JP4870471B2 - 遠隔操作を行うボイラ - Google Patents

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Description

本発明は、ボイラ制御装置と遠隔操作装置とを通信回線にて接続することで、遠隔操作装置による遠隔操作を可能としたボイラに関するものである。
ボイラを遠隔操作装置にて遠隔操作することは、特開2005−55082号公報に記載されているように公知である。ところで、法規上の小型貫流ボイラは、財団法人日本小型貫流ボイラー協会で定めた「小型貫流ボイラーの自動運転に関する自主的ガイドライン」において、初起動以外の時間帯では無人での自動運転を可能とするが、ボイラの初起動は有人で行うということを求めている。これは、人によるチェックを行うことで初起動時におけるボイラの安全性を確保することを目的にしている。小型貫流ボイラと同じ構造であるが、小型貫流ボイラよりも伝熱面積が小さく保有するエネルギー量が小さい簡易ボイラでは、より危険性が低いということより、初起動を有人で行うことは求められていない。しかし、小型貫流ボイラでは安全を確保するために初起動を有人で行うとしていることより、簡易ボイラにおいても初起動時の安全を確保する仕組みを持つことが望ましいと考えられる。また、無人でも安全を確保する仕組みができれば、小型貫流ボイラでも遠隔操作による起動が可能になると思われる。
特開2005−55082号公報
本発明が解決しようとする課題は、遠隔操作装置による遠隔操作を可能としたボイラにおいて、ボイラの運転状態を待機モードから通常運転モードへの切り替える際の安全性をより高くすることにある。
請求項1に記載の発明は、自動運転を行うボイラであって、ボイラにはボイラの状態を検出する状態検出装置と、状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づき、ボイラの運転を制御するボイラ制御装置を設けており、ボイラ制御装置と遠隔操作装置とを通信回線にて接続することで、遠隔操作装置による遠隔操作を可能としているボイラにおいて、
ボイラ制御装置には通常の運転を行う通常運転モードと、燃焼を行わない又は通常運転モードよりも蒸気圧力や給湯温度を低く設定する待機モードを設定しておき、
またボイラ制御装置には、前記状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づいて異常有無の判定を行う異常判定装置を設けており、遠隔操作装置によってボイラの運転モードを待機モードから通常運転モードへ切り替える操作を行う場合、前記異常判定装置にてボイラの安全が確認できるまでは、遠隔操作装置による待機モードから通常運転モードへの切替え操作を受け付けないようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、自動運転を行うボイラであって、ボイラにはボイラの状態を検出する状態検出装置と、状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づき、ボイラの運転を制御するボイラ制御装置を設けており、ボイラ制御装置と遠隔操作装置とを通信回線にて接続することで、遠隔操作装置による遠隔操作を可能としているボイラにおいて、
ボイラ制御装置には通常の運転を行う通常運転モードと、燃焼を行わない又は通常運転モードよりも蒸気圧力や給湯温度を低く設定する待機モードを設定しておき、
