JPH1178818A - 車両のブレーキ制御装置 - Google Patents

車両のブレーキ制御装置

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Publication number
JPH1178818A
JPH1178818A JP25062597A JP25062597A JPH1178818A JP H1178818 A JPH1178818 A JP H1178818A JP 25062597 A JP25062597 A JP 25062597A JP 25062597 A JP25062597 A JP 25062597A JP H1178818 A JPH1178818 A JP H1178818A
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JP
Japan
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brake
torque
vehicle
control device
braking torque
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JP25062597A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Maruyama
良一 丸山
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレーキ操作子を操作することなくアクセル操
作だけでブレーキを自動的に作動させたり解放させる際
に、ショックを無くすようにする。 【解決手段】ブレーキ作動時には、ブレーキ制動トルク
が時間の経過とともに徐々に増加していく。また、ブレ
ーキ解放時には、車両の駆動トルクが増大するに伴って
ブレーキ制動トルクが減少され、駆動トルクが逆駆動ト
ルクと略一致したときにブレーキ制動トルクが零にさ
れ、ブレーキが解放される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両を停止、発進
させる場合に、ブレーキ操作子を手動で操作することな
く自動的にブレーキをオン・オフさせる制御を行うこと
によりオペレータにかかる負担を軽減させる車両のブレ
ーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】アク
セル操作子と、ブレーキ操作子とを手動だけで操作して
車両を停止、発進させる場合には、アクセル操作子とブ
レーキ操作子を(さらにはクラッチ操作子をも)微妙に
操作する必要があったりして、オペレータに熟練を要求
するとともにオペレータにかかる負担が大きい。とりわ
け、坂道における停止、発進時には、その負担が大きな
ものとなる。
【0003】このため、従来より、できるだけ簡易な操
作でオペレータに負担をかけることなく車両の停止、発
進を行いたいとの要請があった。
【0004】そこで、本出願人は、特願平8−1300
0号において、車両の走行速度が所定のしきい値以下に
なり、漸次走行速度が低下しているときに、自動的にブ
レーキを作動させて、オペレータに負担をかけることな
く車両を停止させる発明を提案している。また、車両の
駆動力が負荷よりも大きくなった場合に、自動的にブレ
ーキを解放して、オペレータに負担をかけることなく車
両を発進させる発明を提案している。
【0005】ところが、かかる発明を、ブレーキをオン
・オフ作動させるように実機に適用すると、ブレーキ作
動時には、車両の走行速度が所定のしきい値以下になっ
た瞬間にブレーキが作動されるために、車両が急停止し
てしまいショックが発生するという問題が招来する。同
様に、ブレーキ解放時には、制動力と走行抵抗といった
負荷に打ち勝つ駆動力が生じた瞬間にブレーキが解放さ
れるために、車両が急発進してしまいショックがすると
いう問題が招来する。
【0006】本発明は、こうした実状に鑑みてなされた
ものであり、ブレーキ作動時に、急停止によるショック
を生じさせないことを第1の解決課題とするものであ
る。
【0007】また、本発明は、ブレーキ解放時に、急発
進によるショックを生じさせないことを第2の解決課題
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段および効果】そこで、上記
第1の解決課題達成のために、本発明の第1発明では、
車両のブレーキの作動を制御する車両のブレーキ制御装
置において、前記車両のブレーキを作動すべきことを判
定するブレーキ作動判定手段と、前記ブレーキ作動判定
手段で前記車両のブレーキを作動すべきと判定された場
合に、ブレーキ制動トルクが時間の経過に伴い徐々に増
加されるように、前記車両のブレーキを作動させる制御
手段とを具えるようにしている。
【0009】すなわち、かかる第1発明の構成によれ
ば、ブレーキ作動時には、ブレーキ制動トルクが時間の
経過とともに徐々に増加していくので、従来のように制
動トルクが急激に増大して急停止されるということはな
くなり、制動トルクの徐々なる増加により、車両をショ
ックなく停止させることができる。
【0010】また、上記第2の解決課題達成のために、
本発明の第2発明の主たる発明では、車両のブレーキの
作動を制御する車両のブレーキ制御装置において、前記
車両の駆動系によって当該車両を駆動する駆動トルクを
検出する駆動トルク検出手段と、前記車両の外部より駆
動系に与えられる逆駆動トルクを検出する逆駆動トルク
検出手段と、駆動トルクが増大するに伴ってブレーキ制
動トルクが減少し、かつ駆動トルクが逆駆動トルクと略
一致したときにブレーキ制動トルクが零になるように、
駆動トルクおよび逆駆動トルクとブレーキ制動トルクと
の関係式を設定するブレーキ制動トルク設定手段と、前
記ブレーキ制動トルク設定手段で設定された関係式か
ら、前記駆動トルク検出手段で検出された駆動トルク
と、前記逆駆動トルク検出手段で検出された逆駆動トル
クとに対応するブレーキ制動トルクを求め、このブレー
キ制動トルクが得られるように、前記車両のブレーキを
制御するブレーキ制御手段とを具えるようにしている。
【0011】すなわち、かかる第2発明の構成によれ
ば、車両の駆動トルクが増大するに伴ってブレーキ制動
