JP4878048B2 - 切粉分別排出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械による切削、研削などの金属加工を行う際に、工作機械から排出される鉄やアルミニウムなどの金属の切削屑や研削屑などの切粉を含んだ混濁クーラントをコンベヤフレームの下側水平部に設けられた混濁クーラント貯留槽に投入し、コンベヤフレームに無端循環状態に内設されているヒンジベルトによって切粉のみを捕捉して槽外に掬い上げて搬出するとともに、ヒンジベルトが作る無端循環軌道にその一部が内接して回転自在に設置されている濾過ドラムによって濾過されて混濁クーラント貯留槽から外部へ排出された浄化クーラントを浄化クーラント貯留槽に回収して工作機械で再利用する切粉分別搬出装置に関する。
工作機械で金属材料に対して切削、研削などの加工を行う場合、切削治具、研削治具、被加工材料などの摩擦を抑制するとともに、それらの部材を冷却するために、潤滑剤を溶解した水溶液や、潤滑油などのクーラント(coolant)が使用される。
そして、工作機械から排出される切粉などを含んだ使用済みの混濁クーラントは、通常、切粉分別排出装置によって切粉のみを捕捉回収し、再利用可能な程度まで浄化される。
図6は、従来より用いられている切粉分別排出装置300を手前側の側面フレーム326を透明状態にして示した概略側面図である。
この切粉分別排出装置300は、工作機械Mから排出される切粉を含んだ混濁クーラントDが投入される混濁クーラント貯留槽330と、コンベヤフレーム320に無端循環状態で内設された無端状のヒンジベルト340とを備えている。
コンベヤフレーム320は、搬送側傾斜フレーム321、排出部フレーム322、戻り側傾斜フレーム323、水平床面フレーム324、テール部フレーム325と連続する金属フレームおよびその両側面を塞ぐ2枚の側面フレーム326により構成されている。
混濁クーラント貯留槽330に投入された混濁クーラントDに含まれる切粉Kは、ヒンジベルト340により、仕切板360に沿ってコンベヤフレーム320内の混濁クーラント貯留槽330の外に掬い上げられて、ヒンジベルト340の上方周回端部342の下方に位置する切粉排出口328から、切粉回収箱Bなどに搬出される。
ヒンジベルト340の上方周回端部342には、ヒンジベルト340に動力を伝達する駆動スプロケット370が駆動モータ(図示していない)に連結されて配置され、一方、ヒンジベルト340が戻り側水平部343から搬送側水平部341へと周回転向する下方周回端部344には、従動スプロケット372が設けられている。
さらに、コンベヤフレーム320の立ち上がり部の根元部分には、混濁クーラント貯留槽330に貯まった混濁クーラントDを濾過した後に外部に排出するための不織布などからなる濾過フィルターが巻回された濾過ドラム350が設けられている。
そして、濾過されたクーラント、すなわち、浄化クーラントは、コンベヤフレーム320の外部に設けられた浄化クーラント貯留槽390に排水口329を通じて排出され、浄化クーラント貯留槽390に一旦貯留された後にポンプなどで吸い上げられて工作機械Mなどで再利用される。
また、コンベヤフレーム320の側面フレーム326には、濾過ドラム350の性状を点検するための点検窓327が設けられている。
他方、濾過ドラム350を透過しない残留切粉は、ヒンジベルト340により、再び、掬い上げられ、切粉排出口328から排出される。
濾過ドラム350は、次第に濾過フィルターが目詰まりを起こすため、フィルター浄化用の液体噴出手段(図示していない)を設けて、この液体噴出手段から浄化クーラントを噴射し、濾過フィルター表面に付着した切粉Kを吹き飛ばしている。
ここで、濾過ドラム350の枢設構造について、図6のVII−VII線における断面図である図7に基づいて説明する。
濾過ドラム350は、複数本のドラム棒351が、一対の環状のドラム側板353に溶接などにより固設された円筒形状をしている。
そして、その外周面に不織布などからなる濾過フィルター352が巻回され、その両端部をホースバンド354によって締め付け固定されている。
