JP3879184B2 - 冷凍機用潤滑油および冷凍機作動流体組成物 - Google Patents

冷凍機用潤滑油および冷凍機作動流体組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、とくに非塩素系フロンを冷媒とする冷凍機の冷凍機油として用いる潤滑油と、当該潤滑油と非塩素系フロンとを含有する冷凍機作動流体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、圧縮式冷凍機には、冷媒としてCFC−11(CCl3 F、トリクロロモノフルオロメタン)、CFC−12(CCl2 2 、ジクロロジフルオロメタン)、HCFC−22(CHClF2 、モノクロロジフルオロメタン)、CFC−115(CF3 −CClF2 、モノクロロペンタフルオロエタン)などのフロン冷媒が用いられている。しかし、CFC−12をはじめとするクロロフルオロカーボンは、オゾン層の破壊につながるものとして、規制の対象となり、また、HCFC−22をはじめとするハイドロクロロフルオロカーボンについても、現状ではオゾン層の破壊能力が比較的低いため使用可能であるが、中長期的にはその使用の規制が決定されている。
【0003】
これらクロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン冷媒の代替品として、非塩素系フロンが用いられようとしており、CFC−12の代替としては、熱力学的物性が類似しているHFC−134a(CH2 F−CF3 、1,1,1,2−テトラフルオロエタン)が、同様にHCFC−22の代替としてはHFC−32(CH2 2 、ジフルオロメタン)およびHFC−125(1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン)を含有する混合冷媒であるR−407C(HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52wt%)、R−410A(HFC−32/HFC−125=50/50wt%)およびR−41OB(HFC−32/HFC−125=45/55wt%)などが、R−502(CFC−12/CFC−115=48.8/51.2wt%)の代替としてはHFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン)を含有するR−404A(HFC−125/HFC−143a/HFC−134a=44/52/4wt%)などが提唱されている。
【0004】
さらに前記非塩素フロンでも地球を温暖化させてしまうという欠点を持つことから、酸素、窒素、硫黄原子を含有し、地球温暖化傾向の低い第3世代フロンの開発が世界各国でなされている。具体例として、特開平7−179386号公報では1−トリフルオロメトキシ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパンが、特開平7−179387号公報ではペンタフルオロエチル2,2−ジフルオロエチルエーテルが、特開平7−48306号公報では1,1−ジフルオロエチル2,2−ジフルオロエチルエーテルが、特開平7−41447号公報では1,1,2−トリフルオロエチル2,2−ジフルオロエチルエーテルが、特開平7−25803号公報では1,1−ジフルオロエチルメチルエーテルが、特開平6−293686号公報ではメチル1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテルが、特開平6−293687号公報ではペンタフルオロエチル2,2,2−トリフルオロエチルエーテルが、特開平8−34754号公報ではペンタフルオロエチルフルオロプロピルエーテル類が、特開平8−34755号公報ではヘプタフルオロプロピルフルオロアルキルエーテル類が各々提唱されている。
【0005】
冷凍機用潤滑油には種々の要求性能があるが、冷媒との相溶性は該潤滑油の潤滑性能およびシステムの効率の面から極めて重要である。しかし、HFC−134aやHFC−32に代表される非塩素系フロン冷媒は、圧縮式冷凍システムにおいて従来冷凍機用潤滑油として用いられてきたナフテン系鉱物油やパラフィン系鉱物油、アルキルベンゼンなどを基油とした冷凍機用潤滑油とは相溶性をほとんど示さず、低温域および高温域で二層分離を起こすことが知られている。二層分離が生じると、凝縮器や膨張器に潤滑油が滞留し、冷凍効率が低下したり、圧縮機の摺動面への該潤滑油の供給が満足に行われなくなり、潤滑不良となって圧縮機の焼き付き発生などの不都合が生じたりするため、実際の使用には耐えられない。
【0006】
そのような中で、非塩素系フロン冷媒と相溶性を示す種々の潤滑油が提案されている。
