JP4866973B1 - 防波堤 - Google Patents

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Abstract

【課題】津波のような高い波に対抗し得る高さや強度を保持する防波堤を容易に建造できるようにする。
【解決手段】防波堤1において、複数の中空パイプ6を中空部7において上下に伸延させた補強材8で上下に連結して構成体3を形成するとともに、複数の構成体3を左右に密着させて並設する構成とした。また、左右に並設した複数の構成体3の海側の側面を左右に伸延させた複数本の連結材5a、5eなどで上下に間隔をあけて連結したので、防波堤の強度を増大させることができるとともに消波作用も発揮することできる。さらに、連結材5a、5eなどを水平に対して傾斜させて海水の滞留を防ぎ、連結材の腐蝕を防止した。
【選択図】図3

Description

本発明は、防波堤に関するものである。
従来より、海岸から高波が陸地へ進入するのを防止するために、海岸線近傍に防波堤を建造するようにしている。
従来の防波堤は、海岸線近傍に横置きした複数のコンクリートブロックを上下に積載し、上下のコンクリートブロックを連結材で連結した構成となっている(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2006−233463号公報
ところが、上記従来の防波堤では、津波のような高い波に対抗するために複数のコンクリートブロックを上下に積載する必要があるが、各コンクリートブロックの重量が重く、コンクリートブロックの積載といった建設作業に多大な労力を要していた。
また、上記従来の防波堤では、津波のような非常にエネルギーの高い波が衝突した場合に、上下のコンクリートブロックが前後にずれてしまい、簡単に崩れてしまうおそれがあった。
このように、従来においては、津波に対抗し得る強度や高さの防波堤を建造することが困難であった。
そこで、請求項1に係る本発明では、防波堤において、複数の中空パイプを中空部において上下に伸延させた補強材で上下に連結して構成体を形成するとともに、複数の構成体を左右に密着させて並設することにした。
また、請求項1に係る本発明では、前記左右に並設した複数の構成体の海側の側面を左右に伸延させた複数本の連結材で上下に間隔をあけて連結することにした。
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記連結材を水平に対して傾斜させることにした。
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
すなわち、本発明では、防波堤において、複数の中空パイプを中空部において上下に伸延させた補強材で上下に連結して構成体を形成するとともに、複数の構成体を左右に密着させて並設することにしているために、防波堤の強度を保持しながら容易に建設することができる。
特に、左右に並設した複数の構成体の海側の側面を左右に伸延させた複数本の連結材で上下に間隔をあけて連結することにした場合には、防波堤の強度を増大させることができるとともに、上下に並べた連結材が消波作用を発揮して波から受ける力を緩和することができる。
また、連結材を水平に対して傾斜させることにした場合には、連結材の上面に海水が残留するのを防止して連結材の腐食を防止することができる。
防波堤を示す斜視図。 防波堤を示す正面図(a)、側面図(b)、背面図(c)。 防波堤を示す一部切欠拡大平面図。
以下に、本発明に係る防波堤の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
図1〜図3に示すように、防波堤1は、海岸線近傍に形成した基礎2の上部に複数の柱状の構成体3を前後及び左右に密着させて並設し、上端部を矩形板状の天板4で覆設するとともに、左右に並ぶ構成体3を連結材5a〜5hで連結した構成となっている。
構成体3は、中空パイプ6(ここでは、中空状の角パイプ。)を中空部7において基礎2から天板4までの長さで上下に伸延させた補強材8(ここでは、レール鋼。)で上下に連結した構成となっている。なお、構成体3は、中空部7にコンクリート等を打設してもよい。
ここで、補強材8は、中空パイプ6の中空部7の周面に沿って複数本並べ、中空部7の周面に溶接又はボルト等で締結している。
このように、上下に伸延させた補強材8で中空パイプ6を上下に連結することで構成体3を形成しているために、補強材8の長さを長くして上下に連結する中空パイプ6の個数を多くすることで、構成体3の高さを容易に高くすることができる。
防波堤1は、上記構成体3を左右に密着させた状態で並べるとともに、前後の構成体3を左右に半個分だけずらして前後3列に並べて構成している。
そのため、前後や左右に並べる構成体3の本数を増減することでサイズの異なる防波堤1を容易に形成することができる。
左右に並べた構成体3は、海側の側面(防波堤1の正面側)及び陸側の側面(防波堤1の背面側)において、左右に伸延させた連結材5a〜5h(ここでは、レール鋼。)で連結している。各連結材5a〜5hは、構成体3の側面に溶接又はボルト等で締結している。
連結材5a〜5hは、構成体3に上下に間隔をあけて取付けている。ここで、海側の側面では、上から1番目の連結材5aを水平よりも右下向きに傾斜させ、2番目の連結材5bを水平よりも左下向きに傾斜させ、3番目の連結材5cを水平よりも右下向きに傾斜させ、4番目の連結材5dを水平よりも左下向きに傾斜させ、上下の連結材5a〜5dを交互に逆向きに傾斜させ、一方、陸側の側面では、上から1番目の連結材5eを水平よりも右下向きに傾斜させ、2番目の連結材5fを水平よりも左下向きに傾斜させ、3番目の連結材5gを水平よりも右下向きに傾斜させ、4番目の連結材5hを水平よりも左下向きに傾斜させ、上下の連結材5e〜5hを交互に逆向きに傾斜させるとともに、海側と陸側の前後の連結材5a〜5hを互いに逆向きに傾斜させている。
以上に説明したように、上記防波堤1は、複数の中空パイプ6を中空部7において上下に伸延させた補強材8で上下に連結して構成体3を形成するとともに、複数の構成体3を左右に密着させて並設した構成となっている。
そのため、上記構成の防波堤1では、津波のような高い波に対抗し得る高さや強度を保持する防波堤1を容易に建設することができる。
また、上記防波堤1は、左右に並設した複数の構成体3の海側及び陸側の側面を左右に伸延させた複数本の連結材5a〜5hで上下に間隔をあけて連結した構成となっている。
そのため、上記構成の防波堤1では、連結材5a〜5hによって防波堤1の強度を増大させることができるとともに、上下に並べた連結材5a〜5hが消波作用を発揮して防波堤1(構成体3)が波から受ける力を緩和することができる。
特に、上記防波堤1は、連結材5a〜5hを水平に対して傾斜させることで、連結材5a〜5hの上面に海水が残留するのを防止して連結材5a〜5hの腐食を防止している。
また、上記防波堤1は、上下の連結材5a〜5hを左右逆向きに傾斜させることで、連結材5a〜5hの上面で海水を左右にバランス良く排出することができるとともに、斜め方向から衝突する波に対しても消波作用を発揮させることができる。
なお、上記防波堤1では、天板4に走行レールを取付けて検査用や運搬用のクレーン等を走行可能に設置することもできる。
1 防波堤
2 基礎
3 構成体
4 天板
5a〜5h 連結材
6 中空パイプ
7 中空部
8 補強材

Claims (2)

  1. 複数の中空パイプを中空部において上下に伸延させた補強材で上下に連結して構成体を形成するとともに、複数の構成体を左右に密着させて並設した防波堤において、
    前記左右に並設した複数の構成体の海側の側面を左右に伸延させた複数本の連結材で上下に間隔をあけて連結したことを特徴とする防波堤。
  2. 前記連結材を水平に対して傾斜させたことを特徴とする請求項1に記載の防波堤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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