JP4872169B2 - 部品整送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品整送装置に関し、特に、本体がほぼ角柱状であり、本体の厚さ方向に非対称な位置から移送方向となる本体の長さ方向の両側方へほぼ同程度の長さの脚部を有する部品について、向きを整えて移送するための捩じり振動パーツフィーダからなる部品整送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2は、2本のリードが引き出されたダイオード等の部品Dを模式的に示したものであり、アセンブリング等の際に、必要に応じて整送される対象となる。図2(a)は、上面図、(b)は正面図、(c)は斜視図である。すなわち、かかる部品Dは、本体Bがほぼ角柱状であり、本体Bの厚さ方向に非対称な位置から移送方向となる本体の長さ方向(図中の矢印L方向)の両側方へ延びたほぼ同程度の長さの脚部であるリードLdを有する部品である。つまり、この部品Dは、L方向に向きを整えられて移送される要請があるものである。そして、この部品Dの大きさは、一般的には、厚みが1mm以下で、幅方向(移送方向と垂直方向であって、図中の矢印W方向)の長さが2mm弱程度の部品である。
【0003】
かかる部品Dの向きを整えて移送するための整送装置としては、例えば、図14に示すような捩じり振動パーツフィーダ100が挙げられる。図14は、パーツフィーダ100を上からみた様子を示したものであり、図15(a)はJ線矢視断面を図15(b)はK線矢視断面を示したものである。図14にて、このパーツフィーダ100は、部品Dが投入され、スパイラル状に上昇させて部品Dを移送するトラック101が設けられた皿状のボール102と、ボール102の外周縁部に沿い同心的に取り付けられ、移送方向を向く部品DのリードLdと係止することにより、ボール102から移送されてきた部品Dを単列で移送する溝状トラック103が設けられた外周リング104と、を備えるものである。なお、ボール102の下部には、これに捩じり振動を与える図示しない駆動部が設けられている。
【0004】
かかるパーツフィーダ100において、ボールの底部102aに投入された複数の部品Dは、駆動部によって装置に捩じり振動が生じることにより、トラック101を時計回りに上昇しながら移送される。そして、ボール102の外周部に設けられた複数のガイド溝105a、105b、105cに達し、それぞれのガイド溝の終端から斜面106を下り、溝状トラック103へと嵌まり込む。このとき、移送方向を向いた部品Dについては、両側方に延びたリードLdが溝状トラック103の両肩部に係止し、溝状トラック103に沿って時計回りに移送される。しかし、移送方向に配向していない部品Dについては、溝状トラック103の底部に落ち込むことになる。このことは、図15(a)においてよく理解される。また、図7に、部品Dが溝状トラック103に沿って移送される様子を模式的に示すが、移送方向に配向している部品D1は、溝状トラック103の両肩部で係止して移送されるが、移送方向に配向していない部品D2及びD3は、溝状トラック103の底部に落ち込んで移送されている様子が表されている。
【0005】
そして、ガイド溝105a〜cから各々送りだされ、溝状トラック103に沿って移送された部品Dは、それぞれ選別部107a、107b、107cへと達する。この選別部107a〜cにおいて、移送方向に配向しておらずに溝状トラック103に落ち込んで移送された部品Dは、溝状トラック103の下方に設けられる空間108a、108b、108cにそれぞれ落下し、移送方向を向いた部品Dと選別される。このことは、図15(b)においてよく理解される。すなわち、溝状トラック103に落ち込んで移送されてきた部品Dは、溝状トラック103の底部に載置されている状態であるが、各選別部に至ると、かかる底部が一部欠落するように空間108a〜cがそれぞれ形成されているため、載置されていた支持部分を失い、落下するものである。一方、移送方向に配向された部品Dは、リードLdにて溝状トラック103の両肩部と係止したまま下流へと移送される。このようにして、一定方向にのみ配向した部品Dのみが選別されて、整送されることになるのである。なお、空間108a〜cに落下した部品Dは、空間108a〜cとそれぞれ通じ、ボール102に設けられたトンネル109a〜cを通って、トラック101へと送り戻され、再びトラック101上を移送されることになる(図14及び図15(b)参照)。
【0006】
したがって、かかるパーツフィーダ100においては、各選別部107a〜cに空間108a〜cなどを形成する加工を行う必要がある。しかし、パーツフィーダ100の外周リング104は、通常、鋳鉄やアルミ合金等で作られ、複雑な内部形状の加工は困難である。そこで、溝状トラック103を一部欠落させてしまうように切削加工等行うことで、空間108aを形成し、欠落してしまった溝状トラックの一方の肩部を別部材からなる平板状のガイド板110a〜cを取り付けることによって形成することがよく行われる(図14及び図15(b)参照)。なお、これらガイド部材110a〜cは、押さえ部材111a〜cによって外周リング104に固定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した構成によると、溝状トラック103の途中に、かならず別部材からなるガイド板110a〜cとの継ぎ目部分が存在することになり、かかる継ぎ目部分での部品Dの突っかかりを引き起こし、溝状トラック103におけるつまり発生の誘因となる。この継ぎ目部分での突っかかり発生は、切削された溝状トラック103の端部とガイド板の端部との突き合わせ精度を高めることによって、ある程度回避可能なものである。しかし、パーツフィーダ100による部品Dの整送処理においては、膨大な数の処理が要求される環境で使用されるのが通常であり、その使用とともに、この継ぎ目部分での摩耗が進展し、初期状態における突き合わせ精度を維持することが困難となって、つまりが生やすくなってしまうことになる。
【0008】
