JP4876331B2 - 冷凍機潤滑油組成物および冷凍機作動流体用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は2種の特定のネオペンチルポリオールとカルボン酸から構成されるエステルとフェノール類酸化防止剤を必須成分とする潤滑油組成物と、ハイドロフルオロカーボン冷媒からなる冷凍機作動流体用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧縮式冷凍機には、冷媒としてCFC−11(化学式:CCl3 F、化合物名:トリクロロモノフルオロメタン、以下に同様に記載する。)、CFC−12(CCl2F2 、ジクロロジフルオロメタン)、HCFC−22(CHClF2 、モノクロロジフルオロメタン)、CFC−115(CF3 −CClF2 、モノクロロペンタフルオロエタン)などのフロン冷媒が用いられている。しかし、CFC−12をはじめとするクロロフルオロカーボンは、オゾン層の破壊につながるものとして、規制の対象となり、また、HCFC−22をはじめとするハイドロクロロフルオロカーボンについても、現状ではオゾン層の破壊能力が比較的低いため使用可能だが、中長期的にはその使用の規制が決定されている。
【0003】
これらクロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン冷媒の代替品として、ハイドロフルオロカーボン冷媒が用いられようとしており、CFC−12の代替には熱力学的物性が類似しているHFC−134a(CH2FCF3 、1,1,1,2−テトラフルオロエタン)が、同様にHCFC−22の代替にはHFC−32(CH2F2 、ジフルオロメタン)及びHFC−125(1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン)を含有する混合冷媒であるR−407C(HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52重量%の混合物)、R−410A(HFC−32/HFC−125=50/50重量%の混合物)及びR−410B(HFC−32/HFC−125=45/55重量%の混合物)などが、R−502(CFC−12/CFC−115=48.8/51.2重量%の混合物)の代替にはHFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン)を含有するR−404A(HFC−125/HFC−143a/HFC−134a=44/52/4重量%の混合物)、R−507A(HFC−125/HFC−143a=50/50重量%の混合物)などが検討され、実用化されてきている。
【0004】
さらに前記ハイドロフルオロカーボン冷媒でも地球を温暖化させてしまうという欠点があることから、通称自然冷媒と呼ばれるプロパン、イソブタンなどの炭化水素や二酸化炭素、アンモニアを冷媒として使用する取り組みや、酸素、窒素、硫黄原子などのヘテロ元素を含有し、地球温暖化傾向の低い第3世代フロンの研究が世界各国でなされている。具体例として、特許公報第2589049号には1−トリフルオロメトキシ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンが、同第2589050号にはペンタフルオロエチル−2,2−ジフルオロエチルエーテルが、同第258915号には1,1−ジフルオロエチル−2,2−ジフルオロエチルエーテルが、同第2589916号には1,1,2−トリフルオロエチル−2,2−ジフルオロエチルエーテルが、同第2589917号には1,1−ジフルオロエチルメチルエーテルが、同第2589930号にはメチル−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテルが、同第2589931号にはペンタフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテルが、同第2589959号には1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテルが、同第2589960号には2,2−ジフルオロエチル−1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピルエーテルなどが各々開示されている。
【0005】
さらに、冷凍機用としては、HFE−245mc(メチル−1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチルエーテル)、HFE−245mc(1,1,1−トリフルオロメチル−1,2,2,2−テトラフルオロエチルエーテル)、HFE−125(1,1,1−トリフルオロメチル−1,1−ジフルオロメチルエーテル)、HFE−143m(メチル−1,1,1−トリフルオロメチルエーテル)、HFE−134p(1,1−ジフルオロメチル−1,1−ジフルオロメチルエーテル)などが検討されている。
【0006】
冷凍機潤滑油には種々の要求性能があるが、冷媒との相溶性は冷凍機潤滑油の潤滑性能およびシステムの効率の面から極めて重要である。しかし、HFC−134aやHFC−32に代表される非塩素系フロン冷媒は、圧縮式冷凍システムで今まで冷凍機潤滑油として用いられてきたナフテン系鉱物油やパラフィン系鉱物油、アルキルベンゼンなどを基油とした冷凍機油とはほとんど相溶せず、低温域および高温域で二層分離を起こすことが知られている。二層分離が生じると、凝縮器や膨張器に潤滑油が滞留し、冷凍効率が低下したり、圧縮機の摺動面への潤滑油の供給が満足に行われなくなり、潤滑不良となって圧縮機の焼き付き発生などの不都合が生じたりするため、実際の使用は困難となる。
【0007】
このような中で、ハイドロフルオロカーボン冷媒と相溶する種々の冷凍機潤滑油が提案されている。たとえば、特表平2−502385号公報に、特定の分子量分布を有し、両末端が水酸基であるポリオキシアルキレングリコールエーテル系潤滑油が開示されている。このものは、HFC−134aとは約−40℃〜+50℃程度の範囲で相溶する。しかし、実際の使用に際しては、より高い温度での相溶性が要求されている。
【0008】
HFC−134aは主に家庭用冷蔵庫やカーエアコンの冷媒として、また、HFC−32を含有する混合冷媒は主にルームエアコンや産業用冷凍機の冷媒として、それぞれ開発されている。ここで、家庭用冷蔵庫やルームエアコンの場合、圧縮機を駆動するモーターが冷媒−冷凍機油混合物中で使用されるタイプがほとんどであり、冷凍機潤滑油にはすぐれた電気絶縁性が要求される。しかるに、ポリオキシアルキレングリコールエーテルの電気絶縁性は、従来のナフテン系鉱物油およびパラフィン系鉱物油と比較すると著しく劣り、また吸湿性も高い。この点からは、家庭用冷蔵庫やルームエアコンなどの冷凍機潤滑油としては適当ではない。
