JP4876641B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波電力により処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより基板に対してエッチング等の処理を施すプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスや液晶表示装置等のフラットパネルの製造工程においては、半導体ウエハやガラス基板といった被処理基板にエッチング処理や成膜処理等のプロセス処理を施すために、プラズマエッチング装置やプラズマCVD成膜装置等のプラズマ処理装置が用いられる。
図9は、従来から用いられている平行平板型のプラズマ処理装置を示す図である。このプラズマ処理装置においては、例えばアルミニウム等からなる処理容器11内に、ガス供給部をなすガスシャワーヘッドを兼用した上部電極12が設けられると共に、この上部電極12に対向するように基板10の載置台を兼用する下部電極13が対向して設けられている。上部電極12は絶縁材14により処理容器11に対して電気的に十分に浮いている状態にあり、整合回路(マッチング回路)15を介して高周波電源17に接続されてカソード電極として構成されている。
下部電極13は、導電路18を介して処理容器11に接続されアノード電極として構成されている。この導電路18は、この例ではシャフト18a、支持板18b及びベローズ体18cからなる。そして処理容器11の上部側は、接地された筐体であるマッチングボックス16を介して高周波電源17に接続されており、より具体的には高周波電源17とマッチングボックス16とを繋ぐ同軸ケーブルの外部層に接続されることにより接地されている。
図9のプラズマ処理装置における高周波電流の導電路の等価回路は図10のように表される。処理容器11内にプラズマが発生しているときには上部電極12及び下部電極13間は、容量結合されるので、高周波電源17からの高周波電流の経路は、整合回路15→上部電極12→プラズマ→下部電極13→導電路18→処理容器11の壁部→マッチングボックス16→アースとなる。
ところで処理対象である基板の中で液晶ディスプレイ等のフラットパネル用のガラス基板は益々大型化する傾向にある。これに伴い処理容器11が大型化してくると、処理容器11のインダクタンス成分が大きくなるため、上部電極12及び下部電極13の間の結合が弱くなり、上部電極12と処理容器11の壁部との間にプラズマが発生する(図10にて容量結合として記載してある)おそれが出てくる。このようなプラズマが発生すると処理容器11内のプラズマは周辺に偏ったものとなり、この結果基板10に対して面内均一性の高い処理を行うことができなくなることや、また処理容器11の内壁や内部部品が損傷し、あるいは消耗が進みやすくなるという不具合がある。
そこで、特許文献1には、アノード電極(図9の下部電極13に相当)と処理容器11との間にインピーダンス調整部を設け、上部電極12と下部電極13との間で容量結合を強めてプラズマの均一性を高める手法が記載されている。
特開2005−340760号公報:第12頁第25段落〜第12頁第27段落
ところで、基板が益々大型化する傾向にある一方で、プラズマ中のイオンエネルギーは低く、且つ電子密度の高い、「低エネルギー、高密度プラズマ」が要求される処理が多くなってきている。このため、プラズマを発生させる高周波電源の周波数を高くすることが要請されている。
しかし、高周波数化により、処理容器のインダクタンス成分がより一層大きくなるので、面内均一性の高いプラズマを生成するためには、上部電極12及び下部電極13の容量結合を更に強める必要がある。
また、処理容器の大型化により、容器の熱容量が非常に大きくなってきており、このため容器の内壁面における温度応答性が悪く、その結果、前記内壁面の温度を均一化するための温度制御が難しく、基板に対する処理、例えばエッチングについて高い面内均一性を確保することが困難になっている。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、処理容器が大型化してもプラズマの面内均一性が高いプラズマ処理装置を提供することにある。
本発明に係るプラズマ処理装置は、処理容器内にて高周波電力により処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより基板に対して処理を行うためのプラズマ処理装置において、
この処理容器内に当該処理容器とは絶縁され、かつ、互いに対向して設けられたカソード電極及びアノード電極と、
前記カソード電極に整合回路を介してその一端が接続された高周波電源と、
処理容器の壁部に当該処理容器とは絶縁され、かつ当該壁部を覆うように設けられた導電体からなる内壁板と、
その一端側が内壁板に接続されると共に、他端側が前記処理容器に接続されたインピーダンス調整部と、を備え、
前記カソード電極及びアノード電極のうちいずれか一方の電極上に基板が載置され、
