JP4873735B2 - 二成分系現像剤 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式に用いられる二成分系現像剤に関する。
電子写真等の現像方式には、トナーのみを使用する一成分現像方式と、磁性キャリアとトナーとを混合して使用する二成分現像方式がある。
二成分現像方式は磁性キャリアを使用することから、トナーに対する摩擦帯電面積が広いため、一成分現像方式に比較して、帯電特性が安定しており、長期にわたって高画質を維持するのに有利である。また、現像領域へのトナー供給性に優れており、特に高速機に使用されることが多い。
キャリアとして、例えば、重金属含有フェライトキャリアが使用されてきた。しかし、その場合、密度が大きく、さらに大きな飽和磁化を有しているために磁気ブラシが剛直になることから、キャリアスペントやトナーの外添剤劣化といった現像剤の劣化が起こり易い。
そこで、比重を低くする目的で、微小な凹凸形状を有する表面と、多数の微小な空隙を有する内部構造を有するキャリアが提案されている(特許文献1参照)。上記キャリアは、現像器内でキャリア表面が常に削られ新しい表面を出すことにより、帯電付与性を維持している。しかしながら、長期の使用により削られたキャリアが現像剤中に増加し、現像剤の流動性が低下することにより、ハーフトーン画像に濃度ムラが生じたり、カブリが発生する場合があった。
また、多孔質磁性キャリアコアにポリマーを含有させた磁性キャリアが提案されている(特許文献2参照)。上記磁性キャリアは、被覆層の種類を選択することにより所望の帯電付与性を達成している。しかし、多孔質なコア粒子は、強度が不十分なため製造時に粒度分布がブロードになりやすく、帯電付与性が不均一となりドット再現性の低下や、キャリア付着が発生することがあり、いまだ改善の余地があった。
さらに、キャリアコアにセラミック材を用い、その外郭が磁性粒子層で被覆された、高い強度を有するキャリアが提案されている(特許文献3参照)。上記キャリアは、比重を低くコントロールすることができ、現像剤の撹拌抵抗も小さくキャリアへのトナー付着は抑えることができた。しかしながら、コア粒子がほぼ球形のため磁性粒子層との密着性が低く、長期使用により被覆層が剥れる場合がある。このため、使用環境によるトナー帯電量の差が大きくなったり、剥れた磁性粒子により静電荷潜像担持体表層にキズを発生させる場合があり、いまだ改善の余地があった。
上述のように、低比重なキャリアについては種々の検討がなされているものの、現像剤へのストレスがさらに増大する高速機で使用するには、耐久安定性の点においていまだ不十分である。
特開平8−50377号 特開平11−295933号 特開2005−345675号
本発明の目的は、上記の如き問題点を解決した現像剤を提供するものであり、高精彩な画像を安定して形成できる。具体的には、長期使用においてもカブリやキャリア付着の発生が無く、ドット再現性に優れ、濃度ムラのない高画質な画像が得られる二成分系現像剤を提供することにある。
本発明の目的は、以下の構成を採用することにより、上記の問題点の解決をすることができたものである。
本発明は、少なくとも磁性キャリアとトナーとを含有する二成分系現像剤であって、
該磁性キャリアは、空孔を有する磁性コア粒子と樹脂とを含有する樹脂含有磁性キャリアであり、
該磁性キャリアは、体積分布基準の50%粒径(D50)が、20μm以上70μm以下であり、
該磁性コア粒子の固め見掛け密度ρ(g/cm3)が、0.50≦ρ≦1.50であり、
該磁性コア粒子は、断面面積基準で20%以上65%以下の空孔を少なくとも1つ有し、20μm以上50μm以下の該磁性コア粒子の平均破壊強度P(MPa)が、20.0≦P≦150.0であり、
該トナーの毛細管吸引時間法により計測された45体積%メタノール水溶液でのトナー表面張力定数(kN/m)が、3.0×10-6以上1.0×10-4以下
であることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
本発明の二成分系現像剤を用いることで、長期使用においても環境安定性に優れ、カブリやキャリア付着の発生もなく、高画質の画像を得ることができる。
本発明者らは、前述の各種問題点を解決し、上述の本発明の目的にかなう二成分系現像剤を開発すべく鋭意検討する過程で下記の発明に至った。
本発明は、少なくとも磁性キャリアとトナーとを含有する二成分系現像剤であって、
該磁性キャリアは、空孔を有する磁性コア粒子と樹脂とを含有する樹脂含有磁性キャリアであり、
該磁性キャリアは、体積分布基準の50%粒径(D50)が、20μm以上70μm以下であり、
該磁性コア粒子の固め見掛け密度ρ(g/cm3)が、0.50≦ρ≦1.50であり、
該磁性コア粒子は、断面面積基準で20%以上65%以下の空孔を少なくとも1つ有し、20μm以上50μm以下の該磁性コア粒子の平均破壊強度P(MPa)が、20.0≦P≦150.0であり、
該トナーの毛細管吸引時間法により計測された45体積%メタノール水溶液でのトナー表面張力定数(kN/m)が、3.0×10-6以上1.0×10-4以下
であることを特徴とする二成分系現像剤を用いることで、長期使用においても環境安定性に優れ、カブリやキャリア付着の発生が無く、ドット再現性に優れ、濃度ムラのない高画質な画像が得られる二成分系現像剤を提供可能であることを見出した。
本発明においては、該磁性コア粒子の固め見掛け密度ρ(g/cm3)が、0.50≦ρ≦1.50であることを特徴とする。
該磁性コア粒子内部の空孔率を調節し、固め見掛け密度ρを上記の範囲にすることにより、静電荷潜像担持体へのキャリアの付着防止とドット再現性が向上を達成することができる。また、キャリアの磁化量が低くなり、現像剤へのストレスが強い高速機において使用しても、現像剤の劣化を抑えることができる。
また、好ましくは固め見掛け密度ρ(g/cm3)が0.60≦ρ≦1.50、さらに好ましくは0.80≦ρ≦1.50にすることである。
ρが0.50(g/cm3)より小さい場合には、キャリアの磁化量が低くなり、該キャリアが現像時に現像剤担持体上に保持されず静電荷潜像担持体上にキャリアが付着し易くなる。その結果、画像上に白いスジとして画像欠陥が生じてしまう場合がある。
ρが1.50(g/cm3)より大きい場合、磁気ブラシが剛直になり、高速機において使用する場合には、現像剤の劣化を早める。その結果、長期使用による画像濃度の変化が大きく、また使用環境によりトナー帯電量の差が大きくなったりする。
これまで磁性体と結着樹脂からなるキャリア内部に多数の空隙を有したキャリア(特許文献1参照)を用いたり、多孔質なコア粒子(特許文献2参照)を用いたりして、密度を小さくコントロールすることは可能であった。しかし、内部に多数の空孔を有するキャリアコア粒子は、通常、物理的強度が低く、壊れやすいという課題があった。
そこで本発明者等は、コア粒子の物理的強度を維持しながら、現像剤への負荷を低減させるため、より比重を小さくコントロールすることに関する検討を行い、以下のような知見を得た。
本発明において、磁性コア粒子は、断面面積基準で20%以上65%以下の空孔を少なくとも1つ有し、20μm以上50μm以下の該磁性コア粒子の平均破壊強度P(MPa)が、20.0≦P≦150.0であることを特徴とする。
また、磁性コア粒子は、断面面積基準で20%以上55%以下の空孔を少なくとも1つ有することが好ましい。さらに好ましくは断面面積基準で20%以上50%以下の空孔を少なくとも1つ有し、20μm以上50μm以下の該磁性コア粒子の平均破壊強度P(MPa)が、30.0≦P≦150.0である。
上記のように、本発明の磁性コア粒子は、内部に空孔を有することにより、これまでにくらべ、より比重を小さくコントロールし、且つ、物理的強度を十分に確保することが可能になった。その結果、トナーとの混合性が向上し、且つ、混合時にキャリアにかかるストレスを軽減させることができ、長期間に渡って安定した画質が確保でき、静電荷潜像担持体のキズやカブリの発生を防止できるようになった。
ここで、一般的に磁性コア粒子は、各種の微粒子を高温状態で焼結して得られるグレイン(焼結一次粒子)の結合体である。該グレインの組成や分布状態は、キャリアとしての強度や電気的・磁気的特性に大きく影響する。
これまで提案されてきた多孔質なキャリアコア粒子の場合、各グレインの粒径は小さく、グレイン同士の接触面積が小さく、密着性が低いため、物理的強度は不十分なものであった。特に、同時に複数方向からの荷重や衝撃などのストレスを受けた場合、各グレインがストレスを低減させるため、キャリア粒子全体が僅かに変形し、一部は破壊される場合がある。
