以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。図1に示す光ピックアップ装置は、第1の光源1、ビームスプリッタ2、第1の信号検出器3、リレーレンズ4、第2の光源5、ビームスプリッタ7、第2の信号検出器8、ビームスプリッタ9、広帯域1/4波長板10、コリメートレンズ11、第1の立上ミラー12、第2の立上ミラー13、第1の対物レンズ14、第2の対物レンズ15、集光レンズ16、光検出器17及びパワー制御部18を備える。
第1の光源1は、第1の波長λ1の第1のレーザ光を出射するとともに、第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光を出射する。第1のレーザ光は、光記録媒体19に情報を記録する又は光記録媒体19から情報を再生するための赤外光である。第2のレーザ光は、光記録媒体19に情報を記録する又は光記録媒体19から情報を再生するための赤色光である。赤外光である第1の波長λ1は、例えば780nmであり、赤色光である第2の波長λ2は、例えば660nmである。光記録媒体19がCDである場合、赤外光である第1のレーザ光が用いられ、光記録媒体19がDVDである場合、赤色光である第2のレーザ光が用いられる。なお、第1の波長λ1は、780nmに限定されず、780nm〜820nmの波長帯域を有する赤外光を用いてもよい。また、第2の波長λ2は、660nmに限定されず、630nm〜680nmの波長帯域を有する赤色光を用いてもよい。
ビームスプリッタ2は、第1の光源1によって出射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光を透過させるとともに、光記録媒体19によって反射した反射光を第1の信号検出器3へ導く。
第1の信号検出器3は、光記録媒体19によって反射した反射光を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号に基づいてフォーカス、トラッキング及びRF等の各種信号を検出する。リレーレンズ4は、第1の光源1によって出射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光を中継する。
第2の光源5は、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光を出射する。第3のレーザ光は、光記録媒体19に情報を記録する又は光記録媒体19から情報を再生するための青色光である。青色光である第3の波長λ3は、例えば405nmである。光記録媒体19がBD(Blu−rayディスク)である場合、青色光である第3のレーザ光が用いられる。なお、第3の波長λ3は、405nmに限定されず、390nm〜415nmの波長帯域を有する青色光を用いてもよい。
ビームスプリッタ7は、第2の光源5によって出射された第3のレーザ光を透過させるとともに、光記録媒体19によって反射した反射光を第2の信号検出器8へ導く。第2の信号検出器8は、光記録媒体19によって反射した反射光を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号に基づいてフォーカス、トラッキング及びRF等の各種信号を検出する。
ビームスプリッタ9は、第1の光源1によって出射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光を第1の立上ミラー12へ向けて透過させるとともに、第2の光源5によって出射された第3のレーザ光を第1の立上ミラー12へ向けて反射させる。また、ビームスプリッタ9は、第1のレーザ光又は第2のレーザ光が光記録媒体19によって反射した反射光をリレーレンズ4へ向けて透過させるとともに、第3のレーザ光が光記録媒体19によって反射した反射光を第2の光源5へ向けて反射させる。
広帯域1/4波長板10は、第1の光源1又は第2の光源5によって出射された第1のレーザ光、第2のレーザ光又は第3のレーザ光を直線偏光から円偏光に変換するとともに、光記録媒体19によって反射した反射光を円偏光から直線偏光に変換する。すなわち、広帯域1/4波長板10は、通過するレーザ光に1/4波長=90°の位相差を生じさせ、直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に変換する。広帯域1/4波長板10は、赤外光(λ1=780nm)、赤色光(λ2=660nm)及び青色光(λ3=405nm)の3つの波長のレーザ光を円偏光に変換する。
コリメートレンズ11は、広帯域1/4波長板10によって円偏光に変換された第1のレーザ光、第2のレーザ光又は第3のレーザ光を平行光に変換する。
第1の立上ミラー12は、部分透過ミラーであり、広帯域1/4波長板10によって円偏光に変換された第1のレーザ光の一部、第2のレーザ光の一部及び第3のレーザ光の全部を透過させるとともに、第1のレーザ光の残余及び第2のレーザ光の残余を光記録媒体19に向けて反射させる。例えば、円偏光のレーザ光は、電界ベクトルの方向が図1紙面内にあるP偏光成分と、電界ベクトルの方向が図1紙面に垂直なS偏光成分とを含む。第1の立上ミラー12は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが所定の値でありS偏光成分の透過率Tsが0(0パーセント)であり、第3のレーザ光に対するP偏光成分の透過率TpとS偏光成分の透過率Tsとがともに1(100パーセント)である。なお、本実施の形態における第1の立上ミラー12は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対する透過率Tsを0パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。また、第1の立上ミラー12は、第3のレーザ光に対する透過率Tp及び透過率Tsを100パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。
第2の立上ミラー13は、部分透過ミラーであり、第1の立上ミラー12を透過した第1のレーザ光の全部、第2のレーザ光の全部及び第3のレーザ光の一部を光検出器17に向けて透過させるとともに、第3のレーザ光の残余を光記録媒体19に向けて反射させる。例えば、第2の立上ミラー13は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが所定の値でありS偏光成分の透過率Tsが0(0パーセント)であり、第3のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが所定の値でありS偏光成分の透過率Tsが0(0パーセント)である。なお、本実施の形態における第2の立上ミラー13は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対する透過率Tsと、第3のレーザ光に対する透過率Tsとを0パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。
なお、ここでは、各立上ミラーに入射する光を円偏光としているが、厳密な円偏光である必要はなく、光記録媒体19に導く光量増加の効果は減るものの、楕円偏光であっても実現可能である。本明細書及び特許請求の範囲では、そのような概ね円偏光といえる楕円偏光(楕円の長径/短径を示す強度比が2程度)を円偏光と呼ぶこととする。
第1の対物レンズ14は、第1の立上ミラー12によって反射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。第2の対物レンズ15は、第2の立上ミラー13によって反射された第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。集光レンズ16は、第1の立上ミラー12及び第2の立上ミラー13を透過した第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を光検出器17の受光面に集光させる。
光検出器17は、第1の立上ミラー12及び第2の立上ミラー13を透過した第1のレーザ光、第2のレーザ光又は第3のレーザ光を受光し、第1の光源1から出射する第1のレーザ光及び第2のレーザ光並びに第2の光源5から出射する第3のレーザ光のパワーを制御するために、受光したレーザ光の光強度に応じた電気信号をパワー制御部18へ出力する。
パワー制御部18は、光検出器17によって出力された信号に基づいて、第1の光源1又は第2の光源5から出射される第1のレーザ光、第2のレーザ光又は第3のレーザ光のパワーを制御する。
また、本実施形態において、第1の光源1及び第2の光源5が光源の一例に相当し、光検出器17が光検出部の一例に相当し、広帯域1/4波長板10が円偏光変換部の一例に相当し、第1の立上ミラー12及び第2の立上ミラー13がミラーの一例に相当する。さらに、第1の光源1が第1の光源の一例に相当し、第2の光源5が第2の光源の一例に相当し、第1の立上ミラー12が第1のミラーの一例に相当し、第2の立上ミラー13が第2のミラーの一例に相当し、ビームスプリッタ9がビームスプリッタの一例に相当する。
ここで、第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の動作について図1を用いて説明する。まず、第1の光源1からレーザ光を出射する場合のレーザパワー制御について説明する。なお、赤外光である第1のレーザ光と、赤色光である第2のレーザ光とは、同じ動作であるので、以下の説明では第1のレーザ光のみについて説明する。
まず、第1の光源1は、第1の波長λ1の第1のレーザ光を出射する。なお、第1の波長λ1は、例えば780nmである。第1の光源1によって出射された第1のレーザ光は、ビームスプリッタ2へ入射する。ビームスプリッタ2は、第1のレーザ光を透過させる。ビームスプリッタ2を透過した第1のレーザ光は、リレーレンズ4によってビームスプリッタ9に伝達される。
ビームスプリッタ9は、入射した第1のレーザ光を透過させる。ビームスプリッタ9を透過した第1のレーザ光は、広帯域1/4波長板10に入射する。広帯域1/4波長板10は、入射した第1のレーザ光を直線偏光から円偏光に変換する。広帯域1/4波長板10によって円偏光に変換された第1のレーザ光は、コリメートレンズ11に入射する。コリメートレンズ11は、入射した第1のレーザ光を平行光に変換する。コリメートレンズ11によって平行光に変換された第1のレーザ光は、第1の立上ミラー12に入射する。
