JP4868114B2 - 窒化物系半導体基板およびその製造方法 - Google Patents

窒化物系半導体基板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体形成用基板、III−V族窒化物系化合物半導体の結晶基板およびその製造方法に関するものである。
窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化ガリウムアルミニウム(AlGaN)等のGaN系化合物半導体は、青色発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)用材料として利用され、更に、耐熱性や耐環境性が良いという特徴を活かして、電子デバイス用素子への応用開発も始まっている。
現在、広く実用化されているGaN成長用の基板はサファイアであるが、サファイア基板はGaNと格子定数が異なるため、サファイア基板上に直接GaNを成長させたのでは単結晶膜を成長させることができない。このため、サファイア基板上に一旦低温でGaNやAlGaNのバッファ層を成長させ、この低温成長バッファ層で格子の歪みを緩和させてからその上にGaNを成長させる方法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
この低温成長窒化物層をバッファ層として用いることで、GaNの単結晶エピタキシャル成長は可能になった。しかし、この方法でも、やはり基板と結晶の格子のずれは如何ともし難く、GaNは無数の欠陥を有している。この欠陥は、GaN系LDを製作する上で障害となる。
そこで自立GaN基板の出現が切望されていたが、低転位のGaN基板が市場にも出回り始めてきたことから、最近では自立GaN基板の使用が検討され始めている。
特公平8−8217号公報
しかしながら、GaNの単結晶は可視光を透過するため、可視光下では透明で表裏の判別が難しい。
そのため、結晶方位を示すため及び表裏を判定するため、図7に示すように、半導体基板1の外周にオリエンテーションフラット2、インデックスフラット3を外形研摩加工や劈開によって付けるが、GaN系化合物半導体基板は硬く脆い材料であるため、加工性や精度、作業効率などで問題が多く残っている。
また、フォトリソグラフィーなどで、基板上に所望のパターンを転写する場合などは、基板表面へ焦点を合わせることが非常に難しいという問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、従来のオリエンテーションフラットやインデックスフラットよりも容易に作製することができ且つ視認ができる表裏の判別手段を備えた半導体形成用基板、窒化物系半導体基板およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
本発明の一態様に係る窒化物系半導体基板は、III−V族窒化物系半導体結晶からなる自立したIII−V族窒化物系半導体基板であって、前記基板の表面から裏面へ貫く貫通孔を、前記基板の周辺部に数の異なる2群に分けて3つ以上有し、表裏の判別が可能であり、前記基板の裏面から該基板が吸収する波長の光を入れた際に、前記基板の表面で前記波長の光が検出されることを特徴とする。
本発明の他の態様に係る窒化物系半導体基板は、III−V族窒化物系半導体結晶からなる自立したIII−V族窒化物系半導体基板であって、前記基板の表面から裏面へ貫く貫通孔を、前記基板の周辺部に中心からの距離の相違をもって3つ以上有し、表裏の判別が可能であり、前記基板の裏面から該基板が吸収する波長の光を入れた際に、前記基板の表面で前記波長の光が検出されることを特徴とする。
窒化物系半導体基板がGaN基板の場合は、基板が吸収する波長は400nm以下の光となる。
上記窒化物系半導体基板は、結晶方位や表裏の判別又は位置合わせの判別手段として、前記基板の周辺部に、前記基板の表面から裏面へ貫通する1つ以上の貫通孔を有する構成でもよい。
