JP5335875B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ処理装置に関し、特に、基板にプラズマ処理を施すプラズマ処理装置に関する。
第7世代や第8世代の液晶パネル用のガラス基板にエッチング処理を施すプラズマ処理装置50は、図6に示すように、ガラス基板(以下、単に「基板」という。)Gを収容するチャンバ51と、該基板Gを載置する下部電極52と、該下部電極52と対向するシャワーヘッド53の上部電極54とを備える。このプラズマ処理装置50では、上部電極54及び下部電極52の間の空間(以下、「処理空間」という。)に供給された処理ガスを高周波電界によって励起してプラズマを発生させ、該プラズマによって基板Gにエッチング処理を施す。
プラズマ処理装置50では、下部電極52が接地基板55によって支持され、該接地基板55は上下方向に移動可能なピラー56及びベローズ57を介してチャンバ51に接続されている。チャンバ51は接地されているため、エッチング処理の際、上部電極54→処理空間のプラズマ→下部電極52→接地基板55→ピラー56→ベローズ57→チャンバ51の経路で高周波電流が流れる。ここで、ピラー56やベローズ57は導電体からなるため、接地基板55はチャンバ51と直流的に同電位であるが、ピラー56やベローズ57によってリアクタンスが発生するため交流的には同電位とならない。
また、第7世代や第8世代の液晶パネルは非常に大きいため、下部電極52や接地基板55も非常に大きく、その結果、接地基板55及びチャンバ51の壁面の間における空間(以下、「下部空間」という。)も非常に大きくなる。そして、交流的に同電位とならない接地基板55及びチャンバ51の壁面の間には電位差が生じるため、下部空間にも高周波電流が流れて容量結合プラズマや異常放電が発生することがある。このプラズマによって処理空間におけるプラズマの密度が低下し、均一性が悪化する。また、異常放電によってパワー効率が低下し、さらには接地基板55が削れてパーティクルが発生する。
そこで、プラズマ処理装置50では、接地基板55及びチャンバ51の壁面を交流的に短絡する導電性材料からなる薄板状の短絡板58が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特許3710081号公報
しかしながら、第7世代や第8世代の液晶パネル用の基板Gにエッチング処理を施すには高パワー、例えば、10kW以上の高周波電力を処理空間に供給する必要がある。このとき、処理空間や接地基板55を流れる高周波電流は100A以上になる。また、短絡板58は自己インダクタンスを有し、高周波電流に対応して誘導性リアクタンス(インピーダンス)が発生する。その結果、接地基板55の電位は数100Vの高周波電圧を呈する。
接地基板55の電位を低下させるためには、短絡板58の数を増やすのが最も効果的であるが、下部空間にはリフターピンホルダ(図示しない)等の構成部品が配置されているため、空間的な余裕が無く、短絡板58の数を増やすのは困難である。
したがって、依然として接地基板55及びチャンバ51の壁面の間における電位差は解消せず、該電位差によって下部空間には容量結合プラズマや異常放電が発生する虞がある。
本発明の目的は、下部電極又は上部電極の少なくとも一方を支持する接地基板及び収容容器の内壁の間における電位差を低減することができるプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載のプラズマ処理装置は、基板を収容する収容容器と、該収容容器内に配置されて前記基板を載置する載置台としての下部電極と、該下部電極に対向して配置され且つ前記収容容器内に処理ガスを供給する上部電極と、前記下部電極又は前記上部電極の少なくとも一方に接続された高周波電源と、前記下部電極又は前記上部電極の少なくとも一方を絶縁部を介して支持すると共に前記収容容器の内壁から離間して配置される接地基板と、該接地基板及び前記収容容器の内壁を短絡する短絡板とを備えるプラズマ処理装置において、前記短絡板は断面が矩形の直線導体からなり、途中で少なくとも2つ分岐路に分岐し、前記少なくとも2つの分岐路が並列に配置されていることを特徴とする。