第1の立上ミラー12は、入射した第1のレーザ光の一部を第2の立上ミラー13へ向けて透過させ、第1のレーザ光の残余を第1の対物レンズ14へ向けて反射させる。図2は、第1の実施形態における第1の立上ミラーに入射するレーザ光の波長と、第1の立上ミラーの透過率との関係を示す図である。図2において、横軸はレーザ光の波長を表し、縦軸は透過率を表している。また、図2において、破線はP偏光成分の透過率Tpを表し、実線はS偏光成分の透過率Tsを表している。
図2に示すように、第1の立上ミラー12は、第1の波長λ1(780nm)の第1のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが約10パーセントであり、S偏光成分の透過率Tsが約0パーセントである特性を有している。また、第1の立上ミラー12は、第2の波長λ2(660nm)の第2のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが約10パーセントであり、S偏光成分の透過率Tsが約0パーセントである特性を有している。
図1に戻って、第1の立上ミラー12を透過した第1のレーザ光の一部は、第2の立上ミラー13に入射する。第2の立上ミラー13は、入射した第1のレーザ光の一部を集光レンズ16へ向けて透過させる。図3は、第1の実施形態における第2の立上ミラーに入射するレーザ光の波長と、第2の立上ミラーの透過率との関係を示す図である。図3において、横軸はレーザ光の波長を表し、縦軸は透過率を表している。また、図3において、破線はP偏光成分の透過率Tpを表し、実線はS偏光成分の透過率Tsを表している。
図3に示すように、第2の立上ミラー13は、第1の波長λ1(780nm)の第1のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが約30パーセントであり、S偏光成分の透過率Tsが約0パーセントである特性を有している。また、第2の立上ミラー13は、第2の波長λ2(660nm)の第2のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが約30パーセントであり、S偏光成分の透過率Tsが約0パーセントである特性を有している。
なお、第2の立上ミラー13を透過しなかった第1のレーザ光の残余は、第2の対物レンズ15へ向けて反射されることとなる。しかしながら、第2の対物レンズ15は、第1のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させることはない。そのため、第2の対物レンズ15へ向けて反射された第1のレーザ光の振る舞いを無視することができる。
また、本実施形態において、第2の立上ミラー13は、第1の立上ミラー12を透過した第1のレーザ光の一部だけを透過させるのではなく、第1の立上ミラー12を透過した第1のレーザ光の全部を透過させてもよい。
図1に戻って、集光レンズ16は、第2の立上ミラー13を透過した第1のレーザ光の一部を光検出器17に集光させる。光検出器17は、第1のレーザ光の一部を受光し、受光した第1のレーザ光の光強度に応じた電気信号(光強度信号)をパワー制御部18へ出力する。パワー制御部18は、光検出器17によって出力された光強度信号に応じて第1の光源1のレーザ出力を制御する。
一方、第1の立上ミラー12によって反射された第1のレーザ光は、第1の対物レンズ14に入射する。第1の対物レンズ14は、第1のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。そして、光記録媒体19の記録面で反射した反射光は、第1の対物レンズ14を再度通過して、第1の立上ミラー12に再度入射する。第1の立上ミラー12は、反射光をコリメートレンズ11へ向けて反射させる。コリメートレンズ11を通過した反射光は、広帯域1/4波長板10によって円偏光から直線偏光に変換され、ビームスプリッタ9に入射する。ビームスプリッタ9を透過した反射光は、リレーレンズ4を通過し、ビームスプリッタ2に入射する。ビームスプリッタ2は、第1の信号検出器3へ向けて反射光を反射させる。ビームスプリッタ2によって反射された反射光は、第1の信号検出器3に入射する。第1の信号検出器3は、光記録媒体19によって反射した反射光を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号に基づいてフォーカス、トラッキング及びRF等の各種信号を検出する。そして、検出されたこれらの信号に基づいてフォーカスやトラッキング等の制御が行われる。
次に、第2の光源5からレーザ光を出射する場合のレーザパワー制御について説明する。第2の光源5は、第3の波長λ3の第3のレーザ光を出射する。なお、第3の波長λ3は、例えば405nmである。第2の光源5によって出射された第3のレーザ光は、ビームスプリッタ7に入射する。ビームスプリッタ7は、第2の光源5によって出射された第3のレーザ光を透過させる。ビームスプリッタ7を透過した第3のレーザ光は、ビームスプリッタ9に入射する。
ビームスプリッタ9は、入射した第3のレーザ光をコリメートレンズ11へ向けて反射させる。ビームスプリッタ9を反射した第3のレーザ光は、広帯域1/4波長板10に入射する。広帯域1/4波長板10は、入射した第3のレーザ光を直線偏光から円偏光に変換する。広帯域1/4波長板10によって円偏光に変換された第3のレーザ光は、コリメートレンズ11に入射する。コリメートレンズ11は、入射した第3のレーザ光を平行光に変換する。コリメートレンズ11によって平行光に変換された第3のレーザ光は、第1の立上ミラー12に入射する。
第1の立上ミラー12は、入射した第3のレーザ光の全部を第2の立上ミラー13へ向けて透過させる。図2に示すように、第1の立上ミラー12は、第3の波長λ3(405nm)の第3のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが100パーセントであり、S偏光成分の透過率Tsが100パーセントである特性を有している。
図1に戻って、第1の立上ミラー12を透過した第3のレーザ光は、第2の立上ミラー13に入射する。第2の立上ミラー13は、入射した第3のレーザ光の一部を集光レンズ16へ向けて透過させ、第3のレーザ光の残余を第2の対物レンズ15へ向けて反射させる。図3に示すように、第2の立上ミラー13は、第3の波長λ3(405nm)の第3のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが約7パーセントであり、S偏光成分の透過率Tsが約0パーセントである特性を有している。
図1に戻って、集光レンズ16は、第2の立上ミラー13を透過した第3のレーザ光の一部を光検出器17に集光させる。光検出器17は、第3のレーザ光の一部を受光し、受光した第3のレーザ光の光強度に応じた電気信号(光強度信号)をパワー制御部18へ出力する。パワー制御部18は、光検出器17によって出力された光強度信号に応じて第2の光源5のレーザ出力を制御する。
一方、第2の立上ミラー13によって反射された第3のレーザ光は、第2の対物レンズ15に入射する。第2の対物レンズ15は、第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。そして、光記録媒体19の記録面で反射した反射光は、第2の対物レンズ15を再度通過して、第2の立上ミラー13に再度入射する。第2の立上ミラー13は、反射光を第1の立上ミラー12へ向けて反射させる。第1の立上ミラー12を透過した反射光は、コリメートレンズ11に入射する。コリメートレンズ11を通過した反射光は、広帯域1/4波長板10によって円偏光から直線偏光に変換され、ビームスプリッタ9に入射する。ビームスプリッタ9は、入射した反射光を第2の光源5へ向けて反射させる。ビームスプリッタ9を反射した反射光は、ビームスプリッタ7に入射する。ビームスプリッタ7は、第2の信号検出器8へ向けて反射光を反射させる。ビームスプリッタ7によって反射された反射光は、第2の信号検出器8に入射する。第2の信号検出器8は、光記録媒体19によって反射した反射光を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号に基づいてフォーカス、トラッキング及びRF等の各種信号を検出する。そして、検出されたこれらの信号に基づいてフォーカスやトラッキング等の制御が行われる。
このように、第1の光源1又は第2の光源5から所定の波長の光が出射され、第1の光源1又は第2の光源5によって出射されたレーザ光が円偏光の光に変換される。そして、円偏光のレーザ光の一部が光検出器17へ導かれるとともに、レーザ光の残余が光記録媒体19へ導かれる。
第1又は第2の立上ミラーに入射する光は円偏光であり、それらミラーのS偏光成分の透過率Tsは概ね0となっているため、ミラーを透過する光はP偏光成分のみである。したがって、ミラーに入射した光と透過する光との強度比は、P偏光成分の透過率Tpの半分となる。つまり、従来と同じ透過率Tpの値とすることで光学薄膜特性のばらつきや波長による透過率Tpの変化を従来と同等にしたまま、光検出器17に導く光量を半減させることが可能となる。これにより、従来よりも光記録媒体19に導く光量を増加させながらも、各光源のパワー制御を高精度で行うことが可能となる。
また、第1の光源1によって、第1の波長λ1の第1のレーザ光が出射されるとともに第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光が出射され、第2の光源5によって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光が出射される。そして、第1のレーザ光が円偏光の第1のレーザ光に変換され、第2のレーザ光が円偏光の第2のレーザ光に変換され、第3のレーザ光が円偏光の第3のレーザ光に変換される。続いて、第1の立上ミラー12によって、円偏光に変換された第1のレーザ光の一部、第2のレーザ光の一部及び第3のレーザ光の全部が透過されるとともに、第1のレーザ光の残余及び第2のレーザ光の残余が光記録媒体19に向けて反射される。さらに、第2の立上ミラー13によって、第1の立上ミラー12を透過した第1のレーザ光の全部、第2のレーザ光の全部及び第3のレーザ光の一部が光検出器17に向けて透過されるとともに、第3のレーザ光の残余が光記録媒体19に向けて反射される。
