以下に、本発明にかかる実施の形態である被検体内情報取得システムについて、被検体内に経口にて導入され、被検体内の画像を取得するカプセル型内視鏡を被検体内導入装置として用いた被検体内画像取得システムを例に説明する。ただし、これに限定されず、例えば被検体の食道から肛門にかけて管腔内を移動する途中で撮像動作を実行することで被検体内部の体内画像を取得する場合や、プローブを体内に挿入して体内で超音波を照射する超音波内視鏡被などを用いた場合などにも適用可能である。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。この実施の形態1にかかる被検体内画像取得システム1は、被検体の内部にカプセル型内視鏡を導入し、この導入したカプセル型内視鏡によって被検体内部の所望部位の生体情報を撮像するためのシステムである。本発明にかかる被検体内画像取得システムにおいては、磁界発生部による磁界発生時に警告ランプからの光が被検体内画像を視認する操作者に与える影響を低減するように警告ランプ、画像処理部または表示部を制御している。
具体的には、図1に示すように、被検体内画像取得システム1は、患者等の被検体Hの内部に導入されて被検体H内部の撮像するカプセル型内視鏡2と、アンテナ3aを介してカプセル型内視鏡2から送信された情報を受信する受信部3と、カプセル型内視鏡2によって撮像された被検体Hの体内画像等を表示する表示部4とを備える。また、被検体内画像取得システム1は、被検体H内部のカプセル型内視鏡2を誘導するための磁界を発生する磁界発生部5と、磁界発生部5に電力を供給する電力供給部6と、磁界発生部5を移動させる移動部7と、各種情報を入力する入力部8と、被検体Hの体内画像等の各種情報を記憶する記憶部9と、かかる被検体内画像取得システム1の各構成部を制御する制御部10と、磁界発生部5による磁界の発生を光で告知する警告ランプ11とを備える。
カプセル型内視鏡2は、被検体Hの内部に導入可能な大きさに形成される。また、カプセル型内視鏡2は、カプセル型筐体の内部に撮像機能および無線通信機能を有する。かかるカプセル型内視鏡2は、経口摂取等によって被検体Hの内部に導入され、蠕動運動等によって被検体Hの消化管内部を移動しつつ被検体Hの体内画像を順次撮像し、その都度、得られた体内画像を含む画像信号を被検体Hの外部(具体的には受信部3のアンテナ3a)に順次無線送信する。その後、カプセル型内視鏡2は、被検体Hの消化管内部を移動し、最終的に被検体Hの外部に自然排出される。
受信部3は、被検体Hの体表面に配置された複数のアンテナ3aと接続され、これら複数のアンテナ3aを介してカプセル型内視鏡2からの無線信号を受信し、この受信した無線信号に含まれる画像信号を取得する。詳細には、受信部3は、複数のアンテナ3aを介して順次受信した無線信号の受信電界強度を比較し、これら複数のアンテナ3aの中から最も受信電界強度の高いアンテナを選択する。受信部3は、このように選択したアンテナを介してカプセル型内視鏡2から受信した無線信号に対して復調処理等を行って、この無線信号に含まれる画像信号を抽出する。受信部3は、この抽出した画像信号を制御部10に送信する。なお、かかる受信部3によって抽出(復調)された画像信号は、上述したカプセル型内視鏡2が被検体H内部において撮像した体内画像を含む。
複数のアンテナ3aは、被検体Hの内部に導入されたカプセル型内視鏡2からの無線信号を捕捉するためのものであり、カプセル型内視鏡2を体内に導入する被検体Hの体表面上に分散配置される。かかるアンテナ3aのうちの少なくとも1つのアンテナは、被検体Hの内部(例えば食道、胃、小腸、大腸等の消化管内部)に位置するカプセル型内視鏡2からの無線信号を捕捉し、捕捉した無線信号を受信部3に送信する。
表示部4は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種ディスプレイを用いて実現され、制御部10によって表示指示された各種情報を表示する。具体的には、表示部4は、カプセル型内視鏡2が撮像した被検体Hの体内画像群、入力部8によって入力された被検体Hの患者情報および検査情報、被検体Hの内部におけるカプセル型内視鏡2の現在位置情報等を表示する。
磁界発生部5は、複数の電磁石を用いて実現され、ベッド12に載置された被検体H内部のカプセル型内視鏡2に印加する磁界を発生させる。具体的には、図2に示すように、磁界発生部5は、テーブル5fの平面上に配置される複数の電磁石5a〜5eを有する。複数の電磁石5a〜5eは、電力供給部6から供給される電力によって磁界を発生させるコイル状の電磁石である。電磁石5aは、残りの電磁石5b〜5eによって囲まれる態様でテーブル5fの略中心部に配置される。電磁石5b,5cは、この電磁石5aについて互いに対称な位置に配置され、電磁石5d,5eは、この電磁石5aについて互いに対称な位置であって電磁石5aを中心に電磁石5b,5cを90度回転させた位置に配置される。かかる電磁石5a〜5eは、コイル状の電磁石5aの中心軸近傍の3次元空間13内に回転磁界および勾配磁界を形成する。
なお、電磁石5a〜5eは同一面上(すなわちテーブル5fの面上)に配置されているので、かかるテーブル5f上の電磁石5a〜5eは、3次元空間13内に回転磁界を発生させつつ、この3次元空間13内に位置する磁石(例えば後述するカプセル型内視鏡2内の磁石24)を電磁石5a側に引き寄せる力(磁気引力)または電磁石5aから引き離す力(磁気斥力)を増減させている。かかる磁気引力または磁気斥力は、電磁石5a〜5eが形成した勾配磁界による磁気力であり、上述したカプセル型内視鏡2を被検体Hの体内部位に押し付ける力になる。
電力供給部6は、被検体H内部のカプセル型内視鏡2に対して印加する磁界(回転磁界および勾配磁界)を形成するための電力を磁界発生部5に供給する。具体的には、電力供給部6は、制御部10の制御に基づいて、磁界発生部5の電磁石5a〜5eに交流電流を供給し、これによって、磁界発生部5に回転磁界および勾配磁界を形成させる。すなわち、上述した磁界発生部5による回転磁界および勾配磁界は、かかる電力供給部6から供給される交流電流(電力供給部6からの通電量)によって制御される。
移動部7は、被検体H内部のカプセル型内視鏡2に回転磁界および勾配磁界が印加されるように被検体Hに対して相対的に磁界発生部5を移動するためのものである。具体的には、被検体Hを載置するベッド12の載置面に対して略平行なXY平面が設定され、移動部7は、制御部10の制御に基づいて、このXY平面内の座標位置に磁界発生部5を移動する。この場合、移動部7は、上述した3次元空間13(図2参照)内に被検体H内部のカプセル型内視鏡2が位置するように磁界発生部5を移動する。
入力部8は、キーボードおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、医師または看護師等のユーザによる入力操作に応じて、制御部10に各種情報を入力する。かかる入力部8が制御部10に入力する各種情報は、例えば、制御部10に対して指示する指示情報、被検体の患者情報、被検体の検査情報等である。なお、被検体の患者情報は、被検体を特定する情報であり、例えば、被検体の患者名、患者ID、生年月日、性別、年齢等である。また、被検体の検査情報は、被検体内部に導入したカプセル型内視鏡2によって体内を撮像した生体内情報を用いて実施される生体検査を特定する情報であり、例えば、検査ID、検査日等である。また、入力部6は、上述した磁界発生部2によるカプセル型内視鏡10に磁気誘導を操作するための操作情報を入力する。そして、入力部8は、ジョイスティックを有した操作入力部をさらに備え、このジョイスティックを操作者が操作することによって、例えば、磁気誘導操作対象であるカプセル型内視鏡2の磁気誘導方向や磁気誘導位置等のカプセル型内視鏡2を磁気で誘導するための操作情報を制御部10に入力する。
記憶部9は、RAM、EEPROM、フラッシュメモリ、またはハードディスク等の書き換え可能に情報を保存する各種記憶メディアを用いて実現される。記憶部9は、制御部10が記憶指示した各種情報を記憶し、記憶した各種情報の中から制御部10が読み出し指示した情報を制御部10に送出する。かかる記憶部9は、制御部10の制御に基づいて、例えば、被検体Hの体内画像群と、被検体Hの患者情報および検査情報と、被検体H内部におけるカプセル型内視鏡2の現在位置情報とを記憶する。
制御部10は、被検体内画像取得システム1の各構成部(カプセル型内視鏡2、受信部3、表示部4、磁界発生部5、電力供給部6、移動部7、入力部8、記憶部9および警告ランプ11)を制御し、且つ、かかる各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部10は、入力部8によって入力された指示情報に基づいて、上述した受信部3、表示部4、移動部7、記憶部9および警告ランプ11の各動作を制御し、磁界発生部5に対する電力供給部6の通電量を制御する。かかる制御部10は、この電力供給部6の通電量の制御を通して磁界発生部5の磁界方向および磁界強度を制御する。制御部10は、かかる磁界発生部5の制御によって被検体H内部のカプセル型内視鏡2の磁気誘導を制御する。
また、制御部10は、被検体Hの体内画像を生成する画像処理部10aと、被検体H内部におけるカプセル型内視鏡2の位置を算出する位置算出部10bと、警告ランプ11を制御する警告ランプ制御部10cとを有する。画像処理部10aは、カプセル型内視鏡2からの無線信号から復調された画像信号を受信部3から取得し、この取得した画像信号に対して所定の画像処理を行って、この画像信号に対応する画像情報すなわち被検体Hの体内画像を生成(再構築)する。かかる画像処理部10aによって生成された体内画像群は、上述したように、表示部4に表示され、記憶部9に記憶される。
位置算出部10bは、受信部3が複数のアンテナ3aを介してカプセル型内視鏡2からの無線信号を順次受信した際の各アンテナの受信電界強度(例えば複数のアンテナ3aのうちの上位3つの受信電界強度)を受信部3から取得し、この取得した受信電界強度と複数のアンテナ3a内の各アンテナの位置情報とをもとに、三角法等に基づいて被検体H内部におけるカプセル型内視鏡2の現在位置を算出する。制御部10は、かかる位置算出部10bによって算出された現在位置情報と、この現在位置に存在するカプセル型内視鏡2が撮像した被検体Hの体内画像とを対応付ける。かかる制御部10によって対応付けられた被検体Hの体内画像およびカプセル型内視鏡2の現在位置情報は、表示部4に表示され、記憶部9に記憶される。
つぎに、上述したカプセル型内視鏡2の構成について詳細に説明する。図3は、本実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡2の一構成例を示す模式図である。図3に示すように、この実施の形態1にかかるカプセル型内視鏡2は、筒状筐体20aとドーム形状筐体20bとによって形成されるカプセル型筐体20とを備える。また、カプセル型内視鏡2は、被写体を照明する照明部21aと、被写体の光学像を結像する光学系21bと、被写体の画像を撮像する撮像部21cと、撮像部21cによって撮像された画像を含む画像信号を生成する信号処理部22と、この画像信号を外部に無線送信する送信部23とを備える。さらに、カプセル型内視鏡2は、外部の回転磁界に追従してカプセル型筐体20を回転駆動させる磁石24と、かかるカプセル型内視鏡2の各構成部を制御する制御部28と、電池等によって実現される電源部29とを備える。
カプセル型筐体20は、被検体Hの内部に導入可能な大きさに形成されたカプセル型の筐体であり、一端がドーム形状をなす筒状筐体20aの他端(開口端)をドーム形状筐体20bによって塞いで形成される。ドーム形状筐体20bは、所定の波長帯域の光(例えば可視光)に対して透明な光学ドームである。一方、筒状筐体20aは略不透明な筐体である。かかる筒状筐体20aとドーム形状筐体20bとによって形成されるカプセル型筐体20の内部において、照明部21a、光学系21b、および撮像部21cは、ドーム形状筐体20b側に配置され、信号処理部22、送信部23、磁石24、制御部28、および電源部29は、筒状筐体20a側に配置される。
磁石24は、外部の回転磁界に反応してカプセル型筐体20の周方向の回転力を生成する回転駆動部として機能する。具体的には、磁石24は、永久磁石、電磁石、または磁性体によって実現され、カプセル型筐体20の長手方向の中心軸CLに垂直な方向、すなわちカプセル型筐体20の径方向に着磁する態様で筒状筐体20aの内部に固定配置される。かかる磁石24は、上述した磁界発生部5による勾配磁界に反応して被検体Hの体内部位にカプセル型筐体20を押し付けるとともに、上述した磁界発生部5による回転磁界に反応してカプセル型筐体20をカプセル型筐体20の周方向に回転させる。
照明部21aは、LED等の発光素子を用いて実現され、ドーム形状筐体20b越しに被写体(具体的には被検体Hの臓器内部)を照明する。光学系21bは、集光レンズおよびレンズ枠等を用いて実現され、照明部21aによって照明された被写体からの反射光を集光して、撮像部21cの受光面に被写体の光学像を結像する。撮像部21cは、CCDまたはCMOS等の固体撮像素子を用いて実現され、光学系21bによって結像された被写体の光学像、すなわち被検体Hの体内画像を撮像する。信号処理部22は、かかる撮像部21cによって光電変換された信号を取得し、この取得した信号に対して所定の信号処理を行って、被検体Hの体内画像を含む画像信号を生成する。
送信部23は、信号処理部22によって生成された画像信号を取得し、この取得した画像信号に対して所定の変調処理等を行って、この画像信号を含む無線信号を生成する。送信部23は、このように生成した無線信号を外部に送信する。かかる送信部23によって送信された無線信号は、上述したように、複数のアンテナ3aを介して受信部3に受信される。
制御部28は、上述した照明部21a、撮像部21c、信号処理部22、および送信部23を制御する。具体的には、制御部28は、照明部21aによって照明された被写体の画像(すなわち体内画像)が撮像部21cによって撮像されるように照明部21aおよび撮像部21cを制御し、撮像部21cによって撮像された被検体Hの体内画像を含む画像信号を外部に無線送信するように信号処理部22および送信部23を制御する。
電源部29は、スイッチ回路およびボタン型の電池等を用いて実現され、スイッチ回路によってオン状態に切り替わった際に、上述した照明部21a、撮像部21c、信号処理部22、送信部23、および制御部28に対して電力を供給する。
本実施の形態1にかかる被検体内画像取得システム1においては、磁界発生部5による磁界発生時に警告ランプからの光が被検体内画像を視認する操作者に与える影響を低減するように警告ランプ11を制御している。そこで、図1に示す警告ランプ11の位置について説明する。図4は、実施の形態1にかかる被検体内画像取得システム1における警告ランプ11の位置を説明するための図である。図4では、単数の警告ランプ11aを配置させた例について示す。
図4(1)に示すように、例えば、操作者Nは、ディスプレイ4aに対して正面であって、被検体内画像取得システム1の入力部8を操作可能な位置に配置する。そして、警告ランプ11aは、被検体内情報画像システム1の操作者Nの視野領域A内のうち操作者Nと表示部4を構成するディスプレイ4aとを結ぶ直線の延長線を除く領域である観察外領域Axに配置される。すなわち、警告ランプ11aは、操作者Nの視野範囲の中央から外れた位置に配置される。
そして、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5において磁界が発生した場合、図4(1)のように消灯していた警告ランプ11aに、図4(2)のように光を発生させる。次いで、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5における磁界の発生が停止した場合に警告ランプ11aに光の発生を停止させる。
この警告ランプ11aは、操作者Nの視野範囲内に設置されているため、警告ランプ11aによる発光することによって磁界発生を操作者に正確に告知することができる。さらに、警告ランプ11aは、操作者Nと表示部4を構成するディスプレイ4aとを結ぶ直線の延長線によって構成されるディスプレイ対応領域Amを除く領域である観察外領域Axに設置されている。このため、警告ランプ11aが光を発しても、ディスプレイ対応領域Amまで警告ランプ11aの光が侵入することは少ない。また、警告ランプ11aが発した光は、ディスプレイ4aの表示画面に映り込むことは少ないことから、操作者Nによる画像観察を妨げることはない。このように、実施の形態1にかかる被検体内画像取得システム1では、ディスプレイ4aが、操作者Nの視野範囲であって被検体内画像を視認する操作者Nに影響を与える位置以外に設置されており、さらに、警告ランプ11aからの光が被検体内画像を視認する操作者Nに与える影響を低減するように警告ランプ11aの発光処理が制御されるため、操作者Nに対する磁界発生の正確な告知と、操作者Nによる被検体情報の円滑な観察との双方を実現できる。
なお、ディスプレイ対応領域Amは、操作者Nと表示部4を構成するディスプレイ4aとを結ぶ直線の例で示したが、操作者Nに影響が少ない範囲をディスプレイ対応領域としてもよい。例えば、操作者Nと表示部4を構成するディスプレイ4aとを結ぶ曲線としてもよい。
次に、図5を参照して、被検体内画像取得システム1における磁界発生告知処理について説明する。図5は、図1に示す被検体内画像取得システム1における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、体内観察が開始した後に、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断する(ステップS2)。警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS2の判断処理を繰り返し、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS2:Yes)、警告ランプ11に警告処理を行わせる(ステップS4)。この警告処理として、図4で説明した例では、観察外領域Axに設置される警告ランプ11aが光を発する。
次いで、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS6)。警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS6:No)、ステップS4の警告処理を継続する。一方、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS6:Yes)、警告ランプ11に警告処理を停止させる(ステップS8)。たとえば、図4に示す例では、警告ランプ11aは光の発生を停止する。
そして、制御部10は、入力部8による指示情報などをもとに、体内観察を終了するか否かを判断する(ステップS10)。制御部10が体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS10:No)、ステップS2に戻り、警告ランプ制御部10cは磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断する。一方、制御部10が体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS10:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部10cにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。被検体内画像取得システム1は、この図5に示す各処理手順を行なうことによって、警告ランプ11による警告処理を行なうことができる。
なお、図4においては、たとえば、警告ランプ11として、単数の警告ランプを設けた場合を例に説明したが、もちろん、警告ランプ11を複数設けてもよい。この場合、図4に示す観察外領域Axに複数の警告ランプを設けるほか、この観察外領域Ax以外のディスプレイ対応領域Amにも警告ランプを設け、視野領域内に複数の警告ランプを設けてもよい。
具体的には、図6に示すように、観察外領域Axの警告ランプ11aのほかに、ディスプレイ対応領域Amにも警告ランプ11bを設ける。この警告ランプ11bは、操作者Nとディスプレイ4aとを結ぶ直線の間の範囲に位置する。この場合には、図6(1)に示すように、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生していない場合には、警告ランプ11a,11bのうち警告ランプ11bに光を発生させる。そして、図6(2)に示すように、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5において磁界が発生した場合には、警告ランプ11bに光の発生を停止させる。すなわち、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生していない場合に警告ランプのうち少なくとも警告ランプ11a,11bからの光が被検体内画像を視認する操作者Nに影響を与える位置の警告ランプである警告ランプ11bに光を発生させる。そして、警告ランプ制御部10cは、磁界発生5が磁界を発生した場合には、この警告ランプ11bに光の発生を停止させる。
なお、ディスプレイ対応領域Amとして、操作者Nと表示部4を構成するディスプレイ4aとを結ぶ直線の延長線によって構成される場合を例に説明したが、操作者Nに影響が少ない範囲をディスプレイ対応領域としてもよい。ディスプレイ対応領域Amとして、例えば、操作者Nと表示部4を構成するディスプレイ4aとを結ぶ曲線の延長線によって構成される領域を設定してもよい。
この場合、観察外領域Axに位置する警告ランプ11aは、警告ランプ制御部10cの制御のもと、図4に示す場合と同様に、図6(1)のように、磁界不発生時には光の発生を停止し、図6(2)のように磁界発生時に光を発生させる。警告ランプ11bと同様に、図7(1)に示すように磁界不発生時には光を発生し、図7(2)のように磁界発生時に光の発生を停止してもよい。磁界発生部5において磁界が発生している場合とは、カプセル型内視鏡2が磁界によって誘導され画像を取得している場合であり、表示部4に被検体内の画像が表示されている場合に相当する。したがって、磁界発生時には、ディスプレイ対応領域Amに配置されている警告ランプ11bは発光を停止するため、カプセル型内視鏡2が取得しディスプレイ4aに表示される画像には、警告ランプ11bが発した光がディスプレイ4aの画面に映りこんだりして、操作者Nによる画像観察を妨げることはない。そして、警告ランプ11a,11bの警告処理によって、操作者Nに対する磁界発生の正確な告知も可能である。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、警告ランプからの光が被検体内画像を視認する操作者に与える影響を低減するために、観察外領域の中に警告ランプが発する光が収まるように警告ランプの発光処理を制御している。図8は、実施の形態2にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図8に示すように、実施の形態2にかかる被検体内画像取得システム201は、図1に示す被検体内画像取得システム1と比して、入力部8に代えて、発光条件変更情報入力部208aを有する入力部208を備え、制御部10に代えて、制御部210を備える構成を有する。発光条件変更情報入力部208aは、警告ランプ11の発光条件の変更を指示する指示情報を入力する。制御部210は、制御部10と比して、警告ランプ制御部10cに代えて、警告ランプ制御部210cを有する。警告ランプ制御部210cは、発光条件変更情報入力部208aによって入力された指示情報をもとに警告ランプ11の発光処理を制御する。