すなわち、移送方向に配向していない部品Dを溝状トラックから落下させることで選別する構造においては、一旦落下させて更にボールに回収するように誘導するための空間の形成と、移送方向に配向した部品DのリードLdを溝状トラックの両肩部において支持することとを両立する必要があり、上述したガイド板を取り付ける構造によると、つまりが生じてしまうという問題を本質的に解決することが困難であった。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、本体がほぼ角柱状であり、本体の厚さ方向に非対称な位置から移送方向となる本体の長さ方向の両側方へほぼ同程度の長さの脚部を有する部品について、向きを整えて移送するための捩じり振動パーツフィーダからなる部品整送装置において、かかる部品の整送途中に部品がつまってしまうことを防止する部品整送装置を提供することを目的とするものであり、能率の高い整送処理を実現するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の部品整送装置は、本体がほぼ角柱状であり、本体の厚さ方向に非対称な位置から移送方向となる本体の長さ方向の両側方へほぼ同程度の長さの脚部を有する部品について、向きを整えて移送するための捩じり振動パーツフィーダからなる部品整送装置であって、前記部品が投入され、スパイラル状に上昇させて部品を移送するトラックが設けられた皿状のボールと、該ボールの外周縁部に沿い同心的に取り付けられ、移送方向を向く前記部品における脚部と係止することにより、前記ボールから移送されてきた前記部品を単列で移送する溝状トラックが設けられた外周リングとを有し、前記外周リングには、前記脚部が係止せずに移送方向と異なる方向に移送されている部品を落下させることで選別して前記ボールへと回収する選別部が、前記溝状トラックの複数箇所に設けられており、この選別部は、前記溝状トラックに沿う長孔加工を行うことによって前記外周リングに一体に穿設されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によると、移送方向に配向していない部品を落下させて選別する選別部が、外周リングに直接に孔あけ加工を行うことによって一体に穿設されているため、従来の技術における整送装置のように、溝状トラックの肩部の継ぎ目部分がそもそも存在しない。したがって、継ぎ目部分での突っかかりや、摩耗の進展によるつまりの発生といった問題を本質的に回避することが可能になる。また、溝状トラックに沿う長孔加工を行うことにより形成されるものであるため、移送方向に配向していない部品を移送中に速やかに選別することができる。したがって、整送途中に部品がつまってしまうことを防止する部品整送装置を提供し、能率の高い整送処理を実現することができる。
【0012】
請求項2に記載の部品整送装置は、請求項1において、前記外周リングは、同心的に前記ボールに沿う2つのリングが上下に重ねられて前記ボールに組み付けられるものであり、上リングに前記溝状トラック及び前記選別部が形成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によると、外周リングが、上下に分割されて形成されているものであり、上リングに溝状トラックと選別部を設けることで、溝状トラックに継ぎ目部分が存在しない整送装置を実現することができる。すなわち、外周リングを上下分割構造とすることで、上リングの上下面からの加工が可能になり、さらに下リングの上面への加工も可能となる。これにより、溝状トラックに継ぎ目部分を生じさせてしまうことなく、移送方向に配向していない部品を溝状トラックから一旦落下させて更にボールに回収するように誘導するための空間を形成することが容易に実現できる。したがって、整送途中に部品がつまってしまうことを防止する部品整送装置を提供することができる。
【0014】
請求項3に記載の部品整送装置は、請求項1または2において、前記ボールに形成され、前記各選別部へ連なる前記溝状トラックへと前記部品を分配して誘導するガイド溝の各終端と、前記各選別部との周方向における距離が、前記溝状トラック溝幅の10倍であることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、さらに整送時におけるつまり発生防止効果の高い部品整送装置を得ることができる。
本発明に至る過程において、本願発明者は、ガイド溝の各終端から溝状トラックに向かって排出される部品は、必ずしも1個ずつほぼ一定間隔で排出されるわけではなく、複数個が密接するようにまとまって排出されることもよくあることに着目した。すなわち、複数個がまとまったまま溝状トラックに排出されてくると、そのまとまった部分は、多部品と干渉せずに1個で移送されている部品に比べると、スムーズに移送されにくくなってしまう。とくに、その状態のまま、溝状トラック上を長い距離移送された場合、複数個まとまった部分に上流側から移送されてきた部品が追いついて滞留してしまう現象が生じてしまう。本発明者は、かかる滞留が、整送途中における部品のつまりが生じる大きな一因となっていることを知見した。
すなわち、本発明の構成により、ガイド溝の終端と選別部との距離を近づけることで、適正に配向していない部品を溝状トラック移送時の初期段階において選別し、複数個の部品がまとまったまま溝状トラックを長い距離移送されて滞留が生じ、つまりを誘発してしまうことを防止することが可能になる。また、本発明者は、ガイド溝の終端と選別部との距離を近づけることによるつまり防止効果について、とりわけ部品の大きさ、すなわち溝状トラックの溝幅との寸法関係に密接な相関があり、とくに溝幅の10倍以下になると、臨界的につまり防止効果が高まることも知得した。
したがって、本発明の構成により、整送時におけるつまり発生防止効果を大幅に向上させることができる部品整送装置を得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態例について説明する。図1は、本実施形態例に係る部品整送装置である捩じり振動パーツフィーダ1を上から見たものであり、図3は、側面から見たものである。このパーツフィーダ1は、図2に示す部品Dの向きを整えて移送するためのものである。
【0017】