前記インピーダンス調整部は、カソード電極からプラズマ、内壁板及び処理容器の壁部を介して前記整合回路の接地筐体に至るまでのインピーダンス値が、カソード電極からプラズマ、アノード電極及び処理容器の壁部を介して前記整合回路の接地筐体に至るまでのインピーダンス値よりも大きくなるように、そのインピーダンス値を調整するためのものであり、前記内壁板と処理容器の壁部との間には真空雰囲気が介在していることを特徴とする。
内壁板と処理容器の壁部との間は、プラズマ処理を行う雰囲気に開放されていることにより、真空雰囲気を介在させてもよい。
また、インピーダンス調整部は、例えば容量可変コンデンサとインダクタとの直列回路等のように、インピーダンス値を可変なように構成されていることが好ましい。このとき、プラズマ処理の種別とインピーダンス調整部の調整値とを対応付けたデータが記憶された記憶部を含み、選択されたプラズマ処理の種別に応じたインピーダンス調整値を前記記憶部から読み出して前記インピーダンス調整部を調整するための制御信号を出力する制御部を更に備えているとよい。
また、前記内壁板は、温調媒体を通流するための温調用流路と、前記処理容器の外部からの温調媒体を導入するための導入口と、温調媒体を前記処理容器の外部に排出するための排出口と、を備えていることがこのましく、更には、処理容器の外部に設けられ、前記温調媒体の温度を調節する温度調節手段と、この温度調節手段を介して温調媒体の温度を調節することにより前記内壁板の外表面温度を制御する手段と、を備えているとよい。
本発明によれば、カソード電極からプラズマ、内壁板及び処理容器の壁部を介して前記整合回路の接地筐体に至るまでの経路のインピーダンス値を、カソード電極からプラズマ、アノード電極及び処理容器の壁部を介して前記整合回路の接地筐体に至るまでの経路のインピーダンス値よりも大きくすることができる。これにより、カソード電極と内壁板との間でプラズマを立ちにくくすることが可能となる。その結果、カソード電極とアノード電極との間にプラズマが集中し、基板上のプラズマは面内均一性の高いものとなる。基板の表面はこのプラズマにより例えばエッチング処理が行われるが、プラズマの面内均一性が高いことから、エッチング速度の面内均一性が高く、従って面内で均一なエッチングを行うことができる。また処理容器の内壁や内部部品の損傷あるいは消耗を抑えることができる。
本発明のプラズマ処理装置を、液晶ディスプレイ用のガラス基板をエッチングする装置に適用した実施の形態について説明する。図1において2は例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウムからなる角筒形状の処理容器2である。この処理容器2の上部には、ガス供給部であるガスシャワーヘッドを兼用する上部電極3が設けられており、この上部電極3は、処理容器2の上面の開口部30の開口縁に沿って設けられた絶縁材31により処理容器2に対して電気的に十分に浮いている状態となっている。また上部電極3であるガスシャワーヘッドは、ガス供給路32を介して処理ガス供給部33に接続されると共にガス供給路32から供給されたガスを多数のガス孔34から処理容器2内に供給するように構成されている。
一方、処理容器2の底部には、基板10を載置する載置台を兼用した下部電極5が設けられており、この下部電極5は、絶縁材50を介して支持部51に支持されている。従って下部電極5は、処理容器2から電気的に十分浮いた状態になっている。本実施の形態に係るプラズマ処理装置は、下部電極5に異なる周波数の2つの高周波電源を設けたいわゆる下部2周波タイプのプラズマ処理装置である。具体的には、支持部51の下側に保護管45を接続し、この保護管45を処理容器2の底面に貫通させ、保護管45の下端部にマッチングボックス42を接続している。マッチングボックス42内には、2個の整合回路41a、41bが設けられ、これら整合回路41a、41bの一端側は夫々保護管45内に配置された導電路46a、46bを介して下部電極5に接続されると共に、整合回路41a、41bの他端側には夫々導電路40a、40bを介して、接地された第1の高周波電源4a及び第2の高周波電源4bが接続されている。またマッチングボックス42の下部は、前記導電路40a、40bと共に同軸ケーブル44a、44bを構成する外層部43a、43bとして伸びており、これらの外層部43a、43bは接地されている。この例では、マッチングボックス42が整合回路41a、41bの接地筐体に相当する。なお、本発明を適用可能なプラズマ処理装置は、下部2周波タイプのプラズマ処理装置に限定されない。例えば、上部1周波タイプや下部1周波タイプ及び、上下2周波タイプのプラズマ処理装置等にも本発明は適用することができる。
本実施の形態では、第1の高周波電源4aは、10MHz〜60MHz、例えば20kWの高周波電力を出力し、第2の高周波電源4bは、2MHz〜6MHz、例えば20kWの高周波電力を出力する。第1の高周波電源4aからの高周波電力は、処理ガスを活性化する役割を果たし、第2の高周波電源4bからの電力は、プラズマ中のイオンを基板10側に引き込む役割を果たす。なお、図1には示されていないが、下部電極5と整合回路41aとの間にはハイパスフィルタが、また下部電極5と整合回路41bとの間にはローパスフィルタが介在しており、両高周波電源4a、4bの間で相手方の高周波成分が入力されないようになっている。
