この発明の実施の形態の例による複合装置の構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の外観説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の通信構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の制御構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の制御構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の制御構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置のフローチャート。
この発明の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置のフローチャート。
この発明の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の構成説明図。
この発明の実施の形態の例による複合装置の構成説明図。
この発明の別の実施の形態の例による複合装置の制御構成説明図。
この発明の別の実施の形態の例による複合装置の回路構成説明図。
この発明の別の実施の形態の例による複合装置の特性説明図。
従来の複合装置の制御構成説明図。
実施の形態1.
図1乃至図5は、本発明の一例である構成を説明する図であって、図1は本発明に於ける装置説明図、図2はコンビニエンスストアの外観説明図、図3は図2の店舗を上から見た部分透視説明図、図4は本発明の構成の信号伝送部分説明図、図5は本発明の構成の制御回路図である。図1において、1はコンビニエンスストアなどの食品を扱う店舗、2は店内に設置され食品などを冷蔵して収納するショーケース、3はショーケース内下部の機械室に設置されエアーカーテンの気流9やショーケース2の庫内に収納される食品を冷却するように循環される空気を冷却するショーケース内蒸発器、4はショーケース2の冷凍サイクルを形成する凝縮器5、圧縮機6、膨張装置7を収納する室外機、8は防露ヒーター、20はショーケース2の開口から侵入する空気である店内侵入気流、10は空調装置52の室内側熱交換器、11は店内温湿度検出手段、12は空調装置52の冷凍サイクルを形成する室外熱交換器14、圧縮機13、四方弁15、膨張装置16を収納する室外機、17は外気温度を検出する外気温度検出手段であって、室外機4や室外機12などに設けられた空気温度検出素子を利用すれば良い。18は冷凍空調複合空気環境制御装置であるコントローラーである。このコントローラー18は図1のごとく室内の壁面に取り付けられたり、室外や、冷凍装置の中や、空調装置の中などに設けられていて良いことは当然である。96は冷凍サイクルの冷媒を循環させる配管である。
次に図1の動作について説明する。冷凍装置であるショーケース2では、夏期または冬期に拘わらず年中品物を冷蔵または冷凍して食品を保存している。冷凍装置の系統サイクルは室内に配置されたショーケースと室外に配置された室外機との間を配管96で接続した冷凍サイクルを構成し、圧縮機6で高温高圧に圧縮されたガス冷媒は凝縮機5で凝縮され膨張装置7で膨張して蒸発器で低温の冷媒となる。ショーケース下部の機械室に配置された送風ファンにより吸込んだ空気を蒸発器3で冷却し、低温空気としてショーケース2の背面風路を経由して上部吹出し口より庫内に吹出すとともに、その外側でエアーカーテン9を形成する気流とし再び温度TRiの空気として送風ファンで吸込む。この様にショーケース2は開口をエアーカーテンで封鎖して庫内温度TRを設定された低温に維持し、且つ、湿度φRを高湿に維持し食品の鮮度維持を行っている。しかも顧客は自由に開口から品物を取り出すことが出来る。更にショーケース2には装置本体表面の温度を上げて露付きを防止するため防露ヒーター8が装着されている。
さらに、空調装置では、夏期は冷房運転となり、配管96にて接続された冷凍サイクルでは、空調用室外機12に設けている圧縮機13で高温高圧に圧縮されたガス冷媒は四方弁15を通り室外熱交換器14で凝縮し液化し、膨張装置16で暖熱膨張し低圧低温の液とガスの二相冷媒となって室内熱交換器10にいたり、店内1の空気を冷房して再び空調装置の室外器12に帰還する。店内1の空気は室内ファン21により循環しており、この循環する空気と低温冷媒との熱交換を通して店内1を冷房し、外気温度が30゜C以上でも店内の人のいる位置は、温湿度検出手段11で検出された室内の温度Tiや湿度φiに応じて空調装置52が温度や湿度の調整を行うのであらかじめ設定された温度設定値に応じ例えば23−26゜C程度の快適な目標温度に保たれることになる。
図2において、71はコンビニエンスストアなどの店舗が一角を占めているビル、72は店の看板である外部照明、73は人の接近により開閉して戸外からの室内への空気の流通を防止するとともに自動開閉する開閉ドア、74は外部壁75に固定され模様95が書かれた透明なガラス壁、76は空調装置の室内に面したグリル、77は縦横多数の配列により室内を常に明るく照らす室内照明装置、78は公衆電話、80はこの店舗の分電盤である。また例えばショーケース2の室外機4と空調装置52の室外機12が重ねられて据え付けられている。
図3は、店舗を上から見て各機器の配置状況を透視して説明する図で、53は室内壁面にショーケース2と同様に配置された庫内温度がショーケースより低く、且つ、ガラス戸で開閉して内部の食品を取り出す冷凍庫、81は電力を伝える電灯線、43は空調装置の制御部、44は冷凍庫の制御部、45はショーケースの制御部である。この電灯線81を介してコントローラ18と各機器の制御部とが信号の送受を行っている。82は換気扇、83は換気扇からの外気を開閉するダンパー22を介して導入したり、空調装置52の室内側熱交換器10で冷却された空気を室内に吹出す室内グリル76に運ぶ天井内に配置されたダクトである。なお空調装置52の室内への吹出し口はこの様に本体52に設けたり、ダクトを介して別の吹出し口を設けたり、この吹出し口グリルの内部に設けた循環送風機によるなど多くの方法が可能である。なお空調装置には室内空気を吸込む吸込み口と室内へ空調された空気を吹出す吹出し口が設けられており、天井埋め込みの空調装置ではグリルの中央から吸い込んで周囲から吹出す構成などが採用されている。更に空調装置は天井埋め込みだけでなく、側壁の天井近傍に設けても良いし、天井面にぶら下げて固定しても良い。側壁に取り付ける場合は上部から吸込み、下部から吹出し、また、天井取付の場合は下面から吸込み側面から吹出すような構成である。
23は天井面と面一の室内グリル76の吹出し口外周縁部を室内側から覆うようにして、吹出した風の一部を天井面に沿って流す通風ガイドである。室内グリル76の吹出す風の大半は室内に循環させるが、この風の流れを利用して天井面から突出して配置された多数の露出した蛍光燈へ風を送ることにより蛍光燈周囲の温度を一定の範囲に押さえる役割を果たす。当然ながらグリル76や空調装置本体52を天井面から若干突出させ側方、すなわちグリル内部の風向板の方向を変化させて天井面に沿った風の流れを作り出す構造にしても良い。また天井付近の側壁から空気を吹出す空調装置を使用する場合は天井面に沿った流れを作り出すグリル構造が必要で、更に天井全面に分布して配置された蛍光燈へ空気の流れをほぼ行き渡らせるため、少なくとも一つの壁面全体に分布させた吹出し口から吹出させるなどの通風ガイドの効果が一層得られるような構造が望ましい。なおグリルにて天井に沿う流れを作り出すのは間欠的、すなわち時間間隔をおいて送風方向を切り替えても良い。このような通風ガイドにより温度範囲が一定範囲で使用される蛍光燈は光束が効率の一定の状態で維持されるので温度により明るくなったり暗くなることなく所望の照度を維持でき、店舗としての照明効果を十分に発揮することが出来る。
図4は、図3の信号の送受を行う通信手段を説明する図で、32は空調装置52の内部に設けられた制御部43に取り付けられた基板のマイコン、43aはマイコン32と接続され通信手段33、変・復調手段34、結合手段35からなる通信インターフェース、36は各機器の制御部と電灯線81でつながりコントローラ18に設けられマイコンと接続される通信インターフェース、37は無線など他の通信により各機器の制御部とつながる通信インターフェース、39は電話線などで電話局46を介してサービスセンター47や携帯電話48につながるモデムである。各機器の制御部に取り付けられたマイコンは、各機器の運転停止や例えば換気扇や空調またはショーケース内照明のスイッチ動作、暖房や冷房の運転モードの切替え、温度や湿度の設定やセンサーからの温度情報に基づく温度制御、運転状態等がマイコン内に記憶された動作と演算された結果に基づき制御動作の指示として行われる。この回路の動作として通信手段33は自分当ての受信電文を選別しマイコン32へ指示を出したりマイコン32の指示により送信電文を組み立てる。すなわちコントローラ18より発振された自分当ての受信電文を選別して内容、例えばサービスセンターからの温度設定値の変更をマイコン32に伝える。また逆にマイコン32の指示により送信電文、同様に現在の設定温度の値をコントローラ18へ送信する。
送信電文は発信元アドレス、送信先アドレス、内容などで構成される。変・復調手段34はディジタル信号をアナログ信号へ、また逆にデータを決められた変調方式により変調する変調回路で、変調方式としては例えば振幅変調や位相変調が用いられる。電灯線を通じて信号を送る場合は50−450kHz周波数帯が電波法により定められている。結合手段35は信号を電灯線に乗せるためのトランスなどを含む結合回路で、また電灯線よりの信号を取り出す。この結合手段35により電灯線と通信インターフェース36を介してコントローラ18へ伝えられた信号は、モデム39から電話局46などを通して電話回線や衛星回線などにより外部へ連絡される。この様にコントローラ18と各機器の制御部との間で送信と受信が繰り返され情報のやり取りや運転の指示などが簡単に行われる。このような既存の電灯線を使用した信号の送受により特別な信号配線を巡らす必要がなくなり、工事が簡単で確実な送受信が可能になる。なお室内の信号の送受は他の通信法式、例えば無線、赤外線、や既存の空調制御などに使われている通信用の配線を使用しても良い。