図1及び図3において、パーツフィーダ1は、部品Dが投入され、スパイラル状に上昇させて部品Dを移送するトラック2が設けられた皿状のボール3と、ボール3の外周縁部に沿い同心的に取り付けられ、移送方向を向く部品DのリードLdと係止することにより、ボール3から移送されてきた部品Dを単列で移送する溝状トラック4が設けられた外周リング5と、ボール3の下部に設けられ、捩じり振動を発生させる駆動部6と、を備えている。
【0018】
図3において、駆動部6は、ボール3の底板が一体的に固定された可動ブロック7が等角度間隔に配置した傾斜板バネ8によって下方の固定ブロック9と連結されている。固定ブロック9内にはコイル10を巻装した電磁石11が樹脂9rとともに封入されて埋め込まれており、電磁石11は可動ブロック7の下面の可動コア7cと僅かの間隙をあけ対向されている。また、固定ブロック9は、基盤ブロック12との間を高さ調整リング13で連結されており、基盤ブロック12は、防振ゴム14を介して固定面に設置されている。そして、コイル10にインバータ制御された例えば250Hzの交流が通電されることにより、ボール3に時計方向の捩じり振動を与えるが、そのときの振幅は、1/100mm台である。
【0019】
かかる駆動部6の上部にボール3と外周リング5とが取り付けられるが、これらの分解斜視図を示したのが図4である。図4においては、ボール3及び外周リング5とも、まだ未加工の状態で模式的に示してある。これらに後述する要部の加工が施された後、駆動部6の上方に、図1及び図3に示すように同心的に取り付けられる。
以下、ボール3と外周リング5の構成について、基本的に、部品Dが移送されていく動作に従って説明する。
【0020】
図1において、ボール3は、多数の部品Dが投入されて収容される部分となる底部15を有しており、底部15の周縁部には、起点2sを有する平板状のトラック2がボール3の周壁16に沿いスパイラル状に上昇して設けられている。このトラック2が、部品Dの移送路となる。なお、トラック2は、ボール3の径外方へ向かって若干下向き傾斜に形成されており、部品Dはトラック2の傾斜と、受ける捩じり振動の移送力の径外方へ向かう成分とにより、周壁16に沿って移送される。
【0021】
トラック2の最上の周回には、ワイパー17が、根元部をボール3の外周部に固定され、先端部を下流側へ向けてトラック2と斜交させ、トラック2の直上方、すなわち、重なっていない横臥した部品Dがその下を通過し得る高さレベルに設けられている。従って、積み重なって移送されてくる部品Dのうち、最下層の部品Dは、ワイパー17の下を通過して移送されるが、2層目以降の部品Dは、ワイパー17に移送を妨げられて崩され、ワイパー17に導かれてトラック2の内周側へ落とし込まれる。このため、部品Dが段積みのまま移送されることが規制される。
【0022】
ワイパー17の下流側において、トラック2の下流端には、段差18を介して平面トラック19が接続しており、平面トラック19には、移送されてくる部品Dをほぼ3等分して、後述する各選別部20a、20b、20cへと分配して移送するガイド溝21a、21b、21cが形成されている。すなわち、各ガイド溝21a〜cは、平面トラック19上に、それぞれボール3の外周に沿う方向に延びて形成されており、これらの各終端31a〜cは、それぞれに対応する周壁16の欠落箇所16a〜cにおいて、外周リング5の上面に開口している。これにより、外周リング5の上面に形成される溝状トラック4の3箇所に設けられる選別部21a〜cの上流側へと、分配された部品Dを各々誘導するものである。
【0023】
また、トラック2の下流端部には、品種切替時や作業終了時などの非定常時にボール3の底部15から部品Dを抜き出すための早出しゲート24が外周リング5に加工された取り出し路25とともに設けられている。すなわち、外周リング5上に取り付けられた支持部26に回動プレート27の一端がネジ28とともに取り付けられており、回動プレート27の他端にはトラック2側へ凸の円弧面を有するゲートブロック29がネジ30で取り付けられている。底部15の部品Dを抜き出す場合には、ネジ28を緩めてゲートブロック29を反時計方向に回動させることにより、トラック2を移送されてくる部品Dは取り出し路25を経て外部へ排出される。なお、ゲートブロック29のトラック2側への凸の円弧面は低常時において部品Dを内周側へずらす役割を有している。
【0024】
ここで、早出しゲート24の下流位置のA線矢視断面を示したのが図5である。本図において、ボール3の周縁部の下面にボルト22で外周リング5が固定されている様子が示されている。なお、このようなボルトは、図示しない適宜個所に複数設けられているものである。また、ボール3上部の平面トラック18において、3本のガイド溝21a〜cが平行となって開始している様子が示されている。そして、本図でよく示されるように、外周リング5は、同心的にボール3に沿う2つのリングが上下に重ねられて構成されているものであり、上リング5aが下リング5bに対して、ボルト23等によって組み付けられるものである。ここで、上リング5aの材料としてはステンレス鋼を用い、下リング5bの材料としてはアルミ合金を用いている。上リング5aは、後述するように多数の部品Dが移送されることにより摩耗してしまうことを抑制するため、相対的に耐磨耗性の高いステンレス鋼を用いるものである。一方、下リング5bは、外周リング5の体積の大部分を占めるものであるため、軽量化を図るべく、相対的に比重の小さいアルミ合金を用いるものである。
【0025】
再び、図1において、ガイド溝21aに分配され、各終端31aから移送された部品Dは、外周リング5の内周側の上面へと導かれる。この内周側の上面は、外周リング5の径方向外側に向かって下向きで水平面との傾斜角度略20°の斜面32aを構成しており、斜面32aの外周側の縁部には、溝状トラック4が外周リング5のほぼ全周にわたって形成されている。図5も参照しつつ説明すると、終端31aから排出され、斜面32aを滑落する部品Dの中で、長さL方向を移送方向に向けた部品Dのみが、単列、単層で溝状トラック4に嵌まり込むものである。そして、長さL方向を移送方向に向けていない部品Dのうち、一部は、後述するように溝状トラック4内へと落ち込み、残りは、そのまま斜面32aを転落して、その外側に形成されている第1回収溝33へと落下するようになっている。この第1回収溝33は、溝状トラック4と同様に外周リング5のほぼ全周にわたって形成されている。なお、傾斜角は、必ずしも20°に限られるものではない。