上部電極3には、導電路52を介してインピーダンス調整部53の一端側が接続されていると共に、このインピーダンス調整部53の他端側は処理容器2の開口部30を覆う導電性カバー体54を介して処理容器2の上部例えば天井部に接続されている。インピーダンス調整部53は、下部電極5と処理容器2の壁部等との間でプラズマを立ちにくくするために、プラズマ処理装置に複数設けられているデバイスの1つである。具体的には、下部電極5からプラズマ、上部電極3及び処理容器2の壁部を介してマッチングボックス42に至るまでの経路における第1の高周波電源4aの高周波のインピーダンス値が、下部電極5からプラズマ及び処理容器2の壁部等を介してマッチングボックス42に至るまでの経路における第1の高周波電源4aの高周波のインピーダンス値よりも小さくなるようにそのインピーダンス値を調整するためのものである。インピーダンス調整部53は、例えば容量可変コンデンサや、固定容量のコンデンサと容量可変コンデンサとの組み合わせた回路等により構成される。なお、上記の経路における第2の高周波電源4bの高周波のインピーダンス値を調整するために、もう1つのインピーダンス調整部を上部電極3と処理容器2との間に設けてもよい。
以上の構成により、本プラズマ処理装置では下部電極5をカソード電極とし、上部電極3をアノード電極として、これらの電極5、3の間の空間にプラズマを発生させることができるようになっている。また、処理容器2の底面には、排気路21が接続され、この排気路21には真空排気手段22が接続されている。この他、図1には示していない処理容器2の壁部(例えば、図1の手前側もしくは奥側の壁部)には、基板10の搬送口を開閉するためのゲートバルブが設けられている。
上述の構成により本プラズマ処理装置では、第1の高周波電源4aからの高周波電流は、第1の高周波電源4a→整合回路41a→下部電極5→プラズマ→上部電極3→インピーダンス調整部53→処理容器2→マッチングボックス42の経路で流れ、第2の高周波電源4bからの高周波電流は、第2の高周波電源4b→整合回路41b→下部電極5→プラズマ→上部電極3→インピーダンス調整部53→処理容器2→マッチングボックス42の経路で流れる(以下、これらの経路に共通する、下部電極5→プラズマ→上部電極3→インピーダンス調整部53→処理容器2→マッチングボックス42からなる経路を「正常な経路」と呼ぶ)。しかし、背景技術の項目において記載したように、カソード電極である下部電極5からプラズマを介して処理容器2の壁部等に高周波電流が流れるおそれがあるため(以下、下部電極5→プラズマ→処理容器2の壁部等からなる経路を「異常な経路」と呼ぶ)、異常な経路のインピーダンス値が正常な経路のインピーダンス値よりも大きくなるような調整を行っている。
このような調整を行うため、図1〜図3に示したように、処理容器2の壁部を覆うように矩形板状の内壁板6を設けている。内壁板6は、例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウム等からなる導電体であって、固定部材64を介して処理容器2の壁部に固定されている。内壁板6には、導電路63を介してインピーダンス調整部60の一端が接続されており、このインピーダンス調整部60の他端は、導電路63を介して処理容器2に接続されている。インピーダンス調整部60は、インダクタ61であるコイルと、容量可変コンデンサ62との直列回路として構成されており、異常な経路(以下、「異常な経路」は、下部電極5→プラズマ→内壁板6→処理容器2と、内壁板6を含むものとする)のインピーダンス値が正常な経路のインピーダンス値よりも大きくなるように、異常な経路のインピーダンス値を増大させる機能を果たす。インピーダンス調整部60は、容量可変コンデンサ62を含むことによって、そのインピーダンス値を可変なように構成されている。また、インピーダンス調整部60は、制御部7と接続されており、制御部7は、図示しない容量可変コンデンサ62を駆動するモータを動かして、異常な経路のインピーダンス値を適切に調整する役割を果たす。
図1においては、図示の便宜上、処理容器2の左右両壁に設けられた内壁板6のみが図示されているが、本図では図示されていない手前側の壁と奥側の壁とにも内壁板6が設けられている。そして、基板10の搬送口を覆う内壁板6には、基板10を搬入出する経路と干渉しないように開口部が設けられている。なお、本実施の形態では、図1に示すように、各内壁板6の夫々にインピーダンス調整部60を設けているが、例えば、1つのインピーダンス調整部60に複数枚の内壁板6を接続して、これら複数枚の内壁板6を含む異常な経路のインピーダンス値を一括して調整するように構成してもよい。