片側のドラム側板353の外側に、スプロケット歯355が固設され、これが前述した無端循環走行しているヒンジベルト340と噛み合い濾過ドラム350を回転させている。
また、ドラム側板353の内側に環状のメタルベアリング356がボルトにより固定されている。
そして、このメタルベアリング356が、コンベヤフレーム320に固設された排水管380の外周面と摺接することにより、濾過ドラム350が、回転自在に支持されている。
さらに、混濁クーラントが、メタルベアリング356と排水管380の隙間に侵入して摺接面を摩耗させたり、混濁クーラントが、濾過フィルター352を通らず、外部に漏れ出すことを防止するため、断面V型のオイルシール382がメタルベアリング356の側面に押し付けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−230943号公報(図2)
ところが、前述したような従来の切粉分別排出装置300は、濾過ドラム350を取り出さないとオイルシール382の摩耗状態の確認ができないため、摩耗に気付かないで装置の稼動を続けてしまうことがあった。
そのため、オイルシール382の摩耗により切粉を含んだ混濁クーラントがメタルベアリング356と排水管380との間に侵入して摺接面を腐食させたり、摩耗させたりして装置の寿命低下の原因となっていた。
また、前述したように濾過ドラム350が、両端に環状のドラム側板353を有し、その内側にメタルベアリング356が取り付けられ、このメタルベアリング356がコンベヤフレーム320に固設された排水管380の外周面と摺接する構造であったため、混濁クーラントの液面が最も下がった場合、すなわち、装置の停止状態においても混濁クーラントの液面が、図6の水平線Lで示した位置までしか下がらず、ヒンジベルト340の搬送側水平部341が混濁クーラントDに浸かったままとなるため、装置が稼動しているのか停止しているのか分からず、使用上の操作性が悪いという課題があった。
また、同様の理由により軸受け部材であるメタルベアリング356の一部が常に混濁クーラント中に浸漬しているためメタルベアリング356の劣化が促進されて装置の寿命低下の原因となっていた。
さらに、メタルベアリング356およびオイルシール382を交換する際には、濾過ドラム350をコンベヤフレーム320から外す必要があり、メンテナンス作業負担が大きく、装置の稼働率の低下を招いていた。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、濾過ドラムを装置から取り出すことなくローラ軸受けを取り外してメンテナンス作業負担を軽減するとともに、混濁クーラントによるローラ軸受けの腐食を防止して装置の長寿命化を実現する切粉分別排出装置を提供することである。
まず、本請求項1に係る発明は、コンベヤフレームの下側水平部に設けて工作機械から排出された切粉を含んだ混濁クーラントを投入する混濁クーラント貯留槽と、前記混濁クーラントを濾過して浄化クーラントとする円筒型の濾過ドラムと、前記濾過ドラムの両端部にそれぞれ有する排水管の一方に突設して濾過ドラムを回転させるスプロケット歯と、前記コンベヤフレーム内を循環走行して切粉を掬い上げコンベヤフレームの頭部に設けた切粉排出口から外部に排出するコンベヤと、前記コンベヤフレームの外部に設けてコンベヤフレームの排水口を通して濾過ドラム内から排出される浄化クーラントを貯留する浄化クーラント貯留槽とを有する切粉分別排出装置において、前記排水管の端部のそれぞれが、前記コンベヤフレームの側面フレームに設けられた一対の円形開口部内に位置し、該円形開口部の直径よりも大きな外径と前記排水管の端部の外周面に接する内径とを有する環状のローラ軸受け板が、前記円形開口部と同心上にコンベヤフレームの側面フレームに外側から固設され、前記排水管の外周面に接触して転動する複数のローラ軸受けが、前記ローラ軸受け板の外側面において浄化クーラント貯留槽の液面高さより上部にそれぞれ枢設されていることによって、前述した課題を解決したものである。