トルクを減少させるようにし、駆動トルクが逆駆動トル
クと略一致したときにブレーキ制動トルクを零にするよ
うにしたので、車両としては停止状態を保ちながら駆動
トルクの増大に伴いブレーキ制動トルクが小さくなって
いき、やがて駆動トルクが負荷である逆駆動トルクと釣
り合ったときにブレーキが解放されることになる。この
ため従来のように急激なブレーキ制動トルクのオフによ
って車両が急発進するということはなくなり、ショック
のない車両発進が実現される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る車両のブレーキ制御装置の実施の形態について説明す
る。
【0013】図1は、本発明が適用される車両の構成を
示すブロック図である。
【0014】同図1に示すように、この車両はエンジン
1を駆動源として走行するものであり、エンジン1の駆
動力が、変速機2、差動機3を介して左右のタイヤ6、
7に伝達されるよう構成されている。
【0015】変速機2の出力軸には、当該出力軸の回転
速度nを検出する出力軸回転速度センサ8が配設されて
おり、このセンサ8の検出信号nは制御装置13に出力
される。
【0016】また、変速機2の出力軸には、当該出力軸
のトルクT1、つまり駆動トルクT1を検出する出力軸ト
ルクセンサ9配設されており、このセンサ9の検出信号
T1は制御装置13に出力される。
【0017】また、車体の適宜箇所には、車体の前後方
向の加速度aを検出する車体前後加速度センサ15が配
設されており、このセンサ15の検出信号aは制御装置
13に出力される。
【0018】また、ブレーキ4、5とタイヤ6、7の間
には、ブレーキ作動中にブレーキが車体側から受ける負
荷トルクT2を検出する負荷トルクセンサ10が配設さ
れており、このセンサ10の検出信号T2は制御装置1
3に出力される。
【0019】車両のキャブ内に設けられたセレクトレバ
ーは、操作に応じて車両の前進、後進、中立を指示、選
択するものであり、このセレクトレバーには、選択位置
sを検出するセレクトレバー位置センサ12が配設され
ており、このセンサ12の検出信号sは制御装置13に
出力される。
【0020】この車両は、キャブ内に設けられたアクセ
ル操作子としてのアクセルペダルが操作されることによ
って、エンジン1が駆動され、また同キャブ内に設けら
れた図示せぬブレーキ操作子としてのブレーキペダルが
操作されることによってブレーキ4、5が作動されるよ
うになっている。上記アクセルペダルには、当該アクセ
ルペダルの変位xを検出するアクセルペダル変位センサ
11が配設されており、このセンサ11の検出信号xは
制御装置13に出力される。
【0021】また、上記ブレーキ4、5は、制御装置1
3、ブレーキ制御アクチュエータ14によって自動的に
制御される。
【0022】ここで、上記ブレーキ4、5を手動で制御
するか自動で制御するかは、上記ブレーキペダルの操作
による制動力の大きさとブレーキ制御アクチュエータ1
4による制動力の大きさによって定まる。手動による制
動力の方が自動による制動力よりも大きい場合には、手
動による制動力をもってブレーキ4、5が作動され、自
動による制動力の方が手動による制動力よりも大きい場
合には、自動による制動力をもってブレーキ4、5が作
動されることになる。
【0023】すなわち、制御装置13では、上記各セン
サ出力信号n、T1、T2、sが入力され、これらに基づ
き後述する演算処理がなされることによって、ブレーキ
制御信号Bがブレーキ制御アクチュエータ14に対して
出力される。
【0024】ブレーキ制御アクチュエータ14は、入力
されるブレーキ制御信号Bのオン・オフの内容に応じて
オン・オフ制御油圧を左右の車輪に設けられた各ブレー
キ4、5に対して送出する。この結果、ブレーキ4、5
はオン・オフ制御油圧に応じてオン(作動)・オフ(解
除)される。
【0025】本発明が適用される車両の構成としては、
図2にブロック図として示すものであってもよい。
【0026】同図2に示すように、この車両は図1の構
成のものとは異なり、負荷トルクセンサ10を設けてい
ない。この図2に示す構成のものでは、後述するよう
に、加速度センサ15で検出される車体の前後方向の加
速度aから負荷トルクを演算するものである。図1と同
一符号は同一構成要素であり、それらについての重複し
た説明は省略する。
【0027】本発明が適用される車両の構成としては、
図3にブロック図として示すものであってもよい。
【0028】同図3に示すように、この車両はバッテリ
16を電源とするモータ17によって駆動されて走行す
るものであり、モータ17の駆動力が、差動機(デフ)
3を介して左右のタイヤ6、7に伝達されるよう構成さ
れている。
【0029】なお、図1と同一の符号は同一の構成要素
であるので、それについての重複した説明は省略する。
なお、出力軸回転速度センサ8、出力軸トルクセンサ9
は、モータ17の出力軸に配設されている。
【0030】この車両は、キャブ内に設けられたアクセ
ル操作子としてのアクセルペダルが操作されることによ
って、モータ17が駆動され、また同キャブ内に設けら
れたブレーキ操作子としてのブレーキペダルが操作され
ることによってブレーキ4、5が作動されるようになっ
ている。
【0031】また、同ブレーキ4、5は、図1と同様
に、制御装置13、ブレーキ制御アクチュエータ14に
よって自動的に制御されるようになっている。
【0032】すなわち、制御装置13では、上記各セン
サ出力信号n、T1、T2、s、xが入力され、これらに
基づき後述する演算処理がなされることによって、ブレ
ーキ制御信号Bがブレーキ制御アクチュエータ14に対
して出力される。
【0033】また、同制御装置13では、後述する演算
処理がなされることによって、モータ出力軸の目標回転
速度Nが求められ、この目標回転速度Nがインバータ制
御装置19に対して出力される。
【0034】こうして制御装置13から出力されるブレ
ーキ制御信号Bに応じてブレーキ4、5は自動的にオン
(作動)・オフ(解除)制御されるとともに、同制御装
置13から出力される目標回転速度Nに応じてインバー
タ18が制御される。すなわち、インバータ制御装置1
9に入力された目標回転速度Nに応じた制御信号がイン
バータ18に出力され、インバータ18はこの制御信号
に応じてモータ17の駆動電圧周波数を変化させ、モー