貫通孔を、前記基板の周辺部に数の異なる2群に分けて3つ以上有する形態には、前記貫通孔を、基板の周辺部に奇数個と偶数個の相違をもって3つ以上有し、表裏の判別が可能である形態が含まれる。
上記窒化物系半導体基板を製造する方法において、前記基板を製造する際、その元となる種結晶上の任意の位置に、製造する前記半導体基板以外の材料を載せ、当該部分の正常な成長を妨げることにより、表裏を貫く貫通孔を形成してもよい。
ここで、半導体基板以外の材料を載せる位置は、元となる種結晶上の任意の位置であるが、これは、サファイア基板上に下地GaN層、Ti膜を形成し、熱処理してTiNナノマスクとし且つ下地GaN層にボイドを多数形成した後、その上にGaN厚膜を形成した構造の場合、サファイア基板上であってもよいし、下地GaN層上であってもよいし、TiNナノマスク上であってもよい。
上記窒化物系半導体基板の製造方法において、前記半導体基板以外の材料は、直径50μm以上の大きさで、塗布、転写、蒸着、スパッタリングのいずれかの手段により設けてもよい。
上記窒化物系半導体基板の製造方法において、前記半導体基板以外の材料として、炭素、ニッケル、金、銀、銅、白金、鉄、チタン、シリコン、タンタルのうちの一つ又はこれらのいずれかを含んでいる材料を用いてもよい。
上記窒化物系半導体基板を製造する方法において、前記基板を製造する際、その元となる種結晶上の任意の位置に凹凸を形成し、当該部分の正常な成長を妨げることにより、表裏を貫く貫通孔を形成してもよい。
上記窒化物系半導体基板の製造方法において、前記凹凸は、エッチングにより、直径50μm以上段差0.1μm以上の円形の凹部を形成してもよい。
本発明のIII−V族窒化物系化合物半導体の結晶基板の製造方法では、ハイドライド気相成長(HVPE)法による窒化物半導体の成長において、元となる種結晶表面の任意の位置に、GaN以外の材料を付ける、または凹凸をつけることで、その上部に正常に成長しない領域を形成し、貫通孔を形成している。
この方法を用いれば、基板の表裏や結晶方位を判別し確認するための目印又はパターン転写時の位置合わせの目印といった判別手段を、成長後のオリエンテーションフラット、インデックスフラットの加工を必要とせずに、これらと同様の機能を持った図1に示すような目印を、エピタキシャル層の成長と同時に設けることができる。
通常、自立基板に適用できるくらいの300μm以上の厚い膜を成長すると、下地の種結晶に異物、欠陥があっても、成長の過程で埋まってしまうことが多い。
しかし、本発明者は、実際の成長において、種結晶の表面に50μm以上の大きさのGaNと異なる異物、または、凹凸があると、それに対応した位置に、表裏を貫通する孔が形成されることを確認した。
但し、この貫通孔があることで、基板自身が割れたり、変形したりしては問題になる。また貫通孔の周辺が、他の貫通孔のない領域に比べ、結晶性や電気特性、転位密度などに大きな差を有してはならない。
そこで、本発明者は、貫通孔のある直径約6.35cm(φ2.5インチ)のGaN単結晶基板を作製し、結晶性、電気特性、転位密度に大きな差が無いことを確認した。また、種結晶表面に50μm以上の大きな異物のあるものを数十回成長したが、基板自身が割れたり、変形したりするようなことが無いことを確認した。
任意の位置にGaN以外の材料を塗布、転写、蒸着、スパッタリングする場合の材料に関しては、高温下での成長のため、成長しているGaN中に混入し難いもの、または混入しても問題ないものを選択する必要がある。前述の条件を満たすものとして選択されたのが、炭素、ニッケル、金、銀、銅、白金、鉄、チタン、シリコン、タンタルである。これらの材料はGaNの成長温度領域800〜1200℃で融解することがないものである。
また本発明者は、上記したGaNと異なる異物を設けるのと同様の効果は、エッチングにより、直径50μm以上段差0.1μm以上の円形の凹部を設けることによっても、得られることを確認した。