ここで、本発明における「浄化クーラント貯留槽の液面高さ」とは、装置が正常に動作しているときの浄化クーラントの液面高さ変動の最も高い位置を意味している。
また、本請求項2に係る発明は、請求項1に係る切粉分別排出装置において、前記排水管の端部の外周面に円周方向に突設した凸部と前記ローラ軸受け板との間に混濁クーラントの漏出を防止するグランドパッキングが、前記排水管の外周面に密着して配設されていることによって、前述した課題をさらに解決したものである。
なお、本発明における「切粉」とは、切削装置などから排出される鉄やアルミニウムなどの金属の切削屑のみならず、研削盤装置などから排出される研削屑など、工作機械から排出される金属屑の総称を意味している。
本請求項1に係る発明によれば、コンベヤフレームの下側水平部に設けて工作機械から排出された切粉を含んだ混濁クーラントを投入する混濁クーラント貯留槽と、混濁クーラントを濾過して浄化クーラントとする円筒型の濾過ドラムと、濾過ドラムの両端部にそれぞれ有する排水管の一方に突設して濾過ドラムを回転させるスプロケット歯と、コンベヤフレーム内を循環走行して切粉を掬い上げコンベヤフレームの頭部に設けた切粉排出口から外部に排出するコンベヤと、コンベヤフレームの外部に設けてコンベヤフレームの排水口を通して濾過ドラム内から排出される浄化クーラントを貯留する浄化クーラント貯留槽とを有する切粉分別排出装置において、排水管の端部のそれぞれがコンベヤフレームの側面フレームに設けられた一対の円形開口部内に位置し、円形開口部の直径よりも大きな外径と排水管の端部の外周面に接する内径とを有する環状のローラ軸受け板が円形開口部と同心上にコンベヤフレームの側面フレームに外側から固設され、排水管の外周面に接触して転動する複数のローラ軸受けがローラ軸受け板の外側面において浄化クーラント貯留槽の液面高さより上部にそれぞれ枢設されていることにより、ローラ軸受けがコンベヤフレームの外側に位置して混濁クーラントと接触しない構造となり、濾過ドラムを装置から取り出すことなくローラ軸受けを取り外すことが可能になるため、ローラ軸受けの腐食を抑制して装置の長寿命化を実現するとともに、メンテナンス作業負担を軽減して装置の稼働率を向上させることができる。
加えて、排水口の口径と濾過ドラムの口径とをほぼ等しくすることができるため、装置停止時における混濁クーラントの液面をコンベヤの搬送側水平部よりも下げて装置の動作状態が目視可能になるので、使用上の操作性を向上させることができる。
さらに、複数のローラ軸受けで濾過ドラムを回転自在に支えることで、従来用いていたような濾過ドラムの全周に亘るメタルベアリングを不要としたため、装置の低コスト化を実現することができる。
また、ローラ軸受けが、ローラ軸受け板の外側面において浄化クーラント貯留槽の液面高さより上部にそれぞれ枢設されていることにより、ローラ軸受けが、浄化クーラント貯留槽の浄化クーラント内に浸漬された状態に長時間さらされることがないため、ローラ軸受けの腐食が防止され、長寿命化を実現することができる。
そして、本請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る切粉分別排出装置において、排水管の端部の外周面に円周方向に突設した凸部とローラ軸受け板との間に混濁クーラントの漏出を防止するグランドパッキングが排水管の外周面に密着して配設されていることによって、排水管とローラ軸受け板との隙間が密閉されるため、混濁クーラントが漏出することなく、作業現場の環境改善に大きく貢献することができる。
しかも、このグランドパッキングがコンベヤケースの外側から交換することが可能になるため、メンテナンス作業負担を軽減して装置の稼働率を向上させることができる。
