JP4870970B2 - ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法、並びに漂白剤組成物及び洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの方法の場合は、実際には、漂白性能が十分に発現しないことがあり、また、金属の安定性が十分でない、製造コストが高いなどの問題がある。
例えば、フェノールスルホン酸ナトリウムとベンゾイルクロリドとのエステル化方法が開示されている(特許文献8及び特許文献9)が、これらの方法の場合は、フェノールスルホン酸ナトリウムが高価な上、有機溶媒や界面活性剤を使用しなければならず、高コストで効率的でないという問題がある。
<1>フェノールスルホン酸と塩化ベンゾイルとをアルカリ存在下で混合するベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法であって、フェノールスルホン酸とアルカリとのモル比(フェノールスルホン酸:アルカリ)が1:2〜1:3であることを特徴とするベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法である。
<2>フェノールスルホン酸と塩化ベンゾイルとのモル比(フェノールスルホン酸:塩化ベンゾイル)が1:1〜1:1.3である前記<1>に記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法である。
<3>フェノールスルホン酸と塩化ベンゾイルとを混合する際の温度が15〜30℃である前記<1>から<2>のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法である。
<4>フェノールスルホン酸に対して塩化ベンゾイルを1〜4等量/時の速度で滴下する前記<1>から<3>のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法である。
<5>アルカリが水酸化ナトリウムである前記<1>から<4>のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法である。
<6>a)フェノールスルホン酸とアルカリとを混合することによりフェノールスルホン酸を中和する工程、及び
b)前記工程a)で得られた中和液と塩化ベンゾイルとを混合する工程
を含む、前記<1>から<5>のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法である。
<7>前記工程b)において更にアルカリを混合する前記<6>に記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法である。
<8>前記<1>から<7>のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法により得られたベンゾイルオキシベンゼンスルホネートと、過酸素化合物とを含有することを特徴とする漂白剤組成物である。
<9>前記<1>から<7>のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法により得られたベンゾイルオキシベンゼンスルホネートと、過酸素化合物とを含有することを特徴とする洗浄剤組成物である。
本発明のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法においては、フェノールスルホン酸と塩化ベンゾイルとを、アルカリ存在下で混合し、更に必要に応じて適宜選択したその他の処理を行うことを含む。
前記フェノールスルホン酸は、従来のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法において通常使用されているフェノールスルホン酸ナトリウムと比較して安価であるため、低コストでベンゾイルオキシベンゼンスルホネートを製造するために有利である。
前記アルカリとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、コスト性、溶解性の点で、水酸化ナトリウムが好ましい。
前記フェノールスルホン酸と前記アルカリとのモル比(フェノールスルホン酸:アルカリ)としては、1:2〜1:3であり、1:2〜1:2.8が好ましく、1:2.2〜1:2.5がより好ましい。
前記アルカリが、前記フェノールスルホン酸に対して、モル比で2倍未満であると、反応が完結せず、原料が未反応で回収されてしまい、モル比で3倍を超えると、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの収率が著しく低下する。一方、前記アルカリが、前記フェノールスルホン酸に対して、モル比で2.2〜2.5倍の範囲内であると、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートをより高収率で得ることができる点で有利である。
前記フェノールスルホン酸と前記塩化ベンゾイルとのモル比(フェノールスルホン酸:塩化ベンゾイル)としては、1:1〜1:1.3が好ましく、1:1〜1:1.1がより好ましい。
前記塩化ベンゾイルが、前記フェノールスルホン酸に対して、モル比で等量未満であると、フェノールスルホン酸が未反応で回収されてしまうことがあり、モル比で1.3倍を超えると、逆に塩化ベンゾイルが未反応で回収されてしまうことがある。一方、前記塩化ベンゾイルが、前記フェノールスルホン酸に対して、モル比で前記より好ましい範囲内であると、未反応回収分を減らすことができる点で有利である。
前記フェノールスルホン酸と前記塩化ベンゾイルとの混合方法としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、前記フェノールスルホン酸に対して前記塩化ベンゾイルを滴下することにより混合する方法が好ましい。
ここで、前記フェノールスルホン酸に対する前記塩化ベンゾイルの滴下速度としては、1〜4等量/時が好ましく、1〜3等量/時がより好ましく、2〜3等量/時が特に好ましい。前記滴下速度が、1等量/時より遅いと、反応時間が長くなるためにコストが増加してしまうことがあり、4等量/時より速いと、反応温度の制御が困難となることがある。一方、前記滴下速度が2〜3等量/時の範囲内であると、反応温度を容易に制御しながら、より効率良く反応を進行させられる点で有利である。
また、前記フェノールスルホン酸と前記塩化ベンゾイルとを混合する際の温度は、15〜30℃が好ましく、15〜25℃がより好ましい。前記温度が、15℃未満であると、反応効率が悪くなることがあり、30℃を超えると、過剰反応や着色の原因となることがある。一方、前記混合時の温度が、15〜25℃の範囲内であると、着色や過剰反応をおこすことなく、より効率的に反応が進行する点で有利である。
以下に、本発明のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法の好ましい一態様を示す。
a)前記フェノールスルホン酸と前記アルカリとを混合することにより前記フェノールスルホン酸を中和する工程、及び
b)前記工程a)で得られた中和液と前記塩化ベンゾイルとを混合する工程
を含む、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法である。
工程a)においては、前記フェノールスルホン酸と前記アルカリとを混合することにより前記フェノールスルホン酸を中和する。
ここで、前記フェノールスルホン酸の水溶液の濃度としては、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。前記フェノール酸の水溶液の濃度が、5質量%未満であると、後の反応で得られるベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの析出が妨げられることがあり、40質量%を超えると、前記フェノールスルホン酸が析出し、後の反応の進行を妨げることがある。一方、前記フェノール酸の水溶液の濃度が、前記より好ましい範囲内であると、後の反応を妨げず、かつ反応後はベンゾイルオキシベンゼンスルホネートを速やかに析出することができる点で有利である。
また、前記アルカリの水溶液の濃度としては、20〜70質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。前記アルカリの水溶液の濃度が、20質量%未満であると、反応系の濃度が下がり、後の反応に影響を与えることがあり、70質量%を超えると、粘性が上がりハンドリングが困難となるであることがある。一方、前記アルカリの水溶液の濃度が、前記より好ましい範囲内であると、ハンドリングが容易である点で有利である。
前記温度が、30℃を超えると、着色などがおこることがある。一方、前記温度が、0〜30℃の範囲内であると、着色などをほとんどおこさずに中和を行うことができる点で有利である。
前記温度を好ましい範囲内に調整するために、必要に応じて、中和時に、前記フェノールスルホン酸と前記アルカリとの混合液を、水浴により冷却してもよい。
ここで、前記フェノールスルホン酸を前記アルカリによって中和し、完全に溶解させるためには、例えば、前記フェノールスルホン酸と前記アルカリとを混合した後、通常、5〜30分程度攪拌すればよい。また、前記フェノールスルホン酸が完全に溶解したことは、例えば反応液が完全に均一になったことを目視することによって確認することができる。
工程b)においては、前記工程a)で得られた中和液と前記塩化ベンゾイルとを混合する。
工程b)においては、前記pHが好ましい範囲内となるように、必要に応じて、前記アルカリの水溶液を更に適宜混合することができる。この場合、フェノールスルホン酸とアルカリとのモル比としては、前記工程a)で使用されたフェノールスルホン酸と、前記工程a)及び工程b)で使用されたアルカリの合計とのモル比が、前述した範囲内にあればよい。
前記攪拌時の温度は、15〜30℃が好ましく、15〜25℃がより好ましい。前記攪拌時の温度が、15℃未満であると、前記フェノールスルホン酸と前記塩化ベンゾイルとの反応が遅くなることがあり、30℃を超えると、副反応により前記混合液が着色することがある。一方、前記攪拌時の温度が前記より好ましい範囲内であると、着色することなく、より効率良く反応を進められる点で有利である。
前記フェノールスルホン酸が、前記水に対して、1/10未満であると、反応終了後のろ別による生成物の回収が困難になることがあり、質量で1/3を超えると、反応基質が溶解せず、収量の低下を招くことがある。一方、前記フェノールスルホン酸の量が、前記水に対して、質量で1/3〜1/5の範囲内であると、より収率良く反応を進めることができる点で有利である。
得られたベンゾイルオキシベンゼンスルホネートは、例えば、工程b)で得られた混合液を加圧濾過あるいは遠心分離にすることによって、前記混合液から分離することができる。また、分離されたベンゾイルオキシベンゼンスルホネートは、例えば、少量の水で洗浄し、乾燥させることによって、固形化することができる。また、ここで得られた固形物は、従来の方法により造粒が可能である。
本発明のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法は、前述したように、比較的高価なフェノール酸ナトリウムを使わないために、また、有機溶媒などを使用しないために、コスト性に優れている。また、フェノールスルホン酸と塩化ベンゾイルとをアルカリの存在下で混合させればよいために、一連の操作で反応を行うことができ、そのため、効率的にベンゾイルオキシベンゼンスルホネートを得ることが可能である。また、本発明のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法は、フェノールスルホン酸とアルカリとのモル比が特定の範囲内であることから、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートを高い収率で得ることができる。
本発明の漂白剤組成物、及び洗浄剤組成物は、前記ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法により得られたベンゾイルオキシベンゼンスルホネートと、過酸素化合物とを含有してなり、更に、必要に応じて、適宜選択したその他の成分を含有してなる。
前記ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートとしては、前記ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法により得られたものであれば特に制限はなく、その形状としては、適宜選択することができる。例えば、前記ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの形状としては、粒状、ゲル状、液状などが挙げられ、これらの中でも、安定性の点で、粉状が好ましい。
前記ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの含有量が、0.1質量%未満であると、漂白及び洗浄効果が低くなることがあり、また、逆に10質量%を超えても、漂白及び洗浄効果に変化はなく、コスト的に不利となることがある。一方、前記ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの含有量が、前記より好ましい範囲内であると、漂白及び洗浄効果が十分であり、コストの点でも有利である。
前記過酸素化合物としては、水溶液中で過酸化水素を発生することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、過炭酸、過ホウ酸、過硫酸等の無機過酸、及びこれらの塩などが挙げられる。前記塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、アンモニウム塩などが挙げられる。
具体的には、例えば、過炭酸ナトリウム(炭酸ナトリウム過酸化水素付加物)、過炭酸カリウム等の過炭酸塩;過ホウ酸ナトリウム等の過ホウ酸塩;モノ過硫酸水素カリウム;トリポリリン酸ナトリウムの過酸化水素付加物などが挙げられる。これらの中でも、ハンドリング面で優れていることから、過炭酸塩、及び過ホウ酸塩が好ましい。
前記過酸素化合物の前記漂白剤組成物又は洗浄剤組成物における含有量は、特に制限はなく、適宜選択することができるが、漂白剤組成物又は洗浄剤組成物中、2〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
前記過酸素化合物の含有量が、2質量%未満であると、漂白及び洗浄効果が低くなることがあり、また、逆に70質量%を超えても、漂白及び洗浄効果に変化はなく、コスト的に不利となることがある。一方、前記過酸素化合物の含有量が、前記より好ましい範囲内であると、漂白及び洗浄効果が十分であり、コストの点でも有利である。
本発明の漂白剤組成物及び洗浄剤組成物には、前記ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートと前記過酸素化合物以外の成分、例えば、界面活性剤、無機ビルダー、キレート剤、無水ケイ酸又は結晶性シリケート、酵素、香料、色素等のその他の成分が適宜必要に応じて含有されていてもよい。なお、本発明の漂白剤組成物及び洗浄剤組成物に含有され得るその他の成分は、前記した成分に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲内で、適宜使用することができる。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のノニオン界面活性剤、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、石鹸等のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
前記界面活性剤の前記漂白剤組成物又は洗浄剤組成物における含有量は、特に制限はなく、適宜選択することができるが、漂白剤組成物又は洗浄剤組成物中、0.01〜40質量%が好ましく、0.05〜20質量%がより好ましい。
前記界面活性剤の含有量が、0.01質量%未満であると、漂白及び洗浄効果が低くなることがあり、また、逆に40質量%を超えても、漂白及び洗浄効果に変化はなく、コスト的に不利となることがある。一方、前記界面活性剤の含有量が、前記より好ましい範囲内であると、漂白及び洗浄効果が十分であり、コストの点でも好ましい。
前記無機ビルダーとしては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸グアニジン等の炭酸塩や炭酸水素塩、1号ケイ酸ナトリウム、2号ケイ酸ナトリウム、3号ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のホウ酸塩などが挙げられる。
前記無機ビルダーの前記漂白剤組成物又は洗浄剤組成物における含有量は、特に制限はなく、適宜選択することができるが、漂白剤組成物又は洗浄剤組成物中、1〜40質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
前記無機ビルダーの含有量が、1質量%未満であると、漂白及び洗浄効果が低くなることがあり、また、逆に40質量%を超えても、漂白及び洗浄効果に変化はなく、コスト的に不利となることがある。一方、前記無機ビルダーの含有量が前記より好ましい範囲内であると、漂白及び洗浄効果が十分であり、コストの点でも有利である。
前記キレート剤としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、トリポリリン酸、ピロリン酸、オルソリン酸、ヘキサメタリン酸、アミノカルボン酸、ヒドロキシアミノカルボン酸、クエン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸、シクロカルボン酸、ホスホン酸、エーテルカルボン酸、シュウ酸、マレイン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、並びにこれらの誘導体、有機カルボン酸ポリマー、多糖類酸化物などが挙げられる。
具体的には、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミン(EDTMP)等のホスホン酸;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トリニトロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸等のアミノカルボン酸やそれらの塩が挙げられ、これらの中でも、ホスホン酸やその塩等のリン含有金属キレート剤が、洗浄力が優れているために、より好ましい。
また、本発明において、前記キレート剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、前記漂白剤組成物、洗浄剤組成物が前記自動食器洗浄機用洗浄剤である場合、前記自動食器洗浄機用洗浄剤は、前記キレート剤を含むことが好ましく、中でも、自動食器洗浄における洗浄効果の観点から、アミノカルボン酸及びアミノカルボン酸塩の少なくともいずれかを含むことが特に好ましい。
前記アミノカルボン酸及びアミノカルボン酸塩の少なくともいずれかの具体例としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、分子内に3級窒素原子と3〜4個のナトリウムイオンで中和されたカルボキシル基を有するものが好ましく、中でも、メチルグリシン二酢酸ナトリウムが特に好ましい。
前記自動食器洗浄機用洗浄剤における、前記キレート剤の含有量は、特に制限はなく、適宜選択することができるが、自動食器洗浄機用洗浄剤中、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。前記キレート剤の含有量が、0.1質量%未満であると、洗浄効果が低くなることがあり、また、逆に20質量%を超えても、洗浄効果に変化はなく、コスト的に不利となることがある。一方、前記キレート剤の含有量が前記より好ましい範囲内であると、洗浄効果が十分であり、コストの点でも有利である。
またここで、前記漂白剤組成物、洗浄剤組成物が前記洗濯槽洗浄剤である場合、前記洗濯槽洗浄剤は、前記キレート剤を含むことが好ましい。
これらの中でも、洗濯槽洗浄における洗浄効果の観点から、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、N,N,N’,N’−テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミン(EDTMP)等のホスホン酸;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トリニトロ三酢酸(NTA)等のアミノカルボン酸やその塩が好ましく、中でも、ホスホン酸やその塩等のリン含有金属キレート剤が特に好ましい。
前記洗濯槽洗浄剤における、前記キレート剤の含有量は、特に制限はなく、適宜選択することができるが、前記ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートと前記過酸素化合物の合計含有量に応じて適宜設定することが好ましい。具体的には、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートと過酸素化合物の合計含有量:キレート剤の含有量が、質量比で、10:1〜15:1であることが好ましく、11:1〜14:1であることがより好ましい。
前記キレート剤の含有量が、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートと過酸素化合物の合計含有量に対して、1/15未満であると、洗浄効果が低くなることがあり、1/10を超えても、洗浄効果に変化はなく、コスト的に不利となることがある。一方、前記キレート剤の含有量が前記より好ましい範囲内であると、洗浄効果が十分であり、コストの点でも有利である。
またここで、前記漂白剤組成物、洗浄剤組成物が前記義歯洗浄剤である場合、前記義歯洗浄剤は、前記キレート剤を含むことが好ましく、中でも、前記義歯洗浄における洗浄効果の観点から、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、酸性ポリリン酸ナトリウム等の無機系縮合リン酸塩を含むことが特に好ましい。
前記義歯洗浄剤における、前記キレート剤の含有量は、特に制限はなく、適宜選択することができるが、義歯洗浄剤中、1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。前記キレート剤の含有量が、1質量%未満であると、洗浄効果が低くなることがあり、また、逆に30質量%を超えても、洗浄効果に変化はなく、コスト的に不利となることがある。一方、前記キレート剤の含有量が前記より好ましい範囲内であると、洗浄効果が十分であり、コストの点でも有利である。
また、前記漂白剤組成物、洗浄剤組成物が、前記した自動食器洗浄機用洗浄剤、洗濯槽洗浄剤、義歯洗浄剤以外の漂白剤組成物又は洗浄剤組成物である場合、前記漂白剤組成物又は洗浄剤組成物における前記キレート剤の含有量は、特に制限はなく、適宜選択することができるが、漂白剤組成物又は洗浄剤組成物中、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
前記キレート剤の含有量が、0.1質量%未満であると、漂白、洗浄効果が低くなることがあり、また、逆に30質量%を超えても、漂白、洗浄効果に変化はなく、コスト的に不利となることがある。一方、前記キレート剤の含有量が前記より好ましい範囲内であると、漂白、洗浄効果が十分であり、コストの点でも有利である。
前記無水ケイ酸としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸塩などが挙げられる。本発明において、前記無水ケイ酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記結晶性シリケートとしては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、結晶性層状シリケートなどが挙げられる。本発明において、前記結晶性シリケートは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酵素としては、特に制限はなく、適宜選択することができるが、例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーセ、セルラーゼ、プルラナーゼなどの酵素が挙げられる。これらの酵素の中でも、食器の汚れの成分が澱粉や蛋白質であることを考慮すると、アミラーゼ及びプロテアーゼが好ましい。
具体的には、例えば、ターマミル、マキサカール、サビナーゼなどが挙げられ、洗剤組成物の安定性の面からするとノボ社製のデュラミル(登録商標)及びノボ社製のデユラザイム(登録商標)が好ましい。
本発明において、前記酵素は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記香料としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、ライム油、ユーカリ油、ローズマリー油、リモネン、β‐ピネン、リナロール、シトロネロール、ゲランオール、リナリルアセテート、ゲラニルアセテート、ジヒドロミルセノール、ヘディオン、アミルシンナミックアルデヒド、フルーテート、イソイースーパー、ベルドックス、ベルテネックス、ベンジルベンゾエート、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。本発明において、前記香料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の漂白剤組成物、洗浄剤組成物の形状としては特に限定されず、適宜選択することができ、例えば、粉末状、ゲル状、液状、シート状、タブレット状、フォーム状などが挙げられる。
本発明の漂白剤組成物、洗浄剤組成物は、前記ベンゾイルオキシベンゼンスルホネートから、フェノールスルホン基の優れた脱離性によって、素早く過安息香酸が生成されるため、低温でも高い洗浄力を発現することができ、また生成した過安息香酸の漂白力が高いために、汚れに対して特に優れた洗浄力を発現する。よって、本発明の漂白剤組成物、洗浄剤組成物は、低温や低濃度でも漂白性及び洗浄性に優れる点で非常に有用である。
本発明の漂白剤組成物、洗浄剤組成物の用途としては、特に限定されず、適宜選択することができるが、本発明の漂白剤組成物、洗浄剤組成物は、従来の漂白剤組成物、洗浄剤組成物では困難であった低温洗浄において、強固な汚れを効果的に洗浄できることから、食洗機・洗濯槽洗浄剤、義歯洗浄剤、業務用漂白剤、パルプ漂白剤などに特に有用である。
1Lのフラスコに65質量%フェノールスルホン酸溶液107g(0.4モル)を入れ、水100mLで希釈する。テフロン(登録商標)攪拌棒で攪拌しながら、50質量%NaOH水溶液72g(0.9モル)を15分かけて滴下する。この時、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。フェノールスルホン酸が完全に溶解したことを確認後、続いて、ベンゾイルクロリド56g(0.4モル)を30分かけて滴下し、水100mLを追加する。ここでも、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。1時間攪拌後、2×105Paの加圧濾過を行い、水100mLで洗浄する。得られた白色固体を70℃で乾燥すると、収率90%でベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム:BOBS)108gが得られた。
1Lのフラスコに65質量%フェノールスルホン酸溶液107g(0.4モル)を入れ、水100mLで希釈する。テフロン(登録商標)攪拌棒で攪拌しながら、50質量%NaOH水溶液40g(0.5モル)を15分かけて滴下する。この時、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。フェノールスルホン酸が完全に溶解したことを確認後、続いて、ベンゾイルクロリド56g(0.4モル)と50質量%NaOH水溶液32g(0.4モル)を30分かけて滴下し、水100mLを追加する。ここでも、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。3時間攪拌後、2×105Paの加圧濾過を行い、水100mLで洗浄する。得られた白色固体を70℃で乾燥すると、収率93%でベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム:BOBS)112gが得られた。
1Lのフラスコに65質量%フェノールスルホン酸溶液107g(0.4モル)を入れ、水100mLで希釈する。テフロン(登録商標)攪拌棒で攪拌しながら、50質量%NaOH水溶液102.4g(1.28モル)を25分かけて滴下する。この時、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。フェノールスルホン酸が完全に溶解したことを確認後、続いて、ベンゾイルクロリド56g(0.4モル)を30分かけて滴下し、水100mLを追加する。ここでも、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。1時間攪拌後、2×105Paの加圧濾過を行い、水100mLで洗浄する。得られた白色固体を70℃で乾燥すると、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム:BOBS)が得られたが、その収量は72gであり、収率は60%であった。
1Lのフラスコに65質量%フェノールスルホン酸溶液107g(0.4モル)を入れ、水100mLで希釈する。テフロン(登録商標)攪拌棒で攪拌しながら、50質量%NaOH水溶液48g(0.6モル)を25分かけて滴下する。この時、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。フェノールスルホン酸が完全に溶解したことを確認後、続いて、ベンゾイルクロリド56g(0.4モル)を30分かけて滴下し、水100mLを追加する。ここでも、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。1時間攪拌後、2×105Paの加圧濾過を行い、水100mLで洗浄する。得られた白色固体を70℃で乾燥すると、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム:BOBS)が得られたが、その収量は48gであり、収率は40%であった。
1Lのフラスコに65質量%フェノールスルホン酸溶液107g(0.4モル)を入れ、水100mLで希釈する。テフロン(登録商標)攪拌棒で攪拌しながら、50質量%KOH水溶液40g(0.36モル)を15分かけて滴下する。この時、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。フェノールスルホン酸が完全に溶解したことを確認後、続いて、ベンゾイルクロリド42g(0.3モル)と50質量%KOH水溶液32g(0.29モル)を30分かけて滴下し、水100mLを追加する。ここでも、反応液が30℃を超えないように、水浴で冷却する。3時間攪拌後、2×105Paの加圧濾過を行い、水100mLで洗浄する。得られた白色固体を70℃で乾燥すると、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸カリウム)が得られたが、その収量は60gであり、収率は50%であった。
以下の表1に示す組成により、常法に基づき、参考例3〜5及び比較例4〜5の自動食器洗浄機用洗浄剤をそれぞれ調製した。ここで、表1中のBOBSとしては、実施例2で得られたものを使用した。
得られた各自動食器洗浄機用洗浄剤の効果を確認するために、油汚れ、茶渋汚垢に対する洗浄力を、以下の洗浄試験に基づいて評価した。結果を表1に示す。
以下の各評価に必要な食器をセットした松下電器(株)製全自動食器洗浄機(機種NP−810)において、参考例3〜5及び比較例4〜5で得られた各自動食器洗浄機用洗浄剤5gを使用して、40℃の水を用いて標準コース洗浄を行った。
(1)油汚れに対する洗浄力評価
直径25cmの陶器皿5枚、直径15cmのメラミン皿3枚、箱形タッパー容器(中サイズ)1個に、オイルレッドで着色したバター5gを塗布し、2時間放置した後、前記洗浄試験を行い、触感に基づいて、以下に示す油汚れに対する洗浄力の評価基準に従って、洗浄力を評価した。
−油汚れに対する洗浄力の評価基準−
○:バターは全く残留しておらず、ぬるつきも全く感じられない。
△:バターの残留は目視では認められないが、触ると若干のぬるつきを感じる。
×:バターの残留が認められる。
(2)茶渋汚垢に対する洗浄力評価
陶器マグカップ3個に煮出した紅茶を一入れ、一晩置いた後中身を捨て、さらに1週間放置した後、前記洗浄試験を行い、目視により、以下に示す茶渋汚垢に対する洗浄力の評価基準に従って、洗浄力を評価した。
−茶渋汚垢に対する洗浄力の評価基準−
○:茶渋は全く残留していない。
△:茶渋が一部残留している。
×:茶渋が大部分残留している。
以下の表2〜6に示す組成により、常法に基づき、参考例6〜33及び比較例6〜11の洗濯槽洗浄剤をそれぞれ調製した。ここで、表2〜6中のBOBSとしては、実施例2で得られたものを使用した。
得られた各洗濯槽洗浄剤の効果を確認するために、以下に示す方法により洗浄力試験と泡立ち試験とを実施した。結果を表2〜6に示す。
(1)テストピース
飽和段階まで汚れの付着が進行し、黒カビなどが付着した全自動洗濯機のステンレス製の洗濯機槽を、7cm×5cmに切断したステンレス板をテストピースとした。
(2)洗浄力評価
20℃の水道水1リットルに、参考例6〜33及び比較例6〜11で得られた各洗濯槽洗浄剤3gを溶解し、1リットルの洗濯槽洗浄液を調製した。
得られた各洗濯槽洗浄液をビーカーに入れ、テストピースを鉛直方向に立てて配置し、1時間浸漬した(温度は20℃)。その後テストピースを取り出し、ビーカーにためた20℃の水道水1リットル中で浸漬後のテストピースを20回上下に動かしすすぎを行った。
その後、汚れの落ち具合が何%であるか、処理前のテストピース写真と比較して、5人のパネラーが目視によりそれぞれ評価をし、それらの平均値を求めた。得られた平均値に基づいて、各洗濯槽洗浄剤の洗浄力を、以下に示す洗浄力の評価基準により評価した。
−洗浄力の評価基準−
◎:汚れの落ち具合の評価の平均値が76〜100%
○:汚れの落ち具合の評価の平均値が51〜75%
△:汚れの落ち具合の評価の平均値が26〜50%
×:汚れの落ち具合の評価の平均値が0〜25%
20℃の水道水1リットルに、参考例6〜33及び比較例6〜11で得られた各洗濯槽洗浄剤3gを溶解し、1リットルの洗浄液を調製した。ロスマイルス法に従い、5分後の泡高(mm)を測定した。得られた泡高に基づいて、各洗濯機洗浄剤の泡立ち具合を、以下に示す泡立ち具合の評価基準により評価した。ここで、泡高の大きさは、洗濯槽から泡が噴き出さないかどうかの指標となる。
−泡立ち具合いの評価基準−
◎:10mm未満
○:10mm以上25mm未満
△:25mm以上45mm未満
×:45mm以上
以下の表9に示す組成により、常法に基づき、参考例34〜36及び比較例12〜13の義歯洗浄剤をそれぞれ調製した。ここで、表9中のBOBSとしては、実施例1で得られたものを使用した。
得られた各義歯洗浄剤の効果を確認するために、以下に示す方法によりステイン汚垢、ヤニ汚垢洗浄試験と、実義歯洗浄試験とを実施した。
(1)ステイン汚垢の作成
アクリル白板(20mm×20mm)の表面をサンドブラストで粗面研磨した後、この板をアルブミン溶液、タンニン溶液(日本茶、コーヒー、紅茶の抽出液)、塩化第二鉄溶液に順次浸漬することを繰り返し、タンニンステインチップ(ステイン汚垢チップ)を作成した。
(2)ヤニ汚垢の作成
アクリル白板(20mm×20mm)の表面をサンドブラストで粗面研磨した後、この板にタバコを吸引して、ヤニ汚垢を付着させ、ヤニ汚垢チップを作成した。
(3)洗浄力評価
無処理のアクリル白板の色差と、前記のように作成した、洗浄前の各汚垢チップの色差を測定した。
150mLの水道水(25℃)で満たしたビーカー中に各汚垢チップを吊るし、参考例34〜36及び比較例12〜13で得られた各義歯洗浄剤3gを投与し、30分間浸漬することにより洗浄試験を行った。
次に、洗浄後の各汚垢チップを水洗し、乾燥させて色差を測定した。下記式に従って洗浄率を算出し、下記評価基準に基づいて汚垢に対する洗浄力を評価した。結果を表9に示す。
なお、ここで色差は、MINOLTA製の色彩色差計CR−300を用いて測定した。
○:洗浄率が80%以上
△:洗浄率が50%以上80%未満
×:洗浄率が50%未満
使用済みの実義歯を150mLの水道水(25℃)で満たしたビーカー中に入れ、参考例34で得られた義歯洗浄剤3g及び市販洗浄剤(ポリデント:小林製薬株式会社製)1錠を投与し、3時間浸漬することにより洗浄試験を行った。
実義歯に対する洗浄力の評価は、以下の評価基準に基づき、目視により行った。結果を表10に示す。
−実義歯に対する洗浄力の評価基準−
○:実義歯にいて着色歯石、歯垢、ステインがそれぞれ落ちている
△:実義歯において着色歯石、歯垢、ステインがそれぞれ一部落ちている
×:実義歯において着色歯石、歯垢、ステインがそれぞれ落ちていない
以下の表11〜12に示す組成により、常法に従い、参考例37〜38及び比較例14〜15の血液、消毒薬汚れ用漂白洗浄剤をそれぞれ調製した。ここで、表11〜12中のBOBSとしては、実施例1で得られたものを使用した。
得られた各血液、消毒薬汚れ用漂白洗浄剤の効果を確認するために、以下に示す方法により洗浄力試験を実施した。
EMPA社より購入したNo.111汚染布を25mm×25mmに裁断し、80℃で30分熱変性させたものを試験片とした。得られた試験片を、参考例37及び比較例14の血液、消毒薬汚れ用漂白洗浄剤に、表11に示す条件で浸漬後、すすぎ、乾燥させた。以下の式に従い洗浄率を求め、洗浄力を評価した。評価結果を表11に示す。
洗浄率(%)=(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)÷(白布の反射率−洗浄前の反射率)×100
(ここで、反射率は、Lab値に基づいて測定した。)
<参考例39〜41>
粉砕した絶乾パルプ(白色度50.4)30gに水を加え、パルプ濃度20質量%のパルプスラリーを調製した。該パルプスラリーに所定の水酸化ナトリウム(対パルプで2質量%)、珪酸ナトリウム(対パルプで4質量%)、及び、表13に示す量(いずれも対パルプ、質量%)の過酸化水素と、漂白活性化剤(BOBS)とからなる参考例39〜41のパルプ漂白剤を表13に示した量だけ添加した後、パルプ濃度を15質量%になるまで水で希釈した。ここで、表13中のBOBSとしては、実施例1で得られたものを使用した。得られたスラリーを攪拌し、60℃で、それぞれ表13に示した時間漂白した。漂白後、パルプ濃度を1質量%まで希釈し、TAPIシートマシンを用いて測定用のパルプシートを作成した。
漂白活性剤(BOBS)を添加しなかったこと、過酸化水素の添加量を表14に示した量としたこと、及び、漂白時間を表14に示した時間としたこと以外は参考例39〜41と同様に、比較例16〜18のパルプ漂白剤を調製して、白色度を測定した。結果を表14に示す。
<参考例42及び43>
原料の印刷古紙(オフセット印刷新聞/チラシ=7/3)を3×3cmに切断し、パルプ離解機(熊谷理機工業社製)に入れ、温水を加えて、温度40℃、パルプ濃度15質量%に調整した。ここに、水酸化ナトリウム(対パルプで0.25質量%)と、珪酸ソーダ(対パルプで0.25質量%)とを用いて、pHを10.3に調整し、表15に示す量の過酸化水素と、漂白活性化剤(BOBS)(いずれも対パルプの質量%)とからなるパルプ漂白剤を表15に示す量で添加した。ここで、表15中のBOBSとしては、実施例1で得られたものを使用した。また、脱墨剤(ライオン社製、リプトールSA350)(対パルプで0.2質量%)を添加した。次いで、10分間の漂白及び離解処理を行い、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーを温水にてパルプ濃度1質量%に調整した後、デンバー型フローテーター(極東振興社製)にて、5分間フローテーション処理(FT)を行った。尚、フローテーション時のpHは9.2であった。
漂白活性化剤(BOBS)を添加しなかったこと、及び過酸化水素の添加量を表15に示した量とした以外は参考例42及び43と同様にして比較例19〜21のパルプ漂白剤を調製し、白色度の評価を行った。結果を表15に示した。
原料の印刷古紙(オフセット印刷新聞/チラシ=7/3)を3×3cmに切断し、パルプ離解機(熊谷理機工業社製)に入れ、温水を加えて温度40℃、パルプ濃度15質量%に調整した。ここに、水酸化ナトリウム(対パルプで0.15質量)と、珪酸ソーダ(対パルプで0.1質量%)とを用いて、pHを10.5に調整し、脱墨剤(ライオン社製、リプトールSA350)(対パルプで0.2質量%)を添加した。次いで、パルプ離解機にて10分間の離解処理を行い、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーについて、80メッシュ濾布を用いて遠心脱水を行い、パルプ濃度を20質量%に濃縮した。該濃縮したパルプスラリーに、表16に示した量の過酸化水素と、漂白活性化剤(BOBS)(いずれも対パルプの質量%)とからなるパルプ漂白剤を添加し、更に、水酸化ナトリウム(対パルプで0.25質量)と、珪酸ソーダ(対パルプで0.25質量%)を添加し攪拌機で均一に混合攪拌した。ここで、表16中のBOBSとしては、実施例1で得られたものを使用した。薬剤が均一に混合されたパルプスラリーは、ビニールシートで密閉され、60℃で表16に示した時間、熟成して漂白した。熟成後、温水を加えてパルプ濃度を5質量%に調整し、パルプ離解機で3分間離解処理を行った。次いで、温水にてパルプ濃度1質量%に調整した後、デンバー型フローテーター(極東振興社製)にて、5分間フローテーション処理(FT)を行った。尚、フローテーション時のpHは9.0であった。
漂白活性化剤(BOBS)を添加しなかったこと、過酸化水素の添加量を表16に示した量としたこと、及び、漂白時間を表16に示した時間とした以外は参考例44及び45と同様に、比較例22〜24のパルプ漂白剤を調製し、白色度の評価を行った。結果を表16に示した。
Claims (8)
- 有機溶媒を使用せず、5質量%〜40質量%のフェノールスルホン酸の水溶液と、塩化ベンゾイルとをアルカリ存在下で混合するベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法であって、前記フェノールスルホン酸と前記アルカリとのモル比(フェノールスルホン酸:アルカリ)が1:2〜1:3であることを特徴とするベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法。
- フェノールスルホン酸と塩化ベンゾイルとのモル比(フェノールスルホン酸:塩化ベンゾイル)が1:1〜1:1.3である請求項1に記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法。
- フェノールスルホン酸と塩化ベンゾイルとを混合する際の温度が15℃〜30℃である請求項1から2のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法。
- アルカリが水酸化ナトリウムである請求項1から3のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法。
- a)有機溶媒を使用せず、5質量%〜40質量%のフェノールスルホン酸の水溶液と、アルカリの水溶液とを混合することによりフェノールスルホン酸を中和する工程、及び
b)前記工程a)で得られた中和液と塩化ベンゾイルとを混合する工程
を含む、請求項1から4のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法。 - 前記工程b)において更にアルカリの水溶液を混合する請求項5に記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法。
- 前記工程a)のアルカリの水溶液における、水酸化ナトリウムの濃度が20質量%〜70質量%である請求項5から6のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法。
- 前記工程b)終了後の中和液と塩化ベンゾイルとの混合液における、フェノールスルホン酸と水との質量比(フェノールスルホン酸:水)が1:3〜1:10である請求項5から7のいずれかに記載のベンゾイルオキシベンゼンスルホネートの製造方法。
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