【0009】
特表平3−505602号公報には、1価カルボン酸と多価アルコールとから構成されるポリオールエステルや、1価カルボン酸と多価カルボン酸と多価アルコールとから構成されるコンプレックスエステルが、非塩素系フロン冷媒用潤滑油として開示されている。これら技術のエステル化合物の場合、吸湿性はポリオキシアルキレングリコールエーテルより低く、HFC−134aとの相溶性もポリオキシアルキレングリコールエーテルよりも広い温度範囲で良好である。また、特開平3−128991号公報及び特開平3−128992号公報に記載のポリオールエステルは、電気絶縁性について、体積固有抵抗が80℃で1013〜1014Ωcm程度であり、冷蔵庫やルームエアコンなどの冷凍機油として十分に使用可能な値を有している。しかし、これらの冷凍機潤滑油は潤滑性、耐熱性において改善が求められている。
【0010】
特開平3−128991号公報では、2価アルコールと炭素数3〜18の直鎖、分枝鎖の混合1価脂肪酸とから構成されるエステルが水素含有フロン冷媒用潤滑油として開示され、動粘度、腐食性、冷媒との溶解性の観点から好ましいことが述べられている。しかし、潤滑性能において充分とはいえない。
【0011】
特開平8−240362号では、冷凍装置に用いる冷凍機潤滑油として、アルキル基の炭素数が5〜12(カルボキシル基の炭素は加算しない。)の脂肪酸のポリオールエステルが開示されているが、この冷凍機潤滑油では潤滑性、ハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性および低温流動性において性能が充分ではない。 さらに摺動部の摩耗防止剤としてある特定のリン酸エステルを添加することが述べられているが、リン酸が摺動部の化学摩耗を促進し、腐食へと進行する場合があり、好ましくない。
【0012】
また特開平6−330061号公報ではペンタエリスリトールと、炭素数9のカルボン酸である3,5,5−トリメチルヘキサン酸と炭素数6〜8の直鎖または分枝との混合カルボン酸とがある特定の比率となった混合カルボン酸とから構成されるエステルが冷凍機潤滑油として用いることが開示されているが、潤滑性能において十分とはいえない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電気絶縁性、低温流動性、耐加水分解性、耐熱性に優れ、さらに潤滑性能にも優れた冷凍機潤滑油組成物及び冷凍機作動流体組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、ある特定のネオペンチルポリオールエステル2種と、ある特定の酸化防止剤を混合した冷凍機潤滑油組成物とハイドロフルオロカーボンとを主成分とする冷凍機作動流体組成物が前記の諸要求を十分に満足させうることの知見を得て、本発明をなすに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、
(1)下記A成分85〜99重量%、B成分0.1〜10重量%、C成分0.01〜5重量%からなるハイドロフルオロカーボン冷媒用冷凍機潤滑油組成物。
A成分:炭素数18以下で分子内に水酸基を2以上10以下有するネオペンチルポリオールと、平均炭素数が7以上9以下であり、かつ分岐カルボン酸を50モル%以上含む炭素数6以上10以下の1価カルボン酸の単一物又は混合物とから構成されるエステル;
B成分:炭素数18以下で分子内に水酸基を4以上10以下有するネオペンチルポリオールと、平均炭素数が4.5以上7未満であり、かつ分岐カルボン酸を30モル%以上含む炭素数4以上10以下の1価カルボン酸の単一物又は混合物とから構成されるエステル;
C成分:炭素数14以上30以下のフェノール類酸化防止剤。
【0016】
(2)A成分のエステルにおいて炭素数18以下で分子内に水酸基を2以上10以下有するネオペンチルポリオールがネオペンチルグルコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールよりなる群から選ばれる1又は2種以上のネオペンチルポリオールであり、B成分のエステルにおいて炭素数18以下で分子内に水酸基を4以上10以下有するネオペンチルポリオールがジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールよりなる群から選ばれる1又は2種以上のネオペンチルポリオールである上記(1)に記載の冷凍機潤滑油組成物。
(3)A及びB成分のエステルにおいて、分岐カルボン酸が2位の炭素原子に分岐鎖を有する分岐1価カルボン酸である上記(1)又は(2)に記載の冷凍機潤滑油組成物。
【0017】
(4)A及びB成分のエステルにおいて、分岐カルボン酸が分岐鎖としてメチル基またはエチル基を有する分岐1価カルボン酸である上記(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の冷凍機潤滑油組成物。
(5)A成分のエステルにおいて、分岐1価カルボン酸が、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、又は、3,5,5−トリメチルヘキサン酸である上記(1)、(2)又は(4)のいずれか1つに記載の冷凍機潤滑油組成物。
(6)B成分のエステルにおいて、炭素数4以上10以下の1価カルボン酸が、ブタン酸、ペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、又は、3,5,5−トリメチルヘキサン酸である上記(1)、(2)、(4)又は(5)のいずれか1つに記載の冷凍機潤滑油組成物。
【0018】
(7)C成分の炭素数14〜30以下のフェノール類酸化防止剤が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ter−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)から選ばれる1種以上である上記(1)ないし(6)のいずれか1つに記載の冷凍機潤滑油組成物。
(8)上記(1)ないし(7)のいずれか1つの冷凍機潤滑油組成物5〜70重量%とハイドロフルオロカーボン95〜30重量%からなる冷凍機作動流体用組成物。
