JP2010106861A - 液化ガス供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器内の気相の液化ガスの供給量の一時的な増加に伴う容器内の圧力低下を抑制し、ガス供給の安定性を向上させること。
【解決手段】液化ガスが収容される容器3内の気相部に連通するガス管路7、容器内又はガス管路に流入した気相の液化ガスの圧力を検知する圧力センサ11、容器内の液化ガスを加熱する加熱器13に設けられた熱交換管路25内を通流する熱媒を加熱する熱源機17、加熱器13に設けられた伝熱媒体27の温度を検知する温度センサ29、熱源機17から加熱器13に熱媒を導く熱媒管路19、容器内の液化ガスの加熱を制御する制御部21を備え、制御部は、圧力センサ11で検知した圧力に応じて熱源機17による熱媒の加熱及び停止を制御し、温度センサ29で検知した温度が設定温度以下になると熱源機17による熱媒の加熱量を増加させるようにする。
【選択図】図1
【解決手段】液化ガスが収容される容器3内の気相部に連通するガス管路7、容器内又はガス管路に流入した気相の液化ガスの圧力を検知する圧力センサ11、容器内の液化ガスを加熱する加熱器13に設けられた熱交換管路25内を通流する熱媒を加熱する熱源機17、加熱器13に設けられた伝熱媒体27の温度を検知する温度センサ29、熱源機17から加熱器13に熱媒を導く熱媒管路19、容器内の液化ガスの加熱を制御する制御部21を備え、制御部は、圧力センサ11で検知した圧力に応じて熱源機17による熱媒の加熱及び停止を制御し、温度センサ29で検知した温度が設定温度以下になると熱源機17による熱媒の加熱量を増加させるようにする。
【選択図】図1
Description
本発明は、液化ガス供給装置に係り、特に、気相の液化ガスを供給する液化ガス供給装置に関する。
液化ガスを供給する設備としては、液化ガスを収容する容器とこの容器内の気相部に連通するガス管路とを備えた自然気化を利用する設備が知られている。屋外又は屋内に設置された容器に収容された液相の液化ガスは、容器周囲の外気からの熱によって気化される。容器内の気相の液化ガスは、気相部に連通するガス管路を介して気相の液化ガスを使用する機器や装置類へ供給される。このような液化ガスを供給する設備では、容器周囲の外気からの熱によって気化量や容器内の圧力が変動するため、所定の圧力以上の圧力を維持して気相の液化ガスを供給することは難しい。
そこで、液化ガスが収容される容器に、この容器内に収容した液化ガスを加熱する液化ガス加熱手段を設け、容器内又はガス管路に流入した気相の液化ガスの圧力に応じて液化ガス加熱手段による容器内の液化ガスの加熱を制御する液化ガス供給装置が提案されている(特許文献1参照)。この液化ガス供給装置では、液化ガス加熱手段は、熱媒が通流する熱交換管路と、この熱交換管路から付与された熱を容器及び容器内の液化ガスに放出する熱伝達可能な伝熱媒体を有しており、この熱交換管路には、熱媒管路を通じて熱媒加熱手段で加熱された熱媒が導かれる。また、液化ガス加熱手段に導かれる熱媒の量を調整して容器内の液化ガスの加熱を制御するため、熱媒加熱手段から液化ガス加熱手段に流れる熱媒の量を調整する熱媒量調整手段が設けられている。
このような液化ガス供給装置では、容器内の圧力が低く、所定の圧力で気相の液化ガスを供給できないときには、熱媒量調整手段により液化ガス加熱手段の熱交換管路を流れる熱媒の量を増やし、容器内の温度を上昇させると共に液相の液化ガスの気化量を増大させることにより、容器内の圧力を上昇させることができる。したがって、外気温度などの条件に左右されることなく、所定の圧力以上の圧力を維持して気相の液化ガスを供給することができる。また、従来の自然気化を利用した設備では安定して供給できないような比較的高い圧力で気相の液化ガスを安定して供給することができる。