このとき、第1の立上ミラー12において、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分の一部が透過し、S偏光成分の全部が光記録媒体19へ向けて反射し、第3のレーザ光のP偏光成分の全部とS偏光成分の全部とが透過する。また、第2の立上ミラー13において、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分の一部が透過し、第3のレーザ光のP偏光成分の一部が透過し、S偏光成分の全部が光記録媒体19に向けて反射する。
したがって、第1の立上ミラー12によって、第1の波長λ1の第1のレーザ光及び第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光を光記録媒体19に導き、第2の立上ミラー13によって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光を光記録媒体19に導くとともに、第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を光検出器17に導くことができる。
また、本実施形態における光ピックアップ装置では、ビームスプリッタ9によって、第1の光源1によって出射された第1のレーザ光及び第2のレーザ光が第1の立上ミラー12へ向けて透過されるとともに、第2の光源5によって出射された第3のレーザ光が第1の立上ミラー12へ向けて反射される。そして、広帯域1/4波長板10が、ビームスプリッタ9と第1の立上ミラー12との間に配置される。したがって、第1の立上ミラー12にレーザ光が入射する前に、当該レーザ光を円偏光に変換することができる。
なお、本実施形態において、第1の立上ミラー12及び第2の立上ミラー13は、部分透過ミラーで構成されるが、本発明は特にこれに限定されず、第1の立上ミラー12及び第2の立上ミラー13を部分反射ミラーで構成してもよい。図4は、第1の実施形態の変形例に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。なお、図4では、図1の光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
第1の立上ミラー12aは、部分反射ミラーであり、広帯域1/4波長板10によって円偏光に変換された第1のレーザ光の一部及び第2のレーザ光の一部を第1の光検出器17aに向けて反射させるとともに、第1のレーザ光の残余、第2のレーザ光の残余及び広帯域1/4波長板10によって円偏光に変換された第3のレーザ光の全部を光記録媒体19に向けて透過させる。
第1の立上ミラー12aは、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対するP偏光成分の反射率Rpが0(0パーセント)でありS偏光成分の反射率Rsが所定の値であり、第3のレーザ光に対するP偏光成分の反射率RpとS偏光成分の反射率Rsとがともに0(0パーセント)である。なお、本変形例における第1の立上ミラー12aは、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対する反射率Rpと、第3のレーザ光に対する反射率Rp及び反射率Rsとを0パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。
第2の立上ミラー13aは、部分反射ミラーであり、第1の立上ミラー12aを透過した第3のレーザ光の一部を第2の光検出器17bに向けて反射させるとともに、第1の立上ミラー12aを透過した第1のレーザ光の全部及び第2のレーザ光の全部並びに第3のレーザ光の残余を光記録媒体19に向けて透過させる。
第2の立上ミラー13aは、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対するP偏光成分の反射率Rpが0(0パーセント)でありS偏光成分の反射率Rsが所定の値であり、第3のレーザ光に対するP偏光成分の反射率Rpが0(0パーセント)でありS偏光成分の反射率Rsが所定の値である。なお、本変形例における第2の立上ミラー13aは、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対する反射率Rpと、第3のレーザ光に対する反射率Rpとを0パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。
第1の対物レンズ14aは、第1の立上ミラー12a及び第2の立上ミラー13aを透過した第1のレーザ光又は第2のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。第2の対物レンズ15aは、第1の立上ミラー12a及び第2の立上ミラー13aを透過した第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。なお、第1の対物レンズ14a及び第2の対物レンズ15aは、図略のモータにより光軸に垂直な方向に移動可能である。モータは、第1のレーザ光又は第2のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる場合、第1の対物レンズ14aを光軸上に移動させ、第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる場合、第2の対物レンズ15aを光軸上に移動させる。
集光レンズ16aは、第1の立上ミラー12aを反射した第1のレーザ光及び第2のレーザ光を第1の光検出器17aの受光面に集光させる。集光レンズ16bは、第2の立上ミラー13aを反射した第3のレーザ光を第2の光検出器17bの受光面に集光させる。
なお、本変形例では、第1の光検出器17aと第2の光検出器17bとの2つの光検出器を設けているが、1つの光検出器で第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を検出してもよい。
このように、第1の光源1によって、第1の波長λ1の第1のレーザ光が出射されるとともに第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光が出射され、第2の光源5によって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光が出射される。そして、第1のレーザ光が円偏光の第1のレーザ光に変換され、第2のレーザ光が円偏光の第2のレーザ光に変換され、第3のレーザ光が円偏光の第3のレーザ光に変換される。続いて、第1の立上ミラー12aによって、円偏光に変換された第1のレーザ光の一部及び第2のレーザ光の一部が第1の光検出器17aに向けて反射されるとともに、第1のレーザ光の残余、第2のレーザ光の残余及び円偏光に変換された第3のレーザ光の全部が透過される。さらに、第2の立上ミラー13aによって、第1の立上ミラー12aを透過した第3のレーザ光の一部が第2の光検出器17bに向けて反射されるとともに、第1の立上ミラー12aを透過した第1のレーザ光の全部及び第2のレーザ光の全部並びに第3のレーザ光の残余が光記録媒体19に向けて透過される。
また、第1の立上ミラー12aにおいて、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分の全部が光記録媒体19へ向けて透過され、S偏光成分の一部が第1の光検出器17aへ向けて反射され、第3のレーザ光のP偏光成分の全部とS偏光成分の全部とが光記録媒体19へ向けて透過される。また、第2の立上ミラー13aにおいて、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分の全部が透過され、第3のレーザ光のP偏光成分の全部が光記録媒体19へ向けて透過され、S偏光成分の一部が第2の光検出器17bに向けて反射される。
したがって、第1の立上ミラー12aによって、第1の波長λ1の第1のレーザ光及び第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光を第1の光検出器17aに導き、第2の立上ミラー13aによって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光を第2の光検出器17bに導くとともに、第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を光記録媒体19に導くことができる。
また、本実施形態では、3つの波長のレーザ光を円偏光に変換する広帯域1/4波長板をビームスプリッタ9とコリメートレンズ11との間に設けているが、本発明は特にこれに限定されず、ビームスプリッタ9の透過/反射面に広帯域1/4波長板と同じ機能を有するようなコーティングを施してもよい。
さらに、本実施の形態において、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させているが、本発明は特にこれに限定されない。例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光、CD用の赤外光及びHD DVD用の青色光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。また、例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光及びHD DVD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。
さらにまた、本実施の形態における光ピックアップ装置は、赤色光及び赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させるための第1の立上ミラー12と、青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させるための第2の立上ミラー13とを備えているが、本発明は特にこれに限定されない。光ピックアップ装置は、3つの波長の光、すなわち、赤色光、赤外光及び青色光を対物レンズに向けて反射させる立上ミラーを1つだけ備えてもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る光ピックアップ装置について説明する。第1の実施形態では、第1の立上ミラーが第1のレーザ光及び第2のレーザ光を光記録媒体19へ向けて反射させ、第2の立上ミラーが第3のレーザ光を光記録媒体19へ向けて反射させている。これに対し、第2の実施形態では、第1の立上ミラーが第3のレーザ光を光記録媒体19へ向けて反射させ、第2の立上ミラーが第1のレーザ光及び第2のレーザ光を光記録媒体19へ向けて反射させる。
