JP4873295B2 - ハードコート層を備えた光学積層体 - Google Patents

ハードコート層を備えた光学積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP4873295B2
JP4873295B2 JP2006088828A JP2006088828A JP4873295B2 JP 4873295 B2 JP4873295 B2 JP 4873295B2 JP 2006088828 A JP2006088828 A JP 2006088828A JP 2006088828 A JP2006088828 A JP 2006088828A JP 4873295 B2 JP4873295 B2 JP 4873295B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
refractive index
acrylate
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006088828A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007264279A (ja
Inventor
尾 智 之 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2006088828A priority Critical patent/JP4873295B2/ja
Publication of JP2007264279A publication Critical patent/JP2007264279A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4873295B2 publication Critical patent/JP4873295B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ハードコート層を備えた光学積層体に関する。
ハードコート層を備えた光学積層体は、光学機器の画像表示部、乗り物のフロントガラス、または特殊建築用資材等において、光の反射を抑制する目的で使用されている。特に、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極管表示装置(CRT)等の画像表示装置における画像表示面は、外部光源から照射された光線による反射を少なくし、その視認性を高めることが要求される。これに対して、光透過性基材に、ハードコート層を備えた光学積層体(例えば、反射防止積層体)を利用することにより、画像表示装置の画像表示面の反射を低減させ視認性を向上させることが一般になされている(特許文献1:特許公開2005−163035)。
ハードコート層を備えた光学積層体は、一般には、硬化性樹脂(例えば、アクリル系樹脂)を用いたクリアーな積層体として形成されるものである。他方、反射防止積層体には、防眩性を付与した防眩性反射防止積層体が提案され実用化されている。防眩性反射防止積層体は、一般には、ハードコート層の最表面に凹凸形状を形成してなるもの、または、樹脂に防眩剤を添加して表面に凹凸形状を施した防眩層として形成されてなるものが一般的とされている(特許文献2:特開2005−156683)
しかしながら、クリアー反射防止光学積層体に利用されるハードコート層は、一般に、その屈折率が1.5未満とされ、反射防止光学積層体としての所望の屈折率(1.5超過)を達成することは困難であるとされていた。このため、従来、高屈折率を有するチタン、アンチモン等の金属酸化物微粒子をハードコート層に添加して、その屈折率を高めることが一般的になされていた。しかしながら、金属酸化物の微粒子の添加は、所望の屈折率を実現することができるものの、光学積層体のヘイズ値が上昇し、その結果、光学積層体が白化したり、または、光学積層体の全光線透過率が低下し画像視認性が低下することがあるとの指摘がしばしばなされていた。また、防眩性反射防止光学積層体は、凹凸形状を形成する工程または防眩層を形成する工程が必要となり、製造工程が複雑化し、かつ、コストが嵩む等の問題がある。
従って、現在、適切な有機材料を使用し、高い硬化度と、高い屈折率と、耐擦傷性とを実現できる防眩性ハードコート層を有した光学積層体の開発が急務とされている。
特開2005−163035号公報 特開2005−156683号公報
本発明者等は、本発明時において、屈折率と反応速度が相違する第1の樹脂と第2の樹脂とを用いることにより、凹凸形状を有効に形成して防眩性を発揮することができ、かつ、ハードコート層の屈折率を高い値とすることが可能となり、かつ、ハードコート層の高い硬化度と、耐擦傷性、耐気候性、防着色性等を高い次元で達成できるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
従って、本発明は、光透過性基材の上に、ハードコート層を少なくとも有してなる光学積層体であって、
第1の樹脂と第2の樹脂とを含んでなり、
第1の樹脂と第2の樹脂とは、屈折率と硬化速度がそれぞれ相違するものであり、
前記ハードコート層の最表面が、第1の樹脂と第2の樹脂との硬化物により凹凸形状を有してなるものである。
光学積層体
1.ハードコート層
本発明において、「ハードコート層」とは、JIS5600−5−4(1999年)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。また、本発明にあって、「ハードコート層」はハードコートフィルム、ハードコート板、ハードコート膜等のいずれの形態をも包含するものである。ハードコート層の層厚(硬化時)は0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmの範囲にあることが好ましい。
1)樹脂
本発明にあっては、第1の樹脂と第2の樹脂とを用いて形成されてなる。第1の樹脂と第2の樹脂とは、屈折率と硬化速度がそれぞれ相違するものが用いられる。このような樹脂の混合硬化物を用いることにより、ハードコート層の最表面を、凹凸形状として形成することができる。第1の樹脂と第2の樹脂との硬化速度が相違するとは、いずれか一方の樹脂が他方の樹脂と比較して、硬化速度(反応速度)が早い又は遅いことを意味する。本発明の好ましい態様によれば、第1の樹脂と第2の樹脂とを硬化させる場合、第1の樹脂と第2の樹脂とが相溶しないうちに、硬化させてなることが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、第1の樹脂の屈折率が1.6以上であり、第2の樹脂の屈折率が1.45超過1.6未満であり、かつ、両樹脂の硬化速度が相違するものが用いられる。また、第1の樹脂の屈折率が1.6以上であり、第2の樹脂の屈折率が1.45以下であり、かつ、両樹脂の硬化速度が相違するものが用いられる。さらに、第1の樹脂の屈折率が1.45超過1.6未満であり、第2の樹脂の屈折率が1.45以下であり、かつ、両樹脂の硬化速度が相違するものが用いられる。
屈折率が1.6以上である樹脂としては、硫黄原子含有モノマーが挙げられ、具体的には、ビス[(4―メタクリロイルチオ)フェニル]スルフィド 、ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド、ビス(4―ビニルチオフェニル)スルフィド、ビス[4−(2、3―エポキシプロピルチオ)フェニル]スルフィド、4,4’−チオジベンゼンチオール、テトラキス‐(7−メルカプト−2,5−チオヘプチル)メタンなどが挙げられ、好ましくは、ビス[(4―メタクリロイルチオ)フェニル]スルフィド 、ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド、ビス(4―ビニルチオフェニル)スルフィドが挙げられる。硫黄原子含有モノマーは、市販品を使用することができ、例えば、S2EG、MPSMA、MPS、MPT、BDS、MPV、MPG、PTD等(住友精化社製)、IUL2000、IUL3000、IUMS1010等(三菱ガス化学社製)、EGMP-4、TMMP、TEMPIC、PEMP、DPMP等(境化学社製)が挙げられ、特に、S2EG、MPV、MPSMAが好ましい。