図5は、図1から図4までに述べてきた店舗のような室内に配置された複合装置の省エネルギーを行う制御を行う運用システムの流れを説明する図で、43cは分電盤80に設けられ検出した空調機の入力を検出するセンサWA、43bは空調機の温度設定値TS、湿度設定値φSが設定される空調機の制御部43に設けられ外気温度TOと外気湿度φOを検出するセンサ、44bは冷凍機の制御部44に設けられ外気温度TOと外気湿度φOを検出するセンサであるが、この外気温度または湿度のセンサは、空調機の制御部43か、あるいは冷凍機の制御部44のどちらか一方に設ければ良い。45bはショーケースの制御部45に設けられ庫内温度TRを検出するセンサ、41はコントローラ18に設けられ通信線を介して空調機の制御部43、冷凍機の制御部44、ショーケースの制御部45等と接続され各機器の運用アルゴリズムに基づいて各機器間の状態量に一定の相関関係を取らせながら制御を行う、センサ群管理手段41aと、運用アルゴリズム手段41bと、制御データ手段41cと、通信用データ加工手段41dから構成される管理制御部である。センサ群管理手段41aは制御データ手段41cに格納された各機器の状態量を一括管理し、共通物理量と個別機器対応物理量と機器相関物理量に分類して管理している。共通物理量は先に述べた外気温度のようなものである。個別機器対応物理量は冷凍機の特定個所の圧力のようにその機械のみの物理量である。
機器相関物理量は店内温度のように冷凍機と空調機の両方に関係する物理量であって省エネルギーを得るために運用するアルゴリズムに関係する物理量である。冷房、暖房、換気、または除湿等を行う空調装置、食品などを保存する冷凍装置、あるいは照明装置のような発熱装置等が相互に冷熱負荷として影響しあう装置を複合装置として捉え、すなわちショーケースの庫内の低温空気のような冷凍機の発生する冷熱は店内空気温度を下げる役割を果たすので、それぞれ本来の個々の装置は目的達成の動作を維持しながら、全体として省エネルギーを図ろうと言う場合、個々の機械で独立した量と相互に関連した量とは区分けして処理する必要がある。独立した量は個々の機械の中で制御するのに必要でありその中で処理すれば良いが、相互に関係した量はコントローラ18のように一括制御を行うか相互に通信でデータを交換する必要がある。運用アルゴリズム手段41bは例えばショーケース省エネ運用アルゴリズムなどを含みあらかじめ管理・制御部41内に構築しておいて、新規に追加する場合や改定や削除する場合には外部から電話回線やモデム39などを介して変更が可能である。更に制御データ手段41cの一部も外部から電話回線を介して例えば電力料金の改定値が管理・制御部へ送られてくる。通信用データ加工手段41dはインターフェース43a、44a、45aを通し各機器とやり取りし、あるいはモデム39を通して制御データ手段41cの内の外部に送るデータと、逆に外部から受け取るデータを加工して制御データ手段41cに渡す。
図5において空調機分電盤センサ43cの空調機消費電力WAと、冷凍機機分電盤センサ44cの冷凍機消費電力WRと、ショーケース機分電盤センサ45cのショーケース消費電力WSとを通信線42を介して、管理・制御部41に送信し、この運用アルゴリズム手段41bにて空調機消費電力検出手段WAと冷凍機消費電力検出手段WRとショーケース消費電力検出手段WSの各検出手段で検出された電力が合計されるとともに、この合計した総和が常に小となるように店内目標温度である温度設定値TSや空調装置52の室内ファン21の回転速度などの変更が繰り替えされる。これは温度設定値TSや空調装置52の室内ファン21の回転速度などがあらかじめ与えられた量変更され、これにより消費電力が変更前より小さいことが確認されると、小さい消費電力が得られるこれらの設定データは空調機にフィードバックされ、この動作を繰り返すことにより常に消費電力が最小の方向へ向かう制御が可能になる。
次に本発明の運用アルゴリズムの詳細を説明する。図6は空調装置の冷房時の成績係数COPを示したもので、横軸は蒸発器として機能する空調装置の室内熱交換器10の吸込み空気温度Tei、すなわち循環する空気の店内温度で、空調装置が天井付近に設けられる場合は室内空気の最も高い温度である。縦軸は成績係数COPで、COP=能力(Q)/入力(W)の式で定義される。なお図中に記載されているTciは凝縮機として機能している室外熱交換器14の吸込み空気温度である外気温度Toである。空調装置の成績係数COPは、夏期冷房時では図6のように店内の空気温度Teiが高いほど成績係数COPが良くなる。また外気温度Toが低いほど成績係数COPが良くなる。すなわちTci=30゜Cというごとく一定の外気温度では店内の空気温度がA2=20゜Cより、A1=25゜Cのように高いほど、成績係数COPが良くなり、同一能力Qを実現するためには上記の式のように入力が少なくて済む。また、B1、B2の点で示すように同一の室内空気温度では外気温度が低い方が成績係数COPが良くなり、同一能力Qを実現するためには上記の式のように入力が少なくて済む。
一方冷凍装置の一つであるショーケースの熱負荷構成比率の一例(冷凍空調便覧より)を図7に示す。図7では多段型と平型、冷凍と冷蔵のような分類と、エアカーテンが1重か多重かで分けて説明しており、これによるとショーケースの熱負荷は、入れ替わり空気負荷q1と伝導熱負荷q2と放射熱負荷q3と内部負荷q4から構成されており、特に入れ替わり空気負荷q1が多段型ショーケースの主たる熱負荷となっている。これは図1のショーケース2に於ける庫内への店内からの侵入空気20の熱負荷に相当する。なお図7の表ではエアカーテン風量、周囲空気侵入量、周囲空気侵入比率も示している。この図に記すように多段型の場合はエアカーテンを多重にしても入れ替わり空気負荷が大きいことを示している。図8にショーケースへの侵入空気温度に対するショーケースの熱負荷を示す。横軸はショーケースへの侵入空気温度Ti(゜C)であり、縦軸はショーケースの熱負荷QR(Kcal/h)で、店内の空気温度が上昇するに連れ、すなわち20゜Cから30゜Cになるに連れ、ショーケースの熱負荷は増大し、従って冷凍システムの入力が増大する。以上のように空調装置では店内の温度が上昇するに連れ成績係数COPが良くなり入力が減少するのに対し、冷凍装置では店内の空気温度が上昇するに連れてショーケースの熱負荷が増大し入力が増加する。従って冷凍装置の入力と空調装置の入力の総和が小さくなる店内の空気温度Tiが存在する。
図5に示すように分電盤80で入力である電力または電圧と電流をセンサ43C、45Cで検出している。空調装置52とショーケース2の入力は管理・制御部41に通信され、この入力の合計が求められる。次に、あらかじめ決められた手順により空調装置52の温度設定値TS、すなわち店内の空気温度Tiをその温度にしたいと言う目標値が変更される。この変更により入力の合計値WA+WSが変更前より大きいか小さいかを判断する。この判断の結果、入力の合計値WA+WSが小さくなる方の温度設定値を選択し、管理・制御部41は空中装置の制御部43へこの温度設定値を指示する。この変更は目標温度を高くする方向でも低くする方向でも良いが、一定時間間隔で連続して変更を行う場合は、前の回の変更で合計の入力が小さくなった方向、例えば店内の空気温度に対する温度設定値が高い方向に変更した時に入力合計が小さくなる場合は次の回も温度が高くなる方向の温度設定値に変更し、この時入力の合計が逆に増えれば反対方向、すなわち目標値を下げる方向で設定値を変化させる。この変更する範囲をあらかじめ決めておけば人が存在する空間の温度はその温度範囲の中で上がったり、下がったり、あるいは一定の温度にとどまることになる。この温度範囲は季節により、あるいは暖房や冷房の運転モードによって変更できるし、これらの変更は管理・制御部へ外部から電話回線を通して、あるいは室内のコントローラに設けたスイッチで行っても良い。
店舗のみならず、住宅の室内、作業場、事務所、等多くの室内には、冷房、暖房、換気、または除湿等を行う空調装置、食品などを保存する冷凍装置、あるいは照明装置やパソコンのような発熱装置等が室内の空気を通して相互に冷熱負荷として影響しあう。このような装置の間では、上記の空調装置とショーケースのごとく室内の空気温度を通して消費電力を反対の方向に動かす組み合せが存在する。このような空調装置とショーケースの組み合せ、場合によっては開閉扉を開閉する機会の多い冷凍機や冷凍倉庫と空調装置の組み合せ、照度を一定に保とうとする照明装置と空調装置の組み合せなど多くのケースが存在し、更にこの複合装置は2種類に限定されず3種類、4種類の組み合せが存在する。なお各種類の装置、例えば空調装置やショーケースなどが複数台存在する場合はそれらの合計を捉えれば良いことは当然である。このような室内の空調を行う装置の目標温度設定を少しずつ変えて計測した合計入力の低い方で判断すると言う簡単な方法で複合装置の省エネルギー運転を行うことが出来る。なお図1では室内の温度と湿度の両方の検出手段について説明してきたが、上記のように温度だけの検出手段で省エネ運転が行えることになる。なお湿度を含めた顕熱潜熱全体を含めた省エネルギー運転については後述する。
なお今までの説明では温湿度設定手段として、室内の温度目標値である温度設定値を変更する対象として説明している。室内の温度をこの設定値に接近させる運転を行えばよく、これが直接的で理解され易い。しかし、この温度設定値を変えなくとも別の操作により入力の合計が変化できるものがあればそれでも良いことは当然である。例えば空調装置52の室内ファン21の回転速度を変化させ室内へ吹出す通風の風速や風量を変えることでも良い。冷房運転時室内ファンの回転速度を低下させると蒸発器である室内熱交換器との熱交換の割合が低くなり蒸発温度、すなわち室内熱交換器の温度も下がる。これにより室外熱交換器の凝縮温度も下がり、冷凍サイクルを駆動する圧縮機の負荷が低下し入力が低下する。この時空気温度は蒸発温度が下がるので低下し空調装置吹出し温度が下がり、空調装置の入力は低下する。すなわち室内ファン21の回転速度を上下することにより室内空気の吹出し温度が変化し、これに基づき空調装置の入力が下がる方向を見付ければ良い。空調装置の室内ファンはファン速度を多段階に変更できるが、このファン速度を落とすことにより設定温度を変えない場合は湿度を下げることが出来る。但し目標値を下げても直ちに入力が変化するわけでなく、また他の影響もあるので時間を置いた平均的な傾向での判断を行う。