【0026】
上述のように溝状トラック4を部品Dが移送されている様子を外周リング5の一部断面とともに模式的に表したのが図7である。本図に示すように、長さL方向を移送方向に向けた部品D1は、リードLdにて溝状トラック4の両肩部で係止されて移送されるが、移送方向に配向していない部品D2及びD3は、溝状トラック4の底部に落ち込んでしまうことになる。
【0027】
溝状トラック4には、選別部20a〜cが、下流に向かって順に設けられており、このうち、終端31aから排出されて溝状トラック4を移送される部品Dは、その直近の下流に位置する選別部20aへとさらに移送されていく。ここで、選別部20a近傍の構造を示すB線矢視断面を図6に示す。図1及び図6を参照しつつ、選別部20a近傍において、移送方向に配向していない部品Dが選別される構造を説明する。
【0028】
選別部20aは、溝状トラック4に沿う長孔加工を行うことによって外周リング5の上リング5aに一体に穿設されている(以下、選別部20aを「長孔20a」ともいう)。この長孔20aの深さ方向は、溝状トラック4の深さ方向に一致するように溝状トラック4の底部から下方に向けて穿たれている。そして、上リング5aの下面側に、外周リング5の内周側に沿って一部欠落させるように切削することで設けられる第2回収溝34aが形成され、この第2回収溝34aに長孔20aが連通している。
【0029】
また、下リング5bの上面側で、上リング5aに設けられる第2回収溝34aの下側に位置する部分には、外周リング5の周方向に沿う第3回収溝35が形成されている。この第3回収溝35は、後述する第2回収溝34bの下方に位置するピット44bまで延設されている。
【0030】
さらに、下リング5bの外周部36である第1回収溝33の外周壁には、圧縮空気を供給可能な構造が設けられている。すなわち、図示しない圧縮空気配管と接続される継手37aが、空気噴出ブロック38aの外周側から穿設した孔に挿入螺着され、この空気噴出ブロック38aが、外周部36の外側からボルト39aによって取り付けられている。空気噴出ブロック38aに穿設された孔の、継手37aが挿入される側と反対側には、空気噴出ノズル40aが接続され、この空気噴出ノズル40aが、外周部36に設けられた貫通孔41aから内周側へと突出している。空気噴出ノズル40aの先端は、ほぼ上リング5aの斜面32aの傾斜方向と平行な方向に配向するように折り曲げられている。
【0031】
そして、斜面32aの一部には、第2回収溝34aとほぼ対応する位置に、上リング5aの内周に沿って一部欠落させるように切削されて形成された開口部42aが加工されている。この開口部42aは、第2回収溝34aと連通している。
【0032】
これらの選別部20a近傍の構成により、移送方向に配向していない部品Dを選別して回収することが可能になる。すなわち、溝状トラック4上を図6に点線で図示するように、移送方向に配向して移送されてきた部品Dは、そのまま下流側へと移送される。しかし、溝状トラック4の底部に落ち込んで移送されてきた部品Dは、選別部すなわち長孔20aに達すると第2回収溝34aへと落下することになる。第2回収溝34aへと落下した部品Dは、これを通過し、更に第3回収溝35へと落下する。第3回収溝35に落下した部品Dは、後述するピット44bを通じて回収される。また、溝状トラック4の底部へと落ち込んではいないが、例えば、上下逆さまになって溝状トラック4の上に載ったまま移送されてきた部品D等は、空気噴出ノズル40aから噴出される空気によって、斜面32aを内周側へと吹き飛ばされて開口部42aから第2回収溝34aへと落下する。
【0033】
空気によって吹き飛ばされて第2回収溝34aに落下した部品Dは、一部第3回収溝35に落ち込む分を除き、ボール3の内周に形成されたトラック2と外周側とを連通するように穿設された還流トンネル43aへと移送される。この様子が、図1のC線矢視断面である図8においてよく理解される。図1及び図8を参照しつつ説明すると、還流トンネル43aの外周側は、第2回収溝34aの内周側に開口しており、さらに、還流トンネル43aは、内周側に向かって時計方向に配向するように径方向に対して斜めに穿設されている。このため、第2回収溝34aから斜壁45aに沿って還流トンネル43aへと移送された部品Dは、さらに還流トンネル43aを内周側へと移送され、再びトラック2へと送り戻される。
【0034】
以上にようにして、選別部20a近傍において、移送方向に配向していない部品Dの選別が行われる。
また、図1において、ガイド溝21bに分配された部品Dは、欠落箇所16bにおいて、終端31bから斜面32bへと排出される。終端31bから排出された部品Dは、斜面32bをそのまま転落し、移送方向を配向した部品Dのみ溝状トラック4にリードLdにて係止するように嵌まり込む。移送方向に配向していない部品Dは、溝状トラック4内に落ち込むか、又は斜面32aをそのまま転落して第1回収溝33へと落下する。そして、溝状トラック4を移送された部品Dは、直近の下流に位置する選別部20bへと至る。
【0035】
選別部20b近傍においても、選別部20a近傍における部品Dの選別構造と同様の構造を有する。すなわち、選別部20b、第2回収溝34b、継手37b、圧縮空気ブロック38b、空気噴射ノズル40b、開口部42b、還流トンネル43b等の構造については、同様であり、図面上同じ数字を付しアルファベットのみ変更して示してある。しかし、若干、形状等が異なっており、その部分について中心に説明し、重複する部分については説明を割愛する。
【0036】
選別部20bの下流側から見た構造が、M線矢視断面図である図9に示される。図1及び図9を参照しつつ説明すると、溝状トラック4に沿う長孔形状に穿設された選別部である長孔20bが、長孔20aの場合と同様に溝状トラック4の底部に設けられている。この長孔20bは、長孔20aの場合と同様、上リング5aの下面側から加工された第2回収溝34bに開口している。しかし、第2回収溝34aと34bでは、形状が異なっており、第2回収溝34aは、上リング5aの下面側の内周側に沿って一部欠落させるように加工されているが、第2回収溝34bでは、長孔20bの下方に対応する部分の下面側に、上リング5aの周方向に沿うように長孔形状に加工されている。