本発明は、コンベヤフレームの下側水平部に設けて工作機械から排出された切粉を含んだ混濁クーラントを投入する混濁クーラント貯留槽と、混濁クーラントを濾過して浄化クーラントとする円筒型の濾過ドラムと、濾過ドラムの両端部にそれぞれ有する排水管の一方に突設して濾過ドラムを回転させるスプロケット歯と、コンベヤフレーム内を循環走行して切粉を掬い上げコンベヤフレームの頭部に設けた切粉排出口から外部に排出するコンベヤと、コンベヤフレームの外部に設けてコンベヤフレームの排水口を通して濾過ドラム内から排出される浄化クーラントを貯留する浄化クーラント貯留槽とを有する切粉分別排出装置において、排水管の端部のそれぞれがコンベヤフレームの側面フレームに設けられた一対の円形開口部内に位置し、円形開口部の直径よりも大きな外径と排水管の端部の外周面に接する内径とを有する環状のローラ軸受け板が円形開口部と同心上にコンベヤフレームの側面フレームに外側から固設され、排水管の外周面に接触して転動する複数のローラ軸受けがローラ軸受け板の外側面において浄化クーラント貯留槽の液面高さより上部にそれぞれ枢設され、濾過ドラムを装置から取り出すことなくローラ軸受けを取り外してメンテナンス作業負担を軽減するとともに、混濁クーラントによるローラ軸受けの腐食を防止して装置の長寿命化を実現するものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
例えば、本発明の切粉分別排出装置において、コンベヤフレーム内を循環走行して切粉を掬い上げるコンベヤとしては、ヒンジベルトが好適に用いられるが、混濁クーラントから切粉を効率よく掬い上げることができるものであれば、スクレーパコンベヤなどの他の種類のコンベヤであっても何ら支障はない。
また、本発明の切粉分別排出装置のコンベヤフレームは、混濁クーラントが投入される混濁クーラント貯留槽が設けられた下側水平部から、切粉が排出される切粉排出口が設けられた頭部に向けて立ち上がる形状をしているが、下側水平部から頭部に向けて緩やかな傾斜で立ち上がる側面形状が略S字状のものであっても、下側水平部から頭部に向けての傾斜が急で戻り側のコンベヤがほぼ垂直になる側面形状が略L字状のものであっても何ら支障はない。
後者の場合、装置の設置面積が小さくなり、装置の配置レイアウトの自由度が向上するため、特に好ましい。
以下、本発明の一実施例である切粉分別排出装置100について、図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の実施例である切粉分別排出装置100のコンベヤフレーム120の手前側の側面フレーム126を透明状態にして示した概略側面図であり、図2は、図1の矢視II−II線で切断した時の断面をヒンジベルト140を省略して示した断面図であり、図3は、図2のIII部の拡大図であり、図4は、図2のIV部の分解立体図であり、図5は、切粉分別排出装置100に装着されている濾過ドラム150の斜視図である。
まず、本実施例の切粉分別排出装置100の全体構造について、図1に基づいて、説明する。
本実施例の切粉分別排出装置100は、図1に示すように、工作機械Mから排出される切粉を含んだ混濁クーラントDが投入される混濁クーラント貯留槽130と、コンベヤフレーム120内に無端循環状態で内設されたヒンジベルト140とを備えている。
コンベヤフレーム120は、搬送側傾斜フレーム121、排出部フレーム122、戻り側垂直フレーム123、水平床面フレーム124、テール部フレーム125と連続する金属フレームおよびその両側面を塞ぐ2枚の側面フレーム126により構成されている。
混濁クーラント貯留槽130に投入された混濁クーラントDに含まれる切粉は、ヒンジベルト140により、仕切板160に沿って混濁クーラント貯留槽130の外に掬い上げられて、ヒンジベルト140の上方周回端部142の下方に位置する切粉排出口128から切粉回収箱(図示していない)などに排出される。
ヒンジベルト140の上方周回端部142には、ヒンジベルト140に動力を伝達する駆動スプロケット170が配置されており、この駆動スプロケット170が駆動モータ(図示していない)に連結されていて、ヒンジベルト140を循環回転させる駆動力を与えている。
一方、ヒンジベルト140が戻り側水平部143から搬送側水平部141へと周回転向する下方周回端部144には、従動スプロケット172が設けられている。
