JP4872045B2 - 浴室の排水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は浴槽の下方に配置された防水パンを用いた、浴室の排水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、浴槽と、該浴槽を載置した防水パンと、から成る浴室の排水装置が知られている。
図11に示した従来例は、防水パンを、洗い場部と、浴槽を載置する浴槽載置部と、から成し、また浴槽載置部と洗い場部側に設けた取着孔にはそれぞれ排水エルボ、及び排水トラップと呼ばれる排水機器を取着して構成している。排水エルボは、防水パンと下水側の配管との接続を行う、通常は内部に単純に排水を流すための排水機器である。また排水トラップは、防水パンと下水側の配管との接続を行う排水機器であって、その内部の排水が流れる流路中に排水を溜める部分(この溜まった排水を「封水」と呼ぶ)を備えて、下水側から臭気や害虫類が屋内に侵入してくることを防ぐ機能を備えている。図11に示した従来例の場合は、排水エルボを排水トラップに接続してなる。このようにする事で、排水エルボと排水トラップを独立に下水側に配管する場合と比べて、配管の手間や部材点数を削減でき、また排水エルボに排水トラップの防臭・防虫機能を付加することができる。
【0003】
上記従来例においては、本文や図面から明らかなように、防水パンと浴槽は別体であり、防水パンの浴槽載置部側に浴槽を載置した構成としている。浴槽と防水パンを別体で構成するメリットとしては、浴槽と防水パンを一体成形するよりも別々の構成とする方が、個々の部材の大きさが小さくて済むため、成形や搬送が容易なこと、また両者の材質を異なる物とできるため、浴槽の意匠性や保温性を高めたりすること等が挙げられる。このため、浴室の構造としては、防水パンと浴槽とを別体で構成する方法が主流である。
【0004】
ところで、この図11の従来例のように、防水パンの浴槽載置部上に浴槽を載置した場合、浴槽の排水については浴槽載置部上に排水を排出して、浴槽載置部上から排水エルボに排水を流すことで排水を処理していたため、浴槽載置部に浴槽排水の汚れが付着して不衛生であり、また異臭が発生するという問題があった。また、洗い場部側に多量の排水があった時も、排水トラップから排水エルボを介して浴槽載置部へ排水が逆流する場合があり、この場合も先の例と同様に浴槽載置部上を排水で汚してしまう場合があった。
【0005】
しかも浴槽載置部は通常エプロン部材などで隠されて目視したり手を加えたりし難いうえ、エプロン部材を取り外しても、浴槽載置部の奥まった所は洗い場部からは距離があり、また浴槽の陰となって手を加えにくいなど、非常に清掃性が悪く、上記のような理由で浴槽載置部が汚れても殆ど清掃を行うことができなかった。
【0006】
上記図11の従来例の問題を解決する方法として、図12に示すように、浴槽の排水孔に、排水孔から排水エルボへと続く排水配管を接続し、浴槽内の排水を排水孔から排水配管を介して直接排水トラップへと排水する浴室の排水装置が考案された。この図12のような構成であると、浴槽の排水は排水配管によって直接排水トラップへと排水でき、浴槽載置部上を排水が流れないので、浴槽載置部が浴槽の排水によって汚れるという問題は殆ど解決することが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような構成の浴室の排水装置には、次の1.乃至3.のような問題が生じていた。
1.洗い場部に多量の排水が排出された場合、図11の従来例と同様に排水トラップを介して排水エルボの流入口から浴槽載置部上に逆流が生じるだけでなく、更に排水配管を介して排水が浴槽内へ逆流して、浴槽載置部と浴槽内とを排水が汚してしまう場合があった。2.浴槽の天面から洗い場部までの高さ幅(図10中のHで表した箇所の高さ幅)を一般に跨ぎ込み高さと呼ぶが、この跨ぎ込み高さが高いと特に老人や病人、また子供には浴槽に入りにくく、不便な浴槽となってしまう。図12の従来例のように、浴槽と浴槽載置部の間に排水配管を備えた浴槽の排水装置では、接続配管分の高さ幅だけ跨ぎ込み高さが高くなってしまい、その分不便な浴槽となっていた。