具体的に、図9を参照して、図8に示す被検体内画像取得システム201における警告ランプ11の発光制御について説明する。図9に示すように、実施の形態2においては、図4と同様に、単数の警告ランプ11aが観察外領域Axに配置される。
そして、図9(1)に示すように、警告ランプ11aの発光範囲が、観察外領域Axを超えた領域R1にまで達している場合には、操作者Nは、発光条件変更情報入力部208aを操作し、警告ランプ11aの発光範囲を所望の範囲に狭めるよう指示する。この結果、発光条件変更情報入力部208aから、警告ランプ11aの発光範囲を狭めるように発光条件を変更するように指示する指示情報が入力される。この指示情報にしたがって、警告ランプ制御部210cは、図9(2)に示すように、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの光強度を小さくするように制御する。これによって、警告ランプ11aの発光範囲は、領域R1から矢印Y21のように領域R2に狭まる。なお、警告ランプ制御部210cは、警告ランプ11aの光強度を調整するほか、警告ランプ11aの発光色を調整することによって、すべてが収まっていなくても発光範囲がディスプレイ領域Amに入っていなく、かつ観察外領域Axに入っている状態になればよい。
このように、実施の形態2では、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの発光処理を制御することによって、ディスプレイ対応領域Amへ警告ランプ11aの光が侵入することを防ぎ、ディスプレイ4aの画面への警告ランプ11aの光の映り込みをなくして、警告ランプ11aの光が操作者に与える影響を低減している。
次に、図10を参照して、被検体内画像取得システム201における磁界発生告知処理について説明する。図10は、図8に示す被検体内画像取得システム201における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、警告ランプ制御部210cは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS202)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS202の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部210cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS202:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS204)。
そして、警告ランプ制御部210cは、発光条件変更情報入力部208aからの指示情報の有無をもとに、警告ランプ11aの発光条件の変更指示があるか否かを判断する(ステップS206)。警告ランプ制御部210cは、警告ランプ11aの発光条件の変更指示があると判断した場合(ステップS206:Yes)、警告ランプ11aの発光条件を、発光条件変更情報入力部208aからの指示情報にしたがって変更する発光条件変更処理を行なう(ステップS208)。この場合、警告ランプ制御部210cは、警告ランプ11aの光強度のほか、発光色を変更する。この結果、警告ランプ11aは、発光条件変更情報入力部208aから入力された指示情報に対応した条件で発光処理を行なう。
警告ランプ制御部210cは、警告ランプ11aの発光条件の変更指示がないと判断した場合(ステップS206:No)、または、ステップS208の発光条件変更処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS210)。警告ランプ制御部210cは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS210:No)、ステップS204の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、警告ランプ制御部210cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS210:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS212)。そして、制御部210は、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS214)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS214:No)、ステップS202に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS214:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部210cにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図10に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム201は、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの発光処理を制御している。
(実施の形態2の変形例1)
次に、実施の形態2の変形例1について説明する。実施の形態2の変形例1では、光センサを用いて警告ランプの発光状態を検出し、この検出結果をもとに、観察外領域の中に警告ランプが発する光が収まるように警告ランプの発光処理を制御している。図11は、実施の形態2の変形例1にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図11に示すように、実施の形態2の変形例1にかかる被検体内画像取得システム201dは、図8に示す被検体内画像取得システム201と比して、入力部208に代えて入力部8を有し、制御部210に代えて制御部210aを有する。制御部210aは、警告ランプ制御部210cに代えて警告ランプ制御部210dを有する。そして、被検体内画像取得システム201aは、さらに光センサ208dを備える。光センサ208dは、警告ランプの発光状態を検出する。警告ランプ制御部210dは、光センサ208dによる検出結果をもとに警告ランプ11aの発光処理を制御する。
具体的に、図12を参照して、図11に示す被検体内画像取得システム201dにおける警告ランプ11aの発光制御について説明する。図12(1)に示すように、光センサ208dは、たとえば、ディスプレイ対応領域Amのディスプレイ4a近辺に配置される。そして、図12(1)に示すように、光センサ208dは、警告ランプ11aの発光状態として、矢印Y22のように光センサ208dに達する光の光量を検出する。
警告ランプ制御部210dは、予め光センサ208dによって検出されていた観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まっていた場合の光量(初期値)と、光センサ208dが検出した光量(検出値)とを比較する。
初期値と検出値とが異なり検出値が初期値よりも大きくなっていた場合には、図12(1)に示すように、警告ランプ11aの発光範囲が、観察外領域Axを超えた領域R1にまで達している場合である。このため、警告ランプ制御部210dは、初期値と検出値との差分値に応じて警告ランプ11aの光強度を小さくすることによって、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように制御する。これによって、警告ランプ11aの発光範囲は、図12(2)に示すように、領域R1から矢印Y21のように領域R2に狭まる。なお、光センサ208dは、警告ランプ11aの光強度ではなく、発光色を検出してもよい。また、光センサ208dは、警告ランプ11aの発光状態を検出できればよいため、ディスプレイ4a近傍に限らず、操作者N近傍に設置してもよく、また、操作者N自身の頭に直接取り付けてもよい。
このように、実施の形態2の変形例1では、光センサ208dの検出結果にもとに、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの発光処理を自動的に制御しているため、操作者は、警告ランプ11aの発光調整処理を行なう必要がなく、体内観察に集中することができる。
次に、図13を参照して、被検体内画像取得システム201dにおける磁界発生告知処理について説明する。図13は、図11に示す被検体内画像取得システム201dにおける磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13に示すように、被検体内画像取得システム201dでは、制御部210aの制御のもと、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの光量を調整し、この場合の光量を光センサ208dに検出させて、検出した光量を初期値として設定する初期値設定処理を行なう(ステップS222)。この初期値設定処理は、体内観察ごとに行なう必要はなく、操作者が変わった場合に一度行えば足りる。また、一定の精度を保つために定期的に行なってもよい。また、警告ランプ制御部210dは、初期値設定処理後は、警告ランプ11aを消灯する。
次いで、警告ランプ制御部210dは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS224)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS224の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部210dは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS224:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS226)。
そして、警告ランプ制御部210dは、光センサ208dに、光センサ208dに達する光の光量を検出させる光量検出処理を行なう(ステップS228)。そして、警告ランプ制御部210dは、検出値と初期値とを比較して、検出値と初期値とは異なるか否かを判断する(ステップS230)。なお、ステップS230においては、光センサ208dの検出精度、操作者Nの姿勢、警告ランプ11aの発光精度などに応じたばらつきを含めて、検出値と初期値との一致度を設定すればよい。
警告ランプ制御部210dは、検出値と初期値とは異なると判断した場合(ステップS230:異なる)、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように、初期値と検出値との差分値に応じて警告ランプ11aの光強度を調整する発光条件調整処理を行なう(ステップS232)。たとえば、この発光条件調整処理では、初期値と検出値との各差分値ごとに、警告ランプ11aの光強度の変更量が対応付けられたテーブルが予め記憶されており、警告ランプ制御部210dは、このテーブルを参照することよって、警告ランプ11aの光強度の変更量を設定する。この結果、警告ランプ11aは、変更された光強度で発光処理を行なう。
警告ランプ制御部210dは、検出値と初期値とはほぼ等しいと判断した場合(ステップS230:等しい)、または、ステップS232の発光条件調整処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS234)。警告ランプ制御部210dは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS234:No)、ステップS226の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、警告ランプ制御部210dは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS234:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS236)。そして、制御部210aは、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS238)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS238:No)、ステップS224に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS238:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部201dにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図13に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム201dは、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの発光処理を自動的に制御している。また、被検体内画像取得システム201dは、図13に示す各処理手順を行なうことによって、警告ランプ11aの発光範囲が、観察外領域Axを超えている場合に限らず、当初の設定範囲よりも狭い範囲となっている場合においても、観察外領域Ax内で適切に警告ランプ11aが光を発するように自動的に警告ランプ11aの光強度を調節できるため、操作者に対する磁界発生の告知をさらに正確化することができる。
なお、図13のステップS222に示す初期値設定処理として、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの発光色を調整し、この場合の発光色を光センサ208dに検出させて、検出した発光色を初期値として設定してもよい。この場合、光センサ208dは、光量検出処理に代えて、発光色検出処理を行ない、警告ランプ制御部210dは、発光条件調整処理として、光センサ208dの検出結果をもとに、警告ランプ11aの光強度ではなく、発光色を調整する。また、被検体内画像取得システム201dは、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの光強度および発光色の双方を調整してもよい。
(実施の形態2の変形例2)
次に、実施の形態2の変形例2について説明する。実施の形態2の変形例2では、光センサではなく、イメージセンサを用いて操作者の目の動きを検出し、この検出結果をもとに操作者の目と警告ランプ11aとの距離変動を算出して、この算出した距離変動をもとに警告ランプ11aの発光処理を制御する。図14は、実施の形態2の変形例2にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図14に示すように、実施の形態2の変形例2にかかる被検体内画像取得システム201eは、図11に示す被検体内画像取得システム201dと比して、光センサ208dに代えてイメージセンサ208eを有し、制御部210aに代えて制御部210bを有する。制御部210bは、警告ランプ制御部210dに代えて警告ランプ制御部210eを有する。イメージセンサ208eは、操作者の目の動きを検出する。警告ランプ制御部210eは、イメージセンサ208eによる検出結果をもとに警告ランプ11aの発光処理を制御する。
具体的に、図15を参照して、図14に示す被検体内画像取得システム201eにおける警告ランプ11aの発光制御について説明する。図15(1)に示すように、イメージセンサ208eは、撮像視野内に操作者Nの目が含まれるように、ディスプレイ4a上部に設置される。そして、イメージセンサ208eは、操作者Nの目を連続して撮像することによって操作者Nの目の動きを検出する。イメージセンサ208eは、一連の撮像画像を警告ランプ制御部210eに出力する。
警告ランプ制御部210eは、イメージセンサ208eによる一連の撮像画像を処理することによって、操作者Nの目と警告ランプ11aとの距離変動を算出する。たとえば、図15(1)の矢印Y23に示すように、操作者Nが図中右側を向いた場合には、操作者Nの目も図中右側に動くため、イメージセンサ208eにおける一連の撮像画像においても、対向する操作者Nの目は左方向に位置が移動していくとともに、撮像画像内に目が占める領域の面積も変化していく。警告ランプ制御部210eは、イメージセンサ208eが撮像した一連の撮像画像を処理することによって、操作者Nの目が動いた方向および角度を求め、さらに、求めた操作者Nの目の動きおよび角度をもとに、操作者Nの目の動きにともなう操作者Nの目と警告ランプ11aとの距離変動を算出する。そして、警告ランプ制御部210eは、この算出した距離変動をもとに警告ランプ11aの発光処理を調整する。
たとえば、図15(2)に示すように、矢印Y23のように操作者Nが図中右側を向いた場合には、操作者Nの目も図中右側に動くため、操作者Nの視野領域も、視野領域Aから視野領域A1に図中右方向に動いてしまい、操作者Nの目と警告ランプ11aとの距離は、操作者Nが図中右側を向く前よりも大きくなる。この場合には、警告ランプ制御部210eは、操作者Nの動きにともない大きくなった操作者Nの目と警告ランプ11aとの距離分、警告ランプ11aの光強度を高くする。これによって、警告ランプ11aの発光範囲は、領域R3から、図15(2)の矢印Y24のように領域R4に広がり、操作者Nの右側を向く動作にともない移動した観察外領域Ax1の中に警告ランプ11aの光が達することとなる。
なお、イメージセンサ208eは、操作者Nの目の動きを検出できれば足りるため、ディスプレイ4a上部に限らず、ディスプレイ4aと操作者Nとの間の領域にイメージセンサ208eを設置してもよい。また、操作者Nの目の動きを検出できれば足りるため、操作者Nの目自身を撮像する必要はない。たとえば、操作者Nの頭にイメージセンサ208eを取り付け、予め操作者Nの様々な目の動きごとに周囲を連続して撮像しておき、予め撮像した目の各動きに対応する画像群と、体内観察中に操作者Nの頭に取り付けられたイメージセンサ208eが撮像した一連の画像とをそれぞれ比較することによって、操作者Nの目が実際にどのように動いたかを判断してもよい。
このように、実施の形態2の変形例2では、イメージセンサ208eの検出結果をもとに、操作者の目の動きによって視野領域が移動した場合であっても、この視野領域とともに移動した観察外領域内に警告ランプ11aの光が収まるように、警告ランプ11aの発光範囲を自動的に調整している。この結果、操作者は、どのような目の動きを行った場合であっても警告ランプ11aによる警告処理を視認することができるため、磁界発生を正確に把握することができる。
次に、図16を参照して、被検体内画像取得システム201eにおける磁界発生告知処理について説明する。図16は、図14に示す被検体内画像取得システム201eにおける磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16に示すように、被検体内画像取得システム201eでは、制御部210bの制御のもと、操作者Nの観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの光量を調整するとともに、固定配置されたイメージセンサ208eと警告ランプ11aとの距離、および、操作者Nの基本動作時におけるイメージセンサ208eと操作者Nの目との距離の加算値を初期値として設定する初期値設定処理を行なう(ステップS252)。この初期値設定処理においては、たとえば操作者Nがディスプレイ4aを真正面から視認している場合を基本動作時として、イメージセンサ208eによる撮像処理を行ない、イメージセンサ208eによる撮像画像をもとにイメージセンサ208eと操作者Nの目との距離を求める。また、この初期値設定処理は、体内観察ごとに行なう必要はなく、操作者が変わった場合に一度行えば足りる。また、一定の精度を保つために定期的に行なってもよい。また、警告ランプ制御部210eは、初期値設定処理後は、警告ランプ11aを消灯する。
次いで、警告ランプ制御部210eは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS254)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS254の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部210eは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS254:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS256)。
そして、警告ランプ制御部210eは、イメージセンサ208eに操作者Nの目を撮像させ、イメージセンサ208eによる一連の撮像画像を処理することによって、操作者の目と警告ランプ11aとの距離を検出する距離検出処理を行なう(ステップS258)。距離検出処理では、イメージセンサ208eによる一連の撮像画像を処理することによって、操作者Nの目とイメージセンサ208eとの距離を算出し、固定配置されたイメージセンサ208eと警告ランプ11aとの距離に算出した距離を加算することによって、操作者Nの目と警告ランプ11aとの距離を検出する。
そして、警告ランプ制御部210eは、検出値と初期値とを比較して、検出値と初期値とは異なるか否かを判断する(ステップS260)。なお、ステップS260においては、イメージセンサ208eの撮像精度などに応じたばらつきを含めて、検出値と初期値との一致度を設定すればよい。
警告ランプ制御部210eは、検出値と初期値とは異なると判断した場合(ステップS260:異なる)、検出値と初期値との差分値に応じて警告ランプ11aの光強度を調整する発光条件調整処理を行なう(ステップS262)。たとえば、この発光条件調整処理では、初期値と検出値との各差分値ごとに、すなわち、初期値との距離変動分ごとに、警告ランプ11aの光強度の変更量が対応付けられたテーブルが予め記憶されており、警告ランプ制御部210eは、このテーブルを参照することよって、警告ランプ11aの光強度の変更量を設定する。この結果、警告ランプ11aは、変更された光強度で発光処理を行ない、操作者Nの目の動きにともなって視野領域とともに移動した観察外領域内に警告ランプ11aの光が収まる。