さらに、コンベヤフレーム120の立ち上がり部の根元部分には、混濁クーラント貯留槽130に貯まった混濁クーラントを濾過した後に外部に排出するための不織布などからなる濾過フィルターが巻回された円筒型の濾過ドラム150(図5参照)が設けられている。
そして、濾過されたクーラント、すなわち、浄化クーラントは、コンベヤフレーム120の外部に設けられた浄化クーラント貯留槽190に排水口129を通じて排出され、浄化クーラント貯留槽190に一旦貯留された後にポンプ(図示していない)などで吸い上げられて工作機械Mなどで再利用される。
また、コンベヤフレーム120の側面フレーム126には、濾過ドラム150の性状を点検するための点検窓127が設けられている。
他方、濾過ドラム150を透過しない残留切粉は、ヒンジベルト140により、再び、掬い上げられ、切粉排出口128から排出される。
このような濾過ドラム150は、次第に濾過フィルターが目詰まりを起こすため、フィルター浄化用の液体噴出手段(図示していない)を設け、この液体噴出手段から浄化クーラントを噴射し、濾過フィルター表面に付着した切粉を吹き飛ばしている。
次に、本実施例の主要部である濾過ドラム150の構造およびコンベヤフレーム120への取り付け構造について図2乃至図5に基づいて説明する。
円筒型の濾過ドラム150は、図5に示すように、その開口部の両端部に排水管156を有しており、この排水管156間に複数のドラム棒151が固設されている。
そして、外周面に不織布などからなる濾過フィルター152が巻回されて、大口径のホースバンド154によって、排水管156に締め付け固定されている(図2参照)。
さらに、一方の排水管156に、ヒンジベルト140の無端循環軌道の一部に内接して濾過ドラム150を回転させるためのスプロケット歯155が突設されている。
この濾過ドラム150は、排水管156の端部のそれぞれがコンベヤフレーム120の側面フレーム126に設けられた一対の円形開口部120a内に位置している(図3参照)。
そして、この円形開口部120aの直径よりも大きな外径と排水管156の端部の外周面に接する内径とを有する環状のローラ軸受け板180が、円形開口部120aと同心上にコンベヤフレーム120の側面フレーム126に外側から固設されている。
このローラ軸受け板180をコンベヤフレーム120の側面フレーム126に強固に螺設するために、側面フレーム126の外側に円形開口部120aの直径と略等しい内径を有する環状のフレーム補強板189が配設されている。
そして、ローラ軸受け板180の外側面に排水管154の外周面に接触する複数のローラ軸受け182が、ワッシャ184を介してボルト186と軸受け座185により螺設されている。
この軸受け座185は、ローラ軸受け板180に溶接されている。
本実施例においては、ローラ軸受け182は、図1に示すように4つ設けられている。
そして、これらのローラ軸受け182は、浄化クーラントの通常時の液面高さHより上部に配置されており、ローラ軸受け182が長期に亘って浄化クーラント中に浸漬しない構造になっている。
その結果、ローラ軸受け182の腐食が防止される。
また、ローラ軸受け182がコンベヤフレーム120の外側に位置するため、コンベヤフレーム120の外側からローラ軸受け182を取り替えることができ、メンテナンス時の作業負担が格段に軽減される。
なお、ローラ軸受け182の数は、4つに限定されることはなく、濾過ドラム150を安定して支持できるとともに、浄化クーラント貯留槽の液面高さより上部に、すなわち、浄化クーラントの通常時の液面高さHより上部に配置することができれば、3つであっても構わないし、5つ以上であっても構わない。
しかしながら、濾過ドラム150を安定して支持するためには、複数のローラ軸受け182の内の少なくとも1つは、濾過ドラム150の中心Oを通る水平線Iよりも下であって、垂直線に対して線対称の位置に配置する必要がある。
すなわち、ローラ軸受け182を3つにする場合には、真上に1つ配設し、残りの2つを中心角を120度とする等間隔に配設することが望ましい。
さらに、図3に示すように、排水管156とローラ軸受け板180との間から混濁クーラントが漏れ出すことを防止するため、排水管156の端部の外周面に円周方向に突設した凸部156aとローラ軸受け板180との間に炭化繊維製のグランドパッキング188を排水管156の外周面に密着するように配設している。