ところで、特許文献1の液化ガス供給装置においては、例えば寒冷地の朝型などでガスの使用量が一時的に増大することにより、容器内の圧力及び温度が急速に低下することがある。この場合、熱媒加熱手段の運転が開始されて液化ガス加熱手段に供給された熱媒は、伝熱媒体を介して容器内の液相の液化ガスに熱が奪われて急速に温度が低下する。そのため、液化ガス加熱手段に供給する熱媒の量を増やしても、容器内の液相の液化ガスの温度が上がらず、容器内の圧力が下がり続け、ついには気相の液化ガスの供給が停止してしまうおそれがある。
本発明の課題は、容器内の気相の液化ガスの供給量の一時的な増加に伴う容器内の圧力低下を抑制し、ガス供給の安定性を向上させることにある。
本発明の液化ガス供給装置は、液化ガスが収容される容器と、この容器内の気相部に連通するガス管路と、容器内又はガス管路に流入した気相の液化ガスの圧力を検知する圧力検知手段と、容器内の液化ガスを加熱する液化ガス加熱手段と、この液化ガス加熱手段に設けられた流路内を通流する熱媒を加熱する熱媒加熱手段と、液化ガス加熱手段に設けられて流路から付与された熱を液化ガスに伝える伝熱媒体と、この伝熱媒体の温度を検知する温度センサと、熱媒加熱手段から液化ガス加熱手段に熱媒を導く熱媒管路と、容器内の液化ガスの加熱を制御する制御部とを備え、制御部は、圧力検出手段で検知した圧力に応じて熱媒加熱手段による熱媒の加熱及び停止を制御し、温度センサで検知した温度が設定温度以下になると熱媒加熱手段による熱媒の加熱量を増加させる構成とすることにより上記課題を解決することができる。
このような構成によれば、容器内から気相の液化ガスが供給されて容器内の圧力が低下し、それに伴い容器内の液相の液化ガスの温度が低下すると、液化ガス加熱手段の伝熱媒体が設定温度以下まで低下したことを検知することにより、熱媒加熱手段による熱媒の加熱量を増加させて伝熱媒体の温度を高めることができるため、液化ガス加熱手段が容器内へ放出する熱量を増加させることができる。これにより、容器内の気相の液化ガスの供給量が一時的に増加した場合でも、液相の液化ガスを気化させることができるため、容器内の圧力低下を抑制し、ガス供給の安定性を向上させることができる。また、熱媒は、伝熱媒体の温度が設定温度以下になったとき、つまり液化ガスの加熱が不足するときに加熱量が増加されるため、それ以外のときには、熱媒を低めの温度に設定しておくことができる。そのため、熱媒を必要以上に加熱することがないため、省エネルギー性を向上させることができる。
この場合において、制御部は、温度センサで検知した温度が第1の設定温度以上になると熱媒加熱手段による熱媒の加熱を停止させ、温度センサで検知した温度が第1の設定温度よりも低い第2の設定温度以下になると熱媒加熱手段による熱媒の加熱量を増加させる構成とする。このような構成にすれば、容器内の液化ガスが法律で定められた温度以上に加熱されないように伝熱媒体の温度を第1の設定温度に基づいて管理することができるため、液化ガス供給装置の安全性を向上させることができる。
また、本発明の液化ガス供給装置は、液化ガスが収容される容器と、この容器内の気相部に連通するガス管路と、容器内又はガス管路に流入した気相の液化ガスの圧力を検知する圧力検知手段と、容器内の液化ガスを加熱する液化ガス加熱手段と、この液化ガス加熱手段に設けられた流路内を通流する熱媒を加熱する熱媒加熱手段と、液化ガス加熱手段に設けられて流路から付与された熱を液化ガスに放出する伝熱媒体と、この伝熱媒体の温度を検知する温度センサと、熱媒加熱手段から液化ガス加熱手段に前記熱媒を導く熱媒管路と、容器内の液化ガスの加熱を制御する制御部とを備え、制御部は、圧力検出手段で検知した圧力に応じて前記熱媒加熱手段による熱媒の加熱及び停止を制御し、温度センサで検知した温度と設定温度との偏差に応じて、熱媒加熱手段による熱媒の加熱量を調整する構成とすることにより上記課題を解決することができる。
このような構成によれば、液化ガス加熱手段が液相の液化ガスを加熱する温度、つまり伝熱媒体の温度が予め定められた設定温度になるように熱媒の温度を調整できるため、例えば、容器内の液相の液化ガスの温度が急速に低下しても、従来のように熱媒の流量を変化させる制御と比べて、容器内に放出する熱量を安定に保つことができる。したがって、容器内の圧力の低下を抑制し、ガス供給の安定性を向上させることができる。
