JP4873449B2 - 路面傾斜角演算装置を備えた車両 - Google Patents

路面傾斜角演算装置を備えた車両 Download PDF

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Description

本発明は、車両が走行する路面の傾斜角を演算する路面傾斜角演算装置を備えた車両に関する。
従来から、車両の中には、走行する路面の傾斜角を検出する路面傾斜角検出装置を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。この車両が備える路面傾斜角検出装置は、重力加速度センサと、車輪速センサと、路面傾斜角演算手段とで構成されている。そして、路面傾斜角演算手段が、車輪速センサの検出値から車両の路面に対する加速度を算出し、その加速度と重力加速度センサの出力値から路面の傾斜角を算出する。
特許第2626003号公報
しかしながら、前述した従来の車両が備える路面傾斜角検出装置では、車両の走行時に、車両が路面から受ける反力を振動等の外乱として重力加速度センサが受け易いため、路面傾斜角の演算精度を高めることができない。また、重力加速度センサと車輪速センサとの二つのセンサが必要になるため、部品点数が増加してコストが高くなる。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、車両が走行する際に路面から受ける振動等の外乱の影響を受けることなく路面傾斜角の演算を高精度にでき、かつ部品点数が少なく低コストにつく路面傾斜角演算装置を備えた車両を提供することである。
前述した目的を達成するため、本発明に係る路面傾斜角演算装置の構成上の特徴は、車両が走行する路面の傾斜角を演算するための路面傾斜角演算装置であって、車両が備える複数の車輪と、複数の車輪のうちの少なくとも一部の車輪を回転駆動するための電動機と、複数の車輪のうちの少なくとも一部の車輪の回転を制動するための制動装置と、電動機および制動装置のうちの少なくとも電動機により車輪に付与される回転トルクを演算する回転トルク演算手段と、車両の走行速度を検出する車速検出センサと、車速検出センサの検出値に基づいて車両の走行加速度を演算する加速度演算手段と、回転トルク演算手段が演算する回転トルクと加速度演算手段が演算する走行加速度とに基づいて路面における車両の走行方向の傾斜角を演算する傾斜角演算手段とからなる路面傾斜角演算装置を備え、車輪の回転を制動するための電磁ブレーキ装置が設けられ、傾斜角演算手段が演算した路面の傾斜角に基づいて電磁ブレーキ装置を制動状態にするタイミングおよび制動状態を解除するタイミングを決定するようにし、さらに、制動装置が、運転者がブレーキペダルを踏むことによりドラムブレーキまたはディスクブレーキを作動させる機構からなる人為的制動機構を備えているとともに、人為的制動機構が作動したか否かを検出する人為的制動機構検出手段が設けられ、人為的制動機構検出手段が人為的制動機構が作動したことを検出したときに、その検出の直前に傾斜角演算手段が演算した路面の傾斜角に基づいて電磁ブレーキ装置を作動させるようにし、さらに、電磁ブレーキ装置の制動解除状態から制動状態への作動を、車速検出センサが検出する検出値によって開始させるようにし、傾斜角演算手段が演算した路面の登坂側の傾斜角が大きいときほど、車速検出センサが検出する検出値が高速側にあるときに開始させるようにしたことにある。
このように本発明に係る路面傾斜角演算装置を備えた車両は、車輪に付与される回転トルクを演算する回転トルク演算手段、車両の走行加速度を演算する加速度演算手段および路面の傾斜角を演算する傾斜角演算手段を備えている。そして、回転トルク演算手段は、電動機の作動により車輪に付与される回転トルク、または電動機および制動装置の双方の作動により車輪に付与される回転トルクを演算し、加速度演算手段は、車速検出センサが検出する検出値に基づいて車両の走行加速度を演算する。そして、回転トルク演算手段によって演算された回転トルクと、加速度演算手段が演算した走行加速度とに基づいて傾斜角演算手段が路面における車両の走行方向の傾斜角を演算する。この車輪に付与される回転トルクおよび車両の走行加速度に基づいた路面の傾斜角の演算によると、車両が走行するときに路面から受ける振動等の外乱の影響を受け難いため、路面の傾斜角の演算を精度よく行える。また、センサが車速検出センサだけで済むため、部品点数が減少し低コスト化を図ることができる。なお、電動機および制動装置の双方の作動により車輪に付与される回転トルクを演算する場合には、電動機による回転トルクの値は正から負の間で変化する値になり、制動装置による回転トルク(制動トルク)の値は負の値になる。そして、電動機による回転トルクの値と、制動装置による制動トルクの値との和の値を回転トルクの値とする。
