JP4871512B2 - 湾曲長尺材の製造方法、及び湾曲長尺材製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、湾曲加工用金型を用いた金属製湾曲長尺材(例えば、車両用湾曲ドアサッシュ)の製造方法、及び当該湾曲長尺材を製造する湾曲長尺材製造装置に関するものである。
加工対象である金属製の直線母材を曲げ加工するには、ストレッチベンダー機が用いられることは良く知られている(例えば、特許文献1参照)。このストレッチベンダー機は、三次元的に湾曲した湾曲型面が形成される湾曲加工用金型を具備し、直線母材が湾曲加工用金型に密着して曲げ加工されることにより、所定形状の湾曲長尺材が得られる。ここで、湾曲長尺材としては、例えば車両用湾曲ドアサッシュが挙げられる(図12参照)。この車両用湾曲ドアサッシュは、車外に露出する外装表面100を具備するフランジ部101と、該フランジ部101の裏面から起立する主板部102に連成された中空幅広部104と、主板部102の一側面に形成された、ドア側ウェザーストリップが嵌挿される第一溝部105と、主板部102の他側面に形成された、ガラスランが嵌挿される第二溝部106とを備えている。さらに、車両のデザインに基づき、所定部位が第二溝部側に三次元的に湾曲した形状をしている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、車両用湾曲ドアサッシュを得るための一般的なストレッチベンダー機は、湾曲加工用金型が取り付けられる作業台と、この作業台の側面に接続された接続可動腕部と、この接続可動腕部から上方に起立したシリンダー支持柱とを備えている。このシリンダー支持柱は、テンションシリンダーをほぼ水平に支持すると共に、テンションシリンダーの先端に接続されたテンションチャックにより、加工対象である直線ドアサッシュ母材の一端を保持できる構成となっている。かかる構成にあって、まず、直線ドアサッシュ母材の一端をテンションチャックにより保持し、他端を別のチャックにより保持し、かつ、直線ドアサッシュ母材に予め設定された加工開始部位を湾曲型面に密着させる。そして、かかる状態から直線ドアサッシュ母材をテンションチャックにより引張しながら、該テンションチャックを金型周りに旋回させる。そうすると、直線ドアサッシュ母材が湾曲しながら湾曲型面に順次密着することとなり、所望の三次元形状に曲げ加工された車両用湾曲ドアサッシュが得られる。
特開2000−237825号公報 特開2001−213167号公報
しかしながら、上述のストレッチベンダー機にあっては、直線ドアサッシュ母材を湾曲させる際に、接続可動腕部を回動させて、前記シリンダー支持柱ごとテンションチャックを当該金型周りで大きく旋回させる必要が生じる。また、これに伴い、直線ドアサッシュ母材の未加工部位も金型周りを回動することとなる。さらに、加工対象物を三次元的な湾曲形状とするために、テンションチャックが上下動する。したがって、従来構成にあっては、この直線ドアサッシュ母材の未加工部位、接続可動腕部、及び支持柱等が回動、及び上下動するスペースを金型の周囲に十分確保しなければならなかった。また、加工対象である直線ドアサッシュ母材が長大なものとなると、全体として装置がさらに大型化してしまう問題があった。また、上記構成にあって、しわ、凹凸、ひけ、又はやせ等の発生を回避すべく、三次元的に湾曲した湾曲型面に、精度良く直線ドアサッシュ母材の側面を密着させようとすると、接続可動腕部等の機械構造を、より一層複雑化・高精度化する必要がある。しかし、これはコスト高を招来するため、実際上、直線ドアサッシュ母材と湾曲型面とを精度良く密着させるには限界があった。
そこで、本発明は、上記問題を解消し得る湾曲長尺材の製造方法、及び湾曲長尺材製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、三次元的に湾曲した長尺状の湾曲型面が表面に形成されてなる湾曲加工用金型の、当該湾曲型面に、加工対象である金属製の直線母材を、湾曲させつつ順次密着させて、所定の三次元形状に曲げ加工された湾曲長尺材を得る、湾曲長尺材の製造方法において、直線母材の一端を湾曲加工用金型が載置される金型載置台に固設された第一保持手段により保持し、かつ他端を前記金型載置台に固設されない第二保持手段により保持すると共に、予め設定された直線母材の加工開始部位を湾曲型面に密着させ、金型載置台を自転させて当該直線母材を湾曲加工用金型に巻き込みながら、該金型載置台を三次元移動させることにより、直線母材と湾曲型面とが密着する部位に隣接する微分面領域を、対向する直線母材側面に連続的に面合わせして直線母材を湾曲型面に倣い変形させるようにしたことを特徴とする湾曲長尺材の製造方法である。
かかる構成は、湾曲加工用金型が自転し、かつ三次元的に移動して、直線母材と湾曲型面とが密着する部位に隣接する微分面領域を、対向する直線母材側面に連続的に面合わせして直線母材を湾曲型面に倣い変形させていく構成である。このため、逐次、直線母材と湾曲型面との位置関係が適正に補正されることとなり、湾曲長尺材の側面全域にわたって湾曲型面が精度良く密着していくこととなる。これにより、直線母材の変形部位に不要な力が作用することがないため、しわ、凹凸、ひけ、又はやせ等の発生が減ぜられることとなる。