屈折率が1.45超過1.6未満である樹脂としては、ウレタンアクリレート、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマーが挙げられ、具体的には、2官能〜多官能(好ましくは6官能以上)のウレタンアクリレート、2官能〜多官能(好ましくは3官能以上)のアクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーが挙げられる。
アクリル系モノマー又はメタクリル系モノマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。
2官能アクリレートの具体例としては、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、 3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、 4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、1、 6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1、 9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1、 10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸エトキシ変性ジ(メタ)アクリレート(イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート)、2官能ポリエステルアクリレート、2官能エポキシアクリレート等が挙げられる。
3官能アクリレートの具体例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、 3官能ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
4官能アクリレートの具体例としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
5官能以上のアクリレートの具体例としては、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
アクリレート樹脂は市販品を使用することができ、具体的には、日本化薬社製のKAYARAD、KAYAMERシリーズ、例えば、DPHA、PET30、GPO303、TMPTA、THE330、TPA330、D310、 D330、PM2、PM21、DPCA20、DPCA30、DPCA60、DPCA120等が挙げられ;東亞合成社製のアロニックスシリーズ、例えば、M215,M245,M240,M203,M208,M210,M220,M225,M243,M260,M270,M305、M309、M310、M315、M320、M327、 M350、 M360、M402、M408、 M450、 M7100、M7300K、 M8030、 M8060、 M8100、M8530、 M8560、 M9050等が挙げられ;新中村化学社製のNKエステルシリーズ、例えば、TMPT、A−TMPT、A−TMM−3、A−TMM3L、A−TMMT、A−TMPT−6EO、A−TMPT−3CL、A−GLY−3E、A−GLY−6E、A−GLY−9E、A−GLY−11E、A−GLY−18E、A−GLY−20E、A−9300、AD−TMP−4CL、AD−TMP等が挙げられ;新中村化学社製のNKエコノマーシリーズ、例えば、ADP51、ADP33、ADP42、ADP26、ADP15等が挙げられ;第一工業製薬社製のニューフロンティアシリース、例えば、TMPT、TMP3、TMP15、TMP2P、 TMP3P、PET3、TEICA等が挙げられ;ダイセルユーシービー社製のEbecrylシリーズ、例えばTMPTA、TMPTAN、160、TMPEOTA、OTA480、53、PETIA、 2047、40、140、1140、PETAK、DPHA等が挙げられ;サーマー社製のCD501、CD9021、 CD9052、 SR351、SR351HP、 SR351LV、SR368、SR368D、SR415、SR444、SR454、SR454HP、SR492、SR499、SR502、SR9008、SR9012、 SR9020、 SR9020HP、SR9035、CD9051、 SR350、 SR9009、 SE9011、SR295、SR355、SR399、SR399LV、SR494、SR9041等が挙げられる。
ウレタンアクリレート樹脂は、いずれのものを使用することができるが、具体的には、下記のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とから縮合してなるウレタン骨格を有する化合物が挙げられる。
ポリオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリシクロデカンジメチロール、シクロヘキサンジメチロール、トリメチロールプロパン、グリセリン、1、 3-プロパンジオール、1、 4-ブタンジオール、1、 3-ブタンジオール、2、 3-ブタンジオール、1、 5-ペンタンジオール、2、 4-ペンタンジオール、1、 2-ヘキサンジオール、1、 6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1、 9-ノナンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリール、ビスフェノールAポリエトキシグリコール、ポリカーボネートポリオール、ペンタエリスルトール、ソルビトール、スクロース、クオドロールなポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、水添ダイマージオールペンタエリトリトール等;トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスルトール、ソルビトール、スクロース、クオドロール等の3価以上の水酸基を含有する化合物を、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの環状エーテル化合物で変性することにより得られるポリエーテルポリオール;カプロラクトンで変性することにより得られるポリカプロラクトンポリオール;2塩基酸とジオールからなるポリエステルで変性することにより得られるポリエステルポリオール;及びこれらの二種以上の混合物を挙げることができる。
より具体的には、EO変性トリメチロールプロパン、PO変性トリメチロールプロパン、テトラヒドロフラン変性トリメチロールプロパン、カプロラクトン変性トリメチロールプロパン、EO変性グリセリン、PO変性グリセリン、テトラヒドロフラン変性グリセリン、カプロラクトン変性グリセリン、EO変性ペンタエリスリトール、PO変性ペンタエリスリトール、テトラヒドロフラン変性ペンタエリスリトール、カプロラクトン変性ペンタエリスリトール、EO変性ソルビトール、PO変性ソルビトール、カプロラクトン変性ソルビトール、EO変性スクロース、PO変性スクロース、EO変性スクロース、EO変性クオドール等及びこれらの二種以上の混合物を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、2、 4-トリレンジイソシアネート、2、 6-トリレンジイソシアネート、4、 4-ジフェニルメタンジイソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、p-キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、1、 5-ナフチレンジイソシアネート、o-トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4、 4’-メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1、 3-(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、およびこれらのビュレット化物、ヌレート化物等の重縮合物、及びこれらの二種以上の混合物を挙げることができる。特に好ましくは、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート化物、イソホロンジイソシアネートのヌレート化物等が挙げられ、より好ましくは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。