3.図12の従来例では、浴槽の排水の為に、浴槽の排水孔から浴槽載置部の排水エルボまでを排水配管にて接続しているが、浴室の施工の際には、浴槽と浴槽載置部の間にどうしても数ミリ程度、水平方向の位置ズレが生じてしまう。排水配管が硬質塩ビなどの硬質素材の場合、排水孔から排水エルボまでの長さの変化に対応するために、排水配管に無理に力を加えて形状を変形させるため、漏水などが生じる場合があり、軟質塩ビ等のチューブ管や蛇腹管などの可撓管の場合は、位置ズレには対応できるものの、排水配管が垂れて逆勾配になったり、蛇腹管の場合は蛇腹の谷に排水の塵などが溜まるなどして管を詰まらせる場合があるなど、排水配管の施工性に付いて問題を有していた。
【0008】
本発明は上記のような課題を解決するために研究開発されたものであって、1.逆流の発生を防ぎ、2.跨ぎ込み高さが低く、3.排水機器、特に排水配管の施工性が向上する浴室の排水装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の浴室の排水装置は、底部に排水孔(1)を設けた浴槽(2)と、該浴槽(2)を載置する、取着孔(4)を開口した防水パン(3)と、前記排水孔(1)からの排水と、前記防水パン(3)からの排水とが排水される流入口(7)を有する、前記取着孔(4)に取着した排水機器と、該排水機器からの排水を下水側へと排水する排水経路(10)と、前記排水機器の流入口(7)に取り付けられた、前記排水孔(1)からの排水を排水する第1排水部(12)、及び防水パン(3)からの排水を排水する第2排水部(13)を有した目皿部材(11)と、から構成される浴室の排水装置において、排水孔(1)に、排水孔(1)から排水機器へ排水を流すための排水配管(9)が備えられると共に、第1排水部(12)に、該排水配管(9)の端部と水密的に当接することで配管の接続が行われる当接面(14)と、該当接面(14)に設けた、排水が通過するための通水孔(16)と、を備えたことを特徴とする浴室の排水装置である。
【0010】
前記排水配管(9)を当接面(14)に接続する際、排水配管(9)と通水孔(16)との間に偏芯ずれが生じても、両者の水密的な接続を可能にするため、前記当接面(14)の外縁と、前記通水孔(16)の外縁との間に間隙を設けたことを特徴とする段落0009に記載の浴槽の排水装置である。
【0011】
本発明の浴室の排水装置は、前記当接面(14)は前記排水孔(1)の直下に配置したことを特徴とする段落0009または段落0010に記載の浴室の排水装置である。
【0012】
本発明の浴室の排水装置は、前記当接面(14)を目皿部材(11)の上面から落ちくぼんだ部分に設けたことを特徴とする前記段落0009乃至段落0011のいずれか一つに記載の浴室の排水装置である。
【0013】
本発明の浴室の排水装置は、底部に排水孔(1)を設けた浴槽(2)と、該浴槽(2)を載置する、取着孔(4)を開口した防水パン(3)と、前記排水孔(1)からの排水と、前記防水パン(3)からの排水とが排水される流入口(7)を有する、前記取着孔(4)に取着した排水機器と、該排水機器からの排水を下水側へと排水する排水経路(10)と、前記排水機器の流入口(7)に取り付けられた、前記排水孔(1)からの排水を排水する第1排水部(12)、及び防水パン(3)からの排水を排水する第2排水部(13)を有した目皿部材(11)と、から構成され、更に前記目皿部材(11)は、第1排水部(12)下方に排水経路(10)からの逆流を防止する逆流防止装置を設けた浴室の排水装置において、前記逆流防止装置は、通水孔(16)の下流側に配置した筒体部(17)と、該筒体部(17)に対し上下方向に摺動自在に係止する軸部(18)と、該軸部(18)に備えられた、筒体部(17)下端と当接して第1排水部(12)を閉塞する弁体部(19)と、から構成したことを特徴とする浴室の排水装置である