本発明によれば、容器内の気相の液化ガスの供給量の一時的な増加に伴う容器内の圧力低下を抑制し、ガス供給の安定性を向上させることができる。
以下、本発明を適用してなる液化ガス供給装置の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる液化ガス供給装置の概略構成と動作を説明する図である。なお、本実施形態では、液化ガスを収容する容器内から気相の液化ガスを所定の機器や装置類へ供給する場合の構成について説明するが、供給先の機器や装置類は特に限定されるものではない。
本実施形態の液化ガス供給装置1は、図1に示すように、液化ガス、例えば液化石油ガス(LNG)などを収容して貯蔵するための容器3、容器3内の気相部5に連通するガス管路7、ガス管路7の圧力を調整する2つの調整弁9a,9b、容器3内の圧力を検知する圧力センサ11、容器3内の底部に設置されて液化ガス加熱手段となる加熱器13、加熱器13の加熱温度を検知する温度スイッチ15及び温度センサ29、熱媒加熱手段となる熱源機17、加熱器13と熱源機17との間で熱媒、例えば水を循環させるための熱媒管路19a,19b、そして液化ガス供給装置1の動作を制御する制御部21などで構成されている。
容器3は、略円筒状の容器を横向きにした状態で図示しない脚部上に支持されている。このような容器3は、例えば屋外に設置されており、容器3の内部に収容された液相部23となる液相の液化ガスは、容器3が外気から受けた熱により気化する。このため、容器3の上部の気相部5には、気相の液化ガスが溜まった状態になっている。なお、図1において、容器3は断面で示している。ガス管路7は一端が容器3の上部に連通し、他端は気相の液化ガスの供給先と連通されている。
圧力センサ11は、容器3内の気相部5の圧力を常時検出するようになっている。この圧力センサ11で検出された結果は、圧力センサ11と電気的に接続される制御部21に、電気信号として常時入力されるようになっている。この圧力センサ11としては、例えば金属ダイヤフラムと感圧素子を使用して電圧を出力する周知の半導体センサなどを使用することができる。
加熱器13は、例えば上面が開口した金属製のケースの中に蛇腹状に屈曲させた銅などの熱伝導性の高い材料で形成した熱交換管路25を配設し、この熱交換管路25とケースとの間の空間に水などの伝熱媒体やシリコンまたは不凍液などの熱伝達可能な伝熱媒体27を充填したものである。このような加熱器13のケースの上面の縁部を容器3の底面に密着させて取り付けている。温度スイッチ15は、加熱器13のケース内の伝熱媒体27の温度、つまり容器3に伝達される熱の温度を検知するように配置されている。温度スイッチ15は、例えば予め設定された複数の温度で各々に対応する信号を出力するものであり、その出力結果を電気信号として制御部21に出力するようになっている。
加熱器13には、温度スイッチ15と共に、伝熱媒体27の温度を検知する温度センサ29が配置されている。温度センサ29は、伝熱媒体27の温度を検出し、その検出結果を電気信号として制御部21に出力するようになっている。すなわち、温度スイッチ15は、加熱器13の過熱を防止するための安全装置として機能するものであるのに対し、温度センサ29は、後述するように、制御部21が伝熱媒体27の温度に基づいて熱媒の加熱温度を定めるために、必要な情報を制御部21に出力するものである。この温度センサ29は、例えばサーミスタのように検出温度を連続的に出力するものであってもよいし、設定温度に応じてオンオフを行う温度スイッチのようなものであってもよい。
熱源機17は、図示していない熱媒が通流する流路、この流路に設けられた熱媒タンク、ポンプ、流路内の熱媒を加熱するバーナ、そしてポンプやバーナの動作を制御する制御部などを一体的に筐体内に収めたものであり、市販の家庭用の給湯器や温水暖房器を利用したものである。本実施形態の熱源機17は、例えば100Vの家庭用電源に接続されており、熱源機17の制御部は、制御部21と連携して作動するものであり、制御部21と電気的に接続されている。
