JP4871220B2 - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンのアーム式動弁装置に組み込まれるラッシュアジャスタに関する。
エンジンの吸気ポートまたは排気ポートに設けたバルブを動作させる動弁装置として、バルブに接続したバルブステムを、カムの回転に応じて揺動するアームで押し動かすようにしたアーム式動弁装置が多く用いられる。
このようなアーム式動弁装置として、アームの揺動支点をアームの端部に配置し、そのアームをカムで押し下げることにより、バルブステムを押し下げるようにしたスイングアーム式動弁装置と、アームの揺動支点をアームの中央部に配置し、カムでアームの一方の端部を押し上げることにより、アームの他方の端部を下降させ、その端部でバルブステムを押し下げるようにしたロッカアーム式動弁装置とが知られている。
これらのアーム式動弁装置は、エンジン作動中の温度上昇によって動弁装置が熱膨張すると、動弁装置の構成部材間に生じる熱膨張差によって、動弁装置の構成部材間(たとえば、アームとバルブステムの間)に隙間が発生し、その隙間によって、異音や、バルブの開閉タイミングのずれが生じることがある。また、動弁装置の摺動部の摩耗によっても、動弁装置の構成部材間(たとえば、バルブとバルブシートの間)に隙間が生じ、その隙間によって、異音等が生じることがある。
そこで、アーム式動弁装置の構成部材間の隙間を吸収するため、アームを上下に貫通するスリーブ挿入孔を形成し、そのスリーブ挿入孔にスリーブを挿入して固定し、そのスリーブの内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャスタスクリュを設け、そのアジャスタスクリュを下方に付勢するスプリングを設け、前記アジャスタスクリュの下端面でバルブステムを押し下げるようにしたラッシュアジャスタが提案されている(特許文献1)。
このラッシュアジャスタは、動弁装置の熱膨張などによって、アームとバルブステムの相対位置が変化すると、その位置変化に応じて、アジャスタスクリュがスリーブ内を上方または下方に移動し、動弁装置の構成部材間の隙間を吸収する。
ところで、上記アーム式動弁装置は、高回転のエンジンに対応するため、アームをアルミ合金で形成して、アームの重量を小さくしている。また、上記ラッシュアジャスタは、スリーブを鋼製とすることにより、アジャスタスクリュにねじ係合する部分の耐摩耗性を確保しており、そのスリーブの下部外周に形成されたフランジを、スリーブ挿入孔の縁で係止することにより、スリーブがアームに対して上方に移動するのを防止している。
特開2006−132426号公報
ここで、鋼製のスリーブは、アルミ合金製のアームよりも比重が大きいので、スリーブの体積が大きいと、ラッシュアジャスタとアームを合わせた重量が大きくなり、高回転のエンジンに対応できなくなるおそれがある。
しかし、上記ラッシュアジャスタは、スリーブの内周に雌ねじを加工する必要があるので、スリーブの厚さが厚い。また、スリーブの下部外周にフランジを有する。そのため、上記ラッシュアジャスタは重量が大きく、高回転のエンジンに対応できないおそれがあった。
また、上記ラッシュアジャスタは、スリーブの内周の雌ねじとして多条ねじを用いているが、多条ねじは、リード角が大きいので、ねじを加工するときの工具の負荷が大きく、そのため、上記ラッシュアジャスタは、加工コストが高かった。
また、上記ラッシュアジャスタは、スリーブ内周に、雌ねじのねじ山を分断する軸方向の溝が形成されており、その溝内に、スリーブ内周とアジャスタスクリュ外周の間の潤滑油を逃がすことによって、スリーブ内周の雌ねじのフランクとアジャスタスクリュ外周の雄ねじのフランクとを密着しやすくしている。
しかし、スリーブの内周に雌ねじを加工した後に、その雌ねじを分断する溝加工を施すと、雌ねじと溝の交差位置にバリが発生しやすく、そのバリがアジャスタスクリュの雄ねじを傷付け、耐久性を低下させるおそれがあった。また、スリーブの内周に雌ねじを加工した後に、その雌ねじを分断する溝加工を施すと、溝の溝幅が、雌ねじのねじ山の頂部に向かって次第に大きくなるので、雌ねじのねじ山が強度不足となるおそれがあり、雌ねじの耐久性を確保するのが難しかった。
この発明が解決しようとする課題は、重量が小さく、高回転のエンジンに対応可能なラッシュアジャスタを提供することである。
上記課題を解決するために、カムの回転に応じて揺動するアルミ合金製のアームの下面にねじ孔を開口させ、そのねじ孔に、鋼線を螺旋状に巻いたインサートコイルをねじ込み、そのインサートコイルの内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャスタスクリュを設け、そのアジャスタスクリュを下方に付勢するスプリングを設け、前記アジャスタスクリュの下端面でバルブステムを押し下げるようにした構成をラッシュアジャスタに採用した。
このラッシュアジャスタは、次の構成を加えることができる。
1)前記ねじ孔が多条ねじであり、そのねじ孔の条数と同じ本数の鋼線を螺旋状に巻いて前記インサートコイルを形成する。
2)前記鋼線として断面方形状のものを用い、軸方向に隣り合う鋼線同士を面接触させる。
また、上記のラッシュアジャスタは、次のいずれかの構成を加えることができる。
3)前記鋼線に、鋼線の長手方向に延びる溝を形成し、その溝を内径側にして前記鋼線を螺旋状に巻いて前記インサートコイルを形成する。
4)前記鋼線に、鋼線の長手方向に対して交差する方向に延びる溝を、鋼線の長手方向に間隔をおいて複数形成し、その溝を内径側にして前記鋼線を螺旋状に巻いて前記インサートコイルを形成する。
また、上記4)の構成を加える場合、前記溝は、溝幅が一定となるように形成することができる。
この発明のラッシュアジャスタは、アジャスタスクリュとねじ係合する部分に、鋼線からなるインサートコイルを採用しているので、アジャスタスクリュにねじ係合する部分の耐摩耗性に優れる。また、インサートコイルは、鋼線を巻いて形成するので厚みが小さく、そのため、この発明のラッシュアジャスタは、重量が小さく、高回転のエンジンに対応可能である。
また、前記ねじ孔が多条ねじであり、そのねじ孔の条数と同じ本数の鋼線を螺旋状に巻いて前記インサートコイルを形成したものは、鋼線を巻くことによりインサートコイルを形成するので、インサートコイルの雌ねじの条数が多い場合にも、インサートコイルの形成が簡単であり、加工コストが低い。
また、前記鋼線として断面方形状のものを用い、軸方向に隣り合う鋼線同士を面接触させたものは、軸方向に隣り合う鋼線間に軸方向の力が作用したときに、その鋼線同士がずれにくく、インサートコイルが変形しにくい。そのため、アジャスタスクリュに作用する軸方向の力を、インサートコイルで確実に受け止めることができ、動作の信頼性に優れる。
また、前記鋼線に、鋼線の長手方向に延びる溝を形成し、その溝を内径側にして前記鋼線を螺旋状に巻いて前記インサートコイルを形成したものは、溝の形成を引き抜き加工で行なうことができるので、インサートコイルの内周にバリが発生しにくい。そのため、アジャスタスクリュの雄ねじが傷付きにくく、耐久性に優れる。
また、前記鋼線に、鋼線の長手方向に対して交差する方向に延びる溝を、鋼線の長手方向に間隔をおいて複数形成し、その溝を内径側にして前記鋼線を螺旋状に巻いて前記インサートコイルを形成したものは、溝の形成をプレス加工で行なうことができるので、インサートコイルの内周にバリが発生しにくい。そのため、アジャスタスクリュの雄ねじが傷付きにくく、耐久性に優れる。
また、前記溝を溝幅が一定となるように形成したものは、溝の溝幅が、雌ねじのねじ山の頂部に向かって次第に大きくなるものと比較して、雌ねじの強度を確保しやすく、耐久性に優れる。
図1に、この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタ1を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド2の吸気ポート3に設けられたバルブ4と、そのバルブ4に接続されたバルブステム5と、カム6の回転に応じて揺動するアーム7とを有する。
バルブステム5は、バルブ4から上方に延び、シリンダヘッド2に形成されたガイド孔8を貫通している。ガイド孔8の内面は、バルブステム5を上下に摺動可能に支持している。
バルブステム5の上部外周にはスプリングリテーナ9が固定され、スプリングリテーナ9の下面とシリンダヘッド2の上面の間にバルブスプリング10が組み込まれている。バルブスプリング10は、スプリングリテーナ9を介してバルブステム5を上方に付勢し、その付勢力によってバルブ4をバルブシート11に着座させている。
アーム7は、アルミ合金からなり、中央部7Bが支軸12で支持され、支軸12を中心として揺動可能となっている。アーム7の一方の端部7Aにはローラ13が取り付けられている。ローラ13は、カムシャフト14に固定されたカム6に接触している。
カム6は、ベースサークル6aに対して隆起したカム山部6bを有し、カム6が回転したときに、カム山部6bがアーム7の端部7Aを押し上げ、アーム7の他方の端部7Cを下降させる。
アーム7の端部7Cの下面には、有底のねじ孔15が開口している。ねじ孔15は、多条ねじ(図では2条ねじ)であり、そのねじ孔15にラッシュアジャスタ1が組み込まれている。ラッシュアジャスタ1は、図2に示すように、インサートコイル16と、アジャスタスクリュ17と、スプリング18と、スプリングシート19とからなる。
インサートコイル16は、図5に示すように、断面方形状の2本の鋼線20,20を螺旋状に巻いて形成されている。鋼線20,20は、インサートコイル16の外径側に雄ねじ21を形成するとともに、インサートコイル16の内径側に雌ねじ22を形成している。雄ねじ21と雌ねじ22は、いずれも2条ねじであり、雄ねじ21は、図2に示すように、アーム7のねじ孔15に締め代をもってねじ係合している。また、軸方向に隣り合う鋼線20,20同士は面接触している。
アジャスタスクリュ17は、図3に示すようにインサートコイル16内に挿入され、アジャスタスクリュ17の外周の雄ねじ23が、インサートコイル16の内周の雌ねじ22に遊びをもってねじ係合している。
アジャスタスクリュ17の雄ねじ23は、図4に示すように、軸線に沿った断面形状が非対称形状の鋸歯状に形成されており、アジャスタスクリュ17をインサートコイル16内に押し込む方向の力が作用したときに圧力を受ける圧力側フランク24のフランク角が、遊び側フランク25のフランク角よりも大きい。また、圧力側フランク24には、ねじ山に沿って溝26が形成されている。雄ねじ23と溝26は、たとえば転造により、同時に形成することができる。
インサートコイル16の雌ねじ22も、図5に示すように、軸線に沿った断面形状が非対称形状の鋸歯状に形成されており、アジャスタスクリュ17をインサートコイル16内に押し込む方向の力が作用したときに圧力を受ける圧力側フランク27のフランク角が、遊び側フランク28のフランク角よりも大きい。
スプリング18は、図3に示すように、アジャスタスクリュ17の上端面とねじ孔15の内底面29の間に組み込まれ、スプリングシート19を介してアジャスタスクリュ17を下方に付勢している。スプリングシート19の下端面30は球面状に形成され、アジャスタスクリュ17の上端面に点接触している。また、アジャスタスクリュ17の下端面31は、バルブステム5の上端面32に当接している。
つぎに、このラッシュアジャスタ1の動作例を説明する。
カムシャフト14が回転して、カム6がアーム7の端部7Aを押し上げると、アーム7の他方の端部7Cが下降し、アジャスタスクリュ17がバルブステム5を押し下げ、バルブ4がバルブシート11から離れて、吸気ポート3が開く。このとき、アジャスタスクリュ17の圧力側フランク24とインサートコイル16の圧力側フランク27が密着し、インサートコイル16が、アジャスタスクリュ17に作用する軸方向の力を受け止める。このとき、インサートコイル16は、雄ねじ21が締め代をもってアーム7のねじ孔15にねじ係合しているので、ねじ孔15内を移動しない。
さらに、カムシャフト14が回転して、カム山部6bがローラ13の位置を過ぎると、バルブスプリング10の付勢力によってバルブステム5が上昇し、バルブ4がバルブシート11に接触して、吸気ポート3が閉じる。
また、エンジン作動中に、シリンダヘッド2、バルブステム5、アーム7など、上記動弁装置の構成部材間に生じる熱膨張差によって、アーム7の端部7Cとバルブステム5の上端面32の間の距離が大きくなったときは、スプリング18の付勢力によって、アジャスタスクリュ17が徐々に下方に移動するので、アジャスタスクリュ17の下端面31とバルブステム5の上端面32の間に隙間が生じない。
反対に、バルブ4とバルブシート11の接触面が摩耗して、アーム7の端部7Cとバルブステム5の上端面32の間の距離が小さくなったときは、アジャスタスクリュ17に作用する軸方向の力が大きくなるので、アジャスタスクリュ17が徐々に上方に移動し、バルブ4とバルブシート11の接触面間に隙間が生じない。
このラッシュアジャスタ1は、アジャスタスクリュ17とねじ係合する部分に、鋼線20からなるインサートコイル16を採用しているので、アジャスタスクリュ17にねじ係合する部分の耐摩耗性に優れる。また、インサートコイル16は、鋼線20を巻いて形成するので厚みが小さく、そのため、このラッシュアジャスタ1は、重量が小さく、高回転のエンジンに対応可能である。
また、このラッシュアジャスタ1は、アジャスタスクリュ17の圧力側フランク24が、インサートコイル16の圧力側フランク27に密着するときに、圧力側フランク24と圧力側フランク27の間の潤滑油が溝26内に逃げる。そのため、アジャスタスクリュ17に作用する軸方向の力を、インサートコイル16で速やかに受け止めることができ、潤滑油の粘性が高い低温時においても、スクイズ効果によるアジャスタスクリュ17の回転を防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ1は、鋼線20を巻くことによりインサートコイル16を形成しているので、インサートコイル16の雌ねじ22の条数(この実施形態では2条)が多い場合にも、インサートコイル16の形成が簡単である。そのため、このラッシュアジャスタ1は、雄ねじ21にねじ係合する雌ねじを切削加工により形成したラッシュアジャスタと比較して、加工コストが低い。
また、このラッシュアジャスタ1は、インサートコイル16の軸方向に隣り合う鋼線20,20同士を面接触させているので、その鋼線20,20間に軸方向の力が作用したときに、鋼線20,20同士がずれにくく、インサートコイル16が変形しにくい。そのため、アジャスタスクリュ17に作用する軸方向の力を、インサートコイル16で確実に受け止めることができ、動作の信頼性に優れる。
図6に、この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタ41を示す。このラッシュアジャスタ41は、第1実施形態におけるインサートコイル16とアジャスタスクリュ17を、インサートコイル42とアジャスタスクリュ43に置き換えたものであり、他の部材は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態に対応する部材は、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
インサートコイル42は、断面方形状の2本の鋼線44,44を螺旋状に巻いて形成されている。鋼線44,44は、インサートコイル42の外径側に雄ねじ45を形成するとともに、インサートコイル42の内径側に雌ねじ46を形成している。雄ねじ45と雌ねじ46は、いずれも2条ねじであり、雄ねじ45は、アーム7のねじ孔15に締め代をもってねじ係合している。また、軸方向に隣り合う鋼線44,44同士は面接触している。
雌ねじ46は、図7に示すように、軸線に沿った断面形状が非対称形状の鋸歯状に形成されており、アジャスタスクリュ43をインサートコイル42内に押し込む方向の力が作用したときに圧力を受ける圧力側フランク47のフランク角が、遊び側フランク48のフランク角よりも大きくなっている。
雌ねじ46の圧力側フランク47には、鋼線44の長手方向に延びる溝49が形成されている。鋼線44への溝49の形成は、引き抜き加工による鋼線44の形成と同時に行なわれ、そのため、溝49の溝幅は一定となっている。鋼線44は、溝49を内径側にして巻かれている。
アジャスタスクリュ43は、図6に示すように、インサートコイル42内に挿入され、アジャスタスクリュ43の外周の雄ねじ50が、インサートコイル42の内周の雌ねじ46に遊びをもってねじ係合している。雄ねじ50は、第1実施形態の雄ねじ23と同様に、圧力側フランク51と遊び側フランク52とを有する鋸歯状に形成されているが、第1実施形態の溝26に相当する溝が形成されていない。
このラッシュアジャスタ41は、アジャスタスクリュ43とねじ係合する部分に、鋼線44からなるインサートコイル42を採用しているので、アジャスタスクリュ43にねじ係合する部分の耐摩耗性に優れる。また、インサートコイル42は、鋼線44を巻いて形成するので厚みが小さく、そのため、このラッシュアジャスタ41は、重量が小さく、高回転のエンジンに対応可能である。
また、このラッシュアジャスタ41は、アジャスタスクリュ43の圧力側フランク51が、インサートコイル42の圧力側フランク47に密着するときに、圧力側フランク51と圧力側フランク47の間の潤滑油が溝49内に逃げる。そのため、アジャスタスクリュ43に作用する軸方向の力を、インサートコイル42で速やかに受け止めることができ、潤滑油の粘性が高い低温時においても、スクイズ効果によるアジャスタスクリュ43の回転を防止することができる。
また、このラッシュアジャスタ41は、鋼線44を巻くことによりインサートコイル42を形成しているので、インサートコイル42の雌ねじ46の条数(この実施形態では2条)が多い場合にも、インサートコイル42の形成が簡単であり、加工コストが低い。
また、このラッシュアジャスタ41は、インサートコイル42の軸方向に隣り合う鋼線44,44同士を面接触させているので、その鋼線44,44間に軸方向の力が作用したときに、鋼線44,44同士がずれにくく、インサートコイル42が変形しにくい。そのため、アジャスタスクリュ43に作用する軸方向の力を、インサートコイル42で確実に受け止めることができ、動作の信頼性に優れる。
また、このラッシュアジャスタ41は、溝49の形成を引き抜き加工で行なうことができるので、インサートコイル42の内周にバリが発生しにくい。そのため、アジャスタスクリュ17の雄ねじ50が傷付きにくく、耐久性に優れる。
また、このラッシュアジャスタ41は、鋼線44の形成と溝49の形成とを引き抜き加工で同時に行なうことができるので、溝49の形成が容易であり、低コストである。
図8、図9に基づいて、この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタを説明する。第3実施形態のラッシュアジャスタは、第2実施形態におけるインサートコイル42をインサートコイル61に置き換えたものであり、他の部材は第2実施形態と同様である。そのため、第2実施形態に対応する部材は、第2実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
インサートコイル61は、断面方形状の2本の鋼線62,62を螺旋状に巻いて形成されている。鋼線62,62は、インサートコイル61の外径側に雄ねじ63を形成するとともに、インサートコイル61の内径側に雌ねじ64を形成している。雄ねじ63と雌ねじ64は、いずれも2条ねじであり、雌ねじ64は、第2実施形態と同様に、圧力側フランク65と遊び側フランク66とを有する鋸歯状に形成されている。また、軸方向に隣り合う鋼線62,62同士は面接触している。
雌ねじ64の圧力側フランク65には、図8に示すように鋼線62の長手方向に対して交差する方向に延びる溝67が、図9に示すように鋼線62の長手方向に間隔をおいて複数形成されている。鋼線62への溝67の形成は、プレス加工による鋼線62の形成と同時に行なわれ、その溝67を内径側にして鋼線62が巻かれている。また、図8に示すように、溝67は、雌ねじ64のねじ山の頂部と底部の間で溝幅が一定となるように形成され、溝67の深さは、雌ねじ64のねじ山を分断しない程度の深さとなっている。
上記インサートコイル61を組み込んだ第3実施形態のラッシュアジャスタも、第2実施形態のラッシュアジャスタと同様、重量が小さく、高回転のエンジンに対応可能である。
また、このラッシュアジャスタは、アジャスタスクリュ43の圧力側フランク51が、インサートコイル61の圧力側フランク65に密着するときに、圧力側フランク51と圧力側フランク65の間の潤滑油が溝67内に逃げる。そのため、アジャスタスクリュ43に作用する軸方向の力を、インサートコイル61で速やかに受け止めることができ、潤滑油の粘性が高い低温時においても、スクイズ効果によるアジャスタスクリュ43の回転を防止することができる。
また、このラッシュアジャスタは、鋼線62を巻くことによりインサートコイル61を形成しているので、インサートコイル61の雌ねじ64の条数(この実施形態では2条)が多い場合にも、インサートコイル61の形成が簡単であり、加工コストが低い。
また、このラッシュアジャスタは、インサートコイル61の軸方向に隣り合う鋼線62,62同士を面接触させているので、その鋼線62,62間に軸方向の力が作用したときに、鋼線62,62同士がずれにくく、インサートコイル61が変形しにくい。そのため、アジャスタスクリュ43に作用する軸方向の力を、インサートコイル61で確実に受け止めることができ、動作の信頼性に優れる。
また、このラッシュアジャスタは、雌ねじ64の圧力側フランク65の溝67を、溝幅が一定となるように形成しているので、雌ねじ64の圧力側フランク65の溝を、雌ねじ64のねじ山の頂部に向かって溝幅が次第に大きくなるように形成したものと比較して、雌ねじ64の強度を確保しやすく、耐久性に優れる。
また、このラッシュアジャスタは、溝67の形成をプレス加工で行なうことができるので、インサートコイル61の内周にバリが発生しにくい。そのため、アジャスタスクリュ43の雄ねじ50が傷付きにくく、耐久性に優れる。また、鋼線62の形成と溝67の形成とをプレス加工で同時に行なうことができるので、溝62の形成が容易であり、低コストである。
また、このラッシュアジャスタは、鋼線62を巻く前に溝67を形成するので、雌ねじ64の山の頂から雌ねじ64の谷底に至る溝67の幅を抑え、圧力側フランク65の面積を確保することができる。そのため、圧力側フランク65の面圧を抑えることができ、耐久性に優れる。
上記各実施形態では、アーム7の揺動支点をアーム7の中央部7Bに配置し、カム6でアーム7の端部7Aを押し上げることにより、アーム7の他方の端部7Cを下降させ、その端部7Cでバルブステム5を押し下げるようにしたロッカアーム式の動弁装置を例に挙げて説明したが、この発明のラッシュアジャスタは、アームの揺動支点をアームの端部に配置し、そのアームをカムで押し下げることにより、バルブステムを押し下げるようにしたスイングアーム式の動弁装置にも適用することができる。
この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図1に示すラッシュアジャスタの正面断面図 図2に示すラッシュアジャスタのインサートコイルを破断した状態を示す断面図 図3に示すアジャスタスクリュの拡大図 図3に示すインサートコイルの拡大断面図 この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタの正面断面図 図6に示すインサートコイルの拡大断面図 この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタのインサートコイルの拡大断面図 図8に示すインサートコイルを上方から見た図
符号の説明
5 バルブステム
6 カム
7 アーム
15 ねじ孔
16 インサートコイル
17 アジャスタスクリュ
18 スプリング
20 鋼線
22 雌ねじ
23 雄ねじ
31 下端面
42 インサートコイル
44 鋼線
49 溝
61 インサートコイル
62 鋼線
67 溝

Claims (6)

  1. カム(6)の回転に応じて揺動するアルミ合金製のアーム(7)のバルブステム(5)押し下げ方向の下面にねじ孔(15)を開口させ、そのねじ孔(15)に、鋼線(20)を螺旋状に巻いたインサートコイル(16)をねじ込み、そのインサートコイル(16)の内周に形成された雌ねじ(22)にねじ係合する雄ねじ(23)を外周に有するアジャスタスクリュ(17)を設け、そのアジャスタスクリュ(17)をバルブステム(5)押し下げ方向の下方に付勢するスプリング(18)を設け、前記アジャスタスクリュ(17)のバルブステム(5)押し下げ方向の下端面(31)でバルブステム(5)を押し下げるようにしたラッシュアジャスタ。
  2. 前記ねじ孔(15)が多条ねじであり、そのねじ孔(15)の条数と同じ本数の鋼線(20)を螺旋状に巻いて前記インサートコイル(16)を形成した請求項1に記載のラッシュアジャスタ。
  3. 前記鋼線(20)として断面方形状のものを用い、前記インサートコイル(16)の軸方向に隣り合う鋼線(20,20)同士を面接触させた請求項1または2に記載のラッシュアジャスタ。
  4. 前記鋼線(44)に、鋼線(44)の長手方向に延びる溝(49)を形成し、その溝(49)を内径側にして前記鋼線(44)を螺旋状に巻いて前記インサートコイル(42)を形成した請求項1から3のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  5. 前記鋼線(62)に、鋼線(62)の長手方向に対して交差する方向に延びる溝(67)を、鋼線(62)の長手方向に間隔をおいて複数形成し、その溝(67)を内径側にして前記鋼線(62)を螺旋状に巻いて前記インサートコイル(61)を形成した請求項1から3のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  6. 前記溝(67)を溝幅が一定となるように形成した請求項5に記載のラッシュアジャスタ。
JP2007157365A 2007-06-14 2007-06-14 ラッシュアジャスタ Expired - Fee Related JP4871220B2 (ja)

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