【0014】
本発明の浴室の排水装置は、前記排水機器の弁体部の直下となる底面に、弁体部(19)の下面と当接して弁体部(19)の下降を制限する弁ストッパー部(20)を設けたことを特徴とする段落0013に記載の浴室の排水装置である。
【0015】
本発明の浴室の排水装置は、前記軸部(18)と前記弁体部(19)とを比重1よりも軽量とすると共に、排水機器に封水を有するトラップ機能を付加し、更に排水機器の内部の筒体部(17)下端よりも高い位置まで封水を満たしたことを特徴とする段落0014に記載の浴室の排水装置である。
【0016】
本発明の浴室の排水装置は、前記目皿部材(11)の第2排水部(13)に、前記排水機器から防水パン(3)上に排水が逆流することを防止する逆流防止装置を備えたことを特徴とする段落0009乃至段落0015いずれか1つに記載の浴室の排水装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を、図1乃至図3に示した図面を参照しつつ説明する。本実施例は、浴槽(2)と、浴槽(2)を載置する防水パン(3)と、浴槽(2)と防水パン(3)からの排水を下水側へと排水する、排水機器としての排水エルボ(5)と、排水エルボ(5)の流入口(7)に取り付けられる目皿部材(11)と、目皿部材(11)に備えられた逆流防止装置と、排水エルボ(5)の排水を下水側へと排水する、排水トラップ(6)などの排水経路(10)から構成される。以下に各部材の構成を記載する。
【0018】
浴槽(2)は、底部に排水孔(1)を開口しており、該浴槽(2)内の水を排水・貯水するための開閉自在の栓体(図示せず)を備えている。また、排水孔(1)にはフランジ部(9a)を有した円筒状の排水配管(9)を挿通させ、フランジ部(9a)を排水孔(1)に係止させて浴槽(2)の裏面からナット部材(9b)で浴槽(2)と排水配管(9)を挟持して固定している。また、この排水配管(9)の直径は後述する通水孔(16)の直径よりも大径に構成されている。
【0019】
防水パン(3)は、浴槽(2)を載置する浴槽載置部(3a)と洗い場部(3b)からなり、浴槽載置部(3a)と洗い場部(3b)とに、それぞれ取着孔(4)を設け、更に、浴槽載置部(3a)の取着孔(4)には排水エルボ(5)を、洗い場部(3b)の取着孔(4)には排水トラップ(6)をそれぞれ取着してなる。
【0020】
排水エルボ(5)は、前記浴槽載置部(3a)の取着孔(4)に取り付けられ、浴槽(2)からの排水と、浴槽載置部(3a)の排水が流入する流入口(7)と、排水エルボ(5)内の排水を排水トラップ(6)へと排水する流出口(8)より構成される。また、排水エルボ(5)の流入口(7)の底面には、後述する弁体部(19)の略直下の位置に、底面から上方に突出して成る弁ストッパー部(20)を設けている。
【0021】
目皿部材(11)は、前記排水エルボ(5)の流入口(7)に取り付けられる部材であって、浴槽(2)の排水が流入する、排水配管(9)が接続される第1排水部(12)と、防水パン(3)の浴槽載置部(3a)上に生じた排水が流入する第2排水部(13)とを開口して成る。
第1排水部(12)は、目皿部材(11)の中央位置であって、上面より落ち窪んだ位置に、前記排水配管(9)端部と当接する円形状の当接面(14)を設け、該当接面(14)には浴槽(2)からの排水が通過する通水孔(16)が、当接面の直径よりも小径に当接面(14)と同心円状に開口され、当接面(14)には軟質素材から成る水密部材(15)が配されている。
また、前記排水配管(9)を当接面(14)に接続する際、排水配管(9)と通水孔(16)との間に偏芯ずれが生じても、両者の水密的な接続を可能にするため、前記当接面(14)の外縁と、前記通水孔(16)の外縁との間に間隙を設けている。
第2排水部(13)は、目皿部材(11)の上面であって、第1排水部(12)の周囲に複数個適宜設けられた孔から構成されて成る。
【0022】
逆流防止装置は、前記目皿部材(11)の第1排水部(12)と、第2排水部(13)とに設けられている。