警告ランプ制御部210eは、検出値と初期値とはほぼ等しいと判断した場合(ステップS260:等しい)、または、ステップS262の発光条件調整処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS264)。警告ランプ制御部210eは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS264:No)、ステップS256の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、警告ランプ制御部210eは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS264:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS266)。そして、制御部210bは、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS268)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS268:No)、ステップS254に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS268:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部210eにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図16に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム201eは、操作者の目の動きによって視野領域が移動した場合であっても、この視野領域とともに移動した観察外領域内に警告ランプ11aの光が収まるように、警告ランプ11aの発光範囲を自動的に調整している。また、被検体内画像取得システム201eは、図13に示す各処理手順を行なうことによって、操作者Nの目と警告ランプ11aとの距離が大きくなった場合に限らず小さくなった場合においても、視野領域とともに移動した観察外領域内で適切に警告ランプ11aが光を発するように自動的に警告ランプ11aの光強度を調節できる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、警告ランプからの光が被検体内画像を視認する操作者に与える影響を低減するように、観察外領域の中に警告ランプが位置するように警告ランプを移送して警告ランプの位置を制御する。図17は、実施の形態3にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図17に示すように、実施の形態3にかかる被検体内画像取得システム301は、図1に示す被検体内画像取得システム1と比して、入力部8に代えて、位置変更情報入力部308aを有する入力部308を備え、制御部10に代えて、制御部310を備える構成を有する。そして、被検体内画像取得システム301は、警告ランプ11を移送する警告ランプ移送部312をさらに備える。位置変更情報入力部308aは、警告ランプ11の位置変更を指示する指示情報を入力する。制御部310は、制御部10と比して、警告ランプ制御部10cに代えて、警告ランプ制御部310cを有する。警告ランプ制御部310cは、警告ランプ11の発光処理とともに、位置変更情報入力部308aによって入力された指示情報をもとに警告ランプ11の移送処理を制御する。
具体的に、図18を参照して、図17に示す被検体内画像取得システム301における警告ランプ11の移送制御について説明する。図18に示すように、実施の形態3においては、図4と同様に、単数の警告ランプ11aが配置される。そして、警告ランプ移送部312は、図18に示すように、視野範囲を含む領域に警告ランプ11aを移送可能である移送機構312aによって構成され、たとえばベルト上に配置された警告ランプ11aをベルトを回転させることによって移送する。
そして、図18(1)に示すように、警告ランプ11aが、観察外領域Axではなくディスプレイ対応領域Amに位置している場合には、操作者Nは、位置変更情報入力部308aを操作し、警告ランプ11aの位置を観察外領域Axに変更するように指示する。この結果、位置変更情報入力部308aから、警告ランプ11aの位置を観察外領域Axに変更するように指示する指示情報が入力される。この指示情報にしたがって、警告ランプ制御部310cは、図18(2)に示すように、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが位置するように移送機構312aの移送処理を制御する。これによって、警告ランプ11aは、矢印Y31のように発光範囲がディスプレイ領域Amに入っていなく、かつ観察外領域Axに入っているように移送される。
このように、実施の形態3では、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが位置するように警告ランプ11aの移送処理を制御することによって、確実に観察外領域Ax内に警告ランプ11aを位置させて、ディスプレイ4aの画面への警告ランプ11aの光の映り込みを防止し、警告ランプ11aの光が操作者に与える影響を低減している。
次に、図19を参照して、被検体内画像取得システム301における磁界発生告知処理について説明する。図19は、図17に示す被検体内画像取得システム301における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図19に示すように、警告ランプ制御部310cは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS302)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS302の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部310cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS302:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS304)。
そして、警告ランプ制御部310cは、位置変更情報入力部308aからの指示情報の有無をもとに、警告ランプ11aの移送指示があるか否かを判断する(ステップS306)。警告ランプ制御部310cは、警告ランプ11aの移送指示があると判断した場合(ステップS306:Yes)、警告ランプ11aの位置を、位置変更情報入力部308aからの指示情報にしたがって移送させる警告ランプ移送処理を行なう(ステップS308)。これによって、図18(2)に示すように、警告ランプ11aは、ディスプレイ対応領域Amから観察外領域Axに矢印Y31のように位置を変更する。
警告ランプ制御部310cは、警告ランプ11aの移送指示がないと判断した場合(ステップS306:No)、または、ステップS308の警告ランプ移送処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS310)。警告ランプ制御部310cは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS310:No)、ステップS304の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、警告ランプ制御部310cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS310:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS312)。そして、制御部310は、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS314)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS314:No)、ステップS302に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS314:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部310cにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図19に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム301は、各操作者Nに対応した観察外領域Axの中に警告ランプ11aが位置するように警告ランプ11aの位置を制御している。
なお、実施の形態3では、警告ランプ11aは発光させたままで、磁界発生時と磁界不発生時で警告ランプ11aの位置を変更することによって磁界発生を告知してもよい。この場合には、図20(1)に示すように、警告ランプ制御部310cは、磁界発生部5が磁界を発生していない場合には、ディスプレイ対応領域Amに警告ランプ11aを位置させ、磁界発生部5が磁界を発生した場合には、図20(2)の矢印Y32のように、移送機構312aに対して、観察外領域Axに警告ランプ11aを移送させる。そして、警告ランプ制御部310cは、磁界発生部5が磁界の発生を停止した場合には、移送機構312aに対して、ディスプレイ対応領域Amに警告ランプ11aを移送させる。
この場合には、磁界が発生する間、すなわち被検体内画像がディスプレイ4aの表示画面に表示されている間、警告ランプ11aは、観察外領域Axに位置するため、磁界発生を告知できるとともに、警告ランプ11aによる光のディスプレイ4aへの映り込みを防止できる。
次に、この場合における磁界発生告知処理について説明する。図21は、図17に示す被検体内画像取得システム301における磁界発生告知処理の他の処理手順を示すフローチャートである。
図21に示すように、まず、被検体内画像取得システム301では、磁界発生の警告時における警告ランプ11aの位置を設定する警告位置設定処理を行なう(ステップS372)。この警告位置設定処理においては、図22(1)および図22(2)に示すように、移送機構312aは、位置変更情報入力部308aの操作および制御部310の制御のもと、観察外領域Axに警告ランプ11aが位置するように、矢印Y33のように警告ランプ11aの位置を観察外領域Axに移送し、警告ランプ制御部310cは、この位置を磁界発生時における警告ランプ11aの警告位置として設定する。そして、警告ランプ制御部310cは、視野領域Aのうち観察外領域Ax外のディスプレイ対応領域Amを磁界不発生時における警告ランプ11aの位置として設定する。なお、この警告位置設定処理は、体内観察ごとに行なう必要はなく、操作者が変わった場合に一度行えば足りる。また、一定の精度を保つために定期的に行なってもよい。
次いで、警告ランプ制御部310cは、警告ランプ11aを発光させる警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行ない(ステップS374)、続いて、警告ランプ11aを観察外領域Axではなく、ディスプレイ対応領域Amに移送させる(ステップS376)。
そして、警告ランプ制御部310cは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS378)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS378の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部310cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS378:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告位置に警告ランプ11aを移送させる(ステップS380)。
次に、警告ランプ制御部310cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS382)。警告ランプ制御部310cは、ステップS382の判断処理を繰り返し、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS382:Yes)、制御部310は、体内観察を終了するか否かを判断する(ステップS384)。制御部310が体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS384:No)、警告処理を停止させるために、ステップS376に戻り、警告ランプ11aをディスプレイ対応領域Amに移動させる。一方、制御部310が体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS384:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部310cは、警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理(ステップS386)を行い、警告ランプ11aの制御処理を終了する。
被検体内画像取得システム301は、この図21に示す各処理手順を行なうことによって、警告ランプ11aの位置を変更させて、磁界発生および磁界不発生を告知することができる。
(実施の形態3の変形例1)
次に、実施の形態3の変形例1について説明する。実施の形態3の変形例1では、光センサを用いて警告ランプの発光状態を検出し、この検出結果をもとに、観察外領域の中に警告ランプが位置するように警告ランプの移送処理を制御している。図23は、実施の形態3の変形例1にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図23に示すように、実施の形態3の変形例1にかかる被検体内画像取得システム301dは、図17に示す被検体内画像取得システム301と比して、入力部308に代えて入力部8を有し、制御部310に代えて制御部310aを有する。制御部310aは、警告ランプ制御部310cに代えて警告ランプ制御部310dを有する。そして、被検体内画像取得システム301dは、さらに光センサ208dを備える。光センサ208dは、警告ランプ11の発光状態を検出する。警告ランプ制御部310dは、光センサ208dが検出した警告ランプ11の発光状態をもとに警告ランプ11aの位置を求め、警告ランプ11aが観察外領域Axに位置するように警告ランプ移送部312の移送処理を制御する。
具体的に、図24を参照して、図23に示す被検体内画像取得システム301dにおける警告ランプ11aの発光制御について説明する。図24(1)に示すように、光センサ208dは、たとえば、ディスプレイ対応領域Amのディスプレイ4a近辺に配置される。そして、図24(1)に示すように、光センサ208dは、警告ランプ11aの発光状態として、矢印Y22のように光センサ208dに達する光の光量を検出する。
警告ランプ制御部310dは、予め光センサ208dによって検出されていた観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まっていた場合の光量(初期値)と、光センサ208dが検出した光量(検出値)とを比較する。
初期値と検出値とが異なり検出値が初期値よりも大きくなっていた場合には、図24(1)に示すように、警告ランプ11aが、観察外領域Axではなくディスプレイ4a側のディスプレイ対応領域Amに位置している場合である。このため、警告ランプ制御部310dは、初期値と検出値との差分値に応じて警告ランプ11aの移送方向および移送距離を設定することによって、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが位置するように移送機構312aを制御する。これによって、警告ランプ11aは、図24(2)に示すように、警告ランプ11aは、矢印Y31のように観察外領域Ax内に移送される。また、光センサ208dは、警告ランプ11aの発光状態を検出できればよいため、ディスプレイ4a近傍に限らず、操作者N近傍に設置してもよく、また、操作者N自身の頭に直接取り付けてもよい。
このように、実施の形態3の変形例1では、光センサ208dの検出結果にもとに、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが位置するように警告ランプ11aの位置を自動的に制御しているため、操作者は、警告ランプ11aの位置調整処理を行なう必要がなく、体内観察に集中することができる。
次に、図25を参照して、被検体内画像取得システム301dにおける磁界発生告知処理について説明する。図25は、図23に示す被検体内画像取得システム301dにおける磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図25に示すように、被検体内画像取得システム301dでは、制御部310aの制御のもと、観察外領域Axの中に警告ランプ11aを位置させ、この場合の光量を光センサ208dに検出させて、検出した光量を初期値として設定する初期値設定処理を行なう(ステップS322)。この初期値設定処理は、体内観察ごとに行なう必要はなく、操作者が変わった場合に一度行えば足りる。また、一定の精度を保つために定期的に行なってもよい。また、警告ランプ制御部310dは、初期値設定処理後は、警告ランプ11aを消灯する。
次いで、警告ランプ制御部310dは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS324)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS324の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部310dは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS324:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS326)。
そして、警告ランプ制御部310dは、光センサ208dに、光センサ208dに達する光の光量を検出させる光量検出処理を行なう(ステップS328)。そして、警告ランプ制御部310dは、検出値と初期値とを比較して、検出値と初期値とは異なるか否かを判断する(ステップS330)。なお、ステップS330においては、光センサ208dの検出精度、操作者Nの姿勢、警告ランプ11aの発光精度などに応じたばらつきを含めて、検出値と初期値との一致度を設定すればよい。
警告ランプ制御部310dは、検出値と初期値とは異なると判断した場合(ステップS330:異なる)、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが位置するように、初期値と検出値との差分値に応じた方向および距離で警告ランプ移送部312に警告ランプ11aを移送させる警告ランプ移送処理を行なう(ステップS332)。たとえば、この警告ランプ移送処理では、初期値と検出値との各差分値ごとに、警告ランプ11aと観察外領域Axとの距離および方向が対応付けられたテーブルが予め記憶されており、警告ランプ制御部310dは、このテーブルを参照することよって、移送機構312aによる警告ランプ11aの移動方向および移送距離を設定する。移送機構312aは、警告ランプ制御部310dの制御のもと、警告ランプ11aを移送し、警告ランプ11aを観察外領域Axに位置させる。
警告ランプ制御部310dは、検出値と初期値とはほぼ等しいと判断した場合(ステップS330:等しい)、または、ステップS332の警告ランプ移送処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS334)。警告ランプ制御部310dは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS334:No)、ステップS326の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、警告ランプ制御部310dは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS334:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS336)。そして、制御部310aは、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS338)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS338:No)、ステップS324に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS338:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部301dにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図25に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム301aは、観察外領域Axの中に警告ランプ11a位置するように警告ランプ11aの発光処理を自動的に制御している。
(実施の形態3の変形例2)
次に、実施の形態3の変形例2について説明する。実施の形態3の変形例2では、光センサではなく、イメージセンサを用いて操作者の目の動きを検出し、この検出結果をもとに操作者の目と警告ランプ11aとの距離変動を算出して、この算出した距離変動をもとに警告ランプ11aの位置を制御する。図26は、実施の形態3の変形例2にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図26に示すように、実施の形態3の変形例2にかかる被検体内画像取得システム301eは、図23に示す被検体内画像取得システム301dと比して、光センサ208dに代えてイメージセンサ208eを有し、制御部310aに代えて制御部310bを有する。制御部310bは、警告ランプ制御部310dに代えて警告ランプ制御部310eを有する。イメージセンサ208eは、操作者の目の動きを検出する。警告ランプ制御部310dは、イメージセンサ208eによる検出結果をもとに警告ランプ11aの位置を制御する。
具体的に、図27を参照して、図26に示す被検体内画像取得システム301eにおける警告ランプ11aの発光制御について説明する。図27(1)に示すように、イメージセンサ208eは、撮像視野内に操作者Nの目が含まれるように、ディスプレイ4a上部に設置される。そして、イメージセンサ208eは、操作者Nの目を連続して撮像することによって操作者Nの目の動きを検出する。イメージセンサ208eは、一連の撮像画像を警告ランプ制御部310eに出力する。
警告ランプ制御部310eは、図14に示す警告ランプ制御部210eと同様に、イメージセンサ208eによる一連の撮像画像を処理することによって、操作者Nの目と警告ランプ11aとの距離変動を算出する。たとえば、図27(2)の矢印Y23のように操作者Nが図中右側を向いた場合には、操作者Nの目も図中右側に動くため、操作者Nの視野領域も、視野領域Aから視野領域A1に図中右方向に動いてしまい、操作者Nの目と警告ランプ11aとの距離は、操作者Nが図中右側を向く前よりも大きくなる。この場合には、警告ランプ制御部310eは、操作者Nの動きにともない大きくなった操作者Nの目と警告ランプ11aとの距離分、移送機構312aに警告ランプ11aを移送させる。これによって、警告ランプ11aは、図27(2)の矢印Y34のように、操作者Nの右側を向く動作にともない移送した観察外領域Ax1に警告ランプ11aに移送することとなる。
