JP2002080090A - 球形タンクの耐震構造 - Google Patents

球形タンクの耐震構造

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JP2002080090A
JP2002080090A JP2000271073A JP2000271073A JP2002080090A JP 2002080090 A JP2002080090 A JP 2002080090A JP 2000271073 A JP2000271073 A JP 2000271073A JP 2000271073 A JP2000271073 A JP 2000271073A JP 2002080090 A JP2002080090 A JP 2002080090A
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JP
Japan
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brace
damper
energy absorbing
spherical tank
earthquake
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JP2000271073A
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English (en)
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Masato Yui
真人 柚井
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IHI Corp
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IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型ダンパーと大型ダンパー用の別の基礎を
設けることなく、水平振動と共に縦振動の地震エネルギ
ーをも吸収することができ、これにより設備費の低減と
耐震性能の向上を同時に図ることができる球形タンクの
耐震構造を提供する。 【解決手段】 球形タンク1の周囲を支持する複数の
細長い支持ポール2と、支持ポールの上部を隣接する別
の支持ポールの下部に斜めに連結するエネルギー吸収ブ
レース10とを備える。エネルギー吸収ブレース10
は、上端が支持ポールの上部に連結された上部ブレース
12と、下端が隣接する別の支持ポールの下部に連結さ
れた下部ブレース14と、その中間に連結されたエネル
ギー吸収ダンパー16とからなる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球形タンクの耐震
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図3(A)は従来の球形タンクの耐震構
造を示している。この図に示すように、球形タンク1
は、従来、複数の細長い支持ポール2でタンクの周囲を
支持し、この支持ポール2の上端を隣接する別の支持ポ
ールの下端に斜めにタイロッドブレース3で連結して、
その倒れを防止している。このタイロッドブレース3
は、例えば棒又はパイプ状のタイロッドとターンバック
ルからなり、支持ポールの間を所定の張力で連結してい
る。このため、小型の球形タンクの場合には耐震時にタ
イロッドブレース3の伸縮により地震エネルギーを吸収
することができる。
【0003】また、特に大型の球形タンクでは、図3
(B)に示すように、タイロッドブレース3の他に、タ
ンク下端部に3方向の水平ダンパー4を設け、この水平
ダンパー4により、地震時のエネルギーを吸収するよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の球形タ
ンクの耐震構造には、以下の問題点があった。 (1)通常のタンク脚部(支持ポール)用の基礎5とは
別に水平ダンパー用の基礎6を設ける必要がある。この
基礎6は、荷重位置が高くかつ地震時の大きい荷重を支
持する必要があるため脚部用の基礎5に比べて高価とな
る。 (2)地震の方向によって地震時の挙動が異なるため、
3方向に水平ダンパー4を設けた場合でも、単一の水平
ダンパー4で地震エネルギーを吸収できるように設定す
る必要がある。そのため、個々の水平ダンパーが大型と
なり、その設備費も高価となる。 (3)水平ダンパー4で地震の水平成分しか吸収できな
いため、地震が上下動を伴う場合、タイロッドブレース
に過大な荷重がかかり、地震エネルギーを吸収しきれな
いおそれがある。