第1排水部(12)の逆流防止装置は、第1排水部(12)の通水孔(16)の下方に取り付けて設けられた筒体部(17)と、筒体部(17)に対し上下方向に摺動自在に係止されている複数の軸部(18)と、軸部(18)に一体的に設けられ、最上昇時には筒体部(17)下端に当接するよう構成された弁体部(19)とから成る。尚、弁体部(19)と軸部(18)の計は比重が1より多少軽量であるように構成されている。(ここでいう「弁体部(19)と軸部(18)の計は比重が1より多少軽量である」とは、弁体部(19)と軸部(18)が同一の素材で有れば、その比重が1よりも軽量であり、また弁体部(19)と軸部(18)が異なる素材であった場合には、仮にいずれか一方の素材が比重1より重くても、他方の素材が比重1よりも充分に軽量で、弁体部(19)と軸部(18)とを組み合わせた物は比重1よりも軽量な部材として機能することを意味する表現である。)
【0023】
また、第2排水部(13)の逆流防止装置は、第2排水部(13)の下方側に配置され、比重が1よりも軽い材質で構成されたフロート弁(21)により構成されており、逆流発生時には、排水の浮力によって上昇し、第2排水部(13)を閉塞して浴槽載置部(3a)上に排水が溢れることを防止する。
【0024】
排水経路(10)は図6に表したように、前記排水エルボ(5)の流出口(8)から下水までの経路を示すものであって、防臭や防虫のための封水を有した排水トラップ(6)も含まれる。該排水トラップ(6)は防水パン(3)の洗い場部(3b)の取着孔(4)に取着され、排水エルボ(5)とはパイプなどの部材を介して接続されている。また、このようにして排水トラップ(6)と排水エルボ(5)が接続されているため、排水トラップ(6)内に常時存在している封水(図6中の‘WL’が封水の上限ラインである)が、排水エルボ(5)側にも満たされた状態となっている。また、この実施例においては、排水トラップ(6)の封水の水面が排水エルボ(5)の第1排水部(12)の筒体部(17)下端よりも上方に成るように配置されているため、弁体部(19)は常時封水の浮力によって浮上して筒体部(17)下端に当接し、第1排水部(12)を水密に閉塞して成る。
【0025】
次に各部材の施工手順、作用を記載する。
防水パン(3)の各取着孔(4)に前記排水エルボ(5)、排水トラップ(6)をそれぞれ取着し、パイプ等の部材を用いて排水エルボ(5)と排水トラップ(6)や、排水トラップ(6)と下水側配管を接続し、排水経路(10)を配管し、更に排水エルボ(5)の流入口(7)に前記目皿部材(11)を取り付ける。次に排水孔(1)に、円筒状の排水配管(9)を取り付けた浴槽を、前記第1排水部(12)の略直下に配置されるように防水パン(3)の浴槽載置部(3a)に載置する。この際に、排水配管(9)と第1排水部(12)とは、排水配管(9)の下端部が、水密部材(15)を備えた当接面(14)に当接するため、水密的に接続される。
また、当接面(14)の外縁と、通水孔(16)との間に間隙を設けているので、排水配管(9)と当接面(14)の接続時に、排水配管(9)と通水孔(16)が、水平方向に数ミリ程度の偏芯ずれを発生していても、この間隙が偏芯ずれを吸収し、良好な施工を達成する。
また図4乃至図5からも明らかなように、排水配管(9)、当接面(14)、通水孔(16)の径の関係から、施工の際に、当接面(14)上に排水配管(9)の端部が載置されていれば、通水孔(16)上に確実に排水配管(10)の端部が配置され、通水孔(16)が開放されることがない。
また、浴槽(2)と第1排水部(12)との接続において、円筒状の排水配管(9)が、排水孔(1)から直下に向けて備えられており、図12の従来例のような横方向に向かう配管が存在しないため、浴槽(2)と防水パン(3)の間を狭めることができ、その分、跨ぎ込み高さが低くなる。
【0026】
上記のように構成した浴室の排水装置において、
