下の水平力は、ト
リガー機構8で確実に支持され、所定値以上の水平力が
生じると、シヤーピン8aが破断して免震装置10Aの各
機能が作用するようにしたので、免震および耐震機能を
備えた合理的な鉄塔用免震装置を提供することができ
る。
【0034】次に本発明の第2実施形態としての鉄塔用
免震装置について説明すると、図6に示すように、本実
施形態ではスライド支承部13Bが、第1実施形態におけ
るスライド支承部13A(図4参照)から浮上がり防止機
構28を除いた構成になっており、第1実施形態と同じ構
成の振動吸収機構22およびトリガー機構8を備えてい
る。
【0035】また、本実施形態の免震装置10Bは、前述
の第1実施形態と同様に、鉄塔2の下部の所定位置とは
剛結され、ビル1とはピン結合された弾性撓曲可能の長
柱(図2の符号16A参照)を備えている。
【0036】そして、この第2実施形態における上記長
柱は、上述の相対変位の復元機能に加えて、脚4基部を
浮き上がらせようとする力を支持し、その浮上がりを防
止する機能を持たせている。そのため、図3に示したピ
ン孔17bと嵌合するピン16aを、図3に点線16′aで示
すように、ピン孔17bの上縁とほぼ接して設置して、脚
4の下向き変位は許容し、上向き変位のみ支持するよう
になっている。
【0037】この第2実施形態の免震装置10Bは、地震
などを受けて、脚4基部とビル1との間に水平力が作用
した場合、前述の第1実施形態と同様に、水平力が所定
値以下の時にはトリガー機構8が水平力を安定的に支持
し、水平力が所定値より大きくなると、シヤーピン8a
が破断して免震装置10Bが作動し、振動吸収機構22の一
対の摩擦材23a,23bが任意方向に摺動して、摩擦面に
生じる摩擦抵抗の作用により振動エネルギが吸収されて
鉄塔2の振動が減衰する。
【0038】また、鉄塔下部とビル1との間に作用する
水平力を受けて、長柱16Bに曲げ変形が生じ、この曲げ
変形の有する復元力により両者間の相対変位が復元さ
れ、また、振動が長周期化されて、鉄塔2の振動が抑制
される。さらに、鉄塔2の振動に伴い、脚4の基部を浮
き上がらせようとする力が働くが、その際、この力を長
柱16Bで支持するので、浮上がりが防止される。
【0039】このように、この第2実施形態の免震装置
10Bでは、長柱16Bにより脚4基部の浮上がりを防止す
るようにしたので、第1実施形態における浮上がり防止
機構が省略され、脚部周りの構成が簡単化されて、装置
コストが低減されるという効果がある。その他の効果は
第1実施形態と同様である。
【0040】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。図7,8に示すように、本実施形態では、免震装
置10Cの長柱16Cは、弾性撓曲可能の部材で構成され、
鉄塔下部の所定位置とビル1との間に垂設されるが、第
1実施形態とは逆に、鉄塔下部とはピン結合し、ビル1
の下部プレート7とは剛結したものとなっており、ピン
結合部17Cは、脚4側の受板17aにおいて鉛直方向に縦
長のピン孔17bを形成され、このピン孔17bに、長柱16
Cの先端に固着の支持ピン16aが嵌合した構成になって
いる。また、スライド支承部13Cには、第1実施形態と
同様に、振動吸収機構,浮上がり防止機構およびトリガ
ー機構が装備されている。
【0041】この第3実施形態における長柱16Cは、ビ
ル1側とは剛結され、脚4側とはピン結合されており、
水平力を受けて、ビル側の剛結部には大きな曲げ応力が
発生するが、鉄塔側のピン結合部17Cには曲げモーメン
トは作用せず、剪断応力のみ考慮すればよいので、結合
部構造が簡単になり、その取付け工事も容易となる。ま
た、大きな曲げ応力が発生するビル側の剛結部は、補強
が必要となるが、その作業をビルの屋上で行えるので、
補強工事が著しく容易になる。そして、その他の作用・
効果は、第1実施形態と同様である。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の鉄塔用免
震装置によれば次のような効果が得られる。 (1) 鉄塔の脚基部と、同鉄塔を立設された下部構造体と
の間に、鉄塔重量を支持し、かつ脚基部と下部構造体と
の相対水平変位を吸収する振動吸収機構のほか、鉄塔下
部と下部構造体との水平変位を復元させる復元機構や、
鉄塔の脚基部の浮上がりを防止する機構および脚基部と
下部構造体との間に働く所定水平力などにより作動する
トリガー機構が、機能別に分別して装置化されているの
で、簡素で安価な部材の組み合わせにより確実に免震機
能を発揮できるようにした低コストの免震装置の実現が
可能になる。 (2) 上記振動吸収機構として、鉄塔の脚基部と下部構造
体との間に、互いに密着して水平方向に摺動自在に配置
された一対の摩擦材を備え、上記復元機構が鉄塔下部か
ら上記下部構造体に垂設されて同下部構造体にピン結合
された弾性撓曲可能の長柱として構成されていると、簡