ここで、内壁板6を処理容器2に固定する固定部材64は、例えば柱状の形態を有しており、例えば石英、セラミクス、テフロン(登録商標)やポリイミド等の絶縁体によって構成されている。柱状の固定部材64の一端が処理容器2の壁部に固定され、その他端に内壁板6が取り付けられることによって、処理容器2の壁部と内壁板6とが直接接触しないように内壁板6が固定される。また、内壁板6が固定部材64を介して固定されていることにより、内壁板6と処理容器2の壁部との間には空間が形成される。この空間は、プラズマ処理が行われる雰囲気に開放されている。これにより、この空間内の雰囲気も処理容器2内の他の空間と同様に、真空排気手段22による真空排気がされた真空雰囲気(大気圧に対して減圧の状態で処理ガスが満たされた雰囲気)となる。なお、処理容器2内に発生したプラズマが上述の空間に入り込まないように、処理容器2の壁部には内壁板6と処理容器2の壁部との間の空間の開口部を覆うように、図示しない絶縁体からなる遮蔽板が設けられている。但し、この遮蔽板は、上述の空間とプラズマ処理が行われる雰囲気とを隔離するものではない。
また、絶縁体である固定部材64を介して内壁板6が処理容器2の壁部に固定されていることと、内壁板6と処理容器2の壁部との間に形成されている空間が真空雰囲気であることとにより、内壁板6は処理容器2に対して電気的に十分に浮いている状態となっている。
更に、図2、図3に示すように、内壁板6の内部には、プラズマによる処理を行う際に、内壁板6の外表面温度を所定の温度に維持するための温調媒体が流れる温調用流路66が形成されている。温調用流路66は、図3に示したような流路形状を有しており、温調用流路66の一端と他端とには、例えば図3に示すように、導入口67aと排出口67bとが内壁板6の略中央部に互いに隣接するように設けられている。そして、導入口67aは導入管66aに、排出口67bは排出管66bに夫々接続されており、夫々の配管66a、66bは処理容器2の外部に設けられた例えば熱交換器などからなる温調部65と接続されている。
温調媒体には、絶縁性の高い媒体が使用される。この温調媒体は、図示しない循環ポンプの働きによって内壁板6と温調部65との間を循環しながら内壁板6を昇温することにより、反応生成物等が内壁板6に付着することを抑制できる。また、温調部65は処理容器2内に設けた図示しない温度検出部の検出値に基づいて温度コントローラ8を介して温調媒体の温調を行い、内壁板6の外表面温度を制御することができる。
また、内壁板6とインピーダンス調整部60とを接続する導電路63や、内壁板6と温調部65とを接続する配管66a、66bは図2に示すように固定部材64をなす絶縁体により覆われている。これにより、内壁板6は処理容器2に対して電気的に十分に浮いた状態が維持されている。
次に、インピーダンス調整部60を用いて異常な経路のインピーダンス値を調整する手法について図4〜図6を参照しながら説明する。図4は、図1のプラズマ処理装置において高周波電流に対する等価回路である。処理容器2は、インダクタンス成分とみなすことができるのでインダクタとして表示してある。C1は下部電極5及び上部電極3間のプラズマを容量成分として記載したものであり、C2は下部電極5及び内壁板6間のプラズマを容量成分として表したものである。
ここで、下部電極5と上部電極3との間に形成されるプラズマのキャパシタンス(C)及びインピーダンス調整部53の容量成分(C)、処理容器2の下部に至るまでの経路のインダクタンス(L)によると、この正常な経路のインピーダンス値は、Z=j(−1/ωC−1/ωC+ωL)と表すことができる。そこで、本実施の形態の狙いは、下部電極5と内壁板6との間に形成されるプラズマのキャパシタンス(C)及び処理容器2の壁部から処理容器2の下部に至るまでの経路のインダクタンス(L)を含む異常な経路のインピーダンス値Z=j(−1/ωC+ωL)にインピーダンス調整部60のインピーダンス値Zを加えることにより、異常な経路のインピーダンス値を正常な経路のインピーダンス値よりも大きくすること(Z+Z>Zとすること)にある。
図5は、インピーダンス調整部60の具体的な構成の一例である。インピーダンス調整部60は、例えば容量可変コンデンサ62とインダクタ61とを直列に接続した回路として構成され、容量可変コンデンサ62のトリマの位置を変えてそのキャパシタンスを変化させることにより、インピーダンス調整部60のインピーダンス値(Z)を変えることができる。ところで、内壁板6と処理容器2の壁部との間にはキャパシタンス(C3)が存在する。このため、内壁板6と処理容器2の壁部との間における高周波電流に対する等価回路は、内壁板6及び処理容器2の壁部間の容量成分とインピーダンス調整部60との並列回路として表現することができる。