たとえば、特表平2−502385号公報には、特定の分子量分布を有し、両末端が水酸基であるポリオキシアルキレングリコールエーテル系潤滑油が提案されている。このものは、HFC−134aとは約−40℃〜+50℃程度の範囲で相溶性を示す。しかし、実際の使用に際しては、より高い温度での相溶性が必要である。
【0007】
一方、HFC−134aは主に家庭用冷蔵庫やカーエアコンに、HFC−32を含有する混合冷媒は主にルームエアコンや産業用冷凍機に、それぞれ使用されている。家庭用冷蔵庫やルームエアコンの場合、圧縮機を駆動するモーターは冷媒−冷凍機用潤滑油混合物中で使用されるタイプがほとんどであり、冷凍機用潤滑油にはすぐれた電気絶縁性が要求される。ところが、ポリオキシアルキレングリコールエーテルの電気絶縁性は、従来のナフテン系鉱物油およびパラフィン系鉱物油と比較すると著しく劣り、また吸湿性も高い。そのため、家庭用冷蔵庫やルームエアコンなどの冷凍機用潤滑油としては不適当である。
【0008】
特表平3−505602号公報には、1価カルボン酸と多価アルコールとからなるポリオールエステルや、1価カルボン酸と多価カルボン酸と多価アルコールとからなるコンプレックスエステルが、非塩素系フロン冷媒用潤滑油として提案されている。
これら提案のエステル化合物の場合、吸湿性はポリオキシアルキレングリコールエーテルより低く、HFC−134aとの相溶性もポリオキシアルキレングリコールエーテルよりも広い温度範囲で良好である。また、特開平3−128991号公報および同3−128992号公報に記載のように、電気絶緑性も、体積固有抵抗が80℃で1013〜1014Ωcm程度と、冷凍庫やルームエアコンなどの冷凍機用潤滑油として十分に使用可能な値を有している。しかし、潤滑性において不十分なものである。
【0009】
また、冷凍機用潤滑油には、冷凍機の種類などに応じて種々の粘度グレードが要求され、現在では主にISO粘度グレードでVG8〜VG320のものが用いられているが、コンプレックスエステルの場合は、電気絶縁性が良好で、各種の粘度グレードのエステルを得ることが可能である。
しかしながら、上記提案のエステル化合物は、水の存在下で加水分解を起こしやすく、冷凍システムを腐蝕させることが懸念される。ポリオールエステルの場合は、原料の脂肪酸として分岐脂肪酸を用いることで、実用上問題ない程度にまで加水分解を抑制することが可能である。しかしコンプレックスエステルの場合、ポリオールエステルと比べて潤滑性およびHFC−134aとの相溶性は良好であるものの、耐加水分解性に劣る。これは、工業的に入手可能な多価カルボン酸のほとんどが直鎖であることに起因し、直鎖多価カルボン酸の結合した部位が加水分解しやすいためと考えられる。
【0010】
さらに、従来提案されているポリオールエステルとコンプレックスエステルは、HFC−134aとの相溶性はある程度満足できても、HFC−32を含有する混合冷媒との相溶性は十分に得られているとはいえない。
貯蔵安定性を付与する潤滑油用摩擦調整剤として特開平6−25684号公報にはアルカノールアミンのエステル化物が提案されているが、電気絶縁性および耐加水分解性において不十分である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のことから、本発明は、HFC−134aやHFC−32に代表される非塩素系フロン冷媒と広範囲の温度域ですぐれた相溶性を示すとともに、電気絶縁性および耐加水分解性にも優れ、しかも広範囲の粘度グレード値に対応ができ、かつ優れた潤滑性を有する冷凍機用潤滑油と、当該冷凍機用潤滑油の優れた特性に起因する高性能の冷凍機作動流体組成物を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋭意検討した結果、(a)分枝カルボン酸が50モル%以上を占める炭素数4〜18の脂肪酸と(b)第一級または第二級アミノ基をもつアミノアルコールとの脱水縮合物の(c)炭素数2〜5のアルキレンオキシド附加物、および当該附加物の水酸基の水素を炭素数1〜18のアルキル基または分枝アシル基が50モル%以上を占める炭素数4〜18のアシル基で置換した化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する冷凍機用潤滑油、および前記冷凍機用潤滑油と非塩素系フロンを主成分とする冷凍機作動流体組成物が前記の諸性能をすべて満足させうることを見いだし、本発明をなすに至った。
【0013】