なお、イメージセンサ208eは、操作者Nの目の動きを検出できれば足りるため、ディスプレイ4a上部に限らず、ディスプレイ4aと操作者Nとの間の領域にイメージセンサ208eを設置してもよい。また、操作者Nの目の動きを検出できれば足りるため、操作者Nの目自身を撮像する必要はない。たとえば、操作者Nの頭にイメージセンサ208eを取り付け、予め操作者Nの様々な目の動きごとに周囲を連続して撮像しておき、予め撮像した目の各動きに対応する画像群と、体内観察中に操作者Nの頭に取り付けられたイメージセンサ208eが撮像した一連の画像とをそれぞれ比較することによって、操作者Nの目が実際にどのように動いたかを判断してもよい。
このように、実施の形態3の変形例2では、イメージセンサ208eの検出結果をもとに、操作者の目の動きによって視野領域が移動した場合であっても、この視野領域とともに移動した観察外領域内に警告ランプ11aが位置するように、警告ランプ11aの位置を自動的に調整している。この結果、操作者は、どのような目の動きを行った場合であっても警告ランプ11aによる警告処理を視認することができるため、磁界発生を正確に把握することができる。
次に、図28を参照して、被検体内画像取得システム301eにおける磁界発生告知処理について説明する。図28は、図26に示す被検体内画像取得システム301eにおける磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図28に示すように、被検体内画像取得システム301eでは、制御部310bの制御のもと、操作者Nの観察外領域Axの中に警告ランプ11aが位置するように移送機構312aが警告ランプ11aの位置を調整するとともに、固定配置されたイメージセンサ208eと警告ランプ11aとの距離、および、操作者Nの基本動作時におけるイメージセンサ208eと操作者Nの目との距離の加算値を初期値として設定する初期値設定処理を行なう(ステップS352)。この初期値設定処理においては、たとえば操作者Nがディスプレイ4aを真正面から視認している場合を基本動作時として、イメージセンサ208eによる撮像処理を行ない、イメージセンサ208eによる撮像画像をもとにイメージセンサ208eと操作者Nの目との距離を求める。また、この初期値設定処理は、体内観察ごとに行なう必要はなく、操作者が変わった場合に一度行えば足りる。また、一定の精度を保つために定期的に行なってもよい。また、警告ランプ制御部310eは、初期値設定処理後は、警告ランプ11aを消灯する。
次いで、警告ランプ制御部310eは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS354)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS354の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部310eは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS354:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS356)。
そして、警告ランプ制御部310eは、イメージセンサ208eに操作者Nの目を撮像させ、イメージセンサ208eによる一連の撮像画像を処理することによって、操作者の目と警告ランプ11aとの距離を検出する距離検出処理を行なう(ステップS358)。距離検出処理では、イメージセンサ208eによる一連の撮像画像を処理することによって、操作者Nの目とイメージセンサ208eとの距離を算出し、固定配置されたイメージセンサ208eと警告ランプ11aとの距離に算出した距離を加算することによって、操作者の目と警告ランプ11aとの距離を検出する。
そして、警告ランプ制御部310eは、検出値と初期値とを比較して、検出値と初期値とは異なるか否かを判断する(ステップS360)。なお、ステップS360においては、イメージセンサ208eの撮像精度などに応じたばらつきを含めて、検出値と初期値との一致度を設定すればよい。
警告ランプ制御部310eは、検出値と初期値とは異なると判断した場合(ステップS360:異なる)、検出値と初期値との差分値に応じ方向および距離で警告ランプ移送部312に警告ランプ11aを移送させる警告ランプ移動処理を行なう(ステップS362)。たとえば、この警告ランプ移送処理では、初期値と検出値との各差分値ごとに、警告ランプ11aと観察外領域Axとの距離および方向が対応付けられたテーブルが予め記憶されており、警告ランプ制御部310eは、このテーブルを参照することよって、移送機構312aによる警告ランプ11aの移送方向および移送距離を設定する。移送機構312aは、警告ランプ制御部310eの制御のもと、警告ランプ11aを移送し、警告ランプ11aを観察外領域Axに位置させる。
警告ランプ制御部310eは、検出値と初期値とはほぼ等しいと判断した場合(ステップS360:等しい)、または、ステップS362の発光条件調整処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS364)。警告ランプ制御部310eは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS364:No)、ステップS356の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、警告ランプ制御部310eは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS364:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS366)。そして、制御部310bは、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS368)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS368:No)、ステップS354に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS368:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部310eにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図28に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム301eは、観察外領域Axの中に警告ランプ11a位置するように警告ランプ11aの発光処理を自動的に制御している。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、警告ランプの発光制御および位置制御の双方を行なう。図29は、実施の形態4にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図29に示すように、実施の形態4にかかる被検体内画像取得システム401は、図1に示す被検体内画像取得システム1と比して、入力部8に代えて、発光条件変更情報入力部208aと位置変更情報入力部308aとを有する入力部408を備え、制御部10に代えて、制御部410を備える構成を有する。そして、被検体内画像取得システム401は、警告ランプ11を移送する警告ランプ移送部312をさらに備える。位置変更情報入力部308aは、警告ランプ11の位置変更を指示する指示情報を入力する。制御部410は、制御部10と比して、警告ランプ制御部10cに代えて、警告ランプ制御部410cを有する。警告ランプ制御部410cは、発光条件変更情報入力部208aによって入力された指示情報をもとに警告ランプ11の発光処理を制御するとともに、位置変更情報入力部308aによって入力された指示情報をもとに警告ランプ11の移送処理を制御する。
具体的に、図30を参照して、図29に示す被検体内画像取得システム401における警告ランプ11の移送制御及び発光制御について説明する。図30に示すように、実施の形態4においては、図4と同様に、単数の警告ランプ11aが配置される。そして、図30(1)に示すように、警告ランプ11aが、観察外領域Axではなくディスプレイ対応領域Amに位置している場合には、操作者Nは、位置変更情報入力部308aを操作し、警告ランプ11aの位置を観察外領域Axに変更するように指示する。この結果、位置変更情報入力部308aから、警告ランプ11aの位置を観察外領域Axに変更するように指示する指示情報が入力される。この指示情報にしたがって、警告ランプ制御部410cは、図30(2)に示すように、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが位置するように移送機構312aの移送処理を制御する。これによって、警告ランプ11aは、矢印Y41のように観察外領域Ax内に移送される。
そして、図30(2)に示すように、警告ランプ11aの発光範囲が、観察外領域Axを超えた領域R1にまで達している場合には、操作者Nは、発光条件変更情報入力部208aを操作し、警告ランプ11aの発光範囲を所望の範囲に狭めるよう指示する。この結果、発光条件変更情報入力部208aから、警告ランプ11aの発光範囲を狭めるように発光条件を変更するように指示する指示情報が入力される。この指示情報にしたがって、警告ランプ制御部310cは、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの光強度を小さくするように制御する。これによって、図30(3)に示すように、警告ランプ11aの発光範囲は、領域R1から矢印Y42のように領域R2に狭まる。なお、警告ランプ制御部410cは、警告ランプ11aの光強度を調整するほか、警告ランプ11aの発光色を調整することによって、警告ランプ11aが発する光がディスプレイ領域Amに入っていなく、かつ観察外領域Axに入っているようにしてもよい。
このように、実施の形態4では、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが位置するように警告ランプ11aの移送処理を制御するとともに、観察外領域Axの中に警告ランプ11aが発する光が収まるように警告ランプ11aの発光処理を制御することによって、確実に観察外領域Ax内に警告ランプ11aを位置させて、ディスプレイ4aの画面への警告ランプ11aの光の映り込みを防止し、警告ランプ11aの光が操作者に与える影響を低減している。
そして、実施の形態4では、警告ランプの発光制御および位置制御の双方を行なうことによって、操作者が異なる場合も、操作者ごとにそれぞれ異なる視野領域の観察外領域内に正確に警告ランプの光が収まるように制御することができる。
たとえば、操作者が、図31(1)に示す視野領域A11を有する操作者N1から、図31(2)に示す視野領域A12を有する操作者N2に変わった場合には、この操作者が変わることによって観察外領域Ax11が観察外領域Ax12に変わる。この場合も、警告ランプ制御部410cは、発光条件変更情報入力部208aおよび位置変更情報入力部308aの指示にしたがって、警告ランプ11aの位置および警告ランプ11aの光強度を変更することによって、操作者N2の観察外領域内に警告ランプ11aの光を正確に収めることができる。言い換えると、警告ランプ11aを位置させる観察外領域を、操作者ごとに合わせて柔軟に設定することができる。視野領域の状態を示す情報を直接入力してもよい。
また、実施の形態1、2または3でも、操作者が、図31(1)に示す視野領域A11を有する操作者N1から、図31(2)に示す視野領域A12を有する操作者N2に変わった場合には、警告ランプ11aを位置させる観察外領域を、操作者ごとに合わせて柔軟に設定することができる。視野領域の状態を示す情報を直接入力してもよい。
なお、実施の形態4では、図32に示す被検体内画像取得システム401dのように、光センサ208dを用いて警告ランプ11の発光状態および警告ランプ11の位置を検出し、この検出結果をもとに、観察外領域の中に警告ランプ11が位置するように警告ランプ11を移送し、さらに、観察外領域の中に警告ランプ11が発する光が納まるように警告ランプ11の発光処理を制御してもよい。この場合、被検体内画像取得システム401dは、図29に示す被検体内画像取得システム401と比して、入力部408に代えて入力部8を有し、制御部410に代えて制御部410aを有する。制御部410aは、警告ランプ制御部410cに代えて警告ランプ制御部410dを有する。そして、被検体内画像取得システム401dは、さらに光センサ208dを備える。警告ランプ制御部410dは、光センサ208dが検出した警告ランプ11の発光状態をもとに警告ランプ11aの位置を求め、警告ランプ11aが観察外領域Axに位置するように警告ランプ移送部312の移送処理を制御する。その後、警告ランプ制御部410dは、光センサ208dが検出した警告ランプ11の発光状態をもとに、観察外領域の中に警告ランプ11が発する光が納まるように警告ランプ11の発光処理を制御する。
また、実施の形態4では、図33に示す被検体内画像取得システム401eのように、イメージセンサ208eを用いて操作者の目の動きを検出し、この検出結果をもとに操作者の目と警告ランプ11との距離変動を算出して、この算出した距離変動をもとに警告ランプ11の発光処理および警告ランプ11の移送処理を制御してもよい。この場合、被検体内画像取得システム401eは、図29に示す被検体内画像取得システム401と比して、入力部408に代えて入力部8を有し、制御部410に代えて制御部410bを有する。制御部410bは、警告ランプ制御部410cに代えて警告ランプ制御部410eを有する。そして、被検体内画像取得システム401eは、さらにイメージセンサ208eを備える。警告ランプ制御部410eは、イメージセンサ208eの検出結果をもとに、操作者の動作により観察外領域が移動した場合には、移動した観察外領域に併せて、警告ランプ11の位置および光強度を調整する。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。実施の形態5では、警告ランプを制御するのではなく、被検体内画像の表示パラメータである被検体内画像の表示色もしくは光強度を制御することによって、警告ランプによる光の表示画面への映り込みがあった場合であっても操作者による被検体情報の円滑な観察を実現している。図34は、実施の形態5にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図34に示すように、実施の形態5にかかる被検体内画像取得システム501は、図1に示す被検体内画像取得システム1と比して、入力部8に代えて、画像変更情報入力部508aを有する入力部508を備え、制御部10に代えて、制御部510を備える構成を有する。画像変更情報入力部508aは、警告ランプ11による光の表示部4の表示画面への映り込み状態を入力する。制御部510は、制御部10と比して、画像処理部10aに代えて、画像処理部510aを有する。画像処理部510aは、画像処理部10aと同様に被検体Hの体内画像を生成するとともに、制御部510の制御のもと、被検体内画像の表示色を、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に応じた表示色もしくは光強度に変更する。画像処理部510aは、画像変更情報入力部508aによって入力された警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態をもとに、被検体内画像の表示色を変更する。
次に、図35を参照して、被検体内画像取得システム501における画像処理について説明する。実施の形態5においては、警告ランプ11aは、たとえば観察外領域の所定位置に固定配置される。
警告ランプ11aが点灯することによって、図35(2)に示すよう警告ランプ11aの光がディスプレイ4aの表示画面4bに映り込んでしまい、図35(1)のようにはっきりと表示されていた被検体内画像4cも白くぼやけてしまう。このような場合、操作者Nは、画像変更情報入力部508aを操作し、白くぼやけてしまう画像の表示色もしくは光強度を、警告ランプ11aによる光の表示画面4bへの映り込み状態に対応した表示色もしくは光強度に変更するように指示する。
カプセル型内視鏡2は、被検体内画像として赤みを帯びた胃壁や腸壁を撮像する。このため、たとえば、白くなった被検体内画像が黒くなるように、赤色で表示される割合を少なくして赤みを抑えた画像となるように指示する。この結果、画像変更情報入力部508aから、被検体内画像の表示色を変更するように指示する指示情報が入力される。この指示情報にしたがって、画像処理部510aは、表示画面4bに表示される被検体内画像の表示色もしくは光強度を変更する画像処理を行ない、画像処理後の被検体内画像を表示部4に表示させる。これによって、図35(3)に示すように、表示画面4bには、警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できる赤みを抑えた被検体内画像41cがはっきりと表示される。
このように、実施の形態5では、警告ランプではなく、警告ランプからの光が被検体内画像を視認する操作者に与える影響を低減するように表示対象の被検体内画像自体の表示パラメータを、警告ランプ11aによる光の表示画面への映り込み状態に応じて処理することによって、表示画面に警告ランプ11aの光が映り込んでいる場合であっても、操作者Nが被検体内画像を円滑に観察できるようにし、警告ランプ11aの光が操作者に与える影響を低減している。
次に、図36を参照して、被検体内画像取得システム501における磁界発生告知処理について説明する。図36は、図34に示す被検体内画像取得システム501における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図36に示すように、警告ランプ制御部10cは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS502)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS502の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS502:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS504)。そして、画像処理部510aは、カプセル型内視鏡2から送信された被検体内画像を処理して表示部4に表示させる画像表示処理を行なう(ステップS506)。
次いで、画像処理部510aは、画像変更情報入力部508aからの指示情報の有無をもとに、被検体内画像に対する画像処理の指示があるか否かを判断する(ステップS508)。この場合、画像変更情報入力部508aは、警告ランプ11による光の表示画面の映り込み状態を示す情報を入力してもよい。また、画像変更情報入力部508aは、警告ランプ11による光の表示画面の映り込み範囲を入力してもよい。
画像処理部510aは、被検体内画像に対する画像処理の指示があると判断した場合(ステップS508:Yes)、この指示内容にしたがって、被検体内画像の表示色を、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に対応した表示色もしくは光強度に変更する画像処理を行ない(ステップS510)、画像処理後の被検体内画像を表示部4に表示させる画像表示処理を行なう(ステップS512)。
画像処理部510aは、この画像処理において、前述したように、白くぼやけた被検体内画像が黒くなるように、赤色で表示される割合を少なくして赤みを抑えた画像となるように処理してもよい。また、画像処理部510aは、赤みの比率を段階的に低くしていった画像を順次表示させ、画像変更情報指示部508aから赤みの比率を選択した情報が入力された場合に、選択された赤みの比率で、次以降の被検体内画像についても画像処理を行なってもよい。また、予め、警告ランプ11の光強度ごとに表示画面への光の映り込み範囲をそれぞれ求めて記憶させておくとともに、各領域ごとに警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できる赤み比率を記憶させておき、画像変更情報入力部508aによって、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み範囲が入力された場合には、記憶させた各映り込み範囲と各赤み比率とをもとに、被検体内画像のうち映り込み範囲に表示される領域のみが、対応する赤み比率となるように画像処理を行なってもよい。また、この画像処理として赤みを抑えた画像となるように処理する場合について説明したが、もちろんこれに限らず、画像処理部510aは、警告ランプ11の光強度や発光色に応じて被検体内画像の表示色もしくは光強度を変更すればよい。
警告ランプ制御部10cは、画像処理指示がないと判断した場合(ステップS508:No)、または、ステップS512の画像表示処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS514)。警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS514:No)、ステップS504に戻り、警告ランプ発光処理を継続させる。一方、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS514:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS516)。次いで、画像処理部510aは、画像処理設定を初期化する(ステップS518)。そして、制御部510は、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS520)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS520:No)、ステップS502に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS520:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部10cにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図36に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム501は、被検体内画像の表示色を、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に応じた表示色に変更させて、操作者に対する磁界発生の正確な告知と、操作者による被検体情報の円滑な観察とを実現している。
(実施の形態5の変形例1)