一方、本発明の磁性コア粒子では、例えば図1に示すように、内部にある空孔の周りは、大きく成長した強固なグレインによって囲まれている。さらにグレイン−グレイン間が隙間なく存在し、接触面積が大きく、密着性が高くなっている。このような構造を有する場合、同時に複数方向からストレスを受けたとしても、個々のグレインが硬く、キャリア粒子全体でストレスを受けることができるため、簡単に粒子構造が崩れることはない。このため、内部に空孔が存在していてもコア粒子としての物理的強度が確保されると考えられる。
また、トナーが現像された時にキャリア内部には、トナーと逆極性のカウンター電荷が残る。このカウンター電荷が溜まった部分には、トナーとの付着力が大きく、トナーが離れ難いため、キャリアとしての帯電付与性が大きく低下する。さらに、カウンター電荷は、静電荷潜像担持体上に現像されたトナーを引き戻すため、現像性が低下する。
この現象を防止するには、キャリアに残ったトナーと逆極性のカウンター電荷を、キャリアを通し、現像剤担持体へスムーズに逃がす必要がある。これにより、トナーを引き戻す力がなくなり、優れた現像性が得られる。
従来の多孔質コア粒子の場合、小さな空孔が多数あり、グレイン同士の接触面積は小さい。その結果、カウンター電荷の逃げにくくなる場合があった。
一方、本発明の磁性キャリアを用いた場合、グレイン−グレイン間の接触面積が広く、かつ、グレインの均一性が高いため、発生したカウンター電荷をスムーズに逃がすことが可能である。これにより、トナーを引き戻す力がなくなり、優れた現像性が得られる。
磁性コア粒子の平均破壊強度Pが20.0(MPa)より小さい場合、及び、断面面積基準で70%より大きい空孔を有する場合、現像器内での撹拌時や現像剤担持体上の規制部材で磁性キャリアにかかるストレスによりキャリアが破壊されてしまう。破壊されたキャリア粒子からは高硬度の磁性粒子の微粉が生じるため、静電荷潜像担持体上に移行すると静電荷潜像担持体のクリーニング時に表層を摺擦し、キズを生じやすい。その結果、ベタ画像に白いスジが生じる場合がある。
磁性コア粒子の平均破壊強度Pが150.0(MPa)より大きい場合、及び、断面面積基準で20%より小さい空孔を有する場合、空孔が小さいコア粒子となり、物理的強度は確保できるが、低比重なキャリアを得ることができない。
また、本発明の磁性コア粒子は、断面面積基準の総空孔率が、20%以上70%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以上60%以下である。
断面面積基準の総空孔率が20%よりも小さい場合、空孔が小さいコア粒子であり、物理的強度は確保できるが、低比重なキャリアを得ることが難しい。
断面面積基準の総空孔率が70%よりも大きい場合、物理的強度が低下するだけでなく、キャリア粒子に比重差が生じ、現像剤の流動性の低下が起こり、ハーフトーン画像に濃度ムラが生じる場合がある。また、キャリアの磁化量にも差が生じ、現像剤担持体上の磁気ブラシの穂立ちが不均一となり、ドット再現性が低下する場合がある。
また、本発明の磁性コア粒子は、フェライト成分を含有し、該フェライト成分が含有する金属酸化物の総質量に対して、MgOを1.0質量%以上10.0質量%以下有することが、グレインの成長速度コントロールの観点から好ましい。
MgOの含有量を上記特定の範囲にする理由は明確ではないが、MgOがフェライト成分の焼結速度の差をコントロールすることにあると推測される。
フェライト成分の主成分であるFe23は、MgOの焼結速度と比較してゆっくりと結晶化が進む。それに対して、焼結速度の速いMgOを特定量含有することで、各原料成分を急激に、且つ、強固に結晶化させることにより、空孔及び空孔の周りに強固なグレインを形成できると考えている。
また、本発明においては、1000/4π(kA/m)の磁界下における、該キャリアの磁化の強さ(Am2/kg)が30以上70以下であることが望ましい。
キャリアがこの範囲の場合、長期にわたり、良好なドット再現性の良い画像を得ることができる。キャリアの磁化の強さが30(kAm2/kg)未満の場合、現像時に静電荷潜像担持体上に現像されやすくなりキャリア付着を起こすことがある。キャリアの磁化の強さが70(kAm2/kg)を超える場合、現像器の現像剤規制ブレードと現像剤担持体間での現像剤へのストレスが大きくなり、現像剤が劣化し、画像が悪化する場合がある。
また、本発明においては、キャリアの比抵抗(Ωcm)は、1×108以上1×1013以下であることが好ましい。キャリアの比抵抗が1×108(Ωcm)未満であると、現像バイアスがキャリアに注入され易くなり、静電荷潜像担持体表面へのキャリア付着を起こし易くなる。これにより静電荷潜像担持体に傷を生じさせたり、キャリアが直接紙上に転写されたりして画像欠陥を起こし易くなる。さらに、現像バイアスがキャリアを介してリークし、静電荷潜像担持体上に描かれた静電潜像を乱してキャリアの比抵抗が1×1013(Ωcm)を超えると、キャリア表面のカウンター電荷がリークしづらくなる。このため、チャージアップ現象による画像濃度の低下や、新たに補給されたトナーへの帯電付与ができなくなくなることによるカブリ及びトナーの飛散等を起こしてしまうことがある。キャリアの比抵抗は、コアの種類・空孔径・空孔分布、磁性キャリア粒子に含有する樹脂含有量などによって調整することが可能である。
次に、空孔を有する磁性コア粒子の調整する手法について述べる。
これらの物性を調整するための手法としては、適当な元素の種類を選択したり、結晶径、空孔径、空孔径分布、空孔比率等をコントロールする手法が挙げられ、例えば具体的には以下の手法が例示される。
i)磁性コア粒子を焼成で形成する際の温度や時間を調整することにより結晶の成長度合いや成長速度をコントロールし、空孔の大きさや分布状態等を調整する。
ii)磁性コア粒子を形成する際、発泡剤や有機微粒子の如き空孔形成剤を添加し、コア粒子内部に空孔を発生させる。その際、発泡剤の種類(組成、径など)を適当に選択し、その量を調整する。
上述した発泡剤としては、60℃以上500℃以下で気化又は分解し、その際に気体を発生する物質であれば特に限定はされない。例えば、以下のものが挙げられる。アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリルの如き発泡性のアゾ系重合開始剤;ナトリウム、カリウム、カルシウムの如き金属の炭酸水素塩;炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、硝酸アンモニウム塩、アジド化合物、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホヒドラジド)、アリルビス(スルホヒドラジド)、ジアミノベンゼン。
有機微粒子としては、ワックスとして用いられる樹脂や、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂の如き熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂の如き熱硬化性樹脂が挙げられる。これらを、微粒子化して使用する。
微粒子化する方法としては、公知の方法が使用できるが、例えば、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕する。粉砕工程では、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕し、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター、ターボ工業製のターボ・ミル(RSSローター/SNNBライナー)、エアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
また、粉砕後に分級し、微粒子の粒度分布を調整しても良い。分級装置としては、慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機がある。
また、磁性コア粒子の材質としては、以下のものが挙げられる。1)表面が酸化された鉄粉、2)未酸化の鉄粉、3)リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム及び希土類元素の如き金属粒子、4)鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム及び希土類元素の如き金属の合金粒子、またはこれらの元素を含む酸化物粒子、5)マグネタイト粒子またはフェライト粒子。
フェライト粒子とは次式で表される焼結体である。
(M12O)w(M2O)x(M323)y(Fe23)z