すなわち、第一の本発明は、(a)分枝カルボン酸が50モル%以上を占める炭素数4〜18の脂肪酸と(b)第一級または第二級アミノ基をもつアミノアルコールとの脱水縮合物の(c)炭素数2〜5のアルキレンオキシド附加物(以下、化合物A1ともいう)、および当該附加物(化合物A1)の水酸基の水素を炭素数1〜18のアルキル基または分枝アシル基が50モル%以上を占める炭素数4〜18のアシル基で置換した化合物(以下、化合物A2ともいう)から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する冷凍機用潤滑油である。
また、第二の本発明は、当該冷凍用潤滑油と非塩素系フロンからなる冷凍機作動流体組成物である。
なお、本明細書においては、化合物A1および化合物A2とを化合物Aと総称することもある。また、化合物A1、化合物A2、化合物Aという場合、該化合物単独ばかりでなく、反応混合物も含む概念とする。
【0014】
本発明に用いる(a)成分の脂肪酸は、炭素数が4〜18であり、好ましくは4〜13、さらに好ましくは4〜10である。炭素数が3以下の脂肪酸を用いると、耐加水分解性に悪影響を与えたり、耐腐蝕性に劣るものとなり、また炭素数が19以上の脂肪酸を用いると、非塩素系フロン冷媒との相溶性が低下する。
この脂肪酸には、直鎖脂肪酸および分岐脂肪酸が含まれるが、このうち、分岐脂肪酸が脂肪酸全体の50モル%以上を占めることが必要であり、好ましくは70モル%以上を占めること、より好ましくは80モル%以上を占めること、さらに好ましくは90モル%以上を占めることである。分岐1価カルボン酸が50モル%未満となると、耐加水分解性および非塩素系フロン冷媒との相溶性の面で、良好な結果が得られない。
【0015】
直鎖脂肪酸としては、たとえば、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などが挙げられる。
【0016】
分岐脂肪酸としては、たとえば、2−メチルプロパン酸、2−メチルブタン酸、3−メチルブタン酸、2,2−ジメチルプロパン酸、2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、3,3−ジメチルブタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、2−メチル−2−エチルブタン酸、2,2,3−トリメチルブタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、3−メチルヘキサン酸、4−メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5−ジメチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、3−メチルヘプタン酸、4−メチルヘプタン酸、2−プロピルペンタン酸、イソオクタン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、2,2,4,4−テトラメチルペンタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−メチルオクタン酸、2−エチルヘプタン酸、3−メチルオクタン酸、イソノナン後、ネオノナン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−メチル−2−エチルヘプタン酸、2−メチル−2−プロピルヘキサン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。
【0017】
このような分岐脂肪酸の中でも、カルボキシル基に隣接する2位の炭素原子に分岐アルキル基が存在するものが良好な耐加水分解性を得るうえで好ましい。また、非塩素系フロン冷媒との相溶性の面からすると、カルボン酸の分岐アルキル基はメチル基またはエチル基であることが好ましい。
【0018】
本発明に用いる(b)成分のアミノアルコールは、アミノ基が第一級または第二級のものである。当該アミノアルコールのアルコール部分は炭素数1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4である。
第1級アミノ基を持つアミノアルコールとしては、モノエタノールアミン、2−アミノ−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、モノイソプロパノールフミン、2−アミノ−1−ブタノールなどが挙げられる。
第2級アミノアルコールにおいて、N原子に置換するアルキル基としては、炭素数1〜18、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4である。第2級アミノ基を持つアミノアルコールとしては、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどが挙げられる。
【0019】