ウレタンアクリレート樹脂は市販品を使用することができ、その具体的としては、日本合成社製の紫光シリーズ、例えば、UV1700B、UV6300B、UV765B、UV7640B、UV7600B等が挙げられ;根上工業社製のアートレジンシリーズ、例えば、アートレジンHDP、アートレジンUN9000H、アートレジンUN3320HA、アートレジンUN3320HB、アートレジンUN3320HC、アートレジンUN3320HS、アートレジンUN901M、アートレジンUN902MS、アートレジンUN903等が挙げられ;新中村化学社製のUA100H、U4H、U6H、U15HA、UA32P、U6LPA、U324A、U9HAMI等が挙げられ;ダイセル・ユーシービー社製のEbecrylシリーズ、例えば、1290、5129、254、264、265、1259、1264、 4866、9260、8210、204、205、6602、220、4450等が挙げられ;荒川化学社製のビームセットシリーズ、例えば、371、371S、577、577BV、577AK等が挙げられ;三菱レーヨン社製のRQシリーズ。大日本インキ社製のユニディックシリーズ等が挙げられ;DPHA40H(日本化薬社製)、CN9006(サーマー社製)、CN968等が挙げられる。この中でも、好ましくは、UV1700B(日本合成社製)、DPHA40H(日本化薬社製)、アートレジンHDP(根上工業社製)、ビームセット371(荒川化学社製)、U15HA(新中村化学社製)等が挙げられる。
屈折率が1.45超過の樹脂の具体例としては、フッ素原子含有モノマー、フッ素原子含有ポリマー、フッ素原子含有オリゴマー、あるいはケイ素原子含有モノマー、ケイ素原子含有ポリマー、ケイ素原子含有オリゴマーが挙げられる。
2)重合開始剤
本発明にあっては、第1の樹脂と第2の樹脂とを硬化させる場合、重合開始剤を用いておこなってよい。本発明にあっては、第1の樹脂と第2の樹脂とを混合し、相溶しない状況で、硬化させることが好ましく、このような硬化を実現しうる重合開始剤を選択し使用することが好ましい。
重合開始剤としては、365nm以上の波長における吸光係数が100ml/g・cm以下のものが好ましい。このような重合開始剤の具体例としては、市販品として、IRGACURE184、IRGACURE2959、DAROCUR1173、IRGACURE250、IRGACURE754、DAROCUR EDB、DAROCUR EHA等(チバスペシャルケミカルズ社製)が挙げられる。
本発明にあって、「吸光係数」とは、吸収分光(Absorption Spectroscopy)を用いて測定した値をいう。吸光係数は、吸収分光の一般的な測定方法により測定されてよい。例えば、照射X線が特定の物質に吸収されて減衰する事を測定したX線吸収分光法を利用することができる。
3)溶剤
ハードコート層を形成するには、上記成分に溶剤を混合した組成物を利用することができる。溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、ケトン類、エステル類が挙げられる。
浸透性溶剤
本発明にあっては、浸透性溶剤をも利用することができる。本発明にあっては、浸透性溶剤の「浸透性」とは、光透過性基材に対して浸透性、膨潤性、湿潤性等のすべての概念を包含する意である。浸透性溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、エステル類、ケトン類が挙げられる。
浸透性溶剤のより具体的な例としては、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ニトロメタン、1、 4―ジオキサン、ジオキソラン、N―メチルピロリドン、N、 N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジイソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブが挙げられ、好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
浸透性溶剤の添加量は、適宜定めることができるが、例えば、ハードコート層用組成物全量に対して、0.01重量部以上50重量部以下であり、好ましくは下限が0.1重量部(より好ましくは1重量部)以上であり、上限が25重量部(より好ましくは15重量部)以下である。
4)任意成分
本発明によるハードコート層は上記した成分によって形成されてなるが、ハードコート層の光学特性機能を高めるために、任意成分を添加してもよい。
導電剤(帯電防止剤)
導電剤(帯電防止剤)の添加により、光学積層体の表面における塵埃付着を有効に防止することができる。導電剤(帯電防止剤)の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性化合物、スズおよびチタンのアルコキシドのような有機金属化合物およびそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、または金属キレート部を有し、かつ、電離放射線により重合可能なモノマーまたはオリゴマー、或いは官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
また、帯電防止剤として、導電性微粒子が挙げられる。導電性微粒子の具体例としては、金属酸化物からなるものを挙げることができる。そのような金属酸化物としては、ZnO(屈折率1.90、以下、カッコ内の数値は屈折率を表す。)、CeO(1.95)、Sb(1.71)、SnO(1.997)、ITOと略して呼ばれることの多い酸化インジウム錫(1.95)、In(2.00)、Al(1.63)、アンチモンドープ酸化錫(略称;ATO、2.0)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称;AZO、2.0)等を挙げることができる。微粒子とは、1ミクロン以下の、いわゆるサブミクロンの大きさのものを指し、好ましくは、平均粒径が0.1nm〜0.1μmのものである。
また、帯電防止剤として、導電性ポリマーが挙げられ、その具体例としては、脂肪族共役系のポリアセチレン、芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)が挙げられ、これら以外に、分子中に複数の共役鎖を持つ共役系である複鎖型共役系、前述の共役高分子鎖を飽和高分子にグラフトまたはブロック共重した高分子である導電性複合体等を挙げられる。
帯電防止剤の添加量は、適宜定めることができるが、例えば、ハードコート層用組成物全量に対して、0.01重量部以上50重量部以下であり、好ましくは下限が0.1重量部以上であり、上限が25重量部以下である。
防眩剤
防眩剤としては微粒子が挙げられ、その形状は、真球状、楕円状などのものであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、微粒子は無機系、有機系のものが挙げられる。微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものがよい。微粒子の具体例としては、無機系であればシリカビーズ、有機系であればプラスチックビーズが挙げられ、より好ましくは、透明性を有するものが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。
防眩剤を添加する際に、沈降防止剤を添加することが好ましい。沈降防止剤を添加することにより、樹脂ビーズの沈殿を抑制し、溶媒内に均一に分散させることができるからである。沈降防止剤の具体例としては、粒径が0.5μm以下、好ましくは0.1〜0.25μm程度のシリカビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。
防眩剤の添加量は、適宜定めることができるが、例えば、ハードコート層用組成物全量に対して、0.001重量部以上75重量部以下であり、好ましくは下限が0.01重量部以上であり、上限が50重量部以下である。
防汚染剤