熱媒管路19aは、一端が熱源機17の図示していない熱媒が通流する流路に、他端が加熱器13の蛇腹状に形成した熱交換管路25に連結されており、熱媒管路19aには、熱源機17で加熱された熱媒が通流する。熱媒管路19bは、一端が加熱器13の蛇腹状に形成した熱交換管路25に、他端が熱源機17の図示していない熱媒が通流する流路に連結されており、熱媒管路19bには、加熱器13で熱を放出した熱媒が通流する。
制御部21は、圧力センサ11からの検出信号に応じて熱源機17の駆動及び停止、つまり熱源機17の図示していないポンプ及びバーナの発停を行う回路、温度スイッチ15からの検出信号に応じて熱源機17による熱媒の加熱及び停止を行う回路、温度センサ29からの検出信号に応じて熱源機17による熱媒の加熱量、つまり高温運転と低温運転との運転状態を切り替える回路、などを含んでいる。制御部21は、圧力センサ11からの検出信号に応じて熱源機17の駆動及び停止を制御することにより、加熱器13による容器3内の加熱及び停止を制御し、温度スイッチ15からの検出信号に応じて例えば法令などに規定された温度である40℃より高い温度で加熱器13が容器3内を加熱しないように熱源機17の駆動及び停止を制御し、温度センサ29からの検出信号に応じて加熱器13に供給される熱媒の温度を制御する。
次に、このようにして構成される液化ガス供給装置の動作と本発明の特徴部について説明する。ここで、本実施形態の熱源機17は、市販の熱源機を利用したものであり、例えば、外部からの能力切換信号などによってバーナの燃焼状態を高温運転と低温運転の2段階に切り換え、加熱された熱媒の温度を、例えば高温運転時80℃、低温運転時60℃といったように2段階で制御するようになっている。
さらに、本実施形態では、圧力スイッチ11は、設定された2段階の圧力のうち、圧力が降下して低い方の設定圧力P1になるとスイッチがオンして電気信号を発信し、圧力が上昇して高い方の設定圧力P2になるとスイッチがオフして電気信号の発信を中止するように設定されている。温度スイッチ15は、設定された2段階の温度のうち、温度が降下して低い方の設定温度T1になるとスイッチをオンして電気信号を発信し、温度が上昇して高い方の設定温度T2になるとスイッチをオフして電気信号の発信を中止するように設定されている。ここで、本実施形態では、温度スイッチ15は、少なくとも2組の設定点(T1,T2)、すなわち、熱媒の過熱を防止する安全制御を行うための設定点A(32℃,35℃)と、それ以外の設定点B(30℃,32℃)が設定されている。
制御部21は、制御部21に電気的に接続された図示していない運転スイッチがオンされると、加熱器13内の伝熱媒体27の温度、つまり加熱器13による容器3の加熱温度に応じて、熱源機17を停止させるか否かを決める。運転開始時、例えば、加熱器13の加熱温度が低い方の設定温度T1よりも高ければ、温度スイッチ15はオフ状態で電気信号を発信しない。このため、制御部21は、熱源機17に駆動指令を行わず、熱源機17は、バーナの燃焼とポンプを停止したままであり、熱媒の通流と加熱が停止した状態となっている。
一方、加熱器13内の伝熱媒体27の温度が低い方の設定温度T1以下になると、温度スイッチ15はオン状態となって電気信号を発信する。このとき、制御部21は、容器3内の圧力、つまり圧力スイッチ11から発信された電気信号の入力結果に応じて、熱源機17を駆動させるか否かを決める。容器3内の圧力が低い方の設定圧力P1以下であれば、圧力スイッチ11はオンして電気信号を発信するため、制御部21は、熱源機17のバーナやポンプなどを駆動させ、低温運転による熱媒の加熱と熱媒の通流を行う。