かかる構成にあって、湾曲型面の長手方向の外形を規定する長手曲線を特定し、該長手曲線のうち、最大曲率である曲線部分を選定し、該曲線部分の曲率と合致する曲率の仮想円弧又は近似的な仮想円弧を当該曲線部分に内接するように設定し、設定した円弧の中心を特定し、該中心を自転中心として金型載置台を自転させると共に、該自転中心から最短距離に位置する直線母材部位の縦断面上に仮想中心点を設定し、該仮想中心点を回動中心として金型載置台を三次元的に回動させる構成が提案される。
かかる構成にあって、金型載置台が自転すると第一保持手段は共に回動することなるが、第二保持手段は共に回動しない。このような状況にあっては、上記構成により設定した仮想中心点を回動中心として金型載置台を三次元的に回動させても、直線母材の未加工部位(第二保持手段と湾曲加工用金型との間に位置する部位)は、製造過程にあって位置変動しないこととなる。また、金型載置台も所定位置で回動等するため、作業領域の省スペース化が図れることとなる。
なお、上記構成にあっては、直線母材が、車外に露出する外装表面を具備するフランジ部と、該フランジ部の裏面から起立する主板部に連成された中空幅広部と、主板部の一側面に形成された、ドア側ウェザーストリップが嵌挿される第一溝部と、主板部の他側面に形成された、ガラスランが嵌挿される第二溝部とを備えた、ほぼ一直線状の直線ドアサッシュ母材であり、湾曲長尺材が、予め設定された直線ドアサッシュ母材の加工開始部位における第二溝部側の一側面を湾曲型面に密着させ、当該直線ドアサッシュ母材を第二溝部側に三次元的に湾曲してなる車両用湾曲ドアサッシュである構成が提案される。
かかる構成にあっては、意匠面となるフランジ部の外装表面に、しわ、凹凸、ひけ、又はやせ等が発生しないため、見栄えの良い車両用湾曲ドアサッシュが得られる。
また、本発明は、三次元的に湾曲した長尺状の湾曲型面が表面に形成されてなる湾曲加工用金型と、湾曲加工用金型が載置される金型載置台と、加工対象である金属製の直線母材の一端を保持する第一保持手段と、当該直線母材の他端を保持する第二保持手段とを備え、両保持手段により直線母材を保持しながら、当該直線母材を湾曲型面に順次密着させて、所定の三次元形状に曲げ加工された湾曲長尺材を製造する湾曲長尺材製造装置において、第一保持手段は、金型載置台に固設され、第二保持手段は、金型載置台に固設されない構成であると共に、金型載置台を自転させる金型載置台自転手段と、金型載置台を三次元移動させる金型載置台三次元移動手段とを備えたことを特徴とする湾曲長尺材製造装置である。
上述のような構成として、直線母材が第一保持手段と第二保持手段とで保持され、かつ予め設定された当該直線母材の加工開始部位が湾曲型面に密着した状態で金型載置台を自転させると、直線母材が湾曲加工用金型に巻き込まれることとなる。そして、直線母材と湾曲型面との密着部位に隣接する微分面領域が、対向する直線母材側面に連続的に面合わせされて、直線母材が倣い変形されることとなる。これにより、湾曲長尺材の側面全域にわたって湾曲型面との密着度が増すこととなって変形部位に不要な力が作用しないこととなり、しわ、凹凸、ひけ、又はやせ等の発生が減ぜられた湾曲長尺材を製造することが可能となる。
また、上記構成にあって、金型載置台自転手段が、湾曲型面の長手方向の外形を規定する長手曲線を特定し、該長手曲線のうち、最大曲率である曲線部分を選定し、該曲線部分の曲率と合致する曲率の仮想円弧又は近似的な仮想円弧を当該曲線部分に内接するように設定し、設定した円弧の中心を特定し、該中心を自転中心として金型載置台を自転させると共に、金型載置台三次元移動手段が、前記金型載置台の自転中心から最短距離に位置する直線母材部位の縦断面上に設定された仮想中心点を回動中心として金型載置台を三次元的に回動させるものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、湾曲加工用金型が所定位置で自転し、かつ所定位置で三次元的に移動し、さらに、第二保持手段が金型載置台の動作と無関係に直線母材の端部を保持するものであるため、製造過程にあっては、直線母材の未加工部位は位置変動しないこととなる。したがって、従来構成のように未加工部位等が金型周りを大きく回動することがない。また、金型載置台も所定位置で回動等するため、装置の小型化が図れることとなる。
また、金型載置台自転手段が、金型載置台と連繋して金型載置台を自転させる回転制御装置からなるものであり、金型載置台三次元移動手段が、金型載置台が乗載される第二ベース台と、第二ベース台をx軸方向に回動させる第一回動制御装置と、第二ベース台が乗載される第一ベース台と、第一ベース台を第二ベース台の回動方向と直交するy軸方向に回動させる第二回動制御装置とからなる構成が提案される。
かかる構成にあって、第二ベース台が所定方向に回動すると、金型載置台も所定方向に回動するため、湾曲加工用金型も所定方向に回動することとなる。一方、第一ベース台が上記方向に回動すると、第二ベース台も当該方向に回動することとなって金型載置台も当該方向に回動し、湾曲加工用金型も当該方向に回動することとなる。