防汚染剤は、光学積層体の最表面の汚れ防止を主目的とし、さらに光学積層体の耐擦傷性を付与することが可能となる。防汚染剤の具体例としては、フッ素系化合物、ケイ素系化合物、またはこれらの混合化合物が挙げられる。また、防汚剤はそれ自体が反応基を有するか否かは問わない。
フッ素系化合物の具体例としては、一般式:
(A)w−(B)x−(D)y−CF
(上記式中、
Aは、CF、CFCF、C(CFからなる群から選択される一種または二種以上の基を表し、
Bは、OCFCF、OCFCF(CF)、OCFC(CF
OCF(CF)CF(CF)、OCF(CF)C(CF
OC(CFCF(CF)、OC(CFC(CFからなる群から選択される一種または二種以上の基を表し、
Dは、OCHCH、 OCHCHCH、OC(O)(CH)zからなる群から選択される一種または二種以上の基を表し、
w、x、y、zは0超過50以下の数を表す。)
で表されるものが挙げられる。
本発明にあっては、ケイ素系化合物は、その化合物の末端または側鎖が、変性されたものが好ましくは挙げられる。そのようなケイ素系化合物としては、下記一般式(I)〜(III)又は(IV):
Figure 0004873295
(上記式中、
Rは、疎水基として、メチル基、フッ素原子、アクリル基、又はメタクリル基であり、親水基として、水酸基、カルボキシル基、ポリエーテル基、又はエポキシ基であり、或いはこれらの混合基であってよく、
はアルキル基、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、
Xは0〜1200であり、
Yは0〜1200である。)
で表されるものが挙げられる。
防汚染剤は市販品として入手可能であり、好ましくはそれが利用される。反応基を有しない防汚染剤の具体例としては、大日本インキ社製のメガファックシリーズ、例えば、MCF350−5、F445、F455、F178、F470、F475、F479、F477、TF1025、F478、F178K等が挙げられ;東芝シリコーン社製のTSFシリーズ等が挙げられ;信越化学社製のX22シリーズ、KFシリーズ等が挙げられ;チッソ社製のサイラプレーンシリーズ等が挙げられる。
反応基を有する防汚染剤の具体例としては、SUA1900L10(重量平均分子量4200;新中村化学社製)、SUA1900L6(重量平均分子量2470;新中村化学社製)、Ebecryl1360(ダイセルユーシービー社製)、UT3971(日本合成社製)、テ゛イフェンサTF3001(大日本インキ社製)、テ゛イフェンサTF3000(大日本インキ社製)、テ゛イフェンサTF3028(大日本インキ社製)、KRM7039(ダイセルユーシービー社製)、ライトプロコートAFC3000(共栄社化学社製)、KNS5300(信越シリコーン社製)、UVHC1105(GE東芝シリコーン社製)、UVHC8550(GE東芝シリコーン社製)、Ebecryl350(ダイセルユーシービー社製)、ACS-1122(日本ペイント社製)が挙げられる。
防汚染剤が、有機化合物の場合、その数平均分子量は限定されないが、500以上10万以下であり、好ましくは下限が750以上であり、より好ましくは1000以上であり、好ましくは上限が7万以下であり、より好ましくは5万以下である。
本発明の好ましい態様によれば、防汚染剤は、ポリオルガノシロキサン基、ポリオルガノシロキサン含有グラフトポリマー、ポリオルガノシロキサン含有ブロックポリマー、フッ素化アルキル基などを含有する2官能以上の多官能アクリレートを含んでなるものが好ましい。多官能アクリレートとしては、例えば、2官能アクリレートとして、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、 3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、 4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、1、 6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1、 9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1、 10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸エトキシ変性ジ(メタ)アクリレート(イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート)、2官能ウレタンアクリレート、2官能ポリエステルアクリレート等が挙げられる。3官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、3官能ポリエステルアクリレート等が挙げられる。4官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。5官能以上のアクリレートとしては、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
防汚染剤の添加量は、適宜定めることができるが、ハードコート層を形成する組成物の全重量に対して0.001重量部以上90重量部以下であり、好ましくは下限が0.01重量部以上であり、より好ましくは0.1重量部以上であり、好ましくは上限が70重量部以下であり、より好ましくは50重量部以下である。防汚染剤の添加量が、上記範囲内にあることにより、十分な防汚染機能が発揮され、かつ、光学積層体の硬度をも有するので好ましい。
安定剤
本発明の好ましい態様によれば、ハードコート用組成物に安定剤を添加することが好ましい。安定剤は、ハードコート層を構成する成分が、天候又は経時変化により生じる変性を抑制することが可能となる。特に、安定剤を添加することにより、ハードコート層が、光又は熱による変色、特に、黄色化を抑制することができるものと思われる。安定剤が主として変色防止に用いられる場合には、安定剤は変色防止剤とされてよい。
安定剤の具体例としては、ヒンダードアミン系(HALS)、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードフェノール系、トリアジン系、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられ、好ましくは、ヒンダードアミン系(HALS)、ベンゾトリアゾール系が挙げられる。
安定剤は、それ自体が反応基を有するか否かを問わず、また、安定剤が高分子物質である場合、その分子量は限定されるものではない。安定剤はそれ自体が反応基を有しない場合には、その安定剤は分子量が1000以上のものが好ましくは利用される。分子量が1000以上の安定剤は、ハードコート層内において安定剤としての特性を十分に発揮することが可能となる。
安定剤の添加量は、使用目的に応じて適宜定めてよいが、好ましくは、ハードコート層用組成物全量に対して、20重量部以下、好ましくは5重量部以下である。添加量がこの範囲にされてなることにより、安定剤による安定化効果が十分に発揮することができ、かつ、ハードコート層中の樹脂の硬化が十分に行うことができ、ハードコート層のハードコート性能を達成することが可能となる。
安定剤は市販品を使用することができ、その具体例としては、RUVA93(大塚化学社製);Vanaresin UVA-1025S 、VanaresinUVA-1050G、 Vanaresin HAL-11025S(新中村化学社製);FA711MN、FA712HM(日立化成社製);RSA0113M(山南合成社製);旭電化社製のアデカスタブシリーズ、例えば、AO22、AO30、AO40、AO50、AO60、 AO70、 AO80、AO330、A611、A612、A613、AO51、AO15、AO18、328、AO37、PEP4C、PEP8、PEP8W、 PEP24G、PEP36、PEP36Z、HP10、2112、260、522、1178、1500、135A、3010、TPP、AO23、AO412S、AO503、LA32、LA36、1413、LA51、LA52、LA57、LA62、LA63、LA67、LA77、LA82、LA87、LA501、LA502、LA503、LA601、LA602等が挙げられ;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のTINUVINシリーズ、例えば、TINUVIN―PS、TINUVIN99−2、TINUVIN109、TINUVIN328、TINUVIN384−2、TINUVIN400、TINUVIN411L、TINUVIN900、TINUVIN928、TINUVIN1130、TINUVIN111FDL、TINUVIN123、TINUVIN144、TINUVIN292、TINUVIN405等が挙げられ;IRGANOXシリーズ(長瀬産業)、例えば、IRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX565、IRGANOX1010、IRGANOX1076、IRGANOX1098、IRGANOX1222、IRGANOX1330、IRGANOX1425、IRGANOX3114、IRGANOX5057、IRGANOX1520、IRGANOX1135、IRGANOX1035等が挙げられ;住友化学社のスミライザーシリーズ、例えば、GA80、GS等が挙げられ;及びこれらの二種以上の混合物が挙げられる。