タ17の出力軸の回転速度を目標回転速度Nに一致させ
る。
【0035】本発明が適用される車両の構成としては、
図4にブロック図として示すものであってもよい。
【0036】同図4に示すように、この車両は図3の構
成のものとは異なり、負荷トルクセンサ10を設けてい
ない。この図4に示す構成のものでは、後述するよう
に、加速度センサ15で検出される車体の前後方向の加
速度aから負荷トルクを演算するものである。図3と同
一符号は同一構成要素であり、それらについての重複し
た説明は省略する。
【0037】本発明が適用される車両の構成としては、
図5にブロック図として示すものであってもよい。
【0038】同図5に示すように、この車両はエンジン
1を駆動源とする発電機20を電源とするモータ17に
よって駆動されて走行するものであり、モータ17の駆
動力が、差動機(デフ)3を介して左右のタイヤ6、7
に伝達されるよう構成されている。
【0039】なお、図1、図3と同一の符号は同一の構
成要素であるので、それについての重複した説明は省略
する。なお、出力軸回転速度センサ8、出力軸トルクセ
ンサ9は、モータ17の出力軸に配設されている。
【0040】さらに、エンジン1の出力軸には、当該出
力軸の回転速度nEを検出するエンジン回転速度センサ
23が配設されており、このセンサ23の検出信号nE
は制御装置13に出力されるようになっている。
【0041】この車両は、キャブ内に設けられたアクセ
ル操作子としてのアクセルペダルが操作されることによ
って、モータ17が駆動され、また同キャブ内に設けら
れたブレーキ操作子としてのブレーキペダルが操作され
ることによってブレーキ4、5が作動されるようになっ
ている。
【0042】また、同ブレーキ4、5は、図1、図3と
同様に、制御装置13、ブレーキ制御アクチュエータ1
4によって自動的に制御されるようになっている。
【0043】すなわち、制御装置13では、上記各セン
サ出力信号n、T1、T2、s、x、nEが入力され、こ
れらに基づき後述する演算処理がなされることによっ
て、ブレーキ制御信号Bがブレーキ制御アクチュエータ
14に対して出力される。
【0044】また、同制御装置13では、後述する演算
処理がなされることによって、モータ出力軸の目標回転
速度Nが求められ、この目標回転速度Nがインバータ制
御装置19に対して出力される。
【0045】さらに、同制御装置13では、後述する演
算処理がなされることによって、エンジン出力軸の目標
回転速度NEが求められ、この目標回転速度NEがコンバ
ータ制御装置22に対して出力される。
【0046】こうして制御装置13から出力されるブレ
ーキ制御信号Bに応じてブレーキ4、5は自動的にオン
(作動)・オフ(解除)制御されるとともに、同制御装
置13から出力される目標回転速度Nに応じてインバー
タ18が制御され、さらに、同制御装置13から出力さ
れる目標回転速度NEに応じてコンバータ21が制御さ
れる。すなわち、コンバータ制御装置22に入力された
目標回転速度NEに応じた制御信号がコンバータ21に
出力され、コンバータ21はこの制御信号に応じて発電
機20から供給される電力を整流したり、発電機20を
モータとして駆動したりして、エンジン1の出力軸の回
転速度を目標回転速度NEに一致させる。
【0047】本発明が適用される車両の構成としては、
図6にブロック図として示すものであってもよい。
【0048】同図6に示すように、この車両は図5の構
成のものとは異なり、負荷トルクセンサ10を設けてい
ない。この図6に示す構成のものでは、後述するよう
に、加速度センサ15で検出される車体の前後方向の加
速度aから負荷トルクを演算するものである。図5と同
一符号は同一構成要素であり、それらについての重複し
た説明は省略する。
【0049】なお、上述した車両は左右2つの駆動輪が
設けられたもの(たとえば4輪車)を想定しているが、
本発明が適用される車両としては、1輪駆動のもの(た
とえば2輪車)であってもよい。さらに、車輪によって
走行する車両に限定されることはなく、履帯によって走
行する車両に適用する実施も当然可能である。
【0050】また、出力軸回転速度センサ8は、車速
(対地速度)、それも低速度のものを検出するセンサと
して使用しているのであり、出力軸回転速度n以外にも
車速相当のものを検出することができるセンサであれ
ば、それを代わりに使用してもよい。
【0051】また、出力軸トルクセンサ9は、車両の牽
引力を検出するセンサとして使用しているのであり、出
力軸トルクT1以外にも牽引力相当のものを検出するこ
とができるセンサであれば、それを代わりに使用しても
よい。たとえば、モータによって駆動される車両の場
合、モータのトルクは、供給電流に比例するので、牽引
力を検出するセンサとしては当該供給電流を検出するセ
ンサを使用することができる。
【0052】さらに、また、車体前後加速度センサ15
は、車体に加わる前後方向の外力(重力)を検出するセ
ンサとして使用しているのであり、車体前後加速度a以
外にも外力相当のものを検出することができるセンサで
あれば、それを代わりに使用してもよい。
【0053】さらに、上記図1ないし図6では、手動の
ブレーキと自動ブレーキとを、共用のブレーキ4、5と
しているが、手動ブレーキと自動ブレーキとを別々に設
けるようにしてもよい。
【0054】つぎに、図1に示す制御装置13で行われ
る演算処理について図7の制御ブロック図を参照して説
明する。図7はディジタルコンピュータを使用した場合
の演算処理を示している。
【0055】なお、以下の説明では、出力軸の回転速度
nは前進時には正の値を、後進時には負の値をとるもの
とする。
【0056】また、出力軸トルクT1は、差動機3が変
速機2側から受けるトルクのことであり、前進方向に駆
動する場合には、正の値を、後進方向に駆動する場合に
は、負の値をとるものとする。
【0057】同様に、負荷トルクT2は、ブレーキ4、
5がタイヤ6、7側から受けるトルクのことであり、車
体前上がりで停止中に受けるトルクを負の値とし、車体
前下がりで停止中に受けるトルクを正の値とする。
【0058】また、車体前後方向加速度aは、車体前上
がり状態で検出される加速度の方向を負とし、車体前下
り状態で検出される加速度の方向を正とする。
【0059】同図7に示すように、まず、上記各センサ