次に、実施の形態5の変形例1について説明する。実施の形態5の変形例1では、光センサを用いて警告ランプによる光の表示画面への映り込み状態を検出し、この検出結果をもとに、被検体内画像の表示色を変更している。図37は、実施の形態5の変形例1にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図37に示すように、実施の形態5の変形例1にかかる被検体内画像取得システム501dは、図34に示す被検体内画像取得システム501と比して、入力部508に代えて入力部8を有し、制御部510に代えて制御部510fを有する。制御部510fは、画像処理部510aに代えて画像処理部510dを有する。そして、被検体内画像取得システム501dは、さらに光センサ208dを備える。光センサ208dは、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態を検出する。画像処理部510dは、光センサ208dによる検出結果をもとに被検体内画像の表示色もしくは光強度を変更している。
具体的に、図38を参照して、図37に示す被検体内画像取得システム501dにおける被検体内画像に対する画像処理について説明する。図38(1)に示すように、光センサ208dは、たとえばディスプレイ4a上部に配置される。そして、図38(2)に示すように警告ランプ11aが発光している場合に、光センサ208dは、光センサ208dに達する警告ランプ11aの光の光量を検出する。
画像処理部510dは、予め光センサ208dによって検出されていた表示画面4bへの光の映り込みがない場合における警告ランプ11aの光量(初期値)と、光センサ208dが検出した光量(検出値)とを比較する。
初期値と検出値とが異なり検出値が初期値よりも大きくなっていた場合には、図38(2)に示すように、警告ランプ11aの光が、ディスプレイ4aの表示画面4bに映り込む場合に相当する。この結果、図38(2)のように被検体内画像4cも白くぼやけてしまう。このため、画像処理部510dは、初期値と検出値との差分値に応じて、被検体内画像の表示色を変更する画像処理を行ない、画像処理後の被検体内画像を表示部4に表示させる。これによって、図38(3)に示すように、表示画面4bには、警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できる赤みを抑えた被検体内画像41cがはっきりと表示される。また、光センサ208dは、警告ランプ11aの発光状態を検出できればよいため、ディスプレイ4a近傍に限らず、操作者N近傍に設置してもよく、また、操作者N自身の頭に直接取り付けてもよい。
このように、実施の形態5の変形例1では、光センサ208dの検出結果にもとに、表示対象の被検体内画像の表示色を、警告ランプ11aによる光の表示画面への映り込み状態に応じて自動的に変更しているため、操作者は、表示色もしくは光強度の変更を行なう必要がなく、体内観察に集中することができる。
次に、図39を参照して、被検体内画像取得システム501dにおける磁界発生告知処理について説明する。図39は、図37に示す被検体内画像取得システム501dにおける磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図39に示すように、被検体内画像取得システム501dでは、制御部510fの制御のもと、表示部4の表示画面に警告ランプ11aの光が映り込まないように、観察外領域Ax内の警告ランプ11aの光量を調整し、この場合の光量を光センサ208dに検出させて、検出した光量を初期値として設定する初期値設定処理を行なう(ステップS522)。この初期値設定処理は、体内観察ごとに行なう必要はなく、操作者が変わった場合に一度行えば足りる。また、一定の精度を保つために定期的に行なってもよい。また、警告ランプ制御部10cは、初期値設定処理後は、警告ランプ11aを消灯する。
次いで、警告ランプ制御部10cは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS524)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS524の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS524:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS526)。そして、画像処理部510dは、カプセル型内視鏡2から送信された被検体内画像を表示部4に表示させる画像表示処理を行なう(ステップS528)。
そして、制御部510fは、光センサ208dに、光センサ208dに達する光の光量を検出させる光量検出処理を行なう(ステップS530)。次いで、画像処理部510dは、検出値と初期値とを比較して、検出値と初期値とは異なるか否かを判断する(ステップS532)。なお、ステップS532においては、光センサ208dの検出精度、操作者Nの姿勢、警告ランプ11aの発光精度などに応じたばらつきを含めて、検出値と初期値との一致度を設定すればよい。
画像処理部510dは、検出値と初期値とは異なると判断した場合(ステップS532:異なる)、警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できるように、初期値と検出値との差分値に応じて、被検体内画像の表示色もしくは光強度を変更する画像処理を行ない(ステップS534)、画像処理後の被検体内画像を表示部4に表示させる画像表示処理を行なう(ステップS536)。たとえば、この発光条件調整処理では、初期値と検出値との各差分値ごとに、表示画面への光の映り込み範囲と、適切な赤み比率とが対応付けられたテーブルが予め記憶されており、画像処理部510dは、このテーブルを参照することによって、被検体内画像の処理対象範囲と、この処理対象範囲における赤み比率とを用いて被検体内画像を処理する。この結果、表示画面4bには、警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できる赤みを抑えた被検体内画像41cがはっきりと表示される。
制御部510fは、画像処理部510dが検出値と初期値とはほぼ等しいと判断した場合(ステップS532:等しい)、または、ステップS536の画像表示処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS538)。制御部510fは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS538:No)、ステップS526の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、制御部510fは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS538:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS540)。次いで、画像処理部510dは、画像処理設定を初期化する(ステップS542)。そして、制御部510fは、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS544)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS544:No)、ステップS524に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS544:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部10cにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図39に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム501dは、被検体内画像の表示色もしくは光強度を、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に応じた表示色もしくは光強度に自動的に変更している。
(実施の形態5の変形例2)
次に、実施の形態5の変形例2について説明する。実施の形態5の変形例2では、光センサではなく、イメージセンサを用いて、警告ランプによる光の表示画面への映り込み状態を検出し、この検出結果をもとに、被検体内画像の表示色を変更している。図40は、実施の形態5の変形例2にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図40に示すように、実施の形態5の変形例2にかかる被検体内画像取得システム501eは、図37に示す被検体内画像取得システム501dと比して、光センサ208dに代えてイメージセンサ208eを有し、制御部510fに代えて制御部510gを有する。制御部510gは、画像処理部510dに代えて画像処理部510eを有する。イメージセンサ208eは、表示部4の表示画面を撮像することによって、表示画面への警告ランプ11の光の映り込み状態を検出する。画像処理部510eは、イメージセンサ208eによる検出結果をもとに被検体内画像の表示色もしくは光強度を変更している。
具体的に、図41を参照して、図40に示す被検体内画像取得システム501eにおける被検体内画像に対する画像処理について説明する。図41(1)に示すように、イメージセンサ208eは、撮像視野内にディスプレイ4aの表示画面4bが含まれるように、たとえば操作者Nの頭に取り付けられる。そして、図41(2)に示すように警告ランプ11aが発光している場合に、イメージセンサ208eは、表示画面4bを連続して撮像することによって表示画面4bへの警告ランプ11aの光の映り込み状態を検出する。イメージセンサ208eは、一連の撮像画像を画像処理部510eに出力する。
画像処理部510eは、イメージセンサ208eによる一連の撮像画像を処理することによって、表示画面への警告ランプ11aの光の映り込み状態を検出する。たとえば、画像処理部510dは、予めイメージセンサ208eによって撮像されていた光の映り込みがない場合における被検体内画像を表示している表示画面4b画像の白領域の面積(初期値)と、イメージセンサ208eが撮像した表示画面4b画像の白領域の面積(検出値)とを比較する。
初期値と検出値とが異なり検出値が初期値よりも大きくなっていた場合には、図41(2)に示すように、警告ランプ11aの光が、ディスプレイ4aの表示画面4bに映り込む場合に相当する。この結果、図41(2)のように被検体内画像4cも白くぼやけてしまう。このため、画像処理部510eは、初期値と検出値との差分値に応じて、被検体内画像の表示色を変更する画像処理を行ない、画像処理後の被検体内画像を表示部4に表示させる。これによって、図41(3)に示すように、表示画面4bには、警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できる赤みを抑えた被検体内画像41cがはっきりと表示される。また、イメージセンサ208eは、表示部4の表示画面を撮像することができればよいため、操作者Nの頭に限らず、操作者Nと表示部4との間であってもよく、撮像視野内にディスプレイ4aの表示画面4bが含まれるように配置すれば足りる。
このように、実施の形態5の変形例2では、イメージセンサ208eの検出結果をもとに、表示対象の被検体内画像の表示色を、警告ランプ11aによる光の表示画面4bへの映り込み状態に応じて自動的に変更しているため、操作者は、表示色もしくは光強度の変更を行なう必要がなく、体内観察に集中することができる。
次に、図42を参照して、被検体内画像取得システム501eにおける磁界発生告知処理について説明する。図42は、図40に示す被検体内画像取得システム501eにおける磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図42に示すように、被検体内画像取得システム501eでは、制御部510gの制御のもと、表示部4の表示画面に警告ランプ11aの光が映り込まないように、観察外領域Ax内の警告ランプ11aの光量を調整し、この場合の表示画面をイメージセンサ208eに撮像させて、撮像した表示画面画像における白領域の面積を初期値として設定する初期値設定処理を行なう(ステップS552)。この初期値設定処理は、体内観察ごとに行なう必要はなく、操作者が変わった場合に一度行えば足りる。また、一定の精度を保つために定期的に行なってもよい。また、警告ランプ制御部10cは、初期値設定処理後は、警告ランプ11aを消灯する。
次いで、警告ランプ制御部10cは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS554)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS554の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS554:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS556)。そして、画像処理部510eは、カプセル型内視鏡2から送信された被検体内画像を表示部4に表示させる画像表示処理を行なう(ステップS558)。
そして、画像処理部510eは、イメージセンサ208eに、表示部4の表示画面を撮像させて、撮像した表示画面画像における白領域の面積を検出値として算出する画面状態検出処理を行なう(ステップS560)。次いで、画像処理部510eは、検出値と初期値とを比較して、検出値と初期値とは異なるか否かを判断する(ステップS562)。なお、ステップS560においては、イメージセンサ208eの検出精度、操作者Nの姿勢、警告ランプ11aの発光精度などに応じたばらつきを含めて、検出値と初期値との一致度を設定すればよい。
画像処理部510dは、検出値と初期値とは異なると判断した場合(ステップS562:異なる)、警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できるように、初期値と検出値との差分値に応じて、被検体内画像の表示色もしくは光強度を変更する画像処理を行ない(ステップS564)、画像処理後の被検体内画像を表示部4に表示させる画像表示処理を行なう(ステップS566)。たとえば、この発光条件調整処理では、初期値と検出値との各差分値ごとに、表示画面への光の映り込み範囲と、適切な赤み比率とが対応付けられたテーブルが予め記憶されており、画像処理部510eは、このテーブルを参照することによって、被検体内画像の処理対象範囲と、この処理対象範囲における赤み比率とを用いて被検体内画像を処理する。この結果、表示画面4bには、警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できる赤みを抑えた被検体内画像41cがはっきりと表示される。
制御部510gは、画像処理部510eが検出値と初期値とはほぼ等しいと判断した場合(ステップS562:等しい)、または、ステップS566の画像表示処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS568)。制御部510gは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS568:No)、ステップS556の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、制御部510gは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS568:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS570)。次いで、画像処理部510eは、画像処理設定を初期化する(ステップS572)。そして、制御部510gは、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS574)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS574:No)、ステップS554に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS574:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部10cにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図42に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム501eは、被検体内画像の表示色を、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に応じた表示色もしくは光強度に自動的に変更している。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。実施の形態6では、表示部4の表示画面を制御することによって、警告ランプによる光の表示画面への映り込みがあった場合であっても操作者による被検体情報の円滑な観察を実現している。図43は、実施の形態6にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図43に示すように、実施の形態6にかかる被検体内画像取得システム601は、図1に示す被検体内画像取得システム1と比して、入力部8に代えて、画面変更情報入力部608aを有する入力部608を備え、制御部10に代えて、制御部610を備える構成を有する。画面変更情報入力部608aは、警告ランプ11による光の表示部4の表示画面への映り込み状態を入力する。制御部610は、制御部10と比して、画面制御部610cをさらに備える。画面制御部610cは、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に対応させて、表示部4の表示画面の表示パラメータを変更する。画面制御部610cは、画面変更情報入力部608aによって入力された警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態をもとに、表示部4の表示画面の表示パラメータ、たとえば表示画面の表示色もしくは光強度を変更する。
次に、図44を参照して、被検体内画像取得システム601における画面制御処理について説明する。実施の形態6においては、警告ランプ11aは、たとえば観察外領域の所定位置に固定配置される。
警告ランプ11aが点灯することによって、図44(2)に示すよう警告ランプ11aの光がディスプレイ4aの表示画面4bに映り込んでしまい、図44(1)のようにはっきりと表示されていた被検体内画像4cも白くぼやけてしまう。このような場合、操作者Nは、画面変更情報入力部608aを操作し、表示画面4bにおける、警告ランプ11aの光が映り込んでいる領域の表示色もしくは光強度を変更するように指示する。たとえば、警告ランプ11aの光が映りこんでいる領域が暗くなるように、この領域の表示色もしくは光強度を変更する。この結果、画面変更情報入力部608aから、表示画面の表示色もしくは光強度を変更するように指示する指示情報が入力される。この指示情報にしたがって、画面制御部610cは、表示画面4bの警告ランプ11aの光が映り込んでいる領域の表示色もしくは光強度を変更する画面変更処理を行なう。これによって、図44(3)に示すように、警告ランプ11aの光が映りこんでいる領域も他の領域とほぼ同等に暗くなった表示画面41bとなる。
このように、実施の形態6では、警告ランプからの光が被検体内画像を視認する操作者に与える影響を低減するように、表示画面の表示パラメータを、警告ランプ11aによる光の表示画面への映り込み状態に応じて変更することによって、表示画面に警告ランプ11aの光が映り込んでいる場合であっても、操作者Nが被検体内画像を円滑に観察できるようにして、警告ランプ11aの光が操作者に与える影響を低減している。
次に、図45を参照して、被検体内画像取得システム601における磁界発生告知処理について説明する。図45は、図43に示す被検体内画像取得システム601における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図45に示すように、警告ランプ制御部10cは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS602)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS602の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS602:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS604)。そして、画像処理部10aは、カプセル型内視鏡2から送信された被検体内画像を処理して表示部4に表示させる画像表示処理を行なう(ステップS606)。
次いで、画面制御部610cは、画面変更情報入力部608aからの指示情報の有無をもとに、表示画面の表示パラメータの変更指示があるか否かを判断する(ステップS608)。この場合、画面変更情報入力部608aは、警告ランプ11による光の表示画面の映り込み状態を示す情報を入力してもよい。また、画面変更情報入力部608aは、警告ランプ11による光の表示画面の映り込み範囲を入力してもよい。
画面制御部610cは、表示画面の表示色パラメータの変更指示があると判断した場合(ステップS608:Yes)、この指示内容にしたがって、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に対応させて、表示画面の表示色もしくは光強度を変更する画面制御処理を行なう(ステップS610)。画面制御部610cは、警告ランプ11aの光が映りこんでいる領域が暗くなるように、この領域の表示画面の表示色もしくは光強度を制御する。
警告ランプ制御部10cは、画面変更指示がないと判断した場合(ステップS608:No)、または、ステップS610の画面制御処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS612)。警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS612:No)、ステップS604に戻り、警告ランプ発光処理を継続させる。一方、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS612:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS614)。次いで、画面制御部610cは、画面表示設定を初期化する(ステップS616)。そして、制御部610は、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS618)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS618:No)、ステップS602に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS618:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部10cにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図45に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム601は、表示画面の表示パラメータを、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に応じて変更することによって、操作者に対する磁界発生の正確な告知と、操作者による被検体情報の円滑な観察とを実現している。