オリエンテーションフラット、インデックスフラットに替わる目印としては、図1に示すように、半導体基板4の周辺部に、貫通孔5を数の異なる2群に分けて、例えば奇数個と偶数個の相違をもって3つ以上設け、偶数個の貫通孔5の位置、奇数個の貫通孔5の位置との組み合わせで、表裏の判別を可能とすることができる。勿論、このうちの一方の群を所定の結晶の方位に合致させれば、結晶の方位をも示す判別手段として機能させることができる。
また、図2に示すように、半導体基板6に3つの貫通孔7、8、9(A、B、C)を中心Oからの距離OA、OB、OCが異なるように、それぞれ所定の結晶方位に合わせて配置することで判別を実現できる。この場合も、これらの貫通孔の1つを、所定の結晶の方位に合致させれば、結晶の方位をも示す判別手段として機能させることができる。
さらにまた、図3に示すように、フォトリソグラフィーのフォトマスク11に、半導体基板10の貫通孔7、8、9に対応する位置にて、位置合わせマーク12を配設し、裏面から紫外光を入れ、貫通孔7、8、9にのみ紫外光が通るようにすれば、パターンの転写時の位置合わせにも利用することができる。
本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
請求項1〜5に記載の発明によれば、表裏や結晶方位の判別又は位置合わせ等の判別手段として、基板の周辺部に、前記基板の表面から裏面へ貫通する貫通孔を、数の異なる二群に分け又は中心からの距離の相違をもって配置して、表裏の判別を可能としたので、従来のオリエンテーションフラットやインデックスフラットと同じ機能を発揮させることができる。
また、請求項6〜10に記載の発明によれば、窒化物半導体の気相成長において、元となる種結晶表面の任意の位置に、GaN以外の材料を付ける、または凹凸をつけることで、その上部に正常に成長しない領域を形成して、エピタキシャル層の成長と同時に貫通孔を形成するので、従来の如く、成長後のオリエンテーションフラット、インデックスフラットの加工を必要とせずに、これらと同様の機能を持った目印(判別手段)として貫通孔を形成することができる。従って、本発明によれば、窒化物系半導体基板の成長後の外形加工の手間を省き、大幅に製造工程、製造コストを減らすことを可能となる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の窒化物系半導体基板の第一の実施形態を示したもので、III−V族窒化物系半導体結晶からなる自立したIII−V族窒化物系半導体基板4は、結晶方位や表裏の判別又は位置合わせ等の判別手段として、基板の周辺部に、基板の表面から裏面へ貫通する3つの貫通孔5を有する。この3つの貫通孔5は、数の異なる2群に分けられており、そのうち、数の多い偶数個(ここでは2個)の貫通孔5aからなる群は結晶方位を示すものとして所定の結晶方位に合致して配置され、また他の数の少ない奇数個(ここでは1個)の貫通孔5bからなる群は、基板の表裏の判別を決定づける手段となるように、これから90°離れた位置に設けられている。判別の仕方としては、例えば、2個の貫通孔5aで結晶方位を示し、図1の如く、この2個の貫通孔5aを下にした状態で、左側に貫通孔5bが位置する場合、基板の表(オモテ)面を見ていると定義する。
図2は、本発明の窒化物系半導体基板の第二の実施形態を示したもので、III−V族窒化物系半導体結晶からなる自立したIII−V族窒化物系半導体基板6は、結晶方位や表裏の判別又は位置合わせ等の判別手段として、基板の周辺部に、基板の表面から裏面へ貫通する3つの貫通孔7、8、9を有する。この3つの貫通孔7、8、9(A、B、C)は、基板の周辺部に中心Oからの半径方向距離OA、OB、OCが少しずつ異なっている。すなわち、貫通孔7、8、9(A、B、C)は中心Oからの半径方向距離OA、OB、OCがこの順序で長くなっている。従って、判別の仕方としては、例えば、最も半径方向距離の短い貫通孔7(A)で結晶方位を示し、図2の如く右回りに、順次に中心Oからの距離OA、OB、OCが長くなって行く貫通孔の配置関係の場合に、基板の表(オモテ)面を見ていると定義する。