図5は、第2の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。なお、図5では、第1の実施形態に係る光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
第1の立上ミラー12’は、部分透過ミラーであり、広帯域1/4波長板10によって円偏光に変換された第1のレーザ光の全部、第2のレーザ光の全部及び第3のレーザ光の一部を透過させるとともに、第3のレーザ光の残余を光記録媒体19に向けて反射させる。例えば、第1の立上ミラー12’は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対するP偏光成分の透過率TpとS偏光成分の透過率Tsとがともに1(100パーセント)であり、第3のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが所定の値でありS偏光成分の透過率Tsが0(0パーセント)である。なお、本実施の形態における第1の立上ミラー12’は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対する透過率Tp及び透過率Tsを100パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。また、第1の立上ミラー12’は、第3のレーザ光に対する透過率Tsを0パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。
第2の立上ミラー13’は、部分透過ミラーであり、第1の立上ミラー12’を透過した第1のレーザ光の一部、第2のレーザ光の一部及び第3のレーザ光の一部又は全部を光検出器17に向けて透過させるとともに、第1のレーザ光の残余及び第2のレーザ光の残余を光記録媒体19に向けて反射させる。例えば、第2の立上ミラー13’は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが所定の値でありS偏光成分の透過率Tsが0(0パーセント)であり、第3のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが所定の値でありS偏光成分の透過率Tsが0(0パーセント)である。なお、本実施の形態における第2の立上ミラー13’は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対する透過率Tsと、第3のレーザ光に対する透過率Tsとを0パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。
第1の対物レンズ14’は、第2の立上ミラー13’によって反射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。第2の対物レンズ15’は、第1の立上ミラー12’によって反射された第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。
ここで、第2の実施形態に係る光ピックアップ装置の動作について図5を用いて説明する。まず、第1の光源1からレーザ光を出射する場合のレーザパワー制御について説明する。なお、赤外光である第1のレーザ光と、赤色光である第2のレーザ光とは、同じ動作であるので、以下の説明では第1のレーザ光のみについて説明する。また、第1のレーザ光が第1の立上ミラー12’に入射するまでの動作は、第1の実施形態において第1のレーザ光が第1の立上ミラー12に入射するまでの動作と同じであるので説明を省略する。
第1の立上ミラー12’は、入射した第1のレーザ光の全部を第2の立上ミラー13’へ向けて透過させる。第1の立上ミラー12’を透過した第1のレーザ光は、第2の立上ミラー13’に入射する。第2の立上ミラー13’は、入射した第1のレーザ光の一部を集光レンズ16へ向けて透過させ、第1のレーザ光の残余を第1の対物レンズ14’へ向けて反射させる。
集光レンズ16は、第2の立上ミラー13’を透過した第1のレーザ光の一部を光検出器17に集光させる。光検出器17は、第1のレーザ光の一部を受光し、受光した第1のレーザ光の光強度に応じた電気信号(光強度信号)をパワー制御部18へ出力する。パワー制御部18は、光検出器17によって出力された光強度信号に応じて第1の光源1のレーザ出力を制御する。
一方、第2の立上ミラー13’によって反射された第1のレーザ光は、第1の対物レンズ14’に入射する。第1の対物レンズ14’は、第1のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。そして、光記録媒体19の記録面で反射した反射光は、第1の対物レンズ14’を再度通過して、第2の立上ミラー13’に再度入射する。第2の立上ミラー13’は、反射光を第1の立上ミラー12’へ向けて反射させる。第1の立上ミラー12’を透過した反射光は、コリメートレンズ11に入射する。
なお、第1のレーザ光の光記録媒体19による反射光がコリメートレンズ11に入射した後の動作は、第1の実施形態において反射光がコリメートレンズ11に入射した後の動作と同じであるので説明を省略する。
次に、第2の光源5からレーザ光を出射する場合のレーザパワー制御について説明する。なお、第3のレーザ光が第1の立上ミラー12’に入射するまでの動作は、第1の実施形態において第3のレーザ光が第1の立上ミラー12に入射するまでの動作と同じであるので説明を省略する。
第1の立上ミラー12’は、入射した第3のレーザ光の一部を第2の立上ミラー13’へ向けて透過させ、第3のレーザ光の残余を第2の対物レンズ15’へ向けて反射させる。第1の立上ミラー12’を透過した第3のレーザ光の一部は、第2の立上ミラー13’に入射する。第2の立上ミラー13’は、入射した第3のレーザ光の一部を集光レンズ16へ向けて透過させる。
なお、第2の立上ミラー13’を透過しなかった第3のレーザ光の残余は、第1の対物レンズ14’へ向けて反射されることとなる。しかしながら、第1の対物レンズ14’は、第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させることはない。そのため、第1の対物レンズ14’へ向けて反射された第3のレーザ光は、光記録媒体19で反射することはない。
また、本実施形態において、第2の立上ミラー13’は、第1の立上ミラー12’を透過した第3のレーザ光の一部だけを透過させるのではなく、第1の立上ミラー12’を透過した第3のレーザ光の全部を透過させてもよい。
集光レンズ16は、第2の立上ミラー13’を透過した第3のレーザ光の一部を光検出器17に集光させる。光検出器17は、第3のレーザ光の一部を受光し、受光した第3のレーザ光の光強度に応じた電気信号(光強度信号)をパワー制御部18へ出力する。パワー制御部18は、光検出器17によって出力された光強度信号に応じて第2の光源5のレーザ出力を制御する。
一方、第1の立上ミラー12’によって反射された第3のレーザ光は、第2の対物レンズ15’に入射する。第2の対物レンズ15’は、第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。そして、光記録媒体19の記録面で反射した反射光は、第2の対物レンズ15’を再度通過して、第1の立上ミラー12’に再度入射する。第1の立上ミラー12’は、反射光をコリメートレンズ11へ向けて反射させる。
なお、第3のレーザ光の光記録媒体19による反射光がコリメートレンズ11に入射した後の動作は、第1の実施形態において反射光がコリメートレンズ11に入射した後の動作と同じであるので説明を省略する。
このように、第1の光源1によって、第1の波長λ1の第1のレーザ光が出射されるとともに第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光が出射され、第2の光源5によって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光が出射される。そして、第1のレーザ光が円偏光の第1のレーザ光に変換され、第2のレーザ光が円偏光の第2のレーザ光に変換され、第3のレーザ光が円偏光の第3のレーザ光に変換される。続いて、第1の立上ミラー12’によって、円偏光に変換された第1のレーザ光の全部、第2のレーザ光の全部及び第3のレーザ光の一部が透過されるとともに、第3のレーザ光の残余が光記録媒体19に向けて反射される。さらに、第2の立上ミラー13’によって、第1の立上ミラー12’を透過した第1のレーザ光の一部、第2のレーザ光の一部及び第3のレーザ光の全部が透過されるとともに、第1のレーザ光の残余及び第2のレーザ光の残余が光記録媒体19に向けて反射される。
また、第1の立上ミラー12’において、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分の全部とS偏光成分の全部とが透過し、第3のレーザ光のP偏光成分の一部が透過し、S偏光成分の全部が光記録媒体19に向けて反射する。また、第2の立上ミラー13’において、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分の一部が透過し、第3のレーザ光のP偏光成分の一部が透過し、S偏光成分の全部が光記録媒体19に向けて反射する。
したがって、第1の立上ミラー12’によって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光を光記録媒体19に導き、第2の立上ミラー13’によって、第1の波長λ1の第1のレーザ光及び第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光を光記録媒体19に導くとともに、第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を光検出器17に導くことができる。
なお、本実施形態において、第1の立上ミラー12’及び第2の立上ミラー13’は、部分透過ミラーで構成されるが、本発明は特にこれに限定されず、第1の立上ミラー12’及び第2の立上ミラー13’を部分反射ミラーで構成してもよい。図6は、第2の実施形態の変形例に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。なお、図6では、図5の光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