(実施の形態6の変形例1)
次に、実施の形態6の変形例1について説明する。実施の形態6の変形例1では、光センサを用いて警告ランプによる光の表示画面への映り込み状態を検出し、この検出結果をもとに表示画面の表示色もしくは光強度を変更している。図46は、実施の形態6の変形例1にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図46に示すように、実施の形態6の変形例1にかかる被検体内画像取得システム601dは、図43に示す被検体内画像取得システム601と比して、入力部608に代えて入力部8を有し、制御部610に代えて制御部610aを有する。制御部610aは、画面制御部610cに代えて画面制御部610dを有する。そして、被検体内画像取得システム601dは、さらに光センサ208dを備える。光センサ208dは、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態を検出する。画面制御部610dは、光センサ208dによる検出結果をもとに表示画面の表示色もしくは光強度を変更している。
具体的に、図47を参照して、図46に示す被検体内画像取得システム601dにおける表示画面制御処理について説明する。図47(1)に示すように、光センサ208dは、たとえばディスプレイ4a上部に配置される。そして、図47(2)に示すように警告ランプ11aが発光している場合に、光センサ208dは、光センサ208dに達する警告ランプ11aの光の光量を検出する。
画面制御部610dは、予め光センサ208dによって検出されていた表示画面4bへの光の映り込みがない場合における警告ランプ11aの光量(初期値)と、光センサ208dが検出した光量(検出値)とを比較する。
初期値と検出値とが異なり検出値が初期値よりも大きくなっていた場合には、図47(2)に示すように、警告ランプ11aの光が、ディスプレイ4aの表示画面4bに映り込む場合に相当する。この結果、図47(2)のように被検体内画像4cも白くぼやけてしまう。このため、画面制御部610dは、初期値と検出値との差分値に応じて、表示画面4bにおける、警告ランプ11aの光が映り込んでいる領域の表示色もしくは光強度を変更するように指示する。これによって、図47(3)に示すように、警告ランプ11aの光が映りこんでいる領域も他の領域とほぼ同等に暗くなった表示画面41bとなる。また、光センサ208dは、警告ランプ11aの発光状態を検出できればよいため、ディスプレイ4a近傍に限らず、操作者N近傍に設置してもよく、また、操作者N自身の頭に直接取り付けてもよい。
このように、実施の形態6の変形例1では、光センサ208dの検出結果にもとに、表示画面の表示パラメータである表示色もしくは光強度を、警告ランプ11aによる光の表示画面への映り込み状態に応じて自動的に変更しているため、操作者は、表示画面の表示色もしくは光強度の変更を行なう必要がなく、体内観察に集中することができる。
次に、図48を参照して、被検体内画像取得システム601dにおける磁界発生告知処理について説明する。図48は、図46に示す被検体内画像取得システム601dにおける磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図48に示すように、被検体内画像取得システム601dでは、制御部610aの制御のもと、表示部4の表示画面に警告ランプ11aの光が映り込まないように、観察外領域Ax内の警告ランプ11aの光量を調整し、この場合の光量を光センサ208dに検出させて、検出した光量を初期値として設定する初期値設定処理を行なう(ステップS622)。この初期値設定処理は、体内観察ごとに行なう必要はなく、操作者が変わった場合に一度行えば足りる。また、一定の精度を保つために定期的に行なってもよい。また、警告ランプ制御部10cは、初期値設定処理後は、警告ランプ11aを消灯する。
次いで、警告ランプ制御部10cは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS624)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS624の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS624:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS626)。そして、画像処理部10aは、カプセル型内視鏡2から送信された被検体内画像を表示部4に表示させる画像表示処理を行なう(ステップS628)。
そして、制御部610aは、光センサ208dに、光センサ208dに達する光の光量を検出させる光量検出処理を行なう(ステップS630)。次いで、画面制御部610dは、検出値と初期値とを比較して、検出値と初期値とは異なるか否かを判断する(ステップS632)。なお、ステップS632においては、光センサ208dの検出精度、操作者Nの姿勢、警告ランプ11aの発光精度などに応じたばらつきを含めて、検出値と初期値との一致度を設定すればよい。
画面制御部610dは、検出値と初期値とは異なると判断した場合(ステップS632:異なる)、警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できるように、初期値と検出値との差分値に応じて、表示画面の輝度を変更する画面制御処理を行なう(ステップS634)。たとえば、この画面制御処理では、初期値と検出値との各差分値ごとに、表示画面への光の映り込み範囲である表示色変更範囲もしくは光強度変更範囲と、映り込みに対抗できる表示色情報もしくは光強度情報とが対応付けられたテーブルが予め記憶されており、画面制御部610dは、このテーブルを参照することによって、表示画面における表示色変更範囲もしくは光強度変更範囲と、この変更する表示色情報もしくは光強度情報とを用いて表示画面の表示色もしくは光強度を変更する。この結果、警告ランプ11aの光が映りこんでいる領域が暗くなった表示画面4bとなるため、被検体内画像4cがはっきりと表示される。
制御部610aは、画面制御部610dが検出値と初期値とはほぼ等しいと判断した場合(ステップS632:等しい)、または、ステップS634の画面制御処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS636)。制御部610aは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS636:No)、ステップS626の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、制御部610aは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS636:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS638)。次いで、画面制御部610dは、画面表示設定を初期化する(ステップS640)。そして、制御部610aは、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS642)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS642:No)、ステップS624に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS642:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部10cにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図48に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム601dは、表示画面を、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に応じた表示色もしくは光強度に自動的に変更している。
(実施の形態6の変形例2)
次に、実施の形態6の変形例2について説明する。実施の形態6の変形例2では、光センサではなく、イメージセンサを用いて表示画面への警告ランプの光の映り込み状態を検出し、この検出結果をもとに、被検体内画像の表示色もしくは光強度を変更している。図49は、実施の形態6の変形例2にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。
図49に示すように、実施の形態6の変形例2にかかる被検体内画像取得システム601eは、図46に示す被検体内画像取得システム601dと比して、光センサ208dに代えてイメージセンサ208eを有し、制御部610aに代えて制御部610bを有する。制御部610bは、画面制御部610dに代えて画面制御部610eを有する。イメージセンサ208eは、表示部4の表示画面を撮像することによって、表示画面への警告ランプ11の光の映り込み状態を検出する。画面制御部610eは、イメージセンサ208eによる検出結果をもとに表示画面の表示色もしくは光強度を変更している。
具体的に、図50を参照して、図49に示す被検体内画像取得システム601eにおける表示画面制御処理について説明する。図50(1)に示すように、イメージセンサ208eは、撮像視野内にディスプレイ4aの表示画面4bが含まれるように、たとえば操作者Nの頭に取り付けられる。そして、図50(2)に示すように警告ランプ11aが発光している場合に、イメージセンサ208eは、表示画面4bを連続して撮像することによって表示画面への警告ランプ11aの光の映り込み状態を検出する。イメージセンサ208eは、一連の撮像画像を画面制御部610eに出力する。
画面制御部610eは、イメージセンサ208eによる一連の撮像画像を処理することによって、表示画面への警告ランプ11aの光の映り込み状態を検出する。たとえば、画面制御部610eは、予めイメージセンサ208eによって撮像されていた光の映り込みがない場合における被検体内画像を表示している表示画面4b画像の白領域の面積(初期値)と、イメージセンサ208eが撮像した表示画面4b画像の白領域の面積(検出値)とを比較する。
初期値と検出値とが異なり検出値が初期値よりも大きくなっていた場合には、このため、画面制御部610eは、初期値と検出値との差分値に応じて、表示画面4bにおける、警告ランプ11aの光が映り込んでいる領域の表示色もしくは光強度を変更するように指示する。これによって、図50(3)に示すように、警告ランプ11aの光が映りこんでいる領域も他の領域とほぼ同等に暗くなった表示画面41bとなる。また、イメージセンサ208eは、表示部4の表示画面を撮像することができればよいため、操作者Nの頭に限らず、操作者Nと表示部4との間であってもよく、撮像視野内にディスプレイ4aの表示画面4bが含まれるように配置すれば足りる。
このように、実施の形態6の変形例2では、イメージセンサ208eの検出結果をもとに、表示画面の表示色もしくは光強度を、警告ランプ11aによる光の表示画面への映り込み状態に応じて自動的に変更しているため、操作者は、表示画面の表示色もしくは光強度の変更を行なう必要がなく、体内観察に集中することができる。
次に、図51を参照して、被検体内画像取得システム601eにおける磁界発生告知処理について説明する。図51は、図49に示す被検体内画像取得システム601eにおける磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図51に示すように、被検体内画像取得システム601eでは、制御部610bの制御のもと、表示部4の表示画面に警告ランプ11aの光が映り込まないように、観察外領域Ax内の警告ランプ11aの光量を調整し、この場合の表示画面をイメージセンサ208eに撮像させて、撮像した表示画面画像における白領域の面積を初期値として設定する初期値設定処理を行なう(ステップS652)。この初期値設定処理は、体内観察ごとに行なう必要はなく、操作者が変わった場合に一度行えば足りる。また、一定の精度を保つために定期的に行なってもよい。また、警告ランプ制御部10cは、初期値設定処理後は、警告ランプ11aを消灯する。
次いで、警告ランプ制御部10cは、図5に示すステップS2と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断し(ステップS654)、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS654の判断処理を繰り返す。そして、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS654:Yes)、磁界発生を警告するために、観察外領域Axの警告ランプ11aを発光させる警告ランプ発光処理を行なう(ステップS656)。そして、画像処理部10aは、カプセル型内視鏡2から送信された被検体内画像を表示部4に表示させる画像表示処理を行なう(ステップS658)。
そして、画面制御部610eは、イメージセンサ208eに、表示部4の表示画面を撮像させて、撮像した表示画面画像における白領域の面積を検出値として算出する画面状態検出処理を行なう(ステップS660)。次いで、画面制御部610eは、検出値と初期値とを比較して、検出値と初期値とは異なるか否かを判断する(ステップS662)。なお、ステップS662においては、イメージセンサ208eの検出精度、操作者Nの姿勢、警告ランプ11aの発光精度などに応じたばらつきを含めて、検出値と初期値との一致度を設定すればよい。
画面制御部610eは、検出値と初期値とは異なると判断した場合(ステップS662:異なる)、警告ランプ11aの光の映り込みに対しても対抗できるように、初期値と検出値との差分値に応じて、表示画面の表示色もしくは光強度を変更する画面制御処理を行なう(ステップS664)。たとえば、この画面制御処理では、初期値と検出値との各差分値ごとに、表示画面への光の映り込み範囲である表示色変更範囲もしくは光強度変更範囲と、映り込みに対抗できる表示色情報もしくは光強度情報とが対応付けられたテーブルが予め記憶されており、画面制御部610eは、このテーブルを参照することによって、表示画面における表示色変更範囲もしくは光強度変更範囲と、この変更する表示色情報もしくは光強度情報とを用いて表示画面の表示色もしくは光強度を変更する。この結果、警告ランプ11aの光が映りこんでいる領域が表示画面41bとなるため、被検体内画像4cがはっきりと表示される。
制御部610bは、画面処理部610eが検出値と初期値とはほぼ等しいと判断した場合(ステップS662:等しい)、または、ステップS664の画面制御処理が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS666)。制御部610bは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS666:No)、ステップS656の警告ランプ発光処理を継続させる。一方、制御部610bは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS666:Yes)、警告処理を停止させるために警告ランプ11aを消灯する警告ランプ消灯処理を行なう(ステップS668)。次いで、画面制御部610eは、画面表示設定を初期化する(ステップS670)。そして、制御部610bは、体内観察を終了するか否かを判断し(ステップS672)、体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS672:No)、ステップS654に戻り、体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS672:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部10cにおける警告ランプ11aの制御処理も終了する。
この図51に示す各処理手順を行なうことによって、被検体内画像取得システム601eは、警告ランプ11による光の表示画面への映り込み状態に応じて表示画面の表示色もしくは光強度を自動的に変更している。
(実施の形態7)
カプセル型内視鏡の誘導観察では、操作者は、表示部に表示されるカプセル型内視鏡が撮像した画像を見ながら注目部位を見つけた場合、カプセル型内視鏡を接近させてより詳細に観察することが多く、操作者が画像に注視しているときは、カプセル型内視鏡がある一定の位置に留まっている場合、または、比較的低い移動速度で誘導されている場合が多い。そこで、実施の形態7では、カプセル型内視鏡が低い移動速度で誘導されている場合には、カプセル型内視鏡に対する磁界強度も一定の強度で変化せず、画像に注視している操作者が動くこともないため、警告ランプを消灯して、操作者の画像観察をさらに円滑化する。
図52は、実施の形態7にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図52に示すように、実施の形態7にかかる被検体内画像取得システム701は、図1に示す被検体内画像取得システム1と比して、制御部10に代えて、制御部710を備える構成を有する。
制御部710は、制御部10と比して、警告ランプ制御部10cに代えて、カウント機能を有するカウンタ710dを有する警告ランプ制御部710cを有する。警告ランプ制御部710cは、警告ランプ11の発光処理を制御する。警告ランプ制御部710cは、磁界発生部5が磁界を発生した場合に警告ランプ11に光を発生させるとともに、磁界発生部5が発生する磁界の強度の変化量が所定の基準値を一定時間下回った場合に警告ランプ11に光の発生を停止させる。この所定の基準値は、操作者に注意を促す必要がある磁界強度の変化量に対応して、各被検体内画像取得システム701の使用状況などに応じて予め設定されたものである。
ところで、入力部8を構成するジョイスティックを操作すると、制御部710は、ジョイスティックの操作量に対応した強度で磁界発生部5に磁界を発生させる。言い換えると、ジョイスティックが操作されると、ジョイスティックの操作量に対応する強度の磁界発生を指示する操作情報が入力部8から入力され、制御部710は、入力された操作情報に指示された強度で磁界発生部5に磁界を発生させる。すなわち、ジョイスティックの操作量と、磁界発生部5が発生する磁界の強度とは対応している。
このため、警告ランプ制御部710cは、ジョイスティックの操作量を複数回取得し、ジョイスティックの操作量の変化量が所定の操作量基準値を一定時間下回った場合には、磁界発生部5が発生する磁界の強度の変化量が所定の基準値を一定時間下回っていると判断して、警告ランプ11に光の発生を停止させる。
具体的に、図53を参照して、警告ランプ制御部710cによる警告ランプ11の発光制御について説明する。図53は、ジョイスティックの操作量の時間依存を示す図である。
図53に示すように、警告ランプ制御部710cは、被検体内画像取得システム701のメインスイッチ(図示しない)がオンされて磁界発生が可能となった時間t1には、警告ランプ11を点灯させる。この点灯は、ジョイスティックの操作がなされるか否かに関わらず開始される。図53においては、時間t1に続く時間t11からジョイスティックが操作されている。そして、警告ランプ制御部710cは、時間t2から所定期間Taの間、ジョイスティックの操作量の変化量が、所定の操作量基準値を下回る時間が継続した場合には、時間t2から所定期間Taが経過した時間t3において、警告ランプ11を消灯させる。なお、警告ランプ制御部710cは、ジョイスティックの操作量の変化量が、所定の操作量基準値以上である場合には、警告ランプ11を再度点灯させる。また、警告ランプ11の消灯基準となる所定期間Taは、各被検体内画像取得システム701の操作量に応じて可変としてもよい。
このように、実施の形態7では、ジョイスティックの操作量の変化量が所定の操作量基準値を一定時間下回った場合には、警告ランプ11を消灯して、操作者の画像観察をさらに円滑化している。
次に、図54を参照して、被検体内画像取得システム701における警告ランプ11の制御処理について説明する。図54は、図52に示す被検体内画像取得システム701における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図54に示すように、警告ランプ制御部710cは、まず、警告ランプ11の制御処理に用いる各数値を初期化する初期化処理を行う(ステップS701)。警告ランプ制御部710cは、たとえば、ジョイスティックの前回操作量を0とし、カウンタ710dのカウンタ値Cを0とし、警告ランプ11の制御信号をオフとする。
続いて、警告ランプ制御部710cは、被検体内画像取得システム701のメインスイッチがオンされて磁界発生部5によって磁界発生が可能となったか否かを判断する(ステップS702)。警告ランプ制御部710cは、たとえば、被検体内画像取得システム701のメインスイッチがオフされて、磁界発生部5による磁界発生が停止されたと判断した場合(ステップS702:No)、そのまま警告ランプ11の制御処理を終了する。
これに対し、警告ランプ制御部710cは、磁界発生部5によって磁界発生が可能となったと判断した場合(ステップS702:Yes)、警告ランプ11を発光させて点灯する警告ランプ点灯処理を行う(ステップS703)。
その後、警告ランプ制御部710cは、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0であるか否かを判断する(ステップS704)。このステップS704の判断処理は、定期的に行われる。
警告ランプ制御部710cは、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0でない場合と判断した場合(ステップS704:No)、すなわち、M=0でありジョイスティックが操作されていない状態であると判断した場合、ステップS702に戻り、磁界発生部5によって磁界発生が可能となったか否かを判断する。
一方、警告ランプ制御部710cは、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0である場合と判断した場合(ステップS704:Yes)、すなわち、ジョイスティックが操作されたと判断した場合、この入力部8のジョイスティックの操作量を取得する(ステップS705)。続いて、警告ランプ制御部710cは、取得した操作量と前回取得した操作量とを比較して操作量の変化量を求め、求めた操作量の変化量が所定の操作量基準値である許容値Ma未満であるか否かを判断する(ステップS706)。この許容値Maは、各被検体内画像取得システム701の使用状況などに応じて予め設定される。