このように、熱源機17が低温運転を行うことにより、例えば60℃に加熱された熱媒が熱媒管路19aを通じて熱源機17から加熱器13へ送液される。そして、容器3が加熱器13内の伝熱媒体27を介して熱源機17で加熱された熱媒の熱を受けることにより、容器3及び容器3内の液化ガスが加熱され、液相の液化ガスの気化と液化ガスの飽和蒸気圧の上昇とにより、容器3内の圧力が上昇する。こうして容器3内の圧力が上昇し、圧力センサ11が検出した圧力が高い方の設定圧力P2以上になると、圧力センサ11はオフし、電気信号の発信を止める。これにより、制御部21は、熱源機17へバーナの燃焼停止を指令し、熱源機17は、バーナの燃焼を停止し、ポンプのみを作動させる状態となる。
熱源機17による熱媒の加熱が停止され、容器3内の圧力が降下することにより、再び低い方の設定圧力P1以下になると、圧力スイッチ11が電気信号を発信することで、制御部21は、熱源機17へバーナの燃焼指令を発信し、熱源機17では、バーナやポンプなどが駆動し、低温運転による熱媒の加熱と熱媒の通流が行われる状態となる。これにより、容器3内の液相の液化ガスは加熱器13より熱を受け、液相の液化ガスの気化と液化ガスの飽和蒸気圧の上昇とにより、容器3内の圧力が上昇する。
このように、本実施形態の液化ガス供給装置1では、圧力スイッチ11で検知した容器3内の圧力が、高い方の設定圧力P2以上になると、熱源機17のバーナの燃焼を停止してポンプのみ運転することにより、加熱器13による容器3内の液相の液化ガスの温度上昇を抑制し、低い方の設定圧力P1以下になると、熱源機17のバーナの燃焼を開始すると共にポンプの運転を行うことにより、加熱器13による容器3内の液相の液化ガスの温度を上昇させて、容器3内の液化ガスの圧力を所定の圧力以上に保つように制御する。
ここで、例えば、外気温度などの条件によっては、加熱器13から放出される熱量に関わらず、容器3内の温度が上昇し、容器3内や液化ガスの温度が、例えば法律などで定められた上限温度を超えてしまうことがある。このため、温度スイッチ15は、加熱器13の伝熱媒体27の温度が高い方の設定温度T2、例えば35℃以上になると、オフして電気信号の発信を止める。これにより、制御部21では、熱源機17のバーナの燃焼、及びポンプの駆動の停止を指令し、熱源機17は、熱媒の加熱と通流を停止する。したがって、加熱器13による容器3への加熱が止まり、容器3の昇温が止まるため、容器3の温度が所定の上限温度を超えないようにすることができる。
ところで、このような液化ガス供給装置1において、寒冷地などでは、朝型などにガスの消費量が一時的に増えることにより、気相の液化ガスが短い時間で大量にガス管路7を通じて供給先へ供給される場合がある。このとき、容器3内の圧力及び温度は急速に降下するため、熱源機17から加熱器13へ送られた熱媒は、加熱器13の熱交換管路25を通流する際に、伝熱媒体27を介して容器3内の液相の液化ガスに熱が奪われて、熱媒の温度が低下する。そのため、例えば熱媒の流量を増やしても、加熱器13から容器3内へ放出される熱量は下がり続け、この容器3内へ放出される熱量とガスの供給による気化潜熱が釣り合うまで容器3内の圧力が下がり続けた結果、圧力が不足して、ガスが供給できなくなるおそれがある。
具体的には、例えば、熱源機17において、熱媒の温度を60℃に設定し、その熱媒を8L/minの流量で加熱器13に供給するとき、容器3内の気相の液化ガスがガス管路7から大量に放出されると、容器3内の圧力及び温度が低下して、加熱器13の伝熱媒体27の温度が約20℃まで低下し、容器3内の圧力が約0.1MPaまで低下することがある。このとき、例えば、熱媒の流量を10L/minまで増やしても、伝熱媒体27の温度は約2〜3℃しか上昇せず、容器3内の圧力も1割程度しか増加されない。また、容器3内の圧力が0.1MPa程度まで下がると、容器3内の気相の液化ガスの温度は約−20℃まで低下する。そのため、例えば、容器3に通常設けられている容器3内の圧力を調整するための圧力調整器は、ゴム製のダイヤフラムが硬化することにより、容器3内の圧力が不安定になるおそれがある。さらに、ガス管路7などが氷結することにより、ガスの供給に不具合が生じるおそれがある。