素な構成で十分な振動吸収機能と復元機能とが得られる
ようになる。 (3) 上記長柱の下端部が、ビルの屋上のごとき下部構造
体にピン結合されて、そのピン穴が上下方向に長い縦長
に形成されていると、上記の鉄塔と下部構造体との間に
相対上下変位が生じても、これを所定値までは許容し上
記長柱には軸力が作用しないが、水平力を受けると上記
長柱の上端部の剛結部を支点として同長柱の曲げ変形が
生じ、同長柱の弾性復元力により上記の相対水平変位が
適切に復元されるようになる。 (4) 上記長柱の上端部が鉄塔下部に剛結合され、同長柱
の下端部が上記下部構造体にピン結合されることによ
り、鉄塔の脚基部が、上記下部構造体から、すなわちビ
ルの屋上などから、浮き上がるのを十分に抑制する作用
効果が得られる。 (5) 鉄塔下部とビル等の下部構造体との間に垂設された
弾性撓曲可能の長柱が、その上端部を鉄塔下部にピン結
合されるとともに、その下端を上記下部構造体に鋼結さ
れている場合も、上記の鉄塔下部と下部構造体との相対
水平変位が、上記の弾性撓曲する長柱により復元され、
また上記下部構造体からの鉄塔下部の浮上がりも、上記
長柱によって抑制されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明が適用された鉄塔下部の免震装置
の全体配置図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての鉄塔用免震装置
の要部を示す立面図である。
【図3】図2の装置における長柱下端部のピン結合部を
示す立面図である。
【図4】図2の装置における鉄塔の脚基部と下部構造体
との取合部を拡大して示す詳細図である。
【図5】図4に示す鉄塔の脚基部と下部構造体との間の
トリガー機構(シヤーピン取付け部)の詳細図である。
【図6】図4に対応させて本発明の第2実施形態として
の鉄塔用免震装置における鉄塔と下部構造体との取合部
を示す説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態としての鉄塔用免震装置
の要部を図2に対応させて示す立面図である。
【図8】図7の装置の要部を拡大して示す説明図であ
る。
【図9】ビルの屋上に鉄塔が設置された状態を示す立面
図である。
【図10】図9の鉄塔頂部に防振対策としてのチューン
ドマスダンパーを施した状態を概略的に示す立面図であ
る。
【図11】図9の鉄塔の下端部に免震装置を組込んだ状
態を概略的に示す立面図である。
【図12】図11の免震装置の説明図である。
【図13】図12のA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
1 下部構造体(ビル) 2 鉄塔 3 チューンドマスダンパー 4 脚 5 水平材 6 上部プレート 7 下部プレート 8 トリガー機構 8a シヤーピン 10, 10A〜10C 免震装置 11,12 取付け板 13, 13A〜13C スライド支承部 14 油圧ダンパー 15 バネ機構 16A,16C 長柱 16a 支持ピン 17A ピン結合部 17B 剛結部 17C ピン結合部 17a 受板 17b ピン孔 18 上部取付材 19 下部取付材 20 ピン孔 22 振動吸収機構 23a,23b 摩擦材 24 固定台 25 球座 27 受台 28 浮上がり防止機構 28a 係止部 29 締付けボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02G 7/00 H02G 7/00 R (72)発明者 立山 壮平 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島製作所内 Fターム(参考) 3J048 AA03 BE12 BG01 EA38 3J066 AA26 BB04 BD05 BD07 BF12 CA06 CB06 5G367 AA01 AD13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄塔の複数の脚と、鉄塔が立設された下
    部構造体との間に装備される免震装置であって、同免震
    装置が、鉄塔重量を支持し、かつ、鉄塔の脚基部と前記
    下部構造体との相対水平変位を吸収する振動吸収機構
    と、鉄塔下部と下部構造体との相対水平変位を復元させ
    る復元機構と、前記脚基部の浮上がりを防止する浮上が
    り防止機構と、前記の脚基部と下部構造体との間に作用
    する所定水平力などを受けて作動するトリガー機構とを
    備えたことを特徴とする鉄塔用免震装置。
  2. 【請求項2】 前記振動吸収機構が、鉄塔の脚基部と下
    部構造体との間に、互いに密着して、任意水平方向に摺
    動自在に設置された一対の摩擦材を備え、前記復元機構
    が、鉄塔下部の所定位置と前記下部構造体との間に垂設