インピーダンス調整部60を用いて上述の異常な経路のインピーダンス値を大きくするには、インピーダンス調整部60のインピーダンス値を種々変えて、図5に示した内壁板6と処理容器2の壁部との間に形成される並列回路全体のインピーダンス値が最大となるようにすればよい。例えば第1の高周波電源4aが特定の周波数の高周波電力を出力する場合において、容量可変コンデンサ62のキャパシタンスを変化させると、図5に示した並列回路はあるキャパシタンスにおいて並列共振となり、インピーダンス値が極大となる。そこで、後述する実験例からこの並列回路が並列共振となる付近における容量可変コンデンサ62のトリマの位置を予め把握しておき、この位置にトリマを設定して第1の高周波電源4aからの高周波電力の出力を開始することにより、上述の異常な経路のインピーダンス値を大きくすることができる。
ところで、内壁板6と処理容器2の壁部との間のキャパシタンスC3が大きくなりすぎると、異常な経路のインピーダンス値を調整しにくくなってしまう。この点について、図1、図2に示すように内壁板6と処理容器2の壁部との間に形成されている空間がプラズマ処理の行われる雰囲気に開放され、真空雰囲気となっていることにより、このキャパシタンスC3を適度な大きさとすることができ、インピーダンス値の調整が容易となる。即ち、内壁板6と処理容器2の壁部との間の空間がプラズマ処理の行われる雰囲気に開放されているという構造は、異常な経路のインピーダンス値を調整しやすくするという役割も担っている。また、内壁板6と処理容器2の壁部との間に形成された空間を真空雰囲気とする手法は、この空間をプラズマ処理が行われる雰囲気に開放する場合に限定されない。例えば、図3(a)に示した内壁板6の外縁を縁取るように板状の固定部材64を形成し、この固定部材64で内壁板6と処理容器2の壁部との間に形成される空間を密閉し、その密閉された空間を真空雰囲気としてもよい。
なお、第1の高周波電源4aだけでなく、第2の高周波電源4bが出力する高周波電力に対しても異常な経路のインピーダンス値を増大させたい場合には、各内壁板6と処理容器2の壁部との間にもう1つずつインピーダンス調整部を設置すればよい。これらのインピーダンス調整部の容量可変コンデンサを第2の高周波電源4bの周波数に対応して調整することにより、第2の高周波電源4bが出力する高周波電力に対してもインピーダンス値を増大させることができる。
また、インピーダンス調整部60の実施の形態は、図5に示した容量可変コンデンサ62とインダクタ61との直列回路に限定されるものではない。例えば、(a)容量可変コンデンサのみを用いる場合や、(b)固定容量のコンデンサと容量可変コンデンサとを組み合わせる場合、(c)固定容量コンデンサを用いる場合や、(d)インダクタンスの可変なインダクタと固定容量コンデンサとを組み合わせる場合等種々の構成を採用してもよい。
次に、本実施の形態の作用効果について述べる。まず、予め温調部65の循環ポンプを循環させ、温調媒体を内壁板6と温調部65との間で循環させる。そして、温調部65の温度調節手段を作動させて、温調部65内部の温調媒体の温度を例えば120℃に調節する。このような準備を行った後、図示しないゲートバルブを開いて図示しないロードロック室から図示しない搬送アームにより基板10が処理容器2内に搬入され、下部電極5内を貫通する図示しない昇降ピンとの間の協同動作により基板10が下部電極5の上に受け渡される。次いでゲートバルブを閉じ、処理ガス供給部33から上部電極3を通じて処理容器2内に処理ガスを供給すると共に、真空排気手段22により真空排気することにより処理容器2内を所定の圧力に維持する。そして第1の高周波電源4aと第2の高周波電源4bとから高周波電力を下部電極5及び上部電極3の間に印加することで処理ガスが励起されてプラズマが生成する。処理ガスとしては例えばハロゲンを含むガス例えばハロゲン化合物からなるガス、酸素ガス及びアルゴンガス等が用いられる。
プラズマの発生により高周波電流が下部電極5→プラズマ→上部電極3→インピーダンス調整部53→処理容器2→マッチングボックス42→同軸ケーブル44a、44bの外層部43a、43b→接地のいわば正常な経路を流れる。このとき、内壁板60に接続されたインピーダンス調整部60内の容量可変コンデンサ62のトリマの位置が所定の位置に設定されていることにより、下部電極5→プラズマ→内壁板6→インピーダンス調整部60→処理容器2→マッチングボックス42→同軸ケーブル44a、44bの外層部43a、43b→接地からなる異常な経路のインピーダンス値は、上述の正常な経路のインピーダンス値よりも大きくなるようになっている。このため、下部電極5と処理容器2の壁部との間には、プラズマが立ちにくくなる。その結果、下部電極5と上部電極3との間にプラズマが集中し、基板10上のプラズマは面内均一性の高いものとなる。基板10の表面はこのプラズマにより例えばエッチング処理が行われるが、プラズマの面内均一性が高いことから、エッチング速度の面内均一性が高く、従って面内で均一なエッチングを行うことができる。また、処理容器2の内壁や内部部品の損傷あるいは消耗を抑えることができる。