これに対し、本実施形態の液化ガス供給装置1では、温度センサ29で加熱器13の伝熱媒体27の温度を常時検知し、その伝熱媒体27の温度が降下して所定の温度以下になると、圧力スイッチ11で検知した容器3内の圧力と関係なく、熱媒の加熱温度を上昇させて伝熱媒体27の温度を上昇させることにより、容器3内の圧力の低下を抑制するようにしている。このような温度センサ29からの信号に基づく制御は、温度スイッチ15がオンの信号を発信しているときに限り作動し、温度スイッチ15がオフになると、熱媒の加熱が停止される。
ここで、制御部21は、温度センサ29が検知した伝熱媒体27の温度信号を常時入力し、設定された2段階の温度のうち、温度が降下して低い方の設定温度T3、例えば30℃になると熱源機17に熱媒の加熱量を増加させる信号を発信し、バーナの燃焼量を増加させ、それまでの低温運転から高温運転に切り換えるように制御する。熱源機17は、制御部21からの指令を受けると、バーナの燃焼量を増加させ、熱媒を60℃に加熱する低温運転から例えば80℃に加熱する高温運転に切り換える。これにより、加熱器13の熱交換管路25には80℃に加熱された高温の熱媒が通流し、伝熱媒体27、つまり加熱器13の温度が例えば30℃に保持、或いは30℃以上の温度に昇温されるため、容器3及び容器3内の液化ガスは加熱され、液相の液化ガスの気化と液化ガスの飽和蒸気圧の上昇とにより、容器3内の圧力を高く保持することができる。
一方、制御部21は、温度センサ29からの温度信号を受けて、設定された2段階の温度のうち、温度が上昇して高い方の設定温度T4、例えば35℃になると熱源機17に熱媒の加熱を停止する信号を発信し、バーナの燃焼を停止させるように制御する。熱源機17は、制御部21からの指令を受けて、バーナの燃焼を停止させる。これにより、容器3内や液化ガスの温度が、法律などで定められた上限温度を超えないようにすることができる。
また、制御部21は、設定温度T3とT4の中間温度として設定温度T5、例えば32℃を定めておき、熱源機17のポンプが駆動していないときでも、温度が降下して設定温度T5になったときには、熱源機17のポンプを駆動させるように制御することができる。
本実施形態では、熱源機17のバーナの燃焼状態を切り換えて熱媒の温度を2段階(60℃,80℃)で設定可能としているが、これに限られるものではなく、例えば、温度センサ29が検知した伝熱媒体27からの検出信号に応じて熱源機17の燃焼量を比例制御することにより、熱媒を所定の設定温度、例えば35℃に保持することが可能になる。このようにすれば、加熱器13から放出される熱量を安定に保つことができ、容器3内の圧力の変化を抑制できるため、ガス供給の安定性を向上させることができる。
以上述べたように、本実施形態の液化ガス供給装置1では、圧力センサ29から受けた電気信号に応じて熱源機17による熱媒の加熱及び停止が制御され、さらに、温度センサ29が検知した伝熱媒体27の温度の検出信号に応じて、熱源機17による熱媒の加熱量を調整するようにしている。すなわち、外気温度、ガスの供給量、容器3内の液化ガスの残液量などによっては、加熱器13の伝熱媒体27の温度と容器3内の圧力は相関しなくなるため、容器内の圧力と関係なく、加熱器13の伝熱媒体27の温度を所定の範囲に保つことにより、容器内の液相の液化ガスの温度低下を抑制することができ、その結果、容器3内の圧力低下を抑制することができる。さらに、本実施形態の液化ガス供給装置1では、容器3内の圧力が所定の範囲内にあるときには、従来の制御と同様に熱源機17の駆動を停止させているため、無駄なエネルギーの消費を抑えることができる。
また、本実施形態の液化ガス供給装置1では、伝熱媒体27の温度が降下して低い方の設定温度T3となったとき、つまり多くの熱量が必要なときだけ、熱源機17の運転を低温運転から高温運転に切り換えて、熱媒の加熱温度を高めるようにしている。このため、無駄なエネルギーの消費や配管などからの放熱量を低減することができるため、省エネルギー性を向上させることができる。さらに、常時高温の熱媒を通流させる必要がないため、配管の腐食の進行を抑制し、設備の寿命を長くすることができる。