(式中、M1は1価の金属原子であり、M2は2価の金属原子であり、M3は3価の金属であり、w+x+y+z=1.0であり、w、x及びyは、それぞれ0≦(w,x,y)≦1.0であり、zは、0.2<z<1.0である。)
また、上記式中において、M1〜M3としては、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Sr、Ca、Baからなる群から選ばれる金属原子を用いることができる。
磁性コア粒子の比抵抗の調整は、磁性材料の種類の選択以外に、磁性粒子を不活性ガス中で熱処理し、磁性粒子表面を還元することによっても行うことができる。例えば、不活性ガス(例えば窒素)雰囲気下で600℃以上1000℃以下で熱処理を行うことができる。
さらに、本発明の磁性キャリアは、耐汚染性の向上や、帯電付与能や抵抗の調整等を考慮して、磁性キャリア表面及び/一部の空孔内部に樹脂成分を被覆・含有しても良い。
磁性キャリアに含有させる樹脂成分としては、磁性コア粒子に対する濡れ性が高いものであることが好ましく、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のどちら用いてもかまわない。
熱可塑性樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフルオロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフルオロカーボン樹脂、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、ノボラック樹脂、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂。
熱硬化性樹脂としては、以下のものが挙げられる。フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無水マレイン酸とテレフタル酸と多価アルコールとの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂。
また、これらの樹脂を変性した樹脂でも良い。中でもポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂又は溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂等の含フッ素系樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂あるいはシリコーン樹脂が、濡れ性が高いため好ましい。
上記した樹脂の中でもシリコーン樹脂が特に好ましい。シリコーン樹脂としては、従来から知られているシリコーン樹脂が使用可能である。具体的には、下記式に示されるオルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂、及び、該ストレートシリコーン樹脂をアルキッド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂が挙げられる。
例えば、以下のものが挙げられる。市販品として、ストレートシリコーン樹脂は、信越化学社製のKR271、KR255、KR152、東レダウコーニング社製のSR2400、SR2405等があり、変性シリコーン樹脂は、信越化学社製のKR206(アルキッド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レダウコーニング社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキッド変性)等がある。
磁性コア粒子に樹脂成分を被覆・含有する方法としては、樹脂成分を溶剤に希釈し、その希釈液中に磁性コア粒子を添加するのが一般的である。ここに用いられる溶剤は、各樹脂成分を溶解できるものであればよい。
有機溶剤に可溶な樹脂である場合は、トルエン、キシレン、セルソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノールの如き有機溶剤を用いればよく、水溶性の樹脂成分またはエマルジョンタイプの樹脂成分である場合には、水を用いればよい。磁性コア粒子に溶剤で希釈された樹脂成分を添加させる方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、流動床、及び混練法の如き塗布方法により樹脂成分を含浸させ、その後、溶剤を揮発させる方法が挙げられる。
樹脂成分を磁性コア粒子の空孔部分に充填するためには、減圧下で溶剤粘度を5.0mPa・s以上100mPa・s以下にて、浸漬法により充填する方法が好ましい。
粒子表面を被覆する樹脂成分として、アクリル樹脂を用いることが好ましく、磁性キャリアの耐久性能を高めることができる。
本発明の磁性キャリアは、体積分布基準の50%粒径(D50)が20μm以上70μm以下である。上記特定の範囲にあることにより、トナーへの摩擦帯電付与能と画像領域へのキャリア付着とカブリ防止の観点から好ましい。
キャリアの50%粒径(D50)が20μmより小さいと、現像時にトナーと共にキャリアが飛翔してしまい、画像領域にキャリア付着を生じやすくなる。これは、キャリアとトナーの粒径差が小さくなるため、現像時にトナーに引っ張られキャリアも同時に画像領域へ現像されるためだと思われる。
キャリアの50%粒径(D50)が70μmより大きいと、キャリアの比表面積が小さいために帯電性が低下し、特に、長期間使用し帯電性能が低下した現像剤において、画像の白地部へのカブリが発生する場合がある。
尚、キャリアの50%粒径(D50)は、造粒時にスプレードライヤーの噴霧条件をコントロールすることや、風力分級や篩分級を行うことで調整することができる。
次に本発明に用いられるトナーについて説明する。
本発明のトナーは、該トナーの毛細管吸引時間法により計測された45体積%メタノール水溶液でのトナー表面張力定数(kN/m)が、3.0×10-6以上1.0×10-4以下である。
トナー表面張力定数(kN/m)とは、トナーの毛細管吸引時間法により測定された毛管圧力Pα(kN/m2)、トナーの比表面積A(m2/g)、トナーの真密度B(g/m)とした時に、トナー表面張力定数=Pα/(A×B×106)でも算出される。
トナーの表面張力定数(kN/m)が3.0×10-6以上1.0×10-4以下となることで、高画質と高現像性の両立を達成できる。
トナーの表面張力定数が1.0×10-4(kN/m)より大きくなるとトナーとキャリアの付着力が高く、キャリアからのトナー離れが悪化する。その結果、キャリア表面へトナーが付着し、キャリアの帯電付与能を低下させるため、特に高温多湿(30℃/80%RH)環境下におけるカブリが発生する。
また、トナーの表面張力定数が3.0×10-6(kN/m)未満となると、トナーとキャリアの付着力が低下し、現像剤の流動性が高くなりすぎてしまう。このため、現像剤担持体上の現像剤の穂立ちが、現像剤担持体の動きについていくことができず、画像にムラを生じてしまう。
さらに本発明者らは、前述した磁性キャリアと、トナー表面張力定数(kN/m)が3.0×10-6以上1.0×10-4以下であるトナーとを含有する二成分系現像剤を用いることにより、例えば高速機で使用する場合のように、現像剤の受けるストレスが強い場合であっても、耐久安定性に優れていることを見出した。
高速機の現像器内で現像剤は、激しく攪拌され、非常に強いストレスを受け続ける。さらに、特にベタなど画像面積比率の高い画像を連続出力する場合など、現像器内へのトナー供給量が多く、供給速度も早くなる。このとき、トナーの帯電が不十分であると、トナー補給時にカブリが悪化したり、濃度ムラが生じるてしまう。
そこでトナーは、キャリアへの適度な付着性を有し、素早く、適正な帯電量に達することが必要でされ、一方キャリアは、強いストレスを受け続けても劣化が少なく、且つ、供給されたトナーと直ぐに接触し、帯電を与えることが必要である。そのためには、現像剤の流動性が常に安定していることが重要である。
従来の多孔質なコアに、樹脂を含有するタイプの低比重なキャリアでは、コア粒子の物理的強度が低く壊れやすいため、壊れた微小な粒子や、剥れたキャリア被覆層により現像剤の流動性が大きく変化する場合があった。さらに、劣化によりキャリアの表面性が変化し、キャリアからのトナー離れも悪化し、最終的にはトナーがキャリア表面に固着してしまう場合があった。