請求項1記載のプラズマ処理装置によれば、接地基板及び収容容器の内壁を短絡する短絡板は断面が矩形の直線導体からなり、途中で少なくとも2つ分岐路に分岐し、当該少なくとも2つの分岐路が並列に配置されている。短絡板を分岐すると各分岐路の断面積は減少するが、並列に配置された高周波電流の経路を増やすことによって短絡板全体のインダクタンスを低下させることができる。これにより、接地基板の電位を低下させることができ、もって、下部電極又は上部電極の少なくとも一方を支持する接地基板及び収容容器の内壁の間における電位差を低減することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 図2における短絡板を示す正面図であり、図3(A)は短絡板を2つに分岐した場合を示し、図3(B)は短絡板を3つに分岐した場合を示す。 金属からなる断面矩形の直線導体のインダクタンスの値と、該直線導体における幅−長さ比との関係を示すグラフである。 本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。 従来のプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
図1は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。このプラズマ処理装置は液晶ディスプレイ(LCD)用のガラス基板にエッチング処理を施すように構成されている。
図1において、プラズマ処理装置10は、例えば、一辺が約1mである矩形のガラス基板(以下、単に「基板」という。)Gを収容する角筒形状のチャンバ11(収容容器)を有する。該チャンバ11はアルミニウムからなり、チャンバ11の内壁の殆どはアルマイトによって被覆されている。
チャンバ11の天井部にはシャワーヘッド12(上部電極)が配置され、該シャワーヘッド12は、矩形の導電性平板である上部電極板13と、該上部電極板13を着脱可能に釣支する導電体からなる上部電極基部14とを有する。上部電極基部14の内部にはバッファ室15が設けられ、このバッファ室15には処理ガス導入管16が接続されている。また、上部電極板13はバッファ室15内及びチャンバ11内を連通する多数のガス穴17を有する。処理ガス導入管16は処理ガス供給装置(図示しない)に接続され、該処理ガス供給装置は処理ガス導入管16を介してバッファ室15へ処理ガスを導入する。シャワーヘッド12は、バッファ室15へ導入された処理ガスをガス穴17を介して上部電極板13及び後述の下部電極板23の間の空間(以下、「処理空間S」という。)へ供給する。ここで、シャワーヘッド12は上部絶縁部22を介してチャンバ11の天井部から釣支されているので、シャワーヘッド12はチャンバ11から十分電気的にフローティングしている。
上部電極板13は上部電極基部14、整合回路18及び導電路19を介して高周波電源20に接続されている。また、チャンバ11の天井部上には、整合回路18を包有するようにマッチングボックス21が設けられている。該マッチングボックス21は接地されているため、整合回路18の接地筐体として機能する。高周波電源20は所定の高周波電力、例えば、13.56MHzの高周波電力を上部電極板13に供給する。そして、上部電極板13は処理空間Sに高周波電圧を印加して、高周波電界を発生させる。該高周波電界は処理空間Sに供給された処理ガスを励起してプラズマを発生させる。なお、処理ガスとしては、例えばハロゲンを含むガス、具体的には、ハロゲン化合物からなるガス、酸素ガ
ス及びアルゴンガス等が用いられる。
チャンバ11の底部には基板Gを載置する載置台を兼ねる矩形の下部電極板23が配置されている。該下部電極板23は、上部電極板13と対向するとともに、下部絶縁部25を介してアルミニウムからなる接地基板26によって支持されている。また、接地基板26はチャンバ11の底部から離間して配置されており、円筒状のピラー27によって支持されている。該ピラー27は図示しない駆動機構によって上下方向(図中矢印方向)に移動する支持板28上に配置される。したがって、支持板28の上下動に伴い接地基板26や下部電極板23も上下動する。支持板28はベローズ29を介してチャンバ11の底部と接続され、該ベローズ29はチャンバ11内及びチャンバ11外を気密に区画する。なお、ピラー27、支持板28及びベローズ29は全て導電体からなる。
下部電極板23内にはチラー流路(図示しない)が設けられ、該チラー流路を流れる冷媒によって下部電極板23上に載置された基板Gが冷却される。下部絶縁部25は誘電体や大気層からなり、下部電極板23を接地基板26、引いてはチャンバ11から十分電気的にフローティングさせる。
下部電極板23にはピラー27内に設けられた導電路30の一端が接続され、この導電路30にはインピーダンス調整部31が介設されている。導電路30の他端は、支持板28及びベローズ29を介してチャンバ11の底部に接続されている。本実施の形態では、上部電極板13及び下部電極板23が夫々カソード電極及びアノード電極に相当する。