から出力軸回転速度n、アクセルペダル変位x、セレク
トレバー位置s、車体前後加速度a、出力軸トルクであ
る駆動トルクT1、負荷トルクT2の各データが逐次、制
御装置13に取り込まれる(ステップ101)。
【0060】ここで、セレクトレバー位置sが「前進」
で、かつ加速度aが負の場合、またはセレクトレバー位
置sが「後進」で、かつ加速度aが正の場合、またはセ
レクトレバー位置sが「中立」の場合になっているか
(YES)、またはこれらのいずれでもない場合か(N
O)が判定される(ステップ102)。
【0061】この結果、YESと判定された場合には、
つぎのステップ103に移行され、NOと判定された場
合には、ステップ123に移行される。すなわち、前進
または後進で降坂路を走行している場合には、ステップ
123においてブレーキフラグがオフにされ、これに伴
いブレーキ制御信号Bがオフにされ、ブレーキ4、5が
解放されることになる。ブレーキフラグのオン・オフ状
態は、制御装置13のメモリに記憶されるものとする。
ブレーキフラグがオンになると、ブレーキ制御信号Bが
ブレーキ制御アクチュエータ14に加えられ、ブレーキ
4、5が作動される。
【0062】つぎのステップ103では、制御装置13
内に記憶されているブレーキフラグの状態がオンである
か(ブレーキフラグをオンにする処理を実行するステッ
プ120をすでに通過したか)否かが判定される(ステ
ップ103)。ブレーキフラグがオンである場合には、
ブレーキ制動トルクを制御すべく、ステップ104に移
行される。一方、ブレーキフラグがオフである場合に
は、ブレーキを作動すべきか否かを判定すべく、ステッ
プ119に移行される。つぎのステップ104では、後
述のステップ120でブレーキフラグがオンにされた時
点(t=0)からの経過時間t=t+Δtが演算され
る。ここで、Δtは制御の1周期の時間間隔である。ま
た、tの上限値t1が設定されており、tは上限値t1以
上の場合には、t=t1に設定される。
【0063】また、ブレーキ制動トルクB1が、 B1=f1(t) …(1) のごとく演算される。ここで、ブレーキ制動トルクB1
は、時間tの関数であり、関数f1は、図13に示すよ
うに、時間tの増加と共に徐々に増加するものとして表
される。なお、時間の上限値t1に対応するブレーキ制
動トルクB1は、「フルブレーキング」時の制動トルク
として予め設定されておかれるものとする(ステップ1
04)。
【0064】つぎに、アクセルペダル変位xが設定値x
1よりも大きいか否か、つまりアクセルペダルが一定量
よりも大きい踏込量をもって踏み込まれているか否かが
判定される(ステップ105)。アクセルペダル変位x
が設定値x1よりも大きいと判定された場合には、アク
セルペダルを踏み込んで発進しようとしている状態であ
るとして、つぎのステップ106に移行される。アクセ
ルペダル変位xが設定値x1以下であると判定された場
合には、アクセルペダルを戻して停止状態を保ちたい状
態であるとして、ステップ118に移行される。ステッ
プ118では、ブレーキ制動トルクBをステップ104
で演算された制動トルクB1にして、このブレーキ制御
信号Bがブレーキ制御アクチュエータ14に加えられ、
ブレーキが作動される。この結果、車両が確実に停止さ
れる。
【0065】つぎのステップ106では、セレクトレバ
ー位置sが前進位置にあるか否かが判定される(ステッ
プ106)。前進位置の場合には、つぎのステップ10
7に移行され、後進位置または中立位置の場合には、ス
テップ112に移行される。
【0066】つぎに、出力軸回転速度nが0以上である
か否か、つまり車両が停止している状態または前進して
いる状態にあるか否かが判定される(ステップ10
7)。この結果、車両が停止しているか前進している状
態にあると判定されると、つぎのステップ108に移行
される。一方、車両が後進している状態にあると判定さ
れると、前進させたいときに(セレクトレバー位置sは
「前進」)、実際には後進している状態であるので、ブ
レーキ制動トルクを強めて車両を停止させるべく、ステ
ップ111に移行される。ステップ111では、現在の
ブレーキ制動トルクBに設定定数ΔB2を加算したブレ
ーキ制動トルクBが、B=B+ΔB2のごとく演算さ
れ、このブレーキ制動トルクBをもって制動がなされ
る。つまり、現在のブレーキ制動トルクに設定定数ΔB
2が加算され、ブレーキ制動力が徐々に大きくなってい
くことにより、前進で動くべきところを後進している車
両が確実に制動されることになる。
【0067】つぎのステップ108では、出力軸トルク
たる駆動トルクT1および負荷トルクT2に基づいて、ブ
レーキ制動トルクB2が、 B2=−(k1・T1+k2・T2)+ΔB1 …(2) のごとく演算される。ここで、k1は、駆動トルクT1の
検出箇所からブレーキ4、5に至るまでの減速比と、ブ
レーキが4、5と2箇所にあることを考慮した係数であ
る。また、k2は、負荷トルクT2の検出箇所からブレー
キ4、5に至るまでの減速比を考慮した係数である。
【0068】上記(2)式の意味は、アクセルペダルが
踏まれ、車両を発進させようとする動作を検出したとき
には、ブレーキ制動トルクを負荷トルクにつり合うだけ
に低下させ、ブレーキ解放時に急発進しないようにする
ということである。
【0069】ここで、駆動トルクT1は、前進方向に駆
動している場合であるので、正の値であり、一方、負荷
トルクT2は、ステップ102の判定結果より車体前上
がり状態であるから、負の値である。
【0070】そして、上記(2)式の右辺第1項の−
(k1・T1+k2・T2)の値が正であれば、つまりk1
・T1+k2・T2<0であれば、負荷トルク(T2)が駆
動トルク(T1)より大きい状態になっている。また、
−(k1・T1+k2・T2)の値が負であれば、つまりk
1・T1+k2・T2>0であれば、駆動トルク(T1)が
負荷トルク(T2)より大きい状態になっている。−
(k1・T1+k2・T2)の値が0であれば、駆動トルク
(T1)と負荷トルク(T2)が釣り合っている状態であ
る。
【0071】また、この値−(k1・T1+k2・T2)に
設定定数ΔB1を加えてB2としているのは、測定誤差
や計算誤差等を考慮して、ブレーキ解放時に、ブレーキ
制動トルクが確実に駆動トルクに打ち勝つ必要最小限の
ブレーキ制動トルクを保証するためである。ただし、場