本発明のキャリアは、前述のようにコア粒子の物理的強度が非常に高く、表面性の変化が小さい為ため、高いストレスを受け続けても流動性の変化が少ない。さらに、本発明のトナーは、トナー表面張力定数(kN/m)が3.0×10-6以上1.0×10-4以下であることにより、適度な付着性を有し、キャリアと直ぐに混ざり合うことができ、十分な帯電を持つことができる。
上記の理由により、本発明の磁性キャリアとトナーを含有する現像剤を用いることにより、高速機での使用においてもカブリやトナー飛散の発生しない、優れた耐久安定性を得られる。
また、本発明に用いられるトナーは、ワックスを含有してもよく、トナーの示差走査熱量計(DSC)によって測定される吸熱曲線において、30℃以上200℃以下の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が、55℃以上140℃以下(好ましくは60℃以上110℃以下)であることが好ましい。
上記トナーとキャリアを用いた現像剤で、初期と長期耐久時の画像濃度低下を効果的に防止することができる。また、トナー中にワックスを含有しているために定着器にオイルを塗布せずとも定着させることができる。
トナーの最大吸熱ピークのピーク温度が55℃未満であると、現像剤を長期使用した場合、トナー中のワックスがキャリアに付着し、磁性キャリアの帯電性能が低下する傾向にある。その結果、前記キャリアを用いた場合においても、長期使用時に画像濃度の低下が発生しやすい。
また、トナーの最大吸熱ピークのピーク温度が140℃より高いと、トナーの結着樹脂とワックスとの混合性が悪いために、トナー中のワックスの分散性が悪く、トナーの帯電性が低下する。その結果、カブリが発生しやすくなる。
ワックスは、結着樹脂100質量部あたり0.5質量部以上10質量部以下、好ましくは2質量部以上8質量部以下、使用するのが良い。
ワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニルエステルワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。
さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
次に、トナーに含有される結着樹脂について説明する。
結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリエステル、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂;脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類及びジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂。
トナーに含有される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。
着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207.209、238;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロー用着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上30.0質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上20.0質量部以下であり、最も好ましくは3.0質量部以上15.0質量部以下である。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ダイカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10.0質量部以下が好ましい。
トナーには、流動性向上のため、外添剤が添加されていることが好ましい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シランカップリング剤、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下使用されることが好ましい。
トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
トナーは、重量平均粒子径(D4)が3μm以上11μm以下であることが高画質及び耐久性を両立するために好ましい。重量平均粒子径(D4)が3μm未満であると、現像器内でのトナー飛散が顕著になる。また、重量平均粒子(D4)が11μmより大きいと、画像の解像度が低下する。
また、トナーは、平均円形度が0.930以上0.990未満であることが好ましい。尚、本発明における平均円形度は、1視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37μm×0.37μmの解像度であるフロー式粒子像測定装置によって計測された粒子の円形度を、円形度範囲0.200以上1.000以下を800分割したチャンネルに振り分けて解析した円形度分布に基づくものである。
トナーの平均円形度が0.930より小さすぎると、トナー同士、またトナーと磁性キャリアの接触面積が大きくなり、キャリアからのトナー離れを阻害し、画像濃度が低下する傾向にある。
逆に平均円形度が0.990以上であると、形状が球形に近すぎるため、高速機において転写残トナーがクリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良が起こる場合がある。
次に、本発明のトナーを製造する方法について説明する。例えば、以下の工程を経てトナーを製造することができる。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックス、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサーがある。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっている。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、池貝鉄工製PCM混練機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダーが使用できる。
更に、溶融混練することによって得られる着色された樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程で冷却される。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター、ターボ工業製のターボ・ミルやエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム又はホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステム、日本ニューマチック社製のメテオレインボー等により、トナー粒子の表面改質処理を行うこともできる。
本発明の二成分系現像剤においては、トナーとキャリアの混合比率は磁性キャリア100質量部に対して、トナーは、2質量部以上35質量部以下の範囲で使用することが好ましい。更に4質量部以上25質量部以下が好ましく、特に5質量部20質量部以下が好ましい。2質量部未満では画像濃度が低くなりやすく、35質量部を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
上述の如き磁性キャリアとトナーとを含有する現像剤は、トナー及び磁性キャリアを含有する補給用現像剤を現像器に補給し、且つ少なくとも現像器内部で過剰になった前記磁性キャリアを現像器から排出する二成分現像方法にも使用することができ、該補給用現像剤として使用できる。
また、補給系の装置において、本発明の二成分系現像剤を補給用現像剤として用いる場合には、現像剤の耐久性を高めると言う観点から、磁性キャリア1質量部に対してトナーを2質量部以上50質量部以下の配合割合が好ましい。
補給用現像剤において、磁性キャリア1質量部に対しトナーの含有量が2質量部未満であると、特に印刷濃度の高い画像を高速で印刷した場合に補給用現像剤を多量に補給することが必要になる。その結果、補給用現像剤と現像期中の現像剤が十分に混合しないうちに、トナーの帯電が不均一なままで現像に使用され、その結果、画質が低下することがある。また、排出される現像剤量が多くなってしまう。また、キャリア1質量部に対しトナーが50質量部より多く含有されると、劣化したキャリアが排出されずに長期間使用され、磁性キャリアの劣化が進行し画像が低下することがある。