第1の立上ミラー12a’は、部分反射ミラーであり、広帯域1/4波長板10によって円偏光に変換された第3のレーザ光の一部を第2の光検出器17b’に向けて反射させるとともに、広帯域1/4波長板10によって円偏光に変換された第1のレーザ光の全部及び第2のレーザ光の全部並びに第3のレーザ光の残余を光記録媒体19に向けて透過させる。
第1の立上ミラー12a’は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対するP偏光成分の反射率RpとS偏光成分の反射率Rsとがともに0(0パーセント)であり、第3のレーザ光に対するP偏光成分の反射率Rpが0(0パーセント)でありS偏光成分の反射率Rsが所定の値である。なお、本変形例における第1の立上ミラー12a’は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対する反射率Rp及び反射率Rsと、第3のレーザ光に対する反射率Rpとを0パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。
第2の立上ミラー13a’は、部分反射ミラーであり、第1の立上ミラー12a’を透過した第1のレーザ光の一部及び第2のレーザ光の一部を第1の光検出器17a’に向けて反射させるとともに、第1のレーザ光の残余、第2のレーザ光の残余及び第1の立上ミラー12a’を透過した第3のレーザ光の全部を光記録媒体19に向けて透過させる。
第2の立上ミラー13a’は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対するP偏光成分の反射率Rpが0(0パーセント)でありS偏光成分の反射率Rsが所定の値であり、第3のレーザ光に対するP偏光成分の反射率Rpが0(0パーセント)でありS偏光成分の反射率Rsが所定の値である。なお、本実施の形態における第2の立上ミラー13a’は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対する反射率Rpと、第3のレーザ光に対する反射率Rpとを0パーセントとしているが、±20パーセントの誤差が許容される。
また、第1の対物レンズ14’の位置に第1のレーザ光及び第2のレーザ光を検出する第1の光検出器17a’を配置するとともに、第2の対物レンズ15’の位置に第3のレーザ光を検出する第2の光検出器17b’を配置する。そして、集光レンズ16及び光検出器17に換えて、第1のレーザ光及び第2のレーザ光を集光させる第1の対物レンズ14aを配置するとともに、第3のレーザ光を集光させる第2の対物レンズ15aを配置する。
第1の対物レンズ14aは、第1の立上ミラー12a’及び第2の立上ミラー13a’を透過した第1のレーザ光又は第2のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。第2の対物レンズ15aは、第1の立上ミラー12a’及び第2の立上ミラー13a’を透過した第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。なお、第1の対物レンズ14a及び第2の対物レンズ15aは、図略のモータにより光軸に垂直な方向に移動可能である。モータは、第1のレーザ光又は第2のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる場合、第1の対物レンズ14aを光軸上に移動させ、第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる場合、第2の対物レンズ15aを光軸上に移動させる。
集光レンズ16a’は、第2の立上ミラー13a’を反射した第1のレーザ光及び第2のレーザ光を第1の光検出器17a’の受光面に集光させる。集光レンズ16b’は、第1の立上ミラー12a’を反射した第3のレーザ光を第2の光検出器17b’の受光面に集光させる。
なお、本変形例では、第1の光検出器17a’と第2の光検出器17b’との2つの光検出器を設けているが、1つの光検出器で第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を検出してもよい。
このように、第1の光源1によって、第1の波長λ1の第1のレーザ光が出射されるとともに第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光が出射され、第2の光源5によって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光が出射される。そして、第1のレーザ光が円偏光の第1のレーザ光に変換され、第2のレーザ光が円偏光の第2のレーザ光に変換され、第3のレーザ光が円偏光の第3のレーザ光に変換される。続いて、第1の立上ミラー12a’によって、円偏光に変換された第3のレーザ光の一部が第2の光検出器17b’に向けて反射されるとともに、円偏光に変換された第1のレーザ光の全部及び第2のレーザ光の全部並びに第3のレーザ光の残余が透過される。さらに、第2の立上ミラー13a’によって、第1の立上ミラー12a’を透過した第1のレーザ光の一部及び第2のレーザ光の一部が第1の光検出器17a’に向けて反射されるとともに、第1のレーザ光の残余、第2のレーザ光の残余及び第1の立上ミラー12a’を透過した第3のレーザ光の全部が光記録媒体19に向けて透過される。
また、第1の立上ミラー12a’において、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分の全部とS偏光成分の全部とが透過され、第3のレーザ光のP偏光成分の全部が透過され、S偏光成分の一部が第2の光検出器17b’に向けて反射される。また、第2の立上ミラー13a’において、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分の全部が光記録媒体19に向けて透過され、S偏光成分の一部が第1の光検出器17a’に向けて反射され、第3のレーザ光のP偏光成分の全部が光記録媒体19に向けて透過される。
したがって、第1の立上ミラー12a’によって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光を第2の光検出器17b’に導き、第2の立上ミラー13a’によって、第1の波長λ1の第1のレーザ光及び第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光を第1の光検出器17a’に導くとともに、第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を光記録媒体19に導くことができる。
さらに、本実施の形態において、第1の立上ミラー12’は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15’に向けて反射させ、第2の立上ミラー13’は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14’に向けて反射させているが、本発明は特にこれに限定されない。例えば、第1の立上ミラー12’は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15’に向けて反射させ、第2の立上ミラー13’は、DVD用の赤色光、CD用の赤外光及びHD DVD用の青色光を第1の対物レンズ14’に向けて反射させてもよい。また、例えば、第1の立上ミラー12’は、BD用の青色光及びHD DVD用の青色光を第2の対物レンズ15’に向けて反射させ、第2の立上ミラー13’は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14’に向けて反射させてもよい。
さらにまた、本実施の形態における光ピックアップ装置は、青色光を第2の対物レンズ15’に向けて反射させるための第1の立上ミラー12’と、赤色光及び赤外光を第1の対物レンズ14’に向けて反射させるための第2の立上ミラー13’とを備えているが、本発明は特にこれに限定されない。光ピックアップ装置は、3つの波長の光、すなわち、赤色光、赤外光及び青色光を対物レンズに向けて反射させる立上ミラーを1つだけ備えてもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る光ピックアップ装置について説明する。第1の実施形態に係る光ピックアップ装置では、光検出器17が第1の光源1〜第2の立上ミラー13と同一平面上であり、かつ受光面が光軸に対して垂直となる位置に配置されている。これに対し、第3の実施形態に係る光ピックアップ装置では、受光面が第1の光源1〜第2の立上ミラー13の配置される面と平行となる位置に光検出器17が配置される。
図7は、第3の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。なお、図7では、第1の実施形態に係る光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
反射ミラー20は、第1の立上ミラー12及び第2の立上ミラー13を透過した第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を光検出器17の受光面に向けて反射させるとともに、各レーザ光を光検出器17の受光面に集光させる。
光検出器17は、受光面が第1の光源1〜第2の立上ミラー13の配置される面と平行となる位置に配置され、反射ミラー20によって反射された第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を受光する。
なお、第3の実施形態に係る光ピックアップ装置の動作については、第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光が反射ミラー20によって反射される以外は第1の実施形態に係る光ピックアップ装置の動作と同じであるので説明を省略する。
このように、光検出器17のレーザ光を受光する受光面が光記録媒体19の記録面と平行であり、第2の立上ミラー13によって導かれたレーザ光が光検出器17に向けて反射されるので、光検出器17の受光面を第2の立上ミラー13によって導かれるレーザ光の光軸に対して垂直ではなく、光記録媒体19の記録面に平行となるように配置され、光ピックアップ装置を薄型化することができる。
