JP4869790B2 - エレベータのかご位置検出装置 - Google Patents

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この発明は、エレベータのかご位置検出装置に関する。
従来のエレベータのかご位置検出装置として、かご室に設けられたかごドア敷居の一端側に取り付けられ前記かご室の側方に向けて所定の動作域内の光を射出すると共に前記光を受光すると動作する光電式の着床検出器と、乗場ドア敷居の一端側に取り付けられ前記着床検出器が射出した光を着床検出器に向けて反射する着床検出部材と、前記着床検出部材が反射した前記着床検出器の光以外の動作域内の光が前記着床検出器に入光するのを阻止する誤動作防止カバーと、を備えたものがあった(例えば特許文献1参照)。
かかるエレベータのかご位置検出装置によれば、着床検出スイッチが射出した光が着床検出板以外の部分に当たって反射した光や外光によって着床検出スイッチが誤動作するのを防止することができるため、着床検出精度が向上する。
特開2004−224529号公報
しかしながら上記かご位置検出装置は、着床検出のための専用プレートを各階に設置すると共に、正確に位置調整する必要があり、特に多階床の建物では据付が煩雑で手間がかかるという問題があった。
また、上記プレートを設置するスペースが必要となり、近年主流となっている機械室レスエレベータでは、昇降路断面積の縮小化に伴う昇降路機器の高密度実装化の妨げとなり、昇降路内の機器レイアウトの自由度を低下させる要因になるという問題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、着床検出のための専用プレートが不要なエレベータのかご位置検出装置を提供することを目的とする。
この発明は、かご側に設けられ距離検出手段で、かごの昇降方向に段差が付けられるように乗場側の乗場敷居に一体に形成された被検出部との水平距離を検出してかごの乗場敷居に対する位置を検出するエレベータのかご位置検出装置にある。また、かご側に設けられた複数の距離検出器からなる距離検出手段で、少なくとも乗場敷居及びトーガードによる凹凸を含む乗場側昇降路面との水平距離を検出し、複数の距離検出器で検出された水平距離の組合せからかごの乗場敷居に対する位置を検出するエレベータのかご位置検出装置にある。
この発明では、着床検出のための専用プレートが不要なエレベータのかご位置検出装置を提供できる。
実施の形態1.
図1はこの発明によるエレベータのかご位置検出装置を含むエレベータ装置の構成を示す図である。一端にかご1、他端に釣合錘2が結合されたロープ4を巻上機3に巻掛け、釣合錘2とバランスさせながら巻上機3を駆動させてかご1を昇降路5内で昇降させる構成が示されている。そしてかご1の下端、例えばかご敷居の乗場側と対向する側面の両側の一方の端部(特に図示せず)には、昇降路5の各階床に設けられた、後述する被検出部81が形成された乗場敷居8や、さらには乗場敷居8を含む乗場6側の乗場側昇降路面5aとの水平距離を検出する距離検出器7(距離検出手段)が設けられている。
図2は、昇降路5内から乗場6側を見た乗場敷居8と距離検出器7との位置関係を示す図である。図3は図2を矢印Aの方向から見た側面図であり、図2を側面から見た場合のかご1が移動した場合の距離検出器7と乗場敷居8との位置関係を示している。乗場敷居8の敷居に向かって両側の一端には、距離検出器7により水平距離が検出される被検出部81が、乗場敷居8に一体にかつ距離検出器7と対向するように形成されている。被検出部81は、距離検出器7と対向する乗場敷居8の側面である乗場敷居側面81a、この乗場敷居側面81aの上側及び下側に位置する上側面81bと下側面81cとを有し、乗場敷居側面81aに対して上側面81b及び下側面81cは、距離検出器7からの水平距離が異なるように段差が付けられて形成されている。
図4には距離検出器7からの信号に従ってかご位置を検出するかご位置検出器20の構成の一例が示されている。かご位置検出器20は、相対位置演算手段21と着床判定手段22と、の少なくとも一方を備える。