チャンバ11の底部には排気路32が接続され、該排気路32には図示しない排気装置、例えば、ターボ分子ポンプやドライポンプが接続されている。排気装置は排気路32を介してチャンバ11内を排気する。さらに、チャンバ11の側壁には、基板Gの搬送口33を開閉するゲートバルブ34が設けられている。
プラズマ処理装置10では、高周波電源20→整合回路18→シャワーヘッド12→処理空間Sのプラズマ→下部電極板23→インピーダンス調整部31→チャンバ11→マッチングボックス21→接地の経路で高周波電流が流れるが、シャワーヘッド12からプラズマを介してチャンバ11の壁部に短絡的に高周波電流が流れるおそれがあるため、下部電極板23からマッチングボックス21に至るまでの経路(リターン経路)のインピーダンスをインピーダンス調整部31により調整してチャンバ11の壁部に短絡的に高周波電流が流れるのを防止する。
また、プラズマ処理装置10では、処理空間Sに高周波電力を供給して高周波電界を発生させることにより、該処理空間Sにおいてシャワーヘッド12から供給された処理ガスを励起して高密度のプラズマを発生させ、該プラズマによって基板Gにエッチング処理を施す。
なお、プラズマ処理装置10の各構成部品の動作は、プラズマ処理装置10が備える制御部(図示しない)のCPUがエッチング処理に対応するプログラムに応じて制御する。
さらに、プラズマ処理装置10は、接地基板26及びチャンバ11の内壁を短絡する短絡板36と、該短絡板36及びチャンバ11の内壁の間に介在するコンデンサ37とを備える。短絡板36は、金属等の導電性材料、例えば、ステンレスやハステロイ(登録商標)からなる、断面矩形の薄板状導体である。
短絡板36の一端は接地基板26の下面に接続部38を介して接続され、短絡板36の他端はチャンバ11の内壁、具体的にはチャンバ11の底部に設けられたコンデンサ37
に接続されている。
コンデンサ37は、絶縁層37aと、該絶縁層37aを狭持する、アルミニウム板等の2つの金属板37b,37cとからなり、プラズマと接触する可能性のある部分がアルマイト等の絶縁膜によって被覆されている。また、絶縁層37aは、例えば、セラミックシート、溶射セラミック層やフッ素樹脂層(テフロン(登録商標)層)からなる。このコンデンサ37として、上述した仕様のものの他、耐プラズマ性を有する市販の真空コンデンサや可変容量コンデンサを用いることもできる。
このプラズマ処理装置10では、短絡板36及びコンデンサ37が、接地基板26及びチャンバ11の内壁の間を短絡する短絡回路を構成する。
また、プラズマ処理装置10では、接地基板26及びチャンバ11の内壁の間に高周波電流が流れると、短絡板36は自己インダクタンスを有するため、短絡板36には誘導性リアクタンスが発生し、また、コンデンサ37は静電容量を有するため、コンデンサ37には容量性リアクタンスが発生する。また、プラズマ処理装置10では、コンデンサ37が短絡板36及びチャンバ11の内壁の間に介在するので、短絡板36及びコンデンサ37は、接地基板26及びチャンバ11の内壁の間において直列回路を構成する。したがって、短絡板36及びコンデンサ37は、接地基板26及びチャンバ11の内壁の間を高周波電流が流れる際に生じる電位差を分担することができる。
ここで、接地基板26の電位Vは、チャンバ11の内壁を接地電位とし、短絡板36のインピーダンスをZとし、コンデンサ37のインピーダンスをZとし、接地基板26及びチャンバ11の内壁の間を流れる高周波電流をIとすると、下記式(1)で示される。
= (Z+Z)×I … (1)
通常、ZやZはR+jX(Xはリアクタンス)で示されるが、プラズマ処理装置10では、RはXに比べて非常に小さく、無視できる。したがって、本実施の形態では、短絡板36の誘導性リアクタンスをXとし、コンデンサ37の容量性リアクタンスをXとすると、接地基板26の電位Vは下記式(2)で示される。
≒ (X+X)×I … (2)
本実施の形態では、コンデンサ37の静電容量を調整することによって電位Vを低減する。具体的には、下記式(3)が成立するようにコンデンサ37の静電容量を調整する。
= −X/2 … (3)
その結果、接地基板26の電位Vは下記式(4)で示される。
≒ 1/2×X×I … (4)
一方、従来のプラズマ処理装置のように、接地基板及びチャンバの内壁が短絡板のみで短絡されている場合、接地基板の電位Vは下記式(5)で示される。
≒ X×I … (5)