図3は、本発明の窒化物系半導体基板の第三の実施形態を示したもので、本発明の貫通孔をパターンの転写時の位置合わせに利用するものである。すなわち、III−V族窒化物系半導体結晶からなる自立したIII−V族窒化物系半導体基板10の貫通孔7、8、9に対応する位置にて、フォトリソグラフィーのフォトマスク11に位置合わせマーク12を配設し、裏面から紫外光を入れ、貫通孔7、8、9にのみ紫外光が通るようにして、パターンの転写時の位置合わせに利用する。
(実施例1)
図4に本発明の製造方法の第一の実施例を示す。
はじめに、直径約5.08cm(2インチ)、厚さ650μmのc面単結晶サファイア基板13の表面に、厚さ300nmのGaN層14をMOVPE(有機金属気相成長法)を用いて成長した。
この表面の所定の位置、つまり上記貫通孔を設けるべき位置に、直径φ0.2mmのカーボン片17を載せ、その上に、後に剥離層となるTi膜15を20nm真空蒸着にて堆積した。
その後、アンモニア及び水素の混合雰囲気中において、1060℃での熱処理を30分施し、網目状のTiNナノマスクと、Ti/GaN界面に多数のボイドとを発生させた。すなわち、Ti膜15は窒化されてTiN層になるのと同時に、数十nm程度の多数の微細孔を有するメッシュ状の構造(TiNナノマスク)に変化した。一方、GaN層14はエッチングされ、サファイア基板13まで到達するボイドが多数形成された。このとき、表面に載せたカーボン片17の周囲には、TiNナノマスクと、Ti/GaN界面のボイドとが発生しない領域ができた。
この上に、ハイドライド気相エピタキシー(HVPE)装置を用いて、厚さ800μmのGaN厚膜16を1060℃で成長した。成長に用いた原料はNH3とGaClである。また、供給ガス中のGaCl分圧、NH3分圧は、それぞれ、8×10-3atm、8×10-2atmである。成長は常圧で行い、キャリアガスとしてN2を用いた。
成長終了後の冷却過程においてGaN厚膜16が自然に剥離した。すなわち、GaN厚膜(HVPE)−GaN/Ti界面から、GaN厚膜16が容易に剥離し、c面を主面とする自立GaN基板が得られた。このとき、GaN基板には、カーボン片17を載せた位置に、目視で確認できる直径100μm程度の貫通孔18aが生じ、任意の位置に貫通孔18を有する自立GaN基板を得ることが出来た。
このGaN基板の諸特性を評価したところ、転位密度は正常な成長面が4.0×106cm-2であるのに対し、貫通孔周辺部でも4.2×107cm-2と大差なく、ほぼ均一であり、キャリア濃度は正常な成長面が1×1018cm-3であるのに対し、貫通孔周辺部でも1.3×1018cm-3とほぼ均一であった。
(実施例2)
図5に本発明の製造方法の第二の実施例を示す。これは、GaN層14の上ではなく、直接サファイア基板13の表面に、同様のカーボン片17を載せた実施例である。
まず、直径約5.08cm(2インチ)、厚さ650μmのc面単結晶サファイア基板13における表面の所定の位置、つまり上記貫通孔を設けるべき位置に、直径φ0.2mmのカーボン片17を載せ、このサファイア基板13上にMOVPE法を用いてGaN層14を成長した。このようにGaN層14の上でなく、直接サファイア基板13の表面に同様のカーボン片17を載せ、GaN層14を成長したところ、その周辺のGaN層がクレーターのような形状になった。
その後、実施例1と同様に、後に剥離層となるTi膜15を20nm真空蒸着にて堆積した。次いで、アンモニア及び水素の混合雰囲気中において、1060℃での熱処理を30分施し、網目状のTiNナノマスクと、Ti/GaN界面に多数のボイドとを発生させた。このとき、実施例1よりも大きな範囲で、カーボン片17を載せた周囲に、TiNナノマスクと、Ti/GaN界面のボイドが発生しない領域ができた。