【0037】
そして、第2回収溝34bの下方に位置し、外周リング5の周方向に沿って形成されている第3回収溝35が連なるピット44bが、下リング5bの上面側に設けられている。このピット44bは、下リング5bの上面の内周側に沿って一部欠落させるように切削されることで形成されている。また、上リング5aに形成される開口部42bは、開口部42aとは異なり、斜面32b側から下面側まで至り、ピット44bに通じている。
【0038】
したがって、移送方向を向いておらず、長孔20bから第2回収溝34bへと落下した部品Dは、さらにピット44bまで落下し、また、空気噴出ノズル40bから噴出された空気により吹き飛ばされた部品Dは、開口部42bを通じてピット44bに落下する。さらに、選別部20aにおいて落下選別され、第3回収溝35を移送されてきた部品Dも、ピット44bへと排出されることになる。
【0039】
これらのピット44bに回収されてきた部品Dは、斜壁45bに沿って還流トンネル43bへと移送される。還流トンネル43bは、ボール3の外周側からトラック2の下部を貫通して底部15側へと連通し、内周側に向かって時計方向に配向するように径方向に対して斜めに穿設されている。還流トンネル43aと同様、この還流トンネル43bを通じても移送方向を配向していない部品Dが、回収される。
【0040】
以上のようにして、選別部20b近傍においても、移送方向に配向していない部品Dの選別が行われる。
なお、ガイド溝21cに分配され、終端31cから排出されて、斜面32cを通じて溝状トラック4により移送される部品Dについても、上述した説明と同様であり、説明が重複するため割愛する。ちなみに、選別部20c近傍における部品Dの選別構造については、図面上、選別部20aまたは20b近傍における選別構造と同じ数字を付しアルファベットのみ変更して示してあり、選別部20b近傍の構造とは、ピット44cに第3回収溝35が接続していない点のみ異なるものである。
【0041】
以上のように、3箇所に分配されて、それぞれに配された選別部において、移送方向に配向している部品Dのみが、取捨選別されて、溝状トラック4上をさらに下流へと移送される。下流へと移送された部品Dは、姿勢変換部46へと至る。この姿勢変換部46を説明するために、E線矢視断面図を図10(a)に示す。図1及び図10(a)を参照しつつ説明すると、姿勢変換部46の上流側においては、部品Dは、傾斜角度20°の斜面32に沿って傾いたまま溝状トラック4を移送されている。しかし、姿勢変換部46においては、斜面32が終了し、傾斜面を有しない平坦部47へと段差をもって接続している。すなわち、姿勢変換部46の上流側では、内周側へと高さが高くなっていた上リング5aの上部が、姿勢変換部46の下流側ではほぼ水平方向となるように段差を有しているものである。そして、この姿勢変換部46において、それまでの傾斜を有した溝状トラック4が、水平な排出トラック48へと段差をもって接続される。
【0042】
したがって、姿勢変換部46の上流側の溝状トラック4においては、斜面32に沿って異なる高さとなって両肩部が配置されているが、下流側の排出トラック48においては、内周側の肩部高さが大きく段差状に下がり、両肩部が水平な高さとなっているものである。この構造により、部品Dが水平に姿勢変換される様子が、図10(a)の点線で囲んだH部分の拡大図である図10(b)によく表されている。すなわち、溝状トラック4を移送されてきた部品D4は、姿勢変換部46を経て部品D5に示すように水平に姿勢変換されるものである。なお、図1及び図10に示すように、排出トラック48の内周側には、排出トラック48に沿うように回収トラック49が設けられている。この回収トラック49については、後述する。
【0043】
図1において、姿勢変換部46を通過して20°傾斜した姿勢から水平となるように姿勢変換が行われた部品Dは、排出トラック48をさらに下流側へと移送される。姿勢変換部46の下流側には、排除孔50が設けられている。この排除孔50にて、姿勢変換時に排出トラック48の両肩部でリードLdが係止されずに底部に落ち込んでしまった部品Dなどを排除する。この排除孔50近傍における構造を説明するため、図11(a)にF線矢視断面を示す。
【0044】
図1及び図11(a)を参照しつつ説明すると、排出トラック48に沿う長孔加工によって設けられた排除孔50が、垂直下方に穿設されている。また、排出トラック48の内周側に形成された回収トラック49の内周側を一部欠落させるように、排除孔50と並列して延びる回収孔51も長孔加工されている。そして、第1回収溝33の終端52には、第1回収溝33より深く形成されるピット53が連なっており、このピット53は、内周側に面して開口するように設けられている。この内周側に面した開口部分54に対応するように、還流トンネル55がボール3に穿設されている。すなわち、開口部分54に対応するボール3の外周から、トラック2の下部を通過して内周側へと貫通する還流トンネル55が設けられている。この還流トンネル55は、還流トンネル43a等と同様の形状となっている。
【0045】
さらに、下リング5bの外周部36には、選別部20a〜cに設けられたものと同様の空気噴出機構が設けられている。すなわち、図示しない圧縮空気配管が接続される継手56と、継手56が挿入螺着される空気噴出ブロック57と、空気噴出ブロック57を外周部36に取り付けるボルト58と、継手56に接続する空気噴出ノズル59と、空気噴出ノズル59が通過する貫通孔65とを備えているものである。なお、空気噴出ノズル59の先端は、空気噴出ノズル40a〜cとは異なり、排出トラック48の上方に水平に突出している。また、空気噴出ノズル59の直近下流側には、排除孔50の下流部分の上方を一部覆うゲート60が、支持部61等により取り付けられている。このゲート60の下面と排出トラック48との間には所定寸法の隙間が設けられている。なお、図11(a)においては、ゲート60、支持部61等は、F線矢視断面の下流側に位置するが、理解しやすいように合わせて図示している。
【0046】