A.浴槽(2)から排水が行われる場合、図1に表したように、浴槽(2)の排水孔(1)から排水された排水は、排水配管(9)から当接面(14)に開口された通水孔(16)に到達し、更に水圧によって弁体部(19)を押し下げて排水エルボ(5)内部に排水され、最終的には排水エルボ(5)の流出口(8)から排水経路(10)を通り、下水側に排出される。排水配管(9)と当接面(14)は水密に当接しており、また第2排水部(13)のフロート弁(21)が上昇して第2排水部(13)を閉塞するため、浴槽(2)からの排水は防水パン(3)の浴槽載置部(3a)上に漏れることはないので、浴槽載置部(3a)は浴槽(2)からの排水で汚れることがない。また排水の勢いが筒体部(17)と軸部(18)の係止を解除し得るほど強烈であっても、排水エルボ(5)底面に有した弁ストッパー部(20)に弁体部(19)が当接する事によって、下降の限度地点で正確に弁体部(19)は停止するため、弁体部(19)が脱落等することがない。
【0027】
B.防水パン(3)の浴槽載置部(3a)から排水が行われる場合、図2に示したように、目皿部材(11)の第2排水部(13)から排水は排水エルボ(5)内部に排出され、最終的には排水エルボ(5)の流出口(8)から排水経路(10)を通り、下水側に排出される。排水配管(9)と当接面(14)は水密に当接しており、また第1排水部(12)の弁体部(19)は封水による浮力によって上昇し、第1排水部(12)を閉塞しているため、浴槽載置部(3a)上からの排水は浴槽(2)内に溢れることはないので、浴槽(2)内は浴槽載置部(3a)内からの排水で汚れることがない。
【0028】
C.防水パン(3)の洗い場部(3b)から排水が行われる場合、排水トラップ(6)内に流入した排水は、排水経路(10)を通り、下水側に排出される。この際に、排水トラップ(6)に流れ込んだ排水の一部が排水エルボ(5)側に流入しても、
a.図2に表したように排水配管(9)と当接面(14)は水密に当接しており、また第1排水部(12)の弁体部(19)は封水による浮力によって上昇し、第1排水部(12)を閉塞しているため、洗い場部(3b)からの排水は浴槽(2)内に溢れることは無い。
b.また第2排水部(13)のフロート弁(21)が上昇して第2排水部(13)を閉塞するため、浴槽載置部(3a)は洗い場部(3b)からの排水で汚れることが無い。
c.図1に表したように浴槽(2)からの排水時(弁体部(19)が下降時)に排水経路(10)からの逆流が発生した場合には、排水エルボ(5)の上方に突出した弁ストッパー部(20)に、排水経路(10)からの逆流排水の水流が当接して上向きの水流となり、弁体部(19)は逆流の水流によって上昇し、筒体部(17)に密着する。このことにより、浴槽(2)からの排水時に排水経路(10)からの逆流が発生したとしても、逆流の水流に併せて弁体部(19)が筒体部(17)に水密に閉塞するので浴槽(2)側へと逆流することはない。
【0029】
本発明の実施例は上記のようであるが、本発明は上記実施例に限定される物ではなく、発明の要旨を変更しない範囲で自在に変更が可能である。
例えば上記実施例においては、当接面(14)を目皿部材(11)の上面から落ちくぼんだ部分に設けているが、当接面(14)の高さ位置に付いては特に何らの限定を有する物ではなく、当接面(14)を目皿部材(11)の上面位置に配置しても、本発明の目的を達成することが出来る。
【0030】
また、上記実施例においては、排水エルボ(5)に当接面(14)や逆流防止装置を備えた目皿部材(11)を配置しているが、排水トラップ(6)や他の排水機器に目皿部材(11)を配置しても、本発明の目的を達成することが出来る。
【0031】
また、上記実施例においては、図6に示したように第1排水部(12)の筒体部(17)下端よりも高い位置に封水が満たされるように構成し、常時弁体部(19)が筒体部(17)下端を閉塞するように構成して成るが、通常時封水が筒体部(17)の下端よりも低い位置にまでしか満たされていなくても、逆流の発生時に溢れ水の浮力と逆流の水圧とで弁体部(19)が上昇し、筒体部(17)下端を閉塞するため、逆流防止の機能に何ら不具合が生じることがない。