本発明において、上記(b)成分のアミノアルコールの使用割合は、(a)成分の脂肪酸との間に生成する脱水縮合物の生成を妨げない範囲内で、任意に選択することが可能であるが、一般には、前記(a)成分の脂肪酸1モルに対し、0.2〜10モル程度、好ましくは0.3〜3モル程度の使用量とするのがよい。
【0020】
(a)成分と(b)成分とを縮合して得られる脱水縮合物の特に好ましい例としては、例えば2−エチルヘキサン酸、イソヘプタン酸、イソノナン酸、2−メチルブタン酸などと、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどとの脱水縮合物が挙げられる。
【0021】
本発明に用いる(c)成分のアルキレンオキシドは炭素数2〜5のものである。当該アルキレンオキシドとしては、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、1−ペンテンオキシド、2−メチル−2−ブテンオキシド、グリシドール、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどが挙げられる。
当該アルキレンオキシドを、単独付加、ランダム付加またはブロック付加などの適宜の方法にて前記脱水縮合物に対して付加させて化合物A1とされる。
【0022】
本発明で用いられる脂肪酸とアミノアルコールとの脱水縮合物に対する(c)成分のアルキレンオキシドの付加モル数は、1〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜80である。付加モル数が200を超えると、冷凍機用潤滑油の動粘度が高くなり過ぎ、冷凍機作動流体組成物に用いる潤滑油として使用できない。
【0023】
本発明に用いる冷凍機用潤滑油に使用される化合物A1は、上記成分を常法により反応させることにより得られ、たとえば、脂肪酸と上記アミノアルコールとを脱水縮合させた後、アルキレンオキシドを付加したものがあり、第2の例として脂肪酸と前記アミノアルコールを脱水縮合した後、アルカリ金属のアミノアルコラートを加え、脱水縮合物のうちアミド化物の比率を増加し、存在する水酸基の活性水素にアルキレンオキシドを付加したものなどがあるが、その製造方法は特に限定されない。
【0024】
(a)成分、(b)成分および(c)成分から得られる化合物A1は、次の特性を有するものである。
(1) 分子量:通常150〜15000、好ましくは200〜10000、より好ましくは300〜2000である。
(2) 水酸基:分子中の水酸基は1または2である。
【0025】
化合物Aには、前記化合物A1の類型と化合物A1の水酸基の水素を炭素数1〜18のアルキル基または分枝アシル基が50モル%以上を占める炭素数4〜18のアシル基で置換した化合物(化合物A2)の類型とがある。
化合物A2は、化合物A1をハロゲン化アルキルなどを用いてアルキル基でエーテル化することによって、または分枝アシル基が50モル%以上を占める炭素数4〜18のカルボン酸、その反応性誘導体(例えば、酸クロライド)などでエステル化することにより得られる。
【0026】
エーテル化するアルキル基としては、炭素数が1〜18であり、好ましくは1〜13、さらに好ましくは1〜10である。炭素数が19以上のアルキル基の場合、非塩素系フロン冷媒との相溶性を低下する。
このアルキル基には、直鎖アルキル基および分岐アルキル基が含まれるが、このうち、分岐アルキル基が全体の50モル%以上を占めることが好ましく、より好ましくは80モル%以上を占めることである。分岐アルキル基の主鎖から分岐するアルキル基はメチル基またはエチル基であることが好ましい。
【0027】
化合物A2の分子量は、通常160〜15000、好ましくは200〜10000、より好ましくは300〜2000である。また、水酸基の置換率を高めることによって、一般に粘度の低い化合物を得ることが出来る。
【0028】
化合物Aは、その合成後、下記の全酸価、水酸基価、全アミン価を有する場合、潤滑油として好ましく使用される。
▲1▼全酸価は、好ましくは5以下、より好ましくは1以下。5を越えると耐加水分解性などの安定性が悪くなる。
▲2▼水酸基価は、好ましくは550以下、より好ましくは200以下。550を越えると電気絶縁性が不良となり、体積固有抵抗が低くなる。
▲3▼全アミン価は、好ましくは20以下、より好ましくは5以下。20を越えると耐加水分解性、電気絶縁性が低くなる。
【0029】
この本発明において、化合物Aは単独で冷凍機用潤滑油として使用しえるし、またナフテン系鉱物油、パラフィン系鉱物油、ポリα−オレフィン、アルキルベンゼン、エステル、炭酸エステル、ポリビニルエーテル、含フッ素ポリエーテルに代表されるフッ素化油などの他の潤滑油と混合して、非塩素系フロン冷媒用の冷凍機用潤滑油として使用することができる。