なお、本実施の形態において、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させているが、本発明は特にこれに限定されない。例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光、CD用の赤外光及びHD DVD用の青色光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。また、例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光及びHD DVD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。
さらにまた、本実施の形態における光ピックアップ装置は、赤色光及び赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させるための第1の立上ミラー12と、青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させるための第2の立上ミラー13とを備えているが、本発明は特にこれに限定されない。光ピックアップ装置は、3つの波長の光、すなわち、赤色光、赤外光及び青色光を対物レンズに向けて反射させる立上ミラーを1つだけ備えてもよい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る光ピックアップ装置について説明する。第1の実施形態では、第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を円偏光に変換する広帯域1/4波長板10をビームスプリッタ9とコリメートレンズ11との間に配置している。これに対し、第4の実施形態では、第1のレーザ光及び第2のレーザ光を円偏光に変換する1/4波長板と、第3のレーザ光を円偏光に変換する1/4波長板とを別々に設ける。
図8は、第4の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。なお、図8では、第1の実施形態に係る光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
第1の1/4波長板21は、リレーレンズ4とビームスプリッタ9との間に配置され、波長が互いに異なる2つのレーザ光、すなわち第1のレーザ光及び第2のレーザ光を円偏光に変換する。第2の1/4波長板22は、ビームスプリッタ7とビームスプリッタ9との間に配置され、第3のレーザ光を円偏光に変換する。
ここで、第4の実施形態に係る光ピックアップ装置の動作について説明する。まず、第1の光源1からレーザ光を出射する場合のレーザパワー制御について説明する。なお、第1のレーザ光又は第2のレーザ光がリレーレンズ4に入射するまでの動作は、第1の実施形態において第1のレーザ光がリレーレンズ4に入射するまでの動作と同じであるので説明を省略する。
リレーレンズ4を通過した第1のレーザ光又は第2のレーザ光は、第1の1/4波長板21に入射する。第1の1/4波長板21は、入射した第1のレーザ光又は第2のレーザ光を直線偏光から円偏光に変換する。第1の1/4波長板21によって円偏光に変換された第1のレーザ光又は第2のレーザ光は、ビームスプリッタ9に入射する。ビームスプリッタ9は、入射した第1のレーザ光又は第2のレーザ光を透過させる。ビームスプリッタ9を透過した第1のレーザ光又は第2のレーザ光は、コリメートレンズ11に入射する。
第1のレーザ光又は第2のレーザ光がコリメートレンズ11に入射した後の動作は、第1の実施形態において第1のレーザ光がコリメートレンズ11に入射した後の動作と同じであるので説明を省略する。光記録媒体19の記録面によって反射した反射光は、ビームスプリッタ9を透過し、第1の1/4波長板21に入射する。第1の1/4波長板21は、反射光を円偏光から直線偏光に変換する。直線偏光に変換された反射光は、リレーレンズ4に入射する。反射光がリレーレンズ4に入射した後の動作は、第1の実施形態において反射光がリレーレンズ4に入射した後の動作と同じであるので説明を省略する。
続いて、第2の光源5からレーザ光を出射する場合のレーザパワー制御について説明する。なお、第3のレーザ光がビームスプリッタ7を透過するまでの動作は、第1の実施形態において第3のレーザ光がビームスプリッタ7を透過するまでの動作と同じであるので説明を省略する。
ビームスプリッタ7を透過した第3のレーザ光は、第2の1/4波長板22に入射する。第2の1/4波長板22は、入射した第3のレーザ光を直線偏光から円偏光に変換する。第2の1/4波長板22によって円偏光に変換された第3のレーザ光は、ビームスプリッタ9に入射する。ビームスプリッタ9は、入射した第3のレーザ光をコリメートレンズ11へ向けて反射させる。ビームスプリッタ9を反射した第3のレーザ光は、コリメートレンズ11に入射する。
第3のレーザ光がコリメートレンズ11に入射した後の動作は、第1の実施形態において第3のレーザ光がコリメートレンズ11に入射した後の動作と同じであるので説明を省略する。光記録媒体19の記録面によって反射した反射光は、ビームスプリッタ9を反射し、第2の1/4波長板22に入射する。第2の1/4波長板22は、反射光を円偏光から直線偏光に変換する。直線偏光に変換された反射光は、ビームスプリッタ7に入射する。反射光がビームスプリッタ7に入射した後の動作は、第1の実施形態において反射光がビームスプリッタ7に入射した後の動作と同じであるので説明を省略する。
このように、第1のレーザ光及び第2のレーザ光を円偏光に変換する第1の1/4波長板21と、第3のレーザ光を円偏光に変換する第2の1/4波長板22とが別々に配置されるので、第1のレーザ光、第2のレーザ光及び第3のレーザ光を円偏光に変換する広帯域1/4波長板を使用するよりも安価に光ピックアップ装置を製造することができる。
なお、本実施の形態において、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させているが、本発明は特にこれに限定されない。例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光、CD用の赤外光及びHD DVD用の青色光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。また、例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光及びHD DVD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。
さらにまた、本実施の形態における光ピックアップ装置は、赤色光及び赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させるための第1の立上ミラー12と、青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させるための第2の立上ミラー13とを備えているが、本発明は特にこれに限定されない。光ピックアップ装置は、3つの波長の光、すなわち、赤色光、赤外光及び青色光を対物レンズに向けて反射させる立上ミラーを1つだけ備えてもよい。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る光ピックアップ装置について説明する。第1の実施形態における光ピックアップ装置は、2つの光源と2つの立上ミラーとを備えているが、第5の実施形態における光ピックアップ装置は、1つの光源と1つの立上ミラーとを備える。
図9は、第5の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。図9に示す光ピックアップ装置は、第2の光源5、ビームスプリッタ7、第2の信号検出器8、コリメートレンズ11、第2の対物レンズ15、集光レンズ16、光検出器17、パワー制御部18、1/4波長板23及び立上ミラー24を備える。なお、図9では、第1の実施形態に係る光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
1/4波長板23は、第3のレーザ光を直線偏光から円偏光に変換する。立上ミラー24は、部分透過ミラーであり、第3のレーザ光の一部を光検出器17に向けて透過させるとともに、第3のレーザ光の残余を光記録媒体19に向けて反射させる。例えば、立上ミラー24は、第3のレーザ光に対するP偏光成分の透過率TpがS偏光成分の透過率Tsよりも大きくなるように設計されている。
ここで、第5の実施形態に係る光ピックアップ装置の動作について説明する。なお、第3のレーザ光がビームスプリッタ7を透過するまでの動作は、第1の実施形態において第3のレーザ光がビームスプリッタ7を透過するまでの動作と同じであるので説明を省略する。
ビームスプリッタ7を透過した第3のレーザ光は、1/4波長板23に入射する。1/4波長板23は、入射した第3のレーザ光を直線偏光から円偏光に変換する。1/4波長板23によって円偏光に変換された第3のレーザ光は、コリメートレンズ11に入射する。コリメートレンズ11は、入射した第3のレーザ光を平行光に変換する。コリメートレンズ11によって平行光に変換された第3のレーザ光は、立上ミラー24に入射する。
立上ミラー24は、入射した第3のレーザ光の一部を集光レンズ16へ向けて透過させ、第3のレーザ光の残余を第2の対物レンズ15へ向けて反射させる。図10は、第5の実施形態における立上ミラーに入射するレーザ光の波長と、立上ミラーの透過率との関係を示す図である。図10において、横軸はレーザ光の波長を表し、縦軸は透過率を表している。また、図10において、破線はP偏光成分の透過率Tpを表し、実線はS偏光成分の透過率Tsを表している。図10に示すように、立上ミラー24は、第3の波長λ3(405nm)の第3のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpが7パーセントであり、S偏光成分の透過率Tsが0パーセントである特性を有している。なお、本実施形態では、P偏光成分の透過率Tpを0.07(7パーセント)とし、S偏光成分の透過率Tsを0(0パーセント)としているが、P偏光成分の透過率Tpを0.1(10パーセント)とし、S偏光成分の透過率Tsを0(0パーセント)としてもよい。