また、本発明では、車輪の回転を制動するための電磁ブレーキ装置が設けられ、傾斜角演算手段が演算した路面の傾斜角に基づいて電磁ブレーキ装置を制動状態にするタイミングおよび制動状態を解除するタイミングを決定するようにしている。これによると、運転者による車両走行感覚(乗車感覚)を良好にする適切なタイミングで電磁ブレーキ装置を作動させることができる。また、本発明では、制動装置が、運転者がブレーキペダルを踏むことによりドラムブレーキまたはディスクブレーキを作動させる機構からなる人為的制動機構を備えているとともに、人為的制動機構が作動したか否かを検出する人為的制動機構検出手段が設けられ、人為的制動機構検出手段が人為的制動機構が作動したことを検出したときに、その検出の直前に傾斜角演算手段が演算した路面の傾斜角に基づいて電磁ブレーキ装置を作動させるようにしている。これによると、人為的制動機構の作動によって生じる制動トルクを演算してその値を傾斜角演算手段による路面の傾斜角の演算に反映させるといったことをしないため、その分路面の傾斜角の演算処理が速くなる。また、人為的制動機構の作動によって生じる制動トルクを求めるための手段が不要になるため、その分コストが上昇することを抑制できる。さらに、人為的制動機構が作動したことを検出する直前に演算した路面の傾斜角に基づいて電磁ブレーキ装置を作動させるタイミングを決定するようにしたため、人為的制動機構の作動によって生じる回転トルクの値を路面の傾斜角の演算に反映させないにも拘わらず乗車感覚を損なうことのない適切なタイミングで電磁ブレーキ装置を作動させることができる。また、本発明では、電磁ブレーキ装置の制動解除状態から制動状態への作動を、車速検出センサが検出する検出値によって開始させるようにし、傾斜角演算手段が演算した路面の登坂側の傾斜角が大きいときほど、車速検出センサが検出する検出値が高速側にあるときに開始させるようにしている。これによると、車両の走行を停止させる際に、乗車感覚を損なうことのない適切なタイミングで電磁ブレーキ装置を作動させることができる。
また、本発明に係る路面傾斜角演算装置を備えた車両の他の構成上の特徴は、電動機を流れる電流の値を検出する電動機電流検出装置が設けられ、電動機電流検出装置が検出する電流値に基づいて、回転トルク演算手段が車輪に付与される回転トルクを演算するようにしたことにある。
通常、路面傾斜角演算装置等の電動機を備えた装置においては、電動機の作動を制御するために電流値の検出が行われており、この電流値の検出を行うために電動機の電流を検出するための電動機電流検出装置が設けられている。本発明では、このように元々装置に備わっている電動機電流検出装置が検出する電流値に基づいて路面の傾斜角を演算するようにしているため、その分部品点数を減少させて低コスト化を図ることができる。また、電動機電流検出装置が検出する電流値をそのまま使用せず、回転トルク値として演算することにより、より正確に路面の傾斜角を演算することができる。
この場合、電動機は、回転子のコイルとステータスコイルとを備えており、双方のコイルに電流が流れるが、どちらのコイルを流れる電流を検出してもよい。すなわち、回転子のコイルを流れる電流とステータスコイルを流れる電流との関係を予め実験等により求めておけば、一方の値を検出することにより他方の値を知ることができるため、どちらのコイルを流れる電流を検出しても同じ結果を得ることができる。また、この場合の求めた回転トルクの値は、駆動電流の駆動側の回転トルク値を正、回生電流の制動側の制動トルク値を負とする。
また、本発明に係る路面傾斜角演算装置を備えた車両のさらに他の構成上の特徴は、制動装置が制動機構と制動機構を作動させる制動モータとを備えているとともに、制動モータを流れる電流の値を検出する制動モータ電流検出装置が設けられ、制動モータ電流検出装置が検出する電流値に基づいて、回転トルク演算手段が車輪に付与される制動トルクを演算し、演算された制動トルクを回転トルクに加味するようにしたことにある。
制動モータを有する制動装置を備えた装置においては、制動モータの作動を制御するために電流値の検出が行われており、この電流値の検出を行うために制動モータの電流を検出するための制動モータ電流検出装置が設けられている。本発明では、装置に元々備わっている制動モータ電流検出装置が検出する電流値に基づいて路面の傾斜角を演算するようにしているため、その分部品点数を減少させて低コスト化を図ることができる。また、制動モータ電流検出装置が検出する電流値をそのまま使用せず、回転トルク値として演算することにより、より正確に路面の傾斜角を演算することができる。
また、本発明に係る路面傾斜角演算装置を備えた車両のさらに他の構成上の特徴は、制動装置が油圧により作動する油圧駆動式制動機構を備えているとともに、油圧駆動式制動機構の油圧を検出する油圧検出装置が設けられ、油圧検出装置が検出する油圧の値に基づいて、回転トルク演算手段が車輪に付与される制動トルクを演算し、演算された制動トルクを回転トルクに加味するようにしたことにある。
これによると、複数の駆動手段による作用力で油圧駆動式制動機構を同時に作動させた場合でも路面の傾斜角の演算を短時間で行うことができる。例えば、リンクを介した人為的な操作力および制動モータによる駆動力で油圧駆動式制動機構を同時に作動させた場合でも、それぞれの作用力に基づいて生じる値の合計値を一つの油圧を検出するだけで求めることができ、その一つの値に基づいて路面の傾斜角を演算できる。このため、路面の傾斜角の演算を短時間で行える。また、複数の駆動手段による作用力を個別に検出する必要がなくなるため、その分検出手段が簡略化され低コスト化が図れる。
また、本発明に係る路面傾斜角演算装置を備えた車両のさらに他の構成上の特徴は、回転トルク演算手段が演算した回転トルクの値をローパスフィルタによりフィルタ処理し、そのフィルタ処理された回転トルクの値を用いて傾斜角演算手段が路面の傾斜角を演算することにある。