この上にハイドライド気相エピタキシー(HVPE)装置を用いて厚さ800μmのGaN厚膜を1060℃で成長した。成長終了後の冷却過程においてGaN厚膜16が自然に剥離し、c面を主面とする自立GaN基板が得られた。このとき、GaN基板には、実施例1よりもひと回り大きい直径100μmを超える貫通孔18bが生じ、任意の位置に目視で確認できる貫通孔を有する自立GaN基板を得ることが出来た。
(実施例3)
図6に本発明の第三の製造方法の実施例を示す。これはTi膜15の上に、同様のカーボン片17を載せた実施例である。
実施例1と同様にして、直径約5.08cm(2インチ)、厚さ650μmのc面単結晶サファイア基板13の表面に、厚さ300nmのGaN層14をMOVPE法を用いて成長した。その上に、Ti膜15を20nm真空蒸着にて堆積した。
その後、このTi膜15上の所定の位置、つまり上記貫通孔を設けるべき位置に、直径φ0.2mmのカーボン片17を載せ、アンモニア及び水素の混合雰囲気中において、1060℃での熱処理を30分施し、網目状のTiNナノマスクと、Ti/GaN界面に多数のボイドを発生させた。このとき、実施例1と同等の大きな範囲でカーボンを載せた周囲に、TiNナノマスクと、Ti/GaN界面のボイドが発生しない領域ができた。
この上に、ハイドライド気相エピタキシー(HVPE)装置を用いて厚さ800μmのGaN厚膜16を1060℃で成長した。成長終了後の冷却過程においてGaN厚膜16が自然に剥離し、c面を主面とする自立GaN基板が得られた。
このとき、GaN基板には、カーボン片17を載せた位置に、実施例1と同等の目視で確認できる直径80μm程度の貫通孔18cが生じ、任意の位置に貫通孔を有する自立GaN基板を得ることが出来た。
(実施例4)
実施例1〜3のようにして作製した貫通孔のある自立GaN基板の表裏を研摩した後、当該基板上にMOVPE法で発光ダイオード構造のエピタキシャル層を成長し、青色発光ダイオード(LED)用エピタキシャルウェハを作製した。活性層はInGaN/AlGaNの多重量子井戸構造であり、これをAlGaNのクラッド層が挟む構造とした。
このLED用エピタキシャルウェハの最表面を観察すると、貫通孔の周囲はエピタキシャル層の盛り上がりが見られ、一部使用できない領域があるが、オリエンテーションフラット、インデックスフラットで削り落とす領域に比べると、非常に小さいため、1枚当りから取得できる発光ダイオードの取得数は増えると考えられる。
また、これから切り出したチップにより多数のLEDを作製したところ、得られた総てのLEDの発光波長は充分な均一性を有していた。それゆえ、このLED用エピタキシャルウェハの全面積のうち、90%以上が規格内に入っていた。このことから、本発明の貫通孔があることで、電気特性に影響を及ぼすことはないと推定できる。
(他の応用例、変形例)
以上述べた実施例においては、本発明をGaN基板の製造方法に適用した例について説明したが、窒化アルミニウムガリウムや窒化ガリウムインジウムなどの3元混晶の単結晶自立基板の製造や、Mg等をドープしたp型GaN基板の製造に適用することもできる。
また、本発明は、自立基板の製造のみならず、サファイアなどの異種基板がついたままのものについても適用可能である。
同様に、本発明は、窒化物系以外の基板、例えば可視光下で透明なサファイアなどの酸化物基板に対しても適用することが可能である。すなわち、可視光下で透明な窒化物系半導体又は酸化物からなる基板において、結晶方位や表裏の判別又は位置合わせ等の判別手段として、基板の周辺部に、前記基板の表面から裏面へ貫通する1つ以上の貫通孔を設けた透明基板とする形態である。