更に本発明では、プラズマを利用した基板10に対する処理の種別とインピーダンス調整部60の調整値とを対応付けたデータ(本実施の形態においては、インピーダンス調整部60内の容量可変コンデンサ62のトリマ設定位置)を制御部7の記憶部に例えばテーブルとして記憶しておいてもよい。この場合には、図示しないインターフェイス部を介して処理の種別を選択したときに選択された処理の種別に応じて、異常な経路のインピーダンス値が正常な経路のインピーダンス値よりも大きくなるように、制御部7は記憶部からデータを読み出し、例えば容量可変コンデンサ62を駆動するモータに制御部7から制御信号を出力するように構成するとよい。プラズマを利用した処理の具体例としては、互いに異なるエッチング処理を連続して行う場合においてエッチング処理毎に前記適切な設定値を決めておく場合や、連続成膜プロセスを行う場合に成膜処理毎に前記適切な設定値を決めておく例等が挙げられる。
また、温調用流路66内に温度調節された温調媒体を流すことにより、例えば、内壁板6を昇温して反応生成物等の付着を抑制できる。特に、内壁板6は処理容器2と比較して容積が小さいため、その熱容量も処理容器2に比べて小さい。更に、内壁板6は、真空排気された処理容器2内に設置されているので、処理容器2の外面と異なり大気と接していない。このため、大気に対していわば真空断熱された状態となっており、例えば処理容器2の壁部内に温調媒体を流す場合と比べて、必要な温調媒体の量も少なくて済み、内壁板6の壁面の温度を制御する際の温度応答性も良い。同時に、必要な温調媒体も少なくて済むことから、例えば温調部65の温度調節手段で消費されるエネルギーの節約にも貢献することができる。また、温度調節手段に接続された温度コントローラ8により、内壁板6の外表面温度を一定に保つことも可能となる。この結果、基板10表面の温度を均一かつ、一定に保つことで、面内で均一なエッチングを行うことができる。
続いて本発明の効果を確認するための実験例について述べる。
(実験1)
インピーダンス調整部60の容量可変コンデンサ62のキャパシタンスを変化させた場合の、内壁板6と接地間でのインピーダンス値の変化特性を調べた。
A.実験方法
図1に示すような平行平板型のプラズマ処理装置において、実験を簡略化するため第1の高周波電源4aのみを有する(第2の高周波電源4bや整合回路41b等を有しない)下部1周波タイプのものを用いた。また、インピーダンス調整部60として、図5に示すように容量可変コンデンサ62とインダクタ61とを直列接続したものを内壁板6と処理容器2の壁部との間に接続した。
そして、容量可変コンデンサ62のトリマの位置を種々変えてインピーダンス調整部60のインピーダンス値を種々に設定し、処理容器2内に設置された1枚の内壁板6から接地までの異常な経路における、第1の高周波電源4aからの高周波電流に対するインピーダンス値を測定した。プラズマの発生条件については、下部電極5及び上部電極3の間を200mmに設定し、プラズマ発生用ガスとしてSFガス及びClガスの混合ガスを用い、第1の高周波電源4aの周波数、電力を夫々27MHz、4.0kwに設定し、圧力を7Pa(50mTorr)に設定した。なお、上部電極3と導電性カバー体54との間に設置された、正常な経路のインピーダンス調整部53は予め正常な経路のインピーダンス値が最小になるように設定されている。
B.実験結果
図6は、容量可変コンデンサ62のキャパシタンスを変化させた場合における内壁板6−接地間のインピーダンス値を測定した結果を示している。図中、黒塗りのひし形(◆)は測定値を表し、実線は実験結果を結んで得られたインピーダンス値の変化特性を示している。実験結果によると、内壁板6−接地間のインピーダンス値は、容量可変コンデンサ62のキャパシタンスを大きくするにつれて単調に増加し、キャパシタンスがある大きさに達すると急激に増大して+∞に発散している。インピーダンス値が+∞に発散したキャパシタンスにおいて、図5に示した回路が並列共振となっていると考えられる。更に、容量可変コンデンサ62のキャパシタンスを増やしていくと、インピーダンス値は−∞に転じた後、その絶対値が急速に小さくなってから、徐々に小さくなっていく。
当該プラズマ処理装置において、測定したインピーダンス値の絶対値が大きい程、下部電極5と処理容器2の壁部との間にプラズマが立ちにくくなる。そこで、回路が並列共振となる点の付近となるように、容量可変コンデンサ62のキャパシタンスを調整すれば回路のインピーダンス値の絶対値が非常に大きくなって、下部電極5と処理容器2の壁部との間にプラズマをたちにくくすることができる。しかし、回路が並列共振となる点の付近では、インピーダンス値の変化が非常に大きく容量可変コンデンサ62のキャパシタンスが僅かにずれただけでインピーダンス値が大きく変化してしまい、安定した調整ができない場合が多い。そこで、図6の(イ)に示すように、インピーダンス値の絶対値が十分に大きく、かつ、安定した調整が可能なキャパシタンスとなるようなトリマの位置がその条件におけるインピーダンス調整部60の最適な調整結果となることが分かる。