(9)ハイドロフルオロカーボンが1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジフルオロメタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン又は1,1−ジフルオロエタンから選ばれる1種以上からなるハイドロフルオロカーボンである上記(8)に記載の冷凍機作動流体用組成物。である。
【0019】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のA成分となるエステルは、潤滑油の基油として用いられる。
本発明のA成分となるエステルを構成するネオペンチルポリオールは炭素原子数が18以下であることが必要で、好ましくは5以上15以下、さらに好ましくは5以上10以下である。炭素原子数が18を超えるネオペンチルポリオールを用いると、潤滑油組成物の粘度が高くなりすぎて使用できない。
本発明のA成分なるエステルを構成するネオペンチルポリオールは、分子内に水酸基が2以上10以下であり、2以上8以下が好ましい。分子内に水酸基が11以上の場合、潤滑油組成物の粘度が高くなりすぎて使用できなくなる。
【0020】
ネオペンチルポリオールとしては、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールなどのほか、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどに代表されるネオペンチルポリオールの脱水縮合物などが挙げられる。脱水縮合物については、合成後のエステルが要求される粘度に応じて縮合度を決定することができる。
【0021】
好ましいネオペンチルグリコールは合成後のエステルの動粘度およびその工業的な入手性、価格の経済性などから、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどである。また、冷蔵庫用冷凍機潤滑油にはネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのエステルが好ましく、空調用冷凍機潤滑油には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールのエステルが好ましい。
【0022】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のA成分となるエステルを構成する1価カルボン酸の平均炭素数は7以上9以下である。ここで平均炭素数は全1価カルボン酸のモル数で換算した平均炭素数を表す。平均炭素数が7未満になると、冷凍機潤滑油組成物の動粘度が低くなり、9を超えるとハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性に劣る傾向がある。
【0023】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のA成分となるエステルを構成する1価カルボン酸は直鎖1価カルボン酸及び分岐1価カルボン酸を含むが、このうち、分岐1価カルボン酸が全体の50モル%以上を占めることが必要で、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。分岐1価カルボン酸が50モル%未満となると、耐加水分解性及びハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性において、良好な結果が得られない。
【0024】
使用する1価カルボン酸の炭素原子数としては6以上10以下であり、6以上9以下がより好ましい。炭素数が11以上の1価カルボン酸を用いると、ハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性能が低下する傾向にある。
【0025】
分岐1価カルボン酸の側鎖アルキルの分岐の位置としては、カルボン酸の2位又は3位の炭素原子に分岐を有するものが好ましく、カルボン酸の2位の炭素に分岐を有するものがより好ましい。ネオペンチルポリオールエステルの熱分解の場合、1価カルボン酸の2位の水素が水素移動することにより分解が開始するが、2位又は3位の水素がアルキル基で置換されていると、水素移動が起こらないため安定である。さらにネオペンチルポリオールエステルの加水分解の場合、エステル基を遮蔽するので、1価カルボン酸の2位又は3位の水素がアルキル基で置換されていると、水のエステル基への攻撃が抑えられ、結果として耐加水分解性が高くなり、1価カルボン酸の2位のものがより好ましい。
【0026】
分岐1価カルボン酸の側鎖アルキルの構造としては、メチル基またはエチル基を有するものが、ハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性の面で好ましく、より好ましくは側鎖にメチル基を持つ分岐1価カルボン酸である。
【0027】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のA成分となるエステルを構成する1価カルボン酸は、単一物または混合物である。カルボン酸としては、飽和直鎖1価カルボン酸、飽和分岐1価カルボン酸が好ましく、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸;2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、3,3−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−メチル−2−エチルブタン酸、2,2,3−トリメチルブタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、3−メチルヘキサン酸、4−メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、3−メチルヘプタン酸、4−メチルヘプタン酸、2−プロピルペンタン酸、イソオクタン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、2,2,4,4−テトラメチルペンタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−メチルオクタン酸、2−エチルヘプタン酸、3−メチルオクタン酸、イソノナン酸、ネオノナン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−メチル−2−エチルヘプタン酸、2−メチル−2−プロピルヘキサン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸が挙げられる。このうち、ハイドロフルオロカーボンとの溶解性、耐熱分解性、耐加水分解性及び低温流動性の観点から、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が特に好ましい。