上記キャリア及びトナーの各種物性の測定法について以下に説明する。
<キャリアの磁性コア粒子の取り出し方法>
磁性キャリアを10.0g準備し、るつぼ中に入れる。N2ガス導入口、排気装置ユニットを装着したマッフル炉(FP−310、ヤマト科学製)を用い、N2ガスを導入しながら、900℃で16時間加熱した。その後、キャリアの温度が50℃以下になるまで放置した。
50ccのポリ瓶中に加熱後のキャリアを入れ、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2g、水を20g加え、キャリアに付着しているスス等を洗浄した。この時、キャリアが流れないようにするために、磁石で固定して行った。また、アルキルベンゼンスルホン酸塩がキャリアに残らないように水で5回以上すすいだ。その後、60℃で24時間乾燥させた。
以上のようにして、磁性キャリアから磁性コア粒子を取り出した。なお、上記の操作を必要に応じて複数回行った。
<磁性コア粒子の断面における空孔面積の測定方法>
集束イオンビーム加工観察装置(FIB)、FB−2100(日立製作所)を用い加工観察した。試料の作製は、試料台にカーボンペースト水溶液を塗布し、その上に試料を少量載せる。その後、白金蒸着を行い、試料をFIB装置にセットする。試料最大径部にビームを照射・切断し、磁性コア粒子の断面を観察した。測定によりランダムに抽出された20個の断面写真から、画像解析ソフトImage−ProPlusを用いて空孔面積を算出した。
<磁性コア粒子の固め見掛け密度>
上記の如くして取り出した磁性コア粒子を用い、パウダーテスタPT−R(ホソカワミクロン社製)を用い、固め見掛け密度を測定した。
目開き500μmの篩を用いて、振幅を1mmで振動させながら、ちょうど10mlとなるまで磁性コア粒子を補給しつつ、金属性カップを振幅18mmにて上下往復180回タッピングさせ、タッピング後の現像剤量から、固め見掛け密度(g/cm3)を計算した。
<磁性コア粒子の平均破壊強度>
株式会社 島津製作所の微小圧縮試験機 MCTM−500で測定を行った。各種設定は以下の通り。
測定モード 1(圧縮試験)
荷重 300mN
負荷速度 3.87mN/sec
変位スケール 100μm
上部加圧圧子 平面圧子50μm径
下部加圧板 SKS平板
下部加圧板上のサンプル粒子を装置の光学モニタで観察し、無作為に100個測定し、破壊強度の平均値を磁性コア粒子の平均破壊強度Pとした。
<磁性コア粒子中のMgO含有量>
蛍光X線分析条件(粉末サンプルの場合)〜検量線レス定量〜
波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PNAalytical社製)で測定を行った。磁性コア粒子10gを、6μmのポリプロピレンフィルムを張った27mm測定用のプラスチック製カップに入れ、下記の設定で磁性コア粒子中のMgO含有量の測定を行った。
(分析条件)
定量方法:ファンダメンタルパラメータ法(FP法)
分析元素:Na〜U
測定雰囲気:He
測定サンプル:粉末
コリメーターマスク径:27mm
測定条件:各元素に最適な励起条件にあらかじめ設定された自動プログラムを用いた
測定時間:15分
その他は装置の推奨する一般値を用いた。
(解析)
解析プログラム:UniQuant5
解析条件:酸化物形態、バランス成分なし(検出された元素で規格化)
その他は装置の推奨する一般値を用いた。
<キャリアの体積分布基準の50%粒径(D50)>
キャリアの体積分布基準の50%粒径(D50)は、マイクロトラックMT3300EX(日機装社製)にて測定を行った。測定には、乾式測定用のTurbotrac試料供給機を装着して行った。
<キャリアの磁化の強さ>
本発明の磁性キャリアの磁化の強さは、振動磁場型磁気特性装置VSM(Vibrating sample magnetometer)や直流磁化特性記録装置(B−Hトレーサー)などで求めることが可能である。好ましくは、振動磁場型磁気特性装置で測定できる。振動磁場型磁気特性装置の例には、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30が含まれる。これを用いて、以下の手順で測定することができる。円筒状のプラスチック容器にキャリアを十分に密に充填し、一方で1000/4π(kA/m)(1000エルステッド)の外部磁場を作り、この状態で容器に充填されたキャリアの磁化モーメントを測定する。さらに、該容器に充填したキャリアの実際の質量を測定して、キャリアの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
<トナーの真密度>
トナーの真密度は、乾式自動密度計オートピクノメーター(ユアサアイオニクス社製)により測定した。
セル:SMセル(10ml)
置換媒体:アルゴンガス
サンプル量:2.0g
<トナーの比表面積>
BET比表面積は、比表面積測定装置Tristar3000(島津製作所社製)を用いて行う。
トナーの比表面積は、BET法にしたがって試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出する。比表面積の測定前には、試料管にサンプルを約2g精秤し、室温で、24時間真空引きを行う。真空引き後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。
BET測定装置の分析ポートに調製されたサンプルセルをセットし、次に、所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセット後、測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
<トナーの毛管圧力>
トナー5.5gを測定セルに静かに投入し、三協パイオテク社製:タッピングマシンPTM−1型を用いて、タッピングスピード30回/minにて1分間タッピング操作を行う。これを測定装置(三協パイオテク社製:WTMY−232A型ウェットテスタ)内にセットし測定を行う。
定流量法により毛管圧力をもとめた。
溶媒 45体積%メタノール水溶液
測定モード 定流量法(A2モード)
液体流量 2.4ml/min
セル Y型測定セル
<トナーの平均円形度>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は、1視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37×0.37μmの画像処理解像度で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。
次に、各粒子像の投影面積Sと周囲長Lを求める。上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円形当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度は、円形当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が真円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなるほど円形度は小さい値になる。
各粒子の円形度を算出後、円形度0.2以上1.0以下の範囲を800分割したチャンネルに振り分け、各チャンネルの中心値を代表値として平均値を計算し平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、イオン交換水20mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.02g加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散機(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製など)を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とした。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径2.00μm以上200.00μm以下に限定し、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<磁性コアの製造例>
(磁性コア粒子1の製造例)