そして、このグランドパッキング188に切粉が当たって摩耗することを防止するため、鋼製の切粉侵入防止板157が凸部156aに溶接されている。
この切粉侵入防止157とグランドパッキング188の間には、スポンジゴム183が配設され、このスポンジゴム183の復元力を利用して剛性のグランドパッキング188をローラ軸受け板180に押し付けて、コンベヤフレーム120の製缶誤差を吸収している。
また、切粉侵入防止板157の複数個所にコンベヤフレーム120の内側から外側に向けてタッピンネジ153を螺入し、その先端を切粉侵入防止板157から突き出しておいて、グランドパッキング188の装着時にグランドパッキング188をタッピンネジ153の先端に食い込ませることによって、回り止めの機能を果たしている。
なお、図3において、符号158を付した部材は、グランドパッキング188の挿入部分の寸法出しのために切粉侵入防止板157に溶接固定されている切粉侵入防止部材である。
また、符号181を付した部材は、濾過ドラム150の回転部とコンベヤフレームの円形開口部120aの周縁部との隙間を一定に保つとともにローラ軸受け板180の芯出しを行う目的でローラ軸受け板180に溶接固定されている間隔保持部材である。
以上のように、本発明の実施例である切粉分別排出装置100は、ローラ軸受け182がコンベヤフレーム120の外側に位置し混濁クーラントと接触しない構造となっているとともに、濾過ドラム150を装置から取り出すことなくローラ軸受け182を取り外すことができるため、ローラ軸受け182の劣化・摩耗が抑制されて装置の長寿命化が実現できるとともに、メンテナンス作業負担の軽減・装置の稼働率の向上が実現できる。
また、排水口129の口径と濾過ドラム150の口径とをほぼ等しくすることができるため、装置停止時における混濁クーラントの液面をヒンジベルト140の搬送側水平部141よりも下げることができ、装置の動作状態を目視できるので、使用上の操作性が向上する。
そして、複数のローラ軸受け182で濾過ドラム150を回転自在に支えることで、従来用いていたような濾過ドラム350の全周に亘るメタルベアリングを不要としたため、装置の低コスト化が実現できる。
また、ローラ軸受け182は、入手性の高い部品であり、ユーザーサイドにおいて短納期で交換できるので、メンテナンスに掛かるコストを削減することができる。
さらに、ローラ軸受け182が、浄化クーラントの通常時の液面高さHより上部に配置されていることにより、ローラ軸受け182が長時間、浄化クーラント内に浸漬された状態にさらされることが防止されるため、ローラ軸受け182の長寿命化が実現できる。
加えて、排水管156の端部の外周面に円周方向に突設した凸部150aとローラ軸受け板182との間に混濁クーラントの漏出を防止するグランドパッキング188が排水管156の外周面に密着して配設されていることによって、排水管156とローラ軸受け板182との隙間が密閉されるため、混濁クーラントが漏出することなく、装置のクリーン性が向上する。
しかも、このグランドパッキング188がコンベヤケース120の外側から交換することができるため、メンテナンス作業負担の軽減・装置の稼働率の向上が実現でき、その効果は甚大である。
本発明の切粉分別排出装置は、作業現場の環境改善、工作機械の稼働率の向上、メンテナンス作業負担の軽減など、クーラントシステムに求められていた積年の課題を解決するものであって、その産業上の利用可能性はきわめて高い。
本実施例の切粉分別排出装置の概略側面図。 図1の矢視II−II線における断面図。 図2のIII部の拡大図。 図2のIV部の分解立体図。 本実施例の切粉分別排出装置の濾過ドラムの斜視図。 従来の切粉分別排出装置の概略側面図。 図6の矢視VII−VII線における断面図。
100、300 ・・・ 切粉分別排出装置
120、320 ・・・ コンベヤフレーム
120a ・・・ (コンベヤフレームの)円形開口部