【0028】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のA成分となるエステルの重量比率としては、冷凍機潤滑油組成物中、85〜99重量%であり、90〜99重量%が好ましく、95〜99重量%がより好ましい。A成分が85重量%未満の場合は耐加水分解性が劣ることになり、99重量%を超える場合は潤滑性能に劣ることになる。
【0029】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のB成分となるエステルは、潤滑油の潤滑性能を向上させる。
本発明の冷凍機潤滑油組成物のB成分となるエステルを構成するネオペンチルポリオールは炭素原子数が18以下であることが必要で、好ましくは5〜15、さらに好ましくは5〜10である。炭素原子数が18を超えるネオペンチルポリオールを用いると、潤滑油組成物の粘度が高くなりすぎて使用に適さなくなる。
【0030】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のB成分となるエステルを構成するネオペンチルポリオールは、分子内に水酸基が4以上10以下であり、4以上8以下がより好ましい。分子内に水酸基が3以下の場合、分子量が小さくなるため潤滑性能を十分に付与できず、分子内に水酸基が11以上の場合は、潤滑油組成物の粘度が高くなりすぎて使用できなくなる。
【0031】
ネオペンチルポリオールとしては、ペンタエリスリトールなどのほか、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどに代表されるネオペンチルポリオールの脱水縮合物などが挙げられる。脱水縮合物については、合成後のエステルが要求される粘度に応じて縮合度を決定することができる。
【0032】
好ましいネオペンチルポリオールとして、合成されるエステルの動粘度および潤滑性の観点から、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパンなどが挙げられ、工業的な入手性、価格の経済性などから、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールがさらに好ましい。
【0033】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のB成分となるエステルを構成する1価カルボン酸の平均炭素数は4.5以上7未満であることが好ましい。平均炭素数が4.5未満になると、加水分解した場合に分解した脂肪酸が原因となり、腐食やキャピラリーチュ−ブの閉塞が生じ、冷凍機の故障が生じやすい。7を超えるとハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性に劣る傾向がある。
【0034】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のB成分となるエステルを構成する1価カルボン酸は直鎖1価カルボン酸及び分岐1価カルボン酸を含むが、このうち、分岐1価カルボン酸が全体の30モル%以上を占めることが必要で、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上である。分岐1価カルボン酸が30モル%未満となると、耐加水分解性およびハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性の面で、良好な結果が得られない。
【0035】
使用する1価カルボン酸としては、炭素数4以上10以下であり、4以上9以下がより好ましい。炭素数が3以下の1価カルボン酸を用いると、耐加水分解性に悪影響を与えたり、腐蝕性に富むものとなる。炭素数が11以上の1価カルボン酸を用いると、ハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性が低下する。
【0036】
分岐1価カルボン酸の側鎖アルキルの分岐の位置としては、カルボン酸の2位又は3位の炭素原子に分岐を有するものが好ましく、カルボン酸の2位の炭素に分岐を有するものがより好ましい。ネオペンチルポリオールエステルの熱分解の場合、1価カルボン酸の2位の水素が水素移動することにより分解が開始するが、2位又は3位の水素がアルキル基で置換されていると、水素移動が起こらないため安定である。さらにネオペンチルポリオールエステルの加水分解の場合、1価カルボン酸の2位又は3位の水素がアルキル基で置換されていると、エステル基を遮蔽するので、水のエステル基への攻撃が抑えられ、結果として耐加水分解性が高くなる。したがって、1価カルボン酸のうち、2位に分岐鎖を有するものがより好ましい。
【0037】
分岐1価カルボン酸の側鎖アルキルの構造としては、メチル基またはエチル基を有するものが、ハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性の面で好ましく、より好ましくは側鎖にメチル基を持つ分岐1価カルボン酸である。
【0038】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のB成分となるエステルを構成する1価カルボン酸は、単一物又は混合物である。カルボン酸としては、飽和直鎖1価カルボン酸、飽和分岐1価カルボン酸が好ましく、例えば、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸;2−メチルプロパン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、2,2−ジメチルプロパン酸、2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、3,3−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−メチル−2−エチルブタン酸、2,2,3−トリメチルブタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、3−メチルヘキサン酸、4−メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、3−メチルヘプタン酸、4−メチルヘプタン酸、2−プロピルペンタン酸、イソオクタン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、2,2,4,4−テトラメチルペンタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−メチルオクタン酸、2−エチルヘプタン酸、3−メチルオクタン酸、イソノナン酸、ネオノナン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−メチル−2−エチルヘプタン酸、2−メチル−2−プロピルヘキサン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸が挙げられる。このうち、ハイドロフルオロカーボンとの溶解性、潤滑性、耐加水分解性および低温流動性の観点から、ブタン酸、ペンタン酸;2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が特に好ましい。