MgO:2.3mol%、CaO:1.0mol%、SrO:0.5mol%、Fe23:96.2mol%とを湿式ボールミルで5時間粉砕、混合し、乾燥させた後、900℃で2時間保持し、仮焼成を行なった。これを湿式ボールミルで7時間粉砕し、1.5μm以下とした。このスラリーに、空孔形成剤としてCaCO3を4.0質量%、およびバインダー(ポリビニルアルコール)を2.0質量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、1100℃で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、解砕し、目開き250μmの篩で篩い分けして粗大粒子を除去し、次いで風力分級(エルボジェット:日鉄鉱業社製)でさらに分級して、磁性コア粒子1を得た。得られた磁性コア粒子の物性を表1に示す。
(磁性コア粒子2の製造例)
各原材料の比率を、MgO:1.8mol%、CaO:0.8mol%、CuO:0.5mol%、Fe23:96.9mol%に、空孔形成剤としてCaCO3を2.0質量%に、本焼成工程の温度を1200℃に変更したこと以外は、磁性コア粒子1と同様にして磁性コア粒子2を得た。得られた磁性コア粒子の物性を表1に示す。
(磁性コア粒子3の製造例)
各原材料の比率を、MgO:3.1mol%、CaO:1.5mol%、SrO:3.5mol%、Fe23:91.9mol%に、空孔形成剤としてCaCO3を7.0質量%に変更したこと以外は、磁性コア粒子1と同様にして磁性コア粒子3を得た。得られた磁性コア粒子の物性を表1に示す。
(磁性コア粒子4の製造例)
各原材料の比率を、MgO:2.3mol%、Li2O:1.5mol%、SrO:0.6mol%、Fe23:95.6mol%に、空孔形成剤としてNaHCO3を10.0質量%に変更したこと以外は、磁性コア粒子1と同様にして磁性コア粒子4を得た。得られた磁性コア粒子の物性を表1に示す。
(磁性コア粒子5の製造例)
各原材料の比率を、MgO:4.2mol%、CaO:1.5mol%、SrO:3.5mol%、Fe23:90.8mol%に、空孔形成剤としてCaCO3を13.0質量%に変更したこと以外は、磁性コア粒子1と同様にして磁性コア粒子5を得た。得られた磁性コア粒子の物性を表1に示す。
(磁性コア粒子6の製造例)
各原材料の比率を、MgO:10.2mol%、CaO:1.5mol%、SrO:3.5mol%、Fe23:84.8mol%に、空孔形成剤としてNaHCO3を15.0質量%に変更したこと以外は、磁性コア粒子1と同様にして磁性コア粒子6を得た。得られた磁性コア粒子の物性を表1に示す。
(磁性コア粒子7の製造例)
各原材料の比率を、MgO:0.2mol%、MnO:24.0mol%、SrO:1.2mol%、Fe23:74.6mol%に変更し、空孔形成剤を使用しなかったこと以外は、磁性コア粒子1と同様にして磁性コア粒子7を得た。得られた磁性コア粒子の物性を表1に示す。
(磁性コア粒子8の製造例)
MgO:2.9mol%、Li2O:15.8mol%、CaO:1.5mol%、Fe23:79.8mol%とを湿式ボールミルで5時間粉砕、混合し、乾燥させた後、850℃で2時間保持し、仮焼成を行なった。これを湿式ボールミルで7時間粉砕し、0.5μm以下とした。このスラリーに、空孔形成剤としてCaCO3を7.0質量%、およびバインダー(ポリビニルアルコール)を2.5質量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、1100℃で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、磁性コア粒子1と同様にして磁性コア粒子8を得た。得られた磁性コア粒子の物性を表1に示す。
(磁性コア粒子9の製造例)
各原材料の比率を、MgO:11.4mol%、CaO:0.5mol%、SrO:2.1mol%、Fe23:86.0mol%に、空孔形成剤としてCaCO3を20.0質量%に変更したこと以外は、磁性コア粒子1と同様にして磁性コア粒子9を得た。得られた磁性コア粒子の物性を表1に示す。
<キャリアの製造例>
(磁性キャリア1の製造例)
ストレートシリコーン(信越化学社製KR255(固形分換算)) 20.0質量%
シラン系カップリング剤(γ−アミノプロピルエトキシシラン) 0.5質量%
トルエン 79.5質量%
上記成分を混合して、樹脂溶液1とした。この樹脂溶液1を用いて70℃に加熱した流動床を用いて撹拌しながら、磁性コア粒子1に対して樹脂固形分が2.0質量%となるように樹脂被覆および溶媒除去操作を行った。さらに、オーブンを用いて、窒素雰囲気下において230℃で2.5時間の処理を行い、解砕、篩による分級処理を行った。さらに最後にキャリアをナウターミキサーに入れ、100rpmで30分間混合し、磁性キャリア1を得た。磁性キャリア1の物性を表2に示す。
(磁性キャリア2〜4、6〜9の製造例)
磁性キャリア1の製造例において、磁性コア粒子を表2に示すように変更した以外は、キャリア1の製造例と同様にして各磁性キャリアを得た。
(磁性キャリア5の製造例)
フッ素−アクリル樹脂(パーフルオロオクチルエチルアクリレート−メチルメタクリレート) 25.0質量%
トルエン 75.0質量%
上記成分を混合して、樹脂溶液2とした。この樹脂溶液2を用いて70℃に加熱した流動床を用いて撹拌しながら、磁性コア粒子5に対して樹脂固形分が1.5質量%となるように樹脂被覆および溶媒除去操作を行った。さらに、オーブンを用いて、窒素雰囲気下において250℃で3.0時間の処理を行い、解砕、篩による分級処理を行った。さらに最後にキャリアをナウターミキサーに入れ、100rpmで30分間混合しキャリア5を得た。磁性キャリア5の物性を表2に示す。
<トナーの製造例>
(トナー1の製造例)
ビニル系重合体ユニットの材料として、スチレン2.0mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.14mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol及びジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れた。ポリエステルユニットの材料として、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸1.9mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、前記四つ口フラスコをマントルヒーター内においた。
次に四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートより上記ビニル系重合体ユニットの単量体及び重合開始剤を6時間かけて滴下した。次いで得られた生成物を200℃に昇温し、5時間反応せしめて樹脂1を得た。この樹脂1のGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)が135000、数平均分子量(Mn)が4300であり、ピーク分子量が14900であった。
・樹脂1 100質量部
・精製ノルマルパラフィン(DSC最大吸熱ピーク 65℃) 5質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。
次に、得られた微粉砕物を、エルボージェット分級機(日鉄鉱業社製)により分級し、重量平均粒径(D4)が5.3μmであり、平均円形度が0.922の分級粒子1を得た。
さらに、得られた分級粒子1をハイブリダイザー(奈良機械製作所社製)を用いて、
回転数6000rpm、処理時間3分間、処理回数2回の条件で、前記分級粒子1の表面改質を行い、重量平均粒径(D4)が5.5μm、平均円形度0.950のトナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、無機微粒子として、個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した1.0質量部の酸化チタン微粉体及び個数平均粒径が110nmであり疎水化処理した0.5質量部のアモルファスシリカ微粉体を外添混合し、トナー1を得た。
(トナー2の製造例)
下記材料
・スチレン 85質量部
・nブチルアクリレート 15質量部
・アクリル酸 3質量部
・ドデカンチオール 6質量部
・四臭化炭素 1質量部
を混合して溶解して有機溶液を得た。
一方、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5質量部、およびアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)2.5質量部を、イオン交換水140質量部にフラスコ中で溶解させた。得られた水溶液に、前記有機溶液を加えて分散させて乳化し、10分間ゆっくりと混合した。