上記式(4)及び(5)を比較すると、接地基板26の電位Vは従来のプラズマ処理装置における接地基板の電位Vの1/2である。したがって、コンデンサ37を短絡板36及びチャンバ11の内壁の間に介在させ、上記式(3)が成立するようにコンデンサ37の静電容量を調整することにより、接地基板26の電位Vを従来のプラズマ処理装置における接地基板の電位Vの1/2にすることができる。
また、このとき、コンデンサ37の電位VCは下記式(6)で示される。
VC ≒ X×I … (6)
ここで、上記式(3)より、コンデンサ37の電位VCは下記式(7)で示される。
VC ≒ −1/2×X×I … (7)
したがって、コンデンサ37の電位VCも従来のプラズマ処理装置における接地基板の電位Vの1/2にすることができる。すなわち、コンデンサ37が分担する電位差もVの1/2となる。
本実施の形態に係るプラズマ処理装置10によれば、短絡板36及びコンデンサ37は、接地基板26及びチャンバ11の内壁の間を高周波電流が流れる際に生じる電位差を分担することができる。また、コンデンサ37はチャンバ11の内壁に設けられるので、接地基板26及びチャンバ11の内壁の間における電位差は、実質的に接地基板26及びコンデンサ37の間における電位差であり、該電位差は短絡板36が分担する電位差に他ならない。したがって、下部電極板23を支持する接地基板26及びチャンバ11の内壁の間における電位差を低減することができる。
上述したプラズマ処理装置10では、コンデンサ37の静電容量を調整することによってX=−X/2(上記式(3))を成立させるので、接地基板26の電位VはV≒1/2×X×I(上記式(4))で示される。一方、従来のプラズマ処理装置の接地基板の電位VはV≒X×I(上記式(5))で示される。すなわち、VをVの1/2にすることができ、短絡板36が分担する電位差を確実に低減することができる。
また、コンデンサ37が分担する電位差もVの1/2となるため、接地基板26及びコンデンサ37の間、並びにコンデンサ37及びチャンバ11の内壁の間における電位差をいずれも適切に低減することができ、もって、接地基板26及びコンデンサ37の間やコンデンサ37及びチャンバ11の内壁の間において容量結合プラズマや異常放電が発生するのを抑制することができる。
上述したプラズマ処理装置10では、コンデンサ37の静電容量を調整することによって接地基板26の電位Vを従来のプラズマ処理装置における接地基板の電位Vの1/2にしたが、コンデンサ37の静電容量を調整することによって短絡板36が分担する電位差を変更し、接地基板26の電位Vをほぼ0にしてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
本実施の形態は、その構成、作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、接地基板26及びチャンバ11の壁面を短絡する短絡回路の構成が異なるのみであるので、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
図2は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
図2において、プラズマ処理装置40は、接地基板26及びチャンバ11の内壁を短絡する短絡板41を備える。短絡板41も、金属等の導電性材料、例えば、ステンレスやハステロイ(登録商標)からなる、断面矩形の薄板状導体である。
短絡板41の一端は接続部38を介して接地基板26に接続され、短絡板41の他端はチャンバ11の内壁に接続部42を介して接続されている。このプラズマ処理装置40では、短絡板41が接地基板26及びチャンバ11の内壁の間を短絡する短絡回路を構成する。
図3は、図2における短絡板を示す正面図であり、図3(A)は短絡板を2つに分岐した場合を示し、図3(B)は短絡板を3つに分岐した場合を示す。
一般に、金属からなる断面矩形の直線導体のインダクタンスLは、該直線導体の長さをa(cm)、幅をb(cm)、厚さをc(cm)とすると、下記式(8)で示される。
L=0.002a×〔2.303×log{2a/(b+c)}+0.5+0.2235×(b+c)/a〕 … (8)
ここで、b≫cとすると、上記式(8)は下記式(8)’で示される。
L≒0.002a×{2.303×log(2a/b)+0.5+0.2235×b/a} … (8)’
このとき、上記式(8)’におけるLの値をAとし、直線導体における幅−長さ比をb/aとすると、該A及びb/aの関係は図4に示す通りとなる。なお、図4において、横軸は幅−長さ比b/aを示し、縦軸は、幅−長さ比b/aが0.5のときのAを1として各幅−長さ比b/aに対応するAを規格化した場合における規格化されたAを示す。