【0039】
1価カルボン酸の好ましい組み合わせは、炭素数4又は5の直鎖の1価カルボン酸30〜70モル%、及び炭素数6以上10以下の分岐の1価カルボン酸30〜70モル%の混合物である。より好ましい組み合わせは炭素数4又は5の直鎖の1価カルボン酸50〜60モル%、及び炭素数6以上10以下の分岐の1価カルボン酸40〜50モル%の混合物である。この場合、炭素数4又は5の直鎖の1価カルボン酸としては潤滑性の観点から、ブタン酸又はペンタン酸が好ましく、ペンタン酸がより好ましい。炭素数6以上10以下の分岐の1価カルボン酸としては、ハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性、耐加水分解性及び低温流動性の観点から、2−メチルペンタン酸、2−エチルブタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が好ましく、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸が特に好ましい。
【0040】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のB成分となるエステルの量としては、冷凍機潤滑油組成物中、0.1〜10重量%であり、0.5〜7.5重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。B成分が0.1重量%未満の場合は潤滑性能が十分ではなく、10重量%より多い場合は耐摩耗性、耐加水分解性の点で劣る傾向がある。
【0041】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のA又はB成分となるネオペンチルポリオールエステルの製造例としては、アルコールと1価カルボン酸を必要に応じ、触媒や共沸溶剤とともに、不活性ガス、高温下で発生するガスを凝縮し、凝縮液体の中から水分を除去し、未反応の1価カルボン酸を反応混合物へ還流する製造方法がある。さらにストリッピング、蒸留、アルカリ中和工程などにより精製され、さらにアルミナ、マグネシア、活性白土、活性炭、酸性白土、ゼオライトなどを用いた吸着操作、液体クロマトグラフィーなどにより、エステルが精製、及び分離される。
【0042】
本発明の冷凍機潤滑油組成物A又はB成分となるネオペンチルポリオールエステルの製造時の仕込み比率としては、ネオペンチルポリオールの水酸基と1価カルボン酸の当量比が1:0.9〜2が好ましく、1:1〜1.5がより好ましく、1:1.01〜1.3がさらに好ましい。ネオペンチルポリオールの水酸基と1価カルボン酸の当量比が1:0.9より少ない場合、生成するネオペンチルポリオールエステルの水酸基価が高くなり、耐熱分解性、耐加水分解性が劣り、ハイドロフルオロカーボンとの溶解性に問題を生じ、濁りを発生し、冷凍サイクル中のキャピラリーチューブの閉塞などの原因となり好ましくない。製造時に、ネオペンチルポリオールの水酸基と1価カルボン酸の当量比を1:2より多くした場合には、コスト高となり経済的に好ましくない。
【0043】
反応温度としては、120〜270℃が好ましく、150〜260℃がより好ましく、180〜250℃がさらに好ましい。120℃より低い場合は反応時間が長時間を要し、270℃を超える温度では熱分解が生じ、生成したネオペンチルポリオールエステルが耐熱性の低いものとなる。
【0044】
本発明の冷凍機潤滑油組成物及び、A又はB成分となるネオペンチルポリオールエステルのそれぞれの酸価は0.1mgKOH/g以下が好ましく、0.05mgKOH/g以下がより好ましく、0.02mgKOH/g以下がさらに好ましく、0.01mgKOH/g以下が特に好ましい。酸価が0.1mgKOH/gより高い場合、腐食の原因となったり、1価カルボン酸と金属材料とから金属石鹸が発生し、キャピラリーチューブを閉塞し、冷凍機の故障の原因となり、好ましくない。
【0045】
本発明の冷凍機潤滑油組成物及び、A又はB成分となるネオペンチルポリオールエステルのそれぞれの水酸基価は30mgKOH/g以下が好ましく、10mgKOH/g以下がより好ましく、5mgKOH/g以下がさらに好ましく、3mgKOH/g以下が特に好ましい。水酸基価が30mgKOH/gより高い場合、耐熱性に劣り、粘度増加、着色などが生じ、寿命が低減されたり、パッキンなどの有機樹脂材料を膨潤させたり、溶出させたりし、この溶出物がキャピラリーチューブを閉塞するなどの冷凍機の故障の原因となる可能性があるので、好ましくない。
【0046】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のC成分となるフェノール類酸化防止剤としては、炭素数14以上30以下であることが必要である。炭素数が13以下であると、ヒンダードフェノールの構造をとらず、酸化防止機能が不十分となり、炭素数が31以上となると本発明に用いる冷凍機潤滑油組成物のA及びB成分との溶解性が悪くなり不溶解分が発生し、使用できなくなる。
【0047】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のC成分となるフェノール類酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ter−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)などが挙げられ、ネオペンチルポリオールエステルとの溶解性の点で、2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが好ましく、本発明に用いる冷凍機潤滑油組成物が幅広い温度範囲で熱酸化安定性が良好であり、熱酸化分解物が引き起こす摩耗や加水分解の観点から、酸化防止剤の揮発の少ない2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ter−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール)が好ましい。