中でも、特に好ましいものとして、RUVA93(大塚化学社製)、Vanaresin UVA-1025S 、VanaresinUVA-1050G(以上新中村化学社製)、FA711MN、FA712HM(以上日立化成社製)、TINUVIN292、TINUVIN123(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等及びこれらの二種以上の混合物が挙げられる。
2.光透過性基材
光透過性基材は、透明性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、ポリエステル、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、またはポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル、セルローストリアセテートが挙げられ、より好ましくはセルローストリアセテートが挙げられる。
光透過性基材の厚さは、20μm以上300μm以下、好ましくは上限が200μm以下であり、下限が30μm以上である。光透過性基材が板状体の場合にはこれらの厚さを越える厚さであってもよい。また、光透過性基材は、その上に光学特性層を形成する際に、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤もしくはプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行なってもよい。
ハードコート層の形成
ハードコート層は、ハードコート層用組成物を光透過性基材に塗布することにより形成されてよい。本発明の好ましい態様によれば、上記のハードコート層用組成物に、フッ素系またはシリコーン系などのレベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤を添加したハードコート層用組成物は、塗布または乾燥時に塗膜表面に対して酸素による硬化阻害を有効に防止し、かつ、耐擦傷性の効果を付与することを可能とする。
ハードコート層用組成物を光透過性基材の上に形成する方法としては、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。ハードコート層用組成物の塗布後に、乾燥と紫外線硬化を行う。紫外線源の具体例としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が挙げられる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、または直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
任意の層
本発明による光学積層体は、所望の光学特性を発揮させる目的で、その他の層を形成してもよい。本発明の好ましい態様によれば、ハードコート層の上に低屈折率層をさらに備えてなるものが好ましい。また、別の好ましい態様によれば、光学積層体を構成する層の間または光学積層体の最表面に、帯電防止層、防眩層、または防汚染層をさらに備えてなるものが好ましい。ハードコート層の下に帯電防止層をさらに備えてなるものが好ましい。
1)低屈折率層
低屈折率層は低屈折率剤と樹脂とにより形成されてよい。
低屈折率剤
低屈折率剤は、その屈折率が防眩層より低いものである。本発明の好ましい態様によれば、防眩層の屈折率が1.5以上であり、低屈折率剤の屈折率が1.5未満であり、好ましくは1.45以下で構成されてなるものが好ましい。
低屈折率剤の具体例としては、シリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体が挙げられ、その例としてはフッ化ビニリデン30〜90重量%及びヘキサフルオロプロピレン5〜50重量%を含有するモノマー組成物が共重合されてなるフッ素含有割合が60〜70重量%であるフッ素含有共重合体100重量部と、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物80〜150重量部とからなる組成物が挙げられる。
このフッ素含有共重合体は、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとを含有するモノマー組成物を共重合することによって得られる共重合体が挙げられる。このモノマー組成物における各成分の割合は、フッ化ビニリデンが30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%、特に好ましくは40〜70重量%であり、またはヘキサフルオロプロピレンが5〜50重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜45重量%である。このモノマー組成物は、更にテトラフルオロエチレンを0〜40重量%、好ましくは0〜35重量%、特に好ましくは10〜30重量%含有するものであってもよい。
このフッ素含有共重合体を得るためのモノマー組成物は、必要に応じて、他の共重合体成分が、例えば、20重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有されたものであってもよい。この共重合体の具体例としては、フルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1、 2−ジクロロ−1、 2−ジフルオロエチレン、2−ブロモー3、 3、 3−トリフルオロエチレン、3−ブロモー3、 3−ジフルオロプロピレン、3、 3、 3−トリフルオロプロピレン、1、 1、 2−トリクロロ−3、 3、 3−トリフルオロプロピレン、α−トリフルオロメタクリル酸等のフッ素原子を有する重合性モノマーを挙げることができる。
このようなモノマー組成物から得られるフッ素含有共重合体のフッ素含有割合は60〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは62〜70重量%、特に好ましくは64〜68重量%である。添加割合がこのような範囲であることにより、溶剤に対して良好な溶解性を有する。または、フッ素含有共重合体を成分として含有することにより、優れた密着性と、高い透明性と、低い屈折率とを有し、優れた機械的強度を有する光学積層体を形成することが可能となる。
フッ素含有共重合体は、その分子量がポリスチレン換算数平均分子量で5000〜200000、特に10000〜100000であることが好ましい。このような大きさの分子量を有するフッ素含有共重合体を用いることにより、得られるフッ素系樹脂組成物の粘度が好適な大きさとなり、従って、確実に好適な塗布性を有するフッ素系樹脂組成物とすることができる。
フッ素含有共重合体自体の屈折率は1.45以下、好ましくは1.42以下、より好ましくは1.40以下であるものが好ましい。屈折率がこの範囲にあることにより、形成される光学積層体の反射防止効果が好ましいものとなる。
樹脂の添加量は、フッ素含有共重合体100重量部に対して30〜150重量部、好ましくは35〜100重量部、特に好ましくは40〜70重量部である。また、フッ素含有共重合体と樹脂とを含む重合体形成成分の合計量におけるフッ素含有割合が30〜55重量%、好ましくは35〜50重量%であることが好ましい。