図4に示す関係から、幅−長さ比b/aを0.5から0.25へ半減(すなわち、直線導体の幅を半減)しても、インダクタンスLの値であるAは約1.3倍となるのみであり、b/aを0.5から0.1へ1/5減(すなわち、幅を1/5減)しても、Aは約1.8倍となるのみである。
一方、図3(A)に示す2つに分岐した短絡板41において、接続部38,42と接続される部分を除いた長さ(有効長さ)をlとし、各分岐路41aの幅をwとすると、該短絡板41では、幅w及び長さlの2つの分岐路41aが並列に配置されていることになる。このとき、短絡板41全体のインダクタンスをLallとし、分岐路41aにおけるインダクタンスをLdivとすると、下記式(9)が成立する。
1/Lall = 1/Ldiv+1/Ldiv … (9)
したがって、上記式(9)より、短絡板41全体のインダクタンスは分岐路41aのインダクタンスの半分となる。
すなわち、短絡板41を分岐すると、1つの分岐路41aにおけるインダクタンスは増加するが、短絡板41では2つの分岐路41aが並列に配置されているため、高周波電流の経路を増やすことができ、結果として短絡板41全体のインダクタンスを低下させることができる。
なお、短絡板41は、図3(B)に示すように、3つに分岐してもよい。すなわち、短絡板41における分岐路の数は限られていない。
本実施の形態に係るプラズマ処理装置40によれば、断面が矩形の直線導体からなる短絡板41は途中で少なくとも2つに分岐している。短絡板41を分岐すると、結果として短絡板41全体のインダクタンスを低下させることができる。これにより、接地基板26の電位を低下させることができ、下部電極板23を支持する接地基板26及びチャンバ11の内壁の間における電位差を低減することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。
本実施の形態は、その構成、作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、接地基板26及びチャンバ11の壁面を短絡する短絡回路の構成が異なるのみであるので、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
図5は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
図5において、プラズマ処理装置43は、接地基板26及びチャンバ11の内壁を短絡
する短絡板44を備える。短絡板44も、金属等の導電性材料、例えば、ステンレスやハステロイ(登録商標)からなる、断面矩形の薄板状導体である。
短絡板44の一端は接地基板26の下面に設けられたコンデンサ45(他のコンデンサ)に接続され、短絡板44の他端はチャンバ11の底部に設けられたコンデンサ37に接続されている。コンデンサ45の構造はコンデンサ37の構造と同じである。
このプラズマ処理装置43では、コンデンサ45、短絡板44及びコンデンサ37が、接地基板26及びチャンバ11の内壁の間を短絡する短絡回路を構成する。また、プラズマ処理装置43では、コンデンサ37が短絡板44及びチャンバ11の内壁の間に介在し、コンデンサ45が短絡板44及び接地基板26の間に介在するので、コンデンサ45、短絡板44及びコンデンサ37は、接地基板26及びチャンバ11の内壁の間において直列回路を構成する。
本実施の形態では、コンデンサ37,45の静電容量を調整することによって接地基板26の電位Vを0にする。具体的には、コンデンサ37の静電容量をC1とし、短絡板44の自己インダクタンスをLとし、コンデンサ45の静電容量をC2とし、高周波電源20が供給する高周波電力の周波数をfとし、高周波電力の角周波数ωを2πfとした場合、下記式(10)が成立するようにコンデンサ37,45の静電容量C1,C2を調整する。
C1 = C2 = 2/(ω×L) … (10)
ここで、コンデンサ37の容量性リアクタンスをXC1とし、コンデンサ45の容量性リアクタンスをXC2とし、短絡板44の誘導性リアクタンスをXとすると、接地基板26の電位Vは下記式(11)で示される。
≒ (XC1+X+XC2)×I = (−1/(ω×C1)+ω×L−1/(ω×C2))×I … (11)
ここで、上記式(10)より、接地基板26の電位Vは下記式(12)で示される。
≒ (−ω×L/2+ω×L−ω×L/2)×I … (12)
すなわち、接地基板26の電位Vは0となる。
また、このとき、コンデンサ45の電位VC2は下記式(13)で示される。
C2 ≒ (XC1+X)×I = (−1/(ω×C1)+ω×L))×I …
(13)
ここで、上記式(10)より、コンデンサ45の電位VC2は下記式(14)で示される。