以上の構成を有する排除孔50の近傍においては、まず、姿勢変換部46で適正に姿勢が変換されず排出トラック48に落ち込んで移送されてきた部品Dが、ピット53へと落下して排除される。そして、姿勢変換時に回収トラック49へと転落したまま移送されてきた部品Dについても、空気噴出ノズル59から噴出される空気によって吹き飛ばされ、回収孔51を通じてピット53へと落下して排除される。また、姿勢変換部46で適正に姿勢が変換されず排出トラック48に乗り上げるようにして移送されてきた部品Dなどは、ゲート60と排出トラック48との間に形成された隙間を通過することができず、排除孔50へと落下、もしくは空気噴出ノズル59によって回収トラック49側へと吹き飛ばされて回収孔51へと落下して排除される。なお、排出トラック48上を整送されてきた部品Dが、ゲート60と排出トラック48との間に形成された隙間を通過する様子を図11(a)の点線で囲んだI部分の拡大図として図11(b)に示す。
【0047】
また、ピット53には、第1回収溝33の終端52が接続しているため、この上流側において第1回収溝33へと回収されて移送されてきた全ての部品Dが、ピット53へと排出されることになる。これら、排除孔50、回収孔51、第1回収溝33からピット53に回収された部品Dは、ブロック63により形成される斜壁62に沿って還流トンネル55へと誘導され、還流トンネル55を通過して、ボール3の底部15へと排出されて、回収される(図1及び図11(a)参照)。
【0048】
そして、再び図1にて、移送方向に配向してゲート60の下部を通過した部品Dは、そのまま、排出トラック48を下流へと排出される。このとき、ゲート60の下流側に沿って、排出トラック48の上方を所定の隙間を介して覆うように押さえ板64が上リング5aに取り付けられている。この押さえ板64により、部品Dの姿勢が崩れることが防止される。この様子は、G線矢視面である図12においてもよく理解される。本図に示すように、押さえ板64が、ボルト66等によって上リング5aにその上方を覆うように取り付けられており、上リング5aの排出トラック48と押さえ板64との間に形成された空間を部品Dが通過し、部品Dの姿勢が上下方向に崩れることが防止される。
【0049】
こうして、排出トラック48の下流端67まで移送された部品Dは、下流端67から排出され、この下流端67に搬送機構等を接続された図示しない装置等に整送されることになる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態例に係る部品整送装置が構成される。つぎに、上述した部品整送装置の作動について、前述の説明と重複する部分を適宜割愛しながら説明する。なお、基本的に図1を参照しながら作動の説明を行うが、適宜、他の図面も参照する。
【0051】
まず、図示しない部品供給用ホッパ等から図2に示す部品Dが、ボール3の内部の底部15に多数投入される。ここで、駆動部6のコイル10に交流が通電されてボール3に時計方向の捩じり振動が与えられる(図3参照)。また、空気噴出ノズル40a〜c、59からは空気が常時噴出する状態にされる。
【0052】
ボール3の底部15上において、ランダムな状態にある部品Dは、捩じり振動を受けて周辺部へ移動されつつ矢印Lで示す方向に移送される。そして、起点2sから配向方向がランダムな状態のままトラック2に乗り、周壁16に沿って移送される。部品Dは、トラック2をスパイラル状に上昇してワイパー17に至る。積み重なって移送されてくる部品Dのうち、トラック2に接している最下層の部品Dはそのままワイパー17の下を通過して移送され、上層の部品Dはワイパー17に導かれてトラック2の内周側へと落とされる。更には、部品Dは、早出しゲート24に至るが、定常時には早出しゲート24は閉ざされたままであり、部品Dは、ゲートブロック29の内周側へ凸の円弧面によってトラック2の内周側へと押されながら移送される。
【0053】
早出しゲート24の下流側において、部品Dはトラック2から段差18を介して接続されている平面トラック19へと移送される。部品Dは、この平面トラック19に形成されているガイド溝21a〜cによってほぼ3等分されて移送される。このうち、ガイド溝21aへ分配された部品Dは、ボール3の周壁16の欠落箇所16aに通じた終端31aに達し、上リング5aに形成されている斜面32aへと滑落する。そして、斜面32a滑落中に溝状トラック4に至り、移送方向に配向した部品Dは、溝状トラック4にリードLdでその両肩部に係止されるように嵌まり込み、移送方向を配向していない部品Dは、溝状トラック4内に転落する(図7参照)。また、溝状トラック4に嵌まり込むことも転落することもなく斜面32aを滑落した部品Dは、斜面32aの外周端から第1回収溝33へと落下する。第1回収溝33へ落下した部品Dは、第1回収溝33に沿ってボール3の外周をほぼ3/4周近く移送されてピット53に達し、還流トンネル55を経てボール3内へ戻される。
【0054】
平面トラック19上でガイド溝21bまたは21cに分配された部品Dについても、各ガイド溝を移送された後それぞれ終端31b、31cから斜面32b、32cに排出されて、同様に溝状トラック4に嵌まり込み、一部は溝状トラック4内に転落し、または第1回収溝33に落下する。なお、ガイド溝21a〜cにそれぞれ分配された部品Dは、いずれも同様の選別を受けて整送され、排出トラック48へと至るものであり、以下、ガイド溝21aに分配された場合を代表して説明することで、重複する説明を割愛する。
【0055】
終端31aから排出されて、溝状トラック4に移送方向に配向して嵌まり込んだ部品D及び溝状トラック4内に落ち込んだ部品Dは、選別部20aへと移送されていく。このとき、終端31aと選別部20aとの、溝状トラック4に沿う周方向における距離αが、溝状トラック4の溝幅の10倍以内の長さとなっている。これにより、複数個の部品Dがまとまって溝状トラック4上に移送されてきた場合であっても、直近下流側に位置した選別部20aですぐに選別されるため、下流側から追いついてきた部品Dにより滞留が生じ、つまりが発生してしまうことを防止できる。とくに、距離αの長さが、溝状トラック4の溝幅に対して10倍以下の長さとすると、飛躍的につまり防止効果が高まることが実験により把握された。この実験結果については、後述する。
【0056】