なお、内壁板6と処理容器2の壁部との間を絶縁体で埋めてしまうと、図3に示した、内壁板6と処理容器2の壁部との間のキャパシタンスC3が大きくなりすぎてしまう。この結果、図6に示した、インピーダンス値の絶対値が立ち上がり始める容量可変コンデンサ62のキャパシタンスの領域が狭くなってしまい、インピーダンス値を調整しにくくなってしまうことが分かっている。例えば、図6には、内壁板6と処理容器2の壁部との間をセラミクス(Al、比誘電率9)で埋めた場合の内壁板6−接地間におけるインピーダンス値の変化特性(計算値)を破線で示してある。容量可変コンデンサ62のキャパシタンスを変化させても、回路が並列共振となるキャパシタンス以外の領域では、内壁板6−接地間のインピーダンス値は変化せず0Ω付近で略一定である。そして、回路が並列共振となる周辺の非常に狭いキャパシタンス領域において急激にインピーダンス値が発散している。内壁板6と処理容器2の壁部との間が真空(比誘電率1)の場合(◆)と比較して、容量可変コンデンサ62を利用したインピーダンス値の調整が非常に困難であることが分かる。即ち、内壁板6と処理容器2の壁部との間空間を形成し、プラズマ処理が行われる真空雰囲気に開放しておくことは、インピーダンス値の調整がしやすくなるという点で有利であるといえる。
(実験2)
インピーダンス調整部60の設定を変化させた場合において、下部電極5と処理容器2の壁部との間でのプラズマの状態を調べた。
A.実験方法
(実験1)と略同様のプラズマ処理装置において、内壁板6からの距離とプラズマの状態との関係を調べるため、図7(b)に示したように処理容器2の1面にのみ内壁板6を設置したものを用いた。そして、容量可変コンデンサ62の静電容量が図6に示した(ア)、(イ)、(ウ)となるようにトリマの位置を変えてインピーダンス調整部60を調整し、(実験1)と同様のプラズマ発生条件で処理容器2内にプラズマを生成させた。(実験1)の結果によれば、図6に示したように、内壁板6−接地間のインピーダンス値の絶対値は(ウ)→(ア)→(イ)の順番で大きくなる。
処理容器2内のプラズマの状態は、(1)目視による観察と、(2)電子密度分布の測定とにより把握した。電子密度は、プラズマ吸収プローブ法により測定した。また、電子密度の測定位置は、以下のように設定した。即ち、図7(b)のプラズマ処理装置の概略平面図に示したように、図中の矢印をX軸として、X軸上の複数の位置において電子密度を測定した。なお、幅が120cmの下部電極5の中心の位置をX軸の原点(X=0cm)とした。即ち、下部電極5の内壁板6側の一端がX=60cmの位置、反対側の他端がX=−60cmの位置となる。測定高さは、電極上6cmである。
B.実験結果
目視観察の結果によれば、(イ)の条件(内壁板6−接地間のインピーダンス値の絶対値が最大となるようにインピーダンス調整部60が調整されている条件)において、内壁板6近傍が最も暗くなった。これにより、内壁板6の近傍には、目視可能な光を発する程度のプラズマは形成されていないことが分かる。
また、電子密度の測定結果を図7(a)に示した。横軸は前記X軸上の位置を示し、縦軸はその位置で計測された1cmあたりの電子の個数を示している。条件(ア)の測定結果を白抜きの四角(□)でプロットし、条件(イ)の結果を黒塗りの三角(▲)、条件(ウ)の結果を白抜きの丸(○)で夫々プロットしている。なお、本実験では、処理容器2の壁面の1面にのみ内壁板6を設置しており、内壁板6が設置されていない反対側の電子密度は実際の構成とは異なる。このため、実験結果の評価は、実施の形態と同様に内壁板6が設置されているX>0の領域のみ評価した。
電子密度の測定結果によれば、内壁板6−接地間のインピーダンス値の絶対値が大きくなる程、内壁板6近傍の電子密度が小さくなっていることが分かる。これは、内壁板6−接地間、即ち、異常な経路におけるインピーダンス値が大きくなるようにインピーダンス調整部60を調整すると、下部電極5と内壁板6との間にプラズマが立ちにくくなるという予想と一致した結果となっている。
(実験3)
内壁板6内の温調用流路66に温調媒体を流した場合における内壁板6の外表面温度の応答性を調べた。
A.実験方法
(実験1)と略同様のプラズマ処理装置において、循環ポンプで温調部65と内壁板6との間で温調媒体を循環させ、温調部65に設置した4kWの電気ヒータ(温度調節手段)で温調媒体が120℃となるまで温度調節を行った。そして、内壁板6の表面温度を所定時間一定に保った後、温度設定を40℃に下げて温調媒体を循環させながら冷却を行った。内壁板6外表面の温度は、蛍光温度プローブにより測定した。図3(a)に温度測定位置を×印で示した。処理容器2内は、プラズマ処理を行う場合と同じ真空雰囲気とし、処理容器2の温度調節は行わなかった。内壁板6と処理容器2の壁面間の距離は、10mmとし、処理容器2の底部はポリイミドで断熱した。
B.実験結果
図8は、内壁板6の表面温度の測定結果を示している。実験結果によれば、温度調節を開始して約60分で温度が一定となり、温度調節が完了した。また、降温についても約70分温度が一定となり、良好に温度調節ができている。従って、内壁板6に温度調節された温調媒体を流すことにより、温度応答性がよくなり、各内壁板6を均一にする温度制御が容易となることが分かる。
