JP4877994B2 - 電解コンデンサ - Google Patents
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Description
また、市場で流通している絶縁板とゴム板を張り合わせたタイプの封口板の場合、外部端子はリベットとそれに取り付けた金属板端子を有し、絶縁板側から平ワッシャを差し込み封口板に固定するとともに、引き出しリードタブを接続固定するため、引き出しリータブドの端部に穴をあけて、リベットの円柱部分に差し込み、次に平ワッシャを差し込み、機械的にかしめるリベット止めが一般的である。
そのための対策として従来、封口板の絶縁板の内面に、イオン物質遮断性の樹脂フィルム、たとえばエチレン、プロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体、またはポリフェニレンサルファイドフィルムなどを、重ね接着一体化したり(特許文献1)、封口板の絶縁板の内面と側面表面にゴム成形体、たとえばエチレンプロピレンゴム、ブチルゴム成形体などを設けたり(特許文献2)、封口板の絶縁板中の、塩素などの不純物の流出を防止していた。
また、短冊状のアルミニウムの引き出しリードタブを有するコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納する開口部を有するケースと、この開口部を封口する紙フェノール絶縁板にゴムシートを貼り合わせたゴム貼り紙フェノール絶縁板を使用した封口板と、この封口板を貫通する前記ケース内で前記引き出しリードタブと接続するリベット外部端子と、を有するアルミニウム電解コンデンサにおいて、前記封口板に合わせた形状のフェノール樹脂成形体で前記封口板の底面から側面にかけて覆うとともに、前記フェノール樹脂成形体に設けたリベット外部端子貫通用の穴内に、リベット外部端子の固定用ワッシャを設けることを特徴とする電解コンデンサを提供する。
また、市場で流通しているゴム貼り紙フェノール絶縁板を使用した封口板を使用することにより、安価に封口板を調達することができる。
本発明に述べるフェノール樹脂成形体は、塩素イオン濃度が低い、好ましくは10ppm程度以下のフェノール樹脂と、塩素イオン濃度が低い、好ましくは10ppm程度以下の充填剤を有するもので、本発明に用いるフェノール樹脂は、ノボラックタイプでもレゾールタイプでもまたは変性物でもかまわないが、塩素イオン濃度が低いことが好ましい。なお、ノボラックタイプの場合の反応触媒として塩酸を使用することもできるが、塩素イオン濃度が増大しやすい恐れがあるため好ましくないので、少なくとも塩酸の代わりに蓚酸を使用するのが好ましい。封口板の底面から側面にかけて覆うように設けていて、厚さは、20μmから2mm程度であり、フェノール樹脂成形体の底部外側には、外部端子間の絶縁性を良好にするために、外部端子間に突起壁を設けてもかまわない。
本発明に用いるフェノール樹脂の充填剤としては、塩素イオン濃度が低いかまたは除去しやすいものを使用するのが好ましく、充填剤以外の添加剤としては、フェノール樹脂成形体に一般に使用されているたとえば、シリカ、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルクなどが使用できるが、いずれにしても、10ppm程度以下の塩素イオン濃度であることが好ましい。また、コンデンサの製造中や使用温度中に劣化しない物質であることが好ましい。
本発明に用いるリベット外部端子としては、絶縁板とゴム板を張り合わせたタイプの封口板を貫通する外部端子で、ゴム板側にリベットとそれに取り付けた金属板端子を設け、絶縁板側から固定用のワッシャなどをリベットの先から差し込んで、封口板に外部端子を固定するものである。
図1は、本発明に係るアルミニウム電解コンデンサの断面図を示している。
本発明に係るアルミニウム電解コンデンサは、通常のアルミニウム電解コンデンサと同様に、電極箔を適当な巾に裁断された後、引き出しリードタブ1を接続し、紙などのセパレータと共に捲回または積層されたコンデンサ素子2に封口板4を接続し、上面が開口したアルミニウム等の金属材からなり、外観的に円筒状や楕円筒状に形成されているケース3内に収容したものである。ケース3には絶縁性チューブを被覆する場合もある。
封口板4は、紙フェノール絶縁板5に、ゴム板6が貼り合わされていて、封口板の底面から側面にかけて覆うように、フェノール樹脂成形体7を設けている。
外部端子8は、封口板4を貫通する形で取り付けられる正負極用一対のリベット9と、リベット9に接続し別端部が外部と接続する板状端子10と、封口板4に固定するためのリベット9の先端から差し込まれた固定用ワッシャ11を有し、コンデンサ素子2から引き出された引き出しリードタブ1をその端部に穴を開けて、リベット9に差し込み、更にかしめ用ワッシャ13をリベット9に差し込みかしめて接続している。
引き出しリードタブ1は短冊状で、幅がリベット外部端子貫通用の穴径よりも広い場合には、図3(a)に示すように、比較的高純度の柔らかいアルミニウムの引き出しリードタブ1を使用し、リベット外部端子貫通用の穴径よりも広い、シリコンなどを添加した比較的硬度を向上させたアルミニウムのかしめ用ワッシャ13をその表面に設けてかしめることにより、引き出しリードタブ1が変形して、リベット外部端子貫通用の穴径と固定用ワッシャの径の差または高さの差から生ずるすき間をふさぐことができる。
また、引き出しリードタブ1が短冊状で、幅がリベット外部端子貫通用の穴径よりも狭い場合には、図3(b)に示すように、幅がリベット外部端子貫通用の穴径よりも広い高純度の柔らかいアルミニウムのスペーサ14、リベット外部端子貫通用の穴径よりも広いシリコンなどを添加した比較的硬度を向上させた補強板15、アルミニウム引き出しリードタブ1、かしめ用ワッシャ13の順に設けてかしめることにより、スペーサ14が変形して、リベット外部端子貫通用の穴径と固定用ワッシャの径の差または高さの差から生ずるすき間をふさぐことができる。
リベット9を固定用ワッシャ11で固定した後に、フェノール樹脂成形体7を設ける場合で、リベット外部端子貫通用の穴12の内周と接する固定用ワッシャ11の外周部分にテーパーを設けたものが図4(a)で、テーパー代わりに段差を設けたものが図4(b)、固定用ワッシャ11の段差の部分にドーナツ状の小突起部17を設けたものが図4(c)を示している。小突起部17は変形しやすいように小形に形成するのが好ましい。いずれにおいても、リベット外部端子貫通用の穴12の内周の一周と固定用ワッシャ11は点より面で接触することが気密の点で好ましい。
封口板にフェノール樹脂成形体7を設けてから、リベット9を固定用ワッシャ11で固定した場合を示していて、図4(a)とは逆テーパーになっている。テーパー代わりに段差や段差の部分にドーナツ状の小突起部を設けてもかまわない。この方法は、外部端子を封口板とフェノール樹脂成形体に固定した後に、
引き出しリードタブを外部端子に固定するので、各固定の調整がしやすい。
Claims (2)
- 紙フェノール絶縁板にゴムシートを貼り合わせたゴム貼り紙フェノール絶縁板を使用した封口板と、この封口板を貫通する外部端子とを有する電解コンデンサにおいて、前記封口板に合わせた形状のフェノール樹脂成形体で前記封口板の底面から側面にかけて覆うことを特徴とする電解コンデンサ。
- 短冊状のアルミニウムの引き出しリードタブを有するコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を収納する開口部を有するケースと、この開口部を封口する紙フェノール絶縁板にゴムシートを貼り合わせたゴム貼り紙フェノール絶縁板を使用した封口板と、この封口板を貫通する前記ケース内で前記引き出しリードタブと接続するリベット外部端子と、を有するアルミニウム電解コンデンサにおいて、前記封口板に合わせた形状のフェノール樹脂成形体で前記封口板の底面から側面にかけて覆うとともに、前記フェノール樹脂成形体に設けたリベット外部端子貫通用の穴内に、リベット外部端子の固定用ワッシャを設けることを特徴とする電解コンデンサ。
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