添加量またはフッ素含有割合が、上記した範囲内にあることにより、表面調整層の基材に対する密着性が良好となり、また、屈折率が高く良好な反射防止効果を得ることが可能となる。
本発明の好ましい態様によれば、低屈折率剤として、「空隙を有する微粒子」を利用することが好ましい。「空隙を有する微粒子」は表面調整層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることを可能とする。本発明において、「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、塗膜内部での微粒子の分散状態により、内部、及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。
空隙を有する無機系の微粒子の具体例としては、特開2001−233611号公報で開示されている技術を用いて調製したシリカ微粒子が好ましくは挙げられる。空隙を有するシリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダーと混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20〜1.45程度の範囲内に調製することを可能とする。特に、空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。
塗膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては先のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラムおよび表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子、または断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体を挙げることができる。そのような具体的としては、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒子径の範囲内のものを利用することが可能である。
「空隙を有する微粒子」の平均粒子径は、5nm以上300nm以下であり、好ましくは下限が8nm以上であり上限が100nm以下であり、より好ましくは下限が10nm以上であり上限が80nm以下である。微粒子の平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。
樹脂
樹脂としては、透明性のものが好ましく、その具体例としては、紫外線または電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂との混合物、または熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂の具体例としては、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマー、反応性希釈剤が挙げられ、これらの具体例としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1、 6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、チオキサントン類が挙げられる。また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
また、電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤または光重合促進剤を添加することができる。光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いる。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化性組成物100重量部に対し、0.1〜10重量部である。
電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は一般的に例示されるものが利用される。溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。本発明の好ましい態様によれば、光透過性基材の材料がTAC等のセルロース系樹脂の場合、熱可塑性樹脂の好ましい具体例として、セルロース系樹脂、例えばニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等をさらに添加して使用することができる。
重合開始剤
低屈折率層を形成する際に、光重合開始剤を用いることができ、その具体例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンが挙げられる。この化合物は市場入手可能であり、例えば商品名イルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア819、DAROCUR TPO(チバスペシャリティーケミカルズ社製)が挙げられる。
溶剤
低屈折率層を形成するには、上記成分に溶剤を混合した組成物を利用することができる。溶剤の具体例としては、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ハロゲン化炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、ケトン類、エステル類が挙げられる。
2)帯電防止層
帯電防止層は、帯電防止剤と樹脂とにより形成されてよい。帯電防止剤は、先のハードコート層で説明したのと同様であってよく、樹脂は、先の低屈折率層で説明したのと同様であってよい。帯電防止層は、帯電防止剤と樹脂と溶剤とを含んでなるものである。帯電防止層の厚さは、30nm〜1μm程度であることが好ましい。帯電防止層の形成にあっては、帯電防止層の表面抵抗値が、5×10Ω/□以下となるよう行うことが好ましい。
3)防眩層
防眩層は、防眩剤と樹脂とにより形成されてよい。防眩剤は、先のハードコート層で説明したのと同様であってよく、樹脂及び溶剤も先の低屈折率層で説明したのと同様であってよい。
各層用組成物の調整
ハードコート層は先に説明したのと同様であってよい。他の任意の層の組成物は、一般的な調製法に従って、先に説明した成分を混合し分散処理することにより調整されてよい。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等で適切に分散処理することが可能となる。分散処理した各層用組成物はその後、濾過してもよい。
層形成法
各層を形成する方法の具体例としては、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。硬化型樹脂組成物の硬化方法としては、電子線または紫外線の照射によって硬化する。電子線硬化の場合には、100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線等を使用する。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。
光学積層体の用途
本発明による光学積層体(光学機能性フィルム)は、光の反射を抑制する目的で使用され物品に用いられる。より具体的には、光学レンズ(フィルム)、光学機器の画像表示部、乗り物のフロントガラス、または特殊建築用資材等において使用される。好ましくは、光学機器の画像表示部に使用され、例えば、画像表示装置〔液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極管表示装置(CRT)等〕における画像表示面に使用することができる。
偏光板
本発明の別の態様によれば、偏光素子と、本発明による光学積層体とを備えてなる偏光板を提供することができる。具体的には、偏光素子の表面に、本発明による光学積層体を該光学積層体におけるハードコート層等の光学機能層が存在する面と反対の面に備えてなる、偏光板を提供することができる。
偏光素子は、例えば、よう素又は染料により染色し、延伸してなるポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を用いることができる。ラミネート処理にあたって、接着性の増加のため、または電防止のために、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。