本発明の実施の形態であるプラズマ処理装置の全体構成の概略を示す縦断側面図である。 上記の実施の形態の内壁板及び処理容器の壁部近傍を拡大した縦断側面図である。 上記の実施の形態の内壁板平面図及び内壁板内部に形成された温調用流路の構造を示す縦断面図である。 上記の実施の形態の等価回路を示す回路図である。 上記の実施の形態のインピーダンス調整部の回路構成を示す回路図である。 上記の実施の形態の実験結果であるインピーダンス調整部の調整結果と異常な経路におけるインピーダンス値との関係を示す説明図である。 上記の実施の形態の実験結果であるインピーダンス調整部の調整結果と処理容器内の電子密度との関係を示す説明図である。 上記の実施の形態の実験結果である温調媒体による内壁板外表面の温度制御を行った結果を示す説明図である。 従来のプラズマ処理装置の全体構成の概略を示す縦断側面図である。 従来例の等価回路を示す回路図である。
符号の説明
2 処理容器
3 上部電極
4a 第1の高周波電源
4b 第2の高周波電源
5 下部電極
6 内壁板
6a 内壁板部材
6b 流路形成部材
7 制御部
8 温度コントローラ
10 基板
11 処理容器
12 上部電極
13 下部電極
14 絶縁材
15 整合回路
16 マッチングボックス
17 高周波電源
18 導電路
18a シャフト
18b 支持板
18c ベローズ体
21 排気路
22 真空排気手段
30 開口部
31 絶縁材
32 ガス供給路
33 処理ガス供給部
34 ガス孔
40a、40b 導電路
41a、41b 整合回路
42 マッチングボックス
43a、43b 外層部
44a、44b 同軸ケーブル
45 保護管
46a、46b 導電路
50 絶縁材
51 支持部
52 導電路
53 インピーダンス調整部
54 導電性カバー体
60 インピーダンス調整部
61 インダクタ
62 容量可変コンデンサ
63 導電路
64 固定部材
65 温調部
66 温調用流路
66a 導入管
66b 排出管
67a 導入口
67b 排出口

Claims (7)

  1. 処理容器内にて高周波電力により処理ガスをプラズマ化し、そのプラズマにより基板に対して処理を行うためのプラズマ処理装置において、
    この処理容器内に当該処理容器とは絶縁され、かつ、互いに対向して設けられたカソード電極及びアノード電極と、
    前記カソード電極に整合回路を介してその一端が接続された高周波電源と、
    処理容器の壁部に当該処理容器とは絶縁され、かつ当該壁部を覆うように設けられた導電体からなる内壁板と、
    その一端側が内壁板に接続されると共に、他端側が前記処理容器に接続されたインピーダンス調整部と、を備え、
    前記カソード電極及びアノード電極のうちいずれか一方の電極上に基板が載置され、
    前記インピーダンス調整部は、カソード電極からプラズマ、内壁板及び処理容器の壁部を介して前記整合回路の接地筐体に至るまでのインピーダンス値が、カソード電極からプラズマ、アノード電極及び処理容器の壁部を介して前記整合回路の接地筐体に至るまでのインピーダンス値よりも大きくなるように、そのインピーダンス値を調整するためのものであり、前記内壁板と処理容器の壁部との間には真空雰囲気が介在していることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 内壁板と処理容器の壁部との間は、プラズマ処理を行う雰囲気に開放されていることを特徴とする請求項に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記インピーダンス調整部は、インピーダンス値を可変なように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記インピーダンス値を可変なように構成されたインピーダンス調整部は、容量可変コンデンサとインダクタとの直列回路であることを特徴とする請求項に記載のプラズマ処理装置。
  5. プラズマ処理の種別とインピーダンス調整部の調整値とを対応付けたデータが記憶された記憶部を含み、選択されたプラズマ処理の種別に応じた前記調整値を前記記憶部から読み出して前記インピーダンス調整部を調整するための制御信号を出力する制御部を更に備えたことを特徴とする請求項又はに記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記内壁板は、温調媒体を通流するための温調用流路と、
    前記処理容器の外部からの温調媒体を導入するための導入口と、
    温調媒体を前記処理容器の外部に排出するための排出口と、を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一つに記載のプラズマ処理装置。
  7. 処理容器の外部に設けられ、前記温調媒体の温度を調節する温度調節手段と、
    この温度調節手段を介して温調媒体の温度を調節することにより前記内壁板の外表面温度を制御する手段と、を備えたことを特徴とする請求項に記載のプラズマ処理装置。
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