121、321 ・・・ (コンベヤフレームの)搬送側傾斜フレーム
122、322 ・・・ (コンベヤフレームの)排出部フレーム
123 ・・・ (コンベヤフレームの)戻り側垂直フレーム
124、324 ・・・ (コンベヤフレームの)水平床面フレーム
125、325 ・・・ (コンベヤフレームの)テール部フレーム
126、326 ・・・ (コンベヤフレームの)側面フレーム
127、327 ・・・ (コンベヤフレームの)点検窓
128、328 ・・・ (コンベヤフレームの)切粉排出口
129、329 ・・・ (コンベヤフレームの)排水口
130、330 ・・・ 混濁クーラント貯留槽
140、340 ・・・ ヒンジベルト
141、341 ・・・ (ヒンジベルトの)搬送側水平部
142、342 ・・・ (ヒンジベルトの)上方周回端部
143、343 ・・・ (ヒンジベルトの)戻り側水平部
144、344 ・・・ (ヒンジベルトの)下方周回端部
150、350 ・・・ 濾過ドラム
151、351 ・・・ (濾過ドラムの)ドラム棒
152、352 ・・・ (濾過ドラムの)濾過フィルター
153 ・・・ タッピンネジ
154、354 ・・・ (濾過ドラムの)ホースバンド
155、355 ・・・ (濾過ドラムの)スプロケット歯
156 ・・・ (濾過ドラムの)排水管
156a ・・・(排水管の)凸部
157 ・・・ (濾過ドラムの)切粉侵入防止板
158 ・・・ 切粉侵入防止部材
160、360 ・・・ 仕切板
170、370 ・・・ 駆動スプロケット
172、372 ・・・ 従動スプロケット
180 ・・・ ローラ軸受け板
181 ・・・ 間隔保持部材
182 ・・・ ローラ軸受け
183 ・・・ スポンジゴム
184 ・・・ ワッシャ
185 ・・・ 軸受け座
186 ・・・ ボルト
188 ・・・ グランドパッキング
189 ・・・ フレーム補強板
190、390 ・・・ 浄化クーラント貯留槽
323 ・・・ (コンベヤフレームの)戻り側傾斜フレーム
353 ・・・ (濾過ドラムの)ドラム側板
356 ・・・ メタルベアリング
380 ・・・ 排水管
382 ・・・ オイルシール
B ・・・ 切粉回収箱
H ・・・ (通常時の混濁クーラントの)液面高さ
I ・・・ (濾過ドラムの中心を通る)水平線
K ・・・ 切粉
L ・・・ (装置停止時の混濁クーラント液面の)水平線
M ・・・ 工作機械
O ・・・ 濾過ドラムの中心

Claims (2)

  1. コンベヤフレームの下側水平部に設けて工作機械から排出された切粉を含んだ混濁クーラントを投入する混濁クーラント貯留槽と、前記混濁クーラントを濾過して浄化クーラントとする円筒型の濾過ドラムと、前記濾過ドラムの両端部にそれぞれ有する排水管の一方に突設して濾過ドラムを回転させるスプロケット歯と、前記コンベヤフレーム内を循環走行して切粉を掬い上げコンベヤフレームの頭部に設けた切粉排出口から外部に排出するコンベヤと、前記コンベヤフレームの外部に設けてコンベヤフレームの排水口を通して濾過ドラム内から排出される浄化クーラントを貯留する浄化クーラント貯留槽とを有する切粉分別排出装置において、
    前記排水管の端部のそれぞれが、前記コンベヤフレームの側面フレームに設けられた一対の円形開口部内に位置し、
    該円形開口部の直径よりも大きな外径と前記排水管の端部の外周面に接する内径とを有する環状のローラ軸受け板が、前記円形開口部と同心上にコンベヤフレームの側面フレームに外側から固設され、
    前記排水管の外周面に接触して転動する複数のローラ軸受けが、前記ローラ軸受け板の外側面において浄化クーラント貯留槽の液面高さより上部にそれぞれ枢設されていることを特徴とする切粉分別排出装置。
  2. 前記排水管の端部の外周面に円周方向に突設した凸部と前記ローラ軸受け板との間に混濁クーラントの漏出を防止するグランドパッキングが、前記排水管の外周面に密着して配設されていることを特徴とする請求項1に記載の切粉分別排出装置。
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