本発明に係る路面傾斜角演算装置のような装置においては、車輪に回転トルクを発生させるために電動機や制動モータに対して電流が流れてから実際に回転トルクが生じて車両の走行加速度に反映されるまでの間に時間の遅れが生じる。そこで、このローパスフィルタ処理を行うことにより、ローパスフィルタ処理後の回転トルクの値と、実際の車両の走行加速度との間の時間のずれをなくし、双方の相関関係を適切なものにすることができる。なお、この場合、回転トルクの演算が、電動機の作動により車輪に付与される回転トルクだけに基づいて行われた場合には、その電動機により発生する回転トルクの値が用いられ、回転トルクの演算が、電動機および制動装置の双方の作動により車輪に付与される回転トルクに基づいて行われた場合には、電動機により発生する回転トルクの値に、制動装置により発生する制動トルクの値を加味した値が用いられる。
また、本発明に係る路面傾斜角演算装置を備えた車両のさらに他の構成上の特徴は、電磁ブレーキ装置の制動状態から制動解除状態への作動を、傾斜角演算手段が演算した路面の登坂側の傾斜角が大きいときほど、回転トルク演算手段が演算する登坂側の回転トルクが大きい値であるときに開始させるようにしたことにある。これによると、車両を発進させる際に、乗車感覚を損なうことのない適切なタイミングで電磁ブレーキ装置を作動させることができる。
また、本発明に係る路面傾斜角演算装置を備えた車両のさらに他の構成上の特徴は、車両がゴルフカートであることにある。本発明に係る路面傾斜角演算装置は、四輪車、二輪車にかかわらず種々の車両に設けることができるが、ゴルフカートのように、ゴルフ場内における一定のカート路を走行する車両に設けることが特に適している。すなわち、ゴルフカートは、傾斜した路面で停止させたり、その傾斜した路面から発進させたりすることを頻繁に繰り返しながら走行させることが多いため、本発明に係る車両をゴルフカートとすることが特に好ましい。また、これによると、車両が走行する際に、路面からの振動等の外乱の影響を受けることなく路面の傾斜角の演算を短時間で高精度にでき、かつ部品点数が少なく低コストにつく路面傾斜角演算装置を備えたゴルフカートを得ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて詳しく説明する。図1および図2は、同実施形態に係る路面傾斜角演算装置20(図3参照)を備えた本発明に係る車両としてのゴルフカート10を示している。このゴルフカート10は、車体11の下部における前部の左右両側にそれぞれ設けられた2個の前輪FL,FRと、車体11の下部における後部の左右両側にそれぞれ設けられた2個の後輪RL,RRとを備えている。また、車体11の中央部の前後に、それぞれ二人用の前部シート12aと三人用の後部シート12bとが並んで設けられている。さらに、車体11の前部における前部シート12aの前側にハンドル13が設けられている。
また、車体11の上部に、車体11の四隅に設けられた支持枠14aを介して屋根部14が設けられている。そして、車体11の前端下部にバンパ15aが取り付けられ、車体11の後部を構成するカウル11aの後端下部にバンパ15bが取り付けられている。このゴルフカート10は、自動運転または手動運転が可能になっており、手動運転する場合には、前部シート12aに座った運転者がハンドル13を回転操作することにより前部の両前輪FL,FRが左右に向きを変更して、ゴルフカート10は左旋回したり右旋回したりしながら進行方向を変えて走行する。
すなわち、ハンドル13は、車体11の前側下部からやや後部側の上方に向って延び軸回り方向に回転可能に設置されたステアリング軸13aの上端に固定されており、ハンドル13を支持するステアリング軸13aの下端は水平方向に設置されたラックバー16に噛合している。このラックバー16は、ステアリング軸13aの回転により左右(ラックバー16の軸方向)に移動し、このラックバー16の移動により左右の前輪FL,FRの向きが変わるように構成されている。また、ステアリング軸13aは下部側部分と上部側部分とで構成されており、その間に、下部側部分と上部側部分とを連結したり切り離したりするためのステアリングクラッチ17が設けられている。
このステアリングクラッチ17によってステアリング軸13aの上部側部分と下部側部分とを連結したときには、運転者によるハンドル13の操作に応じて前輪FL,FRが操向される。また、ステアリングクラッチ17によって、ステアリング軸13aの上部側部分が下部側部分から切り離されたときには、ハンドル13は固定されて一定位置に静止する。この場合には、自動運転が行われステアリング軸13aの下部側部分に設けられたステアリングモータ18の作動によって、ステアリング軸13aの下部側部分が回転しその回転に応じて前輪FL,FRは向きを左右に変更する。
また、車体11の前部側におけるハンドル13の下方にアクセルペダル21とブレーキペダル22とが並んで設けられ、車体11の後部側には、本発明の電動機を構成する駆動モータ23および駆動モータ23の駆動力を後輪RL,RRに伝達するためのトランスミッション24等が設けられている。アクセルペダル21およびブレーキペダル22は、ゴルフカート10を走行させる際に、運転者によって操作されるものである。アクセルペダル21は、アクセルポテンショメータ21aを介してコントローラ30に接続されており、運転者がアクセルペダル21を踏み込むとアクセルペダル21の位置(踏込み量)がアクセルポテンショメータ21aによって検出される。