警告ランプ制御部710cは、操作量の変化量が所定の許容値Ma未満でないと判断した場合(ステップS706:No)、すなわち、操作量の変化量が所定の許容値Ma以上であると判断した場合、カウンタ710dのカウンタ値CをC=0とする(ステップS707)。続いて、警告ランプ制御部710cは、ジョイスティックの前回操作量を新しく取得した操作量に更新し(ステップS708)、ステップS702に戻る。
一方、警告ランプ制御部710cは、操作量の変化量が所定の許容値Ma未満であると判断した場合(ステップS706:Yes)、カウンタ710dに加算させてカウンタ値C=C+1とする処理を行う(ステップS709)。続いて、警告ランプ制御部710cは、カウンタ値Cは所定の基準値Ctであるか否かを判断する(ステップS710)。ステップS706の判断処理は定期的に行われるため、警告ランプ11の消灯基準となる一定時間Taに対応させて、カウンタ値Cに対する所定の基準値Ctが設定される。
警告ランプ制御部710cがカウンタ値Cは所定の基準値Ctでないと判断した場合(ステップS710:No)は、操作量の変化量が所定の操作量基準値を下回った期間が警告ランプ11の消灯基準となる一定時間Taに達していない場合に対応する。このため、警告ランプ制御部710cは、ジョイスティックの前回操作量を新しく取得した操作量に更新してから(ステップS708)、ステップS702に戻り、再度判断処理を行う。
また、警告ランプ制御部710cがカウンタ値Cは所定の基準値Ctであると判断した場合(ステップS710:Yes)は、操作量の変化量が所定の操作量基準値を下回った期間が警告ランプ11の消灯基準となる一定時間Taに達した場合に対応する。このため、警告ランプ制御部710cは、警告ランプ11の発光を停止させる警告ランプ消灯処理(ステップS711)を行う。続いて、警告ランプ制御部710cは、カウンタ値Cを初期化してC=0とし(ステップS712)、ジョイスティックの前回操作量を新しく取得した操作量に更新してから(ステップS713)、ステップS704に戻り、再度、入力部8のジョイスティックの操作量に対する判断処理を行う。
被検体内画像取得システム701は、この図54に示す各処理手順を行なうことによって、ジョイスティックの操作量の変化量が所定の操作量基準値を一定時間下回った場合には、警告ランプ11を消灯して、操作者の画像観察をさらに円滑化している。
なお、ジョイスティックの操作量と磁界発生部5が発生する磁界の強度とが対応するため、ジョイスティックの操作量をもとに警告ランプ11を制御した場合を説明したが、もちろんこれに限らない。たとえば、磁界発生部5が発生する磁界の強度を検出する磁界センサを設けて、磁界発生部5が発生する磁界の強度をもとに警告ランプ11を制御してもよく、磁界発生部5を構成するコイル状の電磁石に流れる電流値を検出する電流検出部を設けて、電流検出部が検出した電流値をもとに警告ランプ11を制御してもよい。
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について説明する。実施の形態8では、磁界発生部が発生する磁界の強度が所定の閾値以上となった場合に、さらに別の警告ランプに光を発生させて磁界発生を操作者等に警告する。
図55は、実施の形態8にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図55に示すように、実施の形態8にかかる被検体内画像取得システム801は、図1に示す被検体内画像取得システム1と比して、制御部10に代えて、警告ランプ制御部810cを有する制御部810を備える。また、被検体内画像取得システム801は、注意を促す必要がある強度の磁界が発生していることを操作者に警告するための警告ランプ811を有するとともに、磁界発生部5が発生する磁界の強度を検出する磁界センサ813を有する。警告ランプ811は、警告ランプ11と同様に、光を発したときに前述のディスプレイ対応領域への光の侵入を低減するために、前述の観察外領域に設置される。
警告ランプ制御部810cは、磁界発生部5が発生する磁界の強度が所定の閾値を超える場合に警告ランプ811に光を発生させる。警告ランプ制御部810cは、磁界センサ813によって検出された磁界の強度が所定の閾値を超える場合には警告ランプ811に光を発生させる。この所定の閾値は、操作者に注意を促す必要がある磁界強度に対応して、各被検体内画像取得システム801の使用状況などに応じて予め設定されたものである。なお、磁界発生部5が磁界を発生している場合には、図示しない別のパイロットランプを点灯させてもよい。
具体的に、図56を参照して、警告ランプ制御部810cによる警告ランプ811の発光制御について説明する。図56は、ジョイスティックの操作量の時間依存を示す図である。
図56に示すように、警告ランプ制御部810cは、被検体内画像取得システム801のメインスイッチ(図示しない)がオンされて磁界発生が可能となった後、時間t4において磁界発生部5が発生する磁界の強度が所定の閾値を超えた場合には、時間t4において、警告ランプ811を点灯させる。続いて、警告ランプ制御部810cは、時間t5において磁界発生部5が発生する磁界の強度が所定の閾値を下回った場合には、警告ランプ811を消灯させる。
このように、実施の形態8では、磁界発生部5が発生する磁界の強度が所定の閾値を超えた場合には、警告ランプ811を点灯させて、注意が必要である強度の磁界が発生していることを操作者等に確実に警告する。また、磁界発生部5が所定の閾値を超える強度の磁界を発生している場合は、操作者が入力部8を操作してカプセル型内視鏡2の誘導を行っている場合に相当するため、操作者がカプセル型内視鏡2の画像を診断目的で注視していることは少なく、警告ランプ811が点灯しても操作者による画像観察を妨げることはない。
次に、図57を参照して、被検体内画像取得システム801における警告ランプの制御処理について説明する。図57は、図55に示す被検体内画像取得システム801における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図57に示すように、警告ランプ制御部810cは、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断する(ステップS801)。警告ランプ制御部810cは、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS801の判断処理を繰り返す。
磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS801:Yes)、警告ランプ制御部810cは、磁界センサ813に磁界発生部5が発生する磁界の強度を検出させる磁界強度検出処理を行う(ステップS802)。警告ランプ制御部810cは、磁界センサ813による磁界強度の検出値が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS803)。
警告ランプ制御部810cは、磁界センサ813による磁界強度の検出値が所定の閾値以下でないと判断した場合(ステップS803:No)、すなわち、磁界センサ813による磁界強度の検出値が所定の閾値を超えたと判断した場合、操作者に注意を促すために警告ランプ811を点灯させる警告ランプ点灯処理を行う(ステップS804)。
一方、警告ランプ制御部810cは、磁界センサ813による磁界強度の検出値が所定の閾値以下であると判断した場合(ステップS803:Yes)、警告ランプ811が点灯中か否かを判断する(ステップS805)。警告ランプ制御部810cは、警告ランプ811が点灯中であると判断した場合(ステップS805:Yes)、警告ランプ811を消灯する警告ランプ消灯処理を行う(ステップS806)。警告ランプ制御部810cは、警告ランプ811が点灯中でないと判断した場合(ステップS805:No)、警告ランプ消灯処理(ステップS806)が終了した場合、または、警告ランプ点灯処理(ステップS804)が終了した場合、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS807)。
警告ランプ制御部810cは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS807:No)、ステップS802に戻り、磁界強度検出処理を行い、磁界強度に対する判断処理を再度行う。一方、警告ランプ制御部810cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS807:Yes)、警告ランプ811が点灯している場合には警告ランプ811を消灯させる警告ランプ消灯処理を行う(ステップS808)。続いて、制御部810は、体内観察を終了するか否かを判断する(ステップS809)。制御部810が体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS809:No)、ステップS801に戻る。一方、制御部810が体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS809:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部810cにおける警告ランプ811の制御処理も終了する。
被検体内画像取得システム801は、この図57に示す各処理手順を行なうことによって、磁界発生部5が発生する磁界の強度が所定の閾値を超えた場合には警告ランプ811を点灯させて、操作者に対する警告を確実化している。
(実施の形態8の変形例1)
次に、実施の形態8の変形例1について説明する。実施の形態8の変形例1では、磁界発生部を構成するコイル状の電磁石に流れる電流値を検出し、この検出値をもとに警告ランプを制御する。
図58は、実施の形態8の変形例1にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図58に示すように、実施の形態8の変形例1にかかる被検体内画像取得システム801aは、図55に示す被検体内画像取得システム801と比して、制御部810に代えて、警告ランプ制御部810dを有する制御部810aを備える。また、被検体内画像取得システム801aは、磁界センサ813に代えて、磁界発生部5を構成するコイル状の電磁石に流れる電流値を検出する電流検出部813aを有する。電磁石に流れる電流値は電磁石が発する磁界強度と比例することから、警告ランプ制御部810dは、磁界発生部5を構成するコイル状の電磁石に流れる電流値を用いて警告ランプ制御処理を行う。
警告ランプ制御部810dは、電流検出部813aによって検出された電流値が、所定の電流値を超える場合には警告ランプ811に光を発生させる。この所定の電流値は、実施の形態8において説明した所定の閾値に応じた強度の磁界を発生させるために供給される電流値であり、各被検体内画像取得システム801の使用状況などに応じて予め設定されたものである。
次に、図59を参照して、被検体内画像取得システム801aにおける警告ランプの制御処理について説明する。図59は、図58に示す被検体内画像取得システム801aにおける磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図59に示すように、警告ランプ制御部810dは、図57に示すステップS801およびステップS802と同様に、磁界発生部5が磁界を発生するまで磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断する(ステップS801−1)。
そして、警告ランプ制御部810dは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS801−1:Yes)、電流検出部813aに、磁界発生部5を構成するコイル状の電磁石に流れる電流値を検出させる電流検出処理を行う(ステップS802−1)。その後、警告ランプ制御部810dは、電流検出部813aによって検出された電流値が所定の電流値以下であるか否かを判断する(ステップS803−1)。
警告ランプ制御部810dは、電流検出部813aによって検出された電流値が所定の電流値以下でないと判断した場合(ステップS803−1:No)、電流検出部813aによって検出された電流値が所定の電流値を超えたと判断した場合、操作者に注意を促すために警告ランプ811を点灯させる警告ランプ点灯処理を行う(ステップS804−1)。
一方、警告ランプ制御部810dは、電流検出部813aによって検出された電流値が所定の電流値以下であると判断した場合(ステップS803−1:Yes)、警告ランプ811が点灯している否かを判断し(ステップS805−1)、警告ランプ811が点灯していると判断した場合(ステップS805−1:Yes)、警告ランプ811を消灯する警告ランプ消灯処理を行う(ステップS806−1)。警告ランプ制御部810dは、警告ランプ811が点灯していないと判断した場合(ステップS805−1:No)、警告ランプ消灯処理(ステップS806−1)が終了した場合、または、警告ランプ点灯処理(ステップS804−1)が終了した場合、警告ランプ制御部10cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS807−1)。
警告ランプ制御部810dは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS807−1:No)、ステップS802−1に戻る。一方、警告ランプ制御部810dは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合(ステップS807−1:Yes)、警告ランプ811が点灯している場合には警告ランプ811を消灯させる警告ランプ消灯処理を行う(ステップS808−1)。続いて、制御部810aは、体内観察を終了するか否かを判断する(ステップS809−1)。制御部810aが体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS809−1:No)、ステップS801−1に戻る。一方、制御部810aが体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS809−1:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部810dにおける警告ランプ811の制御処理も終了する。
被検体内画像取得システム801aは、この図59に示す各処理手順を行なうことによって、磁界発生部5を構成するコイル状の電磁石に流れる電流値が所定の電流値を超えた場合には警告ランプ811をさらに点灯させて、操作者に対する警告を確実化している。
(実施の形態9)
次に、実施の形態9について説明する。実施の形態9では、入力部から入力された操作情報にしたがって点灯する警告ランプの点灯期間を、磁界発生部が発生する磁界の強度の立下り時間をもとに設定する。
図60は、実施の形態9にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図60に示すように、実施の形態9にかかる被検体内画像取得システム901は、図1に示す被検体内画像取得システム1と比して、制御部10に代えて、警告ランプ制御部910cを有する制御部910を備える。また、被検体内画像取得システム901は、警告ランプ811を有する。
警告ランプ制御部910cは、入力部8のジョイスティックの操作によって入力された操作情報が所定の操作情報である場合、警告ランプ811を点灯させる。この場合、警告ランプ制御部910cは、入力部8によって入力された操作情報が、所定値を超える強度の磁界の発生を指示する所定の操作情報である場合、警告ランプ811の点灯期間を設定し、設定した点灯期間の間、警告ランプ811を点灯させる。警告ランプ制御部910cは、磁界発生部5が発生する磁界の強度の立下り時間をもとに警告ランプ811の点灯期間を設定する。
具体的に、図61を参照して、警告ランプ制御部910cによる警告ランプ811の発光制御について説明する。図61は、ジョイスティックの操作量M、操作量超過信号Sm、磁界発生部5が発生する磁界強度P、警告ランプ811の点灯を指示する警告ランプ点灯信号Liの各時間依存を示す図である。操作量超過信号Smは、入力部8のジョイスティックの操作量が、操作者に注意を促すべき強度の磁界発生を磁界発生部5に指示する操作量を超える場合に、警告ランプ制御部910cに入力される信号である。
図61(1)に示すように、ジョイスティックの操作量Mが、操作量Mtを超えた時間taにおいて、図61(2)に示すように、操作量超過信号Smがオフからオンとなり警告ランプ制御部910cに入力される。この操作量Mtは、操作者に注意を促すべき強度Pt(図61(3)参照)の磁界発生を磁界発生部5に指示する操作量に相当する。また、このジョイスティックの操作量Mの増加にともなって、磁界発生部5が発生する磁界強度Pも徐々に高くなり、強度Pu(>Pt)となる。その後、操作量Mが低下し、操作量Mが操作量Mtを下回ると、操作量超過信号Smがオフとなる。ただし、実際には、図61(3)に示すように、磁界発生部5が発生する磁界強度の増減は、操作量の増減とタイミングは一致せず、操作量の増減に対して遅延する。
そこで、警告ランプ制御部910cは、このタイミングのずれを考慮して、図61(4)に示すように、実際に操作量超過信号Smがオンとなる時間taから時間tbまでの期間Tmに、磁界強度Pが強度Ptまで立ち下がる時間tcまでの期間Tdを加えた期間を、警告ランプ811の点灯期間として設定する。
したがって、警告ランプ制御部910cは、警告ランプ811の点灯期間として設定した時間taから時間tcまでの間、警告ランプ点灯信号Liをオフからオンとする。この結果、警告ランプ811は、時間taにおいて点灯し、時間tcにおいて消灯する。
このように、実施の形態9においては、磁界発生部が発生する磁界の強度が操作者に注意を促すべき強度Ptまで立ち下がるまでの間、警告ランプ811を点灯させ、磁界強度が強度Pt未満となってから警告ランプを消灯するため、操作者に対する警告を確実化している。また、ジョイスティックの操作量の変化量が所定の操作量基準値以上である場合は、操作者がジョイスティックを操作してカプセル型内視鏡2の誘導を行っている場合に相当するため、操作者がカプセル型内視鏡2の画像を診断目的で注視していることは少なく、警告ランプ811が点灯しても操作者による画像観察を妨げることはない。
次に、図62を参照して、被検体内画像取得システム901における警告ランプの制御処理について説明する。図62は、図60に示す被検体内画像取得システム901における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図62に示すように、警告ランプ制御部910cは、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断する(ステップS901)。警告ランプ制御部910cは、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS901の判断処理を繰り返す。
警告ランプ制御部910cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS901:Yes)、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0であるか否かを判断する(ステップS902)。警告ランプ制御部910cは、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0でない場合と判断した場合(ステップS902:No)、すなわち、M=0でありジョイスティックが操作されていない状態であると判断した場合、ステップS901に戻り、磁界発生部5によって磁界発生が可能となったか否かを判断する。一方、警告ランプ制御部910cは、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0である場合と判断した場合(ステップS902:Yes)、すなわち、ジョイスティックが操作されたと判断した場合、この入力部8のジョイスティックの操作量を取得する(ステップS903)。
続いて、警告ランプ制御部910cは、取得した操作量と操作者に注意を促すべき磁界強度に対応する操作量の基準値とを比較して、取得した操作量が基準値以下であるか否かを判断する(ステップS904)。
警告ランプ制御部910cは、取得した操作量が基準値以下でないと判断した場合(ステップS904:No)、操作者に注意を促すべき強度の磁界が磁界発生部5から発生されるため、操作者に注意を促すために点灯される警告ランプ811の点灯期間を設定する警告ランプ点灯期間設定処理を行う(ステップS905)。警告ランプ制御部910cは、この警告ランプ点灯期間設定処理において、実際にジョイスティックが操作者に注意を促すべき強度の磁界発生を指示する期間に、磁界発生部5が発生する磁界の強度の立ち下がり時間をもとにした延長時間を加えた期間を、警告ランプ811の点灯期間として設定する。この延長期間は、予め設定されて記憶部9に記憶されている。この延長期間として、一定の期間を設定してもよいし、磁界発生部5が発生する磁界強度の時間依存性およびジョイスティックの操作量等に応じてそれぞれ異なった期間を設定してもよい。
続いて、警告ランプ制御部910cは、設定した点灯期間の間、警告ランプ811を点灯する警告ランプ点灯処理(ステップS906)を行う。その後、警告ランプ制御部910cは、警告ランプ811を点灯させてから、設定した点灯期間が経過したか否かを判断する(ステップS907)。警告ランプ制御部910cは、設定した点灯期間が経過していないと判断した場合(ステップS907:No)、ステップS907の判断処理を繰り返す。一方、警告ランプ制御部910cは、設定した点灯期間が経過したと判断した場合(ステップS907:Yes)、警告ランプ811を消灯する警告ランプ消灯処理を行う(ステップS908)。
そして、警告ランプ制御部910cは、取得した操作量が基準値以下であると判断した場合(ステップS904:Yes)、または、警告ランプ消灯処理(ステップS908)が終了した場合、警告ランプ制御部910cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS909)。
警告ランプ制御部910cは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS909:No)、ステップS902に戻り、入力部8のジョイスティックの操作量Mに対する判断処理を再度行う。一方、警告ランプ制御部910cが磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS909:Yes)、制御部910が体内観察を終了するか否かを判断する(ステップS910)。制御部910が体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS910:No)、ステップS901に戻る。一方、制御部910が体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS910:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部910cにおける警告ランプ811の制御処理も終了する。