また、各季節や時間帯、運転モード等により過去のデータより温度設定値やファン速度を決めておきその値に保つ運転を行ない入力の合計が所定値以下になるかどうか検出し、この値が得られる方向に温度設定値やファン速度を変更するような制御も可能である。この場合、外気温度を検出し、外気温度に応じて設定値や設定値の調整範囲を動かすようにすれば更に精度の高い制御が可能になる。冷凍装置の入力と空調装置の入力の合計が小さくなる方向に室内温度の目標である空調装置の温湿度設定値を変える説明と空調装置の室内へ吹出す風速或いは風量の変更のため室内ファンのファン速度を変える説明をしたが、室内へ吹出す風速或いは風量を合計入力の下がる方向へ変化させて設定する温湿度設定手段として、空調装置やダクト内の通風抵抗を変化させて設定する構造も可能である。グリルのシャッター開閉角度を変えたり、ダクト内にダンパー22を設けこの角度により室内へ吹出す風速や風量を変えることが出来る。また空調装置の吸込み口などに設けられているフィルターを疎のものと密のものに季節により変えても良い。複数の温湿度調整手段を運転状態に応じて切り替えて使用すれば無理な運転を引き起こすことなく容易に省エネルギーを得ることが出来る。
別の温湿度調整手段として外気の導入により室内の温度他を調整する手段が存在する。外気を室内に導入する場合給気扇を使用し、入り口にフィルターを設けることにより新鮮、かつ、清浄な空気を必要に応じて室内に入れることが出来る。この際、外気を室内に給気するファンと室内の空気を外部に排気するファンとを設け、かつ、室内の熱エネルギーを無駄にしないため給気と排気との間で熱交換する熱交換器を設けることが考えられる。図9に外気導入手段の一例を示す。61は外気を風路26から風路27へ通して室内に取り入れる給気用送風機、62は室内の空気を風路28から風路29へ通して外部に排気する排気用送風機、63は給気と排気との間で熱交換する熱交換器、64、65、66は空気中に含まれる埃や塵を取り除くフィルター、68はバイパス風路であって、熱交換をしない場合にバイパスダンパー67により切り替えられて室内空気はバイパス風路68を通して直接排気される。通常熱交換は昼間外気のエンタルピーが大きいときに行われ、これが小さい夜間は給排気のみ行われる。すなわち店内の空気のエンタルピーを小さくする方向であれば、空調負荷やショーケースの負荷が少なくなる。
図9における熱交換器63は空気と空気の熱交換器であり、この内部の給気と排気を隔てる部材に水分を通さない金属などを使用すれば温度のみを交換する顕熱交換器となり、水分を通す紙などの多孔質体を使用すれば温度と湿度を同時に交換する全熱交換器となる。室内負荷が大きいスーパーマーケットや負荷の増大により冬期や中間期にも冷房を必要とするビルなどでは低温の外気による冷房効果を得るため全熱交換器にバイパス風路を設けた装置を使用する。又室内の汚れた空気を排出するには換気扇で排気をすれば良いが、この場合給気は隙間から自然に入ってくるだけなので給気もした方がよりきれいになる。特にスーパーやコンビニのような店舗では只排気すると室内が負圧になりドアが空いたときなどに外気が入ってきて空調負荷の増大や汚れた空気を吸い込むなどのため、給気扇によりフィルターで除塵された清浄な空気を吸い込むと良い。
今までの説明は主として24時間営業のコンビニの例で説明したが、大型のスーパーなどでは昼間は人と食品が共存し、夜間は人がいない環境であるため、別の構成、動作により、より省エネルギー化を図ることが出来る。図10はスーパーにおける冷凍起電力消費量の実測結果の一例で、1999年4月に財団法人日本エネルギー研究所から発行された、産業部門における電力消費実測結果からの一考察、に記載のスーパーにおける冷凍機起電力消費量の実測結果である。図においてA店とS店における2つの店舗において実測調査を行っている。図10に記載の昼間とは店舗の営業時間内で、A店では10時-21時、S店では10時-20時を示す。又夜間とは営業時間外でA店では21時-10時、S店では20時-10時を示す。図10に示す冷食、すなわち冷凍用の冷凍機の消費電力は両方の店舗とも店舗の営業時間外である夜間においても昼間と大差ない消費電力を使用しており、両方の店舗の平均で夜間に昼間の約80パーセントもの電力を消費している。
その他の冷蔵用の冷凍機においても平均で夜間は昼間の約50パーセントもの電力量を消費している。冷凍機に接続されているショーケースにおいては先に説明したように空気の入れ替わり負荷が主たる熱負荷であり、この入れ替わり負荷は店内の温度が低いほど小さくなる。店舗の営業時間外である夜間には店内に人が居ないため、店内温度を人の快適温度領域である23−26゜Cに保つ必要はなく、もっと低い温度にしてもかまわない。スーパーにおいては一般的に冷凍機の消費電力のほうが空調機の消費電力より大きいため、冷凍機の消費電力と空調機の消費電力の総和は店内の温度が低いほど小さくなる。したがってスーパーなどの店舗においては、夜間に店内の温度を可能な限り低い温度にすることで消費電力の総和を小さくすることが出来る。
図11は店舗における複合装置の構成を説明する図で、17は外気温湿度を検出する外気温湿度検出手段、24は外気を店内に導入する給気扇である外気導入手段、25は外気導入手段に内蔵されたファン、その他は図1と同一である。冷凍機及び空調機の基本的な動作は今まで説明した内容と同一である。コントローラ18内にはタイマーが内蔵されており、店内温湿度検出手段11と外気温湿度検出手段17とで検出した店内及び店外の温湿度情報及びタイマー情報に基づき、空調機52及び外気導入手段24の制御を行っている。なお空調機52は季節によらず特別の場合を除き冷房運転をさせるものとするが、空調機52には設定温度の下限があり、これを最低設定温度と称する。ビル管法・建築基準法では室内温度管理の基準を17-28゜Cとしており、一般に冷房時は19゜C、暖房時は17゜Cを制御の下限値としている。
店内及び店外の空気のエンタルピーはそれそれの温度及び湿度を計測することにより簡単に求められる。空気のエンタルピーの計算式は、エンタルピーi=0.240*温度+(0.431*温度+597.3)*絶対湿度、で求められ、絶対湿度は計測した相対湿度から簡単に換算される。次にこのエンタルピーを用い、外気導入手段の一例として、全熱交換器を使用した場合の換気熱損失の防止及び外気の空調への活用の制御について図12及び図13で説明する。図12は外気を空調に利用する新換気空調における動作を説明する図で、季節などの時期により、あるいは昼間と夜など時間により換気空調をオンオフさせたり、全熱交換器の熱交換を行ったり、バイパスにより熱交換をさせないなどの運転状況を示している。特に図12では大型スーパーにおける昼間の動作を説明しており、図12の上部の表は制御項目である熱交換風路と換気空調の運転オンオフの動作を示し、下部のフローチャートにてこの動作が室内空気の温度と湿度によるエンタルピーと外気の温度と湿度によるエンタルピーにて判断している状況を示す制御フローを説明している。なお室内空気のエンタルピーは店内の温度や湿度の目標値として設定した空気の状態から求めたものを使用し、外気のエンタルピーは外気の温度と湿度を計測し使用する。但し湿度は季節後とにあらかじめ定めておいたり、天気状況によりその都度切り替えても良いことは当然である。
図12において制御対象は新換気空調である、給気扇と排気扇のオンオフ動作と、これがオンしているときに熱交換を行うかどうかを説明している。この動作のために、使用する情報として、店外温度・湿度の計測値、ユーザーが設定した空調機運転モード、エアコン店内設定温度、時刻や休日かなどのカレンダー情報がある。なお店内設定湿度はパソコンなどであらかじめ設定しておく。又室内と屋外の空気のエンタルピーが大きいか小さいかにより換気空調の動作を切り替えるが、この切り替えに安定性を持たせるため,熱交換ありからなしへ、又は、熱交換なしからありへはヒステリシス動作を設定する。このヒステリシスの条件である△i1、△i1は、やはり同様に設定しておき、エンタルピの一単位(1kcal/kg)又は二単位(2kcal/kg)などより選択する。これにより制御の誤動作やハンチングを押さえることが出来る。なお空気のエンタルピーはすでに説明しているように、エンタルピーi=0.240*温度+(0.431*温度+597.3)*絶対湿度、の計算式で求められ、絶対湿度は計測した相対湿度もしくは記憶された値から簡単に求められる。
図1他では室内機と室外機を分離し配管で接続する構成で説明したが、室内の空気の温度又は湿度を変化させるものであればどのような構成でも良い。除湿機の様に蒸発器と凝縮器を一体に構成する室内機と室外機を分離しない構造でも、オイルヒーターなど暖房には別の装置をエアコンと組合せて空気調和を行うものでも良い。一般のエアコンのように圧縮機をモーターで駆動させる構成に対し、圧縮機をエンジンで駆動し、エンジンの廃熱を冷媒の蒸発熱に利用し、暖房時のエネルギー効果を得ようというGHP空調機でも良い。このGHP空調機は暖房時にガスエンジンにより圧縮機を駆動し冷媒を圧縮し、この高温冷媒が室内で空気を暖房する。ガスエンジン及び排ガス熱交換器で過熱された冷却水は、冷媒循環サイクルに設けたアキュムレータ内部の冷媒温水熱交換器で冷媒と熱交換する。一方冷房サイクルでは圧縮機からの高温冷媒は室外熱交換器である凝縮器にて外気により冷却され、室内の蒸発器で室内空気から熱を奪って冷房を行う。このGHP空調機の室内機の構成、動作はモーターを圧縮機駆動に利用した一般のエアコンと同じである。