図9に戻って、集光レンズ16は、立上ミラー24を透過した第3のレーザ光の一部を光検出器17に集光させる。光検出器17は、第3のレーザ光の一部を受光し、受光した第3のレーザ光の光強度に応じた電気信号(光強度信号)をパワー制御部18へ出力する。パワー制御部18は、光検出器17によって出力された光強度信号に応じて第2の光源5のレーザ出力を制御する。
一方、立上ミラー24によって反射された第3のレーザ光は、第2の対物レンズ15に入射する。第2の対物レンズ15は、第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。そして、光記録媒体19の記録面で反射した反射光は、第2の対物レンズ15を再度通過して、立上ミラー24に再度入射する。立上ミラー24は、反射光をコリメートレンズ11へ向けて反射させる。コリメートレンズ11を通過した反射光は、1/4波長板23によって円偏光から直線偏光に変換され、ビームスプリッタ7に入射する。ビームスプリッタ7は、第2の信号検出器8に向けて反射光を反射させる。ビームスプリッタ7によって反射された反射光は、第2の信号検出器8に入射する。第2の信号検出器8は、光記録媒体19によって反射した反射光を受光して電気信号に変換し、変換した電気信号に基づいてフォーカス、トラッキング及びRF等の各種信号を検出する。そして、検出されたこれらの信号に基づいてフォーカスやトラッキング等の制御が行われる。
このように、部分透過ミラーである立上ミラー24によって、円偏光に変換された第3のレーザ光が光検出器17へ向けて透過されるとともに光記録媒体19へ向けて反射される。そして、立上ミラー24のP偏光成分の透過率TpがS偏光成分の透過率Tsよりも大きくなっている。したがって、P偏光成分のレーザ光をS偏光成分のレーザ光よりも多く透過させることができ、P偏光成分のレーザ光を光検出器17へ導くことができる。
なお、本実施形態では、青色光である第3のレーザ光を出射する第2の光源5を用いているが、本発明は特にこれに限定されず、赤外光である第1のレーザ光及び赤色光である第2のレーザ光を出射する第1の光源1を用いてもよい。
また、本実施形態において、立上ミラー24は、部分透過ミラーで構成されるが、本発明は特にこれに限定されず、立上ミラー24を部分反射ミラーで構成してもよい。図11は、第5の実施形態の変形例に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。なお、図11では、図9の光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
立上ミラー24aは、部分反射ミラーであり、第3のレーザ光の一部を光検出器17に向けて反射させるとともに、第3のレーザ光の残余を光記録媒体19に向けて透過させる。立上ミラー24aは、第3のレーザ光に対するS偏光成分の反射率RsがP偏光成分の反射率Rpよりも大きくなるように設計される。具体的には、S偏光成分の反射率Rsを例えば0.1(10パーセント)とし、P偏光成分の反射率Rpを例えば0(0パーセント)とする。
第2の対物レンズ15は、立上ミラー24aを透過した第3のレーザ光を光記録媒体19の記録面に集光させる。集光レンズ16は、立上ミラー24aを反射した第3のレーザ光を光検出器17の受光面に集光させる。
このように、部分反射ミラーである立上ミラー24aによって、円偏光に変換されたレーザ光が光検出器17へ向けて反射されるとともに光記録媒体19へ向けて透過される。そして、立上ミラー24aのS偏光成分の反射率RsがP偏光成分の反射率Rpよりも大きくなっている。したがって、S偏光成分のレーザ光をP偏光成分のレーザ光よりも多く反射させることができ、S偏光成分のレーザ光を光検出器17へ導くことができる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係る光ピックアップ装置について説明する。第6の実施形態では、装置内の温度を測定する温度センサをさらに備え、パワー制御部は、温度センサによって検出された温度に応じて光源のパワーを補正する。
図12は、第6の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。なお、図12では、第1の実施形態に係る光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
第6の実施形態に係る光ピックアップ装置は、第1の実施形態の構成に加えて温度センサ25をさらに備える。温度センサ25は、光ピックアップ装置内の温度を測定し、測定した温度をパワー制御部18へ出力する。
パワー制御部18は、温度センサ25によって測定された温度に基づいて、第1の光源1及び第2の光源5から出射するレーザ光のレーザ出力を補正する。具体的には、温度毎に補正係数が予め決められており、パワー制御部18は、温度毎の補正係数を予め記憶している。そして、パワー制御部18は、温度センサ25によって測定された温度に対応する補正係数を読み出し、補正係数をレーザ出力値に乗算することにより、第1の光源1及び第2の光源5から出射するレーザ光のレーザ出力を補正する。
このように、温度センサ25によって測定された温度に基づいて、第1の光源1及び第2の光源5から出射するレーザ光のレーザ出力が補正されるので、温度変化に対する光検出器17の受光量の変化を抑えることができる。
なお、本実施の形態において、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させているが、本発明は特にこれに限定されない。例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光、CD用の赤外光及びHD DVD用の青色光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。また、例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光及びHD DVD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。
さらにまた、本実施の形態における光ピックアップ装置は、赤色光及び赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させるための第1の立上ミラー12と、青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させるための第2の立上ミラー13とを備えているが、本発明は特にこれに限定されない。光ピックアップ装置は、3つの波長の光、すなわち、赤色光、赤外光及び青色光を対物レンズに向けて反射させる立上ミラーを1つだけ備えてもよい。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態に係る光ピックアップ装置について説明する。温度変化等により光源から出射したレーザ光の偏光角が変動し、光検出器における検出誤差が生じる虞がある。
例えば、第1の実施形態のビームスプリッタ2において、第1のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpを87%とし、S偏光成分の透過率Tsを87%とし、第2のレーザ光に対するP偏光成分の透過率Tpを99%とし、S偏光成分の透過率Tsを1〜3%とする。この場合、第1のレーザ光は、楕円偏光となり、透過後のS偏光成分が変動する虞がある。また、第2のレーザ光は、P偏光成分だけでなくS偏光成分も透過するため、透過後のS偏光成分が変動する虞がある。
出射光に対するS偏光成分の光検出器における受光量は、CD用の第1のレーザ光の場合40%以下となり、DVD用の第2のレーザ光の場合15%以下となり、BD用の第3のレーザ光の場合5%以下となる。このように、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のS偏光成分の光検出器における受光量は大きいので、S偏光成分が変動することによる光検出器での検出誤差が問題となる。
そこで、第7の実施形態では、P偏光成分とS偏光成分とを分離する偏光ビームスプリッタを設けることにより、レーザ光の偏光角の変動を抑え、光検出器における検出誤差を低下させる。
図13は、第7の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。なお、図13では、第1の実施形態に係る光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
第7の実施形態に係る光ピックアップ装置は、第1の実施形態のビームスプリッタ2に替えて、偏光スタビライザ28と偏光ビームスプリッタ29とを備える。
偏光スタビライザ28は、第1の光源1によって出射された第1のレーザ光及び第2のレーザ光のS偏光成分を所定の割合(例えば、1/10)だけ透過させる。なお、偏光スタビライザ28は、1/2波長板であってもよい。
偏光ビームスプリッタ29は、偏光スタビライザ28とビームスプリッタ9との間に配置され、偏光スタビライザ28を透過した第1のレーザ光又は第2のレーザ光を透過させるとともに、光記録媒体19によって反射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光を反射させる。具体的に、偏光ビームスプリッタ29は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対してはP偏光成分を透過させS偏光成分を反射させる。
第1の光源1を出射した第1のレーザ光又は第2のレーザ光は、偏光スタビライザ28に入射する。このとき、第1のレーザ光又は第2のレーザ光は、偏光スタビライザ28によりP偏光成分及び1/10のS偏光成分が透過し、さらに、偏光ビームスプリッタ29によりP偏光成分のみが透過する。
一方、光記録媒体19によって反射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光は、偏光ビームスプリッタ29によりS偏光成分のみが反射し、第1の信号検出器3に入射する。
この場合、出射光に対するS偏光成分の光検出器17における受光量は、CD用の第1のレーザ光の場合8〜11%となり、DVD用の第2のレーザ光の場合8〜11%以上となり、BD用の第3のレーザ光の場合5%となる。したがって、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のS偏光成分の光検出器17における受光量は減少し、S偏光成分が変動することによる光検出器17での検出誤差を抑えることができる。