そして、アクセルポテンショメータ21aが検出した検出値は、アクセル位置信号として、コントローラ30が備えるCPU31に送信される。CPU31は、アクセルポテンショメータ21aからのアクセル位置信号に基づいて、駆動モータ23を駆動させ、トランスミッション24を介して後輪RL,RRを回転させる。これによって、ゴルフカート10は加速しながら走行する。この場合、アクセルペダル21の踏込み量が大きいほどゴルフカート10の走行加速度は大きくなり、アクセルペダル21の踏込み量が小さいほどゴルフカート10の走行加速度は小さくなる。また、アクセルペダル21の踏込み量を一定に維持するとゴルフカート10は一定速度で走行する。そして、ゴルフカート10を自動運転させる場合には、コントローラ30の制御によって駆動モータ23を駆動させて後輪RL,RRを回転させる。
また、ブレーキペダル22は、油圧式ディスクブレーキシステム(図示せず)を介して、前輪FL,FRおよび後輪RL,RRにそれぞれ設けられたディスクブレーキに連結されているとともに、制動モータ22aを介してコントローラ30に接続されている。そして、ブレーキペダル22には、ブレーキペダル22が操作されたことを検出するためのブレーキスイッチ22bおよびブレーキペダル22を踏み込んだときに生じる油圧を検出するための圧力センサ22cが備わっている。
このため、運転者がブレーキペダル22を踏込むと、ブレーキペダル22の踏込み量(踏込み力)は、油圧式ディスクブレーキシステムを介して、前輪FL,FRおよび後輪RL,RRにそれぞれ設けられたディスクブレーキに伝達され、ディスクブレーキの作動により前輪FL,FRおよび後輪RL,RRの回転駆動が制動される。この場合、前輪FL,FRおよび後輪RL,RRにかかる制動力は、ブレーキペダル22の踏込み量に比例する。
また、自動運転する場合には、コントローラ30の制御によって制動モータ22aが駆動することにより、運転者がブレーキペダル22を踏込んだときと同様に、ディスクブレーキを作動させて前輪FL,FRおよび後輪RL,RRの回転駆動を制動する。その際、ブレーキスイッチ22bは、運転者がブレーキペダル22を踏込んだときに、ブレーキペダル22が操作されたことを検出する。なお、この油圧式ディスクブレーキシステムは、運転者がブレーキペダル22を踏込むとともに、制動モータ22aが駆動した場合には、その大きな方の力に対応する制動力が出力されるように構成されている。
また、ゴルフカート10は、駆動バッテリ25、メインリレー26、制御バッテリ25a、電磁ブレーキ27および車速検出センサ28を備えている。駆動バッテリ25は、駆動モータ23を作動させるための電力をメインリレー26およびコントローラ30を介して駆動モータ23に供給する。メインリレー26は駆動バッテリ25とコントローラ30との間を接続したり遮断したりする。また、制御バッテリ25aは、コントローラ30を作動させるための電力をコントローラ30に供給する。
電磁ブレーキ27は、コントローラ30の制御によって駆動することにより、後輪RL,RRのディスクブレーキを作動させて後輪RL,RRをロックすることによりゴルフカート10を制動する。この場合の電磁ブレーキ27の作動は、通電を停止することによって行われ、電磁ブレーキ27は、通電されているときに後輪RL,RRのロックを解除してゴルフカート10の制動を解除した状態になり、通電を停止されたときに後輪RL,RRをロックしてゴルフカート10を制動する。
また、コントローラ30は、傾斜面でゴルフカート10を停止させる際には、ゴルフカート10の走行速度に基づいて電磁ブレーキ27の作動を制御し、ゴルフカート10を傾斜面から発進させる際には、後輪RL,RRに生じる回転トルクに基づいて電磁ブレーキ27の作動を制御する。車速検出センサ28は、ゴルフカート10の後部に設置されており、ゴルフカート10の走行速度を検出し、その検出値を信号としてコントローラ30に送信する。
また、図示していないが、ゴルフカート10は、メインスイッチ、発進・停止スイッチを備えている。メインスイッチは、キーを差し込んで回転させることによりオン位置とオフ位置とに回転するようになっており、オン位置に回転することにより、ゴルフカート10は走行可能な状態になる。また、メインスイッチがオフ位置に回転することによりゴルフカート10は走行不能な状態になる。発進・停止スイッチは、ゴルフカート10を発進させたり、停止させたりするためのスイッチであり、その操作状態は、信号としてコントローラ30に送信される。そして、メインスイッチをオン位置にした状態で、発進・停止スイッチを押すことにより、ゴルフカート10は発進を開始し、再度発進・停止スイッチを押すことにより、ゴルフカート10は停止する。
また、コントローラ30は、本発明の回転トルク演算手段、加速度演算手段および傾斜角演算手段を構成するもので、CPU31、ROM32、RAM33およびタイマ34を備えている。ROM32には、ゴルフカート10を発進、走行および停止させるための各種のプログラムやマップ等のデータが記憶されており、RAM33は、車速検出センサ28から送信される走行速度の検出信号等の各種のデータを一時的に記憶する。そして、CPU31は、ROM32が記憶するプログラムやマップ等のデータおよびRAM33が記憶するデータ等に基づいて所定の処理や演算を実行して、ゴルフカート10を発進、走行、停止させる。