図12の制御のフローでは、まずコントローラに設けられたマイコンに記憶されているカレンダー機能により、休日かどうかや、営業時間内であって、準備時間帯や営業時間外では無いことを判断する。ここで準備時間帯を設けたのは、お客さんや従業者が居る営業時間と無人の営業時間外の時間帯との間でいきなり温度の調整を切り替えようとしても店内の物や空間の熱時定数による遅れがあるので、人間への悪い影響を避けるため途中の時間を設けている。
営業時間内であれば、次に空調機運転モードが判断される。通常ユーザーがリモコンで設定するが基本として冷房にしておき必要に応じて変えるなども可能である。エアコンが停止状態であれば換気と排気の風路間は、図9のバイパス風路68をバイパスさせて熱交換は行わない。この状態で昼間は換気用送風機と排気用送風機をオンさせて店内への新鮮な空気の導入と汚れた空気の排出を行う。
空調機運転モードが冷房時には外気のエンタルピーioが店内目標空気温度及び湿度から得られるエンタルピーimよりも大きいかどうかを判断する。この時制御の安定性を得るため、店内の目標値のエンタルピーに若干エンタルピーを多くするためio>im+△i1とする。ここで外気のエンタルピーが店内空気の目標値のエンタルピーよりも小さい状態であれば、再度、io<im−△i1とエンタルピーの大小を判断する。ここで外気のエンタルピーが店内目標値のエンタルピーより小さい状態なら外気を有効に生かすことを考えて熱交換をしないバイパス風路の状態で換気と排気をオンし店内空調装置を使わずに空調を行う。外気のエンタルピーが店内目標値のエンタルピーより大きい状態なら、すなわち外気のエンタルピーと店内目標値のエンタルピーが似たような近い状態ならそれまでの熱交換状態を継続する。一方、io>im+△i1における判断で、外気のエンタルピーが店内空気の目標値のエンタルピーよりも大きい状態であれば、熱交換器エレメント63にて温度及び湿度の全熱交換を行い、フィルター64、65、66にて清浄な空気として換気及び排気を行う。これにより外気の大きなエンタルピーにより店内の冷房空調負荷を大きくして空調機や又それにより影響を受ける冷凍機の使用エネルギーを増やさないようにしている。
運転モードが暖房に設定されている場合、io<im−△i1とエンタルピーの大小を判断する。ここで外気のエンタルピーが店内目標値エンタルピーよりも小さい状態であれば、熱交換器エレメント63にて温度及び湿度の全熱交換を行い、外気の小さなエンタルピーにより店内の暖房空調負荷を大きくして空調機の使用エネルギーを増やさないようにしている。もし、ここで外気のエンタルピーが店内目標値エンタルピーよりも大きい状態であれば、再度、io>im+△i1とエンタルピーの大小を判断する。ここで外気のエンタルピーが店内目標値のエンタルピーより大きい状態なら外気を有効に生かすことを考えて熱交換をしないバイパス風路の状態で換気と排気をオンし空調を行う。外気のエンタルピーが店内目標値のエンタルピーより小さい状態なら、すなわち外気のエンタルピーと店内目標値のエンタルピーが似たような近い状態ならそれまでの熱交換状態を継続し熱交換の動作を変更しない。エンタルピーの判断にこのようなヒステリシスを取り入れることにより制御の誤動作やハンチングを防ぐことが出来る。
次に夜間における新換気空調の動作を図13にて説明する。営業時間外、ここでは22時-9時とするが、外気のエンタルピーioが空調を行う店内目標最低空気温度、ここでは19゜Cとするが、から得られるエンタルピーi19゜Cよりも大きいかどうかを判断する。この時制御の安定性を得るため、店内の最低目標値のエンタルピーに若干エンタルピーを多くするためio>i19゜C+△i6とする。先に説明したように、切り替えに安定性を持たせるため,エンタルピーや温度の判断にはヒステリシス動作を設定する。このヒステリシスの条件である△i6は、やはり同様にヒステリシス設定のため、エンタルピの一単位(1kcal/kg)又は二単位(2kcal/kg)又は三単位などより選択出来るようにしておく。これにより制御の誤動作やハンチングを押さえることが出来る。もしここで外気のエンタルピーが最低室温目標値のエンタルピーよりも高い場合には、ガスエンジン駆動形式の空調室内機GHPの全数9台に対し、空調設定温度を目標最低温度である19゜Cに設定した冷房運転を行う。この最低設定温度は装置で運転が可能な低い温度に設定すれば良く、19゜Cより低い温度の運転が可能であれば低いほど省エネルギーの効果がある。但し、低温領域であればこの設定温度は若干高い状態でもかまわないことは当然である。風速はパソコンで設定しておく。これにより、室内に配置された冷凍装置への影響を出来るだけ小さくして冷凍装置と空調装置の合計の使用エネルギーを少なく出来る。
なお、ガスエンジン駆動形式の空調装置の場合、電気を消費するモーターの変わりにガソリンエンジンを使用するが、エネルギーである熱量で換算すればガソリンと電気の使用エネルギーの合計は簡単に行えるし、必要に応じて燃費でおきかえればエネルギー価格での合計も可能である。
図13において、io>i19゜C+△i6の判断の後で、エンタルピーのヒステリシスを考慮したio<i19゜C−△i6の判断を行い、外気が高い状態、すなわち外気と空調最低目標値の両エンタルピーが近い値であれば前からの運転状態をそのまま継続させて誤動作を防止する。しかしこの判断でも外気温度のエンタルピーが最低設定温度である19゜Cのエンタルピーより低ければ、外気を有効に生かす運転を行うが、例えば室内温度を零度以下の外気と同じ条件にすれば室内装置などに氷結などの問題を起こすので、店内温度Tiに、この場合は店内最低温度Tmin=5゜Cというリミッターを設ける。すなわち判断式Ti<Tmin−△T6にて、室内温度Tiがリミッター5゜Cより小さければすべてを停止させて外気の導入をしない。なおヒステリシスの条件である△T6は、やはり同様にヒステリシス設定のため、エンタルピの一単位(1kcal/kg)又は二単位(2kcal/kg)より選択出来るようにしておく。
判断式Ti<Tmin−△T6にて室内の温度がリミッターである5゜Cより大きいと判断した場合、ハンチング対策として再度判断式Ti>Tmin+△T6にて室内の温度がリミッターである5゜Cより大きいかを判断して室内の温度がほぼ5゜C前後である場合は前からの運転状態をそのまま継続させる。室内の温度がリミッターの温度より高い場合は、室内機の運転をユーザー設定どおりにすると共に、換気空調を熱交換を行わない風路に切り替えて外気を有効に生かす給気と排気を行う。
以上は外気導入手段として、全熱交換器を設けた給気扇と排気扇の組合せ構造のものを取り上げ、かつ、外気と室内空気の目標値に対するエンタルピーを空気温度と湿度の計測値から換算して求め、大小を比較して空調装置を制御し、室内の冷凍装置と空調装置の使用エネルギーの少ない運転を行う構成及び制御内容を説明してきた。この比較を行う場合厳密にエネルギー比較を行うのでエンタルピーを求めることにしたが、湿度が季節によっては、あまり変わらないことがあり、あるいは湿度をほぼ一定値としても影響が少ない場合が多いことを考慮し、図12、図13のエンタルピの代わりに室内の空調に関する設定温度値と外気の温度値との温度で比較して制御しても良い。これにより、夏季夜間や休日などの店外の温度もしくはエンタルピーが室内空調で可能な低い設定温度、例えば19゜Cもしくはその最低設定温度におけるエンタルピー、よりも高い場合、コントローラ18は空調装置の室内機52を店内の温度か制御できる最低設定温度もしくはその近傍になるように動作させ、外気導入手段24は動作させない。これにより室内の空調を制御できる低い温度に保ち外気を取り入れて冷凍装置の負荷が増大することを防ぐ運転を行う。
又冬期夜間や無人になるなどの条件では、店外の空気の温度もしくはエンタルピーが最低設定温度、例えば19゜Cもしくはその最低設定温度時のエンタルピーよりも低い場合は、コントローラ18は外気導入手段24を動作させて外気を導入して店内の温度もしくは温湿度を店外の温度もしくは温湿度に近づける。これにより店外をエアコンで制御可能な温度よりさらに下げて冷凍装置の省エネルギー化を図ることが出来る。但しこの場合店内を零度以下などに下げさせないため、少し余裕を付けたリミッター温度、例えば5゜Cという温度よりも下げないようにリミッター温度より低い温度の外気は導入させない。中間季は店内及び店外の温度もしくは温湿度情報に基づき、上記で説明した動作のいずれかを選択する。このように制御することで店内に人が居ない夜間における冷凍装置の消費エネルギーと空調装置の消費エネルギーの合計を可能な限り小さくすることが出来、これらの入力の料金を低く押さえることが可能になる。以上給気用と排気用の2つのファンを使用する場合を例に説明を行ったが、給気用のファンのみを設置しても同様な効果が得られる。但し給気用のファンのみの場合は、室内の圧力が上がって、給気扇の前後差圧が大きくなって給気量が減るなどの影響も考えられる。
次に防露ヒーターの省エネルギーを説明する。図14はショーケース2に装着した防露ヒーターの稼働率を示す図である。横軸は店内空気の相対湿度で縦軸は防露ヒーターの稼働率であって、店内空気の温度をパラメータとして記載している。同一店内空気の温度Ti(゜C)、例えば20゜Cでも店内空気の相対湿度φi(%)が70%時の防露ヒーター稼働率A=65%であるのに対し、店内空気の相対湿度が60%のB点での防露ヒーターの稼働率B=35%である。従って同一店内空気の温度Ti(゜C)でも、相対湿度φi(%)が低いほど防露ヒーターの稼働率が下がり、ヒーター入力低減とショーケースへのヒーターからの熱伝導による熱負荷を低減でき冷凍装置にとって省エネルギーになる。