ところで、従来の液化ガス供給装置のように、熱源機17から加熱器13への熱媒の供給量を変化させる制御を行うためには、例えば流量調整弁とそれを設けるためのバイパス管が必要となり、設備費用の増加を招くことになる。これに対し、本実施形態の液化ガス供給装置1のように、熱媒温度を変化させる制御の場合、制御プログラムを増設する或いは変更するだけでよいため、構造が簡単になり、製造コストを低減することができる。また、従来の温度スイッチ15による温度管理に加えて、温度センサ29による伝熱媒体27の温度管理を行うことにより、法規則による熱媒の過熱を防止することができるため、安全性を向上させることができる。
また、加熱器13の伝熱媒体27の温度ではなく、容器3内の圧力に応じて熱源機17の運転を高温運転と低温運転に切り換える制御の場合、例えば容器3内の液化ガスの残液量が多く、圧力が上昇しにくい状態で、熱媒の設定温度が例えば60℃から80℃に切り換えられると、加熱器13の温度上昇が速いため、容器3や容器3内の液化ガスに熱が十分に伝わる前に、安全装置である温度スイッチ15が作動し、熱源機17の駆動が停止されることがある。これに対し、本実施形態の液化ガス供給装置1では、加熱器13の伝熱媒体27の温度に応じて熱媒の加熱量を増減するようにしているため、加熱器13の過熱を抑制することができ、液化ガス供給装置の信頼性を向上させることができる。
1 液化ガス供給装置
3 容器
5 気相部
11 圧力センサ
13 加熱器
15 温度スイッチ
17 熱源機
21 制御部
25 熱交換管路
27 伝熱媒体
29 温度センサ
3 容器
5 気相部
11 圧力センサ
13 加熱器
15 温度スイッチ
17 熱源機
21 制御部
25 熱交換管路
27 伝熱媒体
29 温度センサ
Claims (3)
- 液化ガスが収容される容器と、該容器内の気相部に連通するガス管路と、前記容器内又は前記ガス管路に流入した気相の液化ガスの圧力を検知する圧力検知手段と、前記容器内の液化ガスを加熱する液化ガス加熱手段と、該液化ガス加熱手段に設けられた流路内を通流する熱媒を加熱する熱媒加熱手段と、該液化ガス加熱手段に設けられて前記流路から付与された熱を前記液化ガスに伝える伝熱媒体と、該伝熱媒体の温度を検知する温度センサと、前記熱媒加熱手段から前記液化ガス加熱手段に前記熱媒を導く熱媒管路と、前記容器内の液化ガスの加熱を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記圧力検出手段で検知した圧力に応じて前記熱媒加熱手段による前記熱媒の加熱及び停止を制御し、前記温度センサで検知した温度が設定温度以下になると前記熱媒加熱手段による前記熱媒の加熱量を増加させてなる液化ガス供給装置。 - 前記制御部は、前記温度センサで検知した温度が第1の設定温度以上になると前記熱媒加熱手段による前記熱媒の加熱を停止させ、前記温度センサで検知した温度が前記第1の設定温度よりも低い第2の設定温度以下になると前記熱媒加熱手段による前記熱媒の加熱量を増加させてなる請求項1に記載の液化ガス供給装置。
- 液化ガスが収容される容器と、該容器内の気相部に連通するガス管路と、前記容器内又は前記ガス管路に流入した気相の液化ガスの圧力を検知する圧力検知手段と、前記容器内の液化ガスを加熱する液化ガス加熱手段と、該液化ガス加熱手段に設けられた流路内を通流する熱媒を加熱する熱媒加熱手段と、該液化ガス加熱手段に設けられて前記流路から付与された熱を前記液化ガスに放出する伝熱媒体と、該伝熱媒体の温度を検知する温度センサと、前記熱媒加熱手段から前記液化ガス加熱手段に前記熱媒を導く熱媒管路と、前記容器内の液化ガスの加熱を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、圧力検出手段で検知した圧力に応じて前記熱媒加熱手段による前記熱媒の加熱及び停止を制御し、前記温度センサで検知した温度と設定温度との偏差に応じて、前記熱媒加熱手段による前記熱媒の加熱量を調整してなる液化ガス供給装置。
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