【0048】
本発明の冷凍機潤滑油組成物のC成分となるフェノール類酸化防止剤の重量比率としては、冷凍機潤滑油組成物中、0.01〜5重量%であり、0.05〜2.5重量%が好ましく、0.05〜1重量%がより好ましい。C成分が0.01重量%未満の場合は酸化安定性が不十分であり、分解物が発生するため、この分解物が起因する摩耗や加水分解が発生しやすくなる。5重量%より多い場合は着色の問題や潤滑性不良の問題を生じ易くなる。
【0049】
本発明の冷凍機潤滑油組成物は、冷凍機油用添加剤、たとえば、酸化防止剤、極圧剤、金属不活性化剤、酸補足剤などを、単体又は数種を組み合わせて添加、混合して、ハイドロフルオロカーボン冷媒用の潤滑剤組成物として使用することができる。
本発明に用いる潤滑剤組成物への前記の添加剤の添加量は、通常、冷凍機油全量に対して、10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
【0050】
本発明の冷凍機潤滑油組成物は、ナフテン系鉱物油、パラフィン系鉱物油、ポリα−オレフィン、アルキルベンゼン、エステル(A成分、B成分となるエステルを除くエステル)、炭酸エステル、ポリビニルエーテル、含フッ素ポリエーテルに代表されるフッ素化油などの他の潤滑油を単独でまたは数種を組み合わせて添加、混合して、ハイドロフルオロカーボン冷媒用の潤滑剤組成物として使用することもできる。
【0051】
本発明の冷凍機潤滑油組成物は、100℃における動粘度が1〜150mm2/s、好ましくは1.5〜100mm2/s、さらに好ましくは2〜50mm2/sである。上記の動粘度が1mm2/sより低いと潤滑性能が不足するため、また上記の動粘度が150mm2/sより高いとハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性が低下するため、いずれも好ましくない。
【0052】
本発明の冷凍機作動流体組成物は、本発明に用いる潤滑剤組成物と、冷媒としてのハイドロフルオロカーボンとからなるものであるが、両者の重量比としては、冷凍機用合成潤滑油:非塩素系フロンが、一般に、1〜99:99〜1、好ましくは5〜70:95〜30であるのがよい。
【0053】
本発明の冷凍機作動流体組成物に用いるハイドロフルオロカーボン冷媒としては、HFC−134a、HFC−32、HFC−125、HFC−143aのほか、HFC−152aなどを用いることができる。用途、冷却温度、冷却装置の形状等に応じて、これらのうちのいずれか、または前記の混合物であるR−407C、R−410A、R−410B、R−404A、R−507Aなどを適宜選択できる。
また第3世代フロンとしてのHFE−245mc、HFE−227me、HFE−125、HFE−143m、HFE−134pに使用できる。
【0054】
本発明の冷凍機作動流体組成物は、ハイドロフルオロカーボン冷媒を圧縮する密閉型圧縮機と、これを凝縮させる凝縮器と、膨張させる膨張機構と、蒸発させる蒸発器とを備えた冷凍機への使用に適している。
【0055】
【実施例】
実施例により本発明を具体的に説明する。なお、実施例中、特に記載がない場合以外、%は重量%を示す。
【0056】
参考例1
(A成分エステルA−1〜A−9の製造)
表1に示すネオペンチルポリオール及び1価カルボン酸を水酸基価とカルボキシル基の当量で1:1.03の比率で撹拌装置、窒素吹き込み管、温度計及び冷却器付き水分離器を備えた四つ口フラスコに入れて、窒素気流下、240℃で酸価を適宜測定しつつ、留出水を除きながら12時間反応を行い、さらにその後減圧(6.7KPa(50mmHg))にして同じ温度で3時間反応を行った。その後ストリッピングを行い未反応の1価カルボン酸を留去した後、水酸化ナトリウム水にて中和を行い、アルミナで吸着処理を行った後、濾過を行い、表1に示す各々の酸価と水酸基価を持つA成分エステルA−1〜A−9を得た。なお、各エステルの脂肪酸の構成比率は、ガスクロマトグラフィーでの分析の結果、仕込み比率と同一であることを確認した。
【0057】
参考例2
(B成分エステルB−1〜B−6の製造)
表2に示すネオペンチルポリオール及び1価カルボン酸を水酸基価とカルボキシル基の当量で1:1.03の比率で撹拌装置、窒素吹き込み管、温度計及び冷却器付き水分離器を備えた四つ口フラスコに入れて、窒素気流下、220℃で酸価を適宜測定しつつ、留出水を除きながら12時間反応を行い、さらにその後減圧(6.7KPa(50mmHg))にして同じ温度で3時間反応を行った。その後ストリッピングを行い未反応の1価カルボン酸を留去した後、水酸化ナトリウム水にて中和を行い、アルミナで吸着処理を行った後、濾過を行い、表2に示す各々の酸価と水酸基価を持つB成分エステルB−1〜B−6を得た。なお、各エステルの脂肪酸の構成比率は、ガスクロマトグラフィーでの分析の結果、仕込み比率と同一であることを確認した。
【0058】
参考例3
(エステルD−1〜D−8の製造)
表3に示すネオペンチルポリオール及び1価カルボン酸を水酸基価とカルボキシル基の当量で1:1.03の比率(ただし、D−5は、1:0.85の比率)で撹拌装置、窒素吹き込み管、温度計及び冷却器付き水分離器を備えた四つ口フラスコに入れて、窒素気流下、220〜240℃で酸価を適宜測定しつつ、留出水を除きながら12時間反応を行い、さらにその後減圧(6.7PKa(50mmHg))にして同じ温度で3時間反応を行った。その後ストリッピングを行い未反応の1価カルボン酸を留去した後、水酸化ナトリウム水にて中和を行い、アルミナで吸着処理を行った後、濾過を行い、表3に示す各々の酸価と水酸基価を持つ比較例エステルD−1〜D−8の製造を得た(ただし、D−7については、中和処理、アルミナ吸着処理を省略した。)。なお、各エステルの脂肪酸の構成比率は、ガスクロマトグラフィーでの分析の結果、仕込み比率と同一であることを確認した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
表1〜3において、ネオペンチルポリオール及び1価脂肪酸の仕込み比はモル比で表す。
表1〜表3において、略号は以下の意味である。