合によっては、設定定数ΔB1を0にする実施も可能で
ある。
【0072】上記(2)式は、横軸を駆動トルクT1と
し、縦軸をブレーキ制動トルクB2としたときに、図1
4に示す直線で表される。
【0073】つまり、駆動トルクT1の大きさに応じ
て、この直線上を移動する。そして、B2≦0となる破
線の領域に入ったとき、駆動トルク(T1)が負荷トル
ク(T2)に釣り合い、以後、駆動トルク(T1)が負荷
トルク(T2)よりも大きくなっていくので、この時点
でブレーキ4、5が解放され、車両が発進されることに
なる。
【0074】なお、本実施形態では、1個の負荷トルク
センサ10で左右車軸の負荷トルクT2を検出している
が、左右車軸ごとに、それぞれ負荷トルクセンサを設
け、これら2個の負荷トルクセンサの検出値の平均値
を、負荷トルクT2としてもよい(ステップ108)。
【0075】つぎに、上記ブレーキ制動トルクB2の値
が正であるか否かが判定される(ステップ109)。こ
の結果、ブレーキ制動トルクB2の値が正であると判定
された場合には、負荷トルクT2が駆動トルクT1より大
きい状態になっている場合なので、駆動力が小さくブレ
ーキをまだ作動させておく必要があるものとして、つぎ
のステップ110に移行される。一方、ブレーキ制動ト
ルクB2の値が負、または0であると判定された場合に
は、駆動トルクT1が負荷トルクT2より大きい状態(あ
るいは釣り合っている状態)になっている場合なので、
駆動力が負荷に十分打ち勝ったものとして、ブレーキを
解放すべく、ステップ123に移行される。すなわち、
ブレーキフラグがオフにされ、これに伴いブレーキ制御
信号Bがオフにされ、ブレーキ4、5が解放されること
になる。
【0076】つぎのステップ110では、上記ステップ
104で、上記(1)式により演算されたブレーキ制動
トルクB1と、上記ステップ108で、上記(2)式に
より演算されたブレーキ制動トルクB2とが比較され
る。この比較の結果、B1>B2である場合には、実際
にブレーキ制御アクチュエータ14に与えるべきブレー
キ制動トルクBを、小さい方のブレーキ制動トルクB2
とする。一方、B1≦B2である場合には、実際にブレ
ーキ制御アクチュエータ14に与えるべきブレーキ制動
トルクBを、小さい方のブレーキ制動トルクB1とす
る。ここで、B1、B2のうち小さい方の値を、ブレー
キ制御信号Bとしてブレーキ制御アクチュエータ14に
出力し、ブレーキ4、5を作動させているのは、ブレー
キのかけ始めにショックがかからないようにし、ブレー
キ解放時に急発進しないようにするためである(ステッ
プ110)。
【0077】さて、ステップ106で、セレクトレバー
位置sが後進位置または中立位置にあると判定される
と、ステップ112において、セレクトレバー位置sが
後進位置であるか否かが判定される(ステップ11
2)。この結果、後進位置と判定されると、以下のステ
ップ113〜117において、上述したステップ107
〜111の処理と同様の処理が実行される。 一方、セ
レクトレバー位置sが後進位置ではなく中立位置である
と判定されると、ステップ118に移行される。ステッ
プ118では、ブレーキ制動トルクBをステップ104
で演算された制動トルクB1にして、このブレーキ制御
信号Bがブレーキ制御アクチュエータ14に加えられ、
ブレーキが作動される。この結果、車両が確実に停止さ
れる。
【0078】つぎに、出力軸回転速度nが0以下である
か否か、つまり車両が停止している状態または後進して
いる状態にあるか否かが判定される(ステップ11
3)。この結果、車両が停止しているか後進している状
態にあると判定されると、つぎのステップ114に移行
される。一方、車両が前進している状態にあると判定さ
れると、後進させたいときに(セレクトレバー位置sは
「後進」)、実際には前進している状態であるので、ブ
レーキ制動トルクを強めて車両を停止させるべく、ステ
ップ117に移行される。ステップ117では、現在の
ブレーキ制動トルクBに設定定数ΔB2を加算したブレ
ーキ制動トルクBが、B=B+ΔB2のごとく演算さ
れ、このブレーキ制動トルクBをもって制動がなされ
る。つまり、現在のブレーキ制動トルクに設定定数ΔB
2が加算され、ブレーキ制動力が徐々に大きくなってい
くことにより、後進で動くべきところを前進している車
両が確実に制動されることになる。
【0079】つぎのステップ114では、出力軸トルク
たる駆動トルクT1および負荷トルクT2に基づいて、ブ
レーキ制動トルクB2が、 B2=(k1・T1+k2・T2)+ΔB1 …(3) のごとく演算される。
【0080】ここで、駆動トルクT1は、後進方向に駆
動している場合であるので、負の値であり、一方、負荷
トルクT2は、ステップ102の判定結果より車体後上
がり状態であるから、正の値である。
【0081】そして、上記(3)式の右辺第1項の(k
1・T1+k2・T2)の値が正であれば、負荷トルク(T
2)が駆動トルク(T1)より大きい状態になっている。
また、(k1・T1+k2・T2)の値が負であれば、駆動
トルク(T1)が負荷トルク(T2)より大きい状態にな
っている。(k1・T1+k2・T2)の値が0であれば、
駆動トルク(T1)と負荷トルク(T2)が釣り合ってい
る状態である。
【0082】また、この値(k1・T1+k2・T2)に設
定定数ΔB1を加えてB2としているのは、測定誤差や
計算誤差等を考慮して、ブレーキ解放時に、ブレーキ制
動トルクが確実に駆動トルクに打ち勝つ必要最小限のブ
レーキ制動トルクを保証するためである。ただし、場合
によっては、設定定数ΔB1を0にする実施も可能であ
る。
【0083】なお、上記(3)式は、前述した図14と
同様にして説明される(ステップ114)。
【0084】つぎに、上記ブレーキ制動トルクB2の値
が正であるか否かが判定される(ステップ115)。こ
の結果、ブレーキ制動トルクB2の値が正であると判定
された場合には、負荷トルクT2が駆動トルクT1より大
きい状態になっている場合なので、駆動力が小さくブレ
ーキをまだ作動させておく必要があるものとして、つぎ
のステップ116に移行される。一方、ブレーキ制動ト
ルクB2の値が負、または0であると判定された場合に
は、駆動トルクT1が負荷トルクT2より大きい状態(あ
るいは釣り合っている状態)になっている場合なので、