また、路面傾斜角演算装置20は、図4に示したように、ゴルフカート10が傾斜のある路面Rを走行する際に、その路面Rの傾斜角θを演算し、その路面Rの所定場所にゴルフカート10を停止させたり、路面Rの所定場所から発進させたりする際に、その停止や発進がスムーズに行われるように制御する。この場合の路面Rの傾斜角θは、路面傾斜角演算装置20が下記の式(1)〜(5)から式(6)を導き出し、この式(6)を演算することによって求められる。
ここで、θは路面Rの傾斜角、fはトルクの値、aはゴルフカート10の走行加速度、A,Bは実験から求められた定数である。また、f’は後述するトルクfの値にローパスフィルタ処理をした後のトルクの値、θ’は演算値による傾斜角である。すなわち、図4に示したように、車体重量mのゴルフカート10が傾斜角θの路面Rを登坂側に向って走行していると、ゴルフカート10には、垂直方向の下方に向うmg(gは重力加速度)の力と進行方向(路面Rを登坂する方向)に向うトルクfの二つの力が働く。そして、この場合のゴルフカート10の走行加速度をaとすると、この場合の状態方程式は、下記の式(1)で表される。そして式(1)から下記の式(2)が導き出される。
f−mg×sinθ=ma …(1)
sinθ=(f/m−a)/g≒θ …(2)
式(2)ではsinθをθとして近似している。これは、CPU31が実行する演算時間を短縮するためであり、通常ゴルフカート10等の車両が走行する路面R等の路面の傾斜角θは大きくて10度程度、最大でも20度程度であるため、sinθをθとして近似しても大きな誤差は生じない。そして、下記の式(3)に示したように傾斜角θを推定するとともに、車体重量mを便宜上、車種ごとにそれぞれ一定とみなして、式(3)を下記の式(4)のように簡略化した。
θ(deg)=360/2π×(f/m−a)/g …(3)
θ(deg)=A×f−B×a …(4)
この場合の計算に用いる走行加速度aの値は、ゴルフカート10の走行速度における所定時間前の走行速度と現在の走行速度との変化量として求められ、車速検出センサ28が検出する検出値とタイマ34が測定する時間に基づいてCPU31が演算する。すなわち、この演算処理は、所定のプログラム(図示せず)を所定時間ごとに繰り返し実行することにより行われ、前回のプログラム実行の際に検出した走行速度の検出値と今回のプログラム実行の際に検出した走行速度の検出値との所定時間当たりの変化量を走行加速度aとする。
また、トルクfの値は、駆動モータ23に生じる実トルク値(−P%〜+P%)と制動モータ22aに生じる必要制動力(−Q%〜0%)との和として求められ、求められたトルクfをローパスフィルタでフィルタ処理をしてf’とした。すなわち、フィルタ処理されたトルクf’は、下記の式(5)のようにして求めることができる。
f’=Fn-1×C+Fn×D …(5)
式(5)のFn-1は、前回のプログラム実行の際に求められたトルク値と制動力との和の値であり、Fnは、今回のプログラム実行の際に求められたトルク値と制動力との和の値である。また、C,Dは、合計値が「1」になるように設定された任意の定数であり、前回のプログラム実行時の値と今回のプログラム実行時の値とのどちらの影響を大きくするかによって適宜変更して設定することができる。駆動モータ23や制動モータ22aに所定のトルクを発生させるために電流が流れてからその電流が実際にゴルフカート10の走行加速度に反映されるまでの間に所定の時間遅れが生じる。そこで、このローパスフィルタ処理を行うことにより、ローパスフィルタ処理後のトルクの値と、実際のゴルフカート10の走行加速度との間の時間のずれをなくし、双方の相関関係を適切なものにすることができる。
また、この場合のトルク値の演算は、駆動モータ23および制動モータ22aを流れる電流の検出に基づいて行われる。駆動モータ23は、分巻式モータで構成されており、図5に示したようステータコイル35と、ロータ36に巻かれたロータコイル36aとが備わっている。そして、ステータコイル35とロータコイル36aとの双方に電流が流れるように構成されている。ここでは、ステータコイル35に流れる電流をI1、ロータコイル36aに流れる電流をI2とする。
また、電流I1と電流I2とは、図6に示したような関係になるように設定されており、このマップはデータとして、ROM32に記憶されている。図6のマップに示したように、電流I2が大きくなると電流I1は、電流I2の大きさに比例して大きくなり、電流I2が小さくなって負側に変化しても電流I1は、電流I2の負側の大きさに比例して大きくなる。このように、電流I1と電流I2との関係をマップデータとして準備しておくことにより、トルク値を求める際に、電流I1と電流I2とのどちらの電流値を用いても同じ結果を得ることができる。