画像表示装置
本発明のさらに別の態様によれば、画像表示装置を提供することができ、この画像表示装置は、透過性表示体と、前記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなり、この透過性表示体の表面に、本発明による光学積層体または本発明による偏光板が形成されてなるものである。本発明による画像表示装置は、基本的には光源装置(バックライト)と表示素子と本発明による光学積層体とにより構成されてよい。画像表示装置は、透過型表示装置に利用され、特に、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサ等のディスプレイ表示に使用される。とりわけ、CRT、液晶パネル等の高精細画像用ディスプレイの表面に用いられる。
実施の態様
実施例
本発明の内容を下記の実施例により詳細に説明するが、本発明の内容は実施例により限定して解釈されるものではない。
ハードコート層用組成物の調製
下記組成表(組成1〜組成13)の成分を混合機において十分混合した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層用組成物を調製した。
組成1
ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド 5重量部
(住友精化社製;S2EG、屈折率1.6以上)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(日本化薬社製;DPHA、屈折率1.45超過1.6未満)
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
メチルエチルケトン(以下、「MEK」と略する) 10重量部
組成2
ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド 5重量部
(住友精化社製;S2EG、屈折率:1.6以上)
ウレタンアクリレート 5重量部
(日本合成;UV1700B、屈折率:1.45超過1.6未満)
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
組成3
ビス[(4―メタクリロイルチオ)フェニル]スルフィド 5重量部
(住友精化製;MPSMA、屈折率:1.6以上)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5重量部
(日本化薬;DPHA、屈折率:1.45超過1.6未満)
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
組成4
ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド 5重量部
(住友精化製;S2EG、屈折率:1.6以上)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬;DPHA、屈折率:1.45超過1.6未満) 5重量部
重合開始剤:DAROCUR 1173 0.4重量部
MEK 10重量部
組成5
ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド 2.5重量部
(住友精化製;S2EG、屈折率:1.6以上)
ビス[(4―メタクリロイルチオ)フェニル]スルフィド 2.5重量部
(住友精化製;MPSMA、屈折率:1.6以上)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.5重量部
(日本化薬;DPHA、屈折率:1.45超過1.6未満)
ペンタエリスリトールトリアクリレート
(PETA、屈折率:1.45超過1.6未満) 2.5重量部
重合開始剤 IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
組成6
ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド 5.0重量部
(住友精化製;S2EG、屈折率:1.6以上)
イソシアヌル酸変性トリアクリレート
(東亞合成;M315、屈折率:1.45超過1.6未満) 5.0重量部
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
組成7
ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド 5.0重量部
(住友精化製;S2EG、屈折率:1.6以上)
変性シリコーンオイル 5.0重量部
(東レダウコーニングシリコーン社製、BY16−152:屈折率:1.45未満)
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
組成8
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5.0重量部
(日本化薬;DPHA、屈折率:1.45超過1.6未満)
変性シリコーンオイル 5.0重量部
(東レダウコーニングシリコーン社製、BY16−152
;屈折率:1.45未満)
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
組成9
9,9―ビス[4−(2アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン
(新中村化学社製;NKエステルA−BPEF、屈折率:1.6以上) 5.0重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬;DPHA、屈折率:1.45超過1.6未満) 5.0重量部
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
組成10
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10.0重量部
(日本化薬;DPHA、屈折率:1.45超過1.6未満)
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
組成11
ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド
(住友精化製;S2EG、屈折率1.6以上) 10重量部
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
組成12
ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィド 5.0重量部
(住友精化製;S2EG、屈折率:1.6以上)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5.0重量部
(日本化薬;DPHA、屈折率:1.45超過1.6未満)
重合開始剤:IRGACURE 819 0.4重量部
MEK 10重量部
組成13
変性シリコーンオイル 5.0重量部
(東レダウコーニングシリコーン社製、
BY16−152;屈折率:1.45未満)
重合開始剤:IRGACURE 184 0.4重量部
MEK 10重量部
光学積層体の調製
実施例1
セルローストリアセテートフィルム(厚み80μm)の片面に、上記組成1にて調製したハードコート層用組成物を湿潤重量20g/m(乾燥重量10g/m)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線100mJ/cmを照射して高屈折率ハードコート層を形成した光学積層体を調製した。
実施例2〜6および参考例1、2
実施例1において、組成1を上記組成2〜8としたこと以外は同様にして、実施例2〜6および参考例1、2の光学積層体を調製した。
比較例1〜5
実施例1において、組成1を上記組成9〜13としたこと以外は同様にして、実施例2〜8の光学積層体を調製した。
評価試験
実施例、参考例及び比較例の光学積層体について、下記評価基準に基づいて評価し、その結果を下記表1に記載した。
評価1:ハードコート層の表面における凹凸形状の有無試験
ハードコート層の最表面における凹凸形状を光学顕微鏡を用いて観察し、下記評価基準にて評価した。
評価基準
評価◎:1000倍で目視観察し、凹凸形状を確認した。