この発明によるかご位置検出装置は、エレベータの特に着床時における、かご床と乗場敷居8の上面である乗場床とのレベル合わせに使用され、図1ではロープ4で結合されたかご1と釣合錘2が巻上機3により昇降路5内を上下に移動し、目的階の乗場に着床するが、その際にかご床と乗場敷居8の上面である乗場床(以下単にかごと乗場敷居とする場合あり)のレベル差を許容公差内に抑える必要がある。この時、かご1側に設置された距離検出器7で、乗場敷居8に一体構造を成す被検出部81との距離を検出することで、かご1が乗場敷居8レベルに対して、相対的にどの位置にあるかを検出することが可能となる。
図2において、乗場敷居8の端部を、図のように距離検出器7との距離が変わるように段差を付けて折り曲げて距離検出器7に対向する被検出部81を形成し、乗場敷居側面81aのレベルのゾーンと、それ以外の上側面81bと下側面81cのゾーンの2種類に区別し、距離検出器7で検出した距離でどちらのゾーンにかご1のかご床レベルが入っているかを図4のかご位置検出器20で判断して、かご床と乗場床との差を許容レベル範囲(許容公差範囲)内に抑える。
但し、距離検出器7は、かご床と乗場床との差が許容範囲(許容公差範囲)内に入る時に、乗場敷居側面81aレベルのゾーンを検出するようなかご1の下部、例えばかご敷居の適当なレベル位置に設置される。
図3において、かご床が乗場敷居側面81aのレベルのゾーンに入っている時、距離検出器7はかご1(例えばかご敷居の乗場側に対向した側面)と乗場敷居側面との間隔分の長さ(例えば10mm)を検出し、それ以外のゾーンの時には10mm以上の長さを検出することになる。
図4のかご位置検出器20の相対位置演算手段21では、距離検出器7で検出された被検出部81との水平距離と、予め格納されている図3に示したような、かご1が昇降方向に移動した時の乗場敷居8との各相対位置でのかご1と被検出部81との水平距離から、かご1の乗場敷居8との相対位置を求める。
また、着床判定手段22では、着床時に距離検出器7で検出された被検出部81との水平距離と、予め格納されている図3に示したようなゾーンに基づくかご1と乗場敷居8のレベル差が許容公差内にある時のかご1と被検出部81との水平距離から、かご1と乗場敷居8のレベル差が許容公差内にあるか否かを判定する。
上記のような装置により、従来はかご床と乗場床のレベル合わせ専用に各階に設けられ、正確な据付調整が必要とされた専用プレードが不要となり、それと共にそれらの調整も不要となることで、大幅な据付省力化、据付時間短絡、及びコスト低減が見込まれる。同時に、専用プレートを設置するスペースも不要となるため、昇降路内設置機器のレイアウトの自由度が増すことも期待される。
実施の形態2.
図5及び図6は、この発明の別の実施の形態による被検出部82の構成を説明するための図であり、図5は昇降路内から乗場側を見た乗場敷居と距離検出器との位置関係を示す図、図6は図5を矢印Aの方向から見た側面図であり、図5を側面から見た場合のかご1が移動した場合の距離検出器7と乗場敷居8との位置関係を示している。上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。
図5では図2において2種類のゾーンに区別するよう乗場敷居8の端部を曲げたのに対して、被検出部82の乗場敷居側面82aのレベルのゾーン、乗場敷居側面82aのレベルより上階側の上側面82bのゾーン、乗場敷居側面82aのレベルより下階側の下側面82cのゾーン、の3種類のゾーンに区別可能なように乗場敷居8の端部の曲げ方を変えてある。
例えば、それぞれのゾーンにおける距離検出器7が検出する水平距離を、乗場敷居側面82aのレベルのゾーンの場合は10mm、上側面82bのゾーンの場合は20mm、下側面82cのゾーンの場合は30mmとなるように乗場敷居8の端部を曲げる。これにより図6に示すように、距離検出器7と被検出部82との距離関係が、上階側の方が下階側より水平距離が短くなっている。
これにより本来ならば乗場敷居側面82aのレベルのゾーンで停止しなければいけないかご1が、上階側又は下階側のどちらかにずれてしまったとしても、距離検出器7から検出される水平距離だけで、どちら側にずれているかを判断でき、直ちに乗場敷居側面82aのレベルのゾーンヘと引き戻すことが可能となる。例えば、敷居レベル付近における停電復帰時に、どちらにかごを動かせば最寄り階に直ちに着床させることができるかの判断が容易になる。
実施の形態3.