被検体内画像取得システム901は、この図62に示す各処理手順を行なうことによって、磁界発生部5が発生する磁界の強度が操作者に注意を促すべき強度まで立ち下がるまでの間、警告ランプ811を点灯させて、操作者に対する警告を確実化している。
なお、実施の形態9では、ジョイスティックの操作量をもとに警告ランプ811の点灯期間を設定する場合を例に説明したが、もちろんこれに限らない。
たとえば、粘液などによる拘束からカプセル型内視鏡2を離脱させるために、カプセル型内視鏡2に首振り動作を指示する拘束離脱モードボタンが入力部8のジョイスティックに設けられている場合がある。被検体内画像取得システム901では、図63(1)に示すように、時間tdにおいて、この拘束離脱モードボタンが押下されて、拘束離脱モードの指示信号Saが入力部8から入力された場合、図63(2)に示すように、予め設定された強度Pa(>Pt)の磁界が所定の時間teまでの間に、磁界発生部5に発生されるように制御される。この場合、実際に磁界発生部5が発生する磁界強度Pが強度Paに達するタイミングは、拘束離脱モード指示信号Saがオンされたタイミングから遅延する。
このため、警告ランプ制御部910cは、このタイミングのずれを考慮して、図63(3)に示すように、実際に拘束離脱モード信号Saがオンとなる時間tdから磁界発生部5が発生する磁界強度Pが強度Paに達する時間teまでの期間Tmaに、磁界強度Pが強度Ptまで立ち下がる時間tfまでの期間Tdaを加えた期間を、警告ランプ811の点灯期間として設定する。なお、この期間Tdaは、一定の期間であってもよいし、拘束離脱モードの種別が複数ある場合には、各種別に応じて磁界発生部5が発生する磁界強度の時間依存性に対応させて、それぞれ異なった期間を設定してもよい。また、期間Tdaは、予め設定されて記憶部9に記憶される。
したがって、警告ランプ制御部910cは、警告ランプ811の点灯期間として設定した時間tdから時間tfまでの間、警告ランプ点灯信号Liaをオフからオンとする。この結果、警告ランプ811は、時間tdにおいて点灯し、時間tfにおいて消灯する。
次に、図64を参照して、被検体内画像取得システム901における警告ランプの制御処理について説明する。図64は、図60に示す被検体内画像取得システム901における磁界発生告知処理の他の処理手順を示すフローチャートである。
図64に示すように、警告ランプ制御部910cは、図62のステップS901と同様に、磁界発生部5が磁界を発生したか否かに対する判断処理(ステップS901−1)を行う。
その後、警告ランプ制御部910cは、入力部8から入力された指示情報をもとに拘束離脱モードが選択されたか否かを判断する(ステップS902−1)。警告ランプ制御部910cは、拘束離脱モードが選択されていないと判断した場合(ステップS902−1:No)、ステップS901−1に戻る。
一方、警告ランプ制御部910cは、拘束離脱モードが選択されたと判断した場合(ステップS902−1:Yes)、操作者に注意を促すために点灯される警告ランプ811の点灯期間を設定する警告ランプ点灯期間設定処理を行う(ステップS905−1)。
続いて、警告ランプ制御部910cは、設定した点灯期間の間、警告ランプ811を点灯する警告ランプ点灯処理(ステップS906−1)を行う。その後、図62のステップS907と同様に、警告ランプ制御部910cは、設定した点灯期間経過に対する判断処理(ステップS907−1)、警告ランプ消灯処理(ステップS908−1)、磁界発生部5における磁界発生停止に対する判断処理(ステップS909−1)を行う。
警告ランプ制御部910cは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS909−1:No)、ステップS902−1に戻る。一方、警告ランプ制御部910cが、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合(ステップS909−1:Yes)、制御部910が、体内観察を終了するか否かに対する判断処理(ステップS910−1)を行う。
(実施の形態10)
次に、実施の形態10について説明する。実施の形態10では、磁界発生部が発生する磁界の強度の変化量が所定の基準値以上となった場合に、警告ランプに光を発生させて磁界発生を操作者等に警告する。
図65は、実施の形態10にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図65に示すように、実施の形態10にかかる被検体内画像取得システム1001は、図52に示す被検体内画像取得システム701と比して、制御部710に代えて、警告ランプ制御部1010cを有する制御部1010aを備える。また、被検体内画像取得システム1001は、警告ランプ811を有する。
警告ランプ制御部1010cは、磁界発生部5が発生する磁界の強度の変化量が所定の基準値以上となった場合に警告ランプ811に警告のために光を発生させる。具体的には、警告ランプ制御部1010cは、入力部8のジョイスティックによって入力された操作量を複数回取得し、ジョイスティックの操作量の変化量が所定の操作量基準値以上となった場合には警告ランプ811に光を発生させる。言い換えると、警告ランプ制御部1010cは、入力部8のジョイスティックによって入力された操作情報に対応して、磁界発生部5に発生させる磁界の強度の変化量が、所定の基準値以上となった場合に警告ランプ811を点灯する。
具体的に、図66を参照して、警告ランプ制御部1010cによる警告ランプ811の発光制御について説明する。図66は、ジョイスティックの操作量の時間依存を示す図である。
図66に示すように、警告ランプ制御部1010cは、時間t6から所定の単位時間経過後の時間t7の間のジョイスティックの操作量の変化量Dが、所定の操作量基準値である許容値Mc以上である場合には、時間t7において、警告ランプ811を点灯させる。
このように、実施の形態10では、ジョイスティックの操作量の変化量が所定の操作量基準値以上となった場合には警告ランプ811を点灯させて、注意が必要である強度の磁界が発生していることを操作者等に確実に警告する。また、ジョイスティックの操作量の変化量が所定の操作量基準値以上である場合は、操作者がジョイスティックを操作してカプセル型内視鏡2の誘導を行っている場合に相当するため、操作者がカプセル型内視鏡2の画像を診断目的で注視していることは少なく、警告ランプ811が点灯しても操作者による画像観察を妨げることはない。
次に、図67を参照して、被検体内画像取得システム1001における警告ランプの制御処理について説明する。図67は、図65に示す被検体内画像取得システム1001における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図67に示すように、警告ランプ制御部1010cは、まず、警告ランプ811の制御処理に用いる各数値を初期化する初期化処理を行う(ステップS1001)。警告ランプ制御部1010cは、たとえば、ジョイスティックの前回操作量を0とし、警告ランプ811の制御信号をそれぞれオフとする。
続いて、警告ランプ制御部1010cは、磁界発生部5が磁界を発生したか否かを判断する(ステップS1002)。警告ランプ制御部1010cは、磁界発生部5が磁界を発生するまでステップS1002の判断処理を繰り返す。
警告ランプ制御部1010cは、磁界発生部5が磁界を発生したと判断した場合(ステップS1002:Yes)、図54のステップS704と同様に、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0であるか否かを判断する(ステップS1003)。このステップS1003の判断処理は、定期的に行われる。
警告ランプ制御部1010cは、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0でない場合と判断した場合(ステップS1003:No)、ジョイスティックが操作されていない状態であるため、ステップS1002に戻り、磁界発生部5によって磁界発生が可能となったか否かを判断する。
一方、警告ランプ制御部1010cは、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0である場合と判断した場合(ステップS1003:Yes)、この入力部8のジョイスティックの操作量を取得する(ステップS1004)。続いて、警告ランプ制御部1010cは、取得した操作量と前回取得した操作量とを比較して操作量の変化量を求め、求めた操作量の変化量が所定の操作量基準値である許容値Mc未満であるか否かを判断する(ステップS1005)。
警告ランプ制御部1010cは、操作量の変化量が所定の許容値Mc未満でないと判断した場合(ステップS1005:No)、すなわち、操作量の変化量が所定の許容値Mc以上であると判断した場合、操作者に注意を促すために警告ランプ811を点灯させる警告ランプ点灯処理を行う(ステップS1006)。
一方、警告ランプ制御部1010cは、操作量の変化量が所定の許容値Mc未満であると判断した場合(ステップS1005:Yes)、警告ランプ811が点灯しているか否かを判断する(ステップS1007)。警告ランプ制御部1010cは、警告ランプ811が点灯していると判断した場合(ステップS1007:Yes)、警告ランプ811を消灯する警告ランプ消灯処理を行う(ステップS1008)。
警告ランプ制御部1010cは、警告ランプ点灯処理(ステップS1006)、警告ランプ811が点灯していないと判断した場合(ステップS1007:No)、または、警告ランプ消灯処理(ステップS1008)が終了した場合、ジョイスティックの前回操作量を新しく取得した操作量に更新してから(ステップS1009)、磁界発生部5が磁界発生を停止したか否かを判断する(ステップS1010)。
警告ランプ制御部1010cは、磁界発生部5が磁界発生を停止していないと判断した場合(ステップS1010:No)、ステップS1003に戻り、入力部8の操作量に対する判断処理を行う。一方、警告ランプ制御部1010cは、磁界発生部5が磁界発生を停止したと判断した場合には(ステップS1010:Yes)、警告ランプ811が点灯している場合には警告ランプ811を消灯させる警告ランプ消灯処理を行う(ステップS1011)。続いて、制御部1010は、体内観察を終了するか否かを判断する(ステップS1012)。制御部1010が体内観察を終了しないと判断した場合には(ステップS1012:No)、ステップS1002に戻る。一方、制御部1010が体内観察を終了すると判断した場合には(ステップS1012:Yes)、体内観察終了にともない、警告ランプ制御部1010cにおける警告ランプ811の制御処理も終了する。
被検体内画像取得システム1001は、この図67に示す各処理手順を行なうことによって、ジョイスティックの操作量の変化量が所定の操作量基準値以上となった場合に警告ランプ811を点灯して、操作者等に対する警告を確実化している。
(実施の形態11)
次に、実施の形態11について説明する。実施の形態11では、磁界発生部が発生する磁界の強度が所定の閾値以上となった場合に、警告ランプの点灯方法を変更させて磁界発生を操作者等に警告する。
図68は、実施の形態11にかかる被検体内画像取得システムの一構成例を模式的に示すブロック図である。図68に示すように、実施の形態11にかかる被検体内画像取得システム1101は、図1に示す被検体内画像取得システム1と比して、制御部10に代えて、制御部1110を備える構成を有する。また、被検体内画像取得システム1101は、磁界発生部5が発生する磁界の強度を検出する磁界センサ813を有する。
制御部1110は、制御部10と比して、警告ランプ制御部10cに代えて、カウント機能を有するカウンタ710dを有する警告ランプ制御部1110cを有する。警告ランプ制御部1110cは、警告ランプ11の発光処理を制御する。
警告ランプ制御部1110cは、磁界発生部5が磁界を発生した場合に警告ランプ11に第1の点灯方法で光を発生させる。そして、警告ランプ制御部1110cは、磁界発生部5が発生する磁界の強度が所定の閾値を超える場合には警告ランプ11に第1の点灯方法とは異なる方法である第2の点灯方法で光を発生させる。また、警告ランプ制御部1110cは、磁界発生部5が発生する磁界の強度の変化量が所定の基準値を一定時間下回った場合に警告ランプ11に光の発生を停止させる。
次に、図69を参照して、被検体内画像取得システム1101における警告ランプの制御処理について説明する。図69は、図68に示す被検体内画像取得システム1101における磁界発生告知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図69に示すように、警告ランプ制御部1110cは、まず、図54のステップS701およびステップS702と同様に、警告ランプ11の制御処理に用いる各数値を初期化する初期化処理を行い(ステップS1101)、磁界発生部5によって磁界発生が可能となったか否かを判断する(ステップS1102)。警告ランプ制御部1110cは、たとえば、被検体内画像取得システム1101のメインスイッチがオフされて、磁界発生部5による磁界発生が停止されたと判断した場合(ステップS1102:No)、そのまま警告ランプ11の制御処理を終了する。これに対し、警告ランプ制御部1110cは、磁界発生部5によって磁界発生が可能となったと判断した場合(ステップS1102:Yes)、警告ランプ11を第1の点灯方法で点灯させる(ステップS1103)。
続いて、警告ランプ制御部1110cは、磁界センサ813に磁界発生部5が発生する磁界の強度を検出させる磁界強度検出処理を行う(ステップS1104)。警告ランプ制御部1110cは、磁界センサ813による磁界強度の検出値が所定の閾値以下であるか否かを判断する(ステップS1105)。
警告ランプ制御部1110cは、磁界センサ813による磁界強度の検出値が所定の閾値以下でないと判断した場合(ステップS1105:No)、すなわち、磁界センサ813による磁界強度の検出値が所定の閾値を超えたと判断した場合、操作者に注意を促すために警告ランプ11を第2の点灯方法で点灯させる(ステップS1106)。この場合、警告ランプ制御部1110cは、第2の点灯方法として、警告ランプ11を点滅させるほか、警告ランプ11の発光色を第1の点灯方法における発光色から変更する等が挙げられる。
一方、警告ランプ制御部1110cは、磁界センサ813による磁界強度の検出値が所定の閾値以下であると判断した場合(ステップS1105:Yes)、警告ランプ11が第2の点灯方法で点灯中か否かを判断する(ステップS1107)。警告ランプ制御部1110cは、警告ランプ11が第2の点灯方法で点灯していると判断した場合(ステップS1107:Yes)、警告ランプ11を第1の点灯方法で点灯させる(ステップS1108)。警告ランプ制御部1110cは、警告ランプ11が第2の点灯方法で点灯していないと判断した場合(ステップS1107:No)、ステップS1106またはステップS1108が終了した場合、図54のステップS704と同様に、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0であるか否かを判断する(ステップS1109)。
警告ランプ制御部1110cは、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0でない場合と判断した場合(ステップS1109:No)、ステップS1102に戻る。一方、警告ランプ制御部1110cは、入力部8のジョイスティックの操作量MがM>0である場合と判断した場合(ステップS1109:Yes)、この入力部8のジョイスティックの操作量を取得する(ステップS1110)。続いて、警告ランプ制御部1110cは、図54のステップS706と同様に、取得した操作量と前回取得した操作量とを比較して操作量の変化量を求め、求めた操作量の変化量が所定の操作量基準値である許容値Ma未満であるか否かを判断する(ステップS1111)。
警告ランプ制御部1110cは、操作量の変化量が所定の許容値Ma未満でないと判断した場合(ステップS1111:No)、図54のステップS707およびステップS708と同様に、カウンタ1110dのカウンタ値C=0(ステップS1112)とし、ジョイスティックの前回操作量を新しく取得した操作量に更新してから(ステップS1113)、ステップS1102に戻る。
一方、警告ランプ制御部1110cは、操作量の変化量が所定の許容値Ma未満であると判断した場合(ステップS1111:Yes)、図54のステップS709およびステップS710と同様に、カウンタ値C=C+1とし(ステップS1114)、カウンタ値Cは所定の基準値Ctであるか否かを判断する(ステップS1115)。
警告ランプ制御部1110cがカウンタ値Cは所定の基準値Ctでないと判断した場合(ステップS1115:No)は、操作量の変化量が所定の操作量基準値を下回った期間が警告ランプ11の消灯基準となる一定時間Taに達していない場合に対応するため、ジョイスティックの前回操作量を新しく取得した操作量に更新してから(ステップS1113)、ステップS1102に戻る。
また、警告ランプ制御部1110cがカウンタ値Cは所定の基準値Ctであると判断した場合(ステップS1115:Yes)は、操作量の変化量が所定の操作量基準値を下回った期間が警告ランプ11の消灯基準となる一定時間Taに達した場合に対応する。このため、警告ランプ制御部1110cは、図54のステップS711〜ステップS713と同様に、警告ランプ11の発光を停止させる警告ランプ消灯処理(ステップS1116)を行い、カウンタ値CをC=0とし(ステップS1117)、ジョイスティックの前回操作量を新しく取得した操作量に更新してから(ステップS1118)、ステップS1104に戻る。
このように、実施の形態11においては、磁界発生部5が発生する磁界の強度が所定の閾値を超えた場合には、警告ランプ11の点灯方法を変えることによって、注意が必要である強度の磁界が発生していることを操作者等に確実に警告する。そして、実施の形態11においては、ジョイスティックの操作量の変化量が所定の操作量基準値を一定時間下回った場合には、警告ランプ11を消灯して、操作者の画像観察をさらに円滑化している。
なお、実施の形態11においては、磁界センサ813に代えて、磁界発生部5を構成するコイル状の電磁石に流れる電流値を検出する電流検出部を設けて、電流検出部によって検出された電流値が、所定の閾値に応じた強度の磁界を発生させるために供給される電流値であるか否かをもとに、警告ランプ11の点灯方法の変更を判断してよい。
また、実施の形態1〜11においては、単数の撮像部を複数有するカプセル型内視鏡2を用いた場合を例に説明したが、もちろん、複数の撮像部を有する複眼のカプセル型内視鏡であってもよい。
また、実施の形態1〜11においては、磁石24を用いたカプセル型内視鏡2を例に説明したが、もちろんこれに限らず、磁石24に代えて電磁石を備えたカプセル型内視鏡であってもよい。
また、実施の形態1〜11においては、撮像機能を有するカプセル型内視鏡2を用いて被検体内画像を取得する被検体内画像取得システムを例に説明したが、もちろんこれに限らず、プローブを体内に挿入して体内で超音波を照射する超音波内視鏡などを用いた場合などにも適用可能である。図70を参照して、超音波診断装置に実施の形態1を適用した場合について説明する。
図70に示すように、超音波診断装置1201は、プローブ1202と超音波観測装置1203と位置データ検出装置1204と、超音波画像処理部1205および警告ランプ制御部10cとを備えた制御部1210と、表示部4と入力部8と記憶部9と警告ランプ11とを有する。
プローブ1202は体腔内に挿入され、先端には超音波振動子1213と受信コイル1214とを備え可撓性のある材質で構成された挿入部1211と、操作部1212とを有する。超音波振動子1213は挿入部1211の挿入軸とは垂直な方向に放射状に超音波を送受信し、受信した反射波を電気的な超音波信号に変換する。また、受信コイル1214は、超音波振動子1213の近傍でプローブ1202に対して所定の位置および向きに設定されており、送信コイル1215からの磁場を受信し、受信した磁場に対応した電気信号を位置データ検出装置1204に出力する。また、超音波観測装置1203は、超音波振動子1213を駆動するとともに、超音波振動子1213が変換した超音波信号を超音波画像処理部1205の超音波信号処理部1221に出力する。また、送信コイル1215は、周囲の空間に磁場を発振している。位置データ検出装置1204は、送信コイル1215を励振し、受信コイル1214から入力された電気信号をデジタル数値化した位置信号および配向信号に変換し、超音波画像処理部1205の位置データ算出部1222に出力する。
制御部1210は、超音波診断装置1201の各構成部位を制御する。超音波画像処理部1205は、超音波信号処理部1221と位置データ算出部1222と画像構成部1223と混合部1224と表示回路1225とを備える。超音波信号処理部1221は、所定の処理を行い、超音波振動子1213の一度のスキャンに対して挿入部1211の挿入軸に垂直な1枚の二次元超音波画像データを作成し、画像構成部1223と混合部1224とに出力する。操作者が超音波振動子1213を繰り返しスキャンさせながら挿入部1211を用手的に体腔から引き抜くことで、引き抜き経路に沿って複数の連続した二次元超音波画像データが画像構成部1223と混合部1224とに出力される。位置データ算出部1222は、入力された位置信号から送信コイル1215の位置配向情報を得て、画像構成部1223に出力する。画像構成部1223は、二次元超音波画像データとそのスキャンと同時に得た位置配向情報とを用いて画像間の位置関係を特定し、互いに隣り合う二次元超音波画像データ間を補間し、三次元超音波画像データを作成し混合部1224に出力する。混合部1224は、入力された二次元超音波画像データと三次元超音波画像データとを、表示回路1225に出力する。表示回路1225は、使用者が入力した表示方式に応じて三次元超音波画像データもしくは二次元超音波画像データもしくはその両方を表示部4に出力する。そして、表示部4は、入力された画像データを表示する。
そして、警告ランプ11は、超音波診断装置1201の診断者の視野領域内のうち診断者と表示部4を構成するディスプレイとを結ぶ直線の延長線を除く領域である観察外領域に配置される。そして、警告ランプ制御部10cは、送信コイル1215が磁場を発振した場合、消灯していた警告ランプ11に光を発生させる。そして、警告ランプ制御部10cは、送信コイル1215における磁場の発振が停止した場合に警告ランプ11に光の発生を停止させる。
このように、超音波診断装置1201に適用した場合も、診断者の観察外領域に警告ランプ11を配置して、警告ランプ11の発光を磁場発振に応じて制御することによって、aは、操作者Nの視野範囲内に設置されているため、警告ランプ11aによる発光することによって診断者に対する磁場発振の正確な告知と、診断者による超音波画像の円滑な観察との双方を実現できる。もちろん、超音波診断装置に限らず、X線を用いたX線診断装置においても適用可能である。