駆動力が負荷に十分打ち勝ったものとして、ブレーキを
解放すべく、ステップ123に移行される。すなわち、
ブレーキフラグがオフにされ、これに伴いブレーキ制御
信号Bがオフにされ、ブレーキ4、5が解放されること
になる。
【0085】つぎのステップ116では、上記ステップ
104で、上記(1)式により演算されたブレーキ制動
トルクB1と、上記ステップ114で、上記(3)式に
より演算されたブレーキ制動トルクB2とが比較され
る。この比較の結果、B1>B2である場合には、実際
にブレーキ制御アクチュエータ14に与えるべきブレー
キ制動トルクBを、小さい方のブレーキ制動トルクB2
とする。一方、B1≦B2である場合には、実際にブレ
ーキ制御アクチュエータ14に与えるべきブレーキ制動
トルクBを、小さい方のブレーキ制動トルクB1とす
る。ここで、B1、B2のうち小さい方の値を、ブレー
キ制御信号Bとしてブレーキ制御アクチュエータ14に
出力し、ブレーキ4、5を作動させているのは、ブレー
キのかけ始めにショックがかからないようにし、ブレー
キ解放時に急発進しないようにするためである(ステッ
プ116)。さて、上記ステップ103で、ブレーキフ
ラグがオフであると判定された場合には、ブレーキ制御
すべきか否かを判断すべく、出力軸回転速度nが|n|
<n1であり、かつ減速中である場合、またはセレク
トレバー位置sが中立位置であり、出力軸回転速度nが
|n| <n1である場合(YES)か、またはこれら
の何れでもない(NO)かの判定がなされる。ただし、
上記n1は、設定回転速度であり、車両停止寸前の値に
設定してあるものとする。また、減速中であることは、
nの時間変化を捕らえることにより検出することができ
る(ステップ119)。この結果、YESと判定された
場合には、ブレーキを作動させるべき状態にあるとし
て、つぎのステップ120に移行される。NOと判定さ
れた場合には、ブレーキを作動させないままにすべき状
態にあるとして、ステップ123に移行される。すなわ
ち、ブレーキフラグがオフにされ、これに伴いブレーキ
制御信号Bがオフにされ、ブレーキ4、5が解放される
ことになる。
【0086】つぎのステップ120では、ブレーキフラ
グがオンにされ、時間tがリセットされる(ステップ1
20)。
【0087】つぎに、ブレーキ制動トルクB1が、上記
(1)式のB1=f1(t)から求められ、このB1
を、ブレーキ制御アクチュエータ14に実際に与えるべ
きブレーキ制動トルクBとする(ステップ121)。
【0088】こうして、ステップ121、ステップ11
0、ステップ111、ステップ116、ステップ11
7、ステップ118で、ブレーキ制御アクチュエータ1
4に実際に与えるべきブレーキ制動トルクBが求められ
ると、この大きさのブレーキ制御信号Bがブレーキ制御
アクチュエータ14に加えられ、この制動トルクBをも
ってブレーキ4、5が作動される。
【0089】また、上記(1)式の関数f1の逆関数f2
に基づき、現在、ブレーキ制御アクチュエータ14に与
えられているブレーキ制動トルクBに対応する時間t
が、t=f2(B)のごとく演算される。
【0090】こうして求められた時間t´は、ステップ
104で次回のB1を演算する際の基準の時間t´(t
=t´+Δt)となる。
【0091】これを、図13を参照して説明すると、前
回(制御の1周期Δt前)、ブレーキ制御アクチュエー
タ14に対して、ブレーキ制動トルクB´を出力したも
のとすると、この制動トルクB´に対応する時間t´
が、t´=f2(B´)のごとく求められる。そして、
今回(1周期Δt経過後)には、上記時間t´からΔt
経過した時間tに対応するブレーキ制動トルクB´1
が、上記(1)式(B1=f1(t))から求められる
ことになる。
【0092】このように、時間tがt=f2(B)と演
算されることにより、アクセルペダル変位xが変化する
ことによってブレーキ制動トルクが上下することなく、
ブレーキ制動トルクは徐々に変化することになり、ブレ
ーキかけ始めのときにショックなく制動することができ
る(ステップ122)。
【0093】つぎに、図2に示す制御装置13で行われ
る演算処理について、図8に示す制御フローチャートを
参照して説明する。
【0094】図7のフローチャートと異なる箇所は、ス
テップ101の処理の代わりにステップ124の処理が
行われ、ステップ108の処理の代わりにステップ12
5の処理が行われ、ステップ114の処理の代わりにス
テップ126の処理が行われている点である。以下、こ
れらステップ124とステップ125とステップ126
についてのみ説明し、他の重複した説明は省略する。
【0095】すなわち、ステップ124では、各センサ
から、出力軸回転速度n、アクセルペダル変位x、セレ
クトレバー位置s、加速度a、出力軸トルクである駆動
トルクT1の各データが、逐次制御装置13に取り込ま
れる。ここで、図7のステップ101との違いは、負荷
トルクT2のデータ取込みがないだけである(ステップ
124)。
【0096】ステップ125では、出力軸トルクである
駆動トルクT1および加速度aとに基づいて、ブレーキ
制動トルクB2が、 B2=−(k1・T1+k3・a)+ΔB1 …(4) のごとく演算される。
【0097】ここで、k3は、上記(2)式のk2と同様
の係数である。
【0098】上記(4)式において、いま、駆動トルク
T1は、正の値になっており、加速度aはステップ10
2の判定結果より車体前上がり状態であるから負の値に
なっている。そして、上記(4)式の右辺第1項の−
(k1・T1+k3・a)の値が正であれば、負荷トルク
k3・aが駆動トルクk1・T1よりも大きい状態であ
り、負であれば、駆動トルクk1・T1が負荷トルクk3
・aよりも大きい状態である。0であれば、これら駆動
トルクk1・T1と負荷トルクk3・aが釣り合っている
状態である。
【0099】このように、図8の処理では、車体にかか
る重力加速度aの大きさから負荷トルクk3・aを求め
るようにしている。つまり、重力加速度aが大きいほ
ど、車両が走行する斜面が急勾配であり(傾斜角大)、
それだけ車体に負荷が大きくかかっている、という知見
に基づき、加速度aから負荷トルクを演算するようにし
ている。ただし、正確には、車両の重量に応じて負荷ト
ルクは異なるので、加速度a以外にも車両重量というパ
ラメータを加味して負荷トルクを演算する必要がある