【0005】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち本発明の目的は、大型ダ
ンパーと大型ダンパー用の別の基礎を設けることなく、
水平振動と共に縦振動の地震エネルギーをも吸収するこ
とができ、これにより設備費の低減と耐震性能の向上を
同時に図ることができる球形タンクの耐震構造を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、球形タ
ンク(1)の周囲を支持する複数の細長い支持ポール
(2)と、該支持ポールの上部を隣接する別の支持ポー
ルの下部に斜めに連結するエネルギー吸収ブレース(1
0)とを備えたことを特徴とする球形タンクの耐震構造
が提供される。
【0007】上記本発明の構成によれば、従来の3方向
の水平ダンパーを排し、従来のタイロッドブレースの代
わりにエネルギー吸収ブレース(10)を備えたので、
大型ダンパーと大型ダンパー用の別の基礎が不要とな
る。また、斜めに延びる従来のタイロッドブレースの位
置にエネルギー吸収ブレース(10)を備えるので、地
震による水平振動と共に縦振動の地震エネルギーをも吸
収することができ、地震の方向性に依らず、安定した制
振効果が得られる。また、単一のエネルギー吸収ブレー
ス(10)に地震エネルギーの全体が作用することがな
く、複数のダンパーが同時に作動するので、各ダンパー
を小型化でき、かつ大きなエネルギー吸収が可能とな
り、耐震効果を高めることができる。
【0008】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
エネルギー吸収ブレース(10)は、上端が支持ポール
の上部に連結された上部ブレース(12)と、下端が隣
接する別の支持ポールの下部に連結された下部ブレース
(14)と、その中間に連結されたエネルギー吸収ダン
パー(16)とからなる。また、前記エネルギー吸収ダ
ンパー(16)は、両端部が前記上部ブレース(12)
と下部ブレース(14)にそれぞれ連結されたオイルダ
ンパー(17)と、該オイルダンパーを通常時に復帰位
置に保持する付勢装置(18)とからなる。
【0009】この構成により、通常時には、付勢装置
(18)でオイルダンパー(17)を復帰位置に保持し
て、従来と同様のタイロッドブレース(3)の機能を果
たすことができる。また、地震時には、エネルギー吸収
ブレース(10)に作用する引張力又は圧縮力をオイル
ダンパー(17)で吸収することができる。更に、地震
後には、付勢装置(18)で短時間に元の位置に復帰す
ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通
する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。図1は、本発明の耐震構造を備えた球形タンクの全
体図である。この図に示すように、本発明の球形タンク
の耐震構造では、球形タンク1の周囲を支持する複数の
細長い支持ポール2と、支持ポール2の上部を隣接する
別の支持ポールの下部に斜めに連結するエネルギー吸収
ブレース10とを備える。
【0011】支持ポール2は、通常10〜12本程度設
けられ、その上端部が球形タンク1の周囲に固定され、
下端部は、タンク脚部(支持ポール)用の基礎5で支持
されている。なお、この図には、前面の5本の支持ポー
ル2のみを示している。
【0012】エネルギー吸収ブレース10は、上端が支
持ポール2の上部に連結された上部ブレース12と、下
端が隣接する別の支持ポール12の下部に連結された下
部ブレース14と、その中間に連結されたエネルギー吸
収ダンパー16とからなる。上部ブレース12と下部ブ
レース14は、従来のタイロッドブレースと同様に、例
えば棒又はパイプ状のタイロッドであり、必要に応じて
中間にターンバックルを備えている。また、上部ブレー
ス12の上端と下部ブレース14の下端は、それぞれボ
ルト又は溶接等により、支持ポール12に強固に連結さ
れている。
【0013】図2は、本発明によるエネルギー吸収ブレ
ース10の構成図である。この図に示すように、エネル
ギー吸収ダンパー16は、両端部が上部ブレース12と
下部ブレース14にそれぞれ連結されたオイルダンパー
17と、オイルダンパー17を通常時に復帰位置に保持
する付勢装置18とからなる。オイルダンパー17は、
引張又は圧縮の両方で減衰機能を有するものが好ましい
が、本発明では、引張時のみに作用するものでもよい。
また、この減衰特性は、速度比例形であるのがよいが、
その他の形式、例えば速度二乗形、又はこれらの合成形
でもよい。
【0014】付勢装置18は、図2の例では圧縮バネで
あり、地震が作用しない通常時には、圧縮バネ18の圧
縮力により、オイルダンパー17を最も縮んだ位置に保
持し、エネルギー吸収ダンパー16を従来のタイロッド