また、ROM32には、図6に示したマップの他、図7ないし図10に示したマップもデータとして記憶されている。図7は、駆動モータ23のロータコイル36aに電流I2を流したときに駆動モータ23に生じる回転トルクと電流I2との関係を示しており、電流I2が大きくなるほど回転トルクも電流I2に比例して駆動側(図7の右側部分)に大きくなる。そして、電流I2が小さくなるほど回転トルクも電流I2に比例して小さくなり制動側(図7の左側部分)に大きくなるように設定されている。また、図8は、制動モータ22aに流れるブレーキ電流の値と制動モータ22aに生じる制動トルクとの関係を示しており、ブレーキ電流が大きくなると、ブレーキ電流に比例して制動トルクも大きくなるように設定されている。
この電流I2およびブレーキ電流の値は、コントローラ30によって検出することができ、電流I2の値に基づいて図7のマップから求めた回転トルクと、ブレーキ電流の値に基づいて図8のマップから求めた制動トルクからトルクfの値を求めることができる。そして、このトルクfの値を式(5)に基づいてローパスフィルタ処理し、ローパスフィルタ処理によって得られたf’と、走行加速度aの値を下記の式(6)に代入することによって、路面Rの計算上の傾斜角θ’を求めることができる。
θ’(deg)=A×f’−B×a …(6)
このようにして、路面傾斜角演算装置20が演算して求められた路面Rの傾斜角θ’は、ゴルフカート10を自動走行させながら路面Rの所定場所で停止させたり、路面Rの停車場所から発進させたりする場合に用いられる。例えば、路面Rを走行しているゴルフカート10を路面Rの所定場所で停止させる際には、その所定場所の計算上の傾斜角θ’に応じたタイミングで電磁ブレーキ27の作動を制動側に制御するように設定されている。この場合、図9に示したマップが利用される。
図9は、路面Rの傾斜角θ’と電磁ブレーキ27を作動させる際のゴルフカート10の走行速度(車速)との関係を示しており、ゴルフカート10が路面Rを登り方向に進んでいるときに停止させる場合には、路面Rの傾斜角θ’が大きいときほど、車速が大きい(早い)ときに電磁ブレーキ27が制動側に作動するように制御される。これによって、電磁ブレーキ27の作動がタイミングよく行われ、ゴルフカート10はスムーズに停止する。また、ゴルフカート10が路面Rを下り方向に進んでいるときに停止させる場合には、路面Rの傾斜角θ’に関係なく車速が「0」に近い状態で電磁ブレーキ27が制動側に作動するように制御される。
また、路面Rの所定場所で停止しているゴルフカート10を発進させる際には、図10に示したマップが利用される。図10は、路面Rの傾斜角θ’と電磁ブレーキ27を制動解除側に作動させる際の回転トルクf’との関係を示しており、路面Rの傾斜角θ’が大きいときほど、回転トルクf’が大きいときに電磁ブレーキ27による制動が解除されるように制御される。これによって、電磁ブレーキ27の作動がタイミングよく行われ、ゴルフカート10はスムーズに発進する。また、ゴルフカート10が路面Rを下り方向に向かって発進する場合には、傾斜角θ’に関係なく回転トルクが「0」に近い状態で電磁ブレーキ27による制動が解除されるように制御される。
この場合の電磁ブレーキ27の制動側への作動および制動を解除するための作動は、車速と回転トルクの値に基づいたコントローラ30の制御によって行われ、これによって、運転者は手動による操作をすることなく、良好な乗車感覚を維持した状態で、ゴルフカート10の傾斜面での発進・停止を行うことができる。また、ゴルフカート10に、運転者の人為的操作により作動する人為的制動機構を設けることもできる。この場合、人為的制動機構の操作に基づいて路面Rの傾斜角θを演算することなく、人為的制動機構が操作されたときに、すでに路面傾斜角演算装置20が演算して求めていた路面Rの傾斜角に基づいて電磁ブレーキ27を作動させる。
また、本発明の他の実施形態として、制動モータ22aに流れるブレーキ電流の値でなく、圧力センサ22cが検出する圧力値に基づいて制動トルクを決定することもできる。この場合、図11に示したマップを利用する。図11は、圧力センサ22cが検出する圧力センサ検出値と制動モータ22aに生じる制動トルクとの関係を示しており、圧力センサ検出値が大きくなると、圧力センサ検出値に比例して制動トルクも大きくなるように設定されている。この場合、制動トルク以外の値や使用する式については、前述したものを用い、同様の処理によって路面Rの傾斜角θ’を求める。
また、本発明に係るゴルフカート10は、前述したように自動運転によって路面Rで停止したり、路面Rから発進したりするとき以外は、通常の操作に応じて走行する。すなわち、ハンドル13の操作により進行方向を左右に変え、アクセルペダル21の操作により走行速度を変え、さらにブレーキペダル22の操作により制動する。また、ゴルフカート10が自動運転によって路面Rで停止したり、路面Rから発進したりしているときに、運転者が、ブレーキペダル22を踏み込んだときは、制動モータ22aを作動させてゴルフカート10を停止させる。また、手動走行で路面Rを下るときには、最高速度以下になるように制動モータ22aが作動する。このときにも、制動トルクは傾斜角演算の際に加味される。
以上のように、本実施形態に係る路面傾斜角演算装置20は、駆動モータ23によって後輪RL,RRに付与される回転トルクを演算するとともに、車速検出センサ28が検出するゴルフカート10の走行速度から走行加速度を演算し、演算によって求めた回転トルクと走行加速度から路面Rの傾斜角を演算するコントローラ30を備えている。この路面傾斜角演算装置20が行う回転トルクと走行加速度に基づいた路面Rの傾斜角の演算によると、ゴルフカート10が走行するときに路面Rから受ける振動等の外乱の影響を受け難いため、路面Rの傾斜角の演算を精度よく行うことができる。また、使用するセンサが車速検出センサ28だけで済むため、部品点数が減少し低コスト化を図ることができる。