NPG:ネオペンチルグリコール、TMP:トリメチロールプロパン、PE:ペンタエリスリトール、DTMP:ジペンタエリスリトール、nC3:プロピオン酸、nC4:ブタン酸、nC5:ペンタン酸、bC5:2−メチルブタン酸、bC6:2−エチルブタン酸、nC7:ヘプタン酸、bC7:2−メチルヘキサン酸:2−エチルペンタン酸=80:20(重量比)の混合脂肪酸、bC8:2−エチルヘキサン酸、bC9:3,5,5−トリメチルヘキサン酸、nC10:デカン酸、nC12:ラウリン酸、nC20:アラキン酸。
【0063】
実施例1〜12、比較例1〜18
A成分エステル(A−1〜A−9)、B成分エステル(B−1〜B−6)及びC成分を配合し、表4、5に示す潤滑油組成物を得た。エステルD−1〜D−8の単独又はA、B、C及びE成分(比較用のための抗酸化剤)とを配合し、表6〜8に示す比較例潤滑油組成物を得た。なお、表中の略語は以下の意味である。
DBMP:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、MMBP:2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ter−ブチルフェノール)、BBMP:4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、DODPA:ジオクチルジフェニルアミン、ZDTP:ジンクジアリルジチオホスフェート。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
表4〜8中において、各成分の仕込み比は重量比で表す。
【0070】
実施例、比較例の各潤滑油組成物について、冷凍機用潤滑油としての物性及び性能を下記の試験方法にて測定した。これらの結果を、表9〜13に示す。
<酸価> 酸価を滴定法にて測定した(JIS C 2101)。
<水酸基価> 水酸基価を水酸基と反応して消費された無水酢酸量を滴定すること(逆滴定法)によって測定した(JIS K 0070)。
<動粘度> 動粘度を40℃および100℃で測定した(JIS K 2283)。
<流動点> 流動点を測定した。(JIS K 2269)。
<電気絶縁性> 体積固有抵抗を80℃で測定した。(JIS C 2101)。
<相溶性> 試料0.6gと、ハイドロフルオロカーボン冷媒{HFC−134a及びR−407C(HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52重量%)}2.4gとを、ドライアイスを入れたエタノール浴で冷却した肉厚パイレックス(登録商標)チューブ(全長300mm、外径10mm、内径6mm)に封入し、1℃/分の割合で昇温し、あるいは冷却を行い、高温及び低温での二層分離温度を、−70℃から+80℃の範囲で目視により測定した。
<耐加水分解性> 容量6mlの硬質ガラスアンプルに、水分を1,500±300ppmに調整した試料を5ml注入した。アンプル内部のヘッドスペース部位を窒素置換し、封管したのち、150℃で300時間加熱した。試験終了後、開封し、試料の酸価を測定した。
<耐摩耗性(潤滑性能)> ASTM D−2670に準拠して、試料中にHFC−134aを150ml/分の割合で吹き込みつつ、Falex摩耗試験を行った。試料温度を100℃とし、150ポンドの荷重で1分間慣らし運転したのちに、250ポンドの荷重のもとで2時間運転し、運転終了後のピンの摩耗量を測定した。摩耗の程度が低いほど、潤滑油の潤滑性能は高い。
<有機絶縁材料の安定性> 水分量を30ppm以下に調整した試料100g、HFC−134aを100gおよび十分に乾燥させたPETフィルム(商品名、ルミラーH10、東レ株式会社製)20gを各オートクレーブ中に入れ、150℃で10日間試験した後、HFC―134aとPETフィルムを除去し、油に含まれるPETオリゴマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した。同時に試験後のPETフィルムの外観を観察した。
【0071】
【表9】
【0072】
【表10】
【0073】
【表11】
【0074】
【表12】
【0075】
【表13】
【0076】
なお、表14には、市販の冷凍機油試料F−1〜F−3の潤滑油について測定した結果を示す。
【0077】
【表14】
【0078】
*:HFC−134aと不溶のため測定せず。
【0079】
表中の略号は以下の意味である。
F−1:ポリオキシアルキレングリコール油(ISO粘度グレード:VG56)
F−2:鉱物油系冷凍機油(ISO粘度グレード:VG32)
F−3:アルキルベンゼン系冷凍機油(ISO粘度グレード:VG46)
【0080】
本発明の例である例1〜12は、動粘度、流動点、体積固有抵抗、HFC−134a及びHFC−407Cとの溶解性、耐加水分解性、耐摩耗性、及び有機絶縁材料との安定性において優れた性質を有することがわかる。
【0081】
例13は、エステルが炭素数3の1価カルボン酸を含む例であり、耐加水分解性、耐摩耗性、有機絶縁材料との安定性において例1〜12よりも劣る。
例14は、エステルが炭素数20の1価カルボン酸を含む例であり、HFC−134a及びHFC−407Cとの溶解性、耐加水分解性、有機絶縁材料との安定性において例1〜12よりも劣る。
例15は、C成分の割合が0.005重量%の例であり、耐加水分解性、耐摩耗性、有機絶縁材料との安定性において例1〜12よりも劣る。
【0082】
例16は、B成分エステルの割合が少ないときの例であり、HFC−134a及びHFC−407Cとの溶解性、耐加水分解性、耐摩耗性において例1〜12よりも劣る。
例17は、C成分の割合が多いときの例であり、耐摩耗性において例1〜12よりも劣る。
例18は、A成分エステルのみの例であり、HFC−134a及びHFC−407Cとの溶解性、耐加水分解性、耐摩耗性、有機絶縁材料との安定性において例1〜12よりも劣る。
【0083】
例19は、エステルが炭素数12の1価カルボン酸を含むときの例であり、流動点、HFC−134a及びHFC−407Cとの溶解性、有機絶縁材料との安定性において1〜12よりも劣る。
例20は、エステルの水酸基価が例1〜12よりも高いものの例であり、体積固有抵抗、耐加水分解性、有機絶縁材料との安定性において劣る。
例21は、A成分エステル及びC成分からなるときの例であり、HFC−134a及びHFC−407Cとの溶解性、耐摩耗性において例1〜12よりも劣る。
【0084】
例22は、例7を構成するA成分エステルであるA−6とB成分エステルであるB−4を混合する代わりに、A−6とB−4を合わせた組成でネオペンチルアルコールと該当する1価カルボン酸からなるエステルを製造し、これを評価したときの例であり、耐摩耗性において例7よりも劣る。