ブレースと同様の機能を発揮するようにし、かつ地震後
に元の位置に短時間で復帰できるようにしている。
【0015】なお、上述したエネルギー吸収ブレース1
0は、すべてのタイロッドブレースに代えて設けるのが
好ましいが、必要に応じて、その一部を従来のタイロッ
ドブレースのままにしてもよい。
【0016】上述した本発明の構成によれば、従来の3
方向の水平ダンパーを排し、従来のタイロッドブレース
の代わりにエネルギー吸収ブレース10を備えたので、
大型ダンパーと大型ダンパー用の別の基礎が不要とな
る。
【0017】また、斜めに延びる従来のタイロッドブレ
ースの位置にエネルギー吸収ブレース10を備えるの
で、地震による水平振動と共に縦振動の地震エネルギー
をも吸収することができ、地震の方向性に依らず、安定
した制振効果が得られる。更に、単一のエネルギー吸収
ブレース10に地震エネルギーの全体が作用することが
なく、複数のダンパーが同時に作動するので、各ダンパ
ーを小型化でき、かつ大きなエネルギー吸収が可能とな
り、耐震効果を高めることができる。
【0018】また、本発明の好ましい実施形態によれ
ば、通常時には、付勢装置18(圧縮バネ)でオイルダ
ンパー17を復帰位置に保持して、従来と同様のタイロ
ッドブレース3の機能を果たすことができる。また、地
震時には、エネルギー吸収ブレース10に作用する引張
力又は圧縮力をオイルダンパー17で吸収することがで
きる。更に、地震後には、付勢装置18で元の位置に短
時間に復帰することができる。
【0019】なお本発明は上述した実施形態に限られる
ものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変
更が可能である。
【0020】
【発明の効果】上述したように、本発明の球形タンクの
耐震構造は、大型ダンパーと大型ダンパー用の別の基礎
を設けることなく、水平振動と共に縦振動の地震エネル
ギーをも吸収することができ、これにより設備費の低減
と耐震性能の向上を同時に図ることができる、等の優れ
た効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐震構造を備えた球形タンクの全体図
である。
【図2】本発明によるエネルギー吸収ブレース10の構
成図である。
【図3】従来の球形タンクの耐震構造の模式図である。
【符号の説明】
1 球形タンク、2 支持ポール、3 タイロッドブレ
ース、4 水平ダンパー、5 タンク脚部用基礎、6
水平ダンパー用基礎、10 エネルギー吸収ブレース、
12 上部ブレース、14 下部ブレース、16 エネ
ルギー吸収ダンパー、17 オイルダンパー、18 付
勢装置(圧縮バネ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球形タンク(1)の周囲を支持する複数
    の細長い支持ポール(2)と、該支持ポールの上部を隣
    接する別の支持ポールの下部に斜めに連結するエネルギ
    ー吸収ブレース(10)とを備えたことを特徴とする球
    形タンクの耐震構造。
  2. 【請求項2】 前記エネルギー吸収ブレース(10)
    は、上端が支持ポールの上部に連結された上部ブレース
    (12)と、下端が隣接する別の支持ポールの下部に連
    結された下部ブレース(14)と、その中間に連結され
    たエネルギー吸収ダンパー(16)とからなる、ことを
    特徴とする請求項1に記載の球形タンクの耐震構造。
  3. 【請求項3】 前記エネルギー吸収ダンパー(16)
    は、両端部が前記上部ブレース(12)と下部ブレース
    (14)にそれぞれ連結されたオイルダンパー(17)
    と、該オイルダンパーを通常時に復帰位置に保持する付
    勢装置(18)とからなる、ことを特徴とする請求項2
    に記載の球形タンクの耐震構造。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013203426A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Yokogawa Sumikin Bridge Corp タンクの支持構造
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CN108071234A (zh) * 2017-12-18 2018-05-25 中国冶集团有限公司 一种大型裙座支撑结构球罐的组装方法
JP2018119578A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 トヨタ自動車株式会社 高圧タンク製造方法
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