さらに、上記製造装置にあって、直線母材が、車外に露出する外装表面を具備するフランジ部と、該フランジ部の裏面から起立する主板部に連成された中空幅広部と、主板部の一側面に形成された、ドア側ウェザーストリップが嵌挿される第一溝部と、主板部の他側面に形成された、ガラスランが嵌挿される第二溝部とを備えた、ほぼ一直線状の直線ドアサッシュ母材であり、湾曲長尺材が、予め設定された直線ドアサッシュ母材の加工開始部位における第二溝部側の一側面を湾曲型面に密着させ、当該直線ドアサッシュ母材を第二溝部側に三次元的に湾曲してなる車両用湾曲ドアサッシュである構成が提案される。
かかる構成にあっては、意匠面となるフランジ部の外装表面に、しわ、凹凸、ひけ、又はやせ等が発生しないため、見栄えの良い車両用湾曲ドアサッシュを製造することが可能となる。
本発明にかかる湾曲長尺材の製造方法は、湾曲加工用金型を自転させ、かつ三次元的に移動させて、直線母材と湾曲型面とが密着する部位に隣接する微分面領域を、対向する直線母材側面に連続的に面合わせして直線母材を湾曲型面に倣い変形させる構成としたため、湾曲長尺材の湾曲部と湾曲型溝との密着度が増し、しわ、凹凸、ひけ、又はやせ等が発生し難い湾曲長尺材を製造することができる効果がある。
また、湾曲型面の長手曲線を特定し、最大曲率である曲線部分を選定し、該曲線部分の曲率と合致する曲率の仮想円弧等を当該曲線部分に内接するように設定し、設定した円弧の中心を自転中心として金型載置台を自転させると共に、該自転中心に基づいて仮想中心点を設定し、該仮想中心点を回動中心として金型載置台を三次元的に回動させる構成とした場合は、製造過程で直線母材の未加工部位が位置変動しなくなり、従来構成に比して作業領域の省スペース化が図れる効果がある。
また、直線母材が直線ドアサッシュ母材であり、湾曲長尺材が車両用湾曲ドアサッシュである構成とした場合は、意匠面となるフランジ部の外装表面に、しわ、凹凸、ひけ、又はやせ等が発生しないため、見栄えの良い車両用湾曲ドアサッシュが得られる効果がある。
また、本発明にかかる湾曲長尺材製造装置は、金型載置台に固設された第一保持手段と、金型載置台に固設されない第二保持手段と、金型載置台を自転させる金型載置台自転手段と、金型載置台を三次元移動させる金型載置台三次元移動手段とを備えた構成としたため、湾曲長尺材の湾曲部と湾曲型溝との密着度が増すこととなり、しわ、凹凸、ひけ、又はやせ等が発生し難い湾曲長尺材を製造することができる効果がある。
また、金型載置台自転手段が、湾曲型面の所定部位の曲縁を規定する仮想円弧等の中心を自転中心として金型載置台を自転させると共に、金型載置台三次元移動手段が、前記金型載置台の自転中心から最短距離に位置する直線母材部位の縦断面上に設定された仮想中心点を回動中心として金型載置台を三次元的に回動させる構成とした場合は、製造過程で直線母材の未加工部位が位置変動しなくなり、従来構成のように未加工部位等が金型周りを大きく回動することがなくなるため、従来構成に比して装置の小型化が図れる効果がある。
また、金型載置台自転手段が、金型載置台と連繋して金型載置台を自転させる回転制御装置からなるものであり、金型載置台三次元移動手段が、金型載置台が乗載される第二ベース台と、第二ベース台を仮想中心点を回動中心として所定方向に回動させる第一回動制御装置と、第二ベース台が乗載される第一ベース台と、第二ベース台の回動方向と直交する方向に第一ベース台を前記仮想中心点を回動中心として回動させる第二回動制御装置とからなる構成とした場合は、湾曲加工用金型が自転し、かつ三次元的に回動する構成を具体的に実現できる効果がある。
また、直線母材が直線ドアサッシュ母材であり、湾曲長尺材が車両用湾曲ドアサッシュである構成とした場合は、意匠面となるフランジ部の外装表面に、しわ、凹凸、ひけ、又はやせ等が発生しないため、見栄えの良い車両用湾曲ドアサッシュを製造することが可能となる。
図12は、従来から良く知られた、一枚の金属製板材をロール成形して得られる杆状の車両用湾曲ドアサッシュYを示している。この車両用湾曲ドアサッシュYは、車外に露出する外装表面100を具備するフランジ部101と、該フランジ部101の裏面から起立する主板部102と、該主板部102と連成した、中空部103を具備する中空幅広部104とを備えている。この中空幅広部104は、主板部102に対して一側に偏位して形成されている。また、主板部102の一方の側面には、ドア側ウェザーストリップ(図示省略)が嵌挿される第一溝部105が長手方向に沿って形成されている。これに対し、反対側の主板部102の側面には、ガラスラン(図示省略)が嵌挿される第二溝部106が長手方向に沿って形成されている。
なお、上述の車両用湾曲ドアサッシュYは、ほぼ一直線状の直線ドアサッシュ母材Xを第二溝部106側へ三次元的に曲げ加工して製造する。なお、この直線ドアサッシュ母材Xにより、本発明にかかる直線母材が構成される。また、本実施例にかかる車両用湾曲ドアサッシュYにより、本発明にかかる湾曲長尺材が構成される。