このように、第1の光源1によって、第1の波長λ1の第1のレーザ光、及び第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光が出射され、第2の光源5によって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光が出射される。また、ビームスプリッタ9によって、第1の光源1から出射された第1のレーザ光及び第2のレーザ光が第1の立上ミラー12へ向けて透過されるとともに、第2の光源5から出射された第3のレーザ光が第1の立上ミラー12へ向けて反射される。さらに、偏光スタビライザ28によって、第1の光源1から出射された第1のレーザ光及び第2のレーザ光のS偏光成分が所定の割合だけ透過される。そして、偏光スタビライザ28とビームスプリッタ9との間に配置された偏光ビームスプリッタ29によって、偏光スタビライザ28を透過した第1のレーザ光又は第2のレーザ光が透過されるとともに、光記録媒体19によって反射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光が反射される。また、偏光ビームスプリッタ29は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対してはP偏光成分を透過させS偏光成分を反射させる。
したがって、偏光スタビライザ28により第1のレーザ光及び第2のレーザ光のS偏光成分が所定の割合だけ透過し、さらに、偏光ビームスプリッタ29により第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分のみが透過することにより、S偏光成分の変動を確実に抑えることができ、光検出器17の検出誤差を抑えることができる。
次に、第7の実施形態の変形例について説明する。図14は、第7の実施形態の変形例に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。なお、図14では、第1の実施形態に係る光ピックアップ装置と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
第7の実施形態の変形例に係る光ピックアップ装置は、第1の実施形態のビームスプリッタ2に替えて、偏光ビームスプリッタ30を備える。
偏光ビームスプリッタ30は、第1の光源1とビームスプリッタ9との間に配置され、第1の光源1から出射した第1のレーザ光又は第2のレーザ光を透過させるとともに、光記録媒体19によって反射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光を反射させる。具体的に、偏光ビームスプリッタ30は、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対してはP偏光成分を透過させS偏光成分を反射させる第1の光学膜30aと、第1のレーザ光に対してはP偏光成分を所定の透過率Tp(例えば、85%)で透過させるとともにS偏光成分を透過させず(透過率Tsが0%)、第2のレーザ光に対してはP偏光成分を透過させS偏光成分を反射させる第2の光学膜30bとを含む。
第1の光源1を出射した第1のレーザ光又は第2のレーザ光は、偏光ビームスプリッタ30の第1の光学膜30aに入射した後、偏光ビームスプリッタ30の第2の光学膜30bに入射する。このとき、第1のレーザ光は、第1の光学膜30aによりP偏光成分のみが透過し、さらに、第2の光学膜30bにより所定の透過率だけP偏光成分が透過する。また、第2のレーザ光は、第1の光学膜30aによりP偏光成分のみが透過し、さらに、第2の光学膜30bによりP偏光成分のみが透過する。
一方、光記録媒体19によって反射された第1のレーザ光は、第2の光学膜30bによりS偏光成分が100%反射し、第1の信号検出器3に入射する。また、光記録媒体19によって反射された第2のレーザ光は、第2の光学膜30bによりS偏光成分のみが反射し、第1の信号検出器3に入射する。
この場合、出射光に対するS偏光成分の光検出器17における受光量は、CD用の第1のレーザ光の場合8〜11%となり、DVD用の第2のレーザ光の場合8〜11%となり、BD用の第3のレーザ光の場合5%となる。したがって、第1のレーザ光及び第2のレーザ光のS偏光成分の光検出器17における受光量は減少し、S偏光成分が変動することによる光検出器17での検出誤差を抑えることができる。
このように、第1の光源1によって、第1の波長λ1の第1のレーザ光、及び第1の波長λ1よりも波長の短い第2の波長λ2の第2のレーザ光が出射され、第2の光源5によって、第2の波長λ2よりも波長の短い第3の波長λ3の第3のレーザ光が出射される。また、ビームスプリッタ9によって、第1の光源1から出射された第1のレーザ光及び第2のレーザ光が第1の立上ミラー12へ向けて透過されるとともに、第2の光源5から出射された第3のレーザ光が第1の立上ミラー12へ向けて反射される。そして、第1の光源1とビームスプリッタ9との間に配置された偏光ビームスプリッタ30によって、第1の光源1から出射した第1のレーザ光又は第2のレーザ光が透過されるとともに、光記録媒体19によって反射された第1のレーザ光又は第2のレーザ光が反射される。このとき、偏光ビームスプリッタ30の第1の光学膜30aは、第1のレーザ光及び第2のレーザ光に対してはP偏光成分を透過させS偏光成分を反射させる。また、偏光ビームスプリッタ30の第2の光学膜30bは、第1のレーザ光に対してはP偏光成分を所定の透過率で透過させるとともにS偏光成分を透過させず、第2のレーザ光に対してはP偏光成分を透過させS偏光成分を反射させる。
したがって、偏光ビームスプリッタ30の第1の光学膜30aにより第1のレーザ光及び第2のレーザ光のP偏光成分のみが透過し、さらに、偏光ビームスプリッタ30の第2の光学膜30bにより第1のレーザ光のP偏光成分のみが所定の透過率で透過し、第2のレーザ光のP偏光成分のみが透過することにより、S偏光成分の変動を確実に抑えることができ、光検出器17の検出誤差を抑えることができる。
なお、第7の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成は、図1に示す第1の実施形態だけでなく、図4に示す第1の実施形態の変形例、図5に示す第2の実施形態、図6に示す第2の実施形態の変形例、図7に示す第3の実施形態、図8に示す第4の実施形態、図9に示す第5の実施形態、図11に示す第5の実施形態の変形例、及び図12に示す第6の実施形態に係る光ピックアップ装置にも適用可能である。
また、本実施の形態において、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させているが、本発明は特にこれに限定されない。例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光、CD用の赤外光及びHD DVD用の青色光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。また、例えば、第1の立上ミラー12は、DVD用の赤色光及びCD用の赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させ、第2の立上ミラー13は、BD用の青色光及びHD DVD用の青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させてもよい。
さらにまた、本実施の形態における光ピックアップ装置は、赤色光及び赤外光を第1の対物レンズ14に向けて反射させるための第1の立上ミラー12と、青色光を第2の対物レンズ15に向けて反射させるための第2の立上ミラー13とを備えているが、本発明は特にこれに限定されない。光ピックアップ装置は、3つの波長の光、すなわち、赤色光、赤外光及び青色光を対物レンズに向けて反射させる立上ミラーを1つだけ備えてもよい。
(第8の実施形態)
図15は、第8の実施形態に係る光記録媒体駆動装置の概略構成を示すブロック図である。第8の実施形態に係る光記録媒体駆動装置100は、光ピックアップ装置101と、スピンドルモータ102と、トラバースモータ103と、信号処理部104と、制御部105とから構成されている。
光ピックアップ装置101は、上述した第1の実施形態〜第7の実施形態の光ピックアップ装置である。スピンドルモータ102は、制御部105により供給される回転制御信号に基づき、一定の回転数または一定の線速度で光記録媒体19を回転させる。トラバースモータ103は、制御部105により供給される移動制御信号に基づき、光ピックアップ装置101を光記録媒体19の径方向の所定位置へと移動させる。
信号処理部104は、外部から供給された情報信号を変調して光ピックアップ装置101に送るとともに、光ピックアップ装置101により検出されたレーザ光の光強度に対応した電気信号を受けて情報信号を復調し、さらに電気信号から差動プッシュプル(DPP)方式のトラッキング誤差信号TEを生成して、制御部105に送る。
制御部105は、スピンドルモータ102及びトラバースモータ103の駆動を制御するとともに、信号処理部104から受け取ったDPP方式のトラッキング誤差信号TEから、トラッキングサーボ信号TSを生成し、光ピックアップ装置101の駆動を制御して、光記録媒体19に対するトラッキングサーボを行う。
このように、スピンドルモータ102によって、光記録媒体19を回転させ、光ピックアップ装置101に含まれる第1の信号検出器3又は第2の信号検出器8によって、光記録媒体19で反射された反射光が受光されて光強度に対応した電気信号に変換される。そして、トラバースモータ103によって、光記録媒体19の情報トラックに対して光ピックアップ装置101が少なくとも径方向に駆動される。続いて、信号処理部104によって、光ピックアップ装置101の第1の信号検出器3又は第2の信号検出器8から受け取った電気信号からトラッキング誤差信号が生成され、制御部105によって、スピンドルモータ102の駆動が制御されるとともに、信号処理部104から受け取ったトラッキング誤差信号に基づき、トラバースモータ103の駆動が制御されて光記録媒体19に対するトラッキングサーボが行われる。
したがって、本実施形態に係る光記録媒体駆動装置100は、上記の第1の実施形態〜第7の実施形態のいずれかの光ピックアップ装置が有する作用・効果を備えたものになり、光記録媒体19に対する正確なトラッキングサーボを行うことができる。