例23は、エステルの水酸基価が例1〜12よりも高いものの例であり、体積固有抵抗、耐加水分解性、耐摩耗性、有機絶縁材料との安定性において実施例1〜12よりも劣る。
【0085】
例24は、1価カルボン酸中の分岐カルボン酸の比率がA成分エステルより少ないエステルの例であり、耐加水分解性おいて例1〜12よりも劣る。
例25は、1価カルボン酸中の分岐カルボン酸の比率がB成分エステルより少なく、かつ1価カルボン酸の平均炭素数が少ないエステルの例であり、耐加水分解性、耐摩耗性、有機絶縁材料との安定性において例1〜12よりも劣る。
例26は、A成分エステルのみの例であり、例7および8と比較し、HFC−134aおよびHFC−407Cとの溶解性、耐摩耗性、有機絶縁材料との安定性において劣る。
【0086】
例27は、A及びB成分エステルのみの例であり、例2と比較し、耐加水分解性、耐摩耗性、有機絶縁材料との安定性において劣る。
例28は、A及びB成分エステルのみの例であり、例4と比較し、耐加水分解性、有機絶縁材料との安定性において劣る。
例29は、例3のC成分のフェノール類酸化防止剤MMBPをE成分のDODPAに置き換えたものであり、例3と比較し、耐加水分解性、耐摩耗性、有機絶縁材料との安定性において劣る。
例30は、例10のC成分のフェノール類酸化防止剤MMBPをE成分のZDTPに置き換えたものであり、10と比較し、体積固有抵抗、HFC−134a及びHFC−407Cとの溶解性、耐加水分解性、耐摩耗性、有機絶縁材料との安定性において劣る。
【0087】
表14に示す既存の潤滑油(F−1〜F−3)との比較においても本発明の実施例1〜12の方が諸物性においてバランス良く優れているのがわかる。
【0088】
以上より、本発明の冷凍機潤滑油組成物は、流動点が−35℃以下であり、ハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性を示す範囲もHFC−134aでは−15℃以下、高温側で+70℃以上、R−407Cでは低温側で−4℃以下、高温側で+55℃以上と広範囲の温度域にわたり、しかも体積固有抵抗は1013〜1014Ωcmと大きく、耐加水分解性試験後の試料の酸価上昇も小さく、高い耐摩耗性を示し、有機絶縁材料であるPETフィルムの溶出量も少なく、冷凍機潤滑油として好適である。
【0089】
【発明の効果】
本発明の潤滑剤組成物は、潤滑性能に優れ、電気絶縁性、低温流動性、耐加水分解性、耐熱性に優れる。また、本発明の潤滑剤組成物とHFC−134a、HFC−32、HFC−125に代表されるハイドロフルオロカーボン冷媒とからなる本発明の冷凍機作動流体組成物は、広い温度範囲で相溶性が得られ冷凍機に使用できる。
Claims (9)
- 下記A成分85〜99重量%、B成分0.1〜10重量%、C成分0.01〜5重量%からなるハイドロフルオロカーボン冷媒用冷凍機潤滑油組成物。
A成分:炭素数18以下で分子内に水酸基を2以上10以下有するネオペンチルポリオールと、平均炭素数が7以上9以下であり、かつ分岐カルボン酸を50モル%以上含む炭素数6以上10以下の1価カルボン酸の単一物又は混合物とから構成されるエステル;
B成分:炭素数18以下で分子内に水酸基を4以上10以下有するネオペンチルポリオールと、平均炭素数が4.5以上7未満であり、かつ分岐カルボン酸を30モル%以上含む炭素数4以上10以下の1価カルボン酸の単一物又は混合物とから構成させるエステル;
C成分:炭素数14以上30以下のフェノール類酸化防止剤。 - A成分のエステルにおいて炭素数18以下で分子内に水酸基を2以上10以下有するネオペンチルポリオールがネオペンチルグルコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びトリペンタエリスリトールよりなる群から選ばれる1又は2種以上のネオペンチルポリオールであり、B成分のエステルにおいて炭素数18以下で分子内に水酸基を4以上10以下有するネオペンチルポリオールがジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトールよりなる群から選ばれる1又は2種以上のネオペンチルポリオールである請求項1に記載の冷凍機潤滑油組成物。
- A及びB成分のエステルにおいて、分岐カルボン酸が2位の炭素原子に分岐鎖を有する分岐1価カルボン酸である請求項1又は2に記載の冷凍機潤滑油組成物。
- A及びB成分のエステルにおいて、分岐カルボン酸が分岐鎖としてメチル基またはエチル基を有する分岐1価カルボン酸である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の冷凍機潤滑油組成物。
- A成分のエステルにおいて、分岐1価カルボン酸が、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、又は、3,5,5−トリメチルヘキサン酸である請求項1、2又は4のいずれか1項に記載の冷凍機潤滑油組成物。
- B成分のエステルにおいて、炭素数4以上10以下の1価カルボン酸が、ブタン酸、ペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、又は、3,5,5−トリメチルヘキサン酸である請求項1、2、4又は5のいずれか1項に記載の冷凍機潤滑油組成物。
- C成分の炭素数14〜30以下のフェノール類酸化防止剤が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ter−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)から選ばれる1種以上である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の冷凍機潤滑油組成物。
- 請求項1ないし7のいずれか1項の冷凍機潤滑油組成物5〜70重量%とハイドロフルオロカーボン95〜30重量%からなる冷凍機作動流体用組成物。
- ハイドロフルオロカーボンが1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジフルオロメタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン又は1,1−ジフルオロエタンから選ばれる1種以上からなるハイドロフルオロカーボンである請求項8に記載の冷凍機作動流体用組成物。
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