次に、車両用湾曲ドアサッシュYを製造する車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1について説明する。
車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1は、図1に示されるように、床面に固定されるベース板11上に設置された作業台10を備えている。また、この作業台10の右方には、側方に延びる接続部12を介して、シリンダー支持柱50が起立状に立設されている。このシリンダー支持柱50は、テンションシリンダー53を水平に支持するものである。また、このテンションシリンダー53の端部には、テンションチャック51が接続されている。このテンションチャック51は、加工対象である直線ドアサッシュ母材Xの端部を保持するものである。また、テンションシリンダー53の機能により、保持された直線ドアサッシュ母材Xの端部を、その長手方向に引張することが可能である。なお、これまでに述べたテンションチャック51等の構成は、周知技術である。ところで、本発明にあっては、接続部12及びシリンダー支持柱50は、作業台10に対して回動することがなく、作業台10に対して固定された状態で使用される。なお、本実施例にかかるテンションチャック51により、本発明にかかる第二保持手段が構成される。
また、作業台10の上縁には、第一ベース台30を可動に支持する第一ベース台支持部32が設けられている。さらに詳述すると、第一ベース台支持部32の左右両端には上方に起立した上方突出部32a,32aが設けられている。これに対し、第一ベース台30の下面には回動台33が固着され、この回動台33の左右両端からは下方突出部33a,33aが垂下している。そして、下方突出部33aの内側面と上方突出部32aの外側面とが当接するようにして、第一ベース台支持部32が回動台33に内嵌されている。さらに、上方突出部32aと下方突出部33aには、図1等に図示されるx軸方向に、第一ベース台回動軸31が設けられている。かかる構成にあっては、回動台33が第一ベース台回動軸31を中心に前後方向(y軸方向)へ回動すると、これに伴って第一ベース台30が前後方向に所定角度範囲で回動することとなる。
次に、第一ベース台30を回動させる駆動源について説明する。
図2に示されるように、第一ベース台30の下面には、第一ベース台用テンションシリンダー34が接続されている。さらに詳述すると、第一ベース台用テンションシリンダー34は、鉛直方向に備え付けられており、上端が、第一ベース台30下面の最奥位置(図2においては手前側)に接続されている。したがって、第一ベース台用テンションシリンダー34と第一ベース台30との接続位置は、第一ベース台回動軸31から所定距離だけ離間することとなる。なお、第一ベース台用テンションシリンダー34の上端は、ヒンジ部材35を介して第一ベース台30と接続している。
かかる構成にあって、第一ベース台用テンションシリンダー34が上下方向に伸縮すると、これに伴い、第一ベース台30が第一ベース台回動軸31を中心に所定の角度範囲で前後方向(y軸方向)に回動することとなる。なお、この第一ベース台用テンションシリンダー34の伸縮動作は、制御装置(図示省略)により制御される。なお、本実施例にかかる第一ベース台30により、本発明にかかる第二テーブルが構成される。また、第一ベース台30を回動させる上記構成により、本発明にかかる第二回動制御装置が構成される。
さらに、図1に示されるように、第一ベース台30の上面には、第二ベース台40を支持する第二ベース台支持部43が設けられている。この第二ベース台支持部43は、図1又は図2に示されるように、同形状のものが第一ベース台30の上面に前後して設けられている。そして、その間に第二ベース台40が位置することとなる。ここで、各第二ベース台支持部43,43は、第一ベース台30の上面から起立状に設けられ、その上面43aは、下に凸(すなわち、谷型)の湾曲面となっている(図6参照)。さらに、この上面43aには、第二ベース台支持部43よりわずかに幅広な介装板45が乗載される。そして、この介装板45の下面45aは、第二ベース台支持部43の上面43aと同じ曲率で、下に凸の湾曲面となっており、両面43a,45aが面接触した状態で介装板45が第二ベース台支持部43上でスライド可能に乗載されることとなる。
さらに、この介装板45は、第二ベース台40の端縁から起立した内板46と接続されている(図7参照)。かかる構成にあって、第二ベース台40が右方(X軸プラス方向)に傾くと、これに伴い内板46も右方に傾倒し、該内板46に接続された介装板45が第二ベース台支持部43上でスライドしながら傾倒することとなる。したがって、第二ベース台支持部43と介装板45の両面43a,45aの曲率等により第二ベース台40の回動態様が規定されることとなる。
次に、第二ベース台40を回動させる駆動源について説明する。