図15は空調分野で良く使用されている空気線図であり、空気線図は一般の空気である湿り空気の状態を示す図で、直線関係で表されるエンタルピiと絶対湿度xとを斜交軸にとり、温度などの関連する各データを大気圧一定としてまとめたものである。図注のエンタルピーは先に説明した式に基づいて記載されている。絶対湿度と相対湿度の関係や顕熱と潜熱の関係なども記載され、横軸は温度を取り縦軸の絶対湿度とはほぼ直交する関係となる。式を使わないでもこの図をマイコンに記憶させると相対湿度と絶対湿度の換算やエンタルピーの計算を簡単に求めることが出来る。図15の中のAはオープンショーケース庫内の温湿度状態を示し、庫内の空気温度TR=5゜C、湿度φR=100%の低温多湿の鮮度を維持する状態を示す。オープンショーケースの庫内は魚、野菜などを冷蔵する場合が多く、その場合は冷蔵温度が低く、相対湿度が図15の飽和線である湿度φR=100%として食品鮮度を維持する必要があり、この温湿度条件に対しエアーカーテンからの侵入空気となる店内空気の温湿度条件は図に於けるB点の空気温度を20゜Cとすると相対湿度が37%以上必要となる。すなわち鮮度維持のために湿度φR=100%を維持する必要があり、侵入空気となる店内空気の湿度φiは、店内空気の温度20゜Cの時、同一絶対湿度以上が必要となり、この絶対湿度の線と温度20゜Cの線の交点であるB点に於ける相対湿度37%を必要とする。
従って、空調装置が制御して目標値に接近させようとする店内空気の目標湿度は防露ヒーターの稼働率を下げてヒーターの省エネルギーとするためなるべく湿度が低い方が望ましい。一方店内空気の目標湿度はオープンショーケースの侵入空気により庫内の湿度低下を招くことになり、庫内の食品の鮮度維持からはある値以上が必要になる。すなわち、店内に於ける最低湿度条件が存在し、この値は空気温度により決まることになる。すなわち店内空気の湿度に対し装置の機能を維持するための条件が存在する。この様な鮮度維持のためのある値以上の湿度を必要としない場合には店舗への来店者が静電気により異常を感じない程度の湿度を最低湿度条件として省エネルギー運転を行えば良い。なお、湿度の目標値に対し湿度を制御する内容を説明したが、防露ヒーターの稼働率を下げてヒーターの省エネルギーを得るため、簡易的に空調装置やダクト内の通風抵抗を変化させて設定する構造があり、グリルのシャッター開閉角度を変えたり、ダクト内にダンパー22を設けこの角度により室内へ吹出す風速や風量を変えることが出来る。また空調装置の吸込み口などに設けられているフィルターを疎のものと密のものに変える等があり、夏から冬に変わる際、すなわち冷房運転モード時は通風抵抗を大きくするようにし、冬から夏に変わる際、すなわち暖房運転モードでは通風抵抗を小さくすれば良い。この通風抵抗を変える際、空調装置の運転モードの信号で変えても良いが、もっと簡便な方法として季節が変わる時の保守時に手動でグリルやダンパーの傾きを変えたり、通風面積の異なるグリルやダンパーに取り替えても良い。この様に夏に向かう時にグリルの通風孔を狭くする構造に設定したりフィルターを密なものに変えたりして、面積を縮小させると、暖房よりも冷房運転時風速が下がり、蒸発器である室内熱交換器との熱交換の割合が低くなり蒸発温度、すなわち室内熱交換器の温度も下がる。これにより室外熱交換器の凝縮温度も下がり、冷凍サイクルを駆動する圧縮機の負荷が低下し入力が低下する。この時空気温度は蒸発温度が下がるので低下し空調装置吹出し温度が下がり、またこの時湿度が低下し防露ヒーターの稼働率が下がりエネルギーを低減するように空調装置の入力は低下する。
以上のように冷凍装置と空調装置を複合装置として省エネルギーを計る冷凍空調複合空気環境を制御する制御装置は、冷凍装置にとって熱負荷となる店内空気の温湿度を空調装置の冷房運転時の目標店内空気の温湿度とのパラメータとし冷凍装置の入力と空調装置の入力の総和が小さくなる方向で温度と湿度の目標値を設定し、省エネルギー運転を行うことが出来る。この際、各装置の本来の機能、人間の快適性を維持する店内空気の温湿度ゾーンを維持し、ショーケース庫内の食品の鮮度を維持するものを並立させるものである。
図16に冷凍装置と空調装置を複合装置として省エネルギーを計る冷凍空調複合空気環境を制御する制御装置の制御フローを示す。図1のコントローラ18のマイコンの制御動作がスタートすると、ステップ101で外気温度Toを検出し、ステップ102でオープンショーケース内温度TRを検出する。ここで複数のオープンショーケース群がある場合はそのうち最も庫内の温度が高い庫内温度TRを検出する。ステップ103では庫内温度TRを露点温度とする絶対湿度XAを算出する。この算出は図15の空気線図のデータを管理・制御部41に記憶させても良いし絶対湿度と相対湿度の関係式を記憶させても良い。ステップ104では夏期冷房期間中の人間にとって快適とみなされる温度ゾーンTi=24−28゜Cの間の数パターンの店内空気の温度を用意する。その各温度Tiに対し絶対湿度XAとなる相対湿度φiをφi=f(XA,Ti)=Cを求め、温度と相対湿度の組として数パターンを用意する。ステップ105では空調装置の入力WAを空調装置の記憶させたデータより求めるがこの求め方は後述する。ステップ106では同様に冷凍装置の入力WRを求める。ステップ107では空調装置の入力WAと冷凍装置の入力WRの和の内の最も小さくなる店内の空気温度Tiと湿度φiの組み合せを選択する。ここで使用する空調装置と冷凍装置の記憶させるデータは、図17に示すように蒸発器側吸込み空気温度、湿度、凝縮器側吸込み空気温度に応じて冷凍装置と空調装置の各々に特有な線図である。図17の横軸TWB(゜C)は湿球温度を示しており、乾球温度Tiと相対湿度φiにより図15の空気線図状または関係式から求められる。これらの温度や湿度は温湿度検出手段11で検出される。図17の縦軸は入力W(kw)であり、図が示すように冷凍装置、空調装置とも湿球温度TWB(゜C)が高いほど入力が増大し、外気温度Toが高いほど入力が増大する。この様にステップ105での演算は空調装置として記憶させた図17の特性よりWA=f(Ti,φi,To)として求められる。ショーケースの方はステップ106のようにWB=f(TR,φR,Ti,φi,To)として求められる。
図18にて同様な演算方法を説明する。ステップ111からステップ114までは図16と同一である。但しショーケース内温度は検出することなくあらかじめ設定された温度を使用している。ステップ115で前のステップで準備された店内の温湿度(Ti,φi)の組から湿球温度TiWB(゜C)をTiWB=f2(Ti,φi)として換算する。この換算式は図15の空気線図を式化したものである。ステップ116では店内空気の湿球温度TiWB(゜C)と外気温度Toより空調機入力をWA=f3(TiWB,To)として求める。この式f3は空調装置のパーフォーマンスデータを式化したものでこのデータを図19に示す。図19の横軸は室外吸込み空気乾球温度、すなわち室外熱交換器14の吸込み空気温度で外気温度Toである。縦軸は入力比と能力比を示しており、空調装置の定格入力(kw)と定格能力(kcal/h)に対する比であり据え付けられて使用される装置が決まれば必然的に定格値が決まるのでこの縦軸は入力と能力を示している。この図19に示されるように外気温度に応じて入力(kw)は決められた値になるが、室内吸込み空気湿球温度TiWB(゜C)により図のように変化する。なおこのパーフォーマンスデータは同様な機種では同じデータを使用できるしまたインバータ駆動の圧縮機を使用する場合は外温度に応じて運転する範囲毎に変化するデータとなる。
ステップ117は冷凍装置の入力を求めるもので冷凍機の蒸発温度Teと外気温度Toから冷凍機入力WBを求める。ここで蒸発温度Teはショーケース設定温度Tsと連動しており装置により決められているが、ショーケースの庫内空気の温度の設定値Ts=0−10゜Cの時はTe=−10゜Cである。ステップ117の冷凍装置入力WB=f4(Te,To)は図20のデータより決定される。図20の横軸は蒸発温度、縦軸に消費電力、冷凍能力、電流の各データを示す。パラメータとして冷媒の種類R502,R22,R12と、凝縮ユニット周囲温度ATすなわち外気温度Toをとっている。ショーケースの場合は蒸発温度を装置から決まる温度とし、冷凍サイクルの冷媒の種類と外気温度により図20のデータを記憶させ、または式化して入力である消費電力を求めることが出来る。ステップ118は防露ヒータの入力WHを示し、これも装置により決まるヒータの電力Hと防露ヒータ稼働率ηhにより、WH=ηh*Hで計算される。防露ヒータ稼働率ηhは図14にて説明したように店内空気の温度Tiと店内湿度のφi等の他の要因により決定される。この様に防露ヒータの入力はWH=f5(H,Ti,φi)で求められる。ステップ119は冷凍装置の入力WRを冷凍機の入力WRと防露ヒータの入力WHで計算する。ステップ120は空調装置の全入力WAと冷凍装置の全入力Wbの総和が小さい店内温湿度(Ti,φi)が数パターンの中から選択されて出力される。
以上のように外気温度と室内空気の温度と湿度を検出するだけで冷凍装置と空調装置のように複合装置が相互に影響し合う空間の空気に対し最もエネルギーの少ない運転が簡単に行える。しかもどのような装置を使用していてもその装置の定格入力などの基本的なデータを使用するだけで演算処理できるので、既に操業しているコンビニエンスストアに対しても湿度検出装置を追加するぐらいで既設装置の簡単なデータを利用し必要な記憶手段や演算手段をマイコンに搭載したコントローラを準備すれば安価に且つ容易にエネルギーの少ない運転を行えるので多くの店舗に採用でき、大きなエネルギーセービングが可能になり、地球環境対策としても有効である。
冬期暖房運転時の冷凍空調複合環境に於ける制御の説明を次に示す。図21は室内に配置された各装置の構成を説明する図であり、図1とほぼ同一であるが、空調装置の室外機12に収納された四方弁15の回路が異なる。圧縮機13を出た高温高圧のガス冷媒は四方弁15を経由して室内側熱交換器10に循環され店内を暖房し、冷媒は凝縮液化して室外機12に運ばれ、膨張装置16で低圧低温の二相冷媒となり、室外熱交換器14で蒸発ガス化して再び四方弁5を経由して圧縮機13に吸入される。図6で空調装置の成績係数を説明したが、冬期暖房運転時は室外熱交換器が蒸発機となっており、蒸発機の吸込み空気温度Teiすなわち外気温度Toが0゜C近辺の時、凝縮器側吸込み空気温度Tciつまり店内温度Tiが、図6のB2の点30゜Cより、B1の点20゜Cのように低いほど成績係数は良くなり、入力は小さくなる。