溝状トラック4上を選別部20aへと移送されてきた部品Dのうち、移送方向に配向し、リードLdにて溝状トラック4の両肩部に係止されている部品Dについては、そのまま下流へと移送される。しかし、溝状トラック4内に落ち込んできた部品Dは、選別部である長孔20a内へと落下し、更に第2回収溝34aを通過して第3回収溝35へと落下する。また、溝状トラック4に嵌まり込まずに、その上に載ったまま移送されてきた部品D等は、空気噴出ノズル40aから噴出される空気によって吹き飛ばされ、開口部42aを通じて第2回収溝34aへと落下する(図6参照)。
【0057】
第3回収溝35に落下した部品Dについては、下流のピット44bまで移送される。ここで、ガイド溝21bに分配され、更に選別部20bで選別されて第2回収溝34bから落下した部品Dと合流する。そして、還流トンネル43bを通じてボール3内へ戻される(図9参照)。また、吹き飛ばされて第2回収溝34aへと落下した部品Dについては、還流トンネル43aを経てボール3内へと戻される(図8参照)。
なお、選別部20b及び20c近傍においても、選別部20a近傍と同様に、移送方向に配向していない部品Dが選別され、ボール3内へと戻される。
【0058】
選別部20a〜cを通過して、移送方向に配向して移送されてきた部品Dは、姿勢変換部46に達する。姿勢変換部46に到達するまでは20°傾斜した姿勢で移送されているが、ここで、水平な姿勢に変換される(図10参照)。このとき、姿勢変換に失敗し、排出トラック48に適正に嵌まり込まなかった部品Dについては、一部は、回収トラック49へと転落し、また一部は、排出トラック48内に落ち込んだり、排出トラック48上に乗り上げることになる。そして、姿勢変換部46の下流において、排出トラック48内に落ち込んだ部品Dは、排除孔50からピット53へと落下し、還流トンネル55を経てボール3内へと戻される(図11参照)。また、回収トラック49へと転落したまま移送されてきた部品Dについても、空気噴出ノズル59から噴出される空気によって吹き飛ばされ、回収孔51を通じてピット53へと落下し、還流トンネル55を通じてボール3内へと戻される。さらに、排出トラック48に乗り上げるようにして移送されてきた部品Dは、下流に設けられたゲート60と排出トラック48との間に形成された隙間を通過することができず、排除孔50へと落下、もしくは空気噴出ノズル59によって回収トラック49側へと吹き飛ばされて回収孔51へと落下して排除され、ボール3内へと戻される。なお、第1回収溝33に落下して移送された部品Dは、ここでピット53へと排出され、ボール3内へと戻される。
【0059】
ゲート60を通過し、移送方向に配向して移送されてきた部品Dは、押さえ板64との間で姿勢が崩れることを防止されながら、排出トラック48を下流端67まで移送される。こうして、部品Dの整送が完了し、下流端67から図示しない装置等に供給される。
【0060】
最後に、つまり防止効果を把握するために実施した実験の内容について説明する。実験方法としては、終端31a〜cと選別部20a〜cとのそれぞれの周方向距離αの長さが、従来の技術におけるパーツフィーダ100と同様に溝状トラック4の溝幅の40倍のもの(以下、「実施例1」という)、従来とは異なり、溝状トラック4の溝幅の20倍のもの(以下、「実施例2」という)、更に短くし、溝状トラック4の溝幅の10倍のもの(以下、「実施例3」という)の3条件のパーツフィーダ1を作成して、部品整送時におけるつまり発生頻度で評価した。なお、比較のため、従来の技術におけるパールフィーダ100(αの長さは、溝状トラックの溝幅の40倍の長さ、以下「従来型」という)も同様につまり発生頻度を調査した。また、つまり発生頻度は、1万回当たりのつまり発生回数で評価し、とくに、累積部品整送数50万回前後と100万回前後における1万回当たりの詰まり発生回数の平均値で評価した。この実験結果を図13に示す。ちなみに、図13においては、従来型における累積部品整送数100万個の場合の詰まり発生回数の平均値を100とした指数により定量化して示した。
【0061】
従来型の場合、累積部品整送数50万回では、つまり発生指数は30程度にとどまっているが、累積部品整送数100万回では発生指数が顕著に上昇している(指数100)。これは、従来の技術において述べたように、溝状トラックの途中に存在するガイド板との継ぎ目部分の摩耗が進展し、この部分での突っかかりが生じやすくなっていることによる。
【0062】
しかし、実施例1の場合、そもそも、溝状トラックに継ぎ目部分が存在しない構造であるため、継ぎ目部分の摩耗といった問題は存在しない。そのため、つまり発生指数は、累積部品整送数50万回と100万回とでほぼ横ばいで推移し、とくに、累積部品整送数100万回の場合では、従来型に比して顕著なつまり防止効果が得られていることがわかる。
【0063】
また、実施例2の場合は、実施例1の場合と、あまり効果において差は見られないが、実施例3に場合は、実施例1及び2の場合に比して、累積部品整送数50万回の場合も100万回の場合も、更なるつまり防止効果が得られていることがわかる。すなわち、このことから、αを10倍以下とすることで、大幅につまり防止効果を高める部品整送装置を得ることができることがわかる。
【0064】
以上説明したように、本実施形態例によると、本体がほぼ角柱状であり、本体の厚さ方向に非対称な位置から移送方向となる本体の長さ方向の両側方へほぼ同程度の長さの脚部を有する部品について、向きを整えて移送するための捩じり振動パーツフィーダからなる部品整送装置において、かかる部品の整送途中に部品がつまってしまうことを防止する部品整送装置を提供することが可能になり、能率の高い整送処理を実現することができる。
【0065】
また、実施の形態は、上記に限定されるものではなく、例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)本実施形態例において、整送対象となる部品については、移送方向となる本体の長さ方向の両側方へほぼ同程度の長さのリードを1本づつ有するものであったが、必ずしもこのとおりでなくてもよく、2本ずつ有するものであっても、本発明を適用可能である。
【0066】
