JP4871374B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に機関停止時におけるクランク軸の回転角度位置を記憶し、次回始動時に記憶した回転角度位置に基づく機関始動制御を行うものに関する。
特許文献1には、機関停止時にクランク軸の回転角度位置を記憶し、再始動時に記憶した回転角度位置に基づく燃料噴射制御を行う制御装置が示されている。この装置では、機関が完全に停止する前に逆転する場合があることを考慮し、クランク軸回転角度位置センサの出力に基づいて推定される停止位置が、機関の逆転が生じたときに補正される。
特許文献1には、逆転を検出する手法は具体的に示されていないが、例えば特許文献2に示されるように、近接して配置された2つのパルス発生器を用いて、機関の回転方向を判別する手法が知られている。
特許第3613587号公報 特許第3186524号公報
2つのパルス発生器の出力に基づいて機関の回転方向を判別する場合、機関が逆転を開始してからそれを判別するまでの時間遅れがあるが、上述した特許文献1及び2に示された装置では、この時間遅れが考慮されていない。そのため、推定された機関停止時の回転角度位置の精度が低下するという課題がある。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、機関停止時のクランク軸の回転角度位置をより正確に推定し、次の始動時における機関駆動制御を適切に行うことができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランク軸が所定角度回転する毎にクランクパルスを発生させる2つのパルス発生器(71,72,73)の出力に基づいて、前記クランク軸の回転角度位置(CRP)を検出するクランク角度位置検出手段と、前記機関が停止するときに最後に検出された前記回転角度位置(CRP)を記憶する停止角度位置記憶手段とを備え、前記機関の次回始動時に記憶した回転角度位置(CRPSTP)に基づいて前記機関の駆動制御を開始する内燃機関の制御装置において、前記クランク角度位置検出手段は、前記2つのパルス発生器の出力(PM,PS)に基づいて前記クランク軸の回転方向を判別する回転方向判別手段(74)と、前記クランク軸の回転方向が反転したことが前記回転方向判別手段により検出された場合において、前記回転方向が正転から逆転に変化したときは、補正角度量(DCR)を減算することにより前記回転角度位置を補正する一方、前記回転方向が逆転から正転に変化したときは、前記補正角度量(DCR)を加算することにより前記回転角度位置(CRP)を補正する位置補正手段とを備え、前記位置補正手段は、前記回転方向の判別に要する時間に応じて前記補正角度量(DCR)の設定を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記機関の筒内圧を検出する筒内圧検出手段(10)と、前記回転方向判別手段(74)の異常を判定する異常判定手段とを備え、前記回転方向判別手段(74)が異常であると判定されたときは、前記筒内圧検出手段(10)の出力に基づいて前記クランク軸の回転方向を判別することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置において、前記位置補正手段は、前記補正角度量(DCR)を前記クランクパルスの発生周期に相当する角度量に設定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記停止角度位置記憶手段に記憶された回転角度位置(CRPSTP)の信頼性を判定する信頼性判定手段をさらに備え、前記記憶された回転角度位置の信頼性が低いときは、前記記憶された回転角度位置(CRPSTP)に代えて、前記機関の始動開始後に検出されるクランクパルスに基づいて前記機関の駆動制御を開始することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、2つのパルス発生器の出力に基づいてクランク軸の回転方向が判別され、クランク軸の回転方向が反転したことが検出された場合において、回転方向が正転から逆転に変化したときは、補正角度量を減算することにより回転角度位置が補正される一方、回転方向が逆転から正転に変化したときは、補正角度量を加算することにより回転角度位置が補正され、しかもこの補正角度量の設定は回転方向の判別に要する時間に応じて行われるので、回転方向の反転の判別タイミングの遅れの影響を無くして、機関停止時のクランク軸回転角度位置を正確に推定することができ、次の始動時における駆動制御を適切に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、回転方向判別手段の異常が判定され、回転方向判別手段が異常であると判定されたときは、筒内圧検出手段の出力に基づいてクランク軸の回転方向が判別されるので、回転方向の判別手段の異常時においても正確な回転角度位置を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、補正角度量がクランクパルスの発生周期に相当する角度量に設定されるので、回転方向の反転の判別タイミング遅れが、クランクパルス発生周期程度である場合に回転方向の反転後の回転角度位置を正確に推定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、停止角度位置記憶手段に記憶された回転角度位置の信頼性が判定され、記憶された回転角度位置の信頼性が低いと判定されたときは、記憶された回転角度位置に代えて、機関始動開始後に検出されるクランクパルスの基づいて機関の駆動制御が開始される。したがって例えば、バッテリ電圧の低下によって記憶された回転角度位置が失われた場合などにおいて、始動開始時に不適切な燃料噴射制御などが行われることを回避できる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。 クランク角度位置センサの構成を示す図である。 クランク角度位置センサにおける回転方向判別を説明するための図である。 クランク角度位置センサから出力されるパルス信号の入力回路の構成を示す図である。 図4に示す回路の動作を説明するためのタイムチャートである。 クランク角度位置センサから出力されるパルス信号(CRKパルス)に応じた割り込み処理のフローチャートである。 図6の処理で実行される角度位置算出処理のフローチャートである。 筒内圧(PCYL)に基づく回転方向判別を説明するためのタイムチャートである。 クランク角度位置(CRP)の補正を説明するためのタイムチャートである。 回転方向判別回路の異常を判定する処理のフローチャートである。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置の構成を示す図である。内燃機関(以下単に「エンジン」という)1は、例えば4気筒を有するエンジンであり、エンジン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配されている。
燃料噴射弁6は図示しない吸気弁の少し上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射弁は図示しない燃料ポンプに接続されていると共に電子制御ユニット(以下「ECU」という)5に電気的に接続されて当該ECU5からの信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御される。エンジン1の各気筒には点火プラグ9が設けられており、点火プラグ9にはECU5から点火信号が供給される。
ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず)の回転角度を検出するクランク角度位置センサ7、及びエンジン1のカム軸(図示せず)の回転角度を検出するカム角度位置センサ8が接続されており、クランク軸及びカム軸の回転角度に応じた信号がECU5に供給される。クランク角度位置センサ7は、一定クランク角周期(例えば6度周期)でCRKパルスを発生する。本実施形態では、クランク角度位置センサ7は、クランク軸の回転方向を判別する機能を有し、クランク軸が逆転しているときは、正転のときのほぼ1/2の振幅のCRKパルスを出力する。
カム角度位置センサ8は、エンジン1の特定の気筒の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYLパルス」という)と、各気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)でパルス(以下「TDCパルス」という)を発生する。
CYLパルス、TDCパルス及びCRKパルスはECU5に供給される。これらのパルス信号は、燃料噴射時期、点火時期等の各種タイミング制御及びエンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検出に使用される。
エンジン1の各気筒には筒内圧PCYLを検出する筒内圧センサ10が設けられており、その検出信号はECU5に供給される。
ECU5には、エンジン1により駆動される車両の車速VPを検出する車速セン11及びイグニッションスイッチ12が接続されており、車速VPを示す信号及びイグニッションスイッチ11のオンオフ信号がECU5に供給される。
ECU5は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路、中央演算処理回路(以下「CPU」という)、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路、燃料噴射弁6などに駆動信号を供給する出力回路等から構成される。ECU5は、上述したセンサの検出信号に基づいて、燃料噴射弁6の開弁時期及び開弁時間の制御(燃料制御)、及び点火プラグ9の点火時期制御(点火制御)を行う。
図2は、クランク角度位置センサ7の構成を示すブロック図である。クランク角度位置センサ7は、磁気抵抗素子ユニット71と、増幅波形整形回路72,73と、回転方向判別回路74とを備え、磁気抵抗素子ユニット71がパルスホイール80に対向するように配置されている。パルスホイール80は、クランク軸に固定され、外周部に一定角度間隔で歯が形成されている。磁気抵抗素子ユニット71、及び増幅波形整形回路72,73によって2つのパルス発生器が構成され、第1増幅波形整形回路72からメインパルスPMが出力され、第2増幅波形整形回路73からサブパルスPSが出力される。
磁気抵抗素子ユニット71は、図3に示すように4つの磁気抵抗素子対81〜84を有し、磁気抵抗素子対81〜84は、図3(a)に示す矢印Nの方向に沿って、所定の間隔を隔てて配置されている。矢印Nはクランク軸の正転時の回転方向を示し、図3(b)の矢印Rは逆転時の回転方向を示す。パルスホイール80の回転により、磁気抵抗素子対81〜84の出力電圧が変化するので、その電圧差を増幅して波形整形することにより、メインパルスPM及びサブパルスPSが得られる。
正転時は、図3(a)に示すように、サブパルスPSがメインパルスPMに対して進み位相となる一方、逆転時は、図3(b)に示すように、メインパルスPMがサブパルスPSに対して進み位相となる。回転方向判別回路74は、この位相関係に基づいて回転方向を判別し、図5(a)に示すように、逆転時は正転時ほぼ1/2の振幅となるパルス信号PCRKを出力し、ECU5に供給する。
図4は、クランク角度位置センサ7の出力パルス信号PCRKが入力される入力回路(ECU5に含まれる)の構成を示す回路図である。図4に示す回路は、入力端子21と、抵抗R1,R2と、コンデンサC1と、コンパレータ24,25と、出力端子22,23とを備えている。コンパレータ24の反転入力には、所定高電圧VRHが供給され、コンパレータ25の反転入力には所定低電圧VRL(<VRH)が供給される。抵抗R1,R2及びコンデンサC1によりローパスフィルタが構成される。なお、VSは電源を示す。
図5は、図4に示す回路の動作を説明するためのタイムチャートであり、時刻tRより前はクランク軸が正転し、時刻tR以後は逆転している例が示されている。入力端子21にセンサ出力パルス信号PCRK(図5(a))が入力されると、コンパレータ24,25の非反転入力には、図5(b)に示すフィルタ処理後パルス信号PFLTが供給される。したがって、コンパレータ24の出力、すなわち出力端子22には、図5(c)に示すように、正転時及び逆転時において制御用パルス信号PCTLが出力される一方、コンパレータ25の出力、すなわち出力端子23には、図5(d)に示すように、正転時のみ正転パルス信号PFWDが出力される。制御用パルス信号PCTL及び正転パルス信号PFWDは、ECU5のCPUに供給される。
図6は、制御用パルス信号PCTLの発生に同期して、ECU5のCPUで実行されるCRK割り込み処理のフローチャートである。
ステップS11では、イグニッションスイッチオン後最初の割り込みであるか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、バッテリクリアフラグFBCLRが「1」であるか否かを判別する(ステップS12)。バッテリクリアフラグFBCLRは、ECU5などに電源を供給するバッテリ(図示せず)の出力電圧が低下して、前回の停止クランク角度位置CRPSTP(エンジン運転中に算出されるクランク角度位置CRPの最終値)を格納した記憶回路の内容が失われたとき「1」に設定される。
ステップS12の答が否定(NO)であるときは、前回クランクセンサ故障フラグFCRSFBが「1」であるか否かを判別する(ステップS13)。前回クランクセンサ故障フラグFCRSFBは、エンジン1の前回運転中にクランク角度位置センサ7の故障が検出されたとき「1」に設定される。
ステップS13の答が否定(NO)であるときは、前回のエンジン停止時に記憶した停止クランク角度位置CRPSTPが有効(信頼できる)と判定し、記憶位置有効フラグFSPOKを「1」に設定する(ステップS14)。一方、ステップS12またはS13の答が肯定(YES)であるときは、停止クランク角度位置CRPSTPは信頼できないと判定し、記憶位置有効フラグFSPOKを「0」に設定する(ステップS15)。
最初の割り込みでないときは、ステップS11から直ちにステップS16に進む。ステップS16では、図7に示す角度位置算出処理を実行し、クランク角度位置CRPを算出する。算出されたクランク角度位置CRPは不揮発性メモリに記憶される。したがって、エンジン1が停止すると記憶したクランク角度位置CRPの更新が行われなくなるので、次回始動時において燃料噴射の開始時期の決定に使用される。なお、クランク角度位置CRPは、本実施形態では、#1気筒のピストンが圧縮上死点に位置するとき「0(deg)」に設定され、「0(deg)」から「714(deg)」までの値をとる。
ステップS17では、クランク角度位置センサ故障フラグFCRSFが「1」であるか否かを判別する。クランク角度位置センサ故障フラグFCRSFは、
クランク角度位置センサ7の故障が、図示しない他の処理で今回の運転期間中に検出されると「1」に設定される。ステップS17の答が肯定(YES)であるときは、ステップS18に進み、クランク角度位置センサ7から出力されるCRKパルスを参照することなく、カム角度位置センサ8から出力されるCYLパルス及びTDCパルスに基づく燃料噴射時期制御及び点火時期制御を行う。
ステップS17の答が否定(NO)であるときは、クランク角度位置が確定しているか否かを判別する(ステップS19)。この答が肯定(YES)であるときは、ステップS16で算出されたクランク角度位置CRPに基づく燃料噴射時期制御及び点火時期制御を行う(ステップS20)。
ステップS19の答が否定(NO)であるときは、すなわち始動開始直後であるときは、カム角度位置センサ故障フラグFCASFが「1」であるか否かを判別する。カム角度位置センサ故障フラグFCASFは、カム角度位置センサ8の故障が図示しない他の処理で検出されると「1」に設定される。ステップS21の答が肯定(YES)であるときは、ステップS22に進み、カム角度位置センサ8から出力されるCYLパルス及びTDCパルスを参照することなく、クランク角度位置センサ7から出力されるCRKパルス(制御用パルス信号PCTL)に基づく燃料噴射時期制御及び点火時期制御を行う。
ステップS21の答が否定(NO)であるときは、カム角度位置センサ8から出力されるCYLパルス及びTDCパルスに基づいてカム角度位置CAPを特定する処理を行い(ステップS23)、次いで特定したカム角度位置CAPと、記憶されている停止クランク角度位置CRPSTPに基づいて推定した推定カム角度位置CAPSとが一致するか否かを判別する(ステップS24)。この答が肯定(YES)であるときは直ちにステップS26に進み、否定(NO)であるときは、制御用のカム角度位置情報を、検出されたカム角度位置CAPに修正し(ステップS25)、ステップS26に進む。
ステップS26では、クランク角度位置センサ7から出力されるCRKパルス、並びにカム角度位置センサ8から出力されるCYLパルス及びTDCパルスに基づいてクランク角度位置CRPを確定する処理を行う。ステップS26でクランク角度位置CRPが確定した後は、ステップS19の答が肯定(YES)となり、通常の制御に移行する。ステップS27では、記憶位置有効フラグFSPOKが「1」であるか否かを判別し、その答が肯定(YES)であるときは、記憶した停止クランク角度位置CRPSTPに基づいて燃料噴射時期制御を行う(ステップS28)。
記憶位置有効フラグFSPOKが「0」であるときは、直ちに処理を終了する。この場合には、始動開始後、ステップS26でクランク角度位置CRPが確定されるまでの期間は燃料噴射が行われず、確定後に燃料噴射(及び点火)が開始される。
図7は図6のステップS16で実行される角度位置算出処理のフローチャートである。
ステップS41では、逆転判別回路異常フラグFRDFが「1」であるか否かを判別する。逆転判別回路異常フラグFRDFは、クランク角度位置センサ7の逆転判別回路が異常であると判定されたとき「1」に設定される。具体的には、後述する図10の処理において、車両走行中に逆転しているとの判定が継続するとき「1」に設定される。
逆転判別回路異常フラグFRDFが「0」であるときは、正転パルス信号PFWDの有無に応じてエンジン回転方向を判別し(ステップS42)、正転しているときは逆転フラグFREVを「0」に設定する一方、逆転しているときは逆転フラグFREVを「1」に設定する。
逆転判別回路異常フラグFRDFが「1」であるときは、筒内圧センサ10の出力に基づいて回転方向判別を行う(ステップS43)。圧縮行程にある気筒において吸気弁及び排気弁が閉弁しているときは、筒内圧PCYLは図8に示すように正転中は上昇し、逆転中は下降するので、筒内圧PCYLの変化量DPCYL(=PCYL(k)−PCYL(k-1),kはCRKパルスの発生周期で離散化した離散化時刻)の正負に応じて回転方向が判別される。そして、判別結果に応じて逆転フラグFREVの設定が行われる。図8に示す時刻t1〜t5は、CRKパルスの発生時期を示している。
ステップS42及びS43では、エンジン回転方向が反転したとき、すなわちエンジン回転方向が正転から逆転へ、またはその逆に変化したとき、反転フラグFRDCを「1」に設定する。
ステップS44では、逆転フラグFREVが「1」であるか否かを判別し、その答が否定(NO)であるときは、クランク角度位置CRPを所定角度値DCR(本実施形態では6度)だけ増加させ(ステップS45)、ステップS47に進む。一方、逆転フラグFREVが「1」であるときは、クランク角度位置CRPを所定角度値DCRだけ減少させ(ステップS46)、ステップS47に進む。
ステップS47では、反転フラグFRDCが「1」であるか否かを判別する。反転フラグFRDCが「0」であるときは、直ちに処理を終了する。一方、FRDC=1であるときは、先ず反転フラグFRDCを「0」に戻し(ステップS48)、次いで逆転フラグFREVが「1」であるか否かを判別する(ステップS49)。ステップS49の答が否定(NO)であるときは、下記式(1)により、クランク角度位置CRPを補正する(ステップS51)。また、FREV=1であって逆転しているときは、下記式(2)によりクランク角度位置CRPを補正する(ステップS50)。
CRP=CRP+DCR (1)
CRP=CRP−DCR (2)
算出されたクランク角度位置CRPは、イグニッションスイッチがオフされた後も記憶内容が保持され(バッテリから供給される電源によって記憶内容が保持され)、次のエンジン始動時に読み出される。
なお、図7では図示を省略したが、算出したクランク角度位置CRPが「720」以上であるときは、「720」が減算され、負の値であるときは「720」が加算される。
図9は、ステップS47〜S51によるクランク角度位置CRPの補正を説明するためのタイムチャートである。図9(a)には、制御用パルス信号PCTL及び正転パルス信号PFWDの発生時期(図5に示す波形図の立ち下がりのタイミング)が示されている。また図9(b)(c)の横軸には、離散化時刻kが示されている。図9には、時刻k1とk2の間で正転から逆転に変化し、時刻k4とk5の間で逆転から正転に変化した例が示されている。
正転から逆転に変化したとき、逆転していることが検出されるのは、時刻k2より少し遅れるため、補正を行わない場合には、クランク角度位置CRPは、図9(b)に実線で示すように、時刻k2では増加し、時刻k3から減少し始める。しかし、正しいクランク角度位置は破線で示すように変化しているため、クランク角度位置CRPはパルス1つ分だけずれる位置を示す。逆転から正転に変化したときもその変化が検出されるのは、時刻k5より少し遅れるため時刻k5では減少し、時刻k6から増加し始める。その結果、正転から逆転に変化したときのずれが相殺されて、クランク角度位置CRPは正しい値に戻る。
図7の処理では、図9(c)に示すように、時刻k3において式(2)によりパルス1つ分だけ、クランク角度位置CRPが減少方向に補正される、すなわち時刻k3では、ステップS46とS50の処理により、パルス2つ分の減算が行われるので、正しい角度位置が得られる。さらに時刻k6においては、式(1)により、パルス1つ分だけ、クランク角度位置CRPが増加方向に補正される、すなわち時刻k6では、ステップS45とS51の処理により、パルス2つ分の加算が行われるので、正しい角度位置が得られる。
図10は回転方向判別回路74の異常判定を行う処理のフローチャートである。この処理は、ECU5のCPUで所定時間毎に実行される。
ステップS61では、車速VPが所定車速VPTH(例えば10km/h)より高いか否かを判別する。この答が肯定(YES)であるときは、逆転フラグFREVが「1」であるか否かを判別する。ステップS61またはS62の答が否定(NO)であるときは、ダウンカウントタイマTDETを所定時間TDETX(例えば5分)にセットしてスタートさせる(ステップS63)。
ステップS62の答が肯定(YES)であるときは、ステップS63でスタートされるタイマTDETの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS64)。最初はこの答が否定(NO)であるので、直ちに処理を終了する。ステップS61及びS62の答がともに肯定(YES)である状態が所定時間TDETX継続すると、ステップS64の答が肯定(YES)となり、判別回路異常フラグFRDFが「1」を設定する(ステップS65)。
本実施形態では、クランク角度位置センサ7において2つのパルス発生器の出力に基づいてクランク軸の回転方向が判別され、クランク軸の回転方向が反転したときに、クランク角度位置CRPが、回転方向の反転の判別タイミングの遅れの影響を無くすように補正されるので、エンジン停止時のクランク角度位置CRPを正確に推定することができ、次の始動時におけるエンジン駆動制御を適切に行うことができる。
より具体的には、クランク軸の回転方向が反転したと判定された後に最初にCRKパルスが発生したときに、CRKパルスが2回発生した位置にクランク角度位置CRPが補正されるので、回転方向の反転後の回転角度位置を正確に推定することができる。
クランク角度位置センサ7の回転方向判別回路が異常であると判定されたときは、筒内圧センサ10の出力に基づいてクランク軸の回転方向が判別されるので、回転方向判別回路の異常時においても正確な回転角度位置を得ることができる。
さらに図6のステップS12及びS13により、エンジンが停止した後のバッテリ電圧の低下、または前回運転中のクランク角度位置センサ7の故障検出の有無によって、記憶されたクランク角度位置の信頼性が判定され、記憶されたクランク角度位置の信頼性が低いと判定されたときは、記憶されたクランク角度位置に代えて、エンジン始動開始後に検出されるCRKパルスに基づいて、クランク角度位置の検出が行われ、検出したクランク角度位置に応じてエンジンの駆動制御が開始される。したがって例えば、バッテリ電圧の低下によって記憶されたクランク角度位置CRPが失われた場合などにおいて、始動開始時に不適切な燃料噴射が行われることを回避できる。
本実施形態では、クランク角度位置センサ7がクランク角度位置検出手段の一部、及び回転方向判別手段を構成し、筒内圧センサ10が筒内圧検出手段に相当する。またECU5が、クランク角度位置検出手段の一部、停止角度位置記憶手段、位置補正手段、異常判定手段、及び信頼性判定手段を構成する。具体的には、図7の処理がクランク角度位置検出手段の一部に相当し、図7のステップS47〜S51が位置補正手段に相当し、図10の処理が異常判定手段に相当し、図6のステップS12〜S15が信頼性判定手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した図7の処理では、ステップS50及びS51において1パルスに相当する角度の補正を行うようにしたが、回転方向判別に要する時間に応じて、補正角度量を2パルス、あるいは3パルスに相当する角度の補正を行うようにしてもよい。
また本発明は、クランク軸を鉛直方向とした船外機などのような船舶推進機用エンジンなどの制御にも適用が可能である。
1 内燃機関
5 電子制御ユニット(クランク角度位置検出手段、停止角度位置記憶手段、位置補正手段、異常判定手段、信頼性判定手段)
6 燃料噴射弁
7 クランク角度位置センサ(クランク角度位置検出手段、回転方向判別手段)
9 点火プラグ
10 筒内圧センサ(筒内圧検出手段)

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランク軸が所定角度回転する毎にクランクパルスを発生させる2つのパルス発生器の出力に基づいて、前記クランク軸の回転角度位置を検出するクランク角度位置検出手段と、前記機関が停止するときに最後に検出された前記回転角度位置を記憶する停止角度位置記憶手段とを備え、前記機関の次回始動時に記憶した回転角度位置に基づいて前記機関の駆動制御を開始する内燃機関の制御装置において、
    前記クランク角度位置検出手段は、
    前記2つのパルス発生器の出力に基づいて前記クランク軸の回転方向を判別する回転方向判別手段と、
    前記クランク軸の回転方向が反転したことが前記回転方向判別手段により検出された場合において、前記回転方向が正転から逆転に変化したときは、補正角度量を減算することにより前記回転角度位置を補正する一方、前記回転方向が逆転から正転に変化したときは、前記補正角度量を加算することにより前記回転角度位置を補正する位置補正手段とを備え、
    前記位置補正手段は、前記回転方向の判別に要する時間に応じて前記補正角度量の設定を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記機関の筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、
    前記回転方向判別手段の異常を判定する異常判定手段とを備え、
    前記回転方向判別手段が異常であると判定されたときは、前記筒内圧検出手段の出力に基づいて前記クランク軸の回転方向を判別することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記位置補正手段は、前記補正角度量を前記クランクパルスの発生周期に相当する角度量に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記停止角度位置記憶手段に記憶された回転角度位置の信頼性を判定する信頼性判定手段をさらに備え、
    前記記憶された回転角度位置の信頼性が低いと判定されたときは、前記記憶された回転角度位置に代えて、前記機関の始動開始後に検出されるクランクパルスに基づいて前記機関の駆動制御を開始することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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