評価×:1000倍で目視観察し、凹凸形状を確認できなかった。
評価2:反射防止機能
評価基準
評価◎:蛍光灯の映り込みが無かった。
評価×:蛍光灯の映り込みがあった。
表1
例/評価 評価1 評価2
実施例1 ◎ ◎
実施例2 ◎ ◎
実施例3 ◎ ◎
実施例4 ◎ ◎
実施例5 ◎ ◎
実施例6 ◎ ◎
参考例1 ◎ ◎
参考例2 ◎ ◎
比較例1 × ×
比較例2 × ×
比較例3 × ×
比較例4 × ×
比較例5 × ×

Claims (2)

  1. 光透過性基材と、前記光透過性基材上に形成されかつ表面に凹凸形状を有する防眩性ハードコート層とを備える光学積層体の製造方法であって、
    セルローストリアセテートからなる光透過性基材上に、屈折率が1.6以上の第1の樹脂、屈折率が1.45超過1.6未満でありかつ第1の樹脂と硬化速度が異なる第2の樹脂、重合開始剤、および浸透性溶剤を含む組成物を塗布する工程と、
    前記光透過性基材上に塗布された前記組成物に、前記第1の樹脂と前記第2の樹脂とが相溶しないうちに波長190〜380nmの紫外線を照射して、前記組成物を硬化させる工程とを備え、
    前記第1の樹脂が、ビス[(2―メタクリロイルチオ)エチル]スルフィドおよびビス[(4―メタクリロイルチオ)フェニル]スルフィドの少なくともいずれかであり、
    前記第2の樹脂が、6官能以上のウレタンアクリレートおよび3官能以上の(メタ)アクリル系モノマーの少なくともいずれかであり、
    前記重合開始剤が、365nm以上の波長における吸光係数が100ml/g・cm以下である重合開始剤であり、
    前記浸透性溶剤が、エステル類およびケトン類の少なくともいずれかである、光学積層体の製造方法。
  2. 前記ハードコート層上に低屈折率層を形成する工程をさらに備える、請求項1に記載の光学積層体の製造方法。
JP2006088828A 2006-03-28 2006-03-28 ハードコート層を備えた光学積層体 Active JP4873295B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006088828A JP4873295B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 ハードコート層を備えた光学積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006088828A JP4873295B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 ハードコート層を備えた光学積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007264279A JP2007264279A (ja) 2007-10-11
JP4873295B2 true JP4873295B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=38637331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006088828A Active JP4873295B2 (ja) 2006-03-28 2006-03-28 ハードコート層を備えた光学積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4873295B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11199798A (ja) * 1998-01-19 1999-07-27 Nikko Kagaku Kenkyusho:Kk 多相構造形成性コーティング剤、多相構造膜形成方法及び光路変更フィルム
JP2004244426A (ja) * 2002-02-01 2004-09-02 Natoko Kk 活性エネルギー線硬化性組成物及びその用途
JP4010490B2 (ja) * 2002-05-10 2007-11-21 株式会社Adeka 高屈折率膜形成用樹脂組成物並びにそれを用いた高屈折率膜、反射防止膜及び反射防止方法
KR100638123B1 (ko) * 2002-07-22 2006-10-24 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 무기 초미립자를 함유하는 수지 조성물
JP4217097B2 (ja) * 2003-04-03 2009-01-28 ダイセル化学工業株式会社 防眩性フィルム
JP4313137B2 (ja) * 2003-09-26 2009-08-12 三井化学株式会社 ハードコート剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007264279A (ja) 2007-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4853181B2 (ja) 高屈折率ハードコート層
JP4831464B2 (ja) 高屈折率ハードコート層
TWI390240B (zh) An optical laminate having a low refractive index
TWI418463B (zh) An optical laminate, a polarizing plate, and an image display device
JP5531509B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
US7968183B2 (en) Hard-coated film, method of manufacturing the same, optical device, and image display
JP2007264281A (ja) 防汚染性を付与したハードコート層
US20060134400A1 (en) Hard-coated film and method of manufacturing the same
US8715784B2 (en) Method of producing optical layered body, optical layered body, polarizer and image display device
JP2011031527A (ja) ハードコートフィルム
JP2005309392A (ja) 反射防止フィルムの製造方法、反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置
JP2007058101A (ja) 高屈折率ハードコート層
JP2009069429A (ja) 光学積層体、光学積層体の製造方法、偏光板及び画像表示装置
JP5051088B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
WO2007037525A1 (en) Antireflection film, polarizing plate and image display
JP2007264272A (ja) 高屈折率ハードコート層
JP4962192B2 (ja) 光学積層体、偏光板、及び、画像表示装置
JP2010117554A (ja) 光学積層体の製造方法、光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JPWO2006098363A1 (ja) 光学積層体
JP2007292883A (ja) 光学積層体
JP4873295B2 (ja) ハードコート層を備えた光学積層体
US20050233069A1 (en) Antiglare film
JP2008024874A (ja) 硬化性組成物、反射防止フィルム、並びにそれを用いた偏光板及び画像表示装置
JP5096069B2 (ja) 光学積層体、偏光板、及び、画像表示装置
JP5949755B2 (ja) 光学積層体、偏光板及び画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4873295

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150