図7及び図8はこの発明のさらに別の実施の形態によるエレベータのかご位置検出装置の構成を説明するための図であり、図7は昇降路内から乗場側を見た乗場敷居等を含む乗場側昇降路面と距離検出器との位置関係を示す図、図8は各距離検出器の検出距離と乗場レベルの各ゾーンとの関係を示す図である。上記実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。
この実施の形態では図7に示すように乗場敷居8の端部を曲げずに、複数個の距離検出器7a、7bをかご(図示省略)に設置し、既存の昇降路内機器をそのまま利用して、乗場敷居8の乗場敷居側面8a、乗場敷居8の下方の中央部にのみ延びるトーガード9、三方枠10(これらを被検出対象又は被検出部とする)等による凹凸を含む乗場側昇降路面5aまでの距類を検出することで、かごと乗場敷居8との相対位置を求めたり、着床判定を行う。
図7は距離検出手段を構成する距離検出器7a、7b(例えば第1及び第2の距離検出器)が検出する水平距離と乗場レベルの各ゾーンの関係を示しており、A,B,Cの3つのゾーンに区別されている。図7の距離検出器7a、7bが検出する水平距離を示す(7a)、(7b)のX軸方向は距離検出器7と被検出対象の距離を示し、Y軸方向は各距離検出器7a、7bの昇降方向の位置を示している。
例えば第1距離検出器7aは、かごに設置され、乗場敷居側面8aと同一面にないトーガード9が下方の中央部に延びた乗場敷居8を含む乗場側昇降路面5aの、トーガードがある部分を通るかごの昇降方向に沿った乗場側昇降路面5aとの水平距離を検出する。第2距離検出器7bは、距離検出器7aと同じレベル位置でかごに設置され、トーガードがない部分を通るかごの昇降方向に沿った乗場側昇降路面5aとの水平距離を検出する。
ゾーンAでは、距離検出器7a、7bが共にかごと距離検出器7a、7bに対向した乗場敷居8の乗場敷居側面8aの間隔(例えば10mm)を検出し、乗場敷居レベルゾーンであることを示している。Bゾーンでは、距離検出器7aはトーガード9までの距離を検出し、距離検出器7bは乗場側昇降路面5aまでの距離を検出しており、この距離の組合せの場合は、乗場敷居レベルゾーンより下階側のゾーンであることを示している。Cゾーンでは、距離検出器7a、7bは共に乗場側昇降路面5aまでの距離を検出し、乗場敷居レベルゾーンより上階側のゾーンであることを示している。
この実施の形態の場合、図4のかご位置検出器20の相対位置演算手段21では、距離検出器7a,7bで検出された水平距離と、予め格納されている図8に示したような、かごが昇降方向に移動した時の乗場敷居8との各相対位置での距離検出器7a,7bにおけるかご1と乗場側昇降路面5aとの水平距離の組合せから、かごの乗場敷居8との相対位置を求める。
また、着床判定手段22では、着床時に距離検出器7a,7bで検出された水平距離と、予め格納されている図8に示したような、かごと乗場敷居8のレベル差が許容公差内にある時の距離検出器7a,7bにおけるかご1と乗場側昇降路面5aとの水平距離の組合せから、かごと乗場敷居8のレベル差が許容公差内か否かを判定する。
このように複数個の距離検出器7a、7bを設置し、それらが検出する距離の組合せにより乗場敷居レベルゾーンか、それよりも上階側か、あるいは下階側かを判断することで、特別な専用プレート等を乗場敷居とは別に設置することなく、既存の昇降路内機器だけを利用して、上記実施の形態と同様な効果を得ることができる。なお当然ながら、三方枠10をさらに利用してもよい。また距離検出器の数は2つに限定されない。
また、上記各実施の形態において、エレベータの巻上機3や調速機に取付けられたパルス発生器(共に図示省略)からのかご1の位置を示すパルス信号PSを、図4に示すように併用して、相対位置演算手段21及び着床判定手段22において相対位置を求めたり許容公差内にあるか否かの判定を行なえば、更に高精度なかご床と乗場床のレベル合わせが実現可能なことは明白である。