図1,2に示されるように、作業台10の背面側には、第二ベース台用テンションシリンダー47がやや斜めに傾けらて備え付けられている。この第二ベース台用テンションシリンダー47の上端は、接続部材48を介して第二ベース台40に接続されている。そして、この第二ベース台用テンションシリンダー47が伸長すると、接続部材48を介して第二ベース台40の左縁(図2では右縁)に上向きの力が作用し、当該左縁が持ち上げられる。そして、これに伴って内板46に接続する介装板45が、第二ベース台支持部43の上面43aでスライドし、第二ベース台40が右側(図2では左側)に傾倒することとなる。逆に、第二ベース台用テンションシリンダー47が収縮すると、接続部材48を介して第二ベース台40の左縁(図2では右縁)が押し下げられることとなって、第二ベース台40が反対側に傾倒することとなる。ここで、この第二ベース台用テンションシリンダー47の伸縮動作は、制御装置により制御される。なお、本実施例にかかる第二ベース台40により、本発明にかかる第一テーブルが構成される。また、第二ベース台40を回動させる上記構成により、本発明にかかる第一回動制御装置が構成される。また、本実施例にかかる第一ベース台用テンションシリンダー34、第二ベース台用テンションシリンダー47、第一ベース台30、第一ベース台支持部32、第二ベース台40、第二ベース台支持部43、介装板45、及び内板46により、本発明かかる金型載置台三次元移動手段が構成される。
ところで、第二ベース台40の回動範囲を所定角度範囲に制限するために、以下のような構成としている。
図6,7等に示されるように、介装板45の外面には、略三日月型のガイド溝42が開口した外板44が固着されている。また、第二ベース台支持部43の外面には、外向きに突出する円筒状凸部41が設けられている。そして、前記ガイド溝42内に前記円筒状凸部41を挿入して内板46、介装板45、及び外板44を重ね合わせた状態としている。かかる構成にあっては、第二ベース台40が回動するのに伴って、外板44が回動し、ガイド溝42も回動する。一方、円筒状凸部41は、第二ベース台支持部43に配設させているため、位置変動しない。そして、ガイド溝42が回動し、その溝端が円筒状凸部41と当接することにより、その当接位置で第二ベース台40の回動が規制されることとなる。なお、ガイド溝42の湾曲形状は、第二ベース台支持部43の上面43a、及び介装板45の下面45aと同じ曲率としている。
さらに、図1に示されるように、前記第二ベース台40の上面には、金型載置台用テンションシリンダー8a,8bが並設されている。また、介装板45、内板46及び外板44の山型天頂部45b,46b,44bには、ピニオン7a(図9参照)を備えたピニオン取付け板7が載置される。さらに、このピニオン取付け板7の上面には、金型載置台3が固着されている。さらに詳述すると、第二ベース台40上面の左方には、第一金型載置台用テンションシリンダー8aと、第二金型載置台用テンションシリンダー8bとが並設されている。この両テンションシリンダー8a,8bは、それぞれ伸縮するロッド(隠れて見えない)を備えており、該ロッドが第二ベース台支持部43の辺りまで延出されている。そして、このロッドには、ラック8c(図9参照)が形成されている。一方、ピニオン取付け板7の下面には、ピニオン7aが取り付けられており、このピニオン7aが両テンションシリンダー8a,8bの間に位置して、前記ラック8cとそれぞれ係合している。そして、第一金型載置台用テンションシリンダー8aのロッドを伸張し、一方、第二金型載置台用テンションシリンダー8bのロッドを収縮させると、両ラック8cと係合するピニオン7aが時計回りに回転し、これに伴いピニオン取付け板7が時計回りに回転する構成となっている。これにより、ピニオン取付け板7に固着された金型載置台3を自転させることが可能となる。なお、第一金型載置台用テンションシリンダー8aと第二金型載置台用テンションシリンダー8bの伸縮動作は、制御装置により制御される。なお、金型載置台3を自転させる上記構成により、本発明にかかる回転制御装置が構成される。また、金型載置台3を自転させる金型載置台用テンションシリンダー8a,8b、ピニオン取付け板7により、本発明にかかる金型載置台自転手段が構成される。
また、金型載置台3上には、湾曲加工用金型2と、湾曲加工用金型2の一端部に配設された台上チャック5が載置される。したがって、金型載置台3が自転、又は回動すると、湾曲加工用金型2と台上チャック5も自転、又は回動することとなる。
湾曲加工用金型2の外観は、平面視ほぼL字型の板形状をしていて、その側面には長尺状の型溝21が湾曲状に凹成されている。具体的には、側方へ湾曲しながら上方にも湾曲している。そして、この型溝21の内周面が、本発明にかかる長尺状の湾曲型面22を構成している。この湾曲型面22は、三次元的に湾曲しており、xz平面に平行な部位や、xz平面に対して傾斜した部位等を有している。また、湾曲加工用金型2は、金型固定用治具4により金型載置台3に脱着可能に固定される。なお、湾曲加工用金型2は、金型固定用治具4の取り外しにより位置変更が可能である。
かかる構成にあって、車両用湾曲ドアサッシュYを製造する場合には、前記金型2のβ部からα部の方向へ、加工対象である直線ドアサッシュ母材Xが順次密着していくこととなる。なお、本実施例にかかる湾曲加工用金型2、及び金型載置台3は、従来品が好適に用いられる。