(2)本実施形態例においては、整送対象となる部品は、3つに分配されて溝状トラックへと移送されるものであるが、必ずしもこのとおりでなくてもよく、2つ以下若しくは4つ以上に分配されるものであっても本発明を同様に適用し得る。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、移送方向に配向していない部品を落下させて選別する選別部が、外周リングに直接に孔あけ加工を行うことによって一体に穿設されているため、従来の技術における整送装置のように、溝状トラックの肩部の継ぎ目部分がそもそも存在しない。したがって、継ぎ目部分での突っかかりや、摩耗の進展によるつまりの発生といった問題を本質的に回避することが可能になる。また、溝状トラックに沿う長孔加工を行うことにより形成されるものであるため、移送方向に配向していない部品を移送中に速やかに選別することができる。したがって、整送途中に部品がつまってしまうことを防止する部品整送装置を提供し、能率の高い整送処理を実現することができる。
【0068】
請求項2の発明によると、外周リングが、上下に分割されて形成されているものであり、上リングに溝状トラックと選別部を設けることで、溝状トラックに継ぎ目部分が存在しない整送装置を実現することができる。すなわち、外周リングを上下分割構造とすることで、上リングの上下面からの加工が可能になり、さらに下リングの上面への加工も可能となる。これにより、溝状トラックに継ぎ目部分を生じさせてしまうことなく、移送方向に配向していない部品を溝状トラックから一旦落下させて更にボールに回収するように誘導するための空間を形成することが容易に実現できる。したがって、整送途中に部品がつまってしまうことを防止する部品整送装置を提供することができる。
【0069】
請求項3の発明によると、さらに整送時におけるつまり発生防止効果の高い部品整送装置を得ることができる。すなわち、ガイド溝の終端と選別部との距離を近づけることで、適正に配向していない部品を溝状トラック移送時の初期段階において選別し、複数個の部品がまとまったまま溝状トラックを長い距離移送されて滞留が生じ、つまりを誘発してしまうことを防止することが可能になる。また、ガイド溝の終端と選別部との距離を近づけることによるつまり防止効果について、とりわけ部品の大きさ、すなわち溝状トラックの溝幅との寸法関係に密接な相関があり、とくに溝幅の10倍以下にすることで、整送時におけるつまり発生防止効果を大幅に向上させることができる部品整送装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態例に係る部品整送装置である捩じり振動パーツフィーダを上から見た図である。
【図2】整送対象となる部品の一例を示す模式図である。(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は斜視図である。
【図3】本実施形態例に係るパーツフィーダの側面図である。
【図4】本実施形態例のパーツフィーダにおけるボールと外周リングを示す分解斜視図である。
【図5】本実施形態例におけるパーツフィーダの要部断面図であり、図1におけるA線矢視断面を示すものである。
【図6】本実施形態例におけるパーツフィーダの要部断面図であり、図1におけるB線矢視断面を示すものである。
【図7】部品が溝状トラックを移送される様子を模式的に示した図である。
【図8】本実施形態例におけるパーツフィーダの要部断面図であり、図1におけるC線矢視断面を示すものである。
【図9】本実施形態例におけるパーツフィーダの要部断面図であり、図1におけるM線矢視断面を示すものである。
【図10】本実施形態例におけるパーツフィーダの要部断面図であって、(a)は図1におけるE線矢視断面を、(b)は(a)におけるH部分の拡大図を示すものである。
【図11】本実施形態例におけるパーツフィーダの要部断面図であって、(a)は図1におけるF線矢視断面を、(b)は(a)におけるI部分の拡大図を示すものである。
【図12】本実施形態例におけるパーツフィーダの要部断面図であり、図1におけるG線矢視断面を示すものである。
【図13】本実施形態例にかかるパーツフィーダのつまり防止効果を調査した実験結果を示すものである。
【図14】従来の技術における部品整送装置である捩じり振動パーツフィーダを上から見た図である。
【図15】図13のパーツフィーダにおける要部断面図であり、(a)はJ線矢視断面を、(b)はK線矢視断面を示したものである。
【符号の説明】
1 パーツフィーダ
2 トラック
3 ボール
4 溝状トラック
5 外周リング
5a 上リング
5b 下リング
6 駆動部
20a〜c 選別部
32a〜c 斜面
33 第1回収部
34a〜c 第2回収部
35 第3回収部
D 部品
Ld リード

Claims (3)

  1. 本体がほぼ角柱状であり、本体の厚さ方向に非対称な位置から移送方向となる本体の長さ方向の両側方へほぼ同程度の長さの脚部を有する部品について、向きを整えて移送するための捩じり振動パーツフィーダからなる部品整送装置であって、
    前記部品が投入され、スパイラル状に上昇させて部品を移送するトラックが設けられた皿状のボールと、該ボールの外周縁部に沿い同心的に取り付けられ、移送方向を向く前記部品における脚部と係止することにより、前記ボールから移送されてきた前記部品を単列で移送する溝状トラックが設けられた外周リングとを有し、
    前記外周リングには、前記脚部が係止せずに移送方向と異なる方向に移送されている部品を落下させることで選別して前記ボールへと回収する選別部が、前記溝状トラックの複数箇所に設けられており、この選別部は、前記溝状トラックに沿う長孔加工を行うことによって前記外周リングに一体に穿設されていることを特徴とする部品整送装置。
  2. 前記外周リングは、同心的に前記ボールに沿う2つのリングが上下に重ねられて前記ボールに組み付けられるものであり、上リングに前記溝状トラック及び前記選別部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の部品整送装置。
  3. 前記ボールに形成され、前記各選別部へ連なる前記溝状トラックへと前記部品を分配して誘導するガイド溝の各終端と、前記各選別部との周方向における距離が、前記溝状トラック溝幅の10倍であることを特徴とする請求項1または2に記載の部品整送装置。
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