本発明に用いる冷凍機用潤滑油をこれらの他の潤滑油と混合する場合、混合物中に占める化合物Aの割合としては、耐加水分解性や非塩素系フロン冷媒との相溶性などの性能を低下させない範囲内の割合で使用できるが、一般には10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上である。
【0030】
本発明に用いる冷凍機用潤滑油は、100℃における動粘度が1〜150cSt(10-62 /s)、好ましくは1.5〜100cSt、さらに好ましくは2〜50cStである。上記の動粘度が1cStより低いと潤滑性能が不足するため、また上記の動粘度が150cStより高いと非塩素系フロン冷媒との相溶性が低下するため、いずれも好ましくない。ここに動粘度は、JIS K 2283にて測定したものである。
【0031】
本発明に用いる冷凍機用潤滑油は、その流動点が−30℃以下であり、極めて低い温度下でも使用可能である。ここに流動点は、JIS K 2269にて測定したものである。
【0032】
本発明の冷凍機用潤滑油には、その性能をさらに向上させるため、必要により、従来より公知の冷凍機用潤滑油用添加剤、たとえば、酸化防止剤、極圧剤、金属不活性化剤、酸補足剤などを、単独でまたは数種を組み合わせて添加することができる。これら添加剤の添加量は、通常、冷凍機用潤滑油全量に対して、10重量%以下、好ましくは5重量%以下とするのがよい。
【0033】
第二の本発明は化合物Aと非塩素系フロンを主成分とする冷凍機作動流体組成物である。
本発明の冷凍機作動流体組成物における化合物Aと、冷媒としての非塩素系フロンとの配合割合は、重量比としては、化合物A:非塩素系フロンが、一般に1:99〜99:1(重量比)、好ましくは5:95〜70:30(重量比)である。
【0034】
本発明の冷凍機作動流体組成物に用いる非塩素系フロンとしては、HFC−134a、HFC−32、HFC−125、HFC−143aのほか、HFC−152aなどを用いることができる。用途、冷却温度、冷却装置の形状等に応じて、これらのうちのいずれか、またはこれらの混合物を適宜選択できる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の冷凍機用潤滑油は、潤滑性、電気絶縁性および耐加水分解性にすぐれ、広い粘度範囲内において粘度グレードに対応できる。しかも流動点が−30℃以下であり、極めて低い温度下にも使用可能である。また、本発明の冷凍機用潤滑油とHFC−134a、HFC−32、HFC−125に代表される非塩素系フロンを含む本発明の冷凍機作動流体組成物は、広い温度範囲で非塩素系フロンと該冷凍機用潤滑油との良好な溶解性を示す。
【0036】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、実施例中、%は重量%を示す。
【0037】
実施例A−1〜A−6、比較例B−1〜B−2
操作▲1▼ 脂肪酸とアミノアルコールとの脱水縮合物の製造
表1、2に示す(a)成分の脂肪酸、(b)成分のアミノアルコールを等モルで攪拌装置、窒素吹き込み管、温度計および冷却器付き水分離器を備えた四つ口フラスコに入れて、窒素気流下、160℃で酸価を適宜測定しつつ、留出水を除きながら12時間反応を行い、さらにその後減圧(50mmHg)にして同じ温度で3時間反応を行った。反応を終了した時点の酸価は1.0〜2.0mgKOH/gであった。
【0038】
操作▲2▼ 上記操作▲1▼の脱水縮合物へのアルキレンオキシドの付加
(c)成分のアルキレンオキシドを、表1、2に示すアルキレンオキシドのモル比率(%)で、(a)〜(c)成分の比率が表1、2に示すものとなるように、操作▲1▼で製造した脱水縮合物に水酸化ナトリウム共存下で表1、2に示した方法で付加を行った。その後、酢酸でpHを中性とし、脱水を行い、析出した塩をろ別し、ろ液を活性白土処理したのち、再びろ過した。このようにして表1、2に示す全酸価、水酸基価および全アミン価を有する試料油A−1〜A−6およびB−1〜B−2を得た。
【0039】
実施例A−7
実施例A−1で得た試料油A−1の末端水酸基のうち、50%をメチルエーテル化したのち、活性白土処理し、ろ過し、表2に示す全酸価、水酸基価および全アミン価を有する試料油A−7を得た。
【0040】
実施例A−8
実施例A−2で得た試料油A−2の末端水酸基のうち、75%をエステル化したのち、活性白土処理し、ろ過し、表2に示す酸価、水酸基価およびアミン価を有する試料油A−8を得た。
【0041】
【表1】
Figure 0003879184
【0042】
【表2】
Figure 0003879184
【0043】