また、台上チャック5は、台上チャック固定用治具6により金型載置台3に固設されている。そして、実際に車両用湾曲ドアサッシュYが製造される際には、台上チャック5により直線ドアサッシュ母材Xの一端が保持され、他端が上述のテンションチャック51により保持される。さらに詳述すると、直線ドアサッシュ母材Xの外装表面100が下方に向けられ、第二溝部106側の側面が湾曲型面22に対向するようにして保持される。また、この保持状態にあっては、直線ドアサッシュ母材Xの長手方向は、x軸に平行となる。また、湾曲加工用金型2のβ部付近で、直線ドアサッシュ母材Xの第二溝部106側の側面の一部と湾曲型面22とが密着することとなる。ここで、この密着部位p(図10参照)に、予め設定された加工開始部位q(図1参照)が位置するように、金型載置台3や湾曲加工用金型2等の位置を設定しておくことが好適である。なお、本実施例にかかる台上チャック5により、本発明にかかる第一保持手段が構成される。
ここで、車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1の作動態様について、図9の概念図に従って再度説明すると、金型載置台3は、金型載置台用テンションシリンダー8a,8bの伸縮によりピニオン7aが回転して自転する。また、第二ベース台用テンションシリンダー47の伸縮により、第二ベース台支持部43上で介装板45がスライドしながら金型載置台3が左右方向(x軸方向)に回動する。さらに、第一ベース台用テンションシリンダー34の伸縮により、第一ベース台30が前後方向(y軸方向)に回動し、金型載置台3も前後方向(y軸方向)に回動する。
次に、金型載置台3の自転中心、及び金型載置台3の回動中心について説明する。まず自転中心の設定の仕方を説明する。
まず、図8に示されるように、湾曲型面22の長手方向の外形を規定する長手曲線aを特定し、この長手曲線aのうち、最も曲率が大きい(カーブがきつい)曲線部分を選定する。そして、この曲線部分の曲率と合致する曲率の仮想円弧Rを、当該曲線部分に沿うようにして設定する。そして、この仮想円弧Rの中心を特定する。そして、特定された中心R0を、金型載置台3の自転中心とする。
次に、特定した中心R0から最短距離の位置にある直線ドアサッシュ母材Xの部位を特定する。そして、特定された部位における第二溝部106の内面中央に仮想中心点R1(図13参照)を設定する。この仮想中心点R1を、金型載置台3の回動中心とする。そして、金型載置台3は、仮想中心点R1を回動中心としてx軸方向及びy軸方向に回動することにより三次元的に回動することとなる。なお、かかる回動態様は、三次元移動の一態様である。また、これまでに述べた構成は、仮想円弧Rを設定しているが、湾曲型面22の長手曲線aに対して近似的に設定した仮想円弧を設定する構成も、本発明に含まれる構成である。
また、車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1は、制御装置を備えている。この制御装置は、前記金型載置台自転手段に、直線ドアサッシュ母材がテンションチャックと台上チャックとで保持され、かつ予め設定された加工開始部位qが湾曲型面22に密着した状態で金型載置台3を自転させると共に、前記金型載置台三次元移動手段に、金型載置台3を三次元移動させて直線ドアサッシュ母材と湾曲型面22とが密着する部位に隣接する微分面領域dx1〜dx4(図10参照)を、対向する直線ドアサッシュ母材側面に連続的に面合わせして直線ドアサッシュ母材を湾曲型面22に倣い変形させる制御内容を具備する金型載置台動作制御手段を構成する。
次に、これまでに述べた車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1の作動態様を説明する。
まず、上述のように、直線ドアサッシュ母材Xの一端を台上チャック5により保持し、他端をテンションチャック51により保持する。このとき、直線ドアサッシュ母材Xの外装表面100は下方へ、第二溝部106は湾曲型面22側へそれぞれ向ける。また、加工開始部位qを、湾曲型面22の所定部位に密着させる。
かかる状態で、制御装置に接続された制御盤(図示省略)からスタート指示を入力し、金型載置台3を自転及び三次元移動させる。具体的には、以下のように、自転及び三次元移動させる。
まず、スタート指示がされると、金型載置台用テンションシリンダー8a,8bがそれぞれ伸縮して、金型載置台3が、図1に示される状態から時計回りに自転開始する(図3参照)。そうすると、台上チャック5が金型載置台3に固設されているため、台上チャック5が金型載置台3と共に時計回りに回動し始める。ここで、直線ドアサッシュ母材Xの一端は、台上チャック5に保持されているため、直線ドアサッシュ母材Xが、一端側から湾曲加工用金型2に巻き込まれ始め、β部を起点として直線ドアサッシュ母材Xの側面が順次湾曲型面22に密着し始めることとなる。一方、他端は、金型載置台3の自転に影響されないテンションチャック51により、所定の引張力で保持される。