    されて、鉄塔下部には剛結され前記下部構造体には枢着
    された弾性撓曲可能の長柱で構成されていることを特徴
    とする請求項1に記載の鉄塔用免震装置。
  3. 【請求項3】 前記長柱の下端部が前記下部構造体にピ
    ン結合され、その結合部でピンを嵌合させるピン穴が、
    鉛直方向に縦長に形成されていることを特徴とする請求
    項2に記載の鉄塔用免震装置。
  4. 【請求項4】 鉄塔の複数の脚と、鉄塔が立設された下
    部構造体との間に装備される免震装置であって、同免震
    装置が、鉄塔重量を支持し、かつ、鉄塔の脚基部と前記
    下部構造体との相対水平変位を吸収する振動吸収機構
    と、鉄塔下部と下部構造体との間の相対水平変位を復元
    させる復元機構と、前記の脚基部と下部構造体との間に
    作用する所定水平力などを受けて作動するトリガー機構
    とを備え、前記復元機構が、鉄塔下部の所定位置と前記
    下部構造体との間に垂設されて、鉄塔下部には剛結され
    前記下部構造体にはピン結合された弾性撓曲可能の長柱
    で構成され、同長柱が前記脚基部の浮上がりを防止する
    機能を備えていることを特徴とする鉄塔用免震装置。
  5. 【請求項5】 鉄塔の複数の脚と、鉄塔が立設された下
    部構造体との間に装備される免震装置であって、同免震
    装置が、鉄塔重量を支持し、かつ、鉄塔の脚基部と前記
    下部構造体との相対水平変位を吸収する振動吸収機構
    と、鉄塔下部と下部構造体との相対水平変位を復元させ
    る復元機構と、前記脚基部の浮上がりを拘束する浮上が
    り防止機構と、前記の脚基部と下部構造体との間に作用
    する所定水平力を受けて作動するトリガー機構とを備
    え、前記復元機構が、鉄塔下部の所定位置と前記下部構
    造体との間に垂設されて、鉄塔下部にはピン結合され前
    記下部構造体には剛結された弾性撓曲可能の長柱で構成
    され、かつ、上記ピン結合部のピン穴が鉛直方向に縦長
    に形成されていることを特徴とする鉄塔用免震装置。
JP2000214601A 2000-07-14 2000-07-14 鉄塔用免震装置 Withdrawn JP2002030830A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000214601A JP2002030830A (ja) 2000-07-14 2000-07-14 鉄塔用免震装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000214601A JP2002030830A (ja) 2000-07-14 2000-07-14 鉄塔用免震装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002030830A true JP2002030830A (ja) 2002-01-31

Family

ID=18710147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000214601A Withdrawn JP2002030830A (ja) 2000-07-14 2000-07-14 鉄塔用免震装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002030830A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2423999A (en) * 2005-03-08 2006-09-13 Eve Group Ltd Tower with shock absorbing means
CN101227067A (zh) * 2007-11-20 2008-07-23 袁义青 超高压电输电方法
JP2009214950A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Ishikawajima Transport Machinery Co Ltd クレーンの免震支持構造
WO2011064886A1 (ja) * 2009-11-30 2011-06-03 三菱重工業株式会社 風車用タワー及び風力発電装置
TWI386551B (zh) * 2009-12-11 2013-02-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Windmill tower and wind power plant
CN103216134A (zh) * 2013-04-12 2013-07-24 中国能源建设集团广东省电力设计研究院 一种输电线路悬翘式塔座
JP2015001117A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 塔状構造物