また、回転トルクを駆動モータ23のロータコイル36aを流れる電流I2に基づいて求めるとともに、電流I2をコントローラ30で検出するようにしているため、部品点数を減少させて低コスト化を図ることができる。また、コントローラ30が検出する電流I2の値をそのまま使用せず、回転トルク値として演算することにより、より正確に路面Rの傾斜角を演算することができる。また、図6に示した電流I1と電流I2とのマップを設けて、電流I1と電流I2との関係を予め決定しているため、ステータコイル35を流れる電流I1とロータコイル36aを流れる電流I2とのどちらの電流を検出しても同じ結果を得ることができる。
また、制動トルクを、制動モータ22aを流れるブレーキ電流に基づいて求めるとともに、ブレーキ電流をコントローラ30で検出するようにしているため、部品点数を減少させて低コスト化を図ることができる。また、コントローラ30が検出するブレーキ電流の値をそのまま使用せず、制動トルク値として演算することにより、より正確に路面Rの傾斜角を演算することができる。
また、圧力センサ22cが検出する圧力値に基づいて制動トルクを決定する場合には、路面Rの傾斜角の演算を短時間で行うことができる。すなわち、複数の駆動手段による作用力で油圧式ディスクブレーキシステムを同時に作動させた場合でも、それぞれの作用力に基づいて生じる値の合計値を一つの油圧を検出するだけで制動トルクを求めることができ、その一つの値に基づいて路面Rの傾斜角を演算できる。また、複数の駆動手段による作用力を個別に検出する必要がなくなるため、その分、検出手段が簡略化され低コスト化が図れる。
また、本発明に係る路面傾斜角演算装置20では、演算によって求められた回転トルクの値をローパスフィルタによりフィルタ処理し、そのフィルタ処理された回転トルクの値を用いてコントローラ30が路面Rの傾斜角を演算するようにしている。これによって、コントローラ30から駆動モータ23や制動モータ22aに電流が流れてから実際に回転トルクが生じてゴルフカート10の走行加速度に反映されるまでの間の時間のずれをなくし、双方の相関関係を適切なものにすることができる。
また、本発明に係る路面傾斜角演算装置20を備えたゴルフカート10によれば、電磁ブレーキ27が適切なタイミングで作動するため、ゴルフカート10を傾斜した路面Rで停止させたり、傾斜した路面Rから発進させたりする際の運転者の車両走行感覚を良好にすることができる。また、ゴルフカート10に人為的制動機構を設けた場合には、人為的制動機構の作動によって生じる回転トルクを演算してその値を路面Rの傾斜角の演算に反映させるといったことをせず、人為的制動機構が操作されたときに、すでに演算して求めていた路面Rの傾斜角に基づいて電磁ブレーキ27を作動させるため、傾斜角の新たな演算処理が不要になる。
また、人為的制動機構の作動によって生じる回転トルクを求めるための装置等が不要になるため、コストの上昇を抑制できる。さらに、人為的制動機構が作動したことを検出する直前に演算された路面Rの傾斜角に基づいて電磁ブレーキ27を作動させるタイミングを決定するようにしたため、人為的制動機構の作動によって生じる回転トルクの値を路面Rの傾斜角の演算に反映させないにも拘わらず乗車感覚を損なうことのない適切なタイミングで電磁ブレーキ27を作動させることができる。
また、本発明に係るゴルフカート10では、ゴルフカート10が路面Rを登り方向に進んでいるときに停止させる場合には、路面Rの傾斜角が大きいときほど、車速が大きいときに電磁ブレーキ27が制動側に作動するように制御されるため、乗車感覚を損なうことのない適切なタイミングで電磁ブレーキ27を作動させてゴルフカート10を停止させることができる。
また、路面Rで停止しているゴルフカート10を発進させる場合には、路面Rの傾斜角が大きいときほど、回転トルクが大きいときに電磁ブレーキ27による制動を解除するように制御されるため、乗車感覚を損なうことのない適切なタイミングで電磁ブレーキ27の制動を解除させることができる。また、本発明によると、走行する際に、路面Rからの振動等の外乱の影響を受けることなく路面Rの傾斜角の演算を短時間で高精度にでき、かつ部品点数が少なく低コストにつく路面傾斜角演算装置20を備えたゴルフカート10を得ることができる。
また、本発明に係る路面傾斜角演算装置および路面傾斜角演算装置を備えた車両は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した実施形態では、車両をゴルフカート10としたが、この車両は、ゴルフカートに限定するものでなく、四輪自動車や、自動二輪車等の種々の車両とすることができる。また、路面傾斜角演算装置を構成する各装置についても、前述した実施形態に限定するものでなく、本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することができる。