(ステップ125)。
【0100】ステップ126では、出力軸トルクである
駆動トルクT1および加速度aとに基づいて、ブレーキ
制動トルクB2が、 B2=(k1・T1+k3・a)+ΔB1 …(5) のごとく演算される。
【0101】ここで、駆動トルクT1は負の値であり、
加速度aはステップ102の判定結果より車体後上がり
状態であるから正の値である。そして、(k1・T1+k
3・a)の値が正であれば、負荷トルクk3・aが駆動ト
ルクk1・T1よりも大きい状態であり、負であれば、駆
動トルクk1・T1が負荷トルクk3・aよりも大きい状
態である。0であれば、これら駆動トルクk1・T1と負
荷トルクk3・aが釣り合っている状態である。このよ
うに、このステップ126でも、上記ステップ125と
同様に、車体にかかる重力加速度aの大きさから負荷ト
ルクk3・aを求めるようにしている(ステップ12
6)。
【0102】つぎに、図3に示す制御装置13で行われ
る演算処理について図9に示す制御フローチャートを参
照して説明する。
【0103】図7のフローチャートと異なる箇所は、ス
テップ101とステップ102との間でステップ127
の処理が行われ、ステップ122の処理の代わりにステ
ップ128の処理が行われ、ステップ123の処理の代
わりにステップ129の処理が行われている点である。
以下、これらステップ127とステップ128とステッ
プ129についてのみ説明し、他の重複した説明は省略
する。
【0104】すなわち、ステップ127では、アクセル
ペダル変位x、出力軸回転速度n、セレクトレバー位置
sを変数とする関数f3によって、モータ17の目標回
転速度Nが、 N=f3(x、n、s) のごとく演算される(ステップ127)。
【0105】ステップ128では、時間tが、t=f2
(B)のごとく演算され、ブレーキ制動トルクBがブレ
ーキ制御アクチュエータ14に出力されている点は、図
7のステップ122と同様であるが、さらに、モータ1
7の目標回転速度Nがインバータ制御装置19に出力さ
れる(ステップ128)。
【0106】ステップ129では、ブレーキフラグがオ
フにされ、ブレーキ4、5が解放される点は、図7のス
テップ123と同様であるが、さらに、モータ17の目
標回転速度Nがインバータ制御装置19に出力される
(ステップ129)。
【0107】つぎに、図4に示す制御装置13で行われ
る演算処理を、図10に示す制御フローチャートを参照
して説明する。
【0108】図9のフローチャートと異なる箇所は、ス
テップ101の処理の代わりにステップ124の処理が
行われ、ステップ108の処理の代わりにステップ12
5の処理が行われ、ステップ114の処理の代わりにス
テップ126の処理が行われている点である。つまり、
図8の処理と同様に、車体にかかる重力加速度aの大き
さから負荷トルクk3・aを求めるようにしている。こ
れらステップ124、ステップ125、ステップ126
の処理は、図8ですでに説明したとおりである。
【0109】つぎに、図5に示す制御装置13で行われ
る演算処理について図11の制御フローチャートを参照
して説明する。
【0110】図9とのフローチャートと異なる箇所は、
ステップ127の処理の代わりにステップ130の処理
が行われ、ステップ128の処理の代わりにステップ1
31の処理が行われ、ステップ129の処理の代わりに
ステップ132の処理が行われている点である。以下、
これらステップ130とステップ131とステップ13
2についてのみ説明し、他の重複した説明は省略する。
【0111】すなわち、ステップ130では、アクセル
ペダル変位x、経過時間τを変数とする関数f4によっ
て、エンジン1の目標回転速度NEが、 NE=f4(x、τ) のごとく演算される。この演算は、アクセルペダル変位
xに対応したエンジン1の目標回転速度NE(x)と、
前回演算したエンジン1の目標回転速度NEとNEの時間
に対する上昇と下降の限度カーブNE(τ)により演算
されるNE(τ)の値を比較し、変化量の少ない方をNE
とするものである。
【0112】これを、図15、図16、図17を参照し
て説明すると、まず、アクセルペダル変位xに対応する
エンジン1の目標回転速度NE(x)が図15に示す対
応関係から求められる。
【0113】つぎに、アクセルペダル変位xが、前回値
よりも大きい場合には、図16の対応関係から、前回値
よりも小さい場合には、図17の対応関係から、前回出
力されたエンジン1の目標回転速度NEに対応する時間
τが求められる。
【0114】つぎに、時間τ=τ+Δtが演算され、こ
の時間τに対応するエンジン1の目標回転速度の上下限
値NE(τ)が図16または図17から演算される。
【0115】つぎに、前回出力された目標回転速度NE
に対してNE(x)の変化量とNE(τ)の変化量とが比
較され、変化量の小さい方が、今回出力すべき目標回転
速度NEとされる。
【0116】以上が、上記演算NE=f4(x、τ)の内
容である。
【0117】また、エンジン回転速度nE、エンジン1
の目標回転速度NE、出力軸回転速度n、セレクトレバ
ー位置sを変数とする関数f5によって、モータ17の
目標回転速度Nが、 N=f5(nE、NE、n、s) のごとく演算される。
【0118】この演算の一例として、セレクトレバー位
置sが前進位置のとき、N=n+kE・(nE−NE)と
することなどが考えられる。ただし、kEは係数である
(ステップ130)。
【0119】ステップ131では、時間tが、t=f2
(B)のごとく演算され、ブレーキ制動トルクBがブレ
ーキ制御アクチュエータ14に出力されている点は、図
7のステップ122と同様であるが、さらに、モータ1
7の目標回転速度Nがインバータ制御装置19に出力さ
れ、エンジン1の目標回転速度NEがコンバータ制御装
置22に出力される(ステップ131)。
【0120】ステップ132では、ブレーキフラグがオ
フにされ、ブレーキ4、5が解放される点は、図7のス
テップ123と同様であるが、さらに、モータ17の目
標回転速度Nがインバータ制御装置19に出力され、エ
ンジン1の目標回転速度NEがコンバータ制御装置22
に出力される(ステップ132)。
【0121】つぎに、図6の制御装置13で行われる演
算処理を図12に示す制御フローチャートを参照して説
明する。
【0122】図11のフローチャートと異なる箇所は、