この発明によるエレベータのかご位置検出装置を含むエレベータ装置の構成を示す図である。 この発明の一実施の形態によるエレベータのかご位置検出装置における昇降路内から乗場側を見た乗場敷居と距離検出器との位置関係を示す図である。 図2を矢印Aの方向から見た側面図である。 この発明によるエレベータのかご位置検出装置における距離検出器からの信号に従ってかご位置を検出するかご位置検出器の構成の一例を示す図である。 この発明の別の実施の形態によるエレベータのかご位置検出装置における被検出部の構成を説明するための図である。 図5を矢印Aの方向から見た側面図である。 この発明のさらに別の実施の形態によるエレベータのかご位置検出装置の昇降路内から乗場側を見た乗場敷居等を含む乗場側昇降路面と距離検出器との位置関係を示す図である。 図7の実施の形態における各距離検出器の検出距離と乗場レベルの各ゾーンとの関係を示す図である。
符号の説明
1 かご、2 釣合錘、3 巻上機、4 ロープ、5 昇降路、5a 乗場側昇降路面、6 乗場、7,7a,7b 距離検出器(距離検出手段)、8 乗場敷居、8a,81a,82a 乗場敷居側面、9 トーガード、10 三方枠、20 かご位置検出器、21 相対位置演算手段、22 着床判定手段、81,82 被検出部、81b,82b 上側面、81c,82c 下側面。

Claims (5)

  1. かご側に設けられ距離検出手段で、かごの昇降方向に段差が付けられるように乗場側の乗場敷居に一体に形成された被検出部との水平距離を検出してかごの乗場敷居に対する位置を検出することを特徴とするエレベータのかご位置検出装置。
  2. かご側に設けられ乗場側との水平距離を検出する前記距離検出手段と、
    乗場側の乗場敷居と一体にかつ前記距離検出手段との水平距離がかごの昇降方向に沿って異なるように段差が付けられて形成され、前記距離検出手段により水平距離が検出される前記被検出部と、
    前記距離検出手段で検出された水平距離と予め格納されたかごが昇降方向に移動した時の乗場敷居との各相対位置でのかごと被検出部との水平距離からかごの乗場敷居との相対位置を求める相対位置演算手段、及び着床時に前記距離検出手段で検出された水平距離と予め格納されているかごと乗場敷居のレベル差が許容公差内にある時のかごと被検出部との水平距離から、かごと乗場敷居のレベル差が許容公差内か否かを判定する着床判定手段の少なくとも一方と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご位置検出装置。
  3. 前記被検出部が、前記距離検出手段と対向する乗場敷居の側面と、前記側面と段差が付けられた上側及び下側の上側面と下側面とを有し、それぞれの面で前記距離検出手段との水平距離が異なることを特徴とする請求項2に記載のエレベータのかご位置検出装置。
  4. かご側に設けられた複数の距離検出器からなる距離検出手段で、少なくとも乗場敷居及びトーガードによる凹凸を含む乗場側昇降路面との水平距離を検出し、前記複数の距離検出器で検出された水平距離の組合せからかごの乗場敷居に対する位置を検出することを特徴とするエレベータのかご位置検出装置。
  5. それぞれかご側に設けられ、少なくとも乗場敷居側面と同一面にないトーガードが下方の中央部に延びた乗場敷居の乗場敷居側面及びトーガードによる凹凸を含む乗場側昇降路面の、トーガードがある部分を通るかごの昇降方向に沿った乗場側昇降路面との水平距離を検出する第1距離検出器と、トーガードがない部分を通るかごの昇降方向に沿った乗場側昇降路面との水平距離を検出する第2距離検出器とを少なくとも含む前記距離検出手段と、
    前記第1及び第2距離検出器で検出された水平距離と予め格納されたかごが昇降方向に移動した時の乗場敷居との各相対位置での前記第1及び第2距離検出器におけるかごと乗場側昇降路面との水平距離の組合せからかごの乗場敷居との相対位置を求める相対位置演算手段、及び着床時に前記第1及び第2距離検出器で検出された水平距離と予め格納されているかごと乗場敷居のレベル差が許容公差内にある時の前記第1及び第2距離検出器におけるかごと乗場側昇降路面との水平距離の組合せから、かごと乗場敷居のレベル差が許容公差内か否かを判定する着床判定手段の少なくとも一方と、
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載のエレベータのかご位置検出装置。
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