本発明の一実施形態に係る路面傾斜角演算装置を備えたゴルフカートを示した側面図である。 ゴルフカートの概略を示した構成図である。 路面傾斜角演算装置を示した構成図である。 ゴルフカートが路面を走行する状態を示した説明図である。 コントローラおよび駆動モータの構成を示した構成図である。 駆動モータを流れる電流I1と電流I2との関係を示したマップである。 電流I2と回転トルクとの関係を示したマップである。 ブレーキ電流値と制動トルクとの関係を示したマップである。 ゴルフカートを停止させる際の路面の傾斜角と車速との関係を示したマップである。 ゴルフカートを発進させる際の路面の傾斜角と回転トルクとの関係を示したマップである。 圧力センサ検出値と制動トルクとの関係を示したマップである。
符号の説明
10…ゴルフカート、20…路面傾斜角演算装置、22a…制動モータ、22c…圧力センサ、23…駆動モータ、27…電磁ブレーキ、28…車速検出センサ、30…コントローラ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…タイマ、35…ステータコイル、36a…ロータコイル、a…走行加速度、f,f’…トルク、FL,FR…前輪、I1,I2…電流、R…路面、RL,RR…後輪、θ,θ’…傾斜角。

Claims (7)

  1. 車両が走行する路面の傾斜角を演算するための路面傾斜角演算装置を備えた車両であって、
    前記車両が備える複数の車輪と、
    前記複数の車輪のうちの少なくとも一部の車輪を回転駆動するための電動機と、
    前記複数の車輪のうちの少なくとも一部の車輪の回転を制動するための制動装置と、
    前記電動機および前記制動装置のうちの少なくとも前記電動機により前記車輪に付与される回転トルクを演算する回転トルク演算手段と、
    前記車両の走行速度を検出する車速検出センサと、
    前記車速検出センサの検出値に基づいて前記車両の走行加速度を演算する加速度演算手段と、
    前記回転トルク演算手段が演算する回転トルクと前記加速度演算手段が演算する走行加速度とに基づいて路面における前記車両の走行方向の傾斜角を演算する傾斜角演算手段とからなる路面傾斜角演算装置を備え、
    前記車輪の回転を制動するための電磁ブレーキ装置が設けられ、前記傾斜角演算手段が演算した路面の傾斜角に基づいて前記電磁ブレーキ装置を制動状態にするタイミングおよび制動状態を解除するタイミングを決定するようにし、さらに、
    前記制動装置が、運転者がブレーキペダルを踏むことによりドラムブレーキまたはディスクブレーキを作動させる機構からなる人為的制動機構を備えているとともに、前記人為的制動機構が作動したか否かを検出する人為的制動機構検出手段が設けられ、前記人為的制動機構検出手段が前記人為的制動機構が作動したことを検出したときに、その検出の直前に前記傾斜角演算手段が演算した路面の傾斜角に基づいて前記電磁ブレーキ装置を作動させるようにし、さらに、
    前記電磁ブレーキ装置の制動解除状態から制動状態への作動を、前記車速検出センサが検出する検出値によって開始させるようにし、前記傾斜角演算手段が演算した路面の登坂側の傾斜角が大きいときほど、前記車速検出センサが検出する検出値が高速側にあるときに開始させるようにしたことを特徴とする路面傾斜角演算装置を備えた車両。
  2. 前記電動機を流れる電流の値を検出する電動機電流検出装置が設けられ、前記電動機電流検出装置が検出する電流値に基づいて、前記回転トルク演算手段が前記車輪に付与される回転トルクを演算するようにした請求項1に記載の路面傾斜角演算装置を備えた車両。
  3. 前記制動装置が制動機構と前記制動機構を作動させる制動モータとを備えているとともに、前記制動モータを流れる電流の値を検出する制動モータ電流検出装置が設けられ、前記制動モータ電流検出装置が検出する電流値に基づいて、前記回転トルク演算手段が前記車輪に付与される制動トルクを演算し、前記演算された制動トルクを前記回転トルクに加味するようにした請求項1または2に記載の路面傾斜角演算装置を備えた車両。
  4. 前記制動装置が油圧により作動する油圧駆動式制動機構を備えているとともに、前記油圧駆動式制動機構の油圧を検出する油圧検出装置が設けられ、前記油圧検出装置が検出する油圧の値に基づいて、前記回転トルク演算手段が前記車輪に付与される制動トルクを演算し、前記演算された制動トルクを前記回転トルクに加味するようにした請求項1または2に記載の路面傾斜角演算装置を備えた車両。
  5. 前記回転トルク演算手段が演算した回転トルクの値をローパスフィルタによりフィルタ処理し、そのフィルタ処理された回転トルクの値を用いて前記傾斜角演算手段が路面の傾斜角を演算する請求項2ないし4のうちのいずれか一つに記載の路面傾斜角演算装置を備えた車両。
  6. 前記電磁ブレーキ装置の制動状態から制動解除状態への作動を、前記傾斜角演算手段が演算した路面の登坂側の傾斜角が大きいときほど、前記回転トルク演算手段が演算する登坂側の回転トルクが大きい値であるときに開始させるようにした請求項1ないし5のうちのいずれか一つに記載の路面傾斜角演算装置を備えた車両。
  7. 前記車両がゴルフカートである請求項1ないし6のうちのいずれか一つに記載の路面傾斜角演算装置を備えた車両。
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