CN113339200A (zh) * 2021-07-07 2021-09-03 大连理工大学 基于调谐质量阻尼器的超大型半潜漂浮式风力机基础

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2423999A (en) * 2005-03-08 2006-09-13 Eve Group Ltd Tower with shock absorbing means
GB2423999B (en) * 2005-03-08 2010-10-06 Eve Group Ltd Improved tower construction
CN101227067A (zh) * 2007-11-20 2008-07-23 袁义青 超高压电输电方法
JP2009214950A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Ishikawajima Transport Machinery Co Ltd クレーンの免震支持構造
CN102741550A (zh) * 2009-11-30 2012-10-17 三菱重工业株式会社 风车用塔以及风力发电装置
KR101143784B1 (ko) 2009-11-30 2012-05-11 미츠비시 쥬고교 가부시키가이샤 풍차용 타워 및 풍력 발전 장치
WO2011064886A1 (ja) * 2009-11-30 2011-06-03 三菱重工業株式会社 風車用タワー及び風力発電装置
US8322107B2 (en) 2009-11-30 2012-12-04 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Wind turbine tower and wind turbine generator
TWI386551B (zh) * 2009-12-11 2013-02-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Windmill tower and wind power plant
CN103216134A (zh) * 2013-04-12 2013-07-24 中国能源建设集团广东省电力设计研究院 一种输电线路悬翘式塔座
CN103216134B (zh) * 2013-04-12 2015-10-14 中国能源建设集团广东省电力设计研究院有限公司 一种输电线路悬翘式塔座
JP2015001117A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 塔状構造物
CN113339200A (zh) * 2021-07-07 2021-09-03 大连理工大学 基于调谐质量阻尼器的超大型半潜漂浮式风力机基础

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101848495B1 (ko) 판재 스프링을 이용한 지진감쇠 장치
KR102148695B1 (ko) 내진기능이 부가된 배전반
KR101497144B1 (ko) 액세스 플로어에 설치된 전산장비의 내진보강장치 및 그 시공방법
KR101701810B1 (ko) 내진장치
JP2002030830A (ja) 鉄塔用免震装置
JP2010002047A5 (ja)
KR102198672B1 (ko) 내진기능이 부가된 배전반
US10914093B2 (en) Volumetric compression restrainer
JP4468739B2 (ja) 構造物用防振架台
JP4734526B2 (ja) 構造物の制振装置
JP3011487B2 (ja) 動吸振装置
TWI706095B (zh) 幾何非線性隔振系統
KR20180083176A (ko) 중공 탄성수지 구조를 갖는 면진배전반
JP2017160652A (ja) 橋梁用座屈拘束型ダンパ
JP2017089269A (ja) 制震クランプおよび仮設構造物
JP5348945B2 (ja) 建築物の免震構造
JP2005113481A (ja) 免震柱脚構造
JP2015140853A (ja) 免震部材
CN215674218U (zh) 一种建筑抗震支架连接结构
JP4176620B2 (ja) Rc系建造物の制震構造
JP2009272379A (ja) 電子機器用耐震装置および耐震機構
JP3845140B2 (ja) 構造物の免振装置
JP4045886B2 (ja) 免震支承装置の変形量制限装置及び建物支承構造
JP6941480B2 (ja) 天井支持構造
KR20230170259A (ko) 건축물의 기초바닥 내진 보강구조 및 이를 구비한 프레임구조 설계 및 시공방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002