ステップ101の処理の代わりにステップ124の処理
が行われ、ステップ108の処理の代わりにステップ1
25の処理が行われ、ステップ114の処理の代わりに
ステップ126の処理が行われている点である。つま
り、図8の処理と同様に、車体にかかる重力加速度aの
大きさから負荷トルクk3・aを求めるようにしてい
る。これらステップ124、ステップ125、ステップ
126の処理は、図8ですでに説明したとおりである。
【0123】なお、本実施形態では、出力軸トルクであ
る駆動軸トルクT1、逆駆動軸トルクである負荷トルク
T2をトルクセンサ8、9により直接検出するようにし
ているが、他の検出値に基づき、これらトルクT1、T2
を検出、演算するようにしてもよい。
【0124】例えば、トルクコンバータを使用した車両
であれば、エンジン回転速度とトルクコンバータ出力軸
回転速度を検出し、これらに基づき駆動トルクT1を演
算することができる。また、同じくトルクコンバータを
使用した車両であれば、エンジン回転速度と速度段とト
ランスミッション出力軸回転速度を検出し、これらに基
づき駆動軸トルクT1を演算することができる。
【0125】また、トルクコンバータを使用しない車両
において、アクセルペダル変位とエンジン回転速度と速
度段とを検出し、これらに基づき駆動軸トルクT1を演
算することができる。
【0126】同じくトルクコンバータを使用しない車両
であれば、アクセルペダル変位と速度段とトランスミッ
ション出力軸回転速度を検出し、これらに基づき駆動軸
トルクT1を演算することができる。
【0127】また、本実施形態では、加速度センサ15
から加速度aを直接検出するようにしているが、加速度
センサ15の代わりに傾斜角度検出器を車体に配設し、
この傾斜角度検出器で検出される車体の傾斜角度から、
加速度aを演算するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る車両のブレーキ制御装置の
実施例装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明に係る車両のブレーキ制御装置の
実施例装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は本発明に係る車両のブレーキ制御装置の
実施例装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は本発明に係る車両のブレーキ制御装置の
実施例装置の構成例を示すブロック図である。
【図5】図5は本発明に係る車両のブレーキ制御装置の
実施例装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】図6は本発明に係る車両のブレーキ制御装置の
実施例装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】図7は図1に示す制御装置で実行される処理の
手順を示す制御フローチャートである。
【図8】図8は図2に示す制御装置で実行される処理の
手順を示す制御フローチャートである。
【図9】図9は図3に示す制御装置で実行される処理の
手順を示す制御フローチャートである。
【図10】図10は図4に示す制御装置で実行される処
理の手順を示す制御フローチャートである。
【図11】図11は図5に示す制御装置で実行される処
理の手順を示す制御フローチャートである。
【図12】図12は図6に示す制御装置で実行される処
理の手順を示す制御フローチャートである。
【図13】図13は時間の経過とともにブレーキ制動ト
ルクが上昇する、時間とブレーキ制動トルクの対応関係
を説明するグラフである。
【図14】図14は駆動トルクとブレーキ制動トルクと
の対応関係を説明するグラフである。
【図15】図15はアクセルペダル変位とエンジン目標
回転速度との対応関係を説明するグラフである。
【図16】図16は時間とエンジン目標回転速度の上昇
限度との対応関係を説明するグラフである。
【図17】図17は時間とエンジン目標回転速度の下降
限度との対応関係を説明するグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン 13 制御装置 17 モータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のブレーキの作動を制御する車
    両のブレーキ制御装置において、 前記車両のブレーキを作動すべきことを判定するブレー
    キ作動判定手段と、 前記ブレーキ作動判定手段で前記車両のブレーキを作動
    すべきと判定された場合に、ブレーキ制動トルクが時間
    の経過に伴い徐々に増加されるように、前記車両のブレ
    ーキを作動させる制御手段とを具えた車両のブレーキ制
    御装置。
  2. 【請求項2】 車両のブレーキの作動を制御する車
    両のブレーキ制御装置において、 前記車両の駆動系によって当該車両を駆動する駆動トル
    クを検出する駆動トルク検出手段と、 前記車両の外部より駆動系に与えられる逆駆動トルクを
    検出する逆駆動トルク検出手段と、 駆動トルクが増大するに伴ってブレーキ制動トルクが減
    少し、かつ駆動トルクが逆駆動トルクと略一致したとき
    にブレーキ制動トルクが零になるように、駆動トルクお
    よび逆駆動トルクとブレーキ制動トルクとの関係式を設
    定するブレーキ制動トルク設定手段と、 前記ブレーキ制動トルク設定手段で設定された関係式か
    ら、前記駆動トルク検出手段で検出された駆動トルク
    と、前記逆駆動トルク検出手段で検出された逆駆動トル
    クとに対応するブレーキ制動トルクを求め、このブレー
    キ制動トルクが得られるように、前記車両のブレーキを
    制御するブレーキ制御手段とを具えた車両のブレーキ制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記逆駆動トルク検出手段は、前記車
    両の車体の前後方向の加速度を検出する加速度検出手段
    の検出値に基づき逆駆動トルクを検出するものである請
    求項2記載の車両のブレーキ制御装置。
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