C2 ≒ 1/2×ω×L×I … (14)
一方、上記式(5)で示される従来のプラズマ処理装置の接地基板の電位Vは、上記式(10)より、下記式(15)で示される。
≒ X×I = ω×L×I … (15)
したがって、本実施の形態では、コンデンサ45の電位VC2を従来のプラズマ処理装置における接地基板の電位Vの1/2にすることができる。
また、コンデンサ37の電位VC1は下記式(16)で示される。
C1 ≒ XC1×I = −1/(ω×C1)×I … (16)
ここで、上記式(10)より、コンデンサ45の電位VC1は下記式(17)で示される。
C1 ≒ −1/2×ω×L×I … (17)
したがって、本実施の形態では、コンデンサ37の電位VC1も従来のプラズマ処理装置における接地基板の電位Vの1/2にすることができる。
本実施の形態に係るプラズマ処理装置43によれば、コンデンサ37に加え、短絡板44及び接地基板26の間にコンデンサ45が介在し、該コンデンサ45は接地基板26に設けられる。また、コンデンサ37,45の静電容量C1,C2を調整することによってC1=C2=2/(ω×L)(上記式(10))を成立させるので、V≒(−1/(ω×C1)+ω×L−1/(ω×C2))×I (上記式(11))で示される接地基板26の電位Vを0にすることができる。したがって、接地基板26の近傍において容量結合プラズマや異常放電が発生するのを防止することができる。
また、コンデンサ45の電位VC2及びコンデンサ37の電位VC1を従来のプラズマ処理装置における接地基板の電位Vの1/2にすることができるため、接地基板26及びコンデンサ45の間、並びにコンデンサ37及びチャンバ11の内壁の間における電位差をいずれも適切に低減することができ、もって、接地基板26及びコンデンサ45の間やコンデンサ37及びチャンバ11の内壁の間において容量結合プラズマや異常放電が発生するのを抑制することができる。
上述した各実施の形態は組み合わせてプラズマ処理装置に適用してもよい。例えば、プラズマ処理装置10において短絡板36の代わりに2つに分岐した短絡板41を用いてもよく、また、プラズマ処理装置43において短絡板44の代わりに短絡板41を用いてもよい。
上述した各実施の形態に係るプラズマ処理装置はインピーダンス調整部31を備えているが、本発明を適用できるプラズマ処理装置はこれに限られず、例えば、インピーダンス調整部を必要としないプラズマ処理装置であってもよい。
上述した各実施の形態に係るプラズマ処理装置では、シャワーヘッド12の上部電極板13に高周波電源20が接続されているが、本発明を適用できるプラズマ処理装置はこれに限られない。例えば、下部電極板23にのみ高周波電源が接続されるプラズマ処理装置であってもよく、若しくは、上部電極板13及び下部電極板23のいずれにも別々の高周波電源が接続されるプラズマ処理装置であってもよい。
また、上述した各実施の形態に係るプラズマ処理装置では、下部絶縁部25を介して下部電極板23を支持する接地基板26と、該接地基板26及びチャンバ11の内壁を短絡する短絡板とを備えたが、本発明を適用できるプラズマ処理装置はこれに限られない。例えば、上部絶縁部を介して上部電極板を支持し且つチャンバ11の内壁から離間して配置された接地基板と、該接地基板及びチャンバの内壁を短絡する短絡板とを備えるプラズマ処理装置であってもよい。
G ガラス基板
S 処理空間
10,40,43 プラズマ処理装置
11 チャンバ
13 上部電極板
20 高周波電源
22 上部絶縁部
23 下部電極板
25 下部絶縁部
26 接地基板
36,41,44 短絡板
37,45 コンデンサ
37a,45a 絶縁層
41a 分岐路

Claims (1)

  1. 基板を収容する収容容器と、該収容容器内に配置されて前記基板を載置する載置台としての下部電極と、該下部電極に対向して配置され且つ前記収容容器内に処理ガスを供給する上部電極と、前記下部電極又は前記上部電極の少なくとも一方に接続された高周波電源と、前記下部電極又は前記上部電極の少なくとも一方を絶縁部を介して支持すると共に前記収容容器の内壁から離間して配置される接地基板と、該接地基板及び前記収容容器の内壁を短絡する短絡板とを備えるプラズマ処理装置において、
    前記短絡板は断面が矩形の直線導体からなり、途中で少なくとも2つ分岐路に分岐し、前記少なくとも2つの分岐路が並列に配置されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
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