得られた混合物に、過硫酸アンモニウム1質量部が溶解したイオン交換水10質量部を投入し、窒素置換を行った。前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して、樹脂粒子分散液1を調製した。樹脂粒子分散液1に含まれる粒子の個数平均粒径は0.18μmであった。
下記材料
・スチレン 76質量部
・nブチルアクリレート 22質量部
・アクリル酸 2質量部
を混合して有機溶液を得た。
一方、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5質量部、およびアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3質量部を、イオン交換水150質量部にフラスコ中で溶解させて水溶液を得た。得られた水溶液に、前記有機溶液を加え、分散させて乳化し、10分間ゆっくりと混合した。
混合しながら、さらに過硫酸アンモニウム0.8質量部が溶解したイオン交換水10質量部を投入して窒素置換を行った。前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して樹脂粒子分散液2を調製した。樹脂粒子分散液2に含まれる粒子の個数平均粒径は0.15μmであった。
下記材料
・パラフィンワックス(融点90℃) 50質量部
・アニオン性界面活性剤 5質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 200質量部
を混合して97℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散処理した後、さらに圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理して離型剤粒子分散液を調製した。分散液の離型剤粒子の個数平均粒径は0.40μmであった。
下記材料
・C.I.ピグメンブルー15:3 10質量部
・アニオン性界面活性剤 2質量部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 80質量部
を、サンドグラインダーミルを用いて分散処理することにより、着色剤分散液を調製した。
上記したように処理して得られた下記材料
・上記樹脂粒子分散液1 150質量部
・上記樹脂粒子分散液2 210質量部
・上記着色剤分散液 40質量部
・上記離型剤分散液 70質量部
を撹拌装置、冷却管、温度計を装着した反応容器に投入して撹拌した。この混合液を1N−水酸化カリウムを用いてpH=5.2に調整した。
得られた混合液に、凝集剤として10%塩化ナトリウム水溶液150質量部を滴下し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら70℃まで加熱した。この温度を保持した状態で、樹脂粒子分散液2をさらに3質量部加えた。得られた溶液を60℃で1時間保持した後、ここにアニオン製界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3質量部を追加した後、ステンレス製反応容器を密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。
冷却後、反応生成物をろ過し、得られた濾取物をイオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥させることによりトナー粒子2を得た。得られたトナー粒子2の重量平均粒径は6.4μm、平均円形度は0.976であった。
得られたトナー粒子100質量部に、無機微粒子として、個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した1.0質量部の酸化チタン微粉体及び個数平均粒径が110nmであり疎水化処理した0.5質量部のアモルファスシリカ微粉体を外添混合し、トナー2を得た。
(トナー3の製造例)
イオン交換水710質量部に、0.12M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、60℃に加温して得られた水溶液を、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて15,000rpmにて撹拌した。これに1.2M−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
下記材料
・スチレン 165質量部
・n−ブチルアクリレート 35質量部
・エステルワックス(最大吸熱ピーク温度72℃) 20質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 2質量部
・飽和ポリエステル(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA;酸価15,ピーク分子量6000) 10質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 15質量部
を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて均一に溶解及び分散させた。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を溶解させ、重合性単量体組成物を調製した。
得られた重合性単量体組成物を、前述の水系媒体中に投入した。得られた混合物を60℃、窒素雰囲気下で、TK式ホモミキサーを用いて15,000rpmで15分間撹拌して、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去して除去した。冷却後、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解させた。得られた溶液をろ過し、濾取物を水洗、乾燥してトナー粒子3を得た。このトナー粒子3の重量平均粒径は5.9μm、平均円形度は0.986であった。
得られたトナー粒子100質量部に、無機微粒子として、個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した1.0質量部の酸化チタン微粉体及び個数平均粒径が110nmであり疎水化処理した0.5質量部のアモルファスシリカ微粉体を外添混合し、トナー3を得た。
(トナー4の製造例)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン560質量部、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン250質量部、テレフタル酸300質量部、および酸化ジブチル錫2質量部を、ガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れた。この四つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取り付け、マントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、230℃で7時間反応させた。その後、160℃まで冷却し、無水フタル酸30質量部を加えて2時間反応させた。
次いで80℃にまで冷却した。酢酸エチル1000質量部にイソフォロンジイソシアネート180質量部を溶解した溶液(予め80℃に加温した)を、上記溶液に入れて2時間反応を行った。
さらに、50℃まで冷却し、イソフォロンジアミン70質量部を加えて2時間反応させてウレア変性ポリエステル樹脂を得た。このウレア変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は60,000、数平均分子量は5,500であった。
・上記ウレア変性ポリエステル樹脂 100質量部
・エステルワックス(最大吸熱ピーク温度72℃) 4質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
上記材料を酢酸エチル100質量部に加え、60℃に加温してTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて11,000rpmにて均一に溶解及び分散した。
一方、イオン交換水710質量部に、0.12M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて14,000rpmにて撹拌した。得られた水溶液に、1.2M−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を調製した。