【0032】
また、上記実施例においては、弁ストッパー部(20)を排水機器である排水エルボ(5)と一体に備えて構成しているが、図7や図8に示した実施例のように弁ストッパー部(20)を別部材にて構成し、接着等の方法で排水機器内に取り付けても、本発明の目的を達成することが出来る。
【0033】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したため、下記のような優れた効果を奏する。
1.排水孔に取り付けられた排水配管が目皿部材の当接面に水密に当接していることにより、浴槽からの排水が浴槽裁置部に逆流することが無くなり、逆流した排水によって防水パンが汚れることがない。
2.排水孔に取り付けられた排水配管が目皿部材の当接面に当接していることによって、排水配管と当接面を当接させるだけで浴槽の施工が終了し、浴槽の施工性が向上する。
3.当接面の外縁と、通水孔の間に偏芯ずれの補正用の間隙を設けていることによって、該間隙が排水配管と通水孔の偏芯ずれを吸収し、良好な施工を達成する。
4.排水孔と当接面が、水平面においてほぼ同一の位置となるように構成しているため、浴槽と浴槽載置部の間に、横方向に向かう排水配管を配置する必要が無く、その分跨ぎ込み高さの低い浴槽を提供することができる。
5.第1排水部に逆流防止装置を設けたことによって、排水経路から浴槽への逆流を防止することができ、浴槽が排水の逆流によって汚れることはない。
6.第1排水部に設けた逆流防止装置を、逆流の水圧によって上下動し第1排水部を閉塞するような逆流防止装置としたことで、逆流を確実に防止することができる。
7.排水機器に弁ストッパー部を設けたことによって、浴槽からの排水が強烈であっても弁体部の脱落や、弁体部の誤作動を防止でき、より正確で壊れにくい逆流防止装置とすることができる。
8.排水機器と排水経路内に封水が存在していることにより、比重1よりも軽量の弁体が常時封水の浮力によって浮上して筒体部下端に当接し浮上して筒体部を水密に閉塞することができ、排水機器や排水経路から浴槽への逆流を防止することができる。
9.排水機器に弁ストッパー部を設けたことによって、浴槽からの排水時に排水経路からの逆流が発生しても、逆流水流が弁ストッパー部により上向きの水流となり、弁体部を水流の力で押上げ、筒体部と閉塞することができる。浴槽排水時の浴槽への逆流を防止でき、浴槽が排水の逆流で汚れることはない。
10.排水機器内に常時満たされている封水によって、比重1よりも軽量な弁体部が通常時第1排水部を閉塞するように構成しているため、排水経路からの逆流の勢いが弱くても、確実に逆流を防止することができる。
11.第2排水部に逆流防止装置を配置したことによって、排水経路からの逆流が発生しても浴槽裁置部側への逆流は防止でき、防水パンが逆流した排水によって汚れることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の弁体部が開栓時の断面図である。
【図2】 本実施例の弁体部が閉塞時の断面図である。
【図3】 本実施例の要部拡大断面図である。
【図4】 (a)本実施例の排水配管が第1排水部のほぼ中心に配置された場合の断面図である。
(b)上記(a)のA−A’矢視図である。
【図5】 (a)本実施例の排水配管が第1排水部から中心がずれて配置された場合の断面図である。
(b)上記A−A’矢視図である。
【図6】 本実施例の排水経路と封水の概略説明断面図である。
【図7】 他の実施例の断面図である。
【図8】 他の実施例の要部拡大断面図である。
【図9】 本実施例の施工時を示す断面図である。
【図10】従来の施工時を示す断面図である。
【図11】従来例を示す断面図である。
【図12】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 排水孔
2 浴槽
3 防水パン
3a 浴槽載置部
3b 洗い場部
4 取着孔
5 排水エルボ