さらに、直線ドアサッシュ母材Xが金型2に順次巻き込まれて、図4に示されるように、密着部位pが、湾曲加工用金型2の曲率半径が小さい湾曲部(γ部)に位置すると、第二ベース台用テンションシリンダー47の伸縮により第二ベース台40が回動開始して、金型載置台3は、自転しながら所定角度範囲でx軸方向に回動し始める。このγ部付近の型溝21は、側方に湾曲しながら上方にも湾曲しているところ、金型2をx軸方向に回動することにより、直線ドアサッシュ母材Xと湾曲型面22とが面合わせされることとなる。したがって、直線ドアサッシュ母材Xと湾曲型面22とが密着する密着部位pに隣接する微分面領域dx1〜dx4(図10参照)が、対向する第二溝部106の側面に連続的に面合わせされる。そして、面合わせされる際に、直線ドアサッシュ母材Xが、湾曲型面22に沿って倣うように変形されることとなる。
さらに、所定のタイミングで、図5に示されるように、第一ベース台用テンションシリンダー34の駆動により第一ベース台30が回動開始し、金型載置台3が自転しながら所定角度範囲でy軸方向にも回動し始める。γ部付近の湾曲型面22は、上方傾斜面となっているところ、金型2をy軸方向に回動することにより、前記微分面領域dx1〜dx4が、対向する第二溝部106の側面に連続的に面合わせされることとなる。したがって、直線ドアサッシュ母材Xが、湾曲型面22に沿って倣い変形されることとなる。
なお、金型載置台3を自転させるタイミング、金型載置台3をx軸方向に回動し始めるタイミング、及び金型載置台3をy軸方向に回動し始めるタイミング等は、加工対象や最終製品の形状等により適宜変更可能である。
また、金型載置台3を自転させ、かつ三次元移動させる構成は、上述の構成の他に様々な態様が提案され得る。以下に、他の実施態様の車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1aを説明する。
例えば、図11に示されるように、第一ベース台30を前後方向(y軸方向)に回動させる構成として、上述の第二ベース台40を左右方向(x軸方向)に回動させる構成と同じ構成としても良い。すなわち、前後方向に回動させる構成として、前後方向用第二ベース台支持部43’、前後方向用介装板45’、前後方向用内板46’、及び前後方向用第二ベース台用テンションシリンダー(図示省略)を備えたものが提案される。また、第二ベース台40の前後方向への回動範囲を所定角度範囲に制限するために、前後方向用円筒状凸部41’、前後方向用外板44’、及び前後方向用ガイド溝42’を設ける構成が好適である。
また、金型載置台を自転させるために、サーボモータの回転軸に接続された回転歯車の周囲に別途歯車を数個外接させ、この外接した歯車にさらに外接する一個の歯車と金型載置台を接続する構成としても良い。すなわち、遊星歯車を用いた構成である。これにより微小な回転角度で金型載置台の自転を制御できることとなる。また、金型載置台をx軸方向、及びy軸方向に所定の回動中心で回動させるために、下に凸の弓形ベース台上に金型載置台を載せ、当該弓形ベース台を揺動させる構成としても良い。具体的には、弓形ベース台の外側面に、サーボモータの回転軸に接続された回転歯車と噛み合う歯を設け、サーボモータの駆動により回転歯車が回転すると弓形ベース台がx軸方向(又はy軸方向)に回動する構成が提案される。
なお、本実施例にかかる車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1,1aにより、本発明にかかる湾曲長尺材製造装置が構成される。
なお、これまでに述べた実施形態例は一例であって、本発明の主旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施し得る。例えば、金型載置台3の自転方向、及び回転方向は、上記構成に限定されず、金型載置台3が鉛直面内で自転する構成としても良い。
車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1の外観斜視図である。 図1に示す車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1を背面側から見た、車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1の外観斜視図である。 金型載置台3が自転開始した状態を示す、車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1の外観斜視図である。 金型載置台3が回動開始した状態を示す、車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1の外観斜視図である。 さらに金型載置台3が自転かつ回動した状態を示す、車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1の外観斜視図である。 内板46、介装板45、外板44、及び第二ベース台支持部43の分解斜視図である。 重ね合わされた内板46、介装板45、外板44、及び第二ベース台支持部43の縦断面図である。 仮想円弧Rの中心R0と、仮想中心点R1を示す概念図である。 車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1の動作機構を示す概念図である。 微分面領域dx1〜dx4を示す説明図である。 他の実施例にかかる車両用湾曲ドアサッシュ製造装置1aの外観斜視図である。 車両用湾曲ドアサッシュYの外観斜視図である。 直線ドアサッシュ母材Xの縦断面図である。
符号の説明
1,1a 車両用湾曲ドアサッシュ製造装置
2 湾曲加工用金型
3 金型載置台
5 台上チャック(第一保持手段)
8a 第一金型載置台用テンションシリンダー
8b 第二金型載置台用テンションシリンダー
22 湾曲型面
30 第一ベース台
31 第一ベース台回動軸31
32 第一ベース台支持部
32a 上方突出部
33 回動台
33a 下方突出部
34 第一ベース台用テンションシリンダー
35 ヒンジ部材
40 第二ベース台
43,43’ 第二ベース台支持部
45,45’ 介装板
47 第二ベース台用テンションシリンダー
51 テンションチャック(第二保持手段)
100 外装表面
101 フランジ部
102 主板部
103 中空部
104 中空幅広部
105 第一溝部
106 第二溝部
a 長手曲線
dx1〜dx4 微分面領域
p 密着部位
q 加工開始部位
R 仮想円弧
R0 仮想円弧の中心
R1 仮想中心点
X 直線ドアサッシュ母材
Y 車両用湾曲ドアサッシュ

Claims (3)

  1. 三次元的に湾曲した長尺状の湾曲型面(22)が表面に形成されてなる湾曲加工用金型(2)の、当該湾曲型面(22)に、加工対象である金属製の直線母材を、湾曲させつつ順次密着させて、所定の三次元形状に曲げ加工された湾曲長尺材を得る、湾曲長尺材の製造方法において、
    直線母材の一端を湾曲加工用金型(2)が載置される金型載置台(3)に固設された第一保持手段(5)により保持し、かつ他端を前記金型載置台(3)に固設されない第二保持手段(51)により保持すると共に、
    予め設定された直線母材の加工開始部位を湾曲型面(22)に密着させ、金型載置台(3)を自転させて当該直線母材を湾曲加工用金型(2)に巻き込みながら、該金型載置台(3)を、予め金型載置台(3)上に設定した、仮想中心点を回動中心として三次元的に回動させることにより、湾曲型面(22)を、対向する直線母材側面に連続的に面合わせして直線母材を湾曲型面(22)に倣い変形させるようにしたものであって、
    湾曲型面(22)の長手方向の外形を規定する長手曲線のうち、最大曲率である曲線部分の曲率と合致する曲率の仮想円弧又は近似的な仮想円弧を当該曲線部分に内接させた場合の、該円弧の中心を自転中心として、金型載置台(3)を自転させると共に、直線母材の、湾曲型面(22)に巻き込まれて密着部位が自転中心から最短距離に位置することとなる部位の縦断面上に仮想中心点を設定し、該仮想中心点を回動中心として金型載置台(3)を三次元的に回動させることを特徴とする湾曲長尺材の製造方法。
  2. 三次元的に湾曲した長尺状の湾曲型面(22)が表面に形成されてなる湾曲加工用金型(2)と、
    湾曲加工用金型(2)が載置される金型載置台(3)と、
    加工対象である金属製の直線母材の一端を保持する第一保持手段(5)と
    当該直線母材の他端を保持する第二保持手段(51)
    を備え、両保持手段により直線母材を保持しながら、当該直線母材を湾曲型面(22)に順次密着させて、所定の三次元形状に曲げ加工された湾曲長尺材を製造する湾曲長尺材製造装置において、
    第一保持手段(5)は、金型載置台(3)に固設され、
    第二保持手段(51)は、金型載置台(3)に固設されない構成であると共に、
    金型載置台(3)を自転させる金型載置台自転手段と、
    金型載置台(3)を、予め金型載置台(3)上に設定した仮想中心点を回動中心として三次元的に回動させる金型載置台三次元移動手段と
    備えたものであって、
    金型載置台自転手段が、湾曲型面(22)の長手方向の外形を規定する長手曲線のうち、最大曲率である曲線部分の曲率と合致する曲率の仮想円弧又は近似的な仮想円弧を当該曲線部分に内接させた場合の、該円弧の中心を自転中心として、金型載置台(3)を自転させる回転制御装置からなるものであり、
    金型載置台三次元移動手段が、直線母材の、湾曲型面(22)に巻き込まれて密着部位が自転中心から最短距離に位置することとなる部位の縦断面上に仮想中心点を設定し、該仮想中心点を回動中心として金型載置台(3)を三次元的に回動させるものであることを特徴とする湾曲長尺材製造装置。
  3. 金型載置台自転手段が、
    金型載置台(3)と連繋して、該金型載置台を自転させる回転制御装置からなるものであり、
    金型載置台三次元移動手段が、
    金型載置台(3)が乗載される第二ベース台(40)と、第二ベース台(40)をx軸方向に回動させる第一回動制御装置と、第二ベース台(40)が乗載される第一ベース台(30)と、第一ベース台(30)を第二ベース台(40)の回動方向と直交するy軸方向に回動させる第二回動制御装置とからなるものであることを特徴とする請求項2記載の湾曲長尺材製造装置。
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