得られた水系媒体に前述の分散液を入れて、得られた混合液を、60℃においてTK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで10分間撹拌して造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しながら98℃に昇温して溶剤を除去し、冷却後、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解した。得られた混合液をろ過し、濾取物を水洗、乾燥して粒子を得た。得られた粒子を風力分級してトナー粒子4を得た。このトナー粒子4の重量平均粒径は7.1μm、平均円形度は0.984であった。
得られたトナー粒子100質量部に、無機微粒子として、個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した1.0質量部の酸化チタン微粉体及び個数平均粒径が110nmであり疎水化処理した0.5質量部のアモルファスシリカ微粉体を外添混合し、トナー4を得た。
(トナー5の製造例)
トナー1の製造例において得られた、分級粒子1:100質量部に対してシリカ粒子(個数平均粒径35nm)0.5質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した。この混合物をメテオレインボー(日本ニューマチック社製)により、温度350℃で熱球化処理を行った。得られた粒子を風力分級してトナー粒子5を得た。このトナー粒子5の重量平均粒径は7.6μm、平均円形度は0.991であった。
得られたトナー粒子100質量部に、無機微粒子として、個数平均粒径が40nmであり疎水化処理した1.0質量部の酸化チタン微粉体及び個数平均粒径が110nmであり疎水化処理した0.5質量部のアモルファスシリカ微粉体を外添混合し、トナー5を得た。
(トナー6の製造例)
トナー1の製造例において、精製ノルマルパラフィン(DSC最大吸熱ピーク 65℃)5質量部をポリプロピレンワックス(DSC最大吸熱ピーク 131℃)2質量部に変更した以外は、トナー1の製造例と同様にし、トナー6を得た。
上記トナー1乃至6の重量平均粒径、平均円形度及びトナー表面張力定数を表3にまとめて示した。
〔実施例1〕
上記で得られた磁性キャリア1(90質量%)と、トナー1(10質量%)をV型混合機にて、38rpmで3分間で混合し、現像剤1とした。
次に評価機としては市販のカラーレーザー複写機CLC−5100(キヤノン社製)改造機を用いて画だし評価を行った。尚、改造した点は、定着ユニットの定着ローラの表層をPFAチューブに変え、オイル塗布機構を取り外した。また、画像形成スピードを500mm/secにし、高速で画像を出力できるようにした。さらに、レーザースポット径を絞り、600dpiで出力できるようにした。
単色モードで常温低湿度環境下(23℃/5RH%、以下N/Lとも記載する)で画像面積比率3%のオリジナル原稿を用いて100000枚の画だし試験の評価をCLC80g紙(キヤノンマーケティングジャパン社製)を用いて行った。
また、高温高湿環境下(32.5℃/90RH%、以下H/Hとも記載する)にて画像面積比率30%のオリジナル原稿を用いて50000枚の画だし試験を同様に行った。
以下の評価方法に基づいて評価し、その結果を表4に示す。
[評価方法及び基準]
1)カブリ
N/L及びH/H環境下での通紙試験において、耐久前後でのカブリを測定した。画出し前の紙上の平均反射率Dr(%)を各色の補色のフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式から算出した。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
A:0.5%未満(非常に良好)
B:0.5%以上1.0%未満(良好)
C:1.0%以上2.0%未満(実用可能なレベル)
D:2.0%以上(実用困難なレベル)
2)キャリア付着
N/N環境下において静電荷潜像担持体上のトナー現像量が0.3mg/cm2になるよう現像コントラストを調整し、A4全面ベタハーフトーン画像を紙上に5枚連続出力した。この時のキャリア粒径程度に白く抜ける個数をカウントし、A4用紙1枚あたりに平均したもので表した。
A:全くなし(非常に良好)
B:0.8個未満(良好)
C:0.8個以上1.8個未満(実用可能なレベル)
D:1.8個以上(実用困難なレベル)
3)耐久安定性(耐久試験における画像濃度の変化)
耐久試験前に、静電荷潜像担持体上のトナー現像量が0.6mg/cm2になるよう現像コントラストを調整した。N/L環境、H/H環境それぞれにおいてベタ画像濃度を測定し、耐久前後の差を評価した。
A:0.00以上0.05未満(非常に良好)
B:0.05以上0.10未満(良好)
C:0.10以上0.20未満(実用可能なレベル)
D:0.20以上(実用困難なレベル)
4)画像均一性
静電荷潜像担持体上のトナー現像量が0.3mg/cm2になるよう現像コントラストを調整し、A4全面ベタハーフトーン画像を紙上にて出力した。この時の反射濃度計で測定される画像濃度が1.5である直径20mmの円を5ヶ所設けたオリジナル原稿を複写し、画像部の中心の画像濃度を反射濃度計で測定し、5ヶ所の平均値とした。
なお、反射濃度の測定は、X−Riteカラー反射濃度計(X−rite社製、X−rite 500Series)を用いた。
画像均一性の評価は、上記の画像濃度の評価で測定した5箇所の画像濃度の最大値と最小値との差を求めた。N/L環境における耐久前後それぞれについて評価した。
A:0.04未満(非常に良好)
B:0.04以上0.08未満(良好)
C:0.08以上0.12未満(実用可能なレベル)
D:0.12以上(実用困難なレベル)
5)ドット再現性
1画素を1ドットで形成するドット画像を作成した。
紙上の1ドットあたりの面積が、20000以上25000μm2となるように、レーザービームのスポット径を調整した。
デジタルマイクロスコープVHX−500(レンズワイドレンジズームレンズVH−Z100・キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。
ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を書き式により算出した。
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
A:Iが4.0未満(非常に良好)
B:Iが4.0以上6.0未満(良好)
C:Iが6.0以上8.0未満(実用可能なレベル)
D:Iが8.0以上(実用困難なレベル)
〔実施例2〜9、及び比較例1〜3〕
表4に示したように、キャリアとトナーの組み合わせを代えたこと以外は、実施例1と同様にして画だし評価を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 0004873735
Figure 0004873735
Figure 0004873735
Figure 0004873735
本発明の二成分系現像剤で好適に用いられる磁性コア粒子断面の一例を示す説明図である。

Claims (3)

  1. 少なくとも磁性キャリアとトナーとを含有する二成分系現像剤であって、
    該磁性キャリアは、空孔を有する磁性コア粒子と樹脂とを含有する樹脂含有磁性キャリアであり、
    該磁性キャリアは、体積分布基準の50%粒径(D50)が、20μm以上70μm以下であり、
    該磁性コア粒子の固め見掛け密度ρ(g/cm3)が、0.50≦ρ≦1.50であり、
    該磁性コア粒子は、断面面積基準で20%以上65%以下の空孔を少なくとも1つ有し、20μm以上50μm以下の該磁性コア粒子の平均破壊強度P(MPa)が、20.0≦P≦150.0であり、
    該トナーの毛細管吸引時間法により計測された45体積%メタノール水溶液でのトナー表面張力定数(kN/m)が、3.0×10-6以上1.0×10-4以下
    であることを特徴とする二成分系現像剤。
  2. 該磁性コア粒子は、断面面積基準の総空孔率が、20%以上70%以下であることを特徴とする請求項1に記載の二成分系現像剤。
  3. 該磁性コア粒子がフェライト成分を含有し、該フェライト成分が含有する金属酸化物の総質量に対して、MgOを1.0質量%以上10.0質量%以下有することを特徴とする請求項1又は2に記載の二成分系現像剤。
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