6 排水トラップ
7 流入口
8 流出口
9 排水配管
9a フランジ部
9b ナット部材
10 排水経路
11 目皿部材
12 第1排水部
13 第2排水部
14 当接面
15 水密部材
16 通水孔
17 筒体部
18 軸部
19 弁体部
20 弁ストッパー部
21 フロート弁

Claims (8)

  1. 底部に排水孔(1)を設けた浴槽(2)と、該浴槽(2)を載置する、取着孔(4)を開口した防水パン(3)と、前記排水孔(1)からの排水と、前記防水パン(3)からの排水とが排水される流入口(7)を有する、前記取着孔(4)に取着した排水機器と、該排水機器からの排水を下水側へと排水する排水経路(10)と、前記排水機器の流入口(7)に取り付けられた、前記排水孔(1)からの排水を排水する第1排水部(12)、及び防水パン(3)からの排水を排水する第2排水部(13)を有した目皿部材(11)と、から構成される浴室の排水装置において、排水孔(1)に、排水孔(1)から排水機器へ排水を流すための排水配管(9)が備えられると共に、第1排水部(12)に、該排水配管(9)の端部と水密的に当接することで配管の接続が行われる当接面(14)と、該当接面(14)に設けた、排水が通過するための通水孔(16)と、を備えたことを特徴とする浴室の排水装置。
  2. 前記排水配管(9)を当接面(14)に接続する際、排水配管(9)と通水孔(16)との間に偏芯ずれが生じても、両者の水密的な接続を可能にするため、前記当接面(14)の外縁と、前記通水孔(16)の外縁との間に間隙を設けたことを特徴とする請求項1に記載の浴室の排水装置。
  3. 前記当接面(14)は前記排水孔(1)の直下に配置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浴室の排水装置。
  4. 前記当接面(14)を目皿部材(11)の上面から落ちくぼんだ部分に設けたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の浴室の排水装置。
  5. 底部に排水孔(1)を設けた浴槽(2)と、該浴槽(2)を載置する、取着孔(4)を開口した防水パン(3)と、前記排水孔(1)からの排水と、前記防水パン(3)からの排水とが排水される流入口(7)を有する、前記取着孔(4)に取着した排水機器と、該排水機器からの排水を下水側へと排水する排水経路(10)と、前記排水機器の流入口(7)に取り付けられた、前記排水孔(1)からの排水を排水する第1排水部(12)、及び防水パン(3)からの排水を排水する第2排水部(13)を有した目皿部材(11)と、から構成され、更に前記目皿部材(11)は、第1排水部(12)下方に排水経路(10)からの逆流を防止する逆流防止装置を設けた浴室の排水装置において、
    前記逆流防止装置は、通水孔(16)の下流側に配置した筒体部(17)と、該筒体部(17)に対し上下方向に摺動自在に係止する軸部(18)と、該軸部(18)に備えられた、筒体部(17)下端と当接して第1排水部(12)を閉塞する弁体部(19)と、から構成したことを特徴とする浴室の排水装置
  6. 前記排水機器の弁体部の直下となる底面に、弁体部(19)の下面と当接して弁体部(19)の下降を制限する弁ストッパー部(20)を設けたことを特徴とする請求項5に記載の浴室の排水装置。
  7. 前記軸部(18)と前記弁体部(19)とを比重1よりも軽量とすると共に、排水機器に封水を有するトラップ機能を付加し、更に排水機器の内部の筒体部(17)下端よりも高い位置まで封水を満たしたことを特徴とする請求項6に記載の浴室の排水装置。
  8. 前記目皿部材(11)の第2排水部(13)に、前記排水機器から防水パン(3)上に排水が逆流することを防止する逆流防止装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の浴室の排水装置。
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