<(a)成分の脂肪酸>
bC5:2−メチルブタン酸
bC6:2−エチルブタン酸
bC7:イソヘプタン酸
bC8:2−エチルへキサン酸
bC9:3,5,5−トリメチルヘキサン酸
nC12:ラウリン酸
nC18:ステアリン酸
nC20:アラキン酸
【0044】
<(b)成分に使用したアミノアルコール>
ME:モノエタノールアミン
MP:モノイソプロパノールアミン
DE:ジエタノールアミン
DP:ジイソプロパノールアミン
【0045】
<(c)成分のアルキレンオキシド>
EO:エチレンオキシド
PO:プロピレンオキシド
BO:1−ブテンオキシド
【0046】
以上の実施例A−1〜A−8および比較例B−1〜B−2で得た試料油について、冷凍機用潤滑油としての性能を、下記の要領で測定した。これらの結果を、表3に示す。
<動粘度>動粘度を40℃および100℃で測定した(JIS K 2283)<流動点>流動点を測定した。(JIS K 2269)
<体積固有抵抗>体積固有抵抗を80℃で測定した。(JIS C 2101)
【0047】
<相溶性>試料0.6gと、非塩素系フロン冷媒{HFC−134aおよびR−407C(HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52重量%)}2.4gとを、ドライアイスを入れたエタノール浴で冷却した肉厚パイレックスチューブ(全長300mm、外径10mm、内径6mm)に封入し、1℃/分の割合で昇温および冷却を行い、高温および低温での二層分離温度を、−70℃から+80℃の範図で目視により測定した。
【0048】
<耐加水分解性>容量6mlの硬質ガラスアンプルに、水分を1,500±300ppmに調整した試料を5ml注入した。アンプル内部のヘッドスペース部位を窒素置換し、封管したのち、150℃で300時間加熱した。試験終了後、開封し、試料の酸価を測定した。
【0049】
<耐摩耗性(潤滑性)>ASTM D−2670に準拠して、試料中にHFC−134aを150ml/分の割合で吹き込みつつ、Falex摩耗試験を行った。試料温度を100℃とし、150ポンドの荷重で1分間慣らし運転したのちに、250ポンドの荷重のもとで2時間運転し、運転終了後のピンの摩耗量を測定した。
【0050】
【表3】
Figure 0003879184
【0051】
なお、表2および表3には、市販の潤滑油として、下記の試料C−1〜C−4について測定した結果を、参考例として併記した。
C−1:ポリオキシアルキレングリコール(ISO粘度グレード:VG56:ブタノールのプロピレンオキシド付加物、分子量約1000)
C−2:鉱物油系冷凍機油(ISO粘度グレード:VG32)
C−3:アルキルベンゼン系冷凍機油(ISO粘度グしード:VG46)
C−4:エステル(ISO粘度グレード:VG46:ペンタリスリトール2−エチルヘキサン酸テトラエステル)
【0052】
上記表3の結果から、本発明に使用される冷凍機用潤滑油は、粘度範囲が広く、流動点が−30℃以下であり、相溶性を示す範囲もHFC−134aとは−40℃以下、高温側で+80℃以上、R−407Cとは低温側で−35℃以下、高温側で+70℃以上と広範囲の温度域にわたり、しかも体積固有抵抗は1013〜1014Ωcmと大きく、また耐加水分解性試験後の試料の酸価上昇も小さいことがわかる。

Claims (4)

  1. (a)分枝カルボン酸が50モル%以上を占める炭素数4〜18の脂肪酸と(b)第一級または第二級アミノ基をもつアミノアルコールとの脱水縮合物の(c)炭素数2〜5のアルキレンオキシド付加物(化合物A1)、および当該附加物(化合物A1)の水酸基の水素を炭素数1〜18のアルキル基または分枝アシル基が50モル%以上を占める炭素数4〜18のアシル基で置換した化合物(化合物A2)から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有する冷凍機用潤滑油。
  2. 100℃の動粘度が1〜150cSt(10-62 /s)である請求項1記載の冷凍機用潤滑油。
  3. 請求項1または2に記載の潤滑油と非塩素系フロンを含有する冷凍機作動流体組成物。
  4. 非塩素系フロンが、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、ジフルオロメタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタンまたは1,1−ジフルオロエタンから選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の冷凍機作動流体組成物。
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