本発明の窒化物系半導体基板における第一の実施形態の結晶方位と表裏を示す貫通孔の配置例を示した上面図である。 本発明の窒化物系半導体基板における第二の実施形態の結晶方位と表裏を示す貫通孔の他の配置例を示した上面図である。 本発明の窒化物系半導体基板における第三の実施形態の貫通孔のフォトリソグラフィーへの適用例を示したもので、(a)は半導体基板の貫通孔を、(b)はフォトマスクの貫通孔を示した図である。 本発明の製造方法の第一の実施例に係る窒化物系半導体基板の製造過程における断面構造を示した図である。 本発明の製造方法の第二の実施例に係る窒化物系半導体基板の製造過程における断面構造を示した図である。 本発明の製造方法の第三の実施例に係る窒化物系半導体基板の製造過程における断面構造を示した図である。 従来の窒化物系半導体基板の形状を示した上面図である。
符号の説明
4 窒化物系半導体基板
5、5a、5b 貫通孔
6 半導体基板
7、8、9 貫通孔
10 半導体基板
11 フォトマスク
12 位置合わせマーク
13 サファイア基板
14 GaN層(MOVPE法)
15 Ti膜(蒸着)
16 GaN厚膜(HVPE法)
17 カーボン片
18a、18b、18c 貫通孔

Claims (8)

  1. III−V族窒化物系半導体結晶からなる自立したIII−V族窒化物系半導体基板であって、前記基板の表面から裏面へ貫く貫通孔を、前記基板の周辺部に数の異なる2群に分けて3つ以上有し、表裏の判別が可能であり、前記基板の裏面から該基板が吸収する波長の光を入れた際に、前記基板の表面で前記波長の光が検出されることを特徴とする窒化物系半導体基板。
  2. III−V族窒化物系半導体結晶からなる自立したIII−V族窒化物系半導体基板であって、前記基板の表面から裏面へ貫く貫通孔を、前記基板の周辺部に中心からの距離の相違をもって3つ以上有し、表裏の判別が可能であり、前記基板の裏面から該基板が吸収する波長の光を入れた際に、前記基板の表面で前記波長の光が検出されることを特徴とする窒化物系半導体基板。
  3. 請求項1又は2に記載の窒化物系半導体基板において、
    前記貫通孔は、結晶方位や表裏の判別又は位置合わせの判別手段として、前記基板の周辺部に設けられることを特徴とする窒化物系半導体基板。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1項の窒化物系半導体基板を製造する方法において、
    前記基板を製造する際、その元となる種結晶上の任意の位置に、製造する前記半導体基板以外の材料を載せ、当該部分の正常な成長を妨げることにより、表裏を貫く貫通孔を形成することを特徴とする窒化物系半導体基板の製造方法。
  5. 請求項4に記載の窒化物系半導体基板の製造方法において、
    前記半導体基板以外の材料は、直径50μm以上の大きさで、塗布、転写、蒸着、スパッタリングのいずれかの手段により設けることを特徴とする窒化物系半導体基板の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の窒化物系半導体基板の製造方法において、
    前記半導体基板以外の材料として、炭素、ニッケル、金、銀、銅、白金、鉄、チタン、シリコン、タンタルのうちの一つ又はこれらのいずれかを含んでいる材料を用いることを特徴とする窒化物系半導体基板の製造方法。
  7. 請求項1〜3のうちのいずれか1項の窒化物系半導体基板を製造する方法において、
    前記基板を製造する際、その元となる種結晶上の任意の位置に凹凸を形成し、当該部分の正常な成長を妨げることにより、表裏を貫く貫通孔を形成することを特徴とする窒化物系半導体基板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の窒化物系半導体基板の製造方法において、
    前記凹凸は、エッチングにより、直径50μm以上段差0.1μm以上の円形の凹部を形成することを特徴とする窒化物系半導体基板の製造方法。
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