一方、冷凍装置の方は、夏期、冬期を問わず、年中冷蔵や冷凍の温度が変わらないので同一の運転を行い、店内の温湿度が低いほど入力が小さくなる。この事から冬期暖房運転時は冷凍装置入力と空調装置入力の和を最小にする店内設定温度は人間が快適と感ずる温度ゾーンの中で最低の温度にすれば良いことが分かる。更に、もし室内ファンの回転速度でこれを設定すればファンから吹出される気流の温度を低くすることにより入力が下がる。
図22は図1とは別の例を説明するシステムの構成図で、30は冷凍装置2の室外機4の中で圧縮機6の電気入力を検出する冷凍装置の入力検出装置、31は空調装置52の室外機12に収納された圧縮機13の電気入力を検出する空調装置の入力検出装置である。
冷凍空調複合環境制御装置であるコントローラ18は、夏期冷房運転時は店内空気の設定温度Tiをあらかじめ設定したり外部から変更して設定した人間が快適と感じる温度ゾーン内で、入力検出装置30、31の検出値の和を求め、この和の値が最小値となるように実際の運転を続けながら小さい値を選択し続けていくものである。また冬期暖房運転時は人間が快適と感ずる温度ゾーンの内の低い温度を店内の空気設定温度とする。この様に夏期と冬期の設定を、すなわち冷房運転と暖房運転の温度設定値の取り方をあらかじめ変えておけば、より簡単な方法、構成でエネルギーを少なくする運転のための制御装置が出来る。この様に、この構成は例えばコントローラを冷凍装置、または空調装置のマイコンを利用して設けることが出来るので簡単な構造で本発明の効果が得られる。しかも直接負荷に結びつく圧縮機の入力を直接計測するので他の要素の影響が入らないため負荷の変化を明確に把握できこの発明の制御でどの程度のエネルギー節減効果が得られたかを正確に把握でき他の対策との区別がわかりやすい。
以上のように複合装置に対し省エネルギーを得る技術を説明してきたがコンビニエンスストアのように24時間営業で連続して運転している店舗の場合特にこの効果が得られることになる。但し多くの冷凍装置や多くの空調装置を同時に運転させているスーパーのような24時間営業をしない店舗でも、この様に空間を通して影響しあう装置が共存する、すなわち、広いスペースの同一室内ばかりでなくダクト通風を介してや同一の集中制御装置による運転を行うことにより同一状態の空気の温湿度状況になるビルなどの各部屋に対してなど、温熱と冷熱が相互に影響し合う環境であれば有効なことは言うまでもない。さらに24時間営業を行わないスーパーのようなテンポでは、先に説明したように夜間の無人状態を活用した省エネルギー対策を図ることができる。
以上までの説明で室内に配置された冷凍装置の発生する冷熱を室内空気の負荷として捉え、室内空気の空調を行う例をいくつか説明したが、図1のショーケースに侵入する室内空気20の負荷が
小さくなったり、個々の冷凍装置で負荷が小さい場合には冷凍装置の冷熱を発生させる圧縮機6の能力を小さくすることにより冷凍装置の入力を下げることが出来、これが時間経過を伴って空調負荷から空調装置の入力に影響を与える。もし店舗への人の出入りや外気温度の変化などの外的要素の変化が少なければ本発明の制御により複合装置の入力の合計が少ないところで落ち着く。但し、冷凍装置の圧縮機の能力を大きく変化させると温度の変動が起こり、このハンチングによって複合装置全体に無だな運転を引き起こし余計なエネルギーを使うことになる。
図23に冷凍装置の構成図を示す。図23において、101aは圧縮機、101bは圧縮機を駆動する圧縮機モーター、102は凝縮器、103は圧縮機に吸入される冷媒ガスの圧力を計測する圧力センサーで、これらから冷凍機101が構成される。冷媒配管107で冷凍機101と接続される複数のショーケース106には電磁開閉弁108、膨張弁108a、蒸発器109が配置され、各ショーケース毎に冷媒配管107にて供給される冷媒によりショーケースの庫内を冷却している。110はショーケース内に設けられショーケースコントローラー用庫内温度112の情報に基づき電磁弁108を開閉しているショーケースコントローラー、105は能力制御用庫内温度113の情報により圧縮機のインバーターである能力可変装置104を制御するインバーターコントローラーである能力制御装置である。
圧縮機101aから吐出され凝縮器102にて凝縮された冷媒は、冷媒配管107を介して複数のショーケースのそれぞれの蒸発器へ並列に供給される。各ショーケースには個々に冷媒供給をオンオフさせる電磁弁と膨張弁が設けられ、個々のショーケースの庫内の目標温度に対して温度に応じて冷媒の供給を個々に停止させることが出来る。なおショーケースコントローラ110で庫内温度以外に圧力センサー103が低圧になったことを検知して電磁弁をオンオフさせても良いが、ショーケースの電磁弁は庫内温度を一定に保とうとしてオンオフを繰り返すため、冷媒の流れや庫内の温度がハンチングして無駄なエネルギーを使うことになる。なお複数のショーケースをショーケース群としてどれか群れの代表温度を捉え制御しても良い。
次にこのようなインバータ駆動冷凍機の制御について説明する。インバーターコントローラーである能力制御装置105は圧縮機101aが運転を開始すると、インバータである能力可変装置に起動時回転数設定信号を出力すると共に、ショーケース106の、計測している庫内温度113の温度情報を信号線によって取り入れる。なお温度情報以外の設定温度、電磁開閉弁108の閉動作点、ショーケース6の庫内温度の制御幅である温度調整ディファレンシャル、インバータ制御の目標温度はあらかじめインバーターコントローラ105のマイコンに記憶させたり、あるいは温度情報から間接的に取り入れることが出来る。インバータコントローラ105はショーケース内の庫内温度と設定温度との温度偏差が小さくなるように圧縮機の運転容量を制御する。一方ショーケースコントローラ110はショーケースの庫内温度112の温度情報により、ショーケース106の庫内温度が電磁開閉弁閉動作点まで下がると電磁開閉弁108を閉じて冷媒の流れを停止させてショーケース106の冷却運転を停止させる。冷却運転停止により庫内温度が上昇し電磁開閉弁の閉動作点より庫内温度の制御幅である温度調整ディファレンシャル分だけ上昇したレベルに達すると電磁弁108を開ける制御を行い冷媒を循環させてショーケース106の冷却を行う。なお温度調整ディファレンシャルは例えば2゜C程度である。
ショーケース106は複数設けられており、各ショーケースは除霜運転用のヒータ容量が重ならないように個々に電磁弁を閉じて除霜運転を行う。又複数台のうち設備容量や設備の内容がばらばらの場合が多い。一般的に特定のショーケースを運転停止させるため電磁弁が必要であり、この開閉のみで温度調整を行うが、電磁開閉弁108が閉じられると冷媒供給が停止される。この停止されたショーケースの蒸発器109は冷媒の出口のみが開放された状態となり、圧縮機101aから見ると蒸発器109内の冷媒を吸入するという一種の真空引きの状態となって、冷媒サイクル全体から見ると冷媒の通路が狭くなった状態で圧縮に対する吸入ガス圧力が低下し、圧縮機この低下を圧力センサー101aは吸入ガス圧力が設定圧力以下になると停止するように制御されている。このようなフィードバック制御では平均温度を得るための変動が大きく、冷やし過ぎや圧縮機の発停損失のような無駄が多くなる。
そこで図23において庫内温度を検出器113で検出し、これがインバータ制御の目標温度に近づくようにインバータ104をコントロールして圧縮機駆動用モーターの回転速度を増減させる制御を行うことで圧縮機の無駄な起動停止などををなくした省エネルギー運転を行うことが出来る。但しこの制御においてインバータ制御の目標温度は電磁開閉弁の閉動作点よりも高い温度に設定する必要があり、かつ、インバータ制御の目標温度と電磁開閉弁の閉動作点の温度との差が小さいとショーケース106の蒸発器109の冷却により温度の下がりが速い場合、モーターの回転数制御が行われる前、あるいはその効果が現れる前に電磁開閉弁108が閉となってしまい庫内温度差の変化が大きい状態が続く。これに対し、例えば電磁開閉弁の閉動作点の設定温度を-1゜C、電磁開閉弁の開動作点の設定温度を1゜C、目標温度設定値1.5゜Cとするごとく、電磁開閉弁の閉動作点とインバータ制御の目標温度設定値との間を空けると、電磁開閉弁の動作よりインバータ制御の動作を優先させることができスムーズな庫内温度変化、入力変動などが得られ無駄な運転を押さえることが出来る。
このような制御を行うことで電磁開閉弁の頻繁な開閉が無くなり温度の変動を小さくして省エネルギー化を図ると共に機器寿命を低下させることも無くなる。特に一定速度の圧縮機の運転による冷却を行う冷凍装置や、電磁開閉弁の開閉動作に基づいた圧力の変動を検出し圧縮機の回転速度を変化させる制御を行う冷凍装置に対し、庫内温度を検出し目標温度になるように検出温度と設定値との温度差に基づいて圧縮機用モータに印加する電圧の周波数を変えるインバータ装置をショーケース装置全体を新設する際に設けるときのみならず、既設の設備へインバータ装置を追加増設することにより、すなわち庫内温度検出装置、この温度情報を受けインバータの制御を行う能力制御装置、この制御によりモーターを駆動するインバータ回路を増設し、かつ、庫内温度を検出する温度センサーを庫内に追設し、この温度センサーからの温度情報をインバータ装置へ信号として送る有線や無線の通信手段を設けるという増設工事を行い、さらにこのインバータ制御を電磁開閉弁の制御より優先させる運転を行うことにより、冷凍装置の入力を大幅に減らすことが出来る。又室内に設置された空調装置又は他の手段によって室内の温度もしくは湿度を通常の居住環境の値よりも低く制御するようにすると冷凍装置の入力をさらに減らすことが出来る。この様に圧縮機モーターが起動停止する前に、インバータにより圧縮機の回転数を低減して温度調整するので、冷凍装置の入力は大きく変動することなくスムーズに下げることが出来、空調装置の入力との和を求める場合時間経過に伴う変動が少ない正確なデータが得られ、この結果、入力が変動することにより入力の合計が減少する方向に空調装置の温度設定値等を変更する場合、動作遅れに対し入力の変動が悪影響を与えることが防止できるので、したがって簡単な方法で誤動作の少ない省エネルギー運転を行うことが出来る。
実施の形態2.
次に照明装置と空調装置の複合装置について説明する。図24は照明装置に対する制御構成を説明する図で、41は図5で説明した管理・制御部、72は屋外照明である外部照明装置、93aは管理制御部41とインターフェース72aで接続されている温度検出手段、77は屋内照明である店内照明装置、93bは管理制御部41とインターフェース77aで接続されている温度検出手段である。図25は複合装置に対する電源からの電気回路図を示し、93は分電盤80に収納され3相200ボルトの電源91と単相200ボルトの電源92に、それぞれ電流検出回路97と電圧検出回路98で接続され電力を計測する消費電力計測装置、86は空調装置などに使用される圧縮機を駆動するモーター85の電源であるインバータ、87はスイッチ回路、88は整流回路90は電源91と切り替えるとともに電源となる電池からの電力を負荷に供給する充放電回路、84は他の冷熱装置であって例えば店内に配置された電子レンジである。図26は照明装置に使用される蛍光燈の周囲温度による明るさの変化を説明する図で、横軸は蛍光燈の周囲温度、縦軸は明るさの変化率である。蛍光燈の場合ガラス管内の水銀蒸気圧が周囲温度により変わるため、光の発生効率が変わり光束が変わるのでこの変化率を図26に示している。
次ぎに図24の動作について説明する。屋外照明である外部照明装置72は図2に記載されているように内部に収納された蛍光燈を光を通すカバーで覆いカバーの下部は空気が流通するように開口しており、またカバー上部にも空気抜きの穴があけてありこれにより内部に熱がたまらないようにしてある。またカバー内部には蛍光燈周囲の温度を検出する温度検出手段93aが配置されている。また図2のように室内の照明である店内照明装置は露出された蛍光燈が縦横に多数配列され、天井面から若干の空間をおいて室内に飛び出した形で固定されている。天井面にはこの照明装置だけでなく、空調装置76が設けられ室内空気を吸込んで空調された空気を吹出している。店内照明の蛍光燈の周囲の空気温度の検出は別途センサーを設けても良いが、ここでは空調装置の吸込み温度を検出する温度検出手段11の信号を利用する。エアコンのような空調装置の場合大抵が空気吸込み口が天井付近に設けられるので兼用が可能である。この屋外照明装置72および店内照明装置77のそれぞれの蛍光燈の周囲の温度を検出する温度検出手段93a,93bから信号が管理・制御部41にインターフェース72a,77aを介して通信線42で送られる。管理・制御部41の動作および電話回線を通しての動作は上記で説明したものと同様である。
図25において、空調装置52の圧縮機13を駆動するモーター85への電源として第1に3相200Vの外部の電力会社から供給される外部電源91がある。大型の空調装置や冷凍装置では一般に3相200ボルト電源が使われる。この交流電源からの交流を整流回路88aにて整流し直流としてインバータ86aにて室温を室温設定値に接近させるために必要な周波数の電圧としモータへ供給することによりモータの回転速度とトルクが得られる。モーター85に電力が供給されない時は充放電回路を充電として電池90へ電源91からの電力が供給され、電池90への充電が行われる。店内の最も電力消費量が大きくなる時間帯では、この3相電源の電力を減らすため、すなわちピークカットとしてこの外部電源91が切り離され。この供給がないときは電池90からスイッチ回路87aがインバータと接続されてこのインバータを制御してモーターが駆動される。
一方照明装置77への電力供給は単相200Vの外部電源92、スイッチ回路87c、整流回路88b、インバータ86b、を介して供給される。照明装置の温度検出手段93bの温度に応じてインバータ86bは照明装置77への電圧を変化させる。この外部電源92からは単相200V使用、これは単相200ボルトでも、単相100ボルトでも使える配線になっているが、の照明以外の家電機器、例えば電子レンジの電源供給も行っている。外部電源92が例えば契約などにより電気代が高くなったり使える量が制限するような場合の時間帯や季節では、この単相電源の電力を減らすため、すなわち電気代節約などのため電池90からスイッチ回路87bをとおしての直流が照明装置に供給される。この時はスイッチ回路87cと87aは遮断された状態で充放電回路は放電を行う状態に接続が切り替えられているなお電池と照明装置の電圧の違いはインバータにて調整される。
なお図25において電池を電源としないで直接外部電源91からスイッチ回路87a,87bをとおして照明装置77へ直流を供給しても良いことは当然である。図25の構成において、3相外部電源91と単相の外部電源92はそれぞれ電流センサ97と電圧センサ98により消費電力計測手段93により入力が計測されている。外部電源91側の電力は上記説明のごとく圧縮機モーター、すなわち空調装置や冷凍装置の入力、電池への充電入力などが含まれるとともに、回路が切り替えられて照明装置の電力にも使用され、外部電源91側の電力の合計にこれらの消費電力が含まれる。また外部電源92側の電力は上記説明のごとく店内照明装置77や他の家電機器、例えば電子レンジ84などへ電力が供給される。外部電源92側の電力の合計にこれらの消費電力が含まれる。このとき各装置のブロック毎、或いは各電力供給の種類毎に電力量を計測しておく。
図26は蛍光燈に於ける周囲温度と明るさの変化率の関係を示しており、実線と破線で2種類の蛍光燈の変化率を示す。屋外照明は店の宣伝のため明るさが必要であり、また、店舗内では商品に十分な明るさの光束を照射する必要があるが、図26の例では温度が20度より低い場合や30度より高い場合は全光束が数%以上低下する。外部の照明装置で温度が低くなると数十%も低下し暗い印象を与える。また蛍光燈の放熱により熱がこもるような場合は温度が高くなると同様に暗くなる。この対策として従来は照明の本数や能力を上げて温度が高くなりすぎても低くなりすぎても必要な照度を確保していたが、図3で説明したように通風ガイド23を設け風の流れを作るようにしたり、外部照明のカバーに空気の流れを考えた開口を設けるなどにより温度を一定範囲に押さえる構成が可能である。更に、図25のインバータ86bにより照明装置77へ印加される電圧を変えることにより照明の明るさを変えることができる。蛍光燈の場合電源電圧の増減により電力も全光速も比例して増減する。すなわち蛍光燈の周囲の温度を計測していればこの温度に応じて一定の照度、すなわち明るさを保つことが出来る。この結果、無駄な能力の照明としなくても良くなる。
またコンビニエンスストアの深夜時間帯のように周囲との関係であまり明るさを要求されないような場合は屋外照明の電圧を温度の低下に合わせて下げられる。店内冷房時の室内温度を深夜時間帯で高めに設定したり、店内暖房時の室内温度を深夜時間帯でやや低めに設定したりした場合、昼間の温度設定値との変化幅に合わせていずれの時も照明装置に印加する電圧値を下げることにより空調装置の温度調整と照明装置の明るさ調整を温度を検出するだけで同時に行え、すなわち2重の省エネルギー運転を木目細かく行える。この様に空調と照明と言う複合した装置を同時に行えることになる。しかもこのような運転方法の設定は、管理・制御部41の運用アルゴリズムの中で季節や時間帯に応じ、また暖房や冷房などの運転モードにより、あらかじめ温度の設定を行うだけで温度と明るさを同時に調整出来、空調装置と照明の本来の役割を維持しつつ無駄なエネルギーを使わないように合計の入力を制御できる。なお従来の店舗では十分に余裕のある照明装置、例えば本数や能力を上げておき温度が冷えた時や高すぎる温度でも明るさが一定以上あるようにしていたが、照度センサーを設け一定の明るさを確保した上でこれ以上明るくなる場合には照明装置への入力電圧を下げて無駄を省くことが出来る。すなわち照度センサーは照明装置の温度検出手段の役割を果たすことになり、空調装置の吸込み温度、すなわち、室内空気の温度、との2重の検出により確実に、しかも来店者に満足を与える照明効果を得ることができる。
実施の形態3.
図25において外部電源91、92は種類の異なる電源である。このような外部から供給され種類の異なる電源を有するとともに、内部電源として電池、太陽電池、燃料電池などを設けることが出来る。複数の供給電源から電力を供給する場合、負荷である電気を消費する複数の装置とは電源との接続を図25のように各配線やスイッチ、電圧などを調整する整流回路やインバータなどの変換回路、等の電気回路を通して、切替え可能に接続する必要がある。この発明では、このような供給電源と装置相互間の接続する場合、外部電源が複数種類ある場合、別の契約形態が採用されるケースが多く、それぞれ個々の電力量を計測し、この個々の電力量を合計し、計測された個々の電力および合計された電力に応じて上記で述べてきた運用アルゴリズムを適用して、各装置はエネルギーの少ない運転を行い消費電力を下げ、且つ、電気代の易い電力の種類に切り替えることが出来る。すなわち複数の種類の電源を切替え可能に設けたので最も安い電気代になる電源を選択できる。複数の種類の外部電源とは、異なる電力会社と契約したり、また時間帯により安くなる契約の電気を使用したり、また、季節により安くなる契約の電気を使用したり、また契約電力量により制限がある場合この契約と異なり制限を回避出来る契約の電気を使用する電源等を意味する。
どの外部電源を使うか、また、各種電池を電源とする内部電源を使うかを、その電源の種類毎に消費電力を消費電力計測手段93にて計測しておき、その種類の電源の使用電力を検出し、且つ、管理・制御部41にあらかじめ設定され記憶された運用方法で評価して実施の形態5で述べた回路を切り替える選択をすれば良い。時間帯や季節による電気代、容量制限などの契約の条件をあらかじめマイコン内に設定させ、この設定を外部から変更可能にしておくことにより、電力量に応じた電気代が石油などの価格により変更された場合、直ちに電気代の演算を変えることができ、電気代で電気回路の切替えを選択しておけば安い方を選択することが出来る。この様な構成により契約電力量を無駄に使わない運用やピーク時の対策など一層効率的な運用が可能になる。この運用アルゴリズムとして単に合計電力の小さい方向を選ぶのでなく、消費エネルギー費用、これはカロリー換算分のほかのエネルギーも含むが、すなわち各種エネルギーの消費エネルギー量と各種熱源の単位エネルギー当たりの利用料金を掛け合わせた費用の小さい方を選択するので、電源や熱源の種類に応じ、また、季節や時間帯など契約条件に応じて計算させる必要がある。本発明では、従来個々の装置の制御としてしか捉えなかった制御を相互の影響を考えて、個々の電力および合計電力と言う面から、複合装置として捉え一緒に且つエネルギーを少なくする運用を考えたものである。更に複数の種類の異なる電源を用い、地域として最も電気を有効に使う対策が外部から電力を供給する場合の契約や電圧の違いに現れているので、この契約に示される電気代や制限容量などを切り替えられるようにしたものである。すなわち個々の装置の省エネルギーから、相互に影響し合う複合装置の運転を通し地球環境対策として有効な装置および方法を提案するものである。すなわち、熱的な影響のみならず、外部から供給される電力量としての相互の影響を含めた運転方法により、社会全体がエネルギーの少ない方向に家庭電気機器や設備機器の運用を採用することが出来る。更にこの負荷に供給する電源に接続された電気回路に使用される各装置に対しても、例えばインバータなどのように電気を消費するものも装置の一つと成り、この電力量を含め消費電力計測手段93では計測しているので、最も有効な省エネルギーまたは安価な電気代を得ることができる。
以上のように本発明では複合装置が共存する空間に対し、マイコンで冷凍装置の入力と空調装置の入力を合計するとともに設定温度または設定湿度を変化させる際、時間を置いてこの設定温度を変化させる等も可能である。また、この発明では冷凍装置、空調装置、照明装置など多くの装置が熱的や電気的に相互に影響を及ぼす状態で共存している場合でも、省エネルギー対策や安価な電気代とする対策は個々の装置や機器の対策しか取られていなかったものを、種類の異なる装置を複合装置として捉え、冷熱や温熱の相互のやり取りを、また電力のやり取り等を、例えば個々の電力量を計測し冷凍装置の入力と空調装置の入力を合計するとともに、設定温度または設定湿度を変化させて合計入力が小さくなる方向の設定値を選択させる、簡単な構成で安定したエネルギー低減が計れる様にし、更にまた熱的な影響がある装置間だけでなく、同一配線で電力や電気代が合計される装置間で無駄な電気代を排除できるので、しかもこの両者の影響が重畳される無駄も排除できるので大幅な節約が可能になる。更に店舗などで説明してきたが、オフィスなどの一般ビルや住宅に対しても相互に熱的な影響のある空間に設けられた装置間、或いは同一配線で電力を相互に融通しあっている装置間であれば無駄を排除する本発明が成り立つことは当然で同様な効果、すなわち全体としてエネルギーの無駄や電気代の無駄を省き、個々の住宅、個々の店舗、個々のビル、個々の工場、個々の地域等で、個々の外部電源の種類を切り替えて、複合装置の電力の融通を簡単に行えるので現存する電力設備を有効に利用できるなど地球環境保護に役立てると言う効果が得られることは当然である。
以上のように本発明の複合装置は、室内に配置され低温保管品を収納する冷凍装置と、室内の空気調和を行う空調装置と、室内温度の目標である空調装置の温度設定値をまたは空調装置の室内へ吹き出す風速あるいは風量を変更する温湿度設定手段と、を備え冷凍装置の入力と空調装置の入力の合計が小さくなる方向の変更を選択するので、室内空間の温冷熱の相互影響を含めた省エネルギー簡単に得られる。
本発明に係る複合装置は、室内に配置され低温保管品を収納する冷凍装置と、室内の空気調和を行う空調装置と、冷凍装置の入力と空調装置の入力の合計が小さくなるように室内の温度および湿度を調整する制御手段と、を備えたので、相互の温度と湿度の影響を含めた制御が可能になる。
本発明に係る複合装置は、冷凍装置と空調装置は温冷熱を発生させる熱源サイクルをそれぞれ別個に有するとともに、冷凍装置の入力と空調装置の入力の合計は熱源サイクルのそれぞれの入力の合計を含むので、使用入力の大きな部分を含み大きな省エネルギー効果が得られる。
本発明に係る複合装置は、冷凍装置のショーケース開口部または冷凍庫の本体扉部が室内に配置され、空調装置はヒートポンプシステムで冷暖房された空気を吹き出す吹き出し部分が室内に配置されているので、空気を介して各装置間の相互影響が最も大きな部分を含み大きな省エネルギー効果が得られる。
本発明に係る複合装置は、冷凍装置のショーケース開口部または冷凍庫の本体扉部が配置され、かつ、空調装置のヒートポンプシステムで冷暖房された空気を吹き出す吹き出し部分が配置された室内と、冷凍装置の入力と空調装置の入力を検出し、この合計入力が所定値以下になるように室内の温度あるいは湿度を設定する温湿度設定手段と、室内に外気を導入する外気導入手段と、室内の温度あるいは湿度を検出し温度設定手段の設定した温度あるいは湿度になるように空調装置または外気導入手段を制御する制御手段と、を備えたので、簡単な構成で大きな省エネルギー効果が得られる。
本発明に係る複合装置は、温度設定値または室内へ吹き出す風速あるいは分量の設定は外部からの通信により変更可能であるので、フレキシブルな運転が可能である。
以上のように本発明に係る複合装置は、食品を収納する冷凍装置の開口から冷熱が供給される室内と、室内の温湿度を検出する室内温湿度検出手段と、室内に設けられ、室内温湿度検出手段にて検出された室内湿度を冷凍装置の食品を収納する庫内温度の露点に相当する絶対湿度以上になるように室内の温度に対する湿度を調整する空調装置と、空調装置にて室内の空気の温湿度を設定範囲である目標温湿度ゾーンに維持するとともに、目標値である温湿度を設定する制御装置と、目標値を少しずつ変えて計測する冷凍装置および空調装置のそれぞれの入力を記憶する記憶手段と、を備えたものであるので、湿度を含む室内の空気を対象にエネルギー低減が計れる。
本発明に係る複合装置は、冷凍装置の入力と空調装置の入力を合計するとともに、空調装置の少しずつ変化させる目標値である設定温度または設定湿度または吹き出す風速あるいは風量の設定値を変化させて合計入力が小さくなる方向の設定値を選択するものであるので、簡単な構成で安定したエネルギー低減が計れる。
本発明に係る複合装置は、空気調和を行う室内の目標設定値として、冷房時はあらかじめ設定された目標温湿度ゾーン中の高い温度に設定し、暖房時はあらかじめ設定された目標温湿度ゾーン中の低い温度に設定するので、安定した運転で快適性を損なうことなく大きな省エネルギー効果が得られる。
本発明に係る複合装置は、室内に外気を導入する外気導入手段と、外気の温湿度を計測する外気温湿度検出手段と、を備え、計測された外気の温湿度またはタイマーによる時刻またはあらかじめ設定されたカレンダー情報に基づいて、空調装置の設定温度または設定湿度または吹き出す風速あるいは風量を変化させるので、無理な運転をせずに容易に省エネルギーを得ることができる。
本発明に係る複合装置は、室内に外気を導入する外気導入手段と、外気の温湿度を計測する外気温湿度検出手段と、を備え、計測された外気の温湿度またはタイマーによる時刻またはあらかじめ設定されたカレンダー情報に基づいて、空調装置にて維持する室内空気の温湿度範囲である目標温湿度ゾーンを調整するので、快適性を維持できるとともに容易に省エネルギーを得ることができる。
本発明に係る複合装置は、本発明に係る複合装置は、室内に外気を導入する外気導入手段と、外気の温湿度を計測する外気温湿度検出手段と、を備え、計測された外気のエンタルピーを算出し、室内空気のエンタルピーと外気のエンタルピーを比較して外気導入手段の運転や停止を行うとともに、室内温度が氷結などの問題を起こす最低温度にならない範囲に外気導入手段の運転を停止させる温度リミッターを設けるので、外気を有効に生かすとともに、室内装置などに氷結の問題を起こすことが無くなる。
本発明に係る複合装置は、室内に配置され室内の温度より低い温度の冷熱を供給する冷凍装置の庫内の温度を検出する庫内温度検出手段と、庫内温度検出手段が設定された第1の目標温度に達した場合前記庫内への冷熱の供給を行う冷媒の循環を開閉弁にて遮断する前記冷凍装置に設けられた冷媒循環遮断手段と、第1の目標温度より高い温度である第2の目標温度に庫内の温度が到達した場合冷凍装置に設けられた圧縮機の回転速度を小さく制御する能力制御装置と、を備え、庫内の温度の変動を抑えるように第1の目標温度と第2の目標温度との間の温度差を設定するので、冷媒サイクルにおける無駄な運転が防止され、庫内の温度変化などを抑制することができる。
本発明に係る複合装置の運転方法は、空調装置で空調される室内空気の温湿度と室外空気の温度を検出し記憶する空気温湿度検出ステップと、室内に開口を有する食品を収納する冷凍装置の庫内の温度を求め庫内温度を露点とする絶対湿度を算出する湿度算出ステップと、空気温湿度検出ステップにて記憶された温湿度から空調装置の入力を演算し、冷凍装置の入力との和を求め、この入力の和の内小さくなる室内空気の温湿度であって、かつ、絶対湿度以上になるように選択された室内空気の温度に対する湿度を空調装置の運転の目標値に設定するステップと、を備えたので、収納する食品の鮮度を維持しながら、湿度を含む室内の空気を対象にエネルギー低減が計れる。
本発明に係る複合装置は、室内の天井付近に配置され交流を整流しインバータを介し電力が供給され照明を行う照明装置と、室内に配置され室内へ空気調和された空気を吹き出し照明装置近傍に循環させる空調装置と、照明装置の周囲に設けられ照明装置の周囲の室内を循環する空気温度を計測する温度検出手段と、温度検出手段にて検出された照明装置の周囲の温度に応じてインバータにより照明装置への入力を制御する制御手段と、を備えたので、簡単な構成で性能に影響を与えることなくエネルギー低減が可能である。
本発明に係る複合装置は、室内の天井付近に配置され交流を整流しインバータを介し電力が供給され照明を行う照明装置と、室内の天井付近に配置され室内へ空気調和された空気を吹き出し口から吹き出す空調装置と、照明装置の周囲に設けられ照明装置の周囲の室内を循環する空気温度を計測する温度検出手段と、空調装置の吹き出し口を覆い吹き出し口から吹き出される空気の一部を天井付近に沿って流し照明装置に導く通風ガイドと、を備え、照明装置に空気を循環させて温度検出手段にて検出された照明装置の周囲の温度を一定の明るさを確保する範囲に抑えるので、簡単な構造で無駄な能力の照明としなくとも良い。
本発明に係る複合装置は、照明装置の周囲の室内を循環する空気温度を20℃から30℃の範囲に抑えるので、簡単に必要な照度を確保しエネルギー低減を図ることができる。
本発明に係る複合装置は、屋外に設けられ照明を行う照明装置を覆うとともに、照明装置に空気を流通させて内部に熱がたまらないように下部と上部に穴を設けたカバーと、カバー内部に設けられ照明装置周囲の温度を検出する温度検出手段と、照明装置に印加する電圧をインバータにより変えて照明の明るさを変える制御手段と、を備え、温度検出手段にて検出された温度に応じてインバータを制御し照明装置を一定の明るさを保つので、屋外で必要な照度を確保しエネルギー低減を図ることができる。
本発明に係る複合装置は、特定の時間帯に対しては、照明装置の周囲の温度低下にあわせてインバータの電圧を低下させるので、簡単に省エネルギーを図ることができる。
本発明に係る複合装置は、低温である冷熱または高温である温熱を発生させる発熱装置と、発熱装置の配置された室内に対し冷房または暖房を行う空調装置と、室内の上部に配置され照明を行う照明装置と、発熱装置および空調装置および照明装置の少なくとも2種類以上の装置を複数の種類の電源に接続可能な電気回路接続手段と、発熱装置および空調装置および照明装置の少なくとも2種類以上の装置の消費電力を合計する演算装置と、を備え、合計された消費電力が所定の値に達した場合、少なくとも1つの装置と1種類の電源との電気回路の接続を切り替えて、別の種類の電源に接続するので、確実に電気代の少ない電源を選択できる。
本発明に係る複合装置は、低温である冷熱または高温である温熱を発生させる機器と、発熱装置の配置された室内に対し冷房または暖房を行う空調装置と、室内の上部に配置され照明を行う照明装置と、発熱装置および空調装置および照明装置の少なくとも2種類以上の装置を複数の種類の電源に接続可能な電気回路接続手段と、を備え、発熱装置および空調装置および照明装置の少なくとも2種類以上の装置が接続された電源を、あらかじめ設定された時間帯は、別の電源に接続するもで、どのような契約によろうと簡単に安い電源を選択できる。