またボイラ制御装置には、前記状態検出装置で検出したボイラ状態データを遠隔操作装置へ送信する送信装置、遠隔操作装置には、ボイラ制御装置からのボイラ状態データを取り込んで異常有無の判定を行う異常判定装置を設けており、遠隔操作装置によってボイラの運転モードを待機モードから通常運転モードへ切り替える操作を行う場合、遠隔操作装置では前記異常判定装置にてボイラの安全が確認できるまでは、遠隔操作装置による待機モードから通常運転モードへの切替え操作を行えないようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、自動運転を行うボイラであって、ボイラにはボイラの状態を検出する状態検出装置と、状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づき、ボイラの運転を制御するボイラ制御装置を設けており、ボイラ制御装置と遠隔操作装置とを通信回線にて接続することで、遠隔操作装置による遠隔操作を可能としているボイラにおいて、
ボイラ制御装置には通常の運転を行う通常運転モードと、燃焼を行わない又は通常運転モードよりも蒸気圧力や給湯温度を低く設定する待機モードを設定しておき、
またボイラ制御装置には、前記状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づいて異常有無の判定を行う異常判定装置と、前記状態検出装置で検出したボイラ状態データを遠隔操作装置へ送信する送信装置を設け、遠隔操作装置にもボイラ制御装置からのボイラ状態データを取り込んでボイラの異常有無の判定を行う異常判定装置を設けており、遠隔操作装置によってボイラの運転モードを待機モードから通常運転モードへ切り替える操作を行う場合、ボイラ制御装置ではボイラ制御装置の異常判定装置にてボイラの安全が確認できるまでは、遠隔操作装置による待機モードから通常運転モードへの切替え操作を受け付けないようにするとともに、遠隔操作装置でも遠隔操作装置の異常判定装置にてボイラの安全が確認できるまでは、遠隔操作装置による待機モードから通常運転モードへの切替え操作を行えないようにしたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記の遠隔操作を行うボイラにおいて、遠隔操作装置には携帯電話やインターネットに接続されたパソコンを使用し、電話回線やインターネット回線を通じてボイラの遠隔操作を行うことを特徴とする。
ボイラの運転状態を待機モードから通常運転モードへの切替えを行う場合、ボイラ制御装置による通常運転モードへの切替え操作の受け付けや、遠隔操作装置による通常運転モードへの切替え操作は、ボイラの安全性を確認した後でなければ行えなくなる。安全性が確認されないまま通常燃焼モードが開始されることを防止できるため、通常燃焼モードへの切替え時における安全性を高めることができる。
本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明を実施するボイラの概要図、図2から図4は通常運転モード開始時におけるボイラ制御装置と遠隔操作装置のフローチャートである。ボイラ1は上部に燃焼装置5を持っている蒸気ボイラである。ボイラ1の運転制御は、ボイラの各機器と接続しているボイラ制御装置4によって行う。ボイラ1は下部に接続した給水配管を通じて給水するものであり、ボイラ制御装置4によって給水配管の途中に設けている給水ポンプ8を作動を制御する。給水ポンプ8の作動制御は、水位検出装置7によって検出しているボイラ内水位に基づいて行う。ボイラ制御装置4はボイラ内水位が制御範囲の下限未満まで低下すると給水ポンプ8の作動を開始し、制御範囲の上限以上まで上昇すると給水ポンプ8の作動を停止することで、ボイラ内水位を制御範囲内に保つ。
ボイラ1の上部には燃焼装置5を設けており、燃焼装置5はボイラの中央部に設けている燃焼室へ向けて燃焼を行うことで熱を発生する。ボイラ1では、ボイラ内へ供給した水を加熱することで蒸気を発生し、ボイラ1の上部から蒸気を取り出している。ボイラで発生している蒸気の圧力は圧力検出装置6によって検出しており、ボイラ制御装置4は圧力検出装置6で検出している検出圧力値に基づいて燃焼装置5の燃焼を制御する。ボイラ制御装置4には、所定の幅を持った蒸気圧力値を設定しておき、検出圧力値が設定圧力値内を保つように燃焼装置5の燃焼を制御する。
また、ボイラ1には、その他にボイラ内の火炎を検出する火炎検出装置10や、ボイラ内水位が異常に低下した場合に低水位異常を検出する低水位検出装置11などを設けておき、圧力検出装置6、水位検出装置7、火炎検出装置10、低水位検出装置11などからなる状態検出装置で検出したボイラ状態データをボイラ制御装置4に集めるようにしている。
ボイラ制御装置4は、通信回線3で接続している遠隔操作装置2との間で通信を行うための中継装置9と接続している。遠隔操作装置2は、ボイラ制御装置4とケーブル接続しているものであってもよいが、近年では電話回線やインターネットによる通信が発達しているため、これら公衆回線を使用することで遠隔操作装置設置場所の自由度を増すことができる。また、携帯電話やモバイルパソコンと無線通信を組み合わせ、無線によって通信を行うということも実用されている。そのため、この技術を応用すれば遠隔操作装置2は自由に持ち運ぶことができ、ボイラ操作はいつでもどこでも行うことができるようになる。ボイラ制御装置4では、圧力検出装置6や水位検出装置7などからのボイラ状態データに基づき、燃焼装置5や給水ポンプ8などの作動を制御するとともに、中継装置9を通じて遠隔操作装置2へボイラ状態データを送信する機能を持たせておく。
またボイラ制御装置4には、ボイラの運転モードとして、通常の運転を行う通常運転モードと、燃焼を行わない又は通常運転モードよりも蒸気圧力を低く設定する待機モードを設定しておく。通常運転モードは、蒸気供給が必要な場合に行うものであり、例えば圧力検出装置6で検出している蒸気圧力値が0.7Mpa未満となれば燃焼装置5の燃焼を開始し、蒸気圧力値が0.8Mpa以上となれば燃焼装置5の燃焼を停止するといった通常の運転を行うモードである。待機モードは、夜間などの蒸気供給の必要がない場合や、必要とされる蒸気量・蒸気圧力が通常時に比べて低い場合のためのものであり、燃焼させないことでエネルギーの無駄を省く。蒸気圧力値の設定を低くすればボイラからの放熱量が少なくなり、設定圧力値を0Mpaとすればボイラ内の蒸気がなくなっても燃焼は開始されなくなる。
通常運転モードと待機モードの切替えは、ボイラ1に直接接続しているボイラ制御装置4で行えるようにしておくとともに、通信回線3及び中継装置9を介してボイラ制御装置4と接続している遠隔操作装置2でも行うことができるようにしておく。
図2から図4に基づいて、通常運転モード開始時におけるボイラ制御装置4及び遠隔操作装置2のフローを説明する。図2から図4は、それぞれ遠隔操作装置2を操作することによって、ボイラ1の運転モードを待機モードから通常運転モードへの切り替える場合のものである。遠隔操作装置2とボイラ制御装置4には、それぞれ通常運転モードを開始する場合用のプログラムを組み込んでおり、プログラムに基づいて作動する。図2はボイラ制御装置4の側に異常判定装置を設けておき、ボイラ制御装置4によってボイラの状態チェックを行う第一の実施例に関するものである。まず図2に基づいて説明を行う。
遠隔操作装置2にて、ボイラ1の運転モードを待機モードから通常運転モードへ切り替える場合、最初に遠隔操作装置2の操作を行い、遠隔操作装置2とボイラ制御装置4を通信によって接続する。遠隔操作装置2とボイラ制御装置4がつながると、ボイラ制御装置4では、圧力検出装置6、水位検出装置7、火炎検出装置10、低水位検出装置11などの状態検出装置からボイラ状態データの収集を行う。次にボイラ制御装置4は、ボイラ状態チェック(異常判定)のステップを実行する。
ボイラ状態チェックのステップでは、低水位検出装置11からの情報に基づく低水位異常の判定、火炎検出装置10からの情報に基づく炉内火炎異常・疑似火炎異常の判定、圧力検出装置6からの情報に基づく圧力異常の判定など、ボイラ各所に設けている状態検出装置からのデータによって、ボイラに異常が発生していないかをチェックする。例えば、ボイラ内水位が低水位検出装置11による検出水位よりも低かった場合、低水位検出装置11ではボイラ制御装置4に対して水無しの信号を出力する。ボイラ内水位が低水位検出装置11の水位検出位置よりも低い状態の時に、燃焼装置5による燃焼を開始すると、ボイラ内の水管部分では水による熱吸収が行われないため、水管が過熱されることになる。水管が過熱されると水管の強度が低下することになり、場合によっては水管が破損するということもありえる。
ボイラ制御装置4に設けている異常判定装置において、低水位異常などボイラの安全に影響する異常が発生しているか否の判定を行っておき、ボイラが正常であることが確認できた場合にのみ、通常運転モード入力待ちのステップへ進む。通常運転モード入力待ちの状態で遠隔操作装置2から通常運転モード開始指令の入力があれば、ボイラ制御装置4では通常運転モードの信号開始指令を受け入れて、ボイラ1の運転モードを通常運転モードとする。
もしもボイラ状態のチェックを行った際に何らかの異常が発生しており、ボイラを異常と判定した場合には、通常運転モード入力待ちのステップには行かず、ボイラ状態検出のステップに戻る。通常運転モード入力待ちの状態にない場合には、遠隔操作装置2からボイラ制御装置4に対して通常運転モードへの切替え指令を発信していたとしても、ボイラ制御装置4では切替え指令を受け付けないため、通常運転モードは開始されない。ボイラ制御装置4では、ボイラの安全を確認した以降でないと通常運転モードへの切替えを行わないため、通常運転モードへの切替え時における安全性は高いものとなる。
なお、ボイラを異常と判定することで通常運転モードへの切替えを受け付けないとした場合であっても、その後に異常が解消してボイラ正常との判定が行われた場合には、通常運転モードへの切替え指令を受け付ける。例えば低水位異常が発生していた場合、水位が低い間は燃焼することができないが、給水を行うことで水位が回復すると異常ではなくなる。そのため、ボイラの状態検出と状態チェックは繰り返し行うようにしておき、異常が解消されれば通常運転モードを開始することができるようにしている。
また、一度はボイラを正常と判定した場合であっても、その後に異常が発生するかもしれないため、通常運転モード入力待ちのステップに達しても通常運転モードの入力がなかった場合には、最初のステップに戻ってボイラ状態データの更新を行い、更新後の状態データに基づいてボイラ状態のチェックを行うことを繰り返す。
待機モードから通常運転モードへの切替えを行うと、ボイラ制御装置4は圧力検出装置6によって検出しているボイラの蒸気圧力値が圧力調節範囲内になるようにボイラの燃焼を制御する。待機モードは蒸気圧力値が圧力調節範囲より低下しても燃焼を行わないモードであったため、待機モード時にはボイラの蒸気圧力値は低下しており、通常運転モードへ切り替えるとすぐに燃焼が開始される。
図3は遠隔操作装置2の側に異常判定装置を設けておき、遠隔操作装置2によってボイラの状態チェックを行う第二の実施例に関するものである。図3に基づいて説明を行う。遠隔操作装置2にて、ボイラ1の運転モードを待機モードから通常運転モードへ切り替える場合、最初に遠隔操作装置2の操作を行い、遠隔操作装置2とボイラ制御装置4を通信によって接続する。遠隔操作装置2とボイラ制御装置4がつながると、ボイラ制御装置4では、圧力検出装置6、水位検出装置7、火炎検出装置10、低水位検出装置11などの状態検出装置からボイラ状態データの収集を行う。
第二の実施例では、遠隔操作装置2によってボイラ状態チェックを行うため、ボイラ制御装置4によって収集したボイラ状態データは、ボイラ制御装置4から中継装置9と通信回線3を経由して遠隔操作装置2へ送信する。第二実施例の場合、遠隔操作装置2ではボイラの安全に影響する異常が発生していないとの判定を行うまでは、ボイラ制御装置4に対して通常運転モードへ切り替える操作を行えなくしており、この時点では安全の確認が行えていないために通常運転モードへの切替え操作は行えない。
遠隔操作装置2では、ボイラ状態データを受信し、受信したボイラ状態データに基づいてボイラ状態チェック(異常判定)を実行する。ボイラ状態チェックのステップは、第一の実施例で説明を行ったボイラ制御装置4によるボイラ状態チェックと同様のものであり、低水位検出装置11からの情報に基づく低水位異常の判定、火炎検出装置10からの情報に基づく炉内火炎異常・疑似火炎異常の判定、圧力検出装置6からの情報に基づく圧力異常の判定など、ボイラ各所に設けている状態検出装置からのデータによって、ボイラに異常が発生していないかをチェックする。
遠隔操作装置2に設けている異常判定装置において、ボイラ状態チェックの結果、ボイラが正常であるとの判定が行われると、遠隔操作装置2では通常運転モードへの切替え操作が可能となる。この状態で遠隔操作装置2を操作し、通常運転モードへの切替え指令の入力を行えば、遠隔操作装置2からボイラ制御装置4へ通常運転モード開始の指令が送信される。ボイラ制御装置4では、通常運転モードの指令を受信すると通常運転モードを開始する。
待機モードから通常運転モードへの切替えを行うと、ボイラ制御装置4は圧力検出装置6によって検出しているボイラの蒸気圧力値が圧力調節範囲内になるようにボイラの燃焼を制御する。待機モードは蒸気圧力値が圧力調節範囲より低下しても燃焼を行わないモードであったため、待機モード時にはボイラの蒸気圧力値は低下しており、通常運転モードへ切り替えるとすぐに燃焼が開始される。
もしもボイラ状態のチェックを行った際に何らかの異常が発生しており、ボイラを異常と判定した場合には、通常運転モード開始操作可能のステップには行かず、ボイラ状態データをボイラ制御装置4から受信するステップに戻る。そのため、通常運転モード開始操作可能の状態にない場合には、遠隔操作装置2では通常運転モードへの切替え指令を送信する操作が行えない。安全が確認できていない状態で通常運転モードを開始することがなくなりことより、通常運転モードへの切替え時におけるボイラの安全性を高めることができる。
この場合、ボイラ制御装置4では、遠隔操作装置2から通常運転モード開始の指令を受信できなければ、ボイラ状態検出のステップとボイラ状態データを遠隔操作装置へ送信するステップを繰り返し行うようにしているため、遠隔操作装置2では更新されたボイラ状態データに基づいてボイラ状態チェックを行う。なお、更新されたボイラ状態データによるチェックにてボイラ正常との判定が行われた場合には、通常運転モード開始操作可能のステップへ進み、通常運転モードへの切替えを行うことができるが、ボイラ状態データの更新を繰り返しても正常の判定が行えないという場合には、何らかの異常が発生しているということであるため、修理などの対応が必要である。
図4はボイラ制御装置4と遠隔操作装置2の両方に異常判定装置を設けておき、ボイラ制御装置4と遠隔操作装置2の両方でボイラの状態チェックを行う第三の実施例に関するものである。図4に基づいて説明を行う。遠隔操作装置2にて、ボイラ1の運転モードを待機モードから通常運転モードへ切り替える場合、最初に遠隔操作装置2の操作を行い、遠隔操作装置2とボイラ制御装置4を通信によって接続する。遠隔操作装置2とボイラ制御装置4がつながると、ボイラ制御装置4では、圧力検出装置6、水位検出装置7、火炎検出装置10、低水位検出装置11などの状態検出装置からボイラ状態データの収集を行う。
第三の実施例では、ボイラ制御装置4と遠隔操作装置2の両方でボイラ状態チェックを行うため、ボイラ制御装置4によって収集したボイラ状態データは、ボイラ制御装置4で記憶しておくとともに、ボイラ制御装置4から中継装置9と通信回線3を経由して遠隔操作装置2へ送信する。第三実施例の場合、遠隔操作装置2ではボイラの安全に影響する異常が発生していないとの判定を行うまでは、ボイラ制御装置4に対して通常運転モードへ切り替える操作を行えなくしており、この時点では安全の確認が行えていないために通常運転モードへの切替え操作は行えない。
ボイラ制御装置4では、記憶しておいたボイラ状態データに基づいてボイラ状態チェック(異常判定)を実行し、遠隔操作装置2では、ボイラ制御装置4から受信したボイラ状態データに基づいてボイラ状態チェック(異常判定)を実行する。ボイラ状態チェックのステップは、第一実施例及び第二実施例で説明を行ったボイラ制御装置4によるボイラ状態チェックと同様のものであり、低水位検出装置11からの情報に基づく低水位異常の判定、火炎検出装置10からの情報に基づく炉内火炎異常・疑似火炎異常の判定、圧力検出装置6からの情報に基づく圧力異常の判定など、ボイラ各所に設けている状態検出装置からのデータによって、ボイラに異常が発生していないかをチェックする。
ボイラ制御装置では、ボイラ制御装置4に設けている異常判定装置において、ボイラ状態チェックの結果、ボイラが正常であるとの判定が行われると、運転情報モード入力待ちのステップとなって通常運転モードの入力を待つ。遠隔操作装置2でも、遠隔操作装置2に設けている異常判定装置において、ボイラ状態チェックの結果、ボイラが正常であるとの判定が行われると、通常運転モードへの切替え操作が可能となる。この状態で遠隔操作装置2を操作し、通常運転モードへの切替え指令の入力を行えば、遠隔操作装置2からボイラ制御装置4へ通常運転モード開始の指令が送信される。ボイラ制御装置4では、通常運転モードの指令を受信すると通常運転モードを開始する。
待機モードから通常運転モードへの切替えを行うと、ボイラ制御装置4は圧力検出装置6によって検出しているボイラの蒸気圧力値が圧力調節範囲内になるようにボイラの燃焼を制御する。待機モードは蒸気圧力値が圧力調節範囲より低下しても燃焼を行わないモードであったため、待機モード時にはボイラの蒸気圧力値は低下しており、通常運転モードへ切り替えるとすぐに燃焼が開始される。
もしもボイラ状態のチェックを行った際に何らかの異常が発生しており、ボイラを異常と判定した場合には、通常運転モード入力待ちのステップと、通常運転モード開始操作可能のステップには行かず、それぞれボイラ状態データを検出するステップとボイラ状態データをボイラ制御装置4から受信するステップに戻る。そのため、遠隔操作装置2では通常運転モードへの切替え指令を送信する操作が行えず、ボイラ制御装置4では通常運転モードへの切替え指令を受け付けないことになる。安全が確認できていない状態で通常運転モードを開始することがなくなりことより、通常運転モードへの切替え時におけるボイラの安全性を高めることができる。
この場合、ボイラ制御装置4では、遠隔操作装置2から通常運転モード開始の指令を受信できなければ、ボイラ状態検出のステップとボイラ状態データを遠隔操作装置へ送信するステップを繰り返し行うようにしているため、遠隔操作装置2では更新されたボイラ状態データに基づいてボイラ状態チェックを行う。ボイラ制御装置4と遠隔操作装置2の両方でボイラ状態を判定しており、どちらか一方でもボイラ正常との判定が行われなかった場合には、通常運転モードへの切替えを行わないので、より安全側の制御とすることができる。
なお、更新されたボイラ状態データによるチェックにてボイラ正常との判定が行われた場合には、通常運転モード入力待ちのステップと通常運転モード開始操作可能のステップへ進み、通常運転モードへの切替えを行うことができるが、ボイラ状態データの更新を繰り返しても正常の判定が行えないという場合には、何らかの異常が発生しているということであるため、修理などの対応が必要である。
本発明を実施するボイラの概要図 第一実施例でのボイラ制御装置と遠隔操作装置のフローチャート 第二実施例でのボイラ制御装置と遠隔操作装置のフローチャート 第三実施例でのボイラ制御装置と遠隔操作装置のフローチャート
符号の説明
1 ボイラ
2 遠隔操作装置
3 通信回線
4 ボイラ制御装置
5 燃焼装置
6 圧力検出装置
7 水位検出装置
8 給水ポンプ
9 中継装置
10 火炎検出装置
11 低水位検出装置

Claims (4)

  1. 自動運転を行うボイラであって、ボイラにはボイラの状態を検出する状態検出装置と、状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づき、ボイラの運転を制御するボイラ制御装置を設けており、ボイラ制御装置と遠隔操作装置とを通信回線にて接続することで、遠隔操作装置による遠隔操作を可能としているボイラにおいて、
    ボイラ制御装置には通常の運転を行う通常運転モードと通常運転モードよりも蒸気圧力や給湯温度を低く設定することで通常運転モードの調節範囲より低下しても燃焼を行わないモードである待機モードを設定しておき、
    またボイラ制御装置には、前記状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づいて異常有無の判定を行う異常判定装置を設けており、遠隔操作装置によってボイラの運転モードを待機モードから通常運転モードへ切り替える操作を行う場合、前記異常判定装置にてボイラの安全が確認できるまでは、遠隔操作装置による待機モードから通常運転モードへの切替え操作を受け付けないようにしたことを特徴とする遠隔操作を行うボイラ。
  2. 自動運転を行うボイラであって、ボイラにはボイラの状態を検出する状態検出装置と、状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づき、ボイラの運転を制御するボイラ制御装置を設けており、ボイラ制御装置と遠隔操作装置とを通信回線にて接続することで、遠隔操作装置による遠隔操作を可能としているボイラにおいて、
    ボイラ制御装置には通常の運転を行う通常運転モードと通常運転モードよりも蒸気圧力や給湯温度を低く設定することで通常運転モードの調節範囲より低下しても燃焼を行わないモードである待機モードを設定しておき、
    またボイラ制御装置には、前記状態検出装置で検出したボイラ状態データを遠隔操作装置へ送信する送信装置、遠隔操作装置には、ボイラ制御装置からのボイラ状態データを取り込んで異常有無の判定を行う異常判定装置を設けており、遠隔操作装置によってボイラの運転モードを待機モードから通常運転モードへ切り替える操作を行う場合、遠隔操作装置では前記異常判定装置にてボイラの安全が確認できるまでは、遠隔操作装置による待機モードから通常運転モードへの切替え操作を行えないようにしたことを特徴とする遠隔操作を行うボイラ。
  3. 自動運転を行うボイラであって、ボイラにはボイラの状態を検出する状態検出装置と、状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づき、ボイラの運転を制御するボイラ制御装置を設けており、ボイラ制御装置と遠隔操作装置とを通信回線にて接続することで、遠隔操作装置による遠隔操作を可能としているボイラにおいて、
    ボイラ制御装置には通常の運転を行う通常運転モードと通常運転モードよりも蒸気圧力や給湯温度を低く設定することで通常運転モードの調節範囲より低下しても燃焼を行わないモードである待機モードを設定しておき、
    またボイラ制御装置には、前記状態検出装置で検出したボイラ状態データに基づいて異常有無の判定を行う異常判定装置と、前記状態検出装置で検出したボイラ状態データを遠隔操作装置へ送信する送信装置を設け、遠隔操作装置にもボイラ制御装置からのボイラ状態データを取り込んでボイラの異常有無の判定を行う異常判定装置を設けており、遠隔操作装置によってボイラの運転モードを待機モードから通常運転モードへ切り替える操作を行う場合、ボイラ制御装置ではボイラ制御装置の異常判定装置にてボイラの安全が確認できるまでは、遠隔操作装置による待機モードから通常運転モードへの切替え操作を受け付けないようにするとともに、遠隔操作装置でも遠隔操作装置の異常判定装置にてボイラの安全が確認できるまでは、遠隔操作装置による待機モードから通常運転モードへの切替え操作を行えないようにしたことを特徴とする遠隔操作を行うボイラ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の遠隔操作を行うボイラにおいて、遠隔操作装置には携帯電話やインターネットに接続されたパソコンを使用し、電話回線やインターネット回線を通じてボイラの遠隔操作を行